JP2010272481A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天板3の側方且つ上方に複眼の赤外線温度検知部7を設け、天板3に載置された被加熱物2の側面、天板3との境界部、天板3に至る連続領域を複数の検知素子で分割した各分割領域の赤外線量を検知する。演算部は各検知素子の出力の大小比較により境界部を検知する検知素子7fを特定し、この検知素子7fと、記憶手部に記憶され検知素子と検知素子から対応する検知領域までの距離と補正係数(赤外線放射率)とを対応付けた対応表から上記検知素子から境界部迄の距離と補正係数を読込み、更に検知素子7fが検知した赤外線量に読込んだ補正係数を乗算(補正)し、補正された赤外線量を所定の数式に適用して被加熱物2の温度を算出する。算出された温度データは演算部15から制御部14へ送る。制御部14は操作部4から設定した目標温度になるように加熱コイル駆動部13を制御する。
【選択図】図2
Description
そこで、このような接触式温度検知手段の問題を解決するために、赤外線温度検知手段を用いて温度検知する方式が知られており、例えば天板下に赤外線温度検知手段を設置して下から上方の被加熱物の温度を天板を介して測定するものが知られている。しかし、このように天板下に赤外線温度検知手段を設置した場合には、天板(ガラス)が150℃以下の波長帯の電磁波を透過しないため、被加熱物の温度が150℃以下の場合に温度検知ができないという問題があった。
そこで、このような天板下に赤外線温度検知手段を設置した場合の問題を解決するために、天板の側方且つ上方より赤外線温度検知手段を用いて天板上に載置された被加熱物の初期温度から調理温度迄の広範な温度範囲を天板を介さずに直接検知するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
この場合、測定対象である被加熱物が鏡面加工か非鏡面加工かによって放射率が異なる。例えば、被加熱物がステンレス製で鏡面加工されている場合には放射率εがε=0.15程度であるのに対して、ホーローなどの容器では放射率εがε=0.8程度であり、赤外線放射エネルギー量に大きな乖離が発生してしまう。
そこでこの問題を解決するために補正が必要になるが、この補正処理の詳細については特許文献2に記載されているため、ここでは詳細説明を省略する。
しかしながら、赤外線温度検知部は、一例として縦方向の視野領域1°、横方向の視野領域3°/1素子の検知領域をとる複数の検知素子から成るサーモパイルであり、1素子の検知領域面積で得られる総赤外線量を面積で平均化して値を返す。
このため、天板(ガラス)と被加熱物の底面との境界部から上記検知素子までの距離が遠く離れている場合には、検知領域の総面積に対して境界部が占める面積の割合が小さくなるため、検知素子検知する赤外線量は小さくなってしまう。従って、被加熱物の底径の大小により、この被加熱物と天板の境界部を検知する素子の温度が過剰になったり、低過ぎたりして温度検知の精度が低下するという問題があった。
図1は本発明の実施の形態1における加熱調理器の外観を模式的に示す斜視図、図2は図1の正面断面図、図3は図1の側面断面図である。
加熱調理器は、本体1と本体1の上面に配置され、被加熱物2を載置するための例えばセラミクスなどの耐熱性材料から成る天板3と、本体1の上面の一側に配置されて機器のオン/オフや天板3上に載置される被加熱物2の加熱温度を設定する各操作スイッチ(図示なし)が設けられた操作部4と、機器のオン/オフや設定温度を表示する表示部5とを備えている。また、天板3には、被加熱物2を載置する際の加熱口6を示すサークルが印刷されている。本体1はグリル部11と、天板3の直下且つグリル部11の上方に配置され天板3上に載置された被加熱物2を加熱するための加熱コイルで構成された加熱部12と、交流電源(図示せず)から供給される商用電力を高周波電力に変換して加熱部12に供給する駆動部13と、駆動部13を制御する制御部14とを備えている。なお、制御部14はDSPやマイコンから構成される。
一方、制御部14は、操作部4から設定された運転条件を入力部10を介して取得し、この運転条件と赤外線温度検知部7の検知温度とに基づいて駆動部13を制御し、加熱部12の加熱動作を駆動させる。
図4は、本発明の実施の形態1における赤外線温度検知部7を構成する検知素子の縦方向に8列且つ横方向に1列の配列とその被検知領域とを示す図であり、図4(a)は検知素子の配列を示す図、図4(b)は検知素子の被検知領域を示す図である。図4(a)に示すように複眼で構成された赤外線温度検知部7を構成する複数の検知素子7a〜7hを備えており、ここでは縦方向に8列且つ横方向に1列に配列された検知素子7a〜7hがそれぞれの被検知領域a〜hを検知することが示されている。また、図5は、本発明の実施の形態1における赤外線温度検知部7を構成する検知素子の縦方向に4列且つ横方向に2列の千鳥配列とその被検知領域とを示す図であり、図5(a)は検知素子の配列を示す図、図5(b)は検知素子の被検知領域を示す図、図5(c)は被加熱物の境界部を拡大した図である。図5(a)に示すように複眼で構成された赤外線温度検知部7を構成する複数の検知素子7a〜7hを備えており、図5(b)に示すように実線と隣接する実線との間が1つの素子の検知領域を示しており、破線と隣接する破線との間が隣接する別の1つの素子の検知領域を示しており、ここでは縦方向に4列且つ横方向に2列の千鳥状に配列された検知素子7a〜7hがそれぞれの被検知領域a〜hを相互に一部重ねることで結果として被加熱領域を2重に検知する様子が示されている。
これにより、天板3上に載置される被加熱物2の側面、被加熱物2と前記天板3との境界部、及び天板3を含む連続する被検知領域を複数に分割して得られる分割領域の温度をより正確に検知することが可能となる。
説明に際して、説明を簡単にするために以下の前提条件を設ける。この前提条件は全ての実施の形態に共通のものである。
(a)赤外線温度検知部は、縦方向に8列横方向に1列の検知素子7a〜7hの8眼で構成されるサーモパイルであり、一例として縦方向の視野領域1°、横方向の視野領域3°/1素子の検知領域をとり、1素子の検知領域面積で得られる総赤外線量を面積で平均化して値を返すものとする。その被検知領域は図4(b)に示されるものである。
(b)本体1に設けられた演算部15は、検知素子7a〜7hとそれぞれの被検知領域a〜hまでの距離及び補正係数(補正すべき赤外線放射率)とを対応付けた対応表を記憶する記憶部(図示せず)を内蔵しているとする。
(c)ユーザーが被加熱物2を天板3上に載置するときには、被加熱物2の中心を加熱コイル12の中心にほぼ合致させた状態で載置することとする。
まず、以下の事前準備を行う。
(ア)予め基準となる被加熱物2を選び、この被加熱物の底径を測定しておく。そして、加熱実験に際してユーザーは、当該被加熱物2の中心位置を加熱口6の中心即ち加熱コイル12の中心位置にほぼ合致させた状態で載置し、操作部4を操作して運転条件を設定する。これにより、制御部14は操作部から設定された運転条件に基づき加熱コイル駆動部13を制御して天板3の加熱口6に載置された被加熱物2を誘導加熱する。そして、被加熱物2の温度が運転条件で設定した温度に達したとき、各検知素子7a〜7hが被加熱物2の鍋肌、境界部、天板3に至る連続領域を8個に分割して得られる分割領域のそれぞれの赤外線量を取得し、取得した赤外線量の内で最大のものを特定する。そして特定された赤外線量と当該被加熱物2の底径とを対応させて基準値として上記記憶部に記憶しておく。
(イ)次に、補正係数は以下のように推定して、図示しない記憶部に設定させておく。予め、複数の底径を持つ被加熱物2を選び、この被加熱物の底径を測定しておく。そして、加熱実験に際してユーザーは、当該被加熱物2の中心位置を加熱口6の中心即ち加熱コイル12の中心位置にほぼ合致させた状態で載置し、操作部4を操作して運転条件を設定する。これにより、制御部14は操作部から設定された運転条件に基づき加熱コイル駆動部13を制御して天板3の加熱口6に載置された被加熱物2を誘導加熱する。そして、被加熱物2の温度が運転条件で設定した温度に達したとき、各検知素子7a〜7hが被加熱物2の鍋肌、境界部、天板3に至る連続領域を8個に分割して得られる分割領域のそれぞれの赤外線量を取得し、取得した赤外線量の内で最大のものを特定する。そして、特定された赤外線量と、上記(ア)で得られた赤外線量との相対比を算出し、補正係数として図示しない記憶部に記憶すると共に、当該被加熱物2の底径から、当該被加熱物2の天板3との境界部と対応する被検知領域を検知する検知素子までの距離を算出する。そして、得られた補正係数と境界部と対応する被検知領域を検知する検知素子までの距離とを当該検知素子の識別子と対応させて対応表として図示しない記憶部に記憶しておく。次に被加熱物の位置をずらして、この被加熱物の境界部を隣の被検知領域に配置し、再び上記動作を行う。このような動作を8個の被検知領域について繰り返し行い、対応表を作成する。このようにして得られた対応表を図6に示す。
図7は図4(b)において本発明のポイントとなる境界部を強調した図である。図7において、境界部を黒で塗りつぶしている。
また、図8は図7に示す位置に被加熱物が載置された場合の各素子の出力と時間の関係を示すグラフである。
図7において、赤外線温度検知部7のセンサー角度/高さが決まれば,被加熱物2の鍋底が天板3上のどの位置にあるかを各素子7a〜7hから各素子の検知領域までの距離を三角関数計算より割り出すことが可能となる。(図7はセンサー視野角Y方向に1°,センサー中心高さ13mm,中心軸角度6°の領域対応表を示している。)鏡面鍋設置時には赤外線温度検知部7の最大出力を返す素子が鍋底のエッジを見ていることから、上記同様にエッジの位置までの距離を計算で出すことが可能となる。
演算部15は、天板の上方且つ側方に設けられた赤外線温度検知部7の出力により、赤外線温度検知部7の被加熱物のエッジ部までの距離を推定する(被加熱物と天板との境界部の距離を判定する)。
これにより、鍋が置かれた位置を判定することで鍋底径、加熱コイル12と鍋底の位置関係、大鍋か小鍋かの検知が可能となる。
また、それぞれの条件により(繰り返し実験を行うことにより)赤外線センサーの出力の係数を変更することにより検知温度の頻度が向上する。
図4(a)に示すように、横1列×縦8列の縦配列の検知素子から成る複眼の赤外線温度検知部7を用いた場合、初期設置角度・高さにより各検知素子7a〜7hの検知領域が決定する。例えば天板3より高さ13mm、角度水平、1素子の視野領域が2°の赤外線温度検知部7を用いた場合には、最下部に設置された素子7hの検知領域は
"X1〜X2"となる。
但し、 X1=13mm*tan-1(8°)、
X2=13mm*tan-1(6°)
即ち、赤外線センサーの先端から92.5〜123.7mmが検知幅となる。もしこの範囲に鍋底が置かれた場合には、図7及び図8に示すように上から6番目の素子7fが最大値を返すことになり、演算部15は、この値に対して予め準備した対応表から素子7fに対応する補正係数を取り出して赤外線量に対して補正を行う。
ユーザーは天板3上の加熱口6に鍋などの被加熱物2を載置し、加熱調理器本体1の電源スイッチを投入し、さらに操作部4を操作して運転条件を入力設定して調理を開始する。制御部14は、電源スイッチの投入により起動され、操作部4から入力設定された運転条件と、赤外線温度検知部7の検知出温度とに基づいて駆動部13を制御し、加熱部12の加熱動作を駆動させる。これにより、被加熱物2内の被調理物9の加熱調理が行われ、赤外線温度検知部7を構成する複数の検知素子7a〜7hはそれぞれ自身が検知する被検知領域a〜hの赤外線量を検知する。一方、演算部15も電源スイッチの投入により起動され、演算部15は検知素子7a〜7hによって検知された赤外線量を増幅且つA/D変換する。そして、被加熱物2の温度が運転条件で設定した温度に達したとき、演算部15は検知素子7a〜7hから取得した8個の赤外線量の内で最大のものを選択する。この場合、被加熱物2の底部と天板との境界部が最大の温度情報赤外線量を放射するので、この境界部(図7の例では被検知領域f)を検知する検知素子(図8の例では素子7f)が最大の温度情報を出力する。この様子を図6に示す。
演算部15は、最大の赤外線量検知した検知素子7fを特定する。次に、演算部15は特定した検知素子7fを検索キーとして図示しない記憶部に記憶された図4に示す対応表を検索して、特定した検知素子7fから被加熱物2の境界部までの距離と補正係数を取得する。次に演算部15は、特定された検知素子7fが被加熱物2から検知した赤外線量に記憶部から取得した補正係数を乗算することで補正し、補正した赤外線量を被加熱物2の実際の赤外線量として推定する。そして、下記の式(1)に代入することで温度データに変換する。
但し、P=検知した赤外線量、
k=ステファンボルツマン定数やセンサー感度から決まる定数
T0=接触式温度検知部(サーミスター)の温度情報
以上のように目標温度値に対してフィードバック制御が行われるので、正確な温度制御が可能となる。
次に演算部15の動作を図7〜図9を用いて説明する。
演算部15は起動されると、カウンタクリア、赤外線量クリヤなどの初期処理を実行した(ステップS901)後、最初の検知素子(例えば素子7a)を選択して(ステップS902)、検知素子からの出力として赤外線量(Aとする)を取得する(ステップS903)。次に演算部15は、取得した赤外線量Aを記憶手段に記憶している最大の赤外線量B(最初はゼロ)と比較し(ステップS904)、今回検知した赤外線量Aの方がBよりも小さければ、ステップS907へ飛び、今回検知した赤外線量Aの方がBよりも大きければ、今回の赤外線量をBとして記憶部に書込む(ステップS905)とともに、この時の検知素子の識別子(例えば番号)も記憶部に書込む(ステップS906)。次に、演算部15は全ての領域を検知終了したか否かを調べ(ステップS907)、まだ終了していなければ次の検知素子(例えば、素子7b)を選択した(ステップS908)上で、ステップS903に戻り、再び同様の処理を実行する。この動作を更に素子7c、7d、7e、…7hまで順次繰り返し実行する。そして、やがて素子7hの処理が終了すると、ステップS907において、Yesとなるので、ステップS909へ進む。ここで最大の赤外線量を検出した検知素子(境界部を検知した検知素子)を図示しない記憶部から読込み、さらに記憶部に記憶された対応表をこの検知素子によって参照することで距離と補正係数を読込む(ステップS910)。次に演算部15は赤外線量に補正係数を乗算して補正する(ステップS911)。次に演算部15は補正した赤外線量を温度データに変換する(ステップS912)。
また、赤外線センサーの構成を複眼としたので、単眼の場合に比べ、視野範囲が広がるため、検知精度が高い。
実施の形態1では、被加熱物の境界部から対応する検知素子までの距離が遠く離れている場合に検知素子が検知する赤外線量が小さくなることを防止するために検知素子が検知した赤外線量を補正するように構成したが、被加熱物が加熱コイル12の内側にあるか否かによって、被加熱物の温度が急激に異なってしまう。即ち、被加熱物が加熱コイル12の内側にあれば、境界部のみならず、被加熱物の側面(鍋肌)も加熱コイル12と強く電磁結合するため、側面温度が急上昇する。その影響で被加熱物全体の温度が高くなり、境界部の温度も上昇するが、元々十分に高い赤外線量を発しているため、飽和状態に近く、被加熱物全体の温度上昇に追従できない。これに対して、被加熱物が加熱コイル12の外側にあれば、被加熱物の側面(鍋肌)が加熱コイル12と電磁結合する量は少ないため、側面温度は大きく変わらない。従って、実施の形態1と同様にして温度計測が可能である。このように被加熱物の底径が加熱コイル12の径より小さいと、この被加熱物と天板の境界部の温度上昇に基づいて被加熱物全体の温度を推定する場合には温度検知の精度が低下する虞がある。本実施の形態ではこのような課題を解決する態様について説明する。
次に、本実施の形態2の動作を説明する。
本実施の形態2でも予め、各検知素子とこの検知素子が検知する分割領域までの距離とを対応付けた対応表を記憶部に記憶させておく。また、記憶手段は被加熱物2の境界部が加熱コイル12の内側に位置する場合と外側に位置する場合とで値が異なる補正係数を記憶部に記憶しておく。
(ア)この場合、補正係数は以下のように推定して、図示しない記憶部に設定させておく。予め、加熱コイル12より小さい底径を持つ被加熱物2を選び、この被加熱物の底径を測定しておく。そして、加熱実験に際してユーザーは、当該被加熱物2の中心位置を加熱口6の中心即ち加熱コイル12の中心位置にほぼ合致させた状態で載置し、操作部4を操作して運転条件を設定する。これにより、制御部14は操作部から設定された運転条件に基づき加熱コイル駆動部13を制御して天板3の加熱口6に載置された被加熱物2を誘導加熱する。そして、被加熱物の温度が運転条件で設定した温度に達したとき、各検知素子7a〜7hが被加熱物2の鍋肌、境界部、天板3に至る連続領域を8個に分割して得られる分割領域のそれぞれの赤外線量を取得し、取得した赤外線量の内で最大のものを特定する。そして、特定された赤外線量を式(1)に代入して得られた温度を算出し、算出された温度と、設定温度(この温度は実際の温度に対応する)との相対比を算出し、補正係数として図示しない記憶部に記憶すると共に、当該被加熱物2の底径から、当該被加熱物2の天板3との境界部と対応する被検知領域を検知する検知素子までの距離を算出する。そして、得られた補正係数と境界部と対応する被検知領域を検知する検知素子までの距離とを当該検知素子の識別子と対応させて対応表として図示しない記憶部に記憶しておく。次に被加熱物2の位置をずらして、この被加熱物の境界部が加熱コイル12の外側にはみ出すように配置し、再び上記動作を行う。このとき、境界部から得られる赤外線量は急激に低下する。そこで、このときの境界部を検知する検知素子の識別子と、境界部から対応する検知素子までの距離及び補正係数を上記と同様にして取得して記憶部に記憶させておく。
ユーザーは天板3上の加熱口6に鍋などの被加熱物2を載置し、加熱調理器本体1の電源スイッチを投入し、さらに操作部4を操作して運転条件を入力設定して調理を開始する。制御部14は、電源スイッチの投入により起動され、操作部4から入力設定された運転条件と、赤外線温度検知部7の検知出温度とに基づいて駆動部13を制御し、加熱部12の加熱動作を駆動させる。これにより、被加熱物2内の被調理物9の加熱調理が行われ、赤外線温度検知部7を構成する複数の検知素子7a〜7hはそれぞれ自身が検知する被検知領域a〜hの赤外線量を検知する。一方、演算部15も電源スイッチの投入により起動され、演算部15は検知素子7a〜7hによって検知された赤外線量を増幅且つA/D変換する。そして、被加熱物2の温度が運転条件で設定した温度に達したとき、演算部15は検知素子7a〜7hから取得した8個の赤外線量の内で最大のものを選択する。この場合、被加熱物2の底部と天板との境界部が最大の温度情報赤外線量を放射するので、この境界部(図7の例では被検知領域f)を検知する検知素子(図8の例では素子7f)が最大の温度情報を出力する。この様子を図6に示す。
演算部15は、最大の赤外線量検知した検知素子7fを特定する。次に、演算部15は特定した検知素子7fを検索キーとして図示しない記憶部に記憶された図4に示す対応表を検索して、特定した検知素子7fから被加熱物2の境界部までの距離を取得する。次に演算部15は、取得した距離に基づいて、被加熱物2の底径を算出し、被加熱物2の底径が加熱コイル12の径と比較する。被加熱物2の底径が加熱コイル12の径より小さければ内側用の補正係数を検知した赤外線量に乗算して適用して補正し、被加熱物2の底径が加熱コイル12の径より大きければ外側用の補正係数を検知した赤外線量に乗算して適用して補正する。この後、さらに実施の形態1に記載した補正を行う。そして、上記の式(1)に代入することで温度データに変換する。
これにより、被加熱物2の底径の大小に関わらず正確な温度制御が可能となる。
実施の形態1〜2では、赤外線温度検知部7の設定位置が正常である場合を前提として説明したが、正常な位置でない場合には、正確な検知ができないもしくは検知そのものが不可能となる虞がある。本実施の形態3では、このような場合についての補正方法について説明する。
図10は本発明の実施の形態3における特定の検知領域に位置決め用の赤外線LEDを設けた場合の8眼赤外線温度検知部とその被検知領域との関係を示す要部の側面断面図及び斜視図であり、図10(a)は8眼赤外線温度検知部とその被検知領域との関係を示す要部の側面断面図、図10(b)は8眼赤外線温度検知部とその被検知領域との関係を示す要部の斜視図である。
図10(a)において、図7と同符号は同一または相当の部である。ここでは、赤外線LEDが追加された以外は図7と同様の構成である。
本体1は天板3上の任意の位置に少なくとも1個以上赤外線LED16を設け、赤外線温度検知部7を構成する8個の検知素子7a〜7hの内、常にこの赤外線LED16を検知する素子は1つであるとする。ここでは、赤外線LED16を検知する素子は7hとする。
図10(a)(b)に示すように、初期位置補正用として、天板3の検知領域hに位置し、且つ加熱の影響を受けない天板直下に赤外線LED16を設け、検知素子7hに赤外線の放射方向を向けて設置される。一方、赤外線温度検知部7も赤外線LED16からの赤外線を効率良く検知できるようにその向きを赤外線LED16に向けて設置する。このように構成することで、加熱開始前では各検知素子が検知する赤外線量の内、図11に示すように素子7hの検知する赤外線量が突出して大きくなる。
このような条件の下で、制御部14が誘導加熱制御を開始する前の運転初期に各温度検知素子が正常に設置されているか否かを判定するために、演算部15は各温度検知素子7a〜7hが検知した赤外線量の大小比較により赤外線LED16からの赤外線量を取得した素子7hを特定して、ここを指標点とする。
次に、制御部14は加熱コイル駆動部13を制御して加熱コイル12に被加熱物2を誘導加熱させ、演算部15は検知した赤外線量の大小比較を行うことで、最大値を得た検知素子(図12の例では、黒で塗りつぶした領域eを検知する素子7e)を取得し、この検知素子の識別子で対応表を参照することで、最大の赤外線を放射した被検知領域(地点)(図12では領域e)から検知素子までの距離を算出する。次に、最大値を検知した検知素子7eの位置と検知素子7hの位置とは同じ位置であるから、「最大の赤外線を放射した被検知領域(地点)から検知素子7hまでの距離」から「指標点から検知素子7hまでの距離」を減算することで上記指標点から最大の赤外線を放射した被検知領域(地点)までの相対距離を算出する。この相対距離は赤外線温度検知部の初期位置がずれていたとしても変わることはない。従って、毎回赤外線温度検知部の初期位置がずれていたとしてもこの指標点を基にソフトウェア処理で補正をかけることができる。
ステップS901からS910までの動作は図9と同様である。次に演算部15は記憶部から読込んだ距離と赤外線LEDの位置(指標値)との相対距離を算出する(ステップS131)。次に演算部15は相対距離から補正係数を推定する(ステップS132)。次に図9のステップS911〜S912と同様に動作する。
以上の動作により実施の形態と同様の効果を奏する。
また、上記の例では直接赤外線LEDの放射方向を直接赤外線温度検知部7に向ける場合について説明したが、赤外線LEDの放射方向を反射板を介して赤外線温度検知部7に向けるように構成しても良い。
図14は、赤外線LEDの放射方向を反射板を介して赤外線温度検知部7に向けるように構成した場合の側面断面と斜視図であり、図14(a)は赤外線LEDの放射方向を反射板を介して赤外線温度検知部7に向けるように構成した場合の側面断面、図14(b)は赤外線LEDの放射方向を反射板を介して赤外線温度検知部7に向けるように構成した場合の斜視図である。
図14(a)において、図10と同符号は同一又は相当部分を示す。反射板18が追加されている以外は図10と同じである。
ここでは、検知領域dに赤外線LEDを配置する。これにより、図15に示すように検知素子7dは突出した赤外線量を検知する。
実施の形態3では、赤外線LED16による位置決め動作中をユーザーに知らせる方法がなかった。したがって、位置決め動作中であることを示すために例えば赤外線LEDを点滅させるように構成しても良い。
本実施の形態4ではこのような場合について説明する。
図16は本実施の形態4における演算部15の動作である。次に本実施の形態4における演算部15の動作を図16を用いて説明する。
制御部14が加熱制御を開始する前の運転初期に演算部15は以下の動作を実行する。演算部15はカウンタクリアなどの初期処理を実行した(S1601)後、赤外線LEDを所定時間点灯させる(ステップS1602)。次に、演算部15は検知素子7a〜7hの8個の検知素子の内で最大の赤外線量を検知した特定の検知素子(即ち、赤外線LEDに対応する検知素子)の出力Aを取得する(ステップS1603)。次に、演算部15は赤外線LEDを所定時間消灯させる(ステップS1604)。次に、カウンタの値を調べ(ステップS1605)、カウンタの値が所定回数に達しない間は、カウンタを1つ増やした(ステップS1606)上で、ステップS1602へ戻って再び点滅を繰返す。ステップS1605の判定においてカウンタの値が所定回数に達した場合、制御部14に点滅動作終了の旨を送信した後、処理を終了する。
なお、上記の処理を演算部15が実行する場合について説明したが、制御部14が実行しても良い。
経年劣化により赤外線LED16の寿命が到来したとき、あるいは赤外線LED16上に障害物が載置された場合など、赤外線LED16の出力が得られなかった場合には、位置判定が不可能になる。その場合にはその旨を示す情報を表示部5またはスピーカなどの音声出力部に警報出力してユーザーに報知することができる。
本実施の形態5ではこのような場合について説明する。
図17は本実施の形態5における演算部15の動作を示すフローチャートである。次に演算部15の動作を図17を用いて説明する。
制御部14が誘導加熱制御を開始する前の運転初期に演算部15はカウンタクリアなどの初期処理を実行した(S1601)後、赤外線LEDを所定時間点灯させる(ステップS1602)。次に、演算部15は検知素子7a〜7hの8個の検知素子の内で最大の赤外線量を検知した特定の検知素子(即ち、赤外線LEDに対応する検知素子)の出力Aを取得する(ステップS1603)。次に、演算部15は赤外線LEDを所定時間消灯させる(ステップS1604)。次に、カウンタの値を調べ(ステップS1605)、カウンタの値が所定回数に達しない間は、カウンタを1つ増やした(ステップS1606)上で、ステップS1602へ戻って再び点滅を繰返す。ステップS1605の判定においてカウンタの値が所定回数に達した場合、検知素子が検知した赤外線量Aの平均値を算出する(ステップS1701)。即ち、赤外線量Aを所定回数累積し、累積した値を所定回数で除算して平均値を算出する。次に、演算部15はAの平均値を予め設定した下限値と比較し(ステップS1702)、Aの平均値が下限値以上であれば演算部15は正常であると判断して、点滅処理を終了する。ステップS1702の判定において、Aの平均値が下限値よりも小さければ演算部15は異常であると判断して、表示部5に異常の旨を示す情報を出力する。また、スピーカなどの音声出力装置に出力する(ステップS1703)。
また、ノイズなどの外乱が有る場合でも、赤外線量を時間積分(時間平均)することで、外乱は分散化されて殆どゼロになるので問題がない。これに対して赤外線LED16からの赤外線量は分散化されずにそのまま残るため、この赤外線量のみを取り出すことができる。従って、赤外線LED16の出力成分を分析することが可能になる。
実施の形態5では経年劣化により赤外線LED16の寿命が到来したとき、あるいは赤外線LED16上に障害物が載置された場合など、加熱調理しても赤外線LED16の出力が十分に得られなかった場合には、位置判定が不可能の旨を示す情報を表示部5またはスピーカなどの音声出力部に警報出力してユーザーに報知するようにしたが、さらに赤外線温度検知部に代えて、天板3の下に押圧設置しているサーミスタなどの接触式温度検知部の出力に基づいて被加熱物の温度を検知するように構成しても良い。
本実施の形態6ではこのような場合について説明する。
図18は本発明の実施の形態6における加熱調理器の正面断面を示す模式図である。図18において、図2と同符号は同一または相当部分を示す。接触式温度検知部17が追加されている以外は図2と同じである。なお、加熱コイル駆動部13はあるが図示していない。
図19は本実施の形態6における演算部15の動作を示すフローチャートである。図19において、図17のステップS1703の代わりにステップS1801に置き換えている以外は図17と同じである。次に演算部15の動作を図19を用いて説明する。
ステップS160〜S1605、S1701〜S1702については図17と同様である。ステップS1702の判断において、赤外線Aの平均値が下限値より小さければ、演算部15は異常であると判断して接触式温度検知部17に切替え、接触式温度検知部17によって被加熱物2の温度を検知する(ステップS1901)。
上記実施の形態では複眼の赤外線温度検知部を使用する場合について説明したが、単眼の赤外線温度検知部を上下に振らせつつ検知するように構成しても良い。本実施の形態ではこのような場合についてその態様を説明する。
図20は、単眼の赤外線温度検知部を有する加熱調理器の要部構成を示す側面断面図である。図20において、図12と同符号は同一または相当部分を示す。単眼の赤外線温度検知部70におきかえられ、さらに単眼の赤外線温度検知部70を上下方向に回転移動(首振り)させる駆動機構として外周に歯車を形成した半円筒状のラック701とこのラック701の歯車に噛み合うように構成されたピニオン702が追加されている以外は図12と同様である。図示しないモーターを演算部15からの指令によって駆動することにより、ピニオン702が回転し、このピニオン702の回転によりラック701の角度が回転移動し、これにより単眼の赤外線温度検知部70が首振りを行う。従って、制御部14によってモーターの回転を制御することで、単眼の赤外線温度検知部70を所定角度ずつ回転移動させては停止させるという動作を繰返す。
演算部15は起動されると、カウンタクリア、赤外線量クリヤなどの初期処理を実行した(ステップS901)後、単眼の赤外線温度検知部70の視野角度を所定の角度だけ移動して最初の被検知領域(例えば領域a)を選択して(ステップS2101)、赤外線温度検知部70からの出力として赤外線量(Aとする)を取得する(ステップS903)。次に演算部15は、取得した赤外線量Aを記憶手段に記憶している最大の赤外線量B(最初はゼロ)と比較し(ステップS904)、今回検知した赤外線量Aの方がBよりも小さければ、ステップS907へ飛び、今回検知した赤外線量Aの方がBよりも大きければ、今回の赤外線量をBとして記憶部に書込む(ステップS905)とともに、この時の赤外線温度検知部70の角度(角度の番号でも可)も記憶部に書込む(ステップS2102)。次に、演算部15は全ての領域を検知終了したか否かを調べ(ステップS907)、まだ終了していなければ、単眼の赤外線温度検知部70の視野角度を所定の角度だけ移動して次の被検知領域(例えば領域b)を選択した(ステップS2103)上で、ステップS903に戻り、再び同様の処理を実行する。この動作を更に被検知領域c、d、e、…hまで順次繰り返し実行する。そして、やがて被検知領域hの処理が終了すると、ステップS907において、Yesとなるので、ステップS2104へ進む。ここで最大の赤外線量を検出した赤外線温度検知部70の角度(境界部を検知した角度)を図示しない記憶部から読込み、さらに記憶部に記憶された対応表をこの検知素子によって参照することで距離と補正係数を読込む(ステップS910)。次に演算部15は赤外線量に補正係数を乗算して補正する(ステップS911)。次に演算部15は補正した赤外線量を温度データに変換する(ステップS912)。
Claims (21)
- 鍋などの被加熱物が載置される天板と、
この天板の下方に設けられ前記被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
この加熱コイルに交番電力を供給して駆動する加熱コイル駆動部と、
前記天板の側方且つ上方に設けられ、前記天板の上方の赤外線量を直接検知する赤外線温度検知部と、
この赤外線温度検知部の検知した赤外線量を温度に変換する演算部と、
この演算部が出力した温度に基づいて前記加熱コイル駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記赤外線温度検知部は、前記被加熱物の側面、前記被加熱物の底面と前記天板との境界部、前記天板に至る連続領域を複数に分割して得られる分割領域のそれぞれに対応して設けられた複数の検知素子を備え
前記演算部は、前記複数の検知素子の内で検知した赤外線量の大小比較に基づいて前記境界部を検知したものを特定し、特定した検知素子が前記被加熱物から検知した赤外線量を予め設定された補正係数で補正し、補正した赤外線量に基づいて前記被加熱物の温度を推定することを特徴とする加熱調理器。 - 各検知素子とこの検知素子が検知する分割領域までの距離及び補正係数とを対応付けた対応表を記憶する記憶部を備え、
前記演算部は、前記特定した検知素子と前記記憶手段に記憶された対応表に基づいて前記特定した検知素子から前記境界部までの距離を取得し、取得した距離に基づいて前記検知素子が検知する赤外線量の予め設定した基準値との相対比を推定し、推定した相対比に基づいて前記記憶部の補正係数を補正することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。 - 各検知素子とこの検知素子が検知する分割領域までの距離とを対応付けた対応表と、前記被加熱物の境界部が前記加熱コイルの内側に位置する場合と外側に位置する場合とで値が異なる補正係数と、を記憶する記憶部を備え、
前記演算部は、前記特定した検知素子と前記対応表に基づいて前記特定した検知素子から前記境界部までの距離を取得し、取得した距離に基づいて前記被加熱物の底径を算出し、算出した被加熱物の底径と前記加熱コイルの径との大小比較に基づいて前記被加熱物が前記加熱コイルの内側に位置するか否かを判定し、この判定結果に基づいて前記記憶手段に記憶された補正係数を選択し、前記特定した検知素子が前記被加熱物から検知した赤外線量を前記選択した補正係数で補正することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。 - 前記記憶部は、各検知素子とこの検知素子が検知する分割領域までの距離及び補正係数とを対応付けた対応表を記憶する記憶部を備え、
前記演算部は、前記特定した検知素子と前記記憶手段に記憶された対応表に基づいて前記特定した検知素子から前記境界部までの距離を取得し、取得した距離に基づいて前記検知素子が検知する赤外線量の予め設定した基準値との相対比を推定し、推定した相対比に基づいて前記記憶部の補正係数を補正することを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。 - 所定の底径を有する被加熱物の中心位置を前記加熱コイルの中心位置にほぼ合致させた状態で載置し、前記加熱コイル駆動部を制御して前記被加熱物を誘導加熱した場合に、前記演算部は、前記各検知素子が検知する赤外線量を取得し、この赤外線量と前記被加熱物の底径とを対応させて基準値として前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項2または請求項4に記載の加熱調理器。
- 前記演算部は、前記特定した検知素子の出力に前記補正係数を乗算して前記被加熱物の実際の赤外線量を算出し、この赤外線量に所定の算術式を適用して前記被加熱物の温度を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の加熱調理器。
- 前記補正係数は赤外線放射率であることを特徴とする請求項6に記載の加熱調理器。
- 前記赤外線温度検知部の検知領域の少なくとも1個所に赤外線を放射する赤外線LEDを備え、
前記演算部は加熱初期において、前記複数の検知素子の内で検知した赤外線量の大小に基づいて前記赤外線LEDの配置された領域を検知する検知素子を特定し、この特定した検知素子が所定の検知素子であることを確認すれば正常であると判断することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加熱調理器。 - 前記演算部は、前記複数の検知素子の内で検知した赤外線量が最大のものを特定することを特徴とする請求項8に記載の加熱調理器。
- 前記天板の下に前記被加熱物の温度を検知する接触式温度検知部と、
前記赤外線温度検知部の検知領域の少なくとも1個所に配置され赤外線を放射する赤外線LEDと、を備え、
加熱初期において、前記赤外線温度検知部が前記赤外線LEDからの放射線を検知しなかった場合、
前記制御部は、前記演算部からの温度が予め設定した下限値より低いことを検知し、赤外線LEDが断線している、もしくは赤外線LED上に障害物が載置されていると判断して前記接触式温度検知部の出力に基づいて前記被加熱物の温度を推定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加熱調理器。 - 報知部と、
前記赤外線温度検知部の検知領域の少なくとも1個所に配置され赤外線を放射する赤外線LEDと、を備え、
加熱初期において、前記赤外線温度検知部が前記赤外線LEDからの放射線を検知しなかった場合、
前記制御部は、前記演算部からの温度が予め設定した下限値より低いことを検知し、赤外線LEDが断線している、もしくは赤外線LED上に障害物が載置されていると判断して前記報知部にその旨を示す情報を警報出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加熱調理器。 - 前記報知部は音声出力部であることを特徴とする請求項11に記載の加熱調理器。
- 前記報知部は表示部であることを特徴とする請求項11に記載の加熱調理器。
- 前記赤外線LEDの赤外線放射方向は、前記赤外線LEDが配置されている前記検知領域を検知する検知素子の方へ向くように設置されることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の加熱調理器。
- 放射線を反射する反射板を備え、
前記赤外線LEDの放射方向は、前記反射板を利用して自身が配置されている前記検知領域を検知する検知素子へ向くように設置されることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の加熱調理器。 - 前記赤外線LEDは加熱コイルの中心に設けられることを特徴とする請求項8〜15のいずれかに記載の加熱調理器。
- 前記制御部は、加熱初期において、所定の周期で前記赤外線LEDを点滅させることを特徴とする請求項8〜16のいずれかに記載の加熱調理器。
- 鍋などの被加熱物が載置される天板と、
この天板の下方に設けられ前記被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
この加熱コイルに交番電力を供給して駆動する加熱コイル駆動部と、
前記天板の側方且つ上方に設けられ、前記天板の上方の赤外線量を直接検知する単眼型の赤外線温度検知部と、
この赤外線温度検知部の視野領域を変更するセンサー角度変更部と、
前記赤外線温度検知部の検知した赤外線量を温度に変換する演算部と、
この演算部が出力した温度に基づいて前記加熱コイル駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記演算部は、前記センサー角度変更部を制御して前記赤外線温度検知部の向きを上下方向に所定の角度で順次移動させて前記被加熱物の側面、前記被加熱物の底面と前記天板との境界部、前記天板に至る連続領域を複数に分割して得られるそれぞれの分割領域に対応する複数の向きを持ち、
前記赤外線温度検知部が検知した赤外線量の大小比較に基づいて前記境界部を検知した赤外線温度検知部の向きを特定し、特定した向きで前記赤外線温度検知部が前記被加熱物から検知した赤外線量を予め設定された補正係数で補正し、補正した赤外線量に基づいて前記被加熱物の温度を推定することを特徴とする加熱調理器。 - 前記赤外線温度検知部の各向きと、この向きで前記赤外線温度検知部が検知する分割領域までの距離とを対応付けた対応表と、前記被加熱物の境界部が前記加熱コイルの内側に位置する場合と外側に位置する場合とで値が異なる補正係数と、を記憶する記憶部を備え、
前記演算部は、前記特定した向きと前記対応表に基づいて前記赤外線温度検知部から前記境界部までの距離を取得し、取得した距離に基づいて前記被加熱物の底径を算出し、算出した被加熱物の底径と前記加熱コイルの径との大小比較に基づいて前記被加熱物が前記加熱コイルの内側に位置するか否かを判定し、この判定結果に基づいて前記記憶手段に記憶された補正係数を切り替え、前記特定した検知素子が前記被加熱物から検知した赤外線量を前記切替えた補正係数で補正することを特徴とする請求項18に記載の加熱調理器。 - 前記赤外線温度検知部の各向きと、この向きで前記赤外線温度検知部が検知する分割領域までの距離とを対応付けた対応表を記憶する記憶部を備え、
前記演算部は、前記特定した向きと前記対応表に基づいて前記赤外線温度検知部から前記境界部までの距離を取得し、取得した距離に基づいて前記赤外線温度検知部が検知する赤外線量の予め設定した基準値との相対比を推定し、推定した相対比に基づいて前記補正係数を補正することを特徴とする請求項18または請求項19に記載の加熱調理器。 - 前記記憶部は、予め、調理に使用される複数の被加熱物の底径と、これらの被加熱物の中心位置を前記加熱コイルの中心位置にほぼ合致させた状態で載置した場合の前記赤外線温度検知部が検知する赤外線量を前記底径毎の基準値として記憶することを特徴とする請求項20に記載の加熱調理器。
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