JP2010275479A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

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Takao Sunaga
高男 須永
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政隆 中西
Katsuhiko Oshimi
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Abstract

【課題】優れた難燃性および耐熱性を有する硬化物の得られるエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】特定のフェノールフタレイン類化合物とエピハロヒドリンとを反応させることによって得られるエポキシ樹脂及びフェノールアラルキル型エポキシ樹脂及び下記式(2)
Figure 2010275479

で表されるフェノール樹脂および金属水酸化物フィラーを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化物が難燃性を示し、なおかつ耐熱性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
近年、半導体素子の高性能化ならびに使用分野・環境の多様化に伴い、半導体パッケージには小型化、軽量化、薄型化などの形状に関する要求が益々高まっている。また、昨今の環境問題に対する意識の高まりにより、半田の鉛フリー化、パッケージのノンハロゲン・ノンアンチモン難燃化や、高温や高湿条件下での耐久性に関する要求がされている。
特開2008−179739号公報
ノンハロゲン・ノンアンチモン難燃の要求特性に応えるエポキシ樹脂組成物としては、これまでにフェノールフタレイン型のエポキシが含まれる特許文献1が報告されており、この硬化物はUL94でV−0の難燃性を有していることが記されている。しかしながら、特許文献1に具体的に記載された組成物は、硬化剤としてそれ自身難燃性があることが知られているビフェニル骨格を有したフェノール樹脂を使用もののみである。この組成物は十分な耐熱性が出せないというデメリットがある。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は
(1)
下記式(1)
Figure 2010275479
(式中、Q及びRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアリール基、水酸基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基のいずれかを表す。m及びnはそれぞれQ及びRの数を表し、1〜4の整数を表す。)で表される化合物とエピハロヒドリンとを反応させることによって得られるエポキシ樹脂、
下記式(2)
Figure 2010275479
(式中、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアリール基のいずれかを表す。nは繰り返し数の平均値であり1<n≦5を表す。)で表されるフェノール樹脂、
および金属水酸化物フィラーを含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(2)
(1)に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で、含有する金属水酸化物フィラーが水酸化マグネシウム系フィラーである半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(3)
(1)および(2)に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で、含有する金属水酸化物フィラーの質量%が1〜10%である半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(4)
(1)〜(3)に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で、半導体素子を封止した半導体装置、
に関する。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、ハロゲン化合物やアンチモン化合物などの難燃剤を用いることなしにその硬化物が難燃性を有し、且つ高湿下での高信頼性をも有するため、半導体素子を保護するのにきわめて有用である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記式(1)で表される化合物のエポキシ化物、前記式(2)で表されるフェノール樹脂および金属水酸化物フィラーを含有する。
式(1)で表される化合物のエポキシ化物は特許文献1他によって公知で、これらに準じてフェノールフタレイン類化合物とエピクロロヒドリンのようなエピハロヒドリンとを反応させることにより得られるが、これに限定することなく、以下のような製法でも得られる。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において、エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリン、α‐メチルエピクロルヒドリン、γ‐メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が使用でき、本発明においては工業的に入手が容易なエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンの使用量は式(1)の化合物の水酸基1モルに対し通常2〜20モル、好ましくは4〜10モルである。
上記反応において使用できるアルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。アルカリ金属水酸化物は、固形物であっても、その水溶液を使用してもよい。水溶液を使用する場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液して水を除去し、エピハロヒドリンを反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量は式(1)の化合物の水酸基1モルに対して通常0.8〜2.0モルであり、好ましくは1.0〜1.8モル、より好ましくは1.0〜1.5モルである。
反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加することは好ましい。4級アンモニウム塩の使用量としては式(1)の化合物の水酸基1モルに対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが反応進行上好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜20重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの使用量に対し通常5〜100重量%、好ましくは10〜80重量%である。
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である。
反応終了後、反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行ない、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量は式(1)の化合物の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂が得られる。
式(2)で表されるフェノール樹脂は、必要により酸性触媒の存在下、フェノールとビスハロゲノメチルベンゼン類、ビスアルコキシメチルベンゼン類、キシリレングリコール類またはジビニルベンゼン類等とを反応させることにより得られるが、市販品として入手することも可能である。市販品としては、例えば、ミレックス XLC(三井化学(株)製)等の名称で市販されている。
本発明で使用される金属水酸化物フィラーとしては、水酸化アルミニウム系フィラーや水酸化マグネシウム系フィラー、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウムや水酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは市販品として入手することも可能であり、例えば水酸化マグネシウム系フィラーとしては、エコーマグ(タテホ化学工業(株)製)等の名称で市販されている。金属水酸化物フィラーの使用量は本発明のエポキシ樹脂組成物中で1%〜10質量%が好ましい。少なすぎると難燃性が低下し、多すぎると混練が困難になり、硬化物が吸湿しやすくなるといった問題がある。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要により硬化促進剤を使用することができる。使用できる硬化促進剤の例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィントリフェニルボランなどのホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物が挙げられる。硬化促進剤は本発明のエポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂成分100質量部に対して0.02〜5.0質量部が必要に応じて用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、フェノールフタレイン型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を併用しても良い。併用できる他のエポキシ樹脂の具体例としては、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物;フェノール類と各種ジエン化合物(テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物;フェノール類とビスクロロメチルビフェニルとの重縮合物;フェノール類とビスクロロメチルベンゼンとの重縮合物;ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物またはアルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;4−ビニル−1−シクロヘキセンジエポキシドや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシラートなどを代表とする脂環式エポキシ樹脂;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンやトリグリシジル−p−アミノフェノールなどを代表とするグリシジルアミン系エポキシ樹脂;グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。併用できる他のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂成分中に占める割合は30質量%以下が好ましく、特に20質量%以下が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、式(2)で表されるフェノール樹脂以外のエポキシ樹脂用硬化剤を併用しても良い。併用できる硬化剤としてはアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物などが挙げられる。使用できる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等のアミン系化合物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系化合物;ビスフェノール類、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類とビスクロロメチルビフェニルとの重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、ビフェノール類及びこれらの変性物等のフェノール系化合物;イミダゾール、グアニジン誘導体等のアミド系化合物、BF3−アミン錯体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらの硬化剤の全硬化剤成分中に占める割合は30質量%以下が好ましく、特に20質量%以下が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は前記の金属水酸化物フィラーのほかに、その他の無機充填剤を併用してもよい。その他の無機充填剤の具体例としては溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化鉄、酸化チタン、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、マイカ、ガラス、石英、雲母などが挙げられるがこれらに限定されない。これらは2種以上を混合して使用しても良い。これら無機充填剤のうち、コストが安く、電気的な信頼性も良好なことから溶融シリカや結晶性シリカ等のシリカ類が好ましい。無機充填剤の使用量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中において金属水酸化物フィラーと合わせて通常50質量%〜90質量%、好ましくは75質量%〜85質量%の範囲である。無機充填剤が少なすぎると難燃性の効果が得られず、多すぎると銅系リードフレームに搭載されている半導体素子を封止する場合に、封止樹脂とリードフレームとの線膨張率の違いから封止の際に内部応力を溜め込み易く、ヒートショックなどの熱応力によって不具合が発生する可能性がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、成形時の金型との離型を良くするために離型剤を配合することができる。離型剤としては従来公知のものがいずれも使用できるが、例えばカルナバワックス、モンタンワックスなどのエステル系ワックス、ステアリン酸、パルチミン酸などの脂肪酸およびこれらの金属塩、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。これら離型剤の配合量は全有機成分に対して0.5質量%〜3質量%が好ましい。これより少なすぎると金型からの離型性が低下し、多すぎるとリードフレーム等との接着性が低下する。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填剤と樹脂成分との接着性を高めるためにカップリング剤を配合することができる。カップリング剤としては従来公知のものがいずれも使用できるが、例えばビニルアルコキシシラン、エポキアルコキシシラン、スチリルアルコキシシラン、メタクリロキシアルコキシシラン、アクリロキシアルコキシシラン、アミノアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、イソシアナートアルコキシシランなどの各種アルコキシシラン化合物、アルコキシチタン化合物、アルミニウムキレート類などが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。カップリング剤の添加方法は、カップリング剤であらかじめ無機充填剤表面を処理した後、樹脂と混練しても良いし、樹脂にカップリング剤を混合してから無機充填剤と混練しても良い。
更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネートエステル系化合物、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにカーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に分散混合できる従来公知のいかなる手法を用いても製造することができる。例えば各成分を全て粉砕してヘンシェルミキサーなどで混合後、加熱ロールによる溶融混練、ニーダーによる溶融混練、特殊混合機による混合、あるいはこれら各方法の適切な組み合わせを用いることで調製される。また、本発明の半導体装置は、リードフレームなどに搭載された半導体素子を、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形などにより樹脂封止することで製造することができる。
本発明の半導体装置は前記の本発明のエポキシ樹脂組成物で封止されたもの等の本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物を有する。半導体装置としては、例えばDIP(デュアルインラインパッケージ)、QFP(クワッドフラットパッケージ)、BGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)、SOP(スモールアウトラインパッケージ)、TSOP(シンスモールアウトラインパッケージ)、TQFP(シンクワッドフラットパッケージ)等が挙げられる。
また、熱放散性や高速電気特性の問題から、本発明の半導体装置には銅系リードフレームを用いるのが好ましい。銅系のリードフレームとは、銅合金を素材とし、各種メッキ化工を施したリードフレームである。
以下、合成例、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。次に本発明を更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明は以下に限定されるものではない。また、エポキシ当量、JIS軟化点を以下の条件で測定した。
・エポキシ当量
JIS K‐7236に記載された方法で測定し、単位はg/eqである。
・JIS軟化点
JIS K‐7234に記載された方法で測定し、単位は℃である。
合成例
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに窒素パージを施しながら、フェノールフタレイン159部、エピクロルヒドリン555部、ジメチルスルホキシド72部を加え、撹拌下、60℃にまで昇温し、フレーク状の水酸化ナトリウム41部を120分かけて分割添加した後、60℃のまま2時間、70℃で2時間撹拌し、反応を行なった。反応終了後水洗を行ない、油層からロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン473部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。溶液を水洗し、塩を取り除いた後に、再度70度に昇温し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液11部を加え、1時間反応を行なった後、洗浄水が中性になるまで水洗を行ない、得られた溶液からロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで目的とするエポキシ樹脂(E1)210部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は231g/eq、JIS軟化点は65℃であった。
実施例1、2および比較例1、2
各種成分を表1の割合(質量部)で配合し、ミキシングロールで混練、タブレット化後、トランスファー成形で樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間硬化させて得られた硬化物の物性を測定した。結果を表1に示す。
なお、硬化物の物性は以下の要領で測定した。
・難燃性:UL94に準拠して評価を行った。ただし、試験片は幅12.5mm×長さ150mm×厚さ0.8mm。
・残炎時間:5個1組のサンプルに10回接炎したあとの残炎時間の合計
Figure 2010275479
注)
(E2):式(3)で表されるエポキシ樹脂(商品名 NC−2000−L、日本化薬製、エポキシ当量238g/eq.、JIS軟化点52℃)
Figure 2010275479
(H1):式(2)で表されるフェノール樹脂(商品名 ミレックスXLC−3L、三井化学製、水酸基当量172g/eq.、JIS軟化点71℃)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィン(北興化学工業製)
無機充填剤:水酸化マグネシウム系フィラー(商品名 エコーマグPZ−1SP、タテホ化学工業製)
:溶融シリカ(商品名 MSR−2212、龍森製)
離型剤:カルナバワックス(商品名 カルナバワックス1号、セラリカ野田製)
カップリング剤:シランカップリング剤(商品名 KBM−303、信越化学製)
実施例3および比較例3
各種成分を表2の割合(質量部)で配合し、ミキシングロールで混練、タブレット化後、トランスファー成形で樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間硬化させて得られた硬化物の物性を測定した。結果を表2に示す。
なお、硬化物の物性は以下の要領で測定した。
・ガラス転移温度(DMA):
真空理工株式会社製 TM−7000により昇温速度 2℃/min.の条件で測定。
Figure 2010275479
表1および2の結果から、本発明のエポキシ樹脂組成物は、その硬化物が難燃性および耐熱性に優れていることは明らかである。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いることにより、難燃性、耐熱性に優れた硬化物を与えることがわかる。したがって、本発明のエポキシ樹脂組成物はこの特性を生かすことにより、電気・電子材料分野、特に半導体封止に有用である。

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 2010275479
    (式中、Q及びRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアリール基、水酸基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基のいずれかを表す。m及びnはそれぞれQ及びRの数を表し、1〜4の整数を表す。)で表される化合物とエピハロヒドリンとを反応させることによって得られるエポキシ樹脂、
    下記式(2)
    Figure 2010275479
    (式中、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアリール基のいずれかを表す。nは繰り返し数の平均値であり1<n≦5を表す。)で表されるフェノール樹脂、
    および金属水酸化物フィラーを含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
  2. 請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で、含有する金属水酸化物フィラーが水酸化マグネシウム系フィラーである半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
  3. 請求項1および2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で、含有する金属水酸化物フィラーの質量%が1〜10%である半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
  4. 請求項1〜3に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で、半導体素子を封止した半導体装置。
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WO2011142466A1 (ja) * 2010-05-14 2011-11-17 日本化薬株式会社 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物

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