JP2010275180A - 金属微粒子のプラズモン現象を利用した薄片状粉体およびその色調制御方法 - Google Patents

金属微粒子のプラズモン現象を利用した薄片状粉体およびその色調制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属微粒子のプラズモン現象を利用し、十分な色調かつ高い光輝感をもつ薄片状粉体及びその色調制御方法を提供する。
【解決手段】薄片状粉体1に金属微粒子2を付着させ、薄片状粉体を着色させる構造体であり、薄片状粉体1と、前記薄片状粉体主面上の一部に、粒子径1〜50nmの金属微粒子2が付着してなる層と、を有し、前記薄片状粉体主面上の20〜99%が露出しており、金属微粒子のプラズモンによる可視光の吸収と、金属微粒子2が付着していない薄片状粉体1の主面において、可視光を反射せしめる構造を有することを特徴とする着色構造体を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属微粒子のプラズモン現象を利用した薄片状粉体およびその色調制御方法に関する。
従来、黒色系顔料としては、特許文献1に開示されているように、カーボンブラック、黒色酸化鉄、低次酸化チタン(チタンブラック)などが用いられてきた。
黒色系顔料は、自動車、インキ、化粧品、など用途が非常に広く、特に、光輝感(独自のキラキラ感)の高いものが求められており、特許文献2、3において、フレーク状ガラスの表面に、ニッケル合金、黒酸化鉄、低次酸化チタン薄膜を形成し、光を反射させることにより、光輝感を増加させる方法が開示されている。
また、特許文献4において、板状の干渉顔料に粒子径1〜40nmの金属微粒子を被覆し、さらに、その表面に、金属酸化物または金属水酸化物を被覆することにより、金属微粒子のプラズモン吸収および、金属酸化物または金属水酸化物における表面の反射率を制御することによって、鮮やかな発色を呈する顔料を提供する技術が開示されている。
特開平5−279040号公報 特開2002−30232号公報 国際公開2008/056795号パンフレット 特開2006−299051号公報
特許文献1に開示されているカーボンブラック、黒色酸化鉄、チタンブラックなどを黒色顔料として用いる場合、これは、光の吸収により、黒色を呈するものであり、十分な光輝感を得ることが難しい。
特許文献2、3の方法より、フレーク状ガラスに薄膜を形成し、光の反射を利用して、光輝感を増加させることは可能であるが、特に黒色に関しては、可視光領域の光を十分吸収する必要があり、また光の吸収と反射を一つの物質で達成することは困難である。そのため、特に、十分な黒色かつ高い光輝感を持つフレーク状ガラスを得ることができないという問題点があった。
特許文献4の方法では、金微粒子や銀微粒子のプラズモン吸収に由来する鮮やかな赤色や黄色を呈する顔料を提供できることについて記載しているが、黒色の顔料を提供できることについての記載はされていない。
本発明の目的は、十分な色調かつ高い光輝感をもつ薄片状粉体、特に、十分な黒色かつ高い光輝感をもつ薄片状粉体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、薄片状粉体に銀微粒子を付着させ、薄片状粉体に付着する銀微粒子の量と付着状態を制御し、銀微粒子のプラズモンによる可視光の吸収および、銀微粒子の付着していない薄片状粉体表面における可視光の反射を利用することにより、十分な黒色、かつ、高い光輝感をもつ薄片状粉体を得ることを見出し、本発明に至った。
さらに、本発明者らは、薄片状粉体に付着する金属微粒子の量、種類、付着状態を制御することによって、高い光輝性を維持しつつ、薄片状粉体の色調を制御する知見を得た。
すなわち、本発明は、薄片状粉体に金属微粒子を付着させ、薄片状粉体を着色させる構造体であり、薄片状粉体と、前記薄片状粉体主面上の一部に、粒子径1〜50nmの金属微粒子が付着してなる層と、を有し、前記薄片状粉体主面の面積の20〜99%が露出していることを特徴とする着色構造体であり、金属微粒子のプラズモンによる可視光の吸収と、金属微粒子が付着していない薄片状粉体の主面において、可視光を反射せしめることを特徴とする着色構造体である。
なお、ここで言う主面とは、薄片状粉体の端面でない部分を表す。
本発明の金属微粒子を付着させた薄片状粉体は、金属微粒子によるプラズモン吸収と薄片状粉体の表面を反射させることにより、十分な色調かつ高い光輝感をもつ薄片状粉体を得ることが可能となる。
さらに、薄片状粉体に付着する金属微粒子の種類、量、付着状態を制御することによって、高い光輝性を維持しつつ、薄片状粉体の色調を制御することが可能となる。
本発明に用いる薄片状粉体としては、フレーク状ガラス、雲母、などが挙げられる。特に、表面の平滑なフレーク状ガラスは優れた光輝性を持つため好適である。用いる雲母としては、天然雲母、合成雲母のいずれであってもよいが、表面の平滑な合成雲母を使用することが好ましい。
また、フレーク状ガラス、雲母などの表面に金属酸化物を被覆したものを薄片状粉体として使用することができる。金属酸化物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、これらの金属酸化物が1種または2種以上の金属酸化物を用いることができ、この金属酸化物層は1層であってもよく、複数層あってもよい。被覆の方法としては、一般的に知られている方法であれば、特に限定されず、スパッタリング法、ゾルゲル法、CVD法など公知の方法を利用することができる。
上記に説明したように、本発明に用いる薄片状粉体としては、フレーク状ガラスが好適である。以下、フレーク状ガラスについて説明する。
本発明に用いるフレーク状ガラスの製造方法は、特に限定されないが、例えば、ガラス溶融法、ゾルゲル法、など公知の技術を用いて製造することができる。
フレークの材料であるガラスは、特に限定されず、一般に使われているソーダライムガラス、Cガラス、Eガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、耐アルカリガラス、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、コロイダルシリカ、などが挙げられる。
本発明に用いるフレーク状ガラスは、フレーク表面を反射する光によって、光輝感を付与するため、表面が平滑なものが好ましい。具体的には、表面の平坦度を0.5μm、好ましくは0.4μm、さらに、0.2μmとすることが好ましい、0.5μm超では、フレークの表面に金属酸化物などのオーバーコート層を被覆する場合、フレーク表面の凹凸により、高い光輝感を得にくくなる。なお、本発明において、平坦度とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフレーク断面の任意の箇所において、フレーク断面と水平に10μmのスケールバーを接して、スケールバーとフレーク表面の凹凸によるひずみの最大値で表し、10箇所測定して得られた各値の平均値として定義した。
フレークの厚さは、0.1〜5μm、さらには0.2〜2μmであることが好ましい。5μmより厚いとフレークの断面にクラックが入りやすく、0.1μmより薄いとフレークが脆くなりやすい。なお、フレークの両主面(端面でない部分)は、略平行であることが好ましい。なお、フレークの厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフレークの断面を10箇所測定して得られた各値の平均値として定義した。
フレークの平均粒子径は、1〜200μm、さらには、5〜150μmであることが好ましい。薄片状粉体の平均粒子径は、レーザー回折・散乱粒度分布測定装置等を用いて求めることができる。
また、上記では薄片状粉体がフレーク状ガラスである場合を説明したが、薄片状粉体が、天然雲母、合成雲母である場合も、フレーク状ガラスと同様な、平坦度、厚さ、粒子径をもつものであれば適用可能である。
薄片状粉体に金属微粒子を付着させる方法としては、一般的な無電解メッキ法を用いることができる。無電解メッキ法を用いることによって、比較的、少ない工程で、薄片状粉体の表面にナノメートルオーダーの粒子を均一に析出させることができる。
一般的に、被メッキ材に金属またはその合金の無電解メッキを行うと、最初、被メッキ材の表面には、ナノメートルオーダーの孤立した金属粒子が析出し、さらに、無電解メッキを続けると、孤立した金属粒子が平面的に結合し、厚み方向にも電析が進行し、最終的には被メッキ材の全体表面を覆う金属薄膜になる。
そのため、被メッキ材の表面には、一度に平滑な金属薄膜が形成されるのではなく、被メッキ材の表面では、一旦、これらの孤立した金属粒子が析出した部分と金属粒子が析出していない部分とを有する不連続な島状膜(以下、島状膜と呼ぶ)構造となる。
本発明は、基材となる薄片状粉体の表面に、上記した島状膜が形成されることを、意図的に利用することを特徴としている。すなわち、図1の本発明の概念図に示されるように、島状膜における金属微粒子によるプラズモン吸収と薄片状粉体表面における光の反射により、本発明の薄片状粉体は、十分な色調かつ高い光輝感を提供することが可能となる。プラズモンとは、金属中の自由電子が集団的に振動する現象であり、金属微粒子がナノメートルオーダーの大きさになると、金属微粒子の表面におけるプラズモンと可視光から近赤外域の光電場が共鳴して特異的な光吸収が起こる。本発明は、ナノメートルオーダーの金属微粒子の表面にプラズモンが局在することによる光吸収を利用するものである。図1に示されるように、ナノメートルオーダーの金属微粒子表面のプラズモン吸収を効率的に利用するために、形成される島状膜の個々の金属微粒子は、密着せずに独立していることが好ましい。
このような島状膜を構成する金属微粒子としては、例えば、金、銀、白金、銅、パラジウムなどを挙げることができ、これらの金属の中で、1種または2種以上を用いることもできる。粒子の粒径は、求められる薄片状粉体の色調によって異なるが、可視光領域の波長よりも小さい値、例えば、100nm以下にすることが好ましく、さらに、1〜50nmとすることが好ましい。
薄片状粉体表面の島状膜において、金属微粒子からなる島状膜が少なすぎると、金属微粒子に由来するプラズモン吸収による色調を十分出すことできず、逆に、金属微粒子からなる島状膜が多すぎると、構成金属による色調だけが視認させるようになってしまう。このようなことから、薄片状粉体の主面(端面ではない部分)面積の20〜99%程度が露出していることが好ましい。また、金属粒子からなる島状膜の厚み(膜厚)は、1〜100nmと調整されることが好ましく、さらに、5〜50nmとすることが好ましい。
薄片状粉体表面に金属微粒子を析出させる無電解メッキ工程において、金属イオン溶液から金属微粒子が析出する反応がほぼ完全に進行すると考えられるため、薄片状粉体表面に付着する金属微粒子の割合は、薄片状粉体の質量と金属イオン溶液から析出すると考えられる金属量から求めた。薄片状粉体に析出する金属量の割合は、0.001〜100質量%であることが好ましく、さらに、求められる色調などの条件によって適宜調整されることが好ましい。
適用する無電解メッキの条件は、特に限定されるものではなく、従来から行われている金属またはその合金を形成する無電解メッキの条件を採用することができる。特に、本発明では、無電解メッキ時の、金属イオン溶液の濃度、メッキ時間を制御することによって、金属粒子からなる島状膜の割合(薄片状粉体表面の露出割合)、厚み、などを適切な値となるように調整することができる。
薄片状粉体に金属微粒子を析出させる方法は以下の通りである。
(増感処理工程)
薄片状粉体を塩化第一スズの水溶液に浸漬し、表面の増感処理を行う。これは次工程(メッキ処理工程)の処理において、金属の析出を容易に起こさせるための感受化のためである。前記処理を施した薄片状粉体を二塩化パラジウムに浸漬させることにより、表面にパラジウムを析出させ活性化させることも可能である。
(無電解メッキ処理工程)
前処理を施した薄片状粉体を金属メッキ溶液に浸漬させ、金属イオンを還元することにより、薄片状粉体表面に金属微粒子を付着させる。無電解メッキ溶液の金属イオン供給源としては、硝酸銀、シアン化銀、塩化金酸、硫酸銅、などの金属塩が挙げられる。金属イオンのキレート剤としては、モノカルボン酸、多価カルボン酸などのカルボン酸やアンモニアが挙げられ、共存する還元剤の種類およびメッキ液のpHにおいて最も安定なものを選択することが好ましい。具体的なキレート剤としては、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、プロピオン酸、などの酸ならびにこれらのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩が挙げられる。メッキ液に用いられる還元剤としては、グルコース、ギ酸、ホルムアルデヒド、酒石酸ナトリウムカリウムなどが挙げられる。
また、金属微粒子を付着させた薄片状粉体を基材として、その表面にオーバーコート層を被覆することができる。被覆するオーバーコート層として、金属酸化物を用いることができ、金属酸化物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、これらの金属酸化物が1種または2種以上の金属酸化物を用いることが可能であり、中でも、シリカとチタニアが好適である。また、この金属酸化物層は1層であってもよく、複数層あってもよい。被覆の方法としては、一般的に知られている方法であれば、特に限定されず、スパッタリング法、ゾルゲル法、CVD法など公知の方法を利用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
[実施例1−1](銀微粒子付着フレーク状ガラスの作製:黒色)
増感処理工程)
イオン交換水1Lに塩化スズ・二水和物0.16gを溶かし希塩酸を加えて、pH2.0とした。この溶液に、フレーク状ガラス(平均厚さ1μm、平坦度0.2μm、平均粒子径25μm)100gを攪拌しながら加えて10分後にろ過した。
(銀メッキ処理工程)
イオン交換水1Lに硝酸銀50g(AgNO3:169.89g/mоl)とアンモニア水を適当量加え、銀液を調製した。この銀液に上記増感処理を施したフレーク状ガラス(平均厚さ1μm、平坦度0.2μm、平均粒子径25μm)100gを攪拌しながら投入し、さらに5重量%のグルコース溶液を還元液として添加し、フレーク状ガラスに銀微粒子を析出させた。さらに、フレーク状ガラスを濾過し、100℃で乾燥させた。フレーク状ガラス表面に付着する銀微粒子の割合は、フレーク状ガラスの質量と銀イオン溶液から析出すると考えられる金属量から求めた。その結果、フレーク状ガラスに析出する銀微粒子の割合は、31.75質量%であった。
(フレーク状ガラスの色調)
得られたフレーク状ガラスを目視により観察したところ、黒色であった。
(電子顕微鏡によるフレーク状ガラスの観察)
得られたフレーク状ガラスの表面形状および表面に析出した銀微粒子の粒径を、走査型電子顕微鏡(S−4500;日立製作所)を用いて観察した。銀微粒子の平均粒子径は、フレーク状ガラスの表面の任意の箇所において、50nmピッチのスケールバーを接して10箇所測定して得られた値として定義した。得られたフレーク状ガラスの走査型電子顕微鏡写真を図2に示した。図2の電子顕微鏡写真より、フレーク状ガラスの表面には、平均粒径が30nmであり、粒子径1〜50nmの銀微粒子が付着した状態で、島状膜を形成しており、フレーク状ガラス主面の約50%が露出していることが分かる。さらに、この島状膜の厚さは約50nmであった。
(黒色フレーク状ガラスの光輝性評価)
得られた黒色フレーク状ガラス(平均厚さ1μm、平坦度0.2μm、平均粒子径25μm、銀微粒子の平均粒子径30nm、フレーク状ガラス主面の露出面積割合70%)の光輝性評価を行った。
得られた黒色フレーク状ガラスをセロテープ(登録商標)に塗布し、評価サンプルとした。光輝性は、光沢度計(日本電色工業製、シグマ80)を用いて入射角45度、受光各45度でY値を測定した。その結果、黒色フレークは32.1であった。
[比較例1−1](カーボンブラックの光輝性評価)
同様に、市販のカーボンブラック粉体(Monarch 120 Cabot製)をセロテープ(登録商標)に塗布し、評価サンプルとした。光輝性は、光沢度計(日本電色工業製、シグマ80)を用いて入射角45度、受光各45度でY値を測定した。その結果、カーボンブラックは4.6であった。
[実施例1−1]と[比較例1−1]の比較より、本発明の方法によって得られた黒色のフレーク状ガラスは、市販のカーボンブラックより、約7倍の反射光強度を示し、高い光輝感を有していることが分かる。
[比較例1−2] (黒色フレーク状ガラスの光輝性評価:平坦度の影響について)
用いるフレーク状ガラスの平坦度を1.0μmとする以外は、実施例1−1と同様な方法で作成した黒色フレーク状ガラス(平均厚さ1μm、平坦度1.0μm、平均粒子径25μm、銀微粒子の平均粒子径30nm、フレーク状ガラス主面の露出面積割合70%)を用いて光輝性評価を行ったところ、10.5であった。
[実施例1−1]と[比較例1−2]の結果より、平坦度の小さく、平坦性の良いガラスフレークを用いたほうが高い光輝感を有することが分かる。
[実施例1−2](銀微粒子付着フレーク状ガラスの作製:茶色)
銀メッキ処理工程に用いる銀液の調製に用いる硝酸銀の量を10gとする以外は、実施例1−1と同様に銀微粒子付着フレーク状ガラスの作製を行った。その結果、色調が茶色のフレーク状ガラスを得ることができた。さらに走査型電子顕微鏡による観察を行ったところ(図示なし)、フレーク状ガラスの表面には、粒子径1〜50nmの銀微粒子が付着した状態であった。実施例1−1と同様に、フレーク状ガラスの質量と銀イオン溶液から析出すると考えられる金属量を求めたところ、フレーク状ガラスに析出する銀微粒子の割合は、6.35質量%であった。
[実施例1−3](銀微粒子付着フレーク状ガラスの作製:肌色)
銀メッキ処理工程に用いる銀液の調製に用いる硝酸銀の量を1gとする以外は、実施例1−1と同様に銀微粒子付着フレーク状ガラスの作製を行った。その結果、色調が肌色のフレーク状ガラスを得ることができた。さらに、走査型電子顕微鏡による観察を行ったところ(図示なし)、フレーク状ガラスの表面には、粒子径1〜50nmの銀微粒子が付着した状態であった。実施例1−1と同様に、フレーク状ガラスの質量と銀イオン溶液から析出すると考えられる金属量を求めたところ、フレーク状ガラスに析出する銀微粒子の割合は、0.635質量%であった。
銀微粒子は、数nm〜数十nmにおいて、粒子径が大きくなるにつれて、色調が黄色から黒色に変化することが知られている(佐賀県窯業技術センター、平成17年度 研究報告書、「コロイド技術による新規発色剤の開発」等参照)。本発明の銀メッキ処理工程において、フレーク状ガラス質量に対する銀質量の割合を増加させると、フレーク状ガラスに析出する銀微粒子の粒子径が大きくなると考えられる。
そのため、[実施例1−1]〜[実施例1−3]に示されるように、フレーク状ガラス質量に対する銀質量を調整することによって、フレーク状ガラスの色調を、黒色、茶色、肌色等の色調に調整することが可能となる。特に、フレーク状ガラス質量に対する銀質量の割合が約30〜100質量%となるとき、十分な黒色かつ高い光輝感を有するフレーク状ガラスを得ることができる。
本発明における概念図である。 銀微粒子付着フレーク状ガラス(黒色)の走査型電子顕微鏡写真である。
1: 薄片状粉体
2: 金属微粒子

Claims (9)

  1. 薄片状粉体に金属微粒子を付着させ、薄片状粉体を着色させる構造体であり、
    薄片状粉体と、
    前記薄片状粉体主面上の一部に、粒子径1〜50nmの金属微粒子が付着してなる層と、を有し、
    前記薄片状粉体主面の面積の20〜99%が露出していることを特徴とする着色構造体。
  2. 前記着色構造体が、金属微粒子のプラズモンによる可視光の吸収と、金属微粒子が付着していない薄片状粉体の主面において、可視光を反射せしめることを特徴とする請求項1に記載の着色構造体。
  3. 前記金属微粒子が、金、銀、白金、銅、パラジウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の金属微粒子であり、その被覆量が薄片状粉体に対して、0.001〜100質量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着色構造体。
  4. 前記金属微粒子が、銀であり、その被覆量が薄片状粉体に対して、30〜100質量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の着色構造体。
  5. 前記薄片状粉体の表面の平坦度が0.2μm〜0.5μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の着色構造体。
  6. 前記薄片状粉体が、フレーク状ガラス、雲母、少なくとも1層の金属酸化物層A付きフレーク状ガラス、または、少なくとも1層の金属酸化物層A付き雲母の何れかであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の着色構造体。
  7. 前記金属微粒子が付着してなる層の表面に、少なくとも1層の金属酸化物層Bが形成され、前記薄片状粉体の主面と前記金属酸化物層Bの一部が接触していることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の着色構造体。
  8. 前記金属酸化物層Aは、シリカ、アルミナ、酸化チタンおよび酸化ジルコニウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の金属酸化物であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の着色構造体。
  9. 前記金属酸化物層Bは、シリカ、アルミナ、酸化チタンおよび酸化ジルコニウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の金属酸化物であることを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載の着色構造体。
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