JP2010274511A - 感熱型平版印刷版の画像消去方法 - Google Patents

感熱型平版印刷版の画像消去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持体上に熱可塑性粒子および/または熱溶融性物質を含有する画像形成層を有し、該画像形成層に感熱方式により画像を形成する感熱型平版印刷版の画像消去方法を提供することであり、印刷枚数が増えた際に汚れが発生したり、再画像化したりすることがなく、特に、インキが付着した画像部の消去にも優れた画像消去方法を提供すること。
【解決手段】支持体上に熱可塑性粒子および/または熱溶融性物質を含有する画像形成層を有し、該画像形成層に感熱方式により画像を形成する感熱型平版印刷版の不要な画像部分に、少なくとも1種のアルキレンオキシ付加物を含有しpHが8以上である水溶液を塗布することによって達成された。
【選択図】なし

Description

本発明は、支持体上に熱可塑性粒子および/または熱溶融性物質を含有する画像形成層を有し、該画像形成層に感熱方式により画像を形成する感熱型平版印刷版の画像消去方法に関するものである。
近年、迅速に平版印刷版を得るためにフィルムレス化を目的として、画像情報に基づいてデジタル記録により平版印刷版を製造するコンピューター・ツー・プレート(CTP)方式が汎用されつつある。CTP方式を利用する平版印刷版材料としては、親水性の表面を有する支持体上に、インクジェット方式や電子写真方式で画像を作るもの、感光性を有し、画像露光後に現像処理を行うフォトポリマータイプ、銀塩写真タイプなど幾つかが挙げられる。しかし、インクジェット方式や電子写真方式では解像度が未だ十分ではなく、また、フォトポリマータイプや銀塩写真タイプは現像処理を行う点で印刷版の作製に時間が掛かり、更に環境適性の点で不利である。このため、CTP方式に対応でき、かつ現像処理を必要としない平版印刷版が求められている。
現像液などの処理液を使用せずに画像形成が可能な、いわゆるプロセスレス平版印刷版と称される印刷版としては、レーザー、インクジェット、サーマルヘッド記録による種々のCTP方式による平版印刷版の作製技術が提案されている。例えば、特開平6−138719号公報、特開平6−250424号公報等に記載されるような乾式電子写真法レーザープリンタにより製版するもの、特開平9−58144号公報に記載されるような熱溶融型インクを用いたオンデマンドインクジェットプリンタを用いて製版するもの、あるいは特開昭63−166590号公報に記載される熱転写インクリボンを用いたサーマルプリンタで製版するものなどが知られている。
更に、例えば特開昭58−199153号公報、あるいは特開昭59−174395号公報、特開昭63−116891号公報、特開平11−286184号公報等には、熱転写リボン等を介さずサーマルヘッド等で加熱描画を行うことができるプロセスレス平版印刷版として、熱可塑性樹脂および/または熱溶融性物質を含む感熱記録層を有する感熱型平版印刷版が記載されている。一方、赤外線レーザー等で加熱描画することで親油性の画像部を得ることができるプロセスレス平版印刷版としては、例えば特開2000−190649号公報、特開2000−301846号公報等に、熱溶融性粒子あるいは熱可塑性樹脂を含有する画像形成層を有する感熱型平版印刷版が記載されている。これら感熱型平版印刷版は上記したプロセスレス平版印刷版の中でも、トナー、IJインク等の消費材が必要でない点でより好ましい。
ところで、これら感熱型平版印刷版においても、例えば従来から知られるPS版と同様に、必然的に生ずる不必要な画像や、削除訂正が必要な画像部が生じることがあり、その画像を印刷版上で消去することが必要となる。PS版における不要な画線部の消去は、その不要な画線部を、有機溶剤を含有する消去液で溶出、または酸等でエッチングする消去液で修正する方法が知られており、例えば特公昭51−33442号公報、特開昭55−121447号公報、特開昭60−17748号公報等に記載されている。しかしながら、上述したようなプロセスレス平版印刷版にPS版用の消去液を適用した場合、有機溶剤による溶出、酸等によるエッチングによって元々プロセスレス平版印刷版が有している親水性が損なわれる場合や、十分な親水性を付与できない場合があり、消去した部分に汚れが発生する問題があった。
特開平6−166839号公報(特許文献1)には、通常の紙面、感熱記録紙の修正に適用できる、白色顔料、溶剤、結合剤、ポリアルキレンオキシ付加物を含んでなる修正液について記載されているが、これは紙面に表記された文字、線、模様等を塗布によって隠蔽消去して修正するものであり、不要な画像部を印刷版上で消去することを目的としたものではなかった。
特開2001−350274号公報(特許文献2)には、PS版以外の、例えばアブレーション方式、親水性/疎水性の相変化、インクジェット法等によって画像部が形成された平版印刷版の不要な画像部上に、ゾルゲル反応性を有する結合剤を含有する修正液を塗布・乾燥して印刷画像を消去する方法が、また、特開2006−347047号公報(特許文献3)には、感熱型平版印刷版の不要な画像部を除去用ペンで物理的に除去した後、該画像部に修正液を塗布・乾燥することで印刷画像を消去する方法が示されているが、印刷枚数が増えると共に消去画像部にインキが再び着肉する場合(再画像化)や、特に印刷開始後に不要な画像が発見されて、インキが付着した画像を消去した場合に汚れが発生したり、多数枚の印刷を行った場合において再画像化したり、十分な消去性が得られない問題があり改善が望まれていた。
特開平6−166839号公報 特開2001−350274号公報 特開2006−347047号公報
本発明の目的は、支持体上に熱可塑性粒子および/または熱溶融性物質を含有する画像形成層を有し、該画像形成層に感熱方式により画像を形成する感熱型平版印刷版の画像消去方法を提供することであり、印刷枚数が増えた際に汚れが発生したり、再画像化したりすることがなく、特に、インキが付着した画像部の消去にも優れた画像消去方法を提供することである。
本発明の上記の目的は、支持体上に熱可塑性粒子および/または熱溶融性物質を含有する画像形成層を有し、該画像形成層に感熱方式により画像を形成する感熱型平版印刷版の不要な画像部分に、少なくとも1種のアルキレンオキシ付加物を含有しpHが8以上である水溶液を塗布することを特徴とする画像消去方法によって達成された。
本発明により、支持体上に熱可塑性粒子および/または熱溶融性物質を含有する画像形成層を有し、該画像形成層に感熱方式により画像を形成する感熱型平版印刷版の画像消去方法を提供することができ、印刷枚数が増えた際に汚れが発生したり、再画像化したりすることがなく、特に、インキが付着した画像部の消去にも優れた画像消去方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の画像消去方法に用いられる水溶液は、少なくとも1種のアルキレンオキシ付加物を含有する、pHが8以上の水溶液であることを特徴とする。本発明の画像消去方法に用いる水溶液が含有するアルキレンオキシ付加物としては、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシポリプロピレンオキシグリコール等のポリアルキレン(オキシ)グリコール類の他、ポリエチレンオキシラウリルエーテル、ポリエチレンオキシオレイルエーテル等のポリエチレンオキシアルキルエーテル類、ポリエチレンオキシオクチルフェニルエーテル、ポリエチレンオキシノニルフェニルエーテル等のポリエチレンオキシアルキルフェニルエーテル類、モノステアリン酸ポリエチレンオキシソルビタン、モノオレイン酸ポリエチレンオキシソルビタン等のポリエチレンオキシソルビタン脂肪酸部分エステル類、モノステアリン酸ポリエチレンオキシソルビトール、モノオレイン酸ポリエチレンオキシソルビトール等のポリエチレンオキシソルビトール脂肪酸部分エステル類、トリイソステアリン酸ポリエチレンオキシグリセリル、トリステアリン酸ポリエチレンオキシグリセリル等のポリエチレンオキシグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリエチレンオキシステアリルアミン、ポリエチレンオキシオレイルアミン等のポリエチレンオキシアルキルアミン類が挙げられ、エチレンオキシとあるものは、メチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシなどのアルキレンオキシ単独もしくは組み合わせに読み替えることもできる。本発明の画像消去方法に用いる水溶液に好ましく適用することができるアルキレンオキシ付加物としては、下記一般式で示される化合物が特に好ましい。
Figure 2010274511
式中、Rは炭素原子数3〜20の脂肪族炭化水素基を示す。nは0または1を表す。x、x、xは1〜60の整数を表す。y、y、yは0〜60の整数を表す。ただし、nが0の時はx、yも0である。また、式中x、x、x、y、y、yの何れかが2以上である場合、エチレンオキシ部とプロピレンオキシ部の結合順序は任意である。
上記一般式で示される化合物として表1に具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2010274511
本発明の画像消去方法に用いる水溶液において、アルキレンオキシ付加物は1リットル当たり1〜200gの範囲で含有させて使用することが好ましく、更に好ましくは1リットル当たり10〜100gの範囲で含有させて使用する。添加量が好ましい範囲を下回る場合、インキが付着した画像の消去を行う場合に十分な効果を得ることができない場合がある。添加量が好ましい範囲を上回る場合は、印刷機のローラを介して消去した画像以外の部分へ転写し、転写した部分に画像が存在した場合にその部分のインキ着肉性を阻害する場合がある。
本発明の画像消去方法に用いる水溶液のpHは8以上14以下に調整し、更に好ましくは10以上13.5以下に調整する。pH調整剤としては、アルカリ性物質は、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物が利用できる。酸性物質としては、無機酸では、炭酸、リン酸、亜硫酸とその塩等が良く、更に、pHを調整するために、硝酸、硫酸を用いることができる。有機酸としてはクエン酸、マロン酸、蓚酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸などとその塩が挙げられる。塩としては、上記酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。これらの酸や塩を1種類もしくは2種類以上組み合わせて使用しても良い。
本発明の目的は、少なくとも1種のアルキレンオキシ付加物を含有するpHが8以上の水溶液を感熱型平版印刷版の不要画像部へ塗布を行うことにより達成されるが、種々の目的に応じて上記化合物以外にも公知の緩衝剤、錯化剤、界面活性剤等を含有させることができる。例えば、緩衝剤としては、燐酸、硫酸等の無機酸、コハク酸、プロピオン酸等の有機酸を使用することができ、錯化剤としてはイミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸等を混合することができる。界面活性剤としては、例えばサポニン等の天然界面活性剤、グリセリン系、グリシドール系統のノニオン界面活性剤、高級アルキルアミン類、第四級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環類、スルホニウム類等のカチオン界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類等の両性界面活性剤、フッ素を含むフッ素系アニオンおよび両性界面活性剤などが使用できる。
更に、本発明の画像消去方法に用いる水溶液には、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル等の無機微粒子を含有させることもでき、好ましくはコロイダルシリカを使用することができる。これによって、消去部の親水性が向上し、より効果的に消去部へのインキの付着を防止することができる。また、本発明の画像消去方法に用いる、少なくとも1種のアルキレンオキシ付加物を含有するpHが8以上の水溶液を画像部に塗布した後、上記無機微粒子を含有する水溶液を重ねて塗布することも、効率的に消去を行う上で好ましく行うことができる。
本発明の画像消去方法は、支持体上に熱可塑性粒子および/または熱溶融性物質を含有する画像形成層に感熱方式により画像を形成する感熱型平版印刷版に適用することができる。以下、本発明の画像消去方法を適用することができる感熱型平版印刷版の構成について説明する。
画像形成層が含有する熱可塑性粒子としては、鎖状ポリマーからなり加熱によって可塑性を示す固体状の有機高分子化合物からなる粒子であって、有機高分子化合物からなる粒子の水分散体を指す。具体的には、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、メチルメタクリレートブタジエン共重合体、スチレンアクリロニトリルブタジエン共重合体、スチレンメチルメタクリレートブタジエン共重合体等の、その変性物を含めた合成ゴムラテックスからなる水分散体が好ましく用いられるが、スチレン無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル/アクリル酸エステル共重合体、および低融点ポリアミド樹脂等からなる粒子の水分散体も使用可能である。本発明においては、これら水分散体を含有する画像形成層用塗布液を塗布・乾燥することで画像形成層に熱可塑性粒子を含有させることができる。これら熱可塑性粒子は単独もしくは2種以上併用して用いることができる。印刷インクのビヒクル(バインダー成分)との親和性から、かかる熱可塑性粒子としては合成ゴムラテックスが好ましく、特にスチレンブタジエン共重合体とその変性物からなる熱可塑性粒子が望ましい。好ましい熱可塑性粒子の配合量としては画像形成層の全固形分量に対して5〜50質量%が好ましく、更に10〜40質量%が好ましい。また熱による溶融、融着効果を発現しやすくするためには、熱可塑性粒子のガラス転移温度は50〜150℃、更に好ましくは55〜120℃のものを使用するのがよい。ガラス転移温度が50℃未満では製造工程中に液状に相変化を起こし、非画像部にも親油性が発現するため印刷地汚れの原因となる場合がある。また150℃を超える場合はポリマーの熱溶融が起こりにくく、比較的小出力のレーザーや小型サーマルプリンタでは強固な画像を形成するのが困難となる場合がある。
画像形成層が含有する熱溶融性物質としては、融点が50〜150℃の有機化合物を好適に使用することができる。特に上記した熱可塑性粒子と熱溶融性物質とを画像形成層に含有させることにより、画像部のインキ受理性に優れた感熱型平版印刷版とすることができる。熱溶融性物質の融点が50℃未満では製造工程中に溶融してしまい印刷物の地汚れの原因となる場合があり、一方150℃を超えるとサーマルヘッド等の熱印加で溶融しにくく、親油性の発現が乏しい場合がある。このような熱溶融性物質として、具体的には、1−フェノキシ−2−ナフトキシ(1)−エタン、1−フェノキシ−4−ナフトキシ(2)−ブタン、1−(2−イソプロピルフェノキシ)−2−ナフトキシ(2)−エタン、1−(4−メチルフェノキシ)−3−ナフトキシ(2)−プロパン、1−(2−メチルフェノキシ)−2−ナフトキシ(2)−エタン、1−(3−メチルフェノキシ)−2−ナフトキシ(2)−エタン、1−フェノキシ−2−ナフトキシ(2)−エタン、1−フェノキシ−6−ナフトキシ(2)−ヘキサン、1−(2−フェニルフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1−(4−フェニルフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)−エタン、1,4−ジフェノキシブタン、1,4−ビス(4−メチルフェノキシ)ブタン、1,2−ジ(3,4−ジメチルフェノキシ)エタン、1−(4−フェニルフェノキシ)−3−フェノキシプロパン、1−フェノキシ−2−(4−t−ブチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メチルフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1−(2,3−ジメチルフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1−(3,4−ジメチルフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1−(4−エチルフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1−(4−イソプロピルフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1,2−ビス(2−メチルフェノキシ)エタン、1−(4−メチルフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、1−(4−t−ブチルフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1−(4−メチルフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、1−(4−エチルフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1−(2,3−ジメチルフェノキシ)−2−(4−メチルフェノキシ)エタン、1−(2,5−ジメチルフェノキシ)−2−(4−メチルフェノキシ)エタン、フェノキシ酢酸−β−ナフトールエステル、2−ナフトキシ酢酸−p−クレゾールエステル、2−ナフトキシ酢酸−m−クレゾールエステル等が挙げられ、更に、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスなどのワックス類、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの脂肪酸、およびそのエステル、アミド類等も使用することができる。
これらの熱溶融性物質は一般に常温で固体の物質であるが、熱による反応性を高めるために、微分散処理を行って使用されることが好ましい。微分散処理の方法は、一般に塗料製造時に用いられる湿式分散法であり、ロールミル、コロイドミル、ボールミル、アトライター、サンドミルなどのビーズミル等を使用することができる。ビーズミルでは、ジルコニア、チタニア、アルミナなどのセラミックビーズや、クローム、スチールなどの金属ビーズ、ガラスビーズなどが使用できる。分散粒径はメジアン径で0.1〜1.2μmが望ましく、特に好ましくは0.3〜0.8μmである。なお、メジアン径とは、粒子体の一つの集団の全体積を100%として累積曲線を求めたとき、累積曲線が50%となる点の粒子径(累積平均径)であり、粒度分布を評価するパラメータの一つとして、例えばレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA920((株)堀場製作所製)等を用いて測定することができる。
上記熱溶融性物質の好ましい配合量は、単独で使用する場合は画像形成層の全固形分量に対して5〜95質量%、熱可塑性粒子と併用する場合は画像形成層の全固形分量に対して50〜95質量%である。これらの熱溶融性物質は単独使用でも良いし2種以上の熱溶融性物質を併用することもできる。
また、本発明の画像消去方法を適用することができる感熱型平版印刷版が有する画像形成層は水溶性高分子化合物を含有することが好ましい。かかる水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉およびその誘導体、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、スチレン・マレイン酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等が挙げられる。これらの水溶性高分子化合物は単独使用でも2種類以上の併用でも良く、特に皮膜形成に富むゼラチンおよびポリビニルアルコールとその変性物が非画像部の親水性保持に好ましく選択される。かかる水溶性高分子化合物の配合量は画像形成層の全固形分量に対して0.5〜30質量%が好ましく、更に3〜25質量%とすることがより好ましい。
また非画像部の耐水性および機械的強度を向上させるため、画像形成層は前記水溶性高分子化合物の種類に応じて硬化剤(耐水化剤)を含有することが好ましい。硬化剤としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート化合物、アルデヒド化合物、シラン化合物、クロム明礬、ジビニルスルホン等、樹脂の架橋を促すことによって耐水性を付与するものを用いることができるが、特に好ましい硬化剤はゼラチンの場合ジビニルスルホンが、ポリビニルアルコールの場合グリオキザールが好ましく用いられる。硬化剤の配合量は前記水溶性高分子化合物の固形分量に対して、1〜30質量%が好ましく、更には2〜15質量%とすることが好ましい。
本発明の画像消去方法に適用することができる感熱型平版印刷版の画像形成層は、前述の熱可塑性粒子、熱溶融性物質および水溶性高分子化合物等に加えて更に光熱変換物質を配合することで、サーマルヘッドだけでなく赤外線レーザーなどの活性光による書き込みが可能となる。この観点から、本発明の印刷方法に適用することができる感熱型平版印刷版の画像形成層は、光熱変換物質を含有することが好ましい。該感熱型平版印刷版に使用しうる光熱変換物質としては、効率よく光を吸収し熱に変換する材料が好ましく、使用する光源によって異なるが、例えば近赤外光を放出する半導体レーザーを光源として使用する場合には、近赤外に吸収帯を有する近赤外光吸収剤が好ましく、例えば、カーボンブラック、シアニン系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素等の有機化合物や、フタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸化クロム、硫化鉄、硫化クロム等の金属化合物類等が挙げられる。
本発明の画像消去方法に適用することができる感熱型平版印刷版は、画像の視認性確保のため一般的な感熱記録紙や感圧記録紙に使用されるフェノール誘導体や芳香族カルボン酸誘導体などの顕色剤や発色剤(電子供与性染料前駆体)を含有させることができる。
本発明の画像消去方法に適用することができる感熱型平版印刷版の画像形成層に使用できる顕色剤として、具体的には、4−クミルフェノール、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4′−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3′,4′−テトラメチレンビフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルホン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、N,N′−ジ−m−クロロフェニルチオ尿素、N−(フェノキシエチル)−4−ヒドロキシフェニルスルホンアミドなどのフェノール性化合物、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、p−クロロ安息香酸亜鉛などの芳香族カルボン酸の亜鉛塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体などの有機酸性物質などが挙げられる。
本発明の画像消去方法に適用することができる感熱型平版印刷版の画像形成層に使用できる発色剤(電子供与性染料前駆体)の具体的な例は、(1)トリアリールメタン系化合物として3,3′−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタル・バイオレット・ラクトン)、3,3′−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチル−アミノフタリド等:(2)ジフェニルメタン系化合物として、4,4′−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等:(3)キサンテン系化合物として、ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−p−ニトロアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−フェニチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン等:(4)チアジン系化合物として、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等:(5)スピロ系化合物として、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3′−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等が挙げられる。またこれらを2種以上併用することもできる。
従来、感熱記録紙等では一般的に酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの吸油性の高い無機顔料によって前述の熱可塑性粒子、熱溶融性物質を吸着させることで、サーマルヘッドとの結着を防止してスティッキング現象を改善し、画像描画上支障ないように処方される。しかしながら本発明の画像消去方法を適用することができる感熱型平版印刷版の画像形成層が上記無機顔料を含有した場合、耐刷性が低下する場合があるため、該画像形成層は無機顔料を実質的に含有しないことが好ましい。ここで実質的にとは画像形成層の全固形分量に対して上記無機顔料の配合量を10質量%未満とすることを意味し、更に5質量%未満とすることがより好ましい。
本発明の画像消去方法を適用することができる感熱型平版印刷版が有する画像形成層は、画像部の耐刷性、非画像部の耐水性および機械的強度の観点から、乾燥膜厚として0.5〜20μmであることが好ましく、更に1〜10μmであることがより好ましい。また、該画像形成層は、平版印刷版と使用する上で十分な画像部のインキ受理性を得るため、最表層として有することが好ましい。
本発明の画像消去方法を適用することができる感熱型平版印刷版に用いる支持体としては、プラスチックフィルム、樹脂被覆紙などの耐水性支持体が好適に使用される。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリアミドおよびポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムとこれらプラスチックを表面にラミネートやコーティングした樹脂被覆紙、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂などの湿潤紙力剤によって耐水化された紙を使用することができる。
支持体の厚さは、感熱製版装置の記録適性および平版印刷機適性等の観点から100〜300μmが好適である。
このような支持体の表面は、画像形成層との接着性を高めるために、プラズマ処理、コロナ放電処理、遠紫外線照射処理、下引き処理などの処理を施してもよい。下引き処理により耐水性支持体上に設けられる下引層は、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、分子鎖末端にヒドロキシル基を有するポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体等から選択される樹脂を含有することができる。下引層の厚さは、乾燥膜厚として0.1〜10μmであることが好ましい。また、印刷時印刷インキの着肉しない非画像部の親水性を高めるために、親水性素材を含有する親水性層を設けることもできる。親水性層は一層であっても、複数の層から形成されていても良いが、親水性素材として、例えばコロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾル等の金属酸化物微粒子を含むことが好ましく、特開2006−347047号公報に記載されている親水性層も好ましく使用することができる。親水性層の厚さは、乾燥膜厚として0.2〜20μmであることが好ましい。
本発明の画像消去方法を適用することができる感熱型平版印刷版は、画像形成層の各素材を混合し適当な溶剤に溶解または分散した塗工液を、支持体上に公知のコーティング方法で塗工、乾燥することにより製造することができる。好ましい溶剤は水である。ただし、乾燥時の熱で画像形成層が熱変性しないようにするため、乾燥処理は50℃以下の雰囲気で30秒〜10分程度とすることが好ましい。
なお、本発明の画像消去方法を適用することができる感熱型平版印刷版は、前述のように画像形成層と支持体との接着性を改善するために下引層を設けても良く、また必要に応じて導電性、帯電防止性改善の機能を付加することや、印刷版としてのカールを防止するカール防止層、所望のカールを付与するカール促進層等を複数で設けることができる。
次に上述した本発明の画像消去方法に適用することができる感熱型平版印刷版の感熱方式による製版方法について説明する。該感熱型平版印刷版は、感熱型の画像形成層を有するため、画像形成層中に光熱変換物質を配合することにより、例えば760nmから1200nmの赤外光を含む光を照射することで画像部を形成することが可能であり、更に赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーにより画像部を形成することが好ましい。特にレーザー露光によれば、コンピューターのデジタル情報から直接所望の画像様の記録が可能となる。またサーマルヘッドやヒートブロック等により画像形成層を感熱方式により描画して画像部を形成することも可能であり、サーマルヘッドによればコンピューターのデジタル情報から直接所望の画像様の記録が可能となる。
サーマルヘッドを使用する場合は、厚膜または薄膜のラインヘッドを用いたラインプリンタや薄膜のシリアルヘッドを用いたシリアルプリンタ等が使用できる。記録エネルギー密度は、10〜100mJ/mmであることが好ましく、また比較的高品質な出力画像を得るためにはヘッドの画像記録密度が300dpi以上であることが好ましい。
以下、本発明を実施例により説明するが、勿論これだけに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、%は質量%を表す。
本発明の画像消去方法を実施するにあたり、以下に示す感熱型平版印刷版を作製した。
<感熱型平版印刷版1>
熱溶融性物質として1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン(三光(株)製KS−232)を小型ダイノミル(ビーズミル)でジルコニアビーズを用いて固形分濃度30%で微分散処理を行った。分散液の分散粒径(メジアン径)は(株)堀場製作所製LA920を用いて測定したところ0.52μmであった。次いで下記に示す画像形成層塗工液を調製した。
(画像形成層塗工液)
・水溶性高分子化合物;ゼラチン(12%水溶液)
((株)ニッピ製 IK3000) 80.0g
・熱可塑性樹脂;カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体(固形分45%)
(DIC(株)製 ラックスター7132−C) 30.0g
・熱溶融性物質分散液(30%分散液) 15.0g
・顕色剤;4−ヒドロキシ−4−イソプロポキシジフェニルスルホン
(日本曹達(株)製 D−8) 4.5g
・発色剤;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
(山本化成(株)製 ODB2) 2.7g
・耐水化剤;ジビニルスルホン 1.2g
・水 16.8g
厚さ180μmの両面ポリエチレン被覆紙(RC紙)をコロナ放電加工した後、上記処方からなる画像形成層塗工液を塗工し、乾燥膜厚5μmの画像形成層を設けた。このように作製した直接感熱型平版印刷版に、ダイレクトサーマルプリンタ(東芝テック(株)バーコードプリンタB−433ライン型サーマルヘッド300dpi)のテスト印字モード(印刷速度2インチ/秒、印加エネルギー18.6mJ/mm)で画像を記録した。
次に、以下に示す消去液1〜16を作製した。
<消去液1;PS版用消去液>
キシレン 3.8 質量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 17.4 質量部
シクロヘキサノン 36.7 質量部
ジオキサン 9.8 質量部
水 10.8 質量部
アシドローダミンB 0.002質量部
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル 9.8 質量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 6.0 質量部
α−シクロデキストリン 5.0 質量部
<消去液2;特開2006−347047号公報実施例(26頁)に記載の修正液>
IPA−ST(オルガノシリカゾル、日産化学工業(株)製:30%)28.0質量部
テトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製:100%) 1.0質量部
IPA 7.0質量部
エスレックBL−5Z(積水化学(株)製:IPA10%) 2.0質量部
ジュリマーAC−10LHP(日本純薬(株)製:IPA10%) 2.0質量部
上記成分を60分間攪拌して消去液2を調製した。
<消去液3〜19>
表2に示す内容にて各化合物を添加、pHを調整し、本発明ならびに比較例となる感熱型平版印刷版用の消去液3〜19を得た。pHの調整は、硫酸あるいは水酸化ナトリウムを用いて行った。なお、表2中、消去液18には下記化2、消去液19には下記化3を使用した。
Figure 2010274511
Figure 2010274511
Figure 2010274511
得られた消去液1〜19を上述した感熱型平版印刷版の画像部(1cm角四方のベタ画像)に塗布し、1〜2分放置後にオフセット印刷機(リョービイマジクス(株)製3200CD)を使用して、インキにDIC(株)製ニューチャンピオンF−Gloss墨(N)、給湿液に三菱製紙(株)製SLM−OD10%希釈液を用い、版掛け後、脱脂綿にて給湿液で版面をエッチング処理してからオフセット印刷を行い消去性の比較を行った。
なお、消去性については、5,000枚目の印刷物において目視により、汚れ・再画像化の全くないものを◎、ほとんど汚れ・再画像化のないものを○、やや汚れ・再画像化があるがそれほど影響ないと思われるものを△、はっきりと汚れ・再画像化があるものを×とした。また、印刷後のインキが付着した画像部の消去性については、100枚印刷を行った後印刷機を停止し、消去液を版面の画像部に塗布・消去を行ってから印刷を再開し、5,000枚印刷後の画像消去部の汚れ・再画像化の有無を目視にて評価を行った。評価基準としては、汚れ・再画像化が全くないものを◎、ほとんど汚れ・再画像化がないものを○、やや汚れ・再画像化の傾向が見られるが影響ないと思われるものを△、はっきりと汚れ・再画像化が認められるものを×とした。結果を表3に示す。
Figure 2010274511
続いて、感熱型平版印刷版材料として特開2006−347047号公報の実施例に記載の、下記に示す処方の裏塗り層、下層親水性層、上層親水性層をそれぞれ乾燥膜厚が、裏塗り層は2.0μm、下層親水性層は3.0μm、上層親水性層は0.55μmとなるように設けたPET支持体上の上層親水性層上に、下記画像形成層塗工液を塗工し、乾燥膜厚0.5μmの画像形成層を設け、感熱型平版印刷版材料を作製した。この感熱型平版印刷版材料に、波長808nm、スポット径約18μmのレーザーを用いて、版面上での露光エネルギーが250mW/cmになるように設定し、2400dpi、175線で画像様に露光を行い、印刷機上で湿し水により現像を行い、消去液評価に使用した。
<裏塗り層>
スノーテックスXS(コロイダルシリカ、日産化学工業(株)製) 33.6 質量部
アクリルエマルションDK−05((株)岐阜セラツク製造所製) 14.0 質量部
マット剤(PMMA平均粒径5.5μm) 0.56質量部
純水 51.84質量部
<下層親水性層>
シルトンJC−40(多孔質金属酸化物) 22.0質量部
ミネラルコロイドMO(多孔質アルミノシリケート、水澤化学工業(株)製)
44.0質量部
TM−3550ブラック粉体(黒色顔料、大日精化工業(株)製) 100.0質量部
カルボキシメチルセルロース(関東化学(株)製) 28.0質量部
リン酸3ナトリウム・12水和物 5.6質量部
スノーテックスXS(コロイダルシリカ、日産化学工業(株)製) 528.2質量部
スノーテックスZL(コロイダルシリカ、日産化学工業(株)製) 17.1質量部
STM−6500S(メラミン樹脂粒子、日産化学工業(株)製) 33.0質量部
RS−2117(エチレン−ビニルアルコール共重合体、クラレ(株)製)
130.0質量部
FZ−2161(シリコン活性剤、日本ユニカー(株)製) 8.8質量部
純水 83.3質量部
<上層親水性層>
スノーテックスS(コロイダルシリカ、日産化学工業(株)製) 5.2質量部
スノーテックスPSM(コロイダルシリカ、日産化学工業(株)製) 11.7質量部
スノーテックスMP−4540(コロイダルシリカ、日産化学工業(株)製)
4.5質量部
シルトンJC−20(多孔質アルミノシリケート、水澤化学工業(株)製)
1.2質量部
シルトンAMT08(多孔質アルミノシリケート、水澤化学工業(株)製)
3.6質量部
ミネラルコロイドMO(水澤化学工業(株)製) 4.8質量部
TM−3550ブラック粉体(黒色顔料、大日精化工業(株)製) 2.7質量部
カルボキシメチルセルロース(関東化学(株)製) 3.0質量部
リン酸3ナトリウム・12水和物 0.6質量部
純水 62.7質量部
<画像形成層塗工液>
カルナバワックスエマルジョンA118((株)岐阜セラツク製造所製)
16.5質量部
マイクロクリスタリンワックスエマルジョンA206((株)岐阜セラツク製造所製)
6.1質量部
ポリアクリル酸Na DL−522(日本触媒(株)製) 2.4質量部
純水 74.8質量部
ペノンJE66(日澱化學(株)製) 0.2質量部
機上現像して得られた平版印刷版を、通常印刷100枚行った後に、実施例1の消去液1、消去液2、消去液7、消去液9を使用してインキが付着した画像部に塗布してから更に印刷を続け、印刷物上での汚れ・再画像化の有無を評価した。印刷は、実施例1と同様にオフセット印刷機(リョービイマジクス(株)製3200CD)を使用して、インキにDIC(株)製ニューチャンピオンF−Gloss紫(S)、給湿液に三菱製紙(株)製SLM−OD10%希釈液を用い、版掛け後、脱脂綿にて給湿液で版面をエッチング処理してからオフセット印刷を開始した。印刷は、最大で5,000枚まで行い、汚れ・再画像化が確認された印刷枚数で1000枚未満を×、1000枚以上2000枚未満を△、2000枚以上3000枚未満を○、3000枚以上を◎、として評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2010274511
以上の結果から明らかなように、本発明の画像消去方法によって、支持体上に熱可塑性粒子および/または熱溶融性物質を含有する画像形成層を有し、該画像形成層に感熱方式により画像を形成する感熱型平版印刷版の画像消去方法を提供することができ、印刷枚数が増えた際に汚れが発生したり、再画像化したりすることがなく、特に、インキが付着した画像部の消去にも優れた画像消去方法を提供することができる。

Claims (1)

  1. 支持体上に熱可塑性粒子および/または熱溶融性物質を含有する画像形成層を有し、該画像形成層に感熱方式により画像を形成する感熱型平版印刷版の画像消去方法であって、不要な画像部分に少なくとも1種のアルキレンオキシ付加物を含有しpHが8以上である水溶液を塗布することを特徴とする感熱型平版印刷版の画像消去方法。
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