JP2010269990A - シリコン系太陽電池用原料およびその製造方法 - Google Patents

シリコン系太陽電池用原料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコン加工プロセスから発生したシリコンスラッジの再利用が図れ、シリコン系太陽電池用原料の低コスト化、脱酸素化によるシリコンの高純度化も図れるシリコン系太陽電池用原料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン加工プロセスからのシリコンスラッジを、純水または超純水への分散後に沈降分離し、次に上澄み液の除去後、沈降したシリコンスラッジを乾燥しさらに焼結用原料として造粒する。焼結用原料をチョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置のルツボに投入し、まずこれを完全乾燥させ、その後、焼結用原料を焼結する。この原料を用いて太陽電池用基板を得る。
【選択図】図1

Description

この発明は、シリコン系太陽電池用原料およびその製造方法、詳しくは各種のシリコン加工プロセスで発生したシリコンスラッジを再利用し、シリコン系太陽電池を鋳造する溶融原料を製造可能なシリコン系太陽電池用原料およびその製造方法に関する。
シリコン系太陽電池を製造する際、まずシリコンからなるブロック形状の原料(溶融原料)をルツボに投入し、これを溶融してシリコンインゴットを鋳造する。その後、このシリコンインゴットをスライスすることで太陽電池用のシリコン基板を得ている。
近年、シリコン系太陽電池の普及率を高めるため、溶融原料用のシリコンとして、光電変換率は高いものの高価な単結晶シリコンに代えて、光電変換率は劣るものの低コスト化が図れる多結晶シリコンが汎用されている。
従来、多結晶シリコンからなる太陽電池用原料の製造方法としては、例えばシーメンス法(Siemens Method)が知られている(特許文献1)。これは、中間化合物であるトリクロロシラン(SiHCl)を水素により還元することで、多結晶シリコンを得る方法である。具体的には、多結晶シリコン心棒が収納された反応炉内に、高純度のトリクロロシランと高純度の水素とを供給し、トリクロロシランをシリコンと塩化水素とに分解する。その後、1100℃に加熱された多結晶シリコン心棒に所定の電圧を印加し、多結晶シリコン心棒の表面に多結晶シリコンを気相成長させる。それから、多結晶シリコンのインゴットは、所定サイズのブロックに破砕されて、太陽電池用の多結晶シリコンインゴットを鋳造する溶融原料となる。
ところで、ULSIなどの超高集積デバイスの形成基板であるシリコンウェーハは、チョクラルスキー(CZ)法によって引き上げられた単結晶シリコンインゴットに対して、ウェーハ加工を施すことにより作製される。具体的には、単結晶シリコンインゴットをブロック切断し、その後、シリコンブロックに研削砥石による外周研削、ワイヤソーによるスライスを順に行い、多数枚のシリコンウェーハを得る。それから、各シリコンウェーハに対して面取り、ラッピング、エッチング、研磨を順次施し、デバイス形成用の製品ウェーハを製造する。
特開2006−111519号公報
ウェーハ加工プロセスのうち、外周研削工程およびスライス工程などでは、加工屑(シリコン廃棄物)であるシリコンスラッジが多量に発生する。また、デバイスメーカのバックグラインド工程でも多量のシリコンスラッジが発生する。これらは、性状がスラッジであることから、取り扱いが難しく、従来、そのほとんどが再利用されることなく廃棄処分されていた。
また、多結晶シリコンからなる太陽電池用原料の製造にあっては、所定の光電変換率を有する太陽電池を得るため、シリコン系太陽電池用原料には、例えば6N(99.9999%)以上のシリコン純度と、5×1017atoms/cm以下の酸素濃度とが求められていた。酸素濃度が高ければ、酸素の析出が発生し、ライフタイムを低下させる。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、外周研削工程などのシリコン加工プロセスで発生した多量のシリコンスラッジを超純水中に十分に分散させ、その後、シリコンスラッジに含まれるシリコン粉を沈降分離させることでシリコン系太陽電池用の原料スラッジを回収し、これを成形し乾燥させて含水率を0.5%以下とし、次にチョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置のルツボに投入し、これを50〜100℃の低温での乾燥後、1280〜1420℃の高温で焼結し、シリコン系太陽電池の原料とすればよいことに想到した。これにより、シーメンス法などで製造された従来の多結晶シリコンからなる原料に比べて低コスト化および脱酸素化が図れ、その結果、光電変換率が高いシリコン系太陽電池が得られることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、シリコン加工プロセスから排出されたシリコンスラッジの再利用が図れ、シリコン系太陽電池用原料の低コスト化および脱酸素化によるシリコンの高純度化も図ることができるシリコン系太陽電池用原料およびその製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、シリコン加工プロセスで発生したシリコン粉を含むシリコンスラッジを純水または超純水に分散させ、このシリコンスラッジが分散した純水または超純水を静置して、シリコンスラッジと上澄み液とに沈降分離し、この上澄み液を除去した後、沈降したシリコンスラッジを乾燥して含水率0.5%以下の焼結用原料を得て、この焼結用原料を0.6〜150mmの径の粒体に造粒し、この後、この造粒した焼結用原料を、チョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置のルツボに投入し、次に、このルツボ内の焼結用原料を、50〜100℃、1.5〜5時間加熱することにより、この焼結用原料を完全に乾燥させ、次いで、完全に乾燥させた後の焼結用原料を、1280〜1420℃で、1.5〜10時間加熱して焼結することにより、シリコン系太陽電池原料とするシリコン系太陽電池用原料の製造方法である。
請求項1に記載の発明によれば、シリコン加工プロセスで発生したシリコン粉を含むシリコンスラッジを純水または超純水に分散させる。その後、このシリコンスラッジが分散された純水または超純水を所定時間静置することで、これをシリコンスラッジと上澄み液とに沈降分離する。次に、この上澄み液を除去し、沈降したシリコンスラッジを所定形状に成形して乾燥させ、含水率0.5%以下の焼結用原料とする。そして、この焼結用原料を粒体に造粒する。例えば公知の造粒機を使用することで、0.6〜150mmの直径に造粒する。
次に、造粒した焼結用原料を、チョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置のルツボに投入し、焼結用原料を50〜100℃の加熱温度で、1.5〜5時間加熱して完全乾燥させる。次に、完全乾燥した焼結用原料を、1280〜1420℃で、1.5〜10時間加熱して焼結する。これにより、酸素濃度が5×1019atoms/cm以下の高純度のシリコン系太陽電池原料を得ることができる。
しかも、シリコン加工プロセスから発生したシリコン粉を含むシリコンスラッジを再利用することができる。さらに、シーメンス法などの従来法で得られた多結晶シリコンからなるシリコン系太陽電池用原料に比べて、シリコン系太陽電池用原料の低コスト化を図ることができる。
ここでいうシリコン系太陽電池用原料とは、単結晶シリコン系太陽電池の原料、多結晶シリコン系太陽電池の原料、アモルファスシリコン系太陽電池の原料の何れかである。
シリコン系太陽電池用原料は、シリコン加工プロセスで発生したシリコン粉を含むシリコンスラッジを純水または超純水に分散させ、焼結用原料となり、その後、焼結されることで得られる。
焼結用原料の含水率が0.5%を超えれば、焼結前に焼結用原料を乾燥させる時間が長くなり、焼結炉の稼働率が低下する。
焼結用原料は、ルツボ内で完全乾燥後に焼結されて溶融原料となり、その後、太陽電池用のシリコンインゴット育成装置に投入されて溶融され、それから冷却されてインゴットとなり、これをウェーハ加工し、所定の方法によりPN接合が形成されることで、シリコン系太陽電池となる。
単結晶シリコンインゴットとしては、チョクラルスキー法によって引き上げられたもの、浮遊帯域溶解(FZ;Floating−Zone)法により育成されたものなどを採用することができる。
シリコンスラッジの発生を伴うシリコン加工プロセスとしては、例えば、単結晶シリコンインゴットのブロック切断、研削砥石によるシリコンブロックの外周研削、研削砥石によるシリコンブロックのオリエンテーションフラット加工またはノッチ加工、ワイヤソーなどによるシリコンブロックのスライス、シリコンウェーハの面取り、シリコンウェーハのラッピングなどの各工程が挙げられる。また、デバイス形成後のウェーハに施されるバックグラインド工程も含まれる。
純水とは、物理的または化学的な処理によって不純物を除去した純度の高い水をいう。具体的には、1〜10MΩ・cmまたは1.0〜0.1μS/cmの水を採用することができる。
超純水としては、水に含まれる不純物の量が、例えば0.01μg/リットル以下のものを採用することができる。
シリコンスラッジに含まれ、再利用されるシリコン粉の粒径(粒度分布)は、0.01〜100μmである。0.01μm未満では、シリコン粉の表面積の影響が大きくなり過ぎてしまい、原料中の酸素濃度が過剰になり、太陽電池の変換効率を低下させる。また、100μmを超えれば、シリコン加工プロセスでの砥石により制約される。
シリコンスラッジは、シリコン粉と不純物とが泥状に混ざり合った滓である。ただし、ここでいうシリコンスラッジは、このシリコン粉を含むスラッジのみでなく、乾燥した(もしくは水分を含んだ)シリコンの粉末を含む。
シリコン加工プロセスから排出されるシリコンスラッジには、シリコン粉の他に、例えば、研削砥石などの摩耗により発生するアルミナ、シリカ、コランダム、Cu、Fe、C、酸化バリウム、酸化マグネシウムなどの不純物が混入している。
シリコン加工プロセスから発生したシリコンスラッジの純水または超純水への投入量は、この投入後、純水または超純水に分散されたシリコンスラッジの含水量が35%以上となる量である。35%未満では、分散後の超純水を静置した際、上澄み液が発生せず、投入後の液面に多数の空孔が現出し、焼結炉の体積を大きくしなければならない。
ここでいう「純水または超純水に分散されたシリコンスラッジ」とは、前記シリコン加工プロセスから発生したシリコン粉を含むシリコンスラッジが純水または超純水に分散されたことで、シリコン粉を含む新たなスラッジとなったものを含む。
シリコンスラッジの純水または超純水への分散方法としては、例えば振動または攪拌を採用することができる。振動による分散を採用した場合、シリコンスラッジが投入された純水または超純水の振動条件としては、20〜100Hzでの数分間という条件が好ましい。
また、攪拌による分散を採用した場合には、例えば市販の攪拌装置を用いることができる。
なお、この振動時または攪拌時に純水または超純水中でバブリングし、気泡によってシリコン粉の分離を促進させてもよい。その他、純水または超純水へのpH調整剤の添加、捕収剤の添加などを行ってこの分離を促進してもよい。また、シリコンスラッジが投入された純水または超純水に対して、振動と攪拌とを同時または経時的に行ってもよい。
ここでいう「分散」とは、シリコンスラッジが、純水または超純水中に均一な濃度で浮遊または懸濁している状態をいう。
シリコンスラッジの静置(沈降分離)時間は、72〜168時間である。72時間未満では、容器を傾けて上澄み液を捨てる際、シリコンも流出してしまう。また、168時間を超えれば、シリコン系太陽電池用原料の生産性が低下する。
沈降したシリコンスラッジの成形には、例えば容器、型などを用いることができる。そして、これを造粒する。造粒は、ロール式など公知の造粒機で行う。粒径(例えばブリケットの径)は、焼結炉に投入可能な上記0.6〜150mmとする。
また、シリコンスラッジの乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、加熱乾燥などを採用することができる。
チョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置としては、例えば、一般的な引き上げ装置の他、単結晶シリコンインゴットの引き上げ後、ルツボ内の残留融液を固化させることなく、原料の多結晶シリコンをルツボに再充填するリチャージ引き上げ装置、単結晶シリコンインゴットの引き上げ分だけ融液を補充する連続チャージ引き上げ装置、磁界の作用により融液の対流を抑制させる磁界下引き上げ(MCZ)装置などを採用することができる。
ルツボとしては、例えば、石英ルツボなどを採用することができる。
焼結用原料の完全乾燥時の加熱温度が50℃未満では、乾燥終了までに長時間を要する。また、100℃を超えれば、残存する水分が爆発的に蒸発し、焼結用原料の塊を破壊してしまう。
焼結用原料の完全乾燥時の加熱時間が1.5時間未満では、水分が0.5%残存している場合、完全には水分の除去ができない。また、5時間を超えれば、太陽電池用原料の生産性が低下する。
完全乾燥時における引き上げ装置のチャンバ内の雰囲気ガスとしては、例えば、アルゴンガスなどの不活性ガスを採用することができる。
完全乾燥後の焼結用原料の焼結温度が1280℃未満では、固化後のシリコン系太陽電池用原料の強度が十分でない。また、1420℃を超えれば、シリコン粉が溶融する。
完全乾燥後の焼結用原料の焼結時間が1.5時間未満では、酸素濃度の減少が不十分である。また、10時間を超えれば、シリコン系太陽電池用原料の生産性が低下する。
焼結時における引き上げ装置のチャンバ内の雰囲気ガスとしては、例えば、アルゴンガスなどの不活性ガスを採用することができる。
請求項2に記載の発明は、シリコン加工プロセスで発生したシリコン粉を含むシリコンスラッジを出発原料とし、任意の研磨面でシリコンの占める面積が30%以上で、ビッカース硬度が30Hv以上となったシリコン系太陽電池用原料である。
請求項2に記載の発明によれば、シリコン加工プロセスで発生したシリコン粉を含むシリコンスラッジを出発原料としたものであって、焼結処理により任意の研磨面でシリコンの占める面積が30%以上で、ビッカース硬度が30Hv以上のシリコン系太陽電池用原料を採用したので、原料の充填率が高まり、投入時に原料の割れ、カケが発生しない。
太陽電池用シリコン原料の任意の研磨面でシリコンの占める面積が30%未満では、原料の充填率が低下し、原料のカサが増える。
太陽電池用シリコン原料のビッカース硬度が30Hv未満では、原料投入時に原料割れ、カケが発生し、原料のサイズ(粒径)が変化する。
請求項1に記載の発明によれば、従来は廃棄処分されていたシリコン加工プロセスからのシリコン粉を含むシリコンスラッジを、純水または超純水に分散後に沈降分離し、次に上澄み液の除去後、沈降したシリコンスラッジを成形および乾燥して焼結用原料とする。この後、この焼結用原料を造粒し、これをチョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置のルツボに投入し、完全乾燥させ、その後、焼結用原料を焼結する。この結果、シリコン加工プロセスから排出されたシリコンスラッジを再利用することができ、シリコン系太陽電池用原料の低コスト化および脱酸素化によるシリコンの高純度化も図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、シリコン加工プロセスで発生したシリコンスラッジを出発原料とし、焼結処理されたシリコン系太陽電池用原料として、任意の研磨面でシリコンの占める面積が30%以上で、ビッカース硬度が30Hv以上となったものを採用したので、シリコン系太陽電池用原料の充填率が高まり、原料投入時に原料の割れ、カケが発生しない。
この発明の実施例1に係るシリコン系太陽電池用原料の製造方法を示すフローシートである。 この発明の実施例1に係るシリコン系太陽電池用原料の製造方法に使用されるチョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置の縦断面図である。 この発明の実施例1に係るシリコン系太陽電池用原料の拡大正面図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。実施例では、単結晶シリコンインゴットのウェーハ加工プロセスで発生したシリコンスラッジをシリコン系太陽電池用原料の出発原料とするが、例えば、デバイスメーカでのシリコンウェーハのバックグラインド加工などの他のシリコン加工プロセスで発生したシリコンスラッジを出発原料とした場合も同様に処理される。
図1のフローシートを参照して、この発明の実施例1に係るシリコン系太陽電池用原料の製造方法を説明する。ここでは、直径300mmのシリコンウェーハ用の単結晶シリコンインゴットの外周研削工程から発生したシリコンスラッジを処理する。
まず、チョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置(以下、結晶成長装置)を使用し、直径306mm、比抵抗が10mΩ・cm、初期酸素濃度1.0×1018atoms/cmの単結晶シリコンインゴットを引き上げる。
次に、単結晶シリコンインゴットを、複数のシリコンブロックに切断する。その後、超純水からなる研削液を30リットル/分で供給しながら、外周研削装置を用いてシリコンブロックの外周部を5mm外周研削し、これを円柱状に成形する。このとき、多量のシリコンスラッジが発生する。シリコンスラッジは、粒径(粒度分布)が主として10〜50μmのシリコン粉と、不純物と、研削油とが泥状になった滓である。この不純物は、研削砥石などの摩耗により発生するアルミナ、シリカ、コランダム、Cu、Fe、Cなどである。
次いで、シリコンスラッジを超純水(水温22℃)が貯液された沈降容器に投入する。超純水の投入量は、投入後のシリコンスラッジの含水率が50%となる量である。含水率を50%としたので、沈降分離時に上澄み液が発生し、シリコンスラッジの投入後の液面に多数の空気抜け孔が現出しない。
その後、超純水を投入したシリコンスラッジをプロペラ付き攪拌装置により攪拌し、シリコンスラッジを超純水中に完全に分散させてシリコン分散水を得る。
その後、容器内でシリコン分散水を72時間静置し、シリコンスラッジを、上澄み液とシリコンスラッジに沈降分離する。
次に、沈降容器中の上澄み液を除去する。上澄み液には、超純水に分散されたシリコンスラッジ中の比重の軽い不純物(塵など)が浮遊し、かつ水溶性の金属イオンが溶融しているので、これが除去される。その結果、沈降容器の底部には、不純物が減量されたシリコンスラッジが残存する。
次いで、沈降容器に沈降したシリコンスラッジ(含水率25%)を角形の成形容器に回収する。その後、この成形容器を1週間静置し、シリコンスラッジを自然乾燥させ、厚肉な板状体とする。自然乾燥後の板状体(シリコンスラッジ)の含水率は0.5%である。
板状体は、その後、ハンドリングが容易な例えば縦20mm、横30mm、厚さ10mm程度の不揃いなブロックに破砕され、さらに公知の造粒機(例えば乾式造粒機)において造粒される。このときの造粒体の粒径(ブリケットの厚みまたは径)は0.6〜150mmとするが、この場合は30〜50mmとする。この造粒後の粒体を焼結用原料とする。このとき、焼結用原料の酸素濃度は、約1.0%(約8×1020atoms/cm)である。なお、造粒は、沈降後所定の含水率(例えば10〜5%)を得た状態で行うこともできる。造粒によりハンドリングが容易となる。
次に、得られた焼結用原料(粒体)をルツボに充填し、これを、前記単結晶シリコンインゴットの引き上げ工程で使用したチョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置のチャンバ内に挿入し、焼結用原料の完全乾燥を行う。
ここで、図2を参照して、チョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置(結晶成長装置)10を詳細に説明する。
この結晶成長装置10は、中空円筒形状のチャンバ11を備えている。チャンバ11は、メインチャンバ12と、メインチャンバ12上に連設固定され、メインチャンバ12より小径なプルチャンバ13とからなる。メインチャンバ12内の中心部には、ルツボ14が、回転および昇降が可能な支持軸(ペディスタル)15の上に固定されている。
ルツボ14の外側には、加熱抵抗式のヒータ21が周壁部18と同心円状に配置されている。ヒータ21の外側には、円筒状の保温筒22がメインチャンバ12の内面に沿って配置されている。メインチャンバ12の底面上には、円形の保温板23が配置されている。
焼結用原料の完全乾燥時およびその焼結時には使用しないものの、ルツボ14の中心線上には、支持軸15と同一軸心で回転および昇降が可能な引き上げ軸がプルチャンバ13を通って吊設されている。引き上げ軸の下端には、種結晶が装着される。
次に、この結晶成長装置10を用いた焼結用原料16の完全乾燥方法および焼結方法を順次説明する。
造粒された焼結用原料16の完全乾燥時には、メインチャンバ12内にルツボ14を挿入後、チャンバ11内を50Torrに減圧し、不活性ガスとして200L/minのArガスを導入する。それから、ルツボ14内の焼結用原料16をヒータ21により100℃、2時間加熱し、これを完全乾燥(含水率0%)させる。
引き続き、結晶成長装置10によって造粒された焼結用原料16を焼結することで、シリコン系太陽電池用原料16Aを作製する(図3)。具体的には、チャンバ11の内圧50Torr、チャンバ内雰囲気として200L/minのArガス、ヒータ21により1310℃、9時間熱処理して焼結用原料16を焼結する。シリコン系太陽電池用原料16Aは、酸素濃度は約0.01%(約8×1018atoms/cm)であった。すなわち、焼結によって原料中の酸素濃度が2桁小さくなった。
このように、従来は廃棄処分されていた単結晶シリコンインゴットのウェーハ加工プロセスからのシリコンスラッジを出発原料とし、まず超純水に分散して沈降分離し、その上澄み液を除去後、沈降したシリコンスラッジを成形、乾燥して焼結用原料16とし、次に焼結用原料16を結晶成長装置10のルツボ14に投入し、これを完全乾燥してから焼結するように構成した。その結果、ウェーハ加工プロセスから排出されたシリコンスラッジの再利用が図れ、シリコン系太陽電池用原料16Aの低コスト化が図れる。しかも、この焼結に伴うシリコン系太陽電池用原料16Aの低酸素濃度化(脱酸素化)により、シリコン系太陽電池の高純度化も図ることができる。
また、造粒された焼結用原料16に焼結処理を施したので、シリコンインゴットのウェーハ加工プロセスで発生したシリコンスラッジを出発原料としたシリコン系太陽電池用原料16Aを、任意の研磨でシリコンの占める面積が35%以上で、ビッカース硬度が35Hvのものとすることができた。
この発明は、シリコン系太陽電池の原料を製造する際に有用である。
10 チョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置、
14 ルツボ、
16 焼結原料、
16A シリコン系太陽電池原料。

Claims (2)

  1. シリコン加工プロセスで発生したシリコン粉を含むシリコンスラッジを純水または超純水に分散させ、
    このシリコンスラッジが分散した純水または超純水を静置して、シリコンスラッジと上澄み液とに沈降分離し、
    この上澄み液を除去した後、沈降したシリコンスラッジを乾燥して含水率0.5%以下の焼結用原料を得て、
    この焼結用原料を0.6〜150mmの径の粒体に造粒し、
    この後、この造粒した焼結用原料を、チョクラルスキー方式のシリコン単結晶成長装置のルツボに投入し、
    次に、このルツボ内の焼結用原料を、50〜100℃、1.5〜5時間加熱することにより、この焼結用原料を完全に乾燥させ、
    次いで、完全に乾燥させた後の焼結用原料を、1280〜1420℃で、1.5〜10時間加熱して焼結することにより、シリコン系太陽電池原料とするシリコン系太陽電池用原料の製造方法。
  2. シリコン加工プロセスで発生したシリコン粉を含むシリコンスラッジを出発原料とし、任意の研磨面でシリコンの占める面積が30%以上で、ビッカース硬度が30Hv以上となったシリコン系太陽電池用原料。
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