JP2010270251A - 塗料用組成物及び該塗料用組成物が塗装された電子機器筐体 - Google Patents

塗料用組成物及び該塗料用組成物が塗装された電子機器筐体 Download PDF

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Abstract

【課題】均一で透明な、密着性の高い塗膜を得ることができる塗料用組成物の提供。
【解決手段】開示の塗料用組成物は、ポリ乳酸50質量%〜85質量%と、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれか15質量%〜50質量%とを含むバインダー樹脂を含有することを特徴とする。バインダー樹脂における、ポリ乳酸の含有量が50質量%〜70質量%であり、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれかの含有量が30質量%〜50質量%である態様、溶剤をさらに含む態様、などが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料用組成物及び該塗料用組成物が塗装された電子機器筐体に関する。
近年、環境への配慮から、ノートパソコンや携帯電話などの電子機器に対して、環境負荷の低減が求められている。そのため、電子機器の筐体材料として、トウモロコシ等の植物系素材を原料としたポリ乳酸を改良した材料が用いられている。しかしながら、電子機器の筐体の接着及び塗装には、エポキシ等の石油を原料とする樹脂が主成分として用いられており、環境負荷の低い材料である植物系素材の適用が求められている。
植物系素材をを原料としたものとして、ポリ乳酸系樹脂と、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂とを含有する接着剤(例えば、特許文献1参照)、セルロース、澱粉、などを含有する塗料用組成物(例えば、特許文献2〜5参照)、ポリ乳酸及びジオキソラン溶剤を含有する塗料用組成物(例えば、特許文献6参照)、ポリ乳酸を含有する水性塗料エマルション(例えば、特許文献7参照)、などがある。
中でも、ポリ乳酸を含有する水性塗料エマルションは、植物性の素材を含有することに加えて、水性塗料であることから、揮発性有機化合物(VOC)を削減して、環境負荷を大幅に低減できる。
しかしながら、電子機器筐体の基材は、通常、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂のアロイ(PC−ABS樹脂)、ポリ乳酸を主成分とする植物性樹脂、などを含み、この電子機器筐体の基材に、前記ポリ乳酸を含有する水性塗料エマルションを塗布して、加熱乾燥すると、得られる塗膜が不均一で白濁してしまい、さらに密着性が低くなってしまうという問題があった。
図1Aに、従来の塗料用組成物(ポリ乳酸エマルション11及び水12)の分散状態の一例を示し、図1B及び図1Cに、従来の塗料用組成物を、PC−ABS樹脂の平板13にロールコータで塗布して、乾燥させた状態の一例を示すが、不均一かつ白濁しており、筐体の塗装用として適用できるものではなかった。
特開2008−127403号公報 特開2002−129094号公報 特開2004−224887号公報 特開2006−282960号公報 特開平6−346015号公報 特開2003−261752号公報 特開2004−277681号公報
本発明は、均一で透明な、密着性の高い塗膜を得ることができる塗料用組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、環境負荷を小さくすることができる電子機器筐体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、後述する付記に記載した通りである。
即ち、開示の塗料用組成物は、ポリ乳酸50質量%〜85質量%と、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれか15質量%〜50質量%とを含むバインダー樹脂を含有する。
開示の塗料用組成物によれば、従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、均一で透明な、密着性の高い塗膜を得ることができる。
また、開示の電子機器筐体によれば、従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、環境負荷を小さくすることができる。
図1Aは、従来の塗料用組成物の分散状態の一例を示す図である。 図1Bは、従来の塗料用組成物を、PC−ABS樹脂の平板にロールコータで塗布して、乾燥させた状態の一例を示す図である(その1)。 図1Cは、従来の塗料用組成物を、PC−ABS樹脂の平板にロールコータで塗布して、乾燥させた状態の一例を示す図である(その2)。 図2Aは、本発明の塗料用組成物の分散状態の一例を示す図である。 図2Bは、本発明の塗料用組成物を、PC−ABS樹脂の平板にロールコータで塗布して、乾燥させた状態の一例を示す図である(その1)。 図2Cは、本発明の塗料用組成物を、PC−ABS樹脂の平板にロールコータで塗布して、乾燥させた状態の一例を示す図である(その2)。 図3Aは、電子機器筐体の一例としてのLCDフロントカバーの写真である。 図3Bは、電子機器筐体の一例としてのLCDバックカバーの写真である。 図3Cは、電子機器筐体の一例としてのアッパカバーの写真である。 図3Dは、電子機器筐体の一例としてのロアカバーの写真である。
(塗料用組成物)
本発明の塗料用組成物は、少なくとも、バインダー樹脂を含有してなり、水、溶剤、さらに必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
前記塗料用組成物は、例えば、図2Aに示すように、ポリ乳酸粒子11と、ウレタン樹脂粒子21と、水12と、溶剤22とを含む。また、前記塗料用組成物を、PC−ABS樹脂の平板13にロールコータで塗布して、乾燥させた状態の一例を図2B及び図2Cに示すが、均一で透明な、密着性の高い塗膜を得ることができ、筐体の塗装用として適用できる。
<バインダー樹脂>
前記バインダー樹脂は、少なくとも、ポリ乳酸と、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれかとを含み、さらに必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
なお、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂は、それらのエマルションがポリ乳酸エマルションと相溶するものを選択する。
<<ポリ乳酸>>
前記ポリ乳酸としては、特に制限はなく、例えば、とうもろこし、イモ類、さとうきび、などの植物由来のポリ乳酸であればよい。
前記ポリ乳酸は、塗料用組成物においてエマルションの状態で存在することが好ましい。
前記ポリ乳酸の含有量としては、前記バインダー樹脂において、50質量%〜85質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%〜70質量%が好ましく、50質量%〜65質量%がより好ましい。
前記ポリ乳酸の含有量が、50質量%未満であると、環境負荷低減効果が少なくなり、85質量%を超えると、十分な密着性が得られないことがある。
一方、前記ポリ乳酸の含有量が、50質量%〜65質量%であると、透明性、密着性及び硬度の点で有利である。
<<ウレタン樹脂>>
前記ウレタン樹脂は、塗料用組成物においてエマルションの状態で存在することが好ましい。
前記ウレタン樹脂の含有量としては、前記バインダー樹脂において、15質量%〜50質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30質量%〜50質量%が好ましく、35質量%〜50質量%がより好ましい。
前記ウレタン樹脂の含有量が、15質量%未満であると、十分な密着性が得られないことがあり、50質量%を超えると、ポリ乳酸を使用することによる環境負荷低減効果が少なくなる。
一方、前記ウレタン樹脂の含有量が、35質量%〜50質量%であると、透明性、密着性及び硬度の点で有利である。
前記アクリル樹脂は、塗料用組成物においてエマルションの状態で存在することが好ましい。
前記アクリル樹脂の含有量としては、前記バインダー樹脂において、15質量%〜50質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30質量%〜50質量%が好ましく、35質量%〜50質量%がより好ましい。
前記アクリル樹脂の含有量が、15質量%未満であると、十分な密着性が得られないことがあり、50質量%を超えると、ポリ乳酸を使用することによる環境負荷低減効果が小さくなる。
一方、前記アクリル樹脂の含有量が、35質量%〜50質量%であると、透明性、密着性及び硬度の点で有利である。
前記エマルション中の固形分比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30質量%〜40質量%であることが好ましい。
<溶剤>
前記溶剤としては、エマルションと混ざり合い、水分よりも蒸発が遅いものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、などが挙げれる。中でも、沸点が100℃以上である溶剤(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃))が好ましい。沸点が100℃以上である溶剤を添加することにより、熱乾燥・塗膜化する際に、水分が蒸発した後にも溶剤が残り、その溶剤の効果により樹脂粒子同士が融着しやすくなって、より均一で透明性の高い膜が得られやすくなる。
前記溶剤を、バインダー樹脂100質量部に対し、0質量部超10質量部未満含むことが好ましい。
前記溶剤が、バインダー樹脂100質量部に対し、0質量部であると、樹脂の配合比によっては密着性が不十分であったり、透明性が不十分になることがあり、10質量部以上であると、乾燥時に溶剤成分が完全に揮発せずに、膜中に残留する分が多くなり、膜の硬度が下がることがある。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、架橋剤、可塑剤、界面活性剤、粘度調整剤、無機質材料、レベリング剤、増粘剤、分解安定剤、防腐剤、などが挙げられる。
<塗装方法>
本発明の塗料用組成物の塗装方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロールコーター法、バーコーター法、スプレー法、ディッピング法、などが挙げられる。
(電子機器筐体)
本発明の電子機器筐体としては、本発明の塗料用組成物が塗装されたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、LCDフロントカバー(図3A)、LCDバックカバー(図3B)、アッパカバー(図3C)、ロアカバー(図3D)、などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。
(実施例1)
<ポリ乳酸エマルションの準備>
ポリ乳酸エマルション(商品名:PLATICA、製造会社名:東邦化学工業)を準備した。
<ウレタン樹脂エマルションの準備>
ウレタンエマルション(商品名:WBR、製造会社名:大成ファインケミカル)を準備した。
<塗料用組成物Aの調製>
調製したポリ乳酸エマルション及びウレタン樹脂エマルションを、表1に示すように、固形分の質量比が50:50となるように配合し、塗料用組成物Aを調製した。
なお、エマルションとは、水の中に樹脂粒子が分散している状態を示す。固形分比を考慮して、ポリ乳酸エマルションとウレタン樹脂エマルションを単純に混合した。
<塗料用組成物Aの塗装>
調製した塗料用組成物Aを厚さ1mmのPC−ABS樹脂板にスプレー塗装して、80℃で40分間加熱乾燥した。塗料用組成物Aを塗装して得られた塗膜について、下記の評価方法により、密着性評価、外観評価及び鉛筆硬度評価を行った。評価結果を表1に示す。
<密着性評価>
JIS K5400−8.5(旧JIS;2002年に廃止、K5600に移行)に基づき、カッターナイフの刃は常に新しいものを使用し、素地まで到達する切込みを1mm間隔で11本入れた後、90°向きを変えてさらに切込みを11本入れた。カットした塗膜面に約50mm付着するように粘着テープを貼りつけ、消しゴムでこすって塗膜にテープを付着させた。テープを付着させてから1分間〜2分間後にテープの端を持って塗膜面に直角に保ち、瞬間的に引き剥がした。100マス中、剥離せずに残っているマス目の数で評価した。なお、K5600においては、25マスで評価している。
<外観評価>
得られた塗膜の透明性について、目視で外観評価を行った。
<鉛筆硬度評価>
試験を行う鉛筆を芯が傷のない滑らかな円柱状になるように注意して木部を除き、芯を5mm〜6mm露出させ、鉛筆の芯先を、固い平らな面に置いた研磨紙に対し直角にあて、芯先が平らで角が鋭くなるように研いだ。研いだ芯を試験対象となる塗膜面に対して45°にあて、手前から奥に押出す方向に7mm以上引っ掻き、塗膜が破れるかを調べた。塗膜が破れない最も硬い鉛筆の硬度を塗膜の鉛筆硬度として、評価を行った。なお、鉛筆硬度は、H以上であることが好ましい。
(実施例2)
実施例1において、ポリ乳酸エマルション及びウレタン樹脂エマルションを、表1に示すように、固形分の質量比が50:50となるように配合し、塗料用組成物Aを調製する代わりに、ポリ乳酸エマルション及びウレタン樹脂エマルションを、表1に示すように、固形分の質量比が60:40となるように配合し、塗料用組成物Bを調製した以外は、実施例1と同様にして、塗料用組成物Bの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、ポリ乳酸エマルション及びウレタン樹脂エマルションを、表1に示すように、固形分の質量比が50:50となるように配合し、塗料用組成物Aを調製する代わりに、ポリ乳酸エマルション及びウレタン樹脂エマルションを、表1に示すように、固形分の質量比が80:20となるように配合し、塗料用組成物Cを調製した以外は、実施例1と同様にして、塗料用組成物Cの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、ポリ乳酸エマルション及びウレタン樹脂エマルションを、表1に示すように、固形分の質量比が50:50となるように配合し、塗料用組成物Aを調製する代わりに、ポリ乳酸エマルション及びウレタン樹脂エマルションを、表1に示すように、固形分の質量比が90:10となるように配合し、塗料用組成物Dを調製した以外は、実施例1と同様にして、塗料用組成物Dの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を行った。評価結果を表1に示す。
塗料用組成物Dによる塗膜(バインダー樹脂におけるウレタン樹脂の含有量10%)では、十分な密着性が得られず、白濁したのに対し、塗料用組成物Cによる塗膜(バインダー樹脂におけるウレタン樹脂の含有量が20%)では、密着性が良好であり、外観にやや白味が残ったが許容範囲であった。また、塗料用組成物A、B、Cによる塗膜では、鉛筆硬度Hが得られ、塗料用組成物Dによる塗膜では、鉛筆硬度HBが得られた。塗料用組成物Dによる塗膜の鉛筆硬度がHBであるのは、剥離の状態から、塗膜の硬度が柔らかいのではなく、密着不足によるものと考えられた。
(実施例4)
<アクリル樹脂エマルションの準備>
アクリルエマルション(商品名:VONCOAT、製造会社名:DIC)を準備した。
<塗料用組成物Gの調製>
実施例1で調製したポリ乳酸エマルションと、実施例4でアクリル樹脂エマルションを、表2に示すように、固形分の質量比が52:48となるように配合し、塗料用組成物Gを調製した。
<塗料用組成物Gの塗装>
調製した塗料用組成物Gを厚さ1mmのPC−ABS樹脂板にスプレー塗装して、80℃で40分間加熱乾燥した。塗料用組成物Gを塗装して得られた塗膜について、上記の評価方法により、密着性評価、外観評価及び鉛筆硬度評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例4において、ポリ乳酸エマルション及びアクリル樹脂エマルションを、表2に示すように、固形分の質量比が52:48となるように配合し、塗料用組成物Gを調製する代わりに、ポリ乳酸エマルション及びアクリル樹脂エマルションを、表2に示すように、固形分の質量比が62:38となるように配合し、塗料用組成物Hを調製した以外は、実施例4と同様にして、塗料用組成物Hの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例4において、ポリ乳酸エマルション及びアクリル樹脂エマルションを、表2に示すように、固形分の質量比が52:48となるように配合し、塗料用組成物Gを調製する代わりに、ポリ乳酸エマルション及びアクリル樹脂エマルションを、表2に示すように、固形分の質量比が75:25となるように配合し、塗料用組成物Iを調製した以外は、実施例4と同様にして、塗料用組成物Iの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例4において、調製したポリ乳酸エマルション及びアクリル樹脂エマルションを、表2に示すように、固形分の質量比が52:48となるように配合し、塗料用組成物Gを調製する代わりに、調製したポリ乳酸エマルション及びアクリル樹脂エマルションを、表2に示すように、固形分の質量比が100:0となるように配合し、塗料用組成物Jを調製した以外は、実施例4と同様にして、塗料用組成物Jの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を行った。評価結果を表2に示す。
塗料用組成物Iによる塗膜(バインダー樹脂におけるアクリル樹脂の含有量25%)では、密着性は良好であり、外観に白味が残ったが許容範囲であった。また、塗料用組成物G、H、Iによる塗膜では、鉛筆硬度Hが得られた。
(実施例7)
実施例3で調製した塗料用組成物Cに、溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルをバインダー樹脂(ポリ乳酸及びウレタン樹脂)の固形分100質量部に対し、5質量部添加した塗料用組成物Eを調製し、塗料用組成物Eの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を実施例1と同様に行った。評価結果を表3に示す。
(実施例8)
実施例3で調製した塗料用組成物Cに、溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルをバインダー樹脂(ポリ乳酸及びウレタン樹脂)の固形分100質量部に対し、10質量部添加した塗料用組成物Fを調製し、塗料用組成物Fの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を実施例1と同様に行った。評価結果を表3に示す。
塗料用組成物Cによる塗膜は、やや白味を帯びているが、溶剤を添加した塗料用組成物E、Fによる塗膜は、透明であった。但し、塗料用組成物Fによる塗膜では、鉛筆硬度の低下が見られた。塗料用組成物E、Fによる塗膜の密着性は、いずれも十分に得られており、塗料用組成物Fによる塗膜そのものが柔らかくなっていると判断できる。この系では、溶剤を、バインダー樹脂(ポリ乳酸及びウレタン樹脂)の固形分100質量部に対し、5質量部添加した塗料用組成物Eによる塗膜の評価結果が最も良好であった。
(実施例9)
実施例3で調製した塗料用組成物Cに、溶剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルをバインダー樹脂(ポリ乳酸及びウレタン樹脂)の固形分100質量部に対し、3質量部添加した塗料用組成物Kを調製し、塗料用組成物Kの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を実施例1と同様に行った。評価結果を表4に示す。
(実施例10)
実施例3で調製した塗料用組成物Cに、溶剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルをバインダー樹脂(ポリ乳酸及びウレタン樹脂)の固形分100質量部に対し、5質量部添加した塗料用組成物Lを調製し、塗料用組成物Lの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を実施例1と同様に行った。評価結果を表4に示す。
(実施例11)
実施例3で調製した塗料用組成物Cに、溶剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルをバインダー樹脂(ポリ乳酸及びウレタン樹脂)の固形分100質量部に対し、10質量部添加した塗料用組成物Mを調製し、塗料用組成物Mの塗装、密着性評価、外観評価、鉛筆硬度評価を実施例1と同様に行った。評価結果を表4に示す。
塗料用組成物Cによる塗膜は、やや白味を帯びているが、溶剤を添加した塗料用組成物K、L、Mによる塗膜は、透明であった。但し、塗料用組成物L、Mによる塗膜では、鉛筆硬度の低下が見られた。塗料用組成物K、L、Mによる塗膜の密着性は、いずれも十分に得られており、傷つきの状態からも、塗料用組成物L、Mによる塗膜そのものが柔らかくなっていると判断できる。この系では、溶剤を、バインダー樹脂(ポリ乳酸及びウレタン樹脂)の固形分100質量部に対し、3質量部添加した塗料用組成物Kによる塗膜の評価結果が最も良好であった。
(実施例12)
実施例7で調製した塗料用組成物E100質量部にカーボンブラック2質量部を加えて、黒色塗料を作製した。図3A〜図3Dに示すパソコンの筐体(LCDフロントカバー、LCDバックカバー、アッパカバー、ロアカバー)のうち、最も凹凸が少なく、水系の塗料を塗装し易いLCDバックカバー(図3B)に塗装したところ、全面にわたり均一に塗装でき、密着性、外観、鉛筆硬度のいずれも問題ないレベルの塗膜が得られた。
以上の実施例1〜12を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) ポリ乳酸50質量%〜85質量%と、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれか15質量%〜50質量%とを含むバインダー樹脂を含有することを特徴とする塗料用組成物。
(付記2) バインダー樹脂における、ポリ乳酸の含有量が50質量%〜70質量%であり、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれかの含有量が30質量%〜50質量%である付記1に記載の塗料用組成物。
(付記3) バインダー樹脂における、ポリ乳酸の含有量が50質量%〜65質量%であり、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれかの含有量が35質量%〜50質量%である付記1から2のいずれかに記載の塗料用組成物。
(付記4) 溶剤をさらに含む付記1から3のいずれかに記載の塗料用組成物。
(付記5) 溶剤の沸点が100℃以上である付記4に記載の塗料用組成物。
(付記6) 溶剤をバインダー樹脂100質量部に対し、0質量部超10質量部未満含む付記4から5のいずれかに記載の塗料用組成物。
(付記7) 溶剤がプロピレングリコールモノメチルエーテルである付記4から6のいずれかに記載の塗料用組成物。
(付記8) ポリ乳酸50質量%〜85質量%と、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれか15質量%〜50質量%とを含むバインダー樹脂を含有する塗料用組成物が塗装されたことを特徴とする電子機器筐体。
開示の塗料用組成物より形成された塗膜は、均一で透明であり、かつ、密着性が高いので、各種コーティング、粘接着用バインダー、ヒートシールなどとして、各種被塗布材料、特に、電子機器筐体の塗装に好適に用いることができる。
11 ポリ乳酸粒子
12 水
13 平板
21 ウレタン樹脂粒子
22 溶剤

Claims (6)

  1. ポリ乳酸50質量%〜85質量%と、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれか15質量%〜50質量%とを含むバインダー樹脂を含有することを特徴とする塗料用組成物。
  2. バインダー樹脂における、ポリ乳酸の含有量が50質量%〜70質量%であり、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれかの含有量が30質量%〜50質量%である請求項1に記載の塗料用組成物。
  3. 溶剤をさらに含む請求項1から2のいずれかに記載の塗料用組成物。
  4. 溶剤の沸点が100℃以上であり、該溶剤をバインダー樹脂100質量部に対し、0質量部超10質量部未満含む請求項3に記載の塗料用組成物。
  5. 溶剤がプロピレングリコールモノメチルエーテルである請求項3から4のいずれかに記載の塗料用組成物。
  6. ポリ乳酸50質量%〜85質量%と、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のいずれか15質量%〜50質量%とを含むバインダー樹脂を含有する塗料用組成物が塗装されたことを特徴とする電子機器筐体。
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