JP2010274526A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ノズルの詰まりを抑制することができる液体噴射ヘッド及びこれを用いた信頼性の高い液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射ヘッドは、液体を噴射する各ノズル21に連通する複数の個別流路及び複数の個別流路が接続する共通流路13が形成された流路形成基板10と、個別流路に圧力を発生させる圧力発生素子とを備え、個別流路を区画する隔壁11が共通流路に臨み、隔壁の共通流路側の端部16が平面視において曲線形状となるように構成されている。液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
液体噴射ヘッドであるインクジェット式記録ヘッドとしては、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させる撓み振動モードの圧電素子を有するアクチュエーター装置を使用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このインクジェット式記録ヘッドは、ノズル開口に連通し、隔壁によって区画された複数の圧力発生室が並設された流路形成基板と、流路形成基板の圧力発生室に相対向する領域に振動板となる絶縁膜を介して下電極膜、圧電体層及び上電極膜を積層形成した圧電素子とを備えている。流路形成基板には、圧力発生室の共通のインク室となるリザーバーを構成するリザーバー部と、リザーバーからのインクを各圧力発生室に供給するためのインク供給経路が圧力発生室毎に設けられている。これら各インク供給経路は、圧力発生室の幅方向両側の隔壁を延設することで圧力発生室毎に区画されている。即ち、共通の液体貯留部であるリザーバー部と、個別流路であるインク供給経路とが同じ流路形成基板に形成されており、隔壁の先端部は、リザーバー部に臨んでいる。
特開2007−261215号公報(第12図、第24〜25頁等)
上述した特許文献1では、広い面積を有するリザーバー部に隔壁の先端部が臨んでおり、この先端部が鋭角であった。このため、製造工程や検査工程等においてウェハーに他の物体が接触すると、先端部に応力が集中し、破損して欠けてしまうことがあり、欠片がインク中に混入してしまい、ノズルの詰まりの原因になる場合があるという問題がある。また、製造工程や検査工程等においてウェハーに他の物体が接触すると、鋭角である先端部に環境異物が付着してしまうことがあり、この付着した異物がインク中に混入してしまい、これもノズルの詰まりの原因になる場合があるという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドに限定されず、他のデバイスに用いられる液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、ノズルの詰まりを抑制することができる液体噴射ヘッド及びこれを用いた信頼性の高い液体噴射装置を提供することを目的とする。
本発明の液体噴射ヘッドは、液体を噴射する各ノズルに連通する複数の個別流路及び該複数の個別流路が接続する共通流路が形成された流路形成基板と、該個別流路に圧力を発生させる圧力発生素子とを備え、前記個別流路を区画する隔壁が共通流路に臨み、該隔壁の共通流路側の端部が平面視において曲線形状となるように構成されていることを特徴とする。このように隔壁の共通流路側の端部が平面視において曲線形状となることで、端部の欠けや環境異物の付着を抑制することができ、ノズルの詰まりを抑制することが可能である。
ここで、前記個別流路内に、前記共通流路に臨む島状壁部が設けられ、該島状壁部の共通流路側の端部が平面視において曲線形状となるように構成されていることが好ましい。島状壁部が設けられている場合においても、該島状壁部を平面視において曲線形状となるように形成することで、より端部の欠けや環境異物の付着を抑制することができ、ノズルの詰まりを抑制することが可能である。
前記ノズルが形成されたノズルプレートが前記流路形成基板の一方面側に接合され、前記隔壁の端部における該ノズルプレートとの接合面の縁部が面取りされていることが好ましい。このように面取りをすることでさらに端部の欠けや環境異物の付着を抑制することができ、ノズルの詰まりを抑制することが可能である。
本発明の液体噴射装置は、前記したいずれかの液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする。上記のようなノズルの詰まりを抑制した液体噴射ヘッドを備えたことで、信頼性の高い液体噴射装置とすることができる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部拡大平面図及び要部拡大断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す要部拡大平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す要部断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの要部拡大平面図である。 本発明の実施形態に係る記録装置の一例を示す概略斜視図である。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドIの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図であり、図3は、図2の要部拡大平面図及びそのB−B′断面図である。
本実施形態の結晶基板である流路形成基板10は、ケイ素系基板、例えばシリコン基板やガラス基板を用いることができ、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなる。流路形成基板10の一方の面には二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、他方面側からエッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12がその幅方向(短手方向)に並設されている。これらの複数の隔壁11の端部は、詳細は後述するが、異物の付着や欠けを抑制すべく、平面視において曲線形状となっている。また、各列の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板30のマニホールド部31と連通して圧力発生室12の列毎に共通のインク室となるマニホールドの一部を構成する。即ち、本実施形態においては、圧力発生室12、インク供給路14及び連通路15とで個別流路が、また、連通部13で共通流路が構成されており、隔壁11は、圧力発生室12を含む各個別流路を区画している。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。本実施形態では、インク供給路14は、圧力発生室12及び連通路15の一方の幅を狭めることで形成されているが、特にこれに限定されず、例えば圧力発生室12及び連通路15の両側の幅を狭めることでインク供給路14を形成するようにしてもよい。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
ここで、流路形成基板10に形成された隔壁11についてより詳細に説明する。従来、隔壁11の連通部13側の先端部16aは広い連通部13に臨み、かつ、図3(a)において一部点線で示すように平面視において鋭角であった。このため、製造工程や検査工程等において接触があると、この先端部16aに応力が集中し、破損して欠けてしまうことがあり、欠片がインク中に混入してしまい、ノズルの詰まりの原因になる場合があった。また、製造工程や検査工程等において連通部13に臨み、かつ鋭角である先端部16aに環境異物が付着してしまうことがあり、この付着した異物がインク中に混入してしまい、これもノズルの詰まりの原因になる場合があった。
そこで、本実施形態の隔壁11の連通部13側の端部16は、図3(a)に示すように平面視において略半円状の曲線からなる曲線形状となっている。このように曲線形状(略半円形状)となっていることで、即ち端面が曲面から構成されていることで、応力集中を抑制し、端部16の欠けを抑制すると共に、端部16での異物の付着を抑制することができる。
本実施形態においては、この端部16の形状を平面視において曲線形状としたが、この形状に限定されず、端部16が平面視において鋭角となる部分がないように構成すればよい。ここで、鋭角とは90°以下の角度をいう。例えば、端部16は平面視において鋭角を有しない多角形状であってもよいが、より端部16の欠けを抑制すると共に端部16での異物の付着を抑制すべく、図示したように平面視において曲線形状であるように構成されていることが好ましい。
また、本実施形態の隔壁11の連通部13側の端部16は、図3(b)に示すようにノズルプレート20との接合面側の縁部17が面取りされていることが好ましい。このように面取りされていることで、さらに応力集中を抑制し、端部16の欠けをより抑制すると共に、端部16での異物の付着をより抑制することができる。なお、この隔壁11とノズルプレート20とは接着剤により接合されており、この接着剤が十分に厚いことから、ノズルプレート20との接合面側の縁部17に面取りをしてもノズルプレート20との間に隙間が生じることがなく、インク内の気泡の付着は生じにくい。
他方、このような流路形成基板10のノズルプレート20とは反対側の面には、上述したように、弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、弾性膜50とは異なる材料からなる絶縁体膜55が形成されている。勿論、絶縁体膜55は、例えば、酸化ジルコニウム、窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭化珪素、炭化チタン、炭化タングステン、炭化タンタルの少なくとも1種を主成分とする材料から形成してもよい。さらに、この絶縁体膜55上には、下電極膜60と圧電体層70と上電極膜80とが後述するプロセスで積層形成されて圧力発生素子である圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
また、このような各圧電素子300の上電極膜80には、流路形成基板10の個別流路の端部近傍まで延設された金(Au)等のリード電極90がそれぞれ接続されている。このリード電極90を介して各圧電素子300に選択的に電圧が印加される。
さらに、圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、連通部13に対向する領域にマニホールド部31が設けられた保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このマニホールド部31は、上述したように、流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100を構成している。
また、保護基板30には、圧電素子300に対向する領域に、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。なお、圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
また、保護基板30上には、圧電素子300を駆動するための駆動回路160が実装されている。この駆動回路160としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路160とリード電極90とはボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線161を介して電気的に接続されている。
保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料の面方位(110)のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する有機絶縁材料からなり、この封止膜41によってマニホールド部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料で形成される。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路160からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドIの製造方法について、図4〜図8を参照して説明する。なお、図4〜図6、図8は、インクジェット式記録ヘッドの製造工程を示す断面図であり、図7は、図6(c)での要部拡大平面図である。
まず、図4(a)に示すように、面方位(110)のシリコン単結晶基板からなるシリコンウェハーである流路形成基板用ウェハー110の表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン膜51を形成する。
次に、図4(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜51)上に、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55を形成する。
次いで、図4(c)に示すように、例えば、白金(Pt)とイリジウム(Ir)とを絶縁体膜55上に積層することにより下電極膜60を形成した後、この下電極膜60を所定形状にパターニングする。次に、図5(a)に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば、イリジウムからなる上電極膜80とを流路形成基板用ウェハー110の全面に形成した後、図5(b)に示すように、これら圧電体層70及び上電極膜80を、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。
次に、図5(c)に示すように、流路形成基板用ウェハー110の全面に亘って金(Au)からなるリード電極90を形成後、圧電素子300毎にパターニングする。
次に、図6(a)に示すように、保護基板用ウェハー130を、流路形成基板用ウェハー110上に接着剤35によって接着する。ここで、この保護基板用ウェハー130には、マニホールド部31及び圧電素子保持部32が予め形成されている。なお、この保護基板用ウェハー130は、例えば、400μm程度の厚さを有するため、保護基板用ウェハー130を接合することによって流路形成基板用ウェハー110の剛性は著しく向上することになる。
次いで、図6(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー110を所定の厚みに薄くする。
次に、図6(c)に示すように、流路形成基板用ウェハー110上に、例えば、窒化シリコン(SiN)からなる膜を形成してマスク200とする。マスク200は、圧力発生室12、インク供給路14、連通路15及び連通部13を形成するためのものである。このマスク200を所定形状にパターニングして開口部202を形成する。この場合に、隔壁11の端部16が平面視において所望の曲線形状(略半円状)となるように、開口部202端部が形状に対応した曲線形状となるように、マスク200を図7に示すように形成する。マスク200の材料としては、アルミナ、酸化シリコン等を用いてもよい。
次いで、このマスク200を介して流路形成基板用ウェハー110をドライエッチングすることにより、流路形成基板用ウェハー110の開口部202に対応する領域に隔壁11により区画された圧力発生室12、インク供給路14、連通路15及び連通部13を形成する。同時に、隔壁11の端部16が曲線形状に形成される。
次いで、マスク200を除去する。マスク200の除去は、ウェットエッチング又はドライエッチングなどで行うことができる。
次に、隔壁11の端部16の面取りを行う。本実施形態では、流路形成基板用ウェハー110の圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15等の流路の内面に耐インク性を有する保護膜をスパッタリングにより形成する前に、スパッタリング装置内で逆スパッタ(逆スパッタリング)を行い、面取りを行った。即ち、前処理としての逆スパッタを行う際に同時に面取りを行った。なお、逆スパッタはターゲット源と基板との電極を逆電位にすることで基板の表面から基板の構成粒子を飛ばして基板表面の所望の部分を除去することをいう。詳細には、図8(a)に示すように、例えば、流路形成基板用ウェハー110の下面に窒化シリコン(SiN)からなるマスク210を形成する。このマスク210は、端面211がテーパー状であり、隔壁11の端部16よりも平面視においてやや小さくなるように所定形状にパターニングされる。
次いで、図8(b)に示すようにマスク210を介して逆スパッタすることで隔壁11の縁部17の面取りを行う。上述のようにマスク210の端面211がテーパー状であることから、縁部17の面取りを簡易に行うことが可能である。なお、本実施形態では、逆スパッタリングにより縁部17の面取りを行ったが、ドライエッチングにより縁部17の面取りを行うことも可能である。
その後は、特に図示しないが、スパッタリングにより流路形成基板用ウェハー110の圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15等の流路の内面に耐インク性(耐液体性)を有する保護膜を形成する。そして、流路形成基板用ウェハー110及び保護基板用ウェハー130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハー110の保護基板用ウェハー130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合する。そして、保護基板用ウェハー130にコンプライアンス基板40を接合し、これら流路形成基板用ウェハー110を、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割することによって上述した構造のインクジェット式記録ヘッドIが製造される。
なお、本実施形態では、圧力発生素子として圧電素子300を挙げたが、圧力発生素子としてはこれに限定されるものではない。例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のアクチュエーター装置や、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のアクチュエーター装置などを使用することができる。また、圧力発生素子として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
(実施形態2)
実施形態1で示したインク流路だけに限定されず、例えば、図9に示すような別のインク流路にも適用することができる。図9に示すように、流路形成基板112には、その一方面側の表層部分に、圧力発生室111が隔壁150によって区画されてその幅方向で複数並設されている。この圧力発生室111には、図示しない圧力発生素子が設けられている。各圧力発生室111の列の外側には、各圧力発生室111にインクを供給するためのマニホールド(本実施形態における共通流路)121が、流路形成基板112を厚さ方向に貫通して設けられている。そして、各圧力発生室111とマニホールド121とは、インク供給路122を介して連通している。即ち、本実施形態においては、インク供給路122及び圧力発生室111がそれぞれ個別流路を構成している。インク供給路122は、本実施形態では、圧力発生室111よりも狭い幅で形成されており、マニホールド121から圧力発生室111に流入するインクの流路抵抗を一定に保持する役割を果たしている。
また、流路形成基板112の各インク供給路122には、島状壁部151がインク供給路122におけるインクの流れに沿って延設されている。島状壁部151により、インク供給路122におけるインクの流路の面積は狭まるため、圧力発生室111の減圧を未然に防ぐことができる構成となっている。即ち、上述した実施形態1においては圧力発生室12及び連通路15の一方の幅を狭めることでインクの流路の面積を狭めてインク供給路14が構成されているが、本実施形態では、インクの流路の略中央付近に島状壁部151を設けることによりインクの流路の面積を狭めて流路を構成している。
さらに、圧力発生室111のマニホールド121とは反対の端部側には、流路形成基板112を貫通するノズル連通孔123が形成されている。また、マニホールド121は、ヘッドケースの厚さ方向に貫通して形成されたインク導入路(図示せず)と連通している。インク導入路は、インクカートリッジ(図示せず)からのインクをマニホールド121に導く流路である。すなわち、マニホールド121、インク供給路122、圧力発生室111及びノズル連通孔123から構成される液体流路が流路形成基板112に形成されている。
このような流路形成基板112は、本実施形態では、流路形成基板112に設けられる上記圧力発生室111等は、流路形成基板112をドライエッチングすることによって形成されている。
この場合に、隔壁150及び島状壁部151のマニホールド121側の端部152及び153は、それぞれ平面視において略半円状の曲線からなる曲線形状となるように形成されている。このような形状となっていることで、本実施形態においても、隔壁150や島状壁部151の端部152及び153における欠けや環境異物の付着を抑制することが可能である。これにより、インクに異物が混入することを抑制することができ、ノズル開口の詰まりを抑制する。なお、本実施形態では隔壁150及び島状壁部151のマニホールド121側の端部152及び153は、それぞれ平面視において曲線形状となるように形成されているが、少なくとも隔壁150の端部が曲線形状となっていればよい。
さらにまた、端部152及び153は、図示しないが、上述した実施形態1のように、その上面及び下面の縁部がそれぞれ面取りされて構成されている。このように面取りされていることで、欠けや異物の付着をより抑制することが可能である。本実施形態では上面及び下面がそれぞれ面取りされたものを示したが、製造工程等を考慮して、端部152及び153の上面又は下面のみが面取りされていてもよい。
上述した実施形態において、端部152及び153は、実施形態1と同様にそれぞれドライエッチングにより形成することができる。即ち、パターニング後、流路形成基板10及び112の圧力発生室12及び111等の流路をドライエッチングにより形成する際に同時に形成する。
次いで、端部152及び153を形成した後、端面がテーパー状であるマスクを端部152及び153の両面に、端部152及び153よりも平面視においてやや小さくなるように形成し、この状態で逆スパッタすることにより面取りを行う。
上述した各実施形態では、液体噴射ヘッドの製造方法の一例としてインクジェット式記録ヘッドIの製造方法を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドの製造方法を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
また上述した実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図10は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図示するように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
また、上述したインクジェット式記録装置IIでは、インクジェット式記録ヘッドI(ヘッドユニット1A、1B)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 10 流路形成基板(結晶基板)、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 15 連通路、 16 端部、 17 縁部、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 マニホールド部、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 100 マニホールド、 110 流路形成基板用ウェハー、 130 保護基板用ウェハー、 200 マスク、 202 開口部、 300 圧電素子

Claims (4)

  1. 液体を噴射する各ノズルに連通する複数の個別流路及び該複数の個別流路が接続する共通流路が形成された流路形成基板と、該個別流路に圧力を発生させる圧力発生素子とを備え、
    前記個別流路を区画する隔壁が共通流路に臨み、該隔壁の共通流路側の端部が平面視において曲線形状となるように構成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記個別流路内に、前記共通流路に臨む島状壁部が設けられ、該島状壁部の共通流路側の端部が平面視において曲線形状となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記ノズルが形成されたノズルプレートが前記流路形成基板の一方面側に接合され、前記隔壁の端部における該ノズルプレートとの接合面の縁部が面取りされていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載された液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115125501A (zh) * 2022-07-04 2022-09-30 宁波江丰电子材料股份有限公司 一种靶材组件及其制备方法

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