JP2010272574A - 窒化ガリウム基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際の平均砥粒径を詳細に規定することで、スライスにより得られた窒化ガリウム基板に対し、片面を加工歪みがない平坦な面に平坦加工した後も、反対面に残った加工歪みにより、割れやクラックを生じさせることなく、また面内厚さバラツキの小さい窒化ガリウム基板を製造することができる窒化ガリウム基板の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に窒化ガリウム厚膜単結晶を成長させ、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスして複数枚の窒化ガリウム基板を製造する窒化ガリウム基板の製造方法において、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際に、平均砥粒径9.5μm以上14μm以下の砥粒を用いる方法である。
【選択図】なし
【解決手段】基板上に窒化ガリウム厚膜単結晶を成長させ、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスして複数枚の窒化ガリウム基板を製造する窒化ガリウム基板の製造方法において、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際に、平均砥粒径9.5μm以上14μm以下の砥粒を用いる方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスして複数枚の窒化ガリウム基板を製造する窒化ガリウム基板の製造方法に関するものである。
近年、高寿命青色レーザーや高輝度青色LED、高特性電子デバイス向けに使用される窒化ガリウム基板(窒化ガリウム単結晶基板)として、サファイヤ基板等を種結晶とし、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法等により成長された低転位の自立型の窒化ガリウム基板が製造されている。
当初、サファイヤ基板から800μm程度に成長させた窒化ガリウム基板を1枚得ていたが、最近、より転位の少ない高品質、製造コストを目的として5〜20mm程度の厚さに厚膜成長させた窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスして多数枚の窒化ガリウム基板を得る方法が開発されている。
窒化ガリウム基板を1枚製造する場合も、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスして多数枚の窒化ガリウム基板を製造する場合も、窒化ガリウム基板の表面を平坦加工する際、窒化ガリウム基板をセラミック等の平坦なプレートにワックス等を用いて貼り付け、片面ずつ研磨加工し、各々加工歪みのない面に平坦加工する。
この研磨加工における不良を低減し、研磨時間を短縮して、表面モフォロジーが良好な半導体層が得られる成長基板である窒化ガリウム基板又は半導体基板として好適に用いることができる窒化ガリウム基板を効率よく製造する方法を提供することを目的として、特許文献1では、窒化ガリウム厚膜単結晶を成長させる工程と、成長後の窒化ガリウム厚膜単結晶をその成長軸と交わる方向にスライスして、対向するスライス面を有する窒化ガリウム基板を作製するスライス工程と、その窒化ガリウム基板のスライス面を、酸水溶液又は塩基水溶液を用いて、100℃未満の温度にてエッチングするマイルドエッチング工程と、そのマイルドエッチング工程後にスライス面を研磨処理する研磨工程とを含む窒化ガリウム基板の製造方法が提案されている。
研磨工程での問題点は、窒化ガリウム基板を1枚製造する場合、成長直後は両面とも加工歪みがないため、片面をプレートに貼り付け、加工歪みのない平坦な面に加工した後取り外した際、窒化ガリウム基板が加工歪みによる応力で反ることはないが、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスして窒化ガリウム基板を製造する場合、スライスにより、両面に同等の加工歪みが存在している点である。
つまり、スライス直後では両面の応力が釣り合っているため、加工歪みにより反りは生じないが、スライス後の窒化ガリウム基板をプレートにワックスを用いて貼り付け、片面を研磨加工により加工歪みがない状態とした後、取り外すためにプレートを徐々に昇温し、ワックスをゆるめて窒化ガリウム基板がフリーになると、スライス時の加工歪みが片面のみに残る状態となり、その加工歪みの応力により窒化ガリウム基板が大きく反ってしまい、窒化ガリウム基板が割れたり、外周部からクラックが生じたりする確率が高く、多数枚取りのメリットが薄れてしまう問題がある。
この問題を解決すべく、片面の研磨加工を開始する前に、両面に生じたスライスによる加工歪みを除去するため、硫酸とリン酸の高温混合液等でエッチングする方法等があるが、Ga極性面とN極性面でエッチングレートが異なり、Ga極性面の加工歪みを十分除去する間に、N極性面が高レートでエッチングされてしまい、窒化ガリウム基板が薄くなってしまうため現実的ではない。また、エンチャントを変更し、100℃以下の低温で作業しても、Ga極性面とN極性面のエッチングレートに差があり、Ga極性面の加工歪みを十分に除去できないため、効果が薄く、割れやクラック不良は抑止できていない。
また、特許文献2では、窒化ガリウム厚膜単結晶のスライスに用いるワイヤソースライサに供給する砥液に含まれる砥粒の平均砥粒径を1μm以上15μm以下とすることで、窒化ガリウム基板の反りを格段に低減できると共に、加工変質層深さを格段に小さく抑えることができることが開示されている。
しかしながら、本発明者は、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際に、平均砥粒径が1μm以上15μm以下の砥粒を用いたとしても面内厚さバラツキが大きくなり、加工速度の低下や、スライス厚さ設定の見直し等が必要となってくる場合があることを見出した。
そこで、本発明の目的は、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際の平均砥粒径を詳細に規定することで、スライスにより得られた窒化ガリウム基板に対し、片面を加工歪みがない平坦な面に平坦加工した後も、反対面に残った加工歪みにより、割れやクラックを生じさせることなく、また面内厚さバラツキの小さい窒化ガリウム基板を製造することができる窒化ガリウム基板の製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、基板上に窒化ガリウム厚膜単結晶を成長させ、該窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスして複数枚の窒化ガリウム基板を製造する窒化ガリウム基板の製造方法において、前記窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際に、平均砥粒径9.5μm以上14μm以下の砥粒を用いる窒化ガリウム基板の製造方法である。
請求項2の発明は、前記窒化ガリウム厚膜単結晶のスライスは、ワイヤソースライサを用いると共に、該ワイヤソースライサのワイヤに、前記砥粒を潤滑油に混ぜた砥液を供給しつつスライスする請求項1に記載の窒化ガリウム基板の製造方法である。
請求項3の発明は、前記窒化ガリウム厚膜単結晶を58mm以上の径に円筒研削し、その円筒研削した前記窒化ガリウム厚膜単結晶を、前記ワイヤソースライサのワイヤとしてワイヤ径0.12mm以下のワイヤを用い、基板厚さが430μm以上となるようにスライスする請求項2に記載の窒化ガリウム基板の製造方法である。
本発明によれば、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際の平均砥粒径を詳細に規定することで、スライスにより得られた窒化ガリウム基板に対し、片面を加工歪みがない平坦な面に平坦加工した後も、反対面に残った加工歪みにより、割れやクラックを生じさせることなく、また面内厚さバラツキの小さい窒化ガリウム基板を製造することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を説明する。
本実施の形態に係る窒化ガリウム基板の製造方法は、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際に、平均砥粒径9.5μm以上14μm以下の砥粒を用いる方法である。
平均砥粒径9.5μm以上14μm以下の砥粒を用いるのは、平均砥粒径が14μm以下に小さくなるとスライス時の加工歪みも小さくなり、加工歪みによる窒化ガリウム基板の反りは小さくなるため、片面を平坦加工した際に、窒化ガリウム基板が反り割れやクラックを生じることはないが、平均砥粒径が9.5μm未満になるとスライス時の加工効率が低下し、加工時間の増加、加工能力低下による窒化ガリウム基板(ウェハ)の厚さバラツキの増加などが顕著になるためである。
以下、本発明を適用した窒化ガリウム基板の製造方法の一例を具体的に説明する。
先ず、C面を表面とするサファイヤ基板上に、HVPE成長にて窒化ガリウム厚膜単結晶を成長させる。その後、窒化ガリウム厚膜単結晶の外周を円筒研削して58mm径に加工する。この円筒研削には、例えばダイヤモンド砥粒砥石を用いる。
円筒研削した後、窒化ガリウム厚膜単結晶を載置台にエポキシ樹脂等を用いて接着固定する。載置台としては、例えば二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)を主成分とした焼成品のセラミックス台を用いる。
載置台に固定した窒化ガリウム厚膜単結晶を、ワイヤ径0.12mmのワイヤを用いたワイヤソースライサにセットする。このとき、ワイヤの走査方向と窒化ガリウム厚膜単結晶がC面にできるだけ平行になるようにセットする。
その後、平均砥粒径9.5μm以上14μm以下の砥粒を潤滑油に混ぜた砥液をワイヤソースライサのワイヤに供給しながら、セットした窒化ガリウム厚膜単結晶を膜厚430μmとなるようにスライスすることにより、窒化ガリウム基板が得られる。窒化ガリウム厚膜単結晶を膜厚430μmとなるようにスライスするのは、一般的に2インチ径の窒化ガリウム基板の場合、基板厚さは400μm程度が求められているためである(後述する平坦加工により、表面が削られて400μm程度になる)。砥粒としては、例えばSiC砥粒を用いる。砥粒を混ぜる潤滑油としては、例えば粘度が3cSt(3cm2/s)のものを用いる。また、ワイヤの送り出し速度は、例えば2mm/hとする。
この窒化ガリウム基板を成長基板として用いるべく表面を平坦加工する際には、例えば高純度アルミナからなる平坦なプレートを温め、プレートにワックスを薄く塗布した後、窒化ガリウム基板を置き、加圧冷却貼り付けする。このとき、N極性面よりもGa極性面の方が、高品質な膜質が得られることが知られており、通常はGa極性面をエピタキシャル成長に使用するため、エピタキシャル成長に使用するGa極性面の反対面であるN極性面から平坦加工を行うべく、Ga極性面をプレートに貼り付ける。
貼り付け後、窒化ガリウム基板を砥粒径を変えながらラッピング加工を行った後、例えば弱アルカリ水溶液のコロイダルシリカスラリーを用いてポリッシュを行い加工歪みのない面に仕上げる。
その後、プレートを徐々に温め、ワックスをゆるませて窒化ガリウム基板を取り外す。このとき、本実施の形態に係る窒化ガリウム基板の製造方法に製造された窒化ガリウム基板においては、スライス時の加工歪みが小さいため、プレートから窒化ガリウム基板を取り外しても割れやクラックが生じることはない。取り外し後、再びプレートにワックスを塗り、Ga極性面が加工面となるようにN極性面をプレートに加圧冷却貼り付けする。貼り付け後、上記と同様に平坦加工して加工歪みのない面に仕上げ、平坦加工が終了する。
以上要するに、本実施の形態に係る窒化ガリウム基板の製造方法によれば、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際に、平均砥粒径9.5μm以上14μm以下の砥粒を用いるため、スライス時の加工歪みを小さくでき、片面を平坦加工した後に、プレートから窒化ガリウム基板を取り外しても割れやクラックが生じることはなく、また面内厚さバラツキの小さい窒化ガリウム基板を製造することができる。つまり、多数枚取りのメリットの恩恵を最大限に享受することができる。
また、本実施の形態に係る窒化ガリウム基板の製造方法により製造された窒化ガリウム基板を用いることで、窒化ガリウム基板のスライス品を高歩留まりに平坦加工できるため、窒化ガリウム基板を平坦加工して形成される成長基板の製造コストを低減することができる。
上記実施の形態においては、砥粒としてSiC砥粒を用いたが、ダイヤモンド砥粒でも反りに対し、大きな差はないと考える。また、遊離砥粒によるスライスではなく、固定砥粒を用いても同様の効果が得られる。
(比較例1)
C面を表面とするサファイヤ基板上に、HVPE成長にて厚さ約10mm、直径約60mmの窒化ガリウム厚膜単結晶を得た。その窒化ガリウム厚膜単結晶の外周をダイヤモンド砥粒砥石#280を用い、円筒研削を行い、直径58mmに加工した。
C面を表面とするサファイヤ基板上に、HVPE成長にて厚さ約10mm、直径約60mmの窒化ガリウム厚膜単結晶を得た。その窒化ガリウム厚膜単結晶の外周をダイヤモンド砥粒砥石#280を用い、円筒研削を行い、直径58mmに加工した。
その後、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムを主成分とした焼成品のセラミック台にエポキシ樹脂を用いて窒化ガリウム厚膜単結晶を接着固定した。固定後、ワイヤソースライサにセットし、拡大鏡を用いてワイヤの走査方向と窒化ガリウム厚膜単結晶がC面にできるだけ平行になるようにセットした。
スライス方向は、C面に対し垂直な方向である。ワイヤ径0.12mmを用い、平均砥粒径6.7μmのSiC砥粒を粘度が3cStの潤滑油に混ぜ、スライス厚さ約430μmとなるように加工した。ちなみに、一般的に2インチ径の基板の場合、基板厚さは400μm程度が求められている。ワイヤの送り速度は2mm/hとした。
加工後、15枚の窒化ガリウム基板を得た。窒化ガリウム基板の面粗さRaは約0.14μm、面内厚さバラツキは約15μmであった。特性面としてエピタキシャル成長に使用する面はGa極性面のため、反対面であるN極性面から平坦加工を開始した。
先ず、高純度アルミナからなる平坦なプレートを温め、ワックスを薄く塗布し、N極性面が加工面となるように窒化ガリウム基板を置き、300gf/cm2(約30kPa)で加圧冷却貼り付けした。
貼り付け後の窒化ガリウム基板を、ダイヤモンド砥粒径を変えながらラッピング加工を行い、弱アルカリ水溶液のコロイダルシリカスラリーを用いポリッシュを行い、加工歪みのない面に仕上げた。
その後、貼り付けプレートを徐々に温め、ワックスをゆるませて窒化ガリウム基板を取り外した。その際、加工した15枚中、割れ、クラックは生じなかった。また、割れ、クラックの生じなかった基板の反りをトロペル社製の反り測定器で測定したところ、約36μm以下であった。
その後、Ga極性面が加工面となるようにプレートにワックスを薄く塗り、面圧650gf/cm2(64kPa)にて加圧冷却貼り付けを行った。その際、割れ、クラック不良は発生しなかった。また、加工歪みによる反りは強制されて貼り付けされていた。
(実施例1)
比較例1と同様に、窒化ガリウム厚膜単結晶をワイヤソースライサにセットし、今度は、平均砥粒径9.5μmのSiC砥粒を粘度3cStの潤滑油に混ぜ、スライス厚さ約430μmとなるように加工した。ワイヤの送り速度は2mm/hとした。
比較例1と同様に、窒化ガリウム厚膜単結晶をワイヤソースライサにセットし、今度は、平均砥粒径9.5μmのSiC砥粒を粘度3cStの潤滑油に混ぜ、スライス厚さ約430μmとなるように加工した。ワイヤの送り速度は2mm/hとした。
加工後、15枚の窒化ガリウム基板を得た。窒化ガリウム基板の面粗さRaは約0.17μm、面内厚さバラツキは約10μmであった。比較例1と同様にN極性面を加工後、取り外したところ、加工した15枚中、割れ、クラックは生じなかった。また、割れ、クラックの生じなかった基板の反りをトロペル社製の反り測定器で測定したところ、50μm以上の反りとなり、測定エラーとなったため、反り量が正確に把握できなかった。
その後、Ga極性面が加工面となるようにプレートにワックスを薄く塗り、面圧650gf/cm2にて加圧冷却貼り付けを行った。その際、割れ、クラック不良は発生しなかった。また、加工歪みによる反りは強制されて貼り付けされていた。
(実施例2)
比較例1と同様に、窒化ガリウム厚膜単結晶をワイヤソースライサにセットし、今度は、平均砥粒径14μmのSiC砥粒を粘度3cStの潤滑油に混ぜ、スライス厚さ約430μmとなるように加工した。ワイヤの送り速度は2mm/hとした。
比較例1と同様に、窒化ガリウム厚膜単結晶をワイヤソースライサにセットし、今度は、平均砥粒径14μmのSiC砥粒を粘度3cStの潤滑油に混ぜ、スライス厚さ約430μmとなるように加工した。ワイヤの送り速度は2mm/hとした。
加工後、15枚の窒化ガリウム基板を得た。窒化ガリウム基板の面粗さRaは約0.28μm、面内厚さバラツキは約7μmであった。比較例1と同様にN極性面を加工後、取り外したところ、加工した15枚中、割れ、クラックは生じなかった。また、割れ、クラックの生じなかった基板の反りをトロペル社製の反り測定器で測定したところ、50μm以上の反りとなり、測定エラーとなったため、反り量が正確に把握できなかった。
その後、Ga極性面が加工面となるようにプレートにワックスを薄く塗り、面圧650gf/cm2にて加圧冷却貼り付けを行った。その際、割れ、クラック不良は発生しなかった。また、加工歪みによる反りは強制されて貼り付けされていた。
(比較例2)
比較例1と同様に、窒化ガリウム厚膜単結晶をワイヤソースライサにセットし、今度は、平均砥粒径20μmのSiC砥粒を粘度3cStの潤滑油に混ぜ、スライス厚さ約430μmとなるように加工した。ワイヤの送り速度は2mm/hとした。
比較例1と同様に、窒化ガリウム厚膜単結晶をワイヤソースライサにセットし、今度は、平均砥粒径20μmのSiC砥粒を粘度3cStの潤滑油に混ぜ、スライス厚さ約430μmとなるように加工した。ワイヤの送り速度は2mm/hとした。
加工後、15枚の窒化ガリウム基板を得た。窒化ガリウム基板の面粗さRaは約0.57μm、面内厚さバラツキは約5μmであった。比較例1と同様にN極性面を加工後、取り外したところ、加工した15枚中、1枚割れ、1枚外周から15mm程度のクラックが生じた。また、割れ、クラックの生じなかった基板の反りをトロペル社製の反り測定器で測定したところ、50μm以上の反りとなり、測定エラーとなったため、反り量が正確に把握できなかった。
その後、Ga極性面が加工面となるようにプレートにワックスを薄く塗り、面圧650gf/cm2にて加圧冷却貼り付けを行った。その際、割れ、クラック不良は発生しなかった。また、加工歪みによる反りは強制されて貼り付けされていた。
(比較例3)
比較例1と同様に、窒化ガリウム厚膜単結晶をワイヤソースライサにセットし、今度は、平均砥粒径30μmのSiC砥粒を粘度3cStの潤滑油に混ぜ、スライス厚さ約430μmとなるように加工した。ワイヤの送り速度は2mm/hとした。
比較例1と同様に、窒化ガリウム厚膜単結晶をワイヤソースライサにセットし、今度は、平均砥粒径30μmのSiC砥粒を粘度3cStの潤滑油に混ぜ、スライス厚さ約430μmとなるように加工した。ワイヤの送り速度は2mm/hとした。
加工後、15枚の窒化ガリウム基板を得た。窒化ガリウム基板の面粗さRaは約0.7μm、面内厚さバラツキは約5μmであった。比較例1と同様にN極性面を加工後、取り外したところ、加工した15枚中、1枚割れ、2枚外周から15mm程度のクラックが生じた。また、割れ、クラックの生じなかった基板の反りをトロペル社製の反り測定器で測定したところ、50μm以上の反りとなり、測定エラーとなったため、反り量が正確に把握できなかった。
その後、Ga極性面が加工面となるようにプレートにワックスを薄く塗り、面圧650gf/cm2にて加圧冷却貼り付けを行った。その際、1枚割れ不良が発生した。また、加工歪みによる反りは強制されて貼り付けされていた。
以上の実施例1,2及び比較例1〜3の結果を表1にまとめる。
表1に示すように、比較例1及び実施例1,2のように、平均砥粒径14μm以下の砥粒を用いてスライス加工することにより、片面平坦加工後の反対面に残る加工歪みにより窒化ガリウム基板が反る際、割れ、クラック不良を抑止することができる。しかしながら、比較例1のように、砥粒が小さくなると厚さバラツキが大きくなり、加工速度の低下や、スライス厚さ設定の見直し等が必要となってくるため、現実的には、平均砥粒径9.5μm以上14μm以下が妥当と考える。
また、片面に残った加工歪みの応力により窒化ガリウム基板が反り、割れやクラックが発生するのは、窒化ガリウム基板の外周の形状や基板厚さと直径の比率にも左右されるが、2インチサイズよりも少し直径が大きい場合(58mm)で実施したため、大きなズレはないと考える。
以上より、窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際に、平均砥粒径9.5μm以上14μm以下の砥粒を用いることで、スライスにより得られた窒化ガリウム基板に対し、片面を加工歪みがない平坦な面に平坦加工した後も、反対面に残った加工歪みにより、割れやクラックを生じさせることなく、また面内厚さバラツキの小さい窒化ガリウム基板を製造することができることが分かる。
Claims (3)
- 基板上に窒化ガリウム厚膜単結晶を成長させ、該窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスして複数枚の窒化ガリウム基板を製造する窒化ガリウム基板の製造方法において、前記窒化ガリウム厚膜単結晶をスライスする際に、平均砥粒径9.5μm以上14μm以下の砥粒を用いることを特徴とする窒化ガリウム基板の製造方法。
- 前記窒化ガリウム厚膜単結晶のスライスは、ワイヤソースライサを用いると共に、該ワイヤソースライサのワイヤに、前記砥粒を潤滑油に混ぜた砥液を供給しつつスライスする請求項1に記載の窒化ガリウム基板の製造方法。
- 前記窒化ガリウム厚膜単結晶を58mm以上の径に円筒研削し、その円筒研削した前記窒化ガリウム厚膜単結晶を、前記ワイヤソースライサのワイヤとしてワイヤ径0.12mm以下のワイヤを用い、基板厚さが430μm以上となるようにスライスする請求項2に記載の窒化ガリウム基板の製造方法。
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