JP2010274592A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録ヘッドのノズル面の結露を連続的に防止し、印画品質の低下、ノズル面の乾燥を防止しつつ、記録ヘッド近傍の除湿を的確に行うこと。
【解決手段】インクジェット記録装置1を用い、記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方法において、インクジェット記録装置は、記録媒体に対向する冷却面72aを有する冷却装置7を備え、記録ヘッドのノズル面2aの温度を計測するノズル面温度計測ステップと、冷却面の温度を計測する冷却面温度計測ステップと、加熱装置による記録媒体の加熱温度を計測する加熱面温度計測ステップと、記録ヘッドから吐出されるインクの特徴値に応じて、各ステップで計測された記録ヘッドのノズル面の温度をT1、冷却面の温度をT2、記録媒体の加熱温度をT3とした場合に、T2<T1<T3の関係が成り立つように記録ヘッド、加熱装置及び冷却装置の制御を行う温度制御ステップと、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置によるインクジェット記録方法に関する。
普通紙やプラスチック薄板等の種々の記録媒体に印画することのできる記録装置としてインクジェット記録装置がある。
近年、インクジェット記録装置のスループット向上のための高速化技術に関心が集まっており、液体インクの早期定着を実現したいという観点から記録媒体の搬送装置に加熱装置を搭載したインクジェット記録装置が必要とされている。
しかし、記録媒体上に吐出されたインクを定着させるために加熱定着を行う場合、記録媒体上のインクから低沸点成分が気化し装置内部の湿度上昇を起こして結露が発生し種々の問題を引き起こすという問題が知られており、それを解決するために揮発した溶媒成分の回収(除湿)に関していくつかの技術が提案されている。
例えば、加熱定着器の外装付近に設けた放熱性金属板でインクの気化成分を液化させて回収する液体噴射記録装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)
また、筐体内部の温度、湿度を検知して筐体内の熱気をファンにより排出するインクジェットプリンタが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、加熱器により蒸気化した有機溶媒をファンで捕集し、装置内の結露を防止するインクジェット記録装置が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、記録ヘッドの両側に送風機を設け、印字する際に記録媒体上のインクミストを含む空気を吹き飛ばすインクジェット記録装置が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
また、筐体内部の湿度を検知し、記録媒体の種類に応じた適切な湿度環境をつくるためにファンで筐体内の除湿を行い、インクの硬化不良を防止して良好な画像形成を行うことができるインクジェット記録装置が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開平3−147850号公報 特開2005−138463号公報 特開平6−64159号公報 特開2005−212323号公報 特開2005−138463号公報
記録媒体へのインクドットの拡がり挙動から、特に、加熱された記録媒体上へインクを着弾させる構成が望まれている。しかし、記録ヘッドのノズル面と加熱装置の距離が近い場合、記録媒体上のインクから蒸発した蒸気によりヘッド近傍に局所的な湿度上昇が起こる。そのため、加熱装置温度より記録ヘッドのノズル面温度が低い場合はその飽和水蒸気量の差から記録ヘッドのノズル面に結露が発生しやすい。そこで、 記録ヘッドのノズル面への結露防止には、効率的に記録ヘッド近傍の除湿を行うことが重要である。
しかし、特許文献1においては、放熱性金属板は、記録媒体の表面位置に対し、直接熱エネルギーを受けないようにある程度距離をおいて設置されているため、記録ヘッド近傍の局所的な湿度上昇によるノズル面の結露抑制には効果がない。また、放熱性金属板は自然放冷を行っているので連続使用には適さない。
また、特許文献2においては、除湿機構が記録ヘッドから離れて設置されているため、記録ヘッド近傍の局所的な湿度上昇によるノズル面への結露防止には効果がなく、また強力な除湿を行うためには除湿機構の吸引力を上げる必要があるが、その場合、記録ヘッドの周辺に気流の乱れが発生し、インクの記録媒体への着弾が乱れて印字品質が低下する。
また、特許文献3においては、インクの蒸気回収のための吸気ファンを記録ヘッドに近づけると気流の乱れにより印字品質が低下するため、加熱器を記録ヘッド直下や、記録ヘッドに対して記録媒体の搬送方向上流側に設置することが出来ない。そして、加熱器がヘッドに対して記録媒体の搬送方向下流側の離れた位置に設置されている場合、インクの濡れ性の悪い記録媒体では、記録媒体へのインク着弾からインクの加熱定着までの時間が長くなり、インクドットの拡がり挙動から、むら等の画質の低下が発生する。
また、特許文献4においては、気流の乱れによる印字品質の低下は避けられず、さらに飛ばされた蒸気やミストが回収されていないため他の場所で結露し装置を汚してしまう。
また、ファンにより発生した気流はノズル面のメニスカス乾燥を促進するため、インクの射出性に悪影響を与えることがある。
また、特許文献5においては、ファンは記録ヘッドのノズル面から離れた筐体の上部に設けられているため、記録ヘッド周辺の局所的な湿度上昇によるノズル面への結露防止には効果がない。さらに、強力な除湿を行うためにはファンの吸引力を上げる必要があるが、その場合には筐体内の気流が乱れてしまい、印画品質が低下する。
ここで、インクの種類によって含有する溶媒成分や溶媒成分量が異なることにより、揮発する蒸気量やメニスカスの乾燥性が異なるため、より効率的な除湿を行うためには使用するインクに合わせた除湿条件を設定する必要がある。
よって、これらの問題を解消しつつ、記録ヘッド近傍の除湿を行うことが望まれていた。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、加熱された記録媒体上に印字を行うことができる構成で、記録媒体上のインクから蒸発した蒸気による局所的な湿度上昇が引き起こす記録ヘッドのノズル面への結露を連続的に防止し、ファン等の気流の乱れによる印字品質の低下、ノズル面のメニスカス乾燥を引き起こすことなく、使用するインクの種類に合わせて、より効率的に記録ヘッド近傍の除湿を行うことができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
記録媒体の種類に応じた温度のインクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体を加熱する加熱装置と、前記加熱装置により加熱された記録媒体を前記記録ヘッドの下方に搬送する搬送装置と、前記記録ヘッドを支持するヘッド支持部材と、を備えるインクジェット記録装置を用い、前記記録ヘッドから揮発成分を有するインクを記録媒体に吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方法において、
前記インクジェット記録装置は、前記記録ヘッドとの間で断熱された状態で記録媒体に対向するように前記ヘッド支持部材に設けられた冷却面を有する冷却装置を備え、
前記記録ヘッドのノズル面の温度を計測するノズル面温度計測ステップと、
前記冷却面の温度を計測する冷却面温度計測ステップと、
前記加熱装置による記録媒体の加熱温度を計測する加熱面温度計測ステップと、
前記記録ヘッドから吐出されるインクの特徴値に応じて、各ステップで計測された前記記録ヘッドのノズル面の温度をT1、前記冷却面の温度をT2、記録媒体の加熱温度をT3とした場合に、
T2<T1<T3
の関係が成り立つように前記記録ヘッド、前記加熱装置及び前記冷却装置の制御を行う温度制御ステップと、
を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録方法において、
前記インクの特徴値は、インクに含まれる揮発成分量であり、
前記温度制御ステップは、インクに含まれる揮発成分量の増加に伴い、前記冷却面の温度を下げることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録方法において、
前記インクの特徴値は、インクのデキャップ性であり、
前記温度制御ステップは、インクのデキャップ性の低下に伴い、前記冷却面の温度を上げることを特徴とする。
ここで、デキャップ性とは、インクが外気に晒された状態で流動性を保持できる能力をいう。その能力を定量化したものとしては、記録ヘッドのノズル面が詰まったり塞がったりするまでに、ノズル面を蓋無しの状態にしておくことのできるデキャップ時間や、ノズル面の蓋の開放時におけるインクの吐出速度に対して、所定時間蓋なしでノズル面を放置し、所定時間経過後のインクの吐出速度の速度低下率がある。言い換えれば、デキャップ性は、インクが乾燥しやすいかどうかを示す指標となるものである。以下、乾燥しやすいインクをデキャップ性が低いインク、乾燥しにくいインクをデキャップ性が高いインクとして説明する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法において、
記録媒体への画像の形成を行わない間、前記冷却装置による前記冷却面の冷却を停止する冷却停止ステップを有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法において、
前記インクジェット記録装置は、
前記記録ヘッドのノズル面の温度を計測するノズル面温度計測手段と、
前記冷却面の温度を計測する冷却面温度計測手段と、
前記加熱装置による記録媒体の加熱温度を計測する加熱面温度計測手段と、
前記記録ヘッドから吐出されるインクの特徴値に応じて、前記記録ヘッドのノズル面の温度をT1、前記冷却面の温度をT2、記録媒体の加熱温度をT3とした場合に、
T2<T1<T3
の関係が成り立つように前記記録ヘッド、前記加熱装置及び前記冷却装置の制御を行う温度制御手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法において、
前記インクジェット記録装置は、
記録媒体からの前記記録ヘッドのノズル面までの高さと前記冷却面までの高さとが等しくなるように前記冷却装置が前記記録ヘッドに配置されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、T2(冷却面の温度)<T1(記録ヘッドのノズル面の温度)<T3(記録媒体の加熱温度)の関係が成立することにより、記録ヘッドから吐出されて記録媒体に着弾したインクの揮発成分は蒸気となって記録ヘッド近傍を漂うが、インクの揮発成分による蒸気は記録ヘッドのノズル面よりも温度の低い冷却面に結露となって発生するため、記録ヘッドのノズル面には結露が発生しない。
また、冷却面は自然放熱ではなく、冷却装置により冷却面を冷却するので、冷却装置を駆動させている間は連続的に結露の発生を防止することができる。
また、従来のようにファンを用いることなく、記録ヘッド近傍の除湿を行うことができるので、気流の乱れが発生せず、印画品質が低下しない。また、ファンが巻き起こす風により記録ヘッドのノズル面のメニスカス乾燥を生じさせることもない。
また、インクの特徴値に応じてT2<T1<T3の関係を維持しながらも各温度を調節することにより、インクの種類が異なっても記録ヘッドのノズル面に結露を発生させることがない。
よって、記録ヘッド近傍の除湿を的確に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、インクの揮発成分量が多ければ記録ヘッド近傍に発生するインクの蒸気も多くなるが、冷却面の温度を下げることで、冷却面への結露の量を増やすことができ、記録ヘッド近傍の湿度を適切な状態に保ち、記録ヘッドのノズル面への結露を防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、デキャップ性が低い場合、すなわち、インクが乾燥しやすい場合には、記録ヘッド近傍の湿度を大きく下げることは好ましくないが、冷却面の温度を上げることで過剰な除湿をさけることができ、記録ヘッド近傍の湿度を適切な状態に保ち、記録ヘッドの乾燥によるインクの吐出不良を防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、冷却停止ステップにおいては、画像形成を行わない場合には冷却面の冷却を停止させるので、必要以上の除湿をさけることができ、記録ヘッド近傍の湿度を適切な状態に保ち、記録ヘッドの乾燥によるインクの吐出不良を防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、温度制御手段は、ノズル面温度計測手段により計測されたノズル面の温度T1と、冷却面温度計測手段により計測された冷却面の温度T2と、加熱温度計測手段により計測された記録媒体の加熱温度T3とが、T2<T1<T3となるように記録ヘッド、加熱装置及び冷却装置の制御を行う。
これにより、記録ヘッドから吐出されて記録媒体に着弾したインクの揮発成分は蒸気となって記録ヘッド近傍を漂うが、インクの揮発成分による蒸気は記録ヘッドのノズル面よりも温度の低い冷却面に結露となって発生するため、記録ヘッドのノズル面には結露が発生しない。
また、温度制御手段は、インクの特徴値に応じてT2<T1<T3の関係を維持しながらも各温度を調節することにより、インクの種類が異なっても記録ヘッドのノズル面に結露を発生させることがない。
よって、記録ヘッド近傍の除湿を的確に行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、冷却面が記録ヘッドのノズル面よりも記録媒体に近いと、結露が記録媒体に接触して記録媒体を汚染しやすくなり、冷却面が記録ヘッドのノズル面よりも記録媒体から離れていると、記録ヘッド近傍の除湿効果が薄れるため、冷却面と記録ヘッドのノズル面を同じ高さとすることにより、記録媒体の汚染を防止しつつ、記録ヘッド近傍の除湿効果を発揮することができる。
スキャン式のインクジェット記録装置の概略構成を示す図。 記録ヘッド及び冷却装置の配置を説明する平面図。 記録ヘッド及び冷却装置の配置を説明する正面図。 冷却装置を記録ヘッドの走査方向から見た側面図。 制御部及び制御部に接続される各構成を示すブロック図。 制御部によりノズル面、冷却面、加熱面の温度制御をしながら記録ヘッドにより印画を行う場合の処理の流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照して、インクジェット記録方法について説明する。
なお、本実施形態におけるインクジェット記録方法は、インクジェット記録装置により使用をすることができる。インクジェット記録装置には、スキャン式のインクジェット記録装置と、ライン式のインクジェット記録装置があるが、本発明に係るインクジェット記録方法は、どちらのインクジェット記録装置にも使用することができる。
<インクジェット記録装置の構成>
最初に、インクジェット記録方法により画像の形成を行うためのインクジェット記録装置について説明する。
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、スキャン式のインクジェットプリンタであり、記録ヘッドから記録媒体に対してインクを吐出し、記録媒体上に画像を形成するものである。ここで、スキャン式のインクジェット記録装置は、記録媒体が搬送装置により所定の方向に搬送され、インクを吐出する記録ヘッドが記録媒体の面に沿って、記録媒体の搬送方向B(図2参照)に直交する方向に走査することで記録媒体に画像を形成するものである。なお、本発明は、記録ヘッド2が固定され、その下方で記録媒体Pが搬送されることにより記録媒体上に画像を形成するライン式のインクジェットプリンタにも適用可能である。
インクジェット記録装置1は、記録媒体Pに対してインクを吐出する記録ヘッド2と、記録ヘッド2を支持するキャリッジ3と、キャリッジ3を走査方向に移動自在に支持するガイドレール4と、記録媒体Pを加熱する加熱装置5と、加熱された記録媒体Pを搬送する搬送装置6と、記録媒体Pの上方において揮発したインク成分を冷却する冷却装置7と、記録ヘッド2のノズル面を清掃するメンテナンスユニット8と、記録ヘッド2のノズル面を保湿する保湿ユニット9と、を備えている。
(記録ヘッド、キャリッジ、ガイドレール)
図1、図5に示すように、記録ヘッド2は、キャリッジ3に搭載されている。記録ヘッド2は、直方体状に形成され、その下端面には、ノズル孔が形成されたノズルプレートが設けられている。このノズル孔からインクを吐出することにより記録媒体Pに印画することができる。
インクジェット記録装置1では、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色のインクを吐出できるように、合計で4個の記録ヘッド2がキャリッジ3に設置されている。すなわち、キャリッジ3は、ヘッド支持部材として機能する。4個の記録ヘッド2は、記録ヘッドの走査方向Aに1列に並んで配置されている。なお、インクジェット記録装置1で使用されるインクはこれに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)等の他の色を使用することも可能である。この場合には、各色に対応した記録ヘッド2がキャリッジ3に搭載される。
各記録ヘッド2には、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクを貯留するインクタンク2tが、インク供給管などのインク流路2rを介して連結されている。つまり、インクタンク2t内のインクは、インク流路2rによって各記録ヘッド2に供給されるようになっている。
各記録ヘッド2の内部には、インクタンク2tからインク流路2rを介して供給されたインクを加熱するためのヒータ21(図5参照)が備えられている。このヒータ21は、電源11(図5参照)に接続されており、ヒータ21に流す電流量によって、ヒータ21の加熱温度を変えることができる。
記録ヘッド2には、ノズル面2aの温度を計測するノズル面温度計測手段としてのノズル面サーミスタ13(図5参照)が設けられている。ノズル面サーミスタ13により計測された温度信号は、制御部10に送信され、制御部10は、受信した温度信号に基づいてヒータ21への通電の有無を決定し、ノズル面2aの温度を制御することができる。
これらの記録ヘッド2を支持するキャリッジ3は、ガイドレール4に移動自在に取り付けられている。キャリッジ3は、キャリッジ駆動機構31(図5参照)によりガイドレール4に沿って移動する。
ガイドレール4は、記録ヘッド2の走査方向Aに沿って延びるように形成されている。ガイドレール4は、記録ヘッド2の初期待機位置となるホームポジション領域X、記録ヘッド2が記録媒体Pに記録を行う記録領域Y、記録ヘッド2のメンテナンスを行うメンテナンス領域Zにわたって移動することができるように形成されている。
(加熱装置)
本実施形態におけるインクジェット記録方法では、インクジェット用インクを印字する前に記録媒体Pを加熱することが特徴である。記録媒体Pを予め加熱することで、インクに対する濡れ性が向上し、ドット径が記録媒体Pに良好に濡れ拡がり、画質むらのない画像が得られる。
図1、図5に示すように、加熱装置5は、搬送装置6に設けられている。搬送装置6は、記録領域Yに設けられている。加熱装置5は、搬送される記録媒体Pの直下に配置され、搬送装置6により搬送されてきた記録媒体Pを加熱する。
加熱装置5は、記録ヘッド2の直下、あるいは、記録ヘッド2の直下よりも記録媒体Pの搬送方向B上流側に設けられている。すなわち、加熱装置5は、記録ヘッド2によりインクが吐出される位置に搬送されるまでに記録媒体Pが加熱装置5により加熱することができる位置に配置されている。なお、本実施形態においては、加熱装置5は記録ヘッド2の直下に設けられている。
加熱装置5には、搬送装置6により搬送される記録媒体Pを加熱するためのヒータ51(図5参照)が備えられている。このヒータ51は、薄板状に形成され、加熱装置5の上面に配置されると共に電源11(図5参照)に接続されており、ヒータ51に流す電流量によって、ヒータ51の加熱温度を変えることができる。
加熱装置5には、ヒータ51による記録媒体Pの加熱面の温度を計測する加熱面温度計測手段としての加熱面サーミスタ14(図5参照)が設けられている。加熱面サーミスタ14により計測された温度信号は、制御部10に送信され、制御部10は、受信した温度信号に基づいてヒータ51への通電の有無を決定し、加熱面の温度を制御することができる。
加熱装置5による記録媒体Pの加熱は、記録媒体Pの温度が40℃以上、100℃以下になるようにするのが好ましい。40℃より低いと濡れ性向上が不十分であり、100℃を越えると記録媒体Pによってはその熱で変形してしまい記録媒体Pの搬送性が悪化するためである。
なお、記録媒体Pの加熱は、インクを印字する前に記録媒体Pを加熱するが、印字後も引き続いて加熱を施してもよい。また、加熱装置5としては、上記の板状のヒータ51に限られず、例えば、加熱ファン、加熱ローラ、加熱ベルト、ハロゲンヒータや遠赤外線ヒータなどの輻射熱加熱等でもよく、適宜選択あるいは組み合わせて適用することができる。
(搬送装置)
図1、図5に示すように、搬送装置6は、図示しない駆動ローラ、従動ローラ、駆動ローラと従動ローラとに架け渡された搬送ベルト、駆動ローラを回転させるモータ61(図5参照)とを備えている。
搬送ベルトは、モータ61の駆動により駆動ローラが回転すると駆動ローラと従動ローラとの間を周回してその上面に載置された記録媒体Pを搬送方向Bに沿って搬送し、駆動ローラの回転が停止すると、両ローラ間での周回を停止し、記録媒体Pの搬送を停止する。
記録媒体Pの搬送方向Bは、走査方向Aに直交する方向であるとともに記録媒体Pの面方向に平行になるように設定される。
(冷却装置)
図2、図3に示すように、冷却装置7は、キャリッジ3に設けられた土台となる支持部71を備えており、この支持部71に冷却部72が設けられている。
冷却部72は、例えば、金属板等により形成されている。特に、冷却部72を熱伝導率の高いステンレス鋼(SUS)、アルミニウム、銅、鉄等の金属板で形成することで記録ヘッド2周囲の冷却効率を高めることができる。このように、安価でコンパクトな金属板を用いることで、大幅なコストダウンが可能となる。
冷却部72は、記録ヘッド2との間で断熱された状態で記録ヘッド2に設けられている。これは、記録ヘッド2のノズル面2aの温度と冷却面72aの温度を別々に制御するためである。冷却部72は、支持部71に設けられているので、支持部71が断熱材料であればよい。
断熱材料としては、無機繊維系、発泡プラスチック系、天然素材系等が好ましい。また、記録ヘッド2のノズル面2a及び冷却面72aは、互いの温度の影響を受けないように配置することが好ましい。
冷却部72は、その下面が記録媒体Pに対向するように配置される。冷却部72の下面は、記録ヘッド2近傍のインク成分の蒸気を含んだ空気を冷却する冷却面72aとなる。
冷却部72は、その冷却面72aが記録ヘッド2の走査方向Aに沿って記録ヘッド2に並ぶように設けられている。具体的には、図2に示すように、冷却部72は、4個並んだ記録ヘッド2の並設方向の両端部に設けられている。
なお、記録ヘッド2が固定され、その下方で記録媒体Pが搬送されることにより記録媒体上に画像を形成するライン式のインクジェットプリンタにも冷却装置7を設けることは可能であり、その場合には、冷却装置7を記録媒体の搬送方向に沿って並ぶように配置すればよい。
冷却部72は、その冷却面72aが、記録媒体Pの上面から冷却面72aまでの高さが記録媒体Pの上面から記録ヘッド2のノズル面2aまでの高さと等しくなるように記録ヘッド2に設けられている。
冷却面72aには、親液化処理が施されている。これは、冷却面72a上に結露が広がりやすくすることで、冷却面72aの結露が記録媒体P上に落下しにくくするための措置である。親液化処理としては、冷却面72aに市販の有機系、無機系の親水性コーティング材、光触媒型の酸化チタンコーティング材を塗布したり、冷却面72aにプラズマ処理を施すことがあげられる。
本実施形態においては、冷却部72としてステンレス鋼板を用い、その冷却面72aに市販の無機系の親水性コーティング材を塗布している。
冷却部72の上面には、冷却部72を冷却するための冷却体としてのペルチェ素子73が冷却部72に当接した状態で設けられている。ここで、ペルチェ素子73とは、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するペルチェ効果を利用した板状の半導体素子である。
ペルチェ素子73は、電源11(図5参照)に接続されており、ペルチェ素子73に流す電流量によって、冷却部72を異なる温度に冷却することができる。ペルチェ素子73は、下端部となる冷却部72との当接部が低温になり、上端部から放熱される。
ペルチェ素子73には、ペルチェ素子73による冷却部72の冷却面72aの温度を計測する冷却面温度計測手段としての冷却面サーミスタ15(図5参照)が設けられている。冷却面サーミスタ15により計測された温度信号は、制御部10に送信され、制御部10は、受信した温度信号に基づいてペルチェ素子73への通電の有無を決定し、冷却面72aの温度を制御することができる。
ペルチェ素子73の上面には、ペルチェ素子73の上端部にたまった熱を放熱するための放熱部74がペルチェ素子73に当接した状態で設けられている。放熱部74は、アルミニウムや銅等の金属製のヒートシンクにより構成されている。なお、ペルチェ素子73の上端部を外気にさらして自然放熱させてもよいし、放熱部74に放熱用ファン等の風を当てて冷却を早めるようにしてもよい。
冷却部72とペルチェ素子73は一体に形成してもよい。すなわち、ペルチェ素子73の冷却面を、結露を付着させる面としてもよい。なお、冷却体としては、冷水によって冷却面を冷却する水冷方式や、冷やされた空気によって冷却面を冷却する空冷方式等が挙げられるが、ペルチェ素子73によって冷却面72aを冷却する方式が最も好ましい。冷却体として、ペルチェ素子73を用いることにより、更に安価でコンパクトなインクジェット記録装置が実現できるためである。ペルチェ素子73にかける電圧の制御等により冷却面72aの温度を制御することが可能となるが、ペルチェ素子73を複数枚重ねて使用することにより、冷却能力を大幅に向上させることもできる。
冷却部72における記録媒体Pの搬送方向Bの一端には、冷却面72aに付着した結露を吸収する吸収部材75が設けられている。
吸収部材75は、スポンジ状の部材であって、例えば、発泡材料やフェルト等の繊維材料といった多孔質材料、高分子ポリマーを配合した材料が用いられる。
吸収部材75は、冷却部72に固定された廃液回収トレイ76上に設けられており、吸収部材75で吸収した結露の集まりである廃液は、廃液回収トレイ76から回収することができる。吸収部材75は、冷却面72aの外縁に当接するように設けられている。
吸収部材75は、冷却面72aにたまった結露を吸収することができるよう、その一部が冷却面72aよりも下方(記録媒体P側)に突出するように設けられている。吸収部材75で吸収した結露は、自然乾燥により吸収部材75から蒸発させてもよいし、吸収部材75を絞ることにより廃液回収トレイ76に結露を落下させ、廃液回収トレイ76を取り外して外部に排出してもよい。
(メンテナンスユニット)
図1に示すように、キャリッジ3の移動可能範囲であって搬送装置6の設けられている記録領域Yの外側一端はメンテナンス領域Zとなっており、このメンテナンス領域Zには、記録ヘッド2に対してヘッドメンテナンスを行うメンテナンスユニット8が設けられている。このメンテナンスユニット8には、記録ヘッド2のノズル面2aからインクを吸引する吸引装置81、清掃ブレード82、インク受器83等が設けられている。
吸引装置81には、記録ヘッド2の吐出面2aを覆う吸引キャップ81aが記録ヘッド2の数に対応して4個設けられている。また、吸引キャップ81aの底面には、吸引キャップ81aの内部に連通するインク連通管81bが設けられている。このインク連通管81bの途中には、吸引ポンプ81cが設けられており、インク連通管81bの下端には、吸引したインクを受ける廃インクタンク81dが設けられている。
吸引キャップ81aの一端近傍には、記録ヘッド2のノズル面2aからインクを空吐出させた際に吐出されたインクを受けるインク受器83が設けられており、このインク受器83に隣接してノズル面2aに付着したインクを拭き取るブレード82が設けられている。
吸引ポンプ81cはシリンダーポンプやチューブポンプを有して構成されていて、吸引キャップ81aがノズル面2aを覆った状態で作動することにより、ノズル面2aから記録ヘッド2内部のインクを異物や気泡と共に吸引するための吸引力を発生するようになっている。
(保湿ユニット)
図1に示すように、キャリッジ3の移動範囲の他の一端部であって搬送装置6を挟んでメンテナンス領域Zと反対の位置はホームポジション領域Xとされており、このホームポジション領域Xには、記録ヘッド2を保湿する保湿ユニット9が設けられている。保湿ユニット9には、記録ヘッド2が待機状態にあるとき、ノズル面2aを覆うことで記録ヘッド2のインクを保湿する4個の保湿キャップ91が設けられている。これら4個の保湿キャップ91は、4個の記録ヘッド2のノズル面2aを同時に覆うことができるよう、記録ヘッド2の配列に対応して配列されている。
(制御部)
図5に示すように、制御部10は、CPU10a、RAM10b、ROM10cを備えている。
制御部10は、インターフェイス(図示省略)を介して、キャリッジ駆動機構31、搬送装置6のモータ61、記録ヘッド2、記録ヘッドのヒータ21、メンテナンスユニット8、保湿ユニット9、電源11、ノズル面サーミスタ13、冷却面サーミスタ14、加熱面サーミスタ15等と接続されている。
制御部10は、キャリッジ3を走査方向Aに往復移動させるとともに、キャリッジ3の動作に合わせて記録媒体Pの搬送と停止とを繰り返し、記録媒体Pを間欠的に搬送方向Bに搬送させるように、キャリッジ駆動機構31及び搬送装置6のモータ61の動作を制御する。
制御部10は、電源11による記録ヘッド2への通電を制御することで、通電により発熱するヒータ21でノズル面2aを加熱する。
制御部10は、電源11による加熱装置5への通電を制御することで、通電により発熱するヒータ51で記録媒体Pを加熱する。
制御部10は、電源11によるペルチェ素子73への通電を制御することで、通電により冷却部72の冷却面72aを冷却する。
制御部10は、ノズル面サーミスタ13、冷却面サーミスタ14、加熱面サーミスタ15から受信した温度信号に基づき、記録ヘッド2のノズル面2a、冷却面72a、ヒータ51による記録媒体Pの加熱面が予め設定された温度になったと判断した場合に、電源11による通電を停止させる制御を行う。
制御部10は、記録ヘッド2から吐出されるインクの特徴値に応じて、記録ヘッド2のノズル面2aの温度をT1、冷却部72の冷却面72aの温度をT2、ヒータ51による記録媒体Pの加熱温度をT3とした場合に、T2<T1<T3の関係が成り立つように記録ヘッド2のヒータ21、加熱装置5のヒータ51、ペルチェ素子73による温度制御を行う。
ここで、インクの特徴値とは、インク全体に含まれる揮発成分の量(又は割合)、インクのデキャップ性である。
インクのデキャップ性とは、インクが外気に晒された状態で流動性を保持できる能力をいう。その能力を定量化したものとしては、記録ヘッドのノズル面が詰まったり塞がったりするまでに、ノズル面を蓋無しの状態にしておくことのできるデキャップ時間や、ノズル面の蓋の開放時におけるインクの吐出速度に対して、所定時間蓋なしでノズル面を放置し、所定時間経過後のインクの吐出速度の速度低下率がある。言い換えれば、デキャップ性は、インクが乾燥しやすいかどうかを示す指標となるものである。
制御部10は、インクに含まれる揮発成分量の増加に伴い、冷却面72aの温度を下げるように、ペルチェ素子73に通電する電流量を制御する。
制御部10は、インクのデキャップ性の低下、言い換えると、乾燥しやすいインクになるに伴い、冷却面72aの温度を上げるように、ペルチェ素子73に通電する電流量を制御する。
制御部10は、記録媒体Pへの画像の形成を行わない間、冷却装置7による冷却面72aの冷却を停止するようにペルチェ素子73の通電を制御する。すなわち、制御部10は、冷却停止手段として機能する。
なお、制御部10による温度制御は、ROM10c内に上記の機能を実現するプログラムが格納されており、CPU10aがROM10c内のプログラムを実行することで実現される。従って、制御部10は、温度制御手段として機能する。
制御部10には、画像情報を入力するホストコンピュータやスキャナ、画像記録条件を入力するキーボード等からなる入力部12及び記録ヘッド2が接続されており、制御部10は、入力部12から入力された所定の信号に基づいて記録ヘッド2を動作させ、記録媒体P上にインクを吐出させて所定の画像を記録させるようになっている。
制御部10は、所定のメンテナンス開始条件に当てはまった場合や、電源投入から所定時間が経過する毎及び手動操作によって、メンテナンスユニット8を作動させてヘッドメンテナンスを行わせるように制御している。
制御部10は、画像形成時でもヘッドメンテナンス時でもない待機状態の際に、保湿ユニット9に、保湿キャップ91による保湿動作を行わせるように制御する。
<記録媒体>
記録媒体Pとしては、様々なメディアを使用することができ、例えば、紙、プラスチック、金属、布、ゴムなどを挙げることができる。これらのうち一般的に画像を形成する用途としてのインクジェット記録媒体として好ましいのは、紙、プラスチックフィルムである。本実施形態においてより効果をいかんなく発揮できるのは、プラスチックフィルム、レジンコート紙、合成紙などである。
紙としては、普通紙、非塗工紙、塗工紙などが使用できる。また、プラスチックフィルムとしては一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがあるが、特に、ポリ塩化ビニルフィルムであることが好ましい。レジンコート紙とは、紙基材の両面を樹脂で被覆したもので、よく知られたレジンコート紙としては、紙の両面をポリエチレン樹脂で被覆した写真用レジンコート紙がある。合成紙としてはユポコーポレーション製のユポ紙、東洋紡製クリスパーなどがある。
記録媒体によっては、インクの濡れ性が悪い場合がある。特に、プラスチックフィルム、レジンコート紙、合成紙に対してインクの濡れ性が悪い。本実施形態では、記録媒体をあらかじめ加熱することで、記録媒体の表面状態を変化させ、インクに対する濡れ性を向上させている。
加熱による記録媒体への濡れ性向上効果は、プラスチックフィルム、レジンコート紙、合成紙で効果が大きい。特に、塩化ビニルフィルムでの濡れ性向上効果が大きい。
記録媒体Pとしてインク吸収性の低い記録メディアポリ塩化ビニルを用いる場合、表面温度を高めることにより記録媒体表面に対するインクの濡れ性が向上する。ポリ塩化ビニル製の記録媒体の銘柄によっても濡れ性やインク乾燥性に違いが生じることがあるので、各媒体の特性に応じて表面温度を調節しても良い。
ポリ塩化ビニルからなる記録媒体の具体例としては、SOL−371G、SOL−373M、SOL−4701(以上、ビッグテクノス株式会社製)、光沢塩ビ(株式会社システムグラフィ社製)、KSM−VS、KSM−VST、KSM−VT(以上、株式会社きもと製)、J−CAL−HGX、J−CAL−YHG、J−CAL−WWWG(以上、株式会社共ショウ大阪製)、BUS MARK V400 F vinyl、LITEcal V−600F vinyl(以上、Flexcon社製)、FR2(Hanwha社製)LLBAU13713、LLSP20133(以上、桜井株式会社製)、P−370B、P−400M(以上、カンボウプラス株式会社製)、S02P、S12P、S13P、S14P、S22P、S24P、S34P、S27P(以上、Grafityp社製)、P−223RW、P−224RW、P−249ZW、P−284ZC(以上、リンテック株式会社製)、LKG−19、LPA−70、LPE−248、LPM−45、LTG−11、LTG−21(以上、株式会社新星社製)、MPI3023(株式会社トーヨーコーポレーション社製)、ナポレオングロス 光沢塩ビ(株式会社二樹エレクトロニクス社製)、JV−610、Y−114(以上、アイケーシー株式会社製)、NIJ−CAPVC、NIJ−SPVCGT(以上、ニチエ株式会社製)、3101/H12/P4、3104/H12/P4、3104/H12/P4S、9800/H12/P4、3100/H12/R2、3101/H12/R2、3104/H12/R2、1445/H14/P3、1438/One Way Vision(以上、Inetrcoat社製)、JT5129PM、JT5728P、JT5822P、JT5829P、JT5829R、JT5829PM、JT5829RM、JT5929PM(以上、Mactac社製)、MPI1005、MPI1900、MPI2000、MPI2001、MPI2002、MPI3000、MPI3021、MPI3500、MPI3501(以上、Avery社製)、AM−101G、AM−501G(以上、銀一株式会社製)、FR2(ハンファ・ジャパン株式会社製)、AY−15P、AY−60P、AY−80P、DBSP137GGH、DBSP137GGL(以上、株式会社インサイト社製)、SJT−V200F、SJT−V400F−1(以上、平岡織染株式会社製)、SPS−98、SPSM−98、SPSH−98、SVGL−137、SVGS−137、MD3−200、MD3−301M、MD5−100、MD5−101M、MD5−105(以上、Metamark社製)、640M、641G、641M、3105M、3105SG、3162G、3164G、3164M、3164XG、3164XM、3165G、3165SG、3165M、3169M、3451SG、3551G、3551M、3631、3641M、3651G、3651M、3651SG、3951G、3641M(以上、Orafol社製)、SVTL−HQ130(株式会社ラミーコーポレーション製)、SP300 GWF、SPCLEARAD vinyl(以上、Catalina社製)、RM−SJR(菱洋商事株式会社製)、Hi Lucky、New Lucky PVC(以上、LG社製)、SIY−110、SIY−310、SIY−320(以上積水化学工業株式会社製)、PRINT MI Frontlit、PRINT XL Light weight banner(以上、Endutex社製)、RIJET 100、RIJET 145、RIJET165(以上、Ritrama社製)、NM−SG、NM−SM(日栄化工株式会社製)、LTO3GS(株式会社ルキオ社製)、イージープリント80、パフォーマンスプリント80(以上、ジェットグラフ株式会社製)、DSE 550、DSB 550、DSE 800G、DSE 802/137、V250WG、V300WG、V350WG(以上、Hexis社製)、Digital White 6005PE、6010PE(以上、Multifix社製)等が挙げられる。
<インクジェット記録装置に用いるインク>
インクジェット記録装置1に用いるインクとしては、高分子化合物を含有していることが好ましく、その含有量は5重量%以上15重量%以下であることが好ましい。5重量%以上であれば画像性能として十分な耐擦過性、耐水性を得ることができ、また15重量%以下であれば、一定時間吐出休止後の吐出性、いわゆる間欠吐出性が良好なためである。
高分子化合物のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10重量%が好ましい。また、色材として顔料を含有することも好ましい。
(非水系インクジェットインク)
非水系インクジェットインクに含有する高分子化合物としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等が挙げられる。
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、エスレックP(積水化学社製)等のアクリル系樹脂、エリーテル(ユニチカ社製)、バイロン(東洋紡社製)等のポリエステル系樹脂、バイロンUR(東洋紡社製)、NT−ハイラミック(大日精化社製)、クリスボン(大日本インキ化学工業社製)、ニッポラン(日本ポリウレタン社製)等のポリウレタン樹脂、SOLBIN(日信化学工業社製)、ビニブラン(日信化学工業社製)、サランラテックス(旭化成ケミカルズ社製)、スミエリート(住友化学社製)、セキスイPVC(積水化学社製)、UCAR(ダウケミカル社製)等の塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
非水系インクジェットインクに含有する溶媒としては、具体的な化合物として、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
(水系インクジェットインク)
水系インクジェットインクに含有する高分子化合物としては、樹脂微粒子や水溶性樹脂が挙げられる。樹脂微粒子としては例えば、ポリウレタン、ポリスチレン−アクリル、ポリスチレン−ブタジエン、ポリスチレン−マレイン酸、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、アクリル変性シリコーン樹脂、アクリル変性フッ素樹脂などからなる樹脂微粒子、またはこれらの共重合体及びこれらの塩からなる樹脂微粒子が挙げられ、好ましくは、ポリウレタン、ポリスチレン−アクリル、ポリスチレン−ブタジエン、ポリスチレン−マレイン酸の中の少なくとも一つから選ばれる共重合体が挙げられる。水溶性樹脂としては例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
水系インクジェットインクに含有する溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
<冷却装置による除湿動作>
次に、冷却装置7を用いて記録ヘッド2近傍の空気を除湿する際の動作について説明する。
図6に示すように、記録媒体Pへの印画を行う際には、制御部10は、電源11を制御して加熱装置5のヒータ51に通電し、搬送される記録媒体Pを加熱する(ステップS1)。また、制御部10は、電源11を制御してペルチェ素子73に通電し、冷却部72を冷却する(ステップS2)。また、制御部10は、電源11を制御して記録ヘッド2のヒータ21に通電し、記録ヘッド2内のインクを加熱する(ステップS3)。
次いで、制御部10は、搬送装置6のモータ61を駆動することにより、記録媒体Pを記録ヘッド2の直下に搬送する(ステップS4)。
記録媒体Pが記録ヘッド2の直下に搬送されると、制御部10は、記録ヘッド2からインクの液滴を吐出させる(ステップS5)。記録ヘッド2のノズル面2aから吐出されたインクの液滴は、記録媒体Pに着弾し、印画が行われる。
次いで、制御部10は、ノズル面サーミスタ13及び加熱面サーミスタ15により測定され(ノズル面温度計測ステップ、加熱面温度計測ステップ)、送信される温度信号を受信し、記録媒体Pの加熱温度T3が記録ヘッド2のノズル面2aの温度T1よりも高いか否かを判断する(ステップS6、温度制御ステップ)。
ステップS6において、制御部10は、記録媒体Pの加熱温度T3が記録ヘッド2のノズル面2aの温度T1よりも高くないと判断した場合(ステップS6:NO)、制御部10は、加熱装置6のヒータ61への通電量を増加する(ステップS7、温度制御ステップ)。
ステップS6において、制御部10は、記録媒体Pの加熱温度T3が記録ヘッド2のノズル面2aの温度T1よりも高いと判断した場合(ステップS6:YES)、制御部10は、ノズル面サーミスタ13及び冷却面サーミスタ14により測定され(ノズル面温度計測ステップ、冷却面温度計測ステップ)、送信される温度信号を受信し、冷却部72の冷却面72aの温度T2が記録ヘッド2のノズル面2aの温度T1よりも低いか否かを判断する(ステップS8、温度制御ステップ)。
ステップS8において、制御部10は、冷却部72の冷却面72aの温度T2が記録ヘッド2のノズル面2aの温度T1よりも低くないと判断した場合(ステップS8:NO)、制御部10は、ペルチェ素子73への通電量を増加する(ステップS9、温度制御ステップ)。
ステップS8において、制御部10は、冷却部72の冷却面72aの温度T2が記録ヘッド2のノズル面2aの温度T1よりも低いと判断した場合(ステップS8:YES)、制御部10は、印画が終了するか否かを判断する(ステップS10)。
ステップS10において、制御部10は、印画が終了すると判断した場合(ステップS10:YES)、制御部10は、印画に関連する各部の駆動の停止、加熱装置5のヒータ51、ペルチェ素子73、記録ヘッド2のヒータ21への通電を停止し(ステップS11:冷却停止ステップ)、これをもって本処理を終了する。一方、ステップS10において、制御部10は、印画はまだ終了ではないと判断した場合(ステップS10:NO)、制御部10は、ステップS10の判断を繰り返す。
ここで、ステップS6及びステップS8の条件を満たしている場合、すなわち、ヒータ51による加熱面の温度T3>ノズル面2aの温度T1>冷却面72aの温度T2の条件を満たしている場合には、記録媒体Pは加熱されているため、インクの揮発成分は蒸気となって記録ヘッド2の近傍に漂うが、冷却部72の冷却面72aは冷却されていることから、飽和蒸気圧は記録ヘッド2のノズル面2aよりも冷却部72の冷却面72aの方が低いため、記録ヘッド2周囲で漂うインクの揮発成分の蒸気は冷却面72aに結露となって現れる。
このように、冷却面72aに結露させることで蒸発したインクの揮発成分が漂う記録ヘッド2の周囲の空気を除湿することができる。また、冷却面72aの温度を記録ヘッド2のノズル面2aの温度よりも低温にすることで、結露は温度の低い冷却面72aに発生し、記録ヘッド2のノズル面2aには発生しないため、記録ヘッド2のノズル面2aが詰まることもない。
冷却面72aに発生した結露は、吸収部材75に吸収される。
<作用効果>
以上のように、インクジェット記録装置1によれば、制御部10は、ノズル面サーミスタ13により計測されたノズル面の温度T1と、冷却面サーミスタ14により計測された冷却面の温度T2と、加熱面サーミスタ15により計測された記録媒体Pの加熱温度T3とが、T2<T1<T3となるように記録ヘッド2のヒータ21、ペルチェ素子73、加熱装置5のヒータ51への通電量を調節して温度制御を行う。これにより、記録ヘッド2から吐出されて記録媒体Pに着弾したインクの揮発成分は蒸気となって記録ヘッド2近傍を漂うが、インクの揮発成分による蒸気は記録ヘッド2のノズル面2aよりも温度の低い冷却面72aに結露となって発生するため、記録ヘッド2のノズル面2aには結露が発生しない。
これにより、インク打ち込み量が多く蒸気発生量が多いベタ印画部でも、結露によるノズル欠が起こらず、良好な画質を得られることが可能となった。
また、冷却面72aは自然放熱ではなく、冷却装置7により冷却面72aを冷却するので、冷却装置7を駆動させている間は連続的に結露の発生を防止することができる。
また、従来のようにファンを用いることなく、記録ヘッド2近傍の除湿を行うことができるので、気流の乱れが発生せず、印画品質が低下しない。また、ファンが巻き起こす風により記録ヘッド2のノズル面2aのメニスカス乾燥を生じさせることもない。
これにより、液体が増粘し、間欠射出時にノズル欠や速度低下が発生するなどのデキャップ性の問題も解消することができる。
また、制御部10は、インクに含まれる揮発成分量やインクのデキャップ性に応じて、T2<T1<T3の関係を維持しながらも各温度を調節することにより、インクの種類が異なっても記録ヘッド2のノズル面2aに結露を発生させることがない。よって、記録ヘッド2近傍の除湿を的確に行うことができる。
これにより、記録速度の高速化に伴い、インク中の揮発性成分をできるだけ多く含有したいという要望や記録媒体への定着性を向上させるために高分子化合物を多くインクに含有させたいという要望にも応えることができる。
すなわち、インクの揮発成分量が多ければ記録ヘッド2近傍に発生するインクの蒸気も多くなるが、冷却面72aの温度を下げることで、冷却面72aへの結露の量を増やすことができ、記録ヘッド2近傍の湿度を適切な状態に保ち、記録ヘッド2への結露を防止することができる。また、インクのデキャップ性が低い場合、すなわち、インクが乾燥しやすい場合には、記録ヘッド2近傍の湿度を大きく下げることは好ましくないが、冷却面72aの温度を上げることで過剰な除湿をさけることができ、記録ヘッド2近傍の湿度を適切な状態に保ち、記録ヘッド2の乾燥によるインクの吐出不良を防止することができる。
また、制御部10は、画像形成を行わない場合には、ペルチェ素子73への通電を停止して、冷却面72aの冷却を停止させるので、必要以上の除湿をさけることができ、記録ヘッド2近傍の湿度を適切な状態に保ち、記録ヘッド2の乾燥によるインクの吐出不良を防止することができる。
また、冷却面72aが記録ヘッド2のノズル面2aよりも記録媒体Pに近いと、結露が記録媒体Pに接触して記録媒体Pを汚染しやすくなり、冷却面72aが記録ヘッド2のノズル面2aよりも記録媒体Pから離れていると、記録ヘッド2近傍の除湿効果が薄れるため、冷却面72aと記録ヘッド2のノズル面2aを同じ高さとすることにより、記録媒体Pの汚染を防止しつつ、記録ヘッド2近傍の除湿効果を発揮することができる。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。以下の組成(各組成物の含有量は重量百分率である)からなる3種類のインクジェット記録用のインク(インクA,B,C)を作成した。
<インクAについて>
(顔料分散体の調製)
インクAは、水系インクである。この水系インクは、顔料分散剤としてスチレンーアクリル酸共重合体(ジョンクリル678、分子量8500、酸価215)3重量%、ジメチルアミノエタノール1.3重量%、イオン交換水80.7重量%を70℃で攪拌混合し溶解した。
次いで、上記溶液にC.I.ピグメントブルー15:3を15重量%添加しプレミックスした後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、シアン顔料の含有量が15%の顔料分散体を調製した。
以下の表2に示す溶剤種がインクAに含まれる揮発成分であり、インクA全体に対して89.3重量%含まれている。また、デキャップ性に寄与する沸点200℃以下の溶媒は、インクA全体に対して69.3重量%含まれている。
デキャップ性については、20℃、20%RHの環境下で、ノズル孔径20μm、駆動周波数10kHz、ノズル数128のピエゾ型ヘッドを備えたインクジェット記録装置にそれぞれのインクを装着し、ノズル面から0.5mmでの液滴速度が6m/sで吐出する条件で、20秒間連続吐出→5秒間休止→連続吐出の間欠動作を行った。この際、吐出休止後の最初の液滴速度の速度低下率を測定した。ここで、デキャップ性はインクの揮発性の指標となるものであり、インクに含有する溶剤の沸点および含有量、インクに含有する固形分量、等に依存する。
上記の方法でデキャップ性を評価した結果、インクAについては、液滴速度が48%低下した。(インク調製方法)
上記の顔料分散体の30重量%を攪拌しながら下記に示す化合物を順に添加してインク組成物を調整後、0.8μmのフィルターによりろ過してインクAを得た。
Figure 2010274592
Figure 2010274592
※沸点200℃以下の溶媒のインク含有量 (1)+(2)+(3)=69.3重量%
(1)イオン交換水:30%×80.7%(顔料分散体含有分)+37.7%=61.9重量%
(2)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル:7重量%
(3)ジメチルアミノエタノール(顔料分散体含有分):30%×1.3%=0.4重量%
<インクBについて>
(顔料分散体の調製)
インクBは、溶剤インクである。この溶剤インクは、ピグメントレッド122を20重量%、顔料分散剤であるDisperbyk−161(ビックケミー・ジャパン社製)を10重量%、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを5重量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルを65重量%混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体を調整した。
(インク調製方法)
上記の顔料分散体の30重量%を攪拌しながら下記に示す化合物を順に添加してインク組成物を調整後、0.8μmのフィルターによりろ過してインクBを得た。 以下の表4に示す溶剤種がインクBに含まれる揮発成分であり、インクB全体に対して86重量%含まれている。また、デキャップ性に寄与する沸点200℃以下の溶媒は、インクA全体に対して75.3重量%含まれている。
デキャップ性については、インクAと同じ条件で評価した結果、インクBについては、液滴速度が32%低下した。
Figure 2010274592
Figure 2010274592
※沸点200℃以下の溶媒のインク含有量(1)=75重量%
(1)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル:30%×65%(顔料分散体含有分)+55%=75重量%
<インクCについて>
(顔料分散体の調製)
インクCは、溶剤インクである。この溶剤インクは、上記のインクBで用いた顔料分散体を用いた。
(インク調製方法)
上記のインクBで用いた顔料分散体の30重量%を攪拌しながら下記に示す化合物を順に添加してインク組成物を調整後、0.8μmのフィルターによりろ過してインクCを得た。
以下の表6に示す溶剤種がインクCに含まれる揮発成分であり、インクC全体に対して86重量%含まれている。また、デキャップ性に寄与する沸点200℃以下の溶媒は、インクC全体に対して20重量%含まれている。
デキャップ性については、インクAと同じ条件で評価した結果、インクCについては、液滴速度が6%低下した。
Figure 2010274592
Figure 2010274592
※沸点200℃以下の溶媒のインク含有量(1)=20重量%
(1)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル:30%×65%(顔料分散体含有分)=20%
<連続射出性の評価>
20℃、20%RHの環境下で、ノズル孔径20μm、駆動周波数10kHz、ノズル数128のピエゾ型ヘッドと冷却装置7、加熱装置5を備えたインクジェット記録装置にインクを装着した。
1滴当たり12plを吐出する条件で、クリーニングをせずに1時間連続して吐出を続け、ポリ塩化ビニルからなる記録媒体にベタ画像を形成した。吐出後の欠発生状態を、チェックパターンを印字して観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:全ノズルから正常に出射
○:ノズル詰まりが1〜9欠発生している。
×:ノズル詰まりが10欠以上発生し、実用に耐えられない。
Figure 2010274592
<まとめ>
制御部10は、インクAのように、揮発成分が比較的多い場合には、記録ヘッド2のノズル面2a近傍にインクの蒸気が多く発生するので、冷却面72aの温度を低め(5℃)にして除湿効率を上げることにより、連続射出性を向上させる。冷却装置7の通電を「切(OFF)」にすると、記録ヘッド2のノズル面2aに結露が発生し、ノズル詰まりが多発し実用に耐えられない。
また、制御部10は、インクBのように、揮発成分が比較的少ない場合には、記録ヘッド2のノズル面2a近傍にインクの蒸気があまり発生しないので、過剰な除湿によるノズル面2aのメニスカス乾燥を防止するため、冷却面72aの温度を高め(10℃)にして除湿効率を下げることにより、連続射出性を向上させる。
また、制御部10は、インクCのように、インクBと揮発成分量がほぼ等しくても、デキャップ性がインクBよりも優れている場合には、記録媒体Pの加熱温度を高温(60℃)にすると共に冷却面72aの温度を低め(5℃)にして除湿効率を上げる。除湿効率を上げることにより、より高速に印画を行うことができるようになる。
このように、制御部10は、インクの揮発成分量やデキャップ性に応じてT2<T1<T3が成立するように各部の温度制御を行う。
1 インクジェット記録装置
2 記録ヘッド
2a ノズル面
3 キャリッジ(ヘッド支持部材)
5 加熱装置
6 搬送装置
7 冷却装置
10 制御部(温度制御手段)
13 ノズル面サーミスタ
14 冷却面サーミスタ
15 加熱面サーミスタ
51 ヒータ
72 冷却部
72a 冷却面
P 記録媒体

Claims (6)

  1. 記録媒体の種類に応じた温度のインクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体を加熱する加熱装置と、前記加熱装置により加熱された記録媒体を前記記録ヘッドの下方に搬送する搬送装置と、前記記録ヘッドを支持するヘッド支持部材と、を備えるインクジェット記録装置を用い、前記記録ヘッドから揮発成分を有するインクを記録媒体に吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方法において、
    前記インクジェット記録装置は、前記記録ヘッドとの間で断熱された状態で記録媒体に対向するように前記ヘッド支持部材に設けられた冷却面を有する冷却装置を備え、
    前記記録ヘッドのノズル面の温度を計測するノズル面温度計測ステップと、
    前記冷却面の温度を計測する冷却面温度計測ステップと、
    前記加熱装置による記録媒体の加熱温度を計測する加熱面温度計測ステップと、
    前記記録ヘッドから吐出されるインクの特徴値に応じて、各ステップで計測された前記記録ヘッドのノズル面の温度をT1、前記冷却面の温度をT2、記録媒体の加熱温度をT3とした場合に、
    T2<T1<T3
    の関係が成り立つように前記記録ヘッド、前記加熱装置及び前記冷却装置の制御を行う温度制御ステップと、
    を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記インクの特徴値は、インクに含まれる揮発成分量であり、
    前記温度制御ステップは、インクに含まれる揮発成分量の増加に伴い、前記冷却面の温度を下げることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インクの特徴値は、インクのデキャップ性であり、
    前記温度制御ステップは、インクのデキャップ性の低下に伴い、前記冷却面の温度を上げることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 記録媒体への画像の形成を行わない間、前記冷却装置による前記冷却面の冷却を停止する冷却停止ステップを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インクジェット記録装置は、
    前記記録ヘッドのノズル面の温度を計測するノズル面温度計測手段と、
    前記冷却面の温度を計測する冷却面温度計測手段と、
    前記加熱装置による記録媒体の加熱温度を計測する加熱面温度計測手段と、
    前記記録ヘッドから吐出されるインクの特徴値に応じて、前記記録ヘッドのノズル面の温度をT1、前記冷却面の温度をT2、記録媒体の加熱温度をT3とした場合に、
    T2<T1<T3
    の関係が成り立つように前記記録ヘッド、前記加熱装置及び前記冷却装置の制御を行う温度制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記インクジェット記録装置は、
    記録媒体からの前記記録ヘッドのノズル面までの高さと前記冷却面までの高さとが等しくなるように前記冷却装置が前記記録ヘッドに配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
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