JP2010270484A - プッシュラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】工具なしで狭い場所に取り付けることができるとともに、吸着位置を調節することができるプッシュラッチを提供する。
【解決手段】少なくとも一端部が開口している第一収容孔11が形成され、第一収容孔11の内周面に雌ネジ部12が形成されるとともに、対象物100に形成される取付孔103に嵌装されたときに対象物100に対して相対移動不能に係合する係合部13が形成される第一ケース部材10と、外周面に雄ネジ部25が形成され、雄ネジ部25を第一ケース部材10の雌ネジ部12に螺合することにより第一収容孔11に収容されるとともに、第一ケース部材10の一端部側に開口する第二収容孔21が形成される第二ケース部材20と、第二収容孔21に収容されることにより、前後方向に摺動可能に第二ケース部材20に支持される摺動部材30と、第二収容孔21に収容され、摺動部材30を前方向に付勢するバネ90と、を具備した。
【選択図】図2

Description

本発明は、キャビネット等の扉に対して、扉を閉じた状態および扉を開いた状態を交互に切り替えるプッシュラッチの技術に関する。
従来、キャビネット等の扉を保持する機構が公知となっている。このような機構としては、例えば、マグネットキャッチおよびプッシュラッチ等がある。
マグネットキャッチは、磁力で扉を吸着することにより扉を閉じた状態に保持するものである。マグネットキャッチの場合、使用者が手で扉をマグネットキャッチから引き剥がす(磁力よりも大きい外力を加える)ことにより扉を開いた状態とする。
また、プッシュラッチは、磁力で扉を吸着することにより扉を閉じた状態に保持するとともに、バネ等の付勢力によって扉を開いた状態とするものである。
特許文献1に開示されるマグネットキャッチは、ケース本体、操作部材、および保持部材等を備える保持手段等を具備する。
ケース本体は、筒形状を有する。ケース本体は、筒軸方向の一端部に開口する。
操作部材は、筒形状を有する。操作部材は、筒軸方向の両端部に開口する。操作部材の内周面には、ネジ部が形成される。操作部材は、ケース本体に収容される。
保持手段は、保持部材、磁石、およびヨークを備える。保持部材の外周面には、操作部材と螺合可能なネジ部が形成される。保持部材は、ネジ部と操作部材のネジ部とが螺合されて、操作部材に収容される。また、保持部材の内側には、磁石およびヨークがそれぞれ固定される。このとき、ヨークは、磁石より外側に突出するように固定される。
このように構成される特許文献1に開示されたマグネットキャッチは、取付板およびネジ等の取付金具を介してキャビネット等に取り付けられる。
特許文献1に開示されたマグネットキャッチによれば、扉を閉じたときに、扉とマグネットキャッチのヨークとが当接する。これにより、扉を閉じた状態で保持できる。また、マグネットキャッチは、操作部材をケース本体に対して回転させることにより、ケース本体の筒軸方向に沿って操作部材を移動できる。言い換えれば、マグネットキャッチは、扉とヨークとの吸着位置を調整できる。
しかし、特許文献1に開示されたマグネットキャッチは、キャビネット等に取り付けるために取付板およびネジ等の取付金具を必要とする。このため、部品点数が増加するととともに、取付スペースが増大するという点で不利であった。また、マグネットキャッチの取付を行うときにマグネットキャッチの取付位置の調整を併せて行う必要があり、作業が煩雑になるという問題があった。
一方、特許文献2に開示されたマグネットキャッチは、キャビネット等に取付孔を形成し、かかる取付孔にマグネットキャッチを挿し込んで固定する構成である。
これによれば、別途部品を用いることなくマグネットキャッチを取り付けることができる。つまり、部品点数を減少できる。
しかし、特許文献1および特許文献2に開示されたマグネットキャッチでは、扉の開閉に際して、操作部材(例えば、使用者が手を引っかけるための取手等)を扉に別途取り付ける必要がある。このため、キャビネット等のデザインに制約を受ける場合がある、換言すれば、キャビネット等の美観を損なう場合があるという点で不利であった。また、部品点数が増大するという問題があった。
特許文献3に開示されたプッシュラッチは、外筒、内筒、スライダー、バネ、およびロータリーを具備する。
外筒の一端部は開口される。また、外筒の他端部は閉塞される。
内筒には、内筒の軸方向および周方向に沿って切り欠き形成される案内通路が形成される。内筒は、外筒に収容される。
スライダーには、外筒の開口側端部に特許文献1にあるような磁石およびヨークが取り付けられる。スライダーは、内筒に収容される。
バネは、スライダーに収容されて、スライダーを外筒の他端部に向かって付勢する。
ロータリーは、外周面に案内通路を摺動可能な突起部が形成される。ロータリーは、外筒に収容されて、スライダーの端部に連結される。このとき、ロータリーは、内筒の案内通路に係止される。
特許文献3に開示されたプッシュラッチによれば、プッシュラッチと当接した状態の扉を操作する(押し付ける動作を行う)ことによって、ロータリーの突起部が案内通路を摺動する。これにより、ケーシングに収容されるスライダーの位置を切り替えることができる。つまり、扉を押し付ける動作を行うことによって扉の開閉の両方の動作を行うことが可能であり、使用者が手を引っかけるための取手等を必要としないのでキャビネット等のデザインに制約を受けることがない。そのため、キャビネット等の美観の向上に寄与する(デザインの自由度が大きくなる)。
しかし、特許文献3に開示されたプッシュラッチでは、ヨークと扉との吸着位置を調節することができないという点で不利であった。
また、外筒および内筒にネジ部を形成することにより、吸着位置を調節するように構成した場合には、繰り返し扉を押し付ける動作を行ううちにヨークがケーシングに対して徐々に相対回転し、意図しない形でヨークの位置がずれる場合があった。
特許第3763955号公報 登録実用新案第3010748号公報 特開平8−303092号公報
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、工具なしで狭い場所に取り付けることができるとともに、吸着位置を調節することができるプッシュラッチを提供するものである。
請求項1においては、少なくとも一端部が開口している第一収容孔が形成され、前記第一収容孔の内周面に雌ネジ部が形成されるとともに、所定の対象物に形成される取付孔に嵌装されたときに前記対象物に対して相対移動不能に係合する係合部が形成される第一ケース部材と、外周面に雄ネジ部が形成され、前記雄ネジ部を前記第一ケース部材の雌ネジ部に螺合することにより前記第一収容孔に収容されるとともに、前記第一ケース部材の一端部側に開口する第二収容孔が形成される第二ケース部材と、前記第二収容孔に収容されることにより、前記第二収容孔の長手方向に摺動可能に前記第二ケース部材に支持される摺動部材と、前記第二収容孔に収容され、前記摺動部材を第二収容孔の開口部分から突出する方向に付勢するバネと、を具備し、前記摺動部材は、前記第二収容孔の長手方向に摺動可能に収容され、前記バネにより付勢されるとともにハートカム溝が形成される本体と、前記本体において前記第二収容孔から突出する方の端部に配置され、前記所定の対象物の被吸着部を前記本体に磁力により吸着させるための吸着部と、一端部が前記第二ケース部材に係止されるとともに他端部が前記ハートカム溝に係合する係合ピンと、を備えるものである。
請求項2においては、前記第二ケース部材に所定の大きさ以上のトルクを加えた場合には前記第二ケース部材の回転を許容し、前記第二ケース部材に前記所定の大きさのトルクよりも小さいトルクを加えた場合には前記第二ケース部材の回転を規制する回転規制機構を具備するものである。
請求項3においては、前記回転規制機構は、前記第一収容孔の内周面および第二ケース部材の外周面のいずれか一方に形成された係合凸部と、前記第一収容孔の内周面および第二ケース部材の外周面のいずれか他方に形成された係合凹部と、を有するものである。
請求項4においては、前記摺動部材は、前記吸着部を覆うことにより前記吸着部が外気と接触することを防止する取付部材を備えるものである。
請求項5においては、前記第二ケース部材において前記第二収容孔が開口している側の端部であって前記第一ケース部材の外部に突出している部分の外周面には、ローレット溝が形成されるものである。
請求項6においては、前記摺動部材は、前記第二ケース部材に対して相対回転不能に摺動するものである。
請求項7においては、前記摺動部材の本体において前記第二収容孔に収容される部分を角型形状とし、前記第二ケース部材に形成される第二収容孔を前記摺動部材の本体において前記第二収容孔に収容される部分に対応する角型形状とするものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、工具なしで狭い場所に取り付けることができるとともに、吸着位置を調節することができる。
本実施形態に係るプッシュラッチを示す斜視図。 扉を閉じた状態を示す平面断面図。 図2における矢視A−A部分断面図。(a)第一ケース部材を示す断面図。(b)第二ケース部材を示す断面図。 摺動部材の本体を示す斜視図。 扉を押し付ける動作を行った状態を示す平面断面図。 扉を開いた状態を示す平面断面図。 プッシュラッチの吸着位置を調節した状態を示す平面断面図。 ハートカム溝を摺動する係合ピンを示す説明図。(a)ロック地点に係合された状態示す図。(b)第一切替地点に係合された状態を示す図。(c)オープン地点に係合された状態示す図。(d)第二切替地点に係合された状態を示す図。 取付部材を取り付けた状態を示す平面断面図。
以下に、本発明に係るプッシュラッチの実施の一形態であるプッシュラッチ1について、図面を参照して説明する。
図1および図2に示す如く、プッシュラッチ1は、扉101を備える所定の対象物100に取り付けられる。
図6に示す如く、プッシュラッチ1は扉101を対象物100に押し付ける動作を行うことによって扉101を閉じた状態(図1および図2参照)および開いた状態(図6参照)を交互に切り替えるものである。このようなプッシュラッチ1が取り付けられる対象物100としては、例えば、洗面台に設置されるキャビネット(洗顔用具、歯磨き用具、化粧品等を収納する棚および鏡を備える調度品)等がある。
図1および図2に示す如く、プッシュラッチ1は、第一ケース部材10、第二ケース部材20、摺動部材30、およびバネ90を具備する。
プッシュラッチ1は、摺動部材30およびバネ90を第二ケース部材20に収容し、第二ケース部材20を第一ケース部材10に収容するという一連の作業によって組み立てられる。
なお、以下では便宜上、図2における紙面の上下方向を基準として「プッシュラッチ1の左方」および「プッシュラッチ1の右方」を規定する。また、図2における紙面の左右方向を基準として「プッシュラッチ1の後方」および「プッシュラッチ1の前方」を定義する。そして、図2における紙面に対して垂直方向において、手前側に向かう方向を基準として「プッシュラッチ1の上方」、奥側に向かう方向を基準として「プッシュラッチ1の下方」を定義する。
以下では、第一ケース部材10について説明する。
図1および図2に示す如く、第一ケース部材10は、プッシュラッチ1を構成する部材のうち、対象物100に直接固定されるものである。第一ケース部材10は一対の端面および外周面を有する略円柱形状の部材である。
図2および図3(a)に示す如く、第一ケース部材10には第一ケース部材10の一対の端面を貫通する第一収容孔11が形成される。
また、第一ケース部材10では、第一収容孔11の内周面の後部に雌ネジ部12が形成される。雌ネジ部12には、二つの係合凸部12a・12aが形成される。
二つの係合凸部12a・12aは、それぞれ雌ネジ部12より第一ケース部材10の径方向の内側に向かって突出するように形成される。本実施形態の二つの係合凸部12a・12aはいずれも第一収容孔11の長手方向(本実施形態では、前後方向)に伸びた形状を有する突起(凸条)であり、第一収容孔11の内周面において周方向に所定の間隔を隔てて形成される。
図1および図2に示す如く、係合部13は、フランジ部13aと二つの突起部13b・13bとを有する。
フランジ部13aは、第一ケース部材10の外径より大きな外径を有する略円環状に形成される。フランジ部13aは、第一ケース部材10の前端部に形成される。
二つの突起部13b・13bは、それぞれ第一ケース部材10の外周面の左側および右側に形成される突起であり、いずれもフランジ部13aに対して第一ケース部材10の長手方向(本実施形態では、前後方向)において所定の間隔を隔てた位置(第一ケース部材10の長手方向(前後方向)から見て互いに90°位相がずれた位置)に配置される。二つの突起部13b・13bの形状は平面視では前端部が第一ケース部材10の径方向外側に向かって突出する略直角三角形状であり、側面視では(左側面視または右側面視では)略U字状である。
以下では、第二ケース部材20について説明する。
第二ケース部材20は、後で詳述する摺動部材30およびバネ90を収容するものである。第二ケース部材20は、略円柱形状を有する。
第二ケース部材20には、第二収容孔21が形成される。第二収容孔21の前端部は、二ケース部材20の軸心位置で第二ケース部材20の長手方向(本実施形態では、前後方向)に沿って大きく開口する。また、第二収容孔21の後端部は、第二ケース部材20の軸心位置からずれた位置で略円弧状に小さく開口する(図3(b)参照)。
第二ケース部材20は、頭部22および胴体部24を備える。
頭部22は、第二ケース部材20の前端部(すなわち、第二ケース部材20において第二収容孔21が開口している側の端部)であって第二ケース部材20が第一ケース部材10の第一収容孔11に収容されたときに第一ケース部材10の外部に突出する部分である。本実施形態の頭部22の形状は略円環状であり、頭部22の外径は後述する胴体部24の外径および第一収容孔11の内径よりも大きい。
頭部22の外周面にはローレット溝23が形成される。
ローレット溝23は、前後方向に沿って並んで形成される複数の溝である。ローレット溝23は、第二ケース部材20の軸心を基準として、略等間隔に切り欠いた形状を有する。
胴体部24は、第二ケース部材20の主たる構造体を成す部分であり、第一収容孔11に収容される。胴体部24は、雄ネジ部25、突出部26、ピン係止孔27、およびバネ係止部28を有する。
雄ネジ部25は胴体部24(ひいては、第二ケース部材20)の外周面に形成される。雄ネジ部25が第一ケース部材10の雌ネジ部12と螺合することにより、胴体部24(ひいては、第二ケース部材20)が第一収容孔11に収容され、第一ケース部材10に支持される。
図3(b)に示す如く、雄ネジ部25には、四つの係合凹部12b・12b・12b・12bが形成される。
四つの係合凹部12b・12b・12b・12bは、雄ネジ部25のネジ山を横切る形で第二ケース部材20の外周面上に形成される窪み(溝)である。四つの係合凹部12b・12b・12b・12bは第二ケース部材20の長手方向(本実施形態では、前後方向)に伸びた形状を有する。四つの係合凹部12b・12b・12b・12bは等間隔を空けて(第二ケース部材20の長手方向(前後方向)から見て、90°ずつ位相がずれた位置に)配置される。
図2および図3に示す如く、第二ケース部材20の雄ネジ部25が第一ケース部材10の雄ネジ部25と螺合しているとき、第二ケース部材20が第一ケース部材10に対して90°回転する毎に二つの係合凸部12a・12aが四つの係合凹部12b・12b・12b・12bのうちのいずれか(隣り合う)二つの係合凹部12b・12bに係合した(嵌った)状態となる。
二つの係合凸部12a・12aおよび四つの係合凹部12b・12b・12b・12bを合わせたものは、本発明に係る回転規制機構の実施の一形態である。
すなわち、本実施形態では第一ケース部材10および第二ケース部材20がいずれも弾性変形し得る材料(樹脂材料)からなるため、第二ケース部材20に所定の大きさ以上の回転力(トルク)を加えた場合には第一ケース部材10および第二ケース部材20が弾性変形し、二つの係合凸部12a・12aが四つの係合凹部12b・12b・12b・12bのうちのいずれか二つの係合凹部12b・12bに係合した状態が解除される。言い換えれば、第一ケース部材10に対する第二ケース部材20の回転が許容される。
また、第二ケース部材20に所定の大きさの回転力(トルク)よりも小さい回転力を加えた場合には二つの係合凸部12a・12aが四つの係合凹部12b・12b・12b・12bのうちのいずれか二つの係合凹部12b・12bに係合した状態が保持され、第一ケース部材10に対する第二ケース部材20の回転が規制される。
図1および図2に示す如く、突出部26は、胴体部24の後端部から更に後方に突出するように形成される部分である。図2に示す如く、突出部26は、第二収容孔21の後端部側の開口部分(図3(b)に示す略円弧状に小さく開口する部分)を塞がないような形状に形成される。
ピン係止孔27は、突出部26の左側面に開口する孔である。
バネ係止部28は第二収容孔21の内部に形成される突起である。本実施形態のバネ係止部28は胴体部24の右後端部から前方に向かって突出した形状を有する。
図3(b)に示す如く、第二ケース部材20の第二収容孔21の内周面には四つのガイド溝21a・21a・21a・21aが形成される。四つのガイド溝21a・21a・21a・21aはいずれも第二ケース部材20の長手方向(前後方向)に伸びた溝であり、第二ケース部材20の長手方向(前後方向)から見て円弧状に窪んだ形状を有する。
以下では、摺動部材30について説明する。
図1および図2に示す如く、摺動部材30は、第二ケース部材20の第二収容孔21に収容されることにより、第二収容孔21の長手方向(本実施形態では、前後方向)に摺動可能に第二ケース部材20に支持される部材である。
図2に示す如く、摺動部材30は、本体40、磁石50、二つの吸着片60・60、係合ピン70、および脱落防止リング80を備える。
本体40は摺動部材30の主たる構造体を成す部材である。本体40は、頭部41および胴体部42を有する。
図2および図4に示す如く、頭部41は本体40の前端部を成す略円環形状の部分である。図2に示す如く、頭部41の外径は第二収容孔21の内径より大きい。また、頭部41は、摺動部材30が第二収容孔21に収容されたときに、第二ケース部材20の外部(本実施形態では、前方)に突出する部分である。
図4に示す如く、胴体部42は本体40のうち頭部41よりも後側の部分を成す部分であり、頭部41の後端部に延設される部材である。胴体部42は前後方向に伸びた形状を有し、胴体部42の外径は第二収容孔21の内径よりもやや小さい。胴体部42は本体40において第二収容孔21に摺動可能に収容される部分となる。
胴体部42の外周面には四つのガイド突起部21b・21b・21b・21bが形成される。四つのガイド突起部21b・21b・21b・21bはいずれも胴体部42の長手方向(本実施形態では、前後方向)に伸びた形状の突起(凸条)であり、第二ケース部材20の第二収容孔21の内周面に形成された四つのガイド溝21a・21a・21a・21a(図3(b)参照)にそれぞれ係合する。四つのガイド突起部21b・21b・21b・21bが四つのガイド溝21a・21a・21a・21a(図3(b)参照)にそれぞれ係合することにより、胴体部42(ひいては摺動部材30)が第二ケース部材20に対して前後方向に摺動することが許容されるとともに、胴体部42(ひいては摺動部材30)が第二ケース部材20に対して前後方向の軸を中心に相対回転することが規制される(相対回転することができない)。
本体40の前部にはガイド孔43が形成される。ガイド孔43は後で詳述する磁石50および二つの吸着片60・60を収容するための孔である。
ガイド孔43は頭部41の前端面に開口する孔である。ガイド孔43は頭部41を前後方向に貫通し、さらに胴体部42の前後略中央部まで到達する。ガイド孔43は本体40の軸線方向(本実施形態では、前後方向)から見て略長方形状の孔であり、本体40の軸心位置に配置される。
胴体部42には一対の貫通孔44・44が形成される。一対の貫通孔44・44は後述する二つの吸着片60・60を係止するための孔である。
上側の貫通孔44は胴体部42の上面とガイド孔43とを連通し、下側の貫通孔44は胴体部42の下面とガイド孔43とを連通する。
図2および図4に示す如く、胴体部42の右後部には切欠部45が形成される。切欠部45は後述するバネ90を収容するスペースを形成するとともに、胴体部42(本体40)においてバネ90に当接する部分を成す。
図4に示す如く、ハートカム溝46は、本体40の左側面後部に形成される溝である。ハートカム溝46は、左側面視で略ハート状である(図8参照)。また、ハートカム溝46の底部には複数の段差部が形成される。ハートカム溝46の詳細については後述する。
図1および図2に示す如く、本実施形態の磁石50は直方体形状の永久磁石である。磁石50を構成する永久磁石の種類は特に限定されず、既存の永久磁石により達成することが可能である。
二つの吸着片60・60は、それぞれ略板状に形成される。二つの吸着片60・60の前端部は、それぞれ板面に対して垂直に折り曲げられる。また、二つの吸着片60・60には、それぞれ前端部が折り曲げられる方向と反対の面に略円環状の突起部が形成される。このような二つの吸着片60・60は、適宜の金属材料によって構成される。
磁石50は、二つの吸着片60・60に固定される。より詳細には、磁石50は、二つの吸着片60・60に上下方向より挟まれた状態で相対移動不能に固定される。かかる二つの吸着片60・60は、それぞれ突起部を一対の貫通孔44・44(図4参照)に嵌め込まれることで、本体40に対して相対移動不能に固定される。このとき、二つの吸着片60・60の前端部は、それぞれ本体40の頭部41より前方向に突出する。
図2に示す如く、係合ピン70は、略円柱状に形成される。係合ピン70の軸線方向(本実施形態では、前後方向)の両端部は、それぞれ係合ピン70の軸線方向(前後方向)に対して垂直に折り曲げられる。係合ピン70の折り曲げられる後端部は、係止端部71となる。また、係合ピン70の折り曲げられる前端部は、摺動端部72となる。
係合ピン70の係止端部71は、第二収容孔21の後端部より外部に突出させて、ピン係止孔27に係止される。一方、係合ピン70の摺動端部72は、ハートカム溝46に係合する。このとき、図2および図8に示す如く、係合ピン70の後端部は、ハートカム溝46を摺動可能となる。
図2に示す如く、脱落防止リング80は、略棒状の部材を螺旋状に折り曲げて形成される。脱落防止リング80は、第二ケース部材20の突出部26および係合ピン70に巻回される。これにより、脱落防止リング80は、係合ピン70が第二ケース部材20および摺動部材30より脱落することを防止する。
以下では、バネ90について説明する。
バネ90は、摺動部材30を後方向より前方向に向かう方向(第二収容孔21の開口部分から突出する方向)に付勢するものである。バネ90は、例えば、バネ鋼からなる丸棒を螺旋状に成形することにより得られる圧縮コイルバネ等によって構成される。バネ90は、後端部が第二ケース部材20のバネ係止部28に係止されるとともに、前端部が本体40の切欠部45の前端部に当接する。すなわち、バネ90は、摺動部材30の本体40を後方向より前方向に向かう方向に付勢する。
以下では、摺動部材30の摺動について説明する。
図2および図5に示す如く、摺動部材30は、第二収容孔21より外部に突出する部分(例えば、本体40の頭部41および二つの吸着片60・60の前端部等)を前方向より後方向に向かう方向に押し付ける動作を行ったときに、前方向より後方向に向かう方向に摺動する。そして、摺動部材30は、図2に示すような第二収容孔21に引き込まれる状態および図6に示すような第二収容孔21より突出する状態を交互に切り替える。このような切替は、ハートカム溝46を係合ピン70の摺動端部72が摺動することによって行われる。
図4および図8に示す如く、ハートカム溝46は、ロック地点46a、第一切替地点46b、規制地点46c、オープン地点46d、および第二切替地点46eを通るような連続した溝である。
図4および図8(a)に示す如く、ロック地点46aは、ハートカム溝46の前部の地点である。ロック地点46aにおいてハートカム溝46の後側部は、後部に窪むような略円弧状に形成される。すなわち、係合ピン70の摺動端部72は、ハートカム溝46のロック地点46aまで摺動したときに、ハートカム溝46に係合する。
このように、ロック地点46aに係合ピン70の摺動端部72が係合されているとき、摺動部材30は、図2に示すような第二収容孔21に引き込まれた状態となる。
図4および図8(b)に示す如く、第一切替地点46bは、ロック地点46aの下前部の地点である。第一切替地点46bにおいてハートカム溝46の底部には、係合ピン70の摺動端部72がロック地点46aに向かって摺動できないような段差部が形成される。すなわち、係合ピン70の摺動端部72は、ロック地点46aより第一切替地点46bに向かって摺動可能となるとともに、第一切替地点46bよりロック地点46aに向かって摺動不能となる。
これによれば、図5および図8(b)に示す如く、第二収容孔21に引き込まれた状態の摺動部材30を前方向より後方向に向かう方向に押し付ける動作を行ったとき、係合ピン70の摺動端部72は、第一切替地点46bに向かって摺動する。
図4および図8(c)に示す如く、規制地点46cは、第一切替地点46bの後方の地点である。規制地点46cにおいてハートカム溝46の底部には、係合ピン70の摺動端部72が第一切替地点46bに向かって摺動できないような段差部が形成される。すなわち、係合ピン70の摺動端部72は、第一切替地点46bより規制地点46cに向かって摺動可能となるとともに、規制地点46cより第一切替地点46bに向かって摺動不能となる。
すなわち、図8(c)に示す如く、第一切替地点46bまで摺動した係合ピン70の摺動端部72は、摺動部材30を押し付ける動作を行った後、バネ90の付勢力によって、規制地点46cに向かって摺動する。
図4および図8(c)に示す如く、オープン地点46dは、ハートカム溝46の後端部の地点である。オープン地点46dにおいてハートカム溝46の後側部は、下後部に窪むような略円弧状に形成される。
すなわち、規制地点46cまで摺動した係合ピン70の摺動端部72は、バネ90の付勢力によって、オープン地点46dに向かって摺動する。そして、係合ピン70の摺動端部72は、ハートカム溝46のオープン地点46dまで摺動したときに、ハートカム溝46に係合する。このように、オープン地点46dに係合ピン70の摺動端部72が係合されているとき、摺動部材30は、図6に示すような第二収容孔21より突出した状態となる。
図4および図8(d)に示す如く、第二切替地点46eは、ハートカム溝46の上前端部の地点である。第二切替地点46eにおいてハートカム溝46の底部には、係合ピン70の摺動端部72がオープン地点46dに向かって摺動できないような段差部が形成される。すなわち、係合ピン70の摺動端部72は、オープン地点46dより第二切替地点46eに向かって摺動可能となるとともに、第二切替地点46eよりオープン地点46dに向かって摺動不能となる。
すなわち、図5および図8(d)に示す如く、第二収容孔21より突出した状態の摺動部材30を前方向より後方向に向かう方向に押し付ける動作を行ったとき、係合ピン70の摺動端部72は、第二切替地点46eに向かって摺動する。
また、ロック地点46aにおいてハートカム溝46の底部には、係合ピン70の摺動端部72が第二切替地点46eに向かって摺動できないような段差部が形成される。すなわち、係合ピン70の摺動端部72は、第二切替地点46eよりロック地点46aに向かって摺動可能となるとともに、ロック地点46aより第二切替地点46eに向かって摺動不能となる。
すなわち、第二切替地点46eまで摺動した係合ピン70の摺動端部72は、摺動部材30を押し付ける動作を行った後、バネ90の付勢力によって、ロック地点46aに向かって摺動する。そして、係合ピン70の摺動端部72は、ハートカム溝46のオープン地点46dまで摺動したときに、ハートカム溝46に係合する。このように、オープン地点46dに係合ピン70の摺動端部72が係合されているとき、摺動部材30は、図2に示すような第二収容孔21に引き込まれた状態となる。
図8に示す如く、係合ピン70の摺動端部72は、ロック地点46a、第一切替地点46b、規制地点46c、オープン地点46d、第二切替地点46eの順に摺動する。これにより、摺動部材30は、図2に示すような第二収容孔21に引き込まれる状態および図6に示すような第二収容孔21より突出する状態を交互に切り替えることができる。
また、係合ピン70の摺動端部72が摺動したとき、係合ピン70は、係止端部71を回動中心として、上下方向に摺動する。すなわち、第二収容孔21の後端部側の開口部分は、係合ピン70の摺動端部72が摺動したときに、かかる摺動に干渉しない程度に開口する。
以下では、プッシュラッチ1の取付について説明する。
図2に示す如く、プッシュラッチ1は、第一ケース部材10を対象物100の取付孔103に嵌装することにより、対象物100に取り付けられる。このとき、第一ケース部材10は、フランジ部13aの後面と対象物100の前面とが当接するまで挿入される。第一ケース部材10の二つの突起部13b・13bは、対象物100の取付孔103の内径を大きくするように対象物100を弾性変形される。そして、第一ケース部材10の二つの突起部13b・13bが対象物100に挿入されたとき、換言すれば、第一ケース部材10の二つの突起部13b・13bが対象物100の内側に配置されたとき、フランジ部13aの後面と対象物100の前面とが当接する。
これにより、対象物100の取付孔103と第一ケース部材10の二つの突起部13b・13bとが係合するため、第一ケース部材10は、対象物100の取付孔103に対して前後方向に相対移動不能に取り付けられる。言い換えれば、係合部13は、第一ケース部材10を対象物100の取付孔103に嵌装したときに、プッシュラッチ1を対象物100に対して相対移動不能に係止する。
これによれば、工具を用いることなくプッシュラッチ1を対象物100の取付孔103に取り付けることができる。また、プッシュラッチ1の取付に際して、別途ネジ等の部材を用いることなくプッシュラッチ1を取り付けることができるため、プッシュラッチ1を狭い場所に取り付けることができる。
また、第一ケース部材10の係合部13の構成は、本実施形態に限定されるものでない。係合部13は、プッシュラッチ1を対象物100の取付孔103に嵌装したときにプッシュラッチ1を対象物100に対して相対移動不能に係止できる構成であればよい。すなわち、係合部13は、フランジ部13a、溝部、および突起部を形成する構成であっても構わない。かかる溝部は、第一ケース部材10の外周面に形成される。また、突起部は、第一ケース部材10の径方向内側に押し付けられたときに、溝部に嵌まるように形成される。
この場合、第一ケース部材10を対象物100の取付孔103に挿入するときに、突起部は、弾性変形して、溝部に収容される。そして、フランジ部13aの後面と対象物100の前面とが当接したときに、突起部が溝部より突出する。これにより、プッシュラッチ1を対象物100に対して相対移動不能に取り付けることができる。
また、第一ケース部材10の係合部13は、第一ケース部材10の外周面に複数の溝を形成する構成であっても構わない。この場合、対象物100の取付孔103の内径を、第一ケース部材10の外径よりやや小さくすることにより、第一ケース部材10は、対象物100の取付孔103に嵌装したとき、対象物100の取付孔103と複数の溝との間に発生する摩擦力が大きくなる。このため、プッシュラッチ1を対象物100に対して相対移動不能に取り付けることができる。
以下では、扉101の開閉動作について説明する。
図2に示す如く、対象物100の扉101には、扉101を閉じたときにプッシュラッチ1と接触する位置に、磁力によって吸着される被吸着部102が形成される。
プッシュラッチ1と扉101とが接触したとき、プッシュラッチ1は、扉101の被吸着部102を磁力により吸着する。これにより、プッシュラッチ1は、扉101を閉じた状態で保持する。すなわち、係合ピン70の摺動端部72は、図8(a)に示す如く、ロック地点46aに係合される。
このとき、扉101の被吸着部102は、二つの吸着片60・60と接触する。言い換えれば、磁石50は、二つの吸着片60・60を介して、扉101の被吸着部102を吸着する。これによれば、磁石50と扉101の被吸着部102とが直接接触した際に、その衝撃によって、磁石50が破損することを防止できる。
このように、本実施形態の磁石50および二つの吸着片60・60を含む構成は、本発明に係る所定の対象物に形成される被吸着部を本体に磁力により吸着させるための吸着部として機能する。
図2に示すような閉じた状態の扉101を対象物100に押し付ける動作を行った場合、図5に示す如く、摺動部材30は、第二収容孔21の内部へ引き込まれる方向(後方)に摺動する。すなわち、係合ピン70の摺動端部72は、図8(b)に示す如く、第一切替地点46bに摺動する。
図5に示すような扉101を対象物100に押し付ける動作を行った後、図6に示す如く、摺動部材30は、バネ90の付勢力によって摺動部材30が外部へ突出する方向(前方)に勢いよく摺動する。すなわち、係合ピン70の摺動端部72は、図8(c)に示す如く、オープン地点46dに係合される。これにより、プッシュラッチ1は、扉101を閉じた状態から扉101を開いた状態に切り替える。つまり、扉101を閉じた状態は、摺動部材30が第二収容孔21に引き込まれた状態に対応する。
図6に示すような開いた状態の扉101を対象物100に押し付ける動作を行った場合、図5に示す如く、摺動部材30は、第二収容孔21の内部へ引き込まれる方向(後方)へ摺動する。すなわち、係合ピン70の摺動端部72は、図8(d)に示す如く、第二切替地点46eに摺動する。
図5に示すような、扉101を対象物100に押し付ける動作を行った後、図2に示す如く、摺動部材30は、バネ90の付勢力によって摺動部材30が外部へ突出する方向(前方)に摺動する。このとき、係合ピン70の摺動端部72は、図8(a)に示す如く、ロック地点46aに係合される。このとき、第二切替地点46eからロック地点46aまでの距離が短いため、摺動部材30は、扉101を吸着した状態で、その摺動が係止される。これにより、プッシュラッチ1は、扉101を開いた状態から扉101を閉じた状態に切り替える。つまり、扉101を開いた状態は、摺動部材30が第二収容孔21より突出する状態に対応する。
以下では、摺動部材30の二つの吸着片60・60と扉101の被吸着部101との吸着位置(以下、「吸着位置」いう)の調節について説明する。
前述のように、第二ケース部材20は、雄ネジ部25が第一ケース部材10の雌ネジ部12と螺合することによって、第一収容孔11に収容される。すなわち、図2および図7に示す如く、第二ケース部材20は、頭部22を第一ケース部材10に対して回転させることによって、第一ケース部材10の長手方向(前後方向)に沿って移動する。このとき、摺動部材30は、第二ケース部材20の回転にともなって回転する。つまり、摺動部材30は、第二ケース部材20の移動にともなって移動する(第二収容孔21の長手方向(前後方向)に摺動する)。これにより、プッシュラッチ1は吸着位置を調節できる。
ここで、第二ケース部材20は、前述のように、所定の大きさ以上の回転力を加えたときに、第一ケース部材10に対する第二ケース部材20の回転が許容される構成である。
このため、繰り返し扉101を対象物100に対して押し付ける動作を行ううちに、第二ケース部材20が第一ケース部材10に対して徐々に相対回転し、意図しない形で二つの吸着片60・60の位置がずれることを防止できる。
なお、回転規制機構は、二つの係合凸部12a・12aおよび四つの係合凹部12b・12b・12b・12bによって構成したが、これに限定されるものでない。すなわち、回転規制機構は、繰り返し扉101を対象物100に対して押し付ける動作を行ううちに、第二ケース部材20が第一ケース部材10に対して徐々に相対回転しない程度に、第一ケース部材10に対する第二ケース部材20の回転を規制する構成であればよい。つまり、回転規制機構は、雌ネジ部12のネジ山を横切る形で第一ケース部材10の内周面上に窪み(溝)が形成されるとともに、第二ケース部材20の外周面上に第二収容孔21の長手方向(前後方向)に伸びた形状を有する突起(凸条)が形成される構成であっても構わない。
第二ケース部材20の頭部22には、ローレット溝23が形成されているため、第二ケース部材20の頭部22の外周面が扁平な面である場合と比較して、第二ケース部材20を回転させやすい構成となる。つまり、本実施形態のプッシュラッチ1は、吸着位置を容易に調整可能な構成となる。
なお、ローレット溝23の形状は特に限定されるものでない。すなわち、ローレット溝23は、第二ケース部材20の頭部22を回転しやすくなるような形状であればよく、例えば、第二ケース部材20の長手方向(前後方向)に対して所定の角度傾斜するような溝であっても構わない。
また、本体40は、前述のように、摺動部材30が第二ケース部材20に対して前後方向に摺動することが許容されるとともに、摺動部材30が第二ケース部材20に対して前後方向の軸を中心に相対回転することが規制される構成である。すなわち、第二ケース部材20は、摺動部材30の本体40の回転にともなって相対回転することが規制される構成である。
このため、プッシュラッチ1は、摺動部材30の第二収容孔21より突出する端部(例えば、本体40の頭部41等)を回転させることによって、吸着位置を調節できる。
なお、本実施形態において、摺動部材30を第二ケース部材20に対して相対回転することを規制する構成は、四つのガイド溝21a・21a・21a・21aおよび四つのガイド突起部21b・21b・21b・21bとしたが、これに限定されるものでない。すなわち、かかる構成は、摺動部材30の本体40の胴体部42の形状を角型形状とし、第二収容孔21を摺動部材30の本体40の胴体部42の形状に対応する角型形状としても構わない。このような、角型形状としては、例えば、四角形および六角形等がある。
また、プッシュラッチ1は、図9に示す如く、摺動部材30に吸着部(本実施形態では、磁石50および二つの吸着片60・60)を覆う取付部材63を備える構成であっても構わない。取付部材63は、本体40の頭部41より本体40の軸線方向(前後方向)に沿って外側に突出するように、本体40の頭部41に取り付けられる。
このような取付部材63を取り付けた場合、吸着部(磁石50および二つの吸着片60・60)は外気と接触しない。このため外気によって吸着部(磁石50および二つの吸着片60・60)が錆び易い環境、例えば、湿度が高い環境に設置される対象物100にプッシュラッチ1を取り付けた場合において、プッシュラッチ1の吸着部(磁石50および二つの吸着片60・60)が錆びることを防止できる。このような対象物100としては、例えば、洗面台に設置されるキャビネット等がある。また、吸着部(磁石50および二つの吸着片60・60)が扉101の被吸着部102と直接当接しないため、プッシュラッチ1は、摺動部材30の耐久性を向上できる。
なお、取付部材63は、本体40の頭部41より外側に向かって突出する突起部を形成することによって、本体40に一体的に形成するような構成であっても構わない。
また、本実施形態の取付部材63は、本体40の頭部41に取り付ける構成であったが、これに限定されるものでない。すなわち、取付部材63は、吸着部(磁石50および二つの吸着片60・60)が外気と接触することを防止できればよく、例えば、第二ケース部材20の頭部22に取り付ける構成であっても構わない。
また、取付部材63を取り付けた場合において、扉101の被吸着部102は、取付部材63と接触する。すなわち、プッシュラッチ1は、磁石50と扉101の被吸着部102とが直接接触しない構成となる。このような場合においては、プッシュラッチ1は、二つの吸着片60・60を備えない構成であっても構わない。この場合、磁石50および取付部材63を含む構成が、本発明に係る吸着部として機能する。
このように、プッシュラッチ1は、少なくとも一端部が開口している第一収容孔11が形成され、第一収容孔11の内周面に雌ネジ部12が形成されるとともに、対象物100に形成される取付孔103に嵌装されたときに対象物100に対して相対移動不能に係合する係合部13が形成される第一ケース部材10と、外周面に雄ネジ部25が形成され、雄ネジ部25を第一ケース部材10の雌ネジ部12に螺合することにより第一収容孔11に収容されるとともに、第一ケース部材10の一端部側に開口する第二収容孔21が形成される第二ケース部材20と、第二収容孔21に収容されることにより、第二収容孔21の長手方向(前後方向)に摺動可能に第二ケース部材20に支持される摺動部材30と、第二収容孔21に収容され、摺動部材30を第二収容孔21の開口部分から突出する方向(後方向より前方向に向かう方向)に付勢するバネ90と、を具備し、摺動部材30は、第二収容孔21の長手方向(前後方向)に摺動可能に収容され、バネ90により付勢されるとともにハートカム溝46が形成される本体40と、本体40において第二収容孔21から突出する方の端部(頭部41)に配置され、対象物100(扉101)の被吸着部102を本体40に磁力により吸着させるための吸着部(磁石50および二つの吸着片60・60)と、一端部(係止端部71)が第二ケース部材20に係止されるとともに他端部(摺動端部72)がハートカム溝46に係合する係合ピン70と、を備えるものである。
このように構成することにより、工具を用いることなく対象物100にプッシュラッチ1を取り付けることができる。また、ネジ等の取付金具を用いてプッシュラッチ1を取り付ける場合と比較して、狭い場所に取り付けることができる。さらに、プッシュラッチ1と対象物100が備える扉101との吸着位置を調節できる。
このように、プッシュラッチ1は、第二ケース部材20に所定の大きさ以上のトルクを加えた場合には第二ケース部材20の回転を許容し、第二ケース部材20に所定の大きさのトルクよりも小さいトルクを加えた場合には第二ケース部材20の回転を規制する回転規制機構を具備するものである。
また、回転規制機構は、第一収容孔11の内周面および第二ケース部材20の外周面のいずれか一方に形成された二つの係合凸部12a・12aと、第一収容孔11の内周面および第二ケース部材20の外周面のいずれか他方に形成された四つの係合凹部12b・12b・12b・12bと、を有するものである。
このように構成することにより、繰り返し扉101を対象物100に対して押し付ける動作を行ううちに、二つの吸着片60・60の向きがずれることを防止できる。つまり、プッシュラッチ1を適用した対象物100の美観を向上できる。
このように、摺動部材30は、吸着部(磁石50および二つの吸着片60・60)を覆うことにより吸着部が外気と接触することを防止する取付部材63を備えるものである。
このように構成することにより、外気によって吸着部(磁石50および二つの吸着片60・60)が錆び易い環境に設置される対象物100にプッシュラッチ1を適用できる。また、摺動部材30の耐久性を向上できる。つまり、プッシュラッチ1の耐久性を向上できる。
このように、プッシュラッチ1は、第二ケース部材20において第二収容孔21が開口している側の端部(前端部)であって第一ケース部材10の外部に突出している部分(頭部22)の外周面には、ローレット溝23が形成されるものである。
このように構成することにより、プッシュラッチ1の吸着位置を容易に調節できる。
このように、摺動部材30は、第二ケース部材20に対して相対回転不能に摺動するものである。
また、プッシュラッチ1は、摺動部材30の本体40において第二収容孔21に収容される部分を角型形状とし、第二ケース部材20に形成される第二収容孔21を摺動部材30の本体40において第二収容孔21に収容される部分に対応する角型形状とするものである。
このように構成することにより、摺動部材30を回転させることによって、プッシュラッチ1の吸着位置を調節できる。
なお、第一ケース部材10の第一収容孔11は、第一ケース部材10の両端部が開口される形状であったが、これに限定されるものでない。すなわち、第一ケース部材10の第一収容孔11は、第二ケース部材20を収容可能であればよく、例えば、前端部が開口されるとともに、後端部が閉塞される形状であっても構わない。
また、第二ケース部材20の第二収容孔21は、第二ケース部材20の両端部が開口されることによって形成したが、これに限定されるものでない。すなわち、第二ケース部材20は、第二収容孔21に摺動部材30を収容可能であればよく、例えば、第二ケース部材20の前端部が開口されるとともに、後端部が閉塞される形状であっても構わない。
また、摺動部材30のガイド孔43は、本体40の前端部が開口されることによって形成したが、これに限定されるものでない。すなわち、摺動部材30のガイド孔43は、本体40に二つの吸着片60・60を取付可能であるとともに、本体40にハートカム溝46を形成可能であればよく、例えば、摺動部材30の本体40の両端部が開口される形状であっても構わない。
また、本実施形態において、ハートカム溝46および係合ピン70によって摺動部材30の摺動を係止する構成としたが、これに限定されるものでない。すなわち、摺動部材30の摺動を係止する構成は、二つの吸着片60・60の向きおよび吸着位置等がずれないような適宜の構成であればよい。
1 プッシュラッチ
10 第一ケース部材
11 第一収容孔
12 雌ネジ部
12a 係合凸部
12b 係合凹部
13 係合部
20 第二ケース部材
21 第二収容孔
25 雄ネジ部
30 摺動部材
46 ハートカム溝
70 係合ピン
71 係止端部
72 摺動端部
90 バネ
100 対象物
102 被吸着部
103 取付孔

Claims (7)

  1. 少なくとも一端部が開口している第一収容孔が形成され、前記第一収容孔の内周面に雌ネジ部が形成されるとともに、所定の対象物に形成される取付孔に嵌装されたときに前記対象物に対して相対移動不能に係合する係合部が形成される第一ケース部材と、
    外周面に雄ネジ部が形成され、前記雄ネジ部を前記第一ケース部材の雌ネジ部に螺合することにより前記第一収容孔に収容されるとともに、前記第一ケース部材の一端部側に開口する第二収容孔が形成される第二ケース部材と、
    前記第二収容孔に収容されることにより、前記第二収容孔の長手方向に摺動可能に前記第二ケース部材に支持される摺動部材と、
    前記第二収容孔に収容され、前記摺動部材を第二収容孔の開口部分から突出する方向に付勢するバネと、
    を具備し、
    前記摺動部材は、
    前記第二収容孔の長手方向に摺動可能に収容され、前記バネにより付勢されるとともにハートカム溝が形成される本体と、
    前記本体において前記第二収容孔から突出する方の端部に配置され、前記所定の対象物の被吸着部を前記本体に磁力により吸着させるための吸着部と、
    一端部が前記第二ケース部材に係止されるとともに他端部が前記ハートカム溝に係合する係合ピンと、
    を備えるプッシュラッチ。
  2. 前記第二ケース部材に所定の大きさ以上のトルクを加えた場合には前記第二ケース部材の回転を許容し、前記第二ケース部材に前記所定の大きさのトルクよりも小さいトルクを加えた場合には前記第二ケース部材の回転を規制する回転規制機構を具備する請求項1に記載のプッシュラッチ。
  3. 前記回転規制機構は、
    前記第一収容孔の内周面および第二ケース部材の外周面のいずれか一方に形成された係合凸部と、
    前記第一収容孔の内周面および第二ケース部材の外周面のいずれか他方に形成された係合凹部と、
    を有する請求項2に記載のプッシュラッチ。
  4. 前記摺動部材は、
    前記吸着部を覆うことにより前記吸着部が外気と接触することを防止する取付部材を備える請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のプッシュラッチ。
  5. 前記第二ケース部材において前記第二収容孔が開口している側の端部であって前記第一ケース部材の外部に突出している部分の外周面には、ローレット溝が形成される請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のプッシュラッチ。
  6. 前記摺動部材は、
    前記第二ケース部材に対して相対回転不能に摺動する請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のプッシュラッチ。
  7. 前記摺動部材の本体において前記第二収容孔に収容される部分を角型形状とし、
    前記第二ケース部材に形成される第二収容孔を前記摺動部材の本体において前記第二収容孔に収容される部分に対応する角型形状とする請求項6に記載のプッシュラッチ。
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