JP6581525B2 - 感熱型平版印刷版 - Google Patents
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Description
2)転写画像の定着が十分ではなく、耐刷性が低下し、特に小ポイント文字の一部や低網点画像に欠落が生じるような問題。
3)非画像部に少量のトナーが不規則に転写されたり、熱転写インクリボンが擦れることなどによって、全体的に薄い地汚れが発生するなどの問題。
(1)耐水性支持体上に、少なくとも熱可塑性樹脂および水溶性高分子化合物を含有する画像形成層を有する感熱型平版印刷版であって、該画像形成層が酸価度が17mg(KOH)/g以下の高級脂肪酸エステルを含有することを特徴とする感熱型平版印刷版。
本発明の画像形成層に含有する熱可塑性樹脂としては、鎖状ポリマーからなり加熱によって可塑性を示す固体状の有機高分子化合物であって、有機高分子化合物の水分散体を指す。代表例はスチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、メチルメタクリレートブタジエン共重合体、スチレンアクリロニトリルブタジエン共重合体、スチレンメチルメタクリレートブタジエン共重合体などの、その変性物を含めた合成ゴムラテックスが好ましく用いられるが、スチレン無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル/アクリル酸エステル共重合体、および低融点ポリアミド樹脂などの水分散体も使用可能である。これら熱可塑性樹脂は単独もしくは2種以上を併用して用いることもできる。印刷インクのビヒクル(バインダー成分)との親和性から、かかる熱可塑性樹脂としては合成ゴムラテックスが好ましく、特にスチレンブタジエン共重合体とその変性物が望ましい。また、熱可塑性樹脂の好ましい配合量としては、画像形成層の全固形分量に対して10〜50質量%であり、より好ましくは15〜35質量%である。
本発明の画像形成層が含有する水溶性高分子化合物としては、例えばゼラチンやゼラチン誘導体などの蛋白質、またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキストラン、プルランなどの多糖類のような天然化合物とポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スチレン・マレイン酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、アクリルアミド重合体などの合成高分子化合物などが挙げられる。これらの水溶性高分子化合物は単独使用でも2種類以上を併用してもよい。
本発明において画像形成層は、酸価度が17mg(KOH)/g以下の高級脂肪酸エステルを含有する。該高級脂肪酸エステルは、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの高級脂肪酸と、エチレングリコール、ブチレングリコール等の2価のアルコール、あるいは3価のアルコール等とを脱水縮合反応させることで得られる。高級脂肪酸エステルの融点は50〜150℃であることが好ましい。融点が50℃未満では製造工程中に溶融してしまい、印刷物の地汚れの原因となる場合がある。一方、150℃を超えるとサーマルヘッドなどの熱印加で溶融しにくく、画像トビの発生、親油性などの発現が乏しくなる場合がある。また画像形成層に用いる高級脂肪酸エステルの好ましい含有量としては、画像形成層の全固形分量に対して0.5〜5.0質量%であり、より好ましくは1.0〜2.0質量%である。
本発明の画像形成層は、上記水溶性高分子化合物の種類に応じて硬膜剤(耐水化剤)を含有することが好ましい。硬膜剤としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート化合物、アルデヒド化合物、シラン化合物、クロム明礬、ジビニルスルホンなど、水溶性高分子化合物の架橋を促すことによって耐水性を付与するものを用いることができるが、特に好ましくは、ジビニルスルホンを用いる。硬膜剤の配合量は全画像形成層が含有する水溶性高分子化合物の固形分量に対して、5.0〜25質量%で用いることが好ましく、より好ましい使用量としては、7.5〜15質量%の範囲である。
顕色剤の具体的な例としては、4−クミルフェノール、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4′−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3′,4′−テトラメチレンビフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルホン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、N,N′−ジ−m−クロロフェニルチオ尿素、N−(フェノキシエチル)−4−ヒドロキシフェニルスルホンアミドなどのフェノール性化合物、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸亜鉛、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸亜鉛、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸亜鉛、p−クロロ安息香酸亜鉛などの芳香族カルボン酸の亜鉛塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体などの有機酸性物質などが例示される。
発色剤(電子供与性染料前駆体)の具体的な例としては、(1)トリアリールメタン系化合物として3,3′−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタル・バイオレット・ラクトン)、3,3′−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチル−アミノフタリドなど:(2)ジフェニルメタン系化合物として、4,4′−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなど:(3)キサンテン系化合物として、ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−p−ニトロアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−フェニチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオランなど:(4)チアジン系化合物として、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなど:(5)スピロ系化合物として、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3′−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピランなどが挙げられる。また、これらは単独でも2種以上を併用して用いてもよい。
さらに、本発明では画像形成層に光熱変換物質を配合することもできる。光熱変換剤を用いることで、サーマルヘッドだけでなく赤外線レーザーなどの活性光による書き込みも可能となる。光熱変換物質の例としては、効率よく光を吸収し熱に変換する材料が好ましく、使用する光源によって異なるが、例えば、近赤外光を放出する半導体レーザーを光源として使用する場合には、近赤外に吸収帯を有する近赤外光吸収剤が好ましく、例えば、カーボンブラック、シアニン系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物や、フタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸化クロム、硫化鉄、硫化クロムなどの金属化合物類などが挙げられる。
本発明における画像形成層は、下記一般式(1)〜(4)で示される化合物の中から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。これにより耐刷性にとりわけ優れた感熱型平版印刷版を得ることができる。
(1)1−(1−ナフトキシ)−2−フェノキシエタン
(2)1−(2−ナフトキシ)−4−フェノキシブタン
(3)1−(2−イソプロピルフェノキシ)−2−(2−ナフトキシ)エタン
(4)1−(4−メチルフェノキシ)−3−(2−ナフトキシ)プロパン
(5)1−(2−メチルフェノキシ)−2−(2−ナフトキシ)エタン
(6)1−(3−メチルフェノキシ)−2−(2−ナフトキシ)エタン
(7)1−(2−ナフトキシ)−2−フェノキシエタン
(8)1−(2−ナフトキシ)−6−フェノキシヘキサン
(9)1−フェノキシ−2−(2−フェニルフェノキシ)エタン
(10)1−(2−メチルフェノキシ)−2−(4−フェニルフェノキシ)エタン
(11)1,4−ジフェノキシブタン
(12)1,4−ビス(4−メチルフェノキシ)ブタン
(13)1,2−ジ(3,4−ジメチルフェノキシ)エタン
(14)1−フェノキシ−3−(4−フェニルフェノキシ)プロパン
(15)1−(4−tert−ブチルフェノキシ)−2−フェノキシエタン
(16)1,2−ジフェノキシエタン
(17)1−(4−メチルフェノキシ)−2−フェノキシエタン
(18)1−(2,3−ジメチルフェノキシ)−2−フェノキシエタン
(19)1−(3,4−ジメチルフェノキシ)−2−フェノキシエタン
(20)1−(4−エチルフェノキシ)−2−フェノキシエタン
(21)1−(4−イソプロピルフェノキシ)−2−フェノキシエタン
(22)1,2−ビス(2−メチルフェノキシ)エタン
(23)1−(2−メチルフェノキシ)−2−(4−メチルフェノキシ)エタン
(24)1−(4−tert−ブチルフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン
(25)1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン
(26)1−(3−メチルフェノキシ)−2−(4−メチルフェノキシ)エタン
(27)1−(4−エチルフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン
(28)1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン
(29)1−(2,3−ジメチルフェノキシ)−2−(4−メチルフェノキシ)エタン
(30)1−(2,5−ジメチルフェノキシ)−2−(4−メチルフェノキシ)エタン
(31)フェノキシ酢酸−2−ナフチル
(32)2−ナフトキシ酢酸−4−メチルフェニル
(33)2−ナフトキシ酢酸−3−メチルフェニル
(1)1−ベンジルオキシナフタレン
(2)2−ベンジルオキシナフタレン
(3)2−p−クロロベンジルオキシナフタレン
(4)2−p−イソプロピルベンジルオキシナフタレン
(5)2−ドデシルオキシナフタレン
(6)2−デカノイルオキシナフタレン
(7)2−ミリストイルオキシナフタレン
(8)2−p−tert−ブチルベンゾイルオキシナフタレン
(9)2−ベンゾイルオキシナフタレン
(10)2−ベンジルオキシ−3−N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイルナフタレン
(11)2−ベンジルオキシ−3−N−オクチルカルバモイルナフタレン
(12)2−ベンジルオキシ−3−ドデシルオキシカルボニルナフタレン
(13)2−ベンジルオキシ−3−p−tert−ブチルフェノキシカルボニルナフタレン
(1)シュウ酸ビスベンジル
(2)シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)
(3)シュウ酸ビス(p−クロロベンジル)
(4)シュウ酸ビス(m−メチルベンジル)
(5)シュウ酸ビス(p−エチルベンジル)
(6)シュウ酸ビス(p−メトキシベンジル)
(7)シュウ酸ビス(2−フェノキシエチル)
(8)シュウ酸ビス(2−o−クロロフェノキシエチル)
(9)シュウ酸ビス(2−p−クロロフェノキシエチル)
(10)シュウ酸ビス(2−p−エチルフェノキシエチル)
(11)シュウ酸ビス(2−m−メトキシフェノキシエチル)
(12)シュウ酸ビス(2−p−メトキシフェノキシエチル)
(13)シュウ酸ビス(4−フェノキシブチル)
(1)1,2−ビスフェノキシメチルベンゼン
(2)1,3−ビスフェノキシメチルベンゼン
(3)1,4−ビス(2−メチルフェノキシメチル)ベンゼン
(4)1,4−ビス(3−メチルフェノキシメチル)ベンゼン
(5)1,3−ビス(4−メチルフェノキシメチル)ベンゼン
(6)1,3−ビス(2,4−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼン
(7)1,3−ビス(2,6−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼン
(8)1,4−ビス(2−クロロフェノキシメチル)ベンゼン
(9)1,2−ビス(4−クロロフェノキシメチル)ベンゼン
(10)1,3−ビス(4−クロロフェノキシメチル)ベンゼン
(11)1,2−ビス(4−オクチルフェノキシメチル)ベンゼン
(12)1,3−ビス(4−オクチルフェノキシメチル)ベンゼン
(13)1,3−ビス(4−イソプロピルフェニルフェノキシメチル)ベンゼン
(14)1,4−ビス(4−イソプロピルフェニルフェノキシメチル)ベンゼン
下塗り層が含有する二酸化チタンは、ルチル型、アナタース型のいずれでもよく、その製法についても硫酸法、塩素法いずれかに限定されるものではない。それらを単独または混合して用いてもよい。さらに、分散安定性や他の機能性の観点から、各種表面処理を施したものを選択的に用いることも可能である。表面処理組成としては、アルミナやシリカ、酸化亜鉛、ジルコニアなどが一般的である。市販されている二酸化チタンとしては、例えば堺化学工業(株)からSR−1、R−650、R−5N、R−7E、R−3L、A−110、A−190など、石原産業(株)から、タイペークR−580、同R−930、同A−100、同A−220、同CR−58、チタン工業(株)から、クロノスKR−310、同KR−380、同KA−10、同KA−20など、テイカ(株)から、チタニックスJR−301、同JR−600A、同JR−800、同JR−701など、デュポン(株)から、タイピュアR−900、同R−931などが挙げられる。
下塗り層が含有するバインダー樹脂としては、例えば、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチンなどのゼラチン、多糖類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性ポリマーを用いることができるが、特にゼラチンを用いることが好ましい。
下塗り層が含有する架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート化合物、アルデヒド化合物、シラン化合物、クロム明礬、ジビニルスルホンなどが好適に用いることができるが、ジビニルスルホンが好ましい。架橋剤の配合量は前記バインダーの固形分量に対して5.0〜30質量%が好ましく、さらには10〜20質量%とすることが好ましい。
本発明の感熱型平版印刷版は耐水性支持体を有する。該耐水性支持体としては、プラスチックフィルム、樹脂被覆紙、耐水紙などが好ましく使用できる。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリアミドおよびポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルムとこれらプラスチックの表面にラミネートやコーティングを施した樹脂被覆紙、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂などの湿潤紙力剤によって耐水化が施された紙を好適に使用することができる。
両面にラミネート加工が施された厚さ約180μmのポリエチレン樹脂被覆紙の片面に、下記組成の下塗り層塗工液と、画像形成層a−1塗工液及び画像形成層b−1塗工液をスライドホッパーコーティング法により、支持体側から下塗り層、画像形成層a−1、画像形成層b−1(最上層)の順になるように3重層同時塗布を行った。その際の湿分塗布量は、下塗り層塗工液が15g/m2、画像形成層a−1塗工液が30g/m2、画像形成層b−1塗工液が10g/m2とした。
ゼラチン(牛骨、アルカリ処理、脱カル処理) 0.8部
二酸化チタンスラリー:TISR1固形量換算 4.0部
(堺化学(株)製、ルチル型、一次粒子径=0.3μm、アルミナ処理)
顔料分散剤(アクリル酸共重合金属塩、10%溶液) 0.2部
界面活性剤(エチルヘキシルスルホコハク酸塩、0.5%溶液) 0.05部
硬膜剤(ジビニルスルホン、5%溶液) 2.0部
水で全量を15部とした。
ゼラチン(牛骨、アルカリ処理、脱カル処理) 0.8部
ポリビニルアルコール:PVA505 0.07部
(クラレ(株)製、鹸化度=73.5モル%、重合度500)
カルボキシル化SBR:ラックスター7132C 3.0部
(DIC(株)製、固形分=約45%、アニオン性、Tg=約60℃)
顕色剤混合スラリー 8.0部
発色剤 0.7部
(3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、30%スラリー)
界面活性剤(エチルヘキシルスルホコハク酸塩、0.5%溶液) 0.4部
硬膜剤(ジビニルスルホン、5%溶液) 2.0部
水で全量を30部とした。
ゼラチン(牛骨、アルカリ処理、脱カル処理) 0.4部
水溶性多糖類:プルラン(林原商事(株)製、食品添加物) 0.01部
カルボキシル化SBR:ラックスター7132C 0.6部
(DIC(株)製、固形分=約45%、アニオン性、Tg=約60℃)
発色剤 0.3部
(3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、30%スラリー)
モンタン酸エステルワックス1 0.3部
(固形分30%、融点=83℃、酸価度=16)
硫酸バリウムスラリー:バリエースB−35固形量換算 0.2部
(堺化学工業(株)製、平均粒径=0.3μm)
顔料分散剤(アクリル酸共重合金属塩、10%溶液) 0.002部
界面活性剤(エチルヘキシルスルホコハク酸塩、0.5%溶液) 0.2部
硬膜剤(ジビニルスルホン、5%溶液) 1.0部
水で全量を10部とした。
<顕色剤混合スラリー>
材料イ:KS−232
(三光(株)製、増感剤、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン)
材料ロ:D−8
(日本曹達(株)製、顕色剤、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン)
材料ハ:ポリマロン1318
(荒川化学(株)製、分散剤、アニオン性スチレン系樹脂15%水溶液)
上記した感熱型平版印刷版の作製において、塗液調製後からちょうど10時間経過した塗布液を用いて塗布を行った以外は同様にして感熱型平版印刷版を作製し、30×30cm角で無作為の位置から10箇所塗布品を採取し、画像形成層表面における塗布欠陥数を数えて、下記5段階の基準に従って判定を行った。この結果を表1に示す。なお表1には塗液調整直後の塗布液により塗布した際の塗布欠陥数も併せて記載した。また、塗布欠陥の種類としては、ほぼ全てが凝集物によるハジキ故障であった。
◎ : 10箇所全てで塗布欠陥なし
○ : 10箇所の塗布欠陥総数が3個以内
△ : 10箇所の塗布欠陥総数が3個を超え10個未満
× : 1箇所平均で塗布欠陥数が1個以上2個未満
×× : 1箇所平均で塗布欠陥数2個以上
印刷機は、オフセット枚葉印刷機ハイデルベルグQM46を使用、印刷インキには大日本インキ化学工業(株)製のFusionG墨N、給湿液には三菱製紙(株)製SLM−ODを10%希釈液で用い、エッチング液にも同給湿液をそのまま用いて印刷を行った。耐刷性評価としては、スタート時の印刷紙面と、5,000枚印刷時の印刷紙面とを比較して、20%網点及び50%網点の減衰割合を25倍ルーペで観察し、以下の評価基準を用いて判定した。この結果も表1に合わして示す。
◎ :20%、50%網点部共に、殆ど変化なし
○ :50%網点部では殆ど変化ないが、20%網点部で減衰が確認できる
△ :20%、50%網点部共に、減衰が確認できる
× :20%網点部で5割以上の減衰が見られる
×× :20%網点部で9割以上の減衰が見られる
印刷機は、同じくオフセット枚葉印刷機ハイデルベルグQM46を使用、印刷インキには大日本インキ化学工業(株)製のFusionG墨S、給湿液には日研化学(株)製アストロマークIIIを0.5%希釈液で用い、エッチング処理を施さず印刷をスタートした。地汚れ性評価としては、印刷スタートから2,000枚目の印刷紙面において、以下の評価基準を用いて判定した。この結果を表1に示す。
◎ : 1〜2,000枚目まで地汚れの発生なし
○ : 1〜1,500枚目までは地汚れの発生なし
△ : 1〜1,000枚目までは地汚れの発生なし
× : 刷り出し汚れが発生(5枚以内)、または1,000枚未満で地汚れ発生
×× : 刷り出し汚れが発生(6枚以上)
実施例1の画像形成層b−1塗工液の作製で用いたモンタン酸エステルワックス1に代わり、モンタン酸エステルワックス2(固形分30%、融点=82℃、酸価度=17)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の感熱型平版印刷版を得た。得られた感熱型平版印刷版を用いて実施例1と同様に塗布安定性の評価、及び印刷適性評価(耐刷性、地汚れ性)を行った。この結果を表1に示す。
実施例1の画像形成層b−1塗工液の作製で用いたモンタン酸エステルワックス1に代わり、モンタン酸エステルワックス3(固形分30%、融点=82℃、酸価度=18)に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1の感熱型平版印刷版を得た。得られた感熱型平版印刷版を用いて実施例1と同様に塗布安定性の評価、及び印刷適性評価(耐刷性、地汚れ性)を行った。この結果を表1に示す。
実施例1の画像形成層b−1塗工液の作製で用いたモンタン酸エステルワックス1に代わり、モンタン酸エステルワックス4(固形分30%、融点=82℃、酸価度=19)に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の感熱型平版印刷版を得た。得られた感熱型平版印刷版を用いて実施例1と同様に塗布安定性の評価、及び印刷適性評価(耐刷性、地汚れ性)を行った。この結果を表1に示す。
Claims (1)
- 耐水性支持体上に、少なくとも熱可塑性樹脂および水溶性高分子化合物を含有する画像形成層を有する感熱型平版印刷版であって、該画像形成層が酸価度が17mg(KOH)/g以下の高級脂肪酸エステルを含有することを特徴とする感熱型平版印刷版。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016033338A JP6581525B2 (ja) | 2016-02-24 | 2016-02-24 | 感熱型平版印刷版 |
Applications Claiming Priority (1)
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