JP2010269666A - 車両用スタビライザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータを用いることなく、スタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態と発生不能な状態とで切換可能なスタビライザ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】スタビライザバー52の一端と車輪36との間に配設されるシリンダ装置60と、ハウジング78と、そのハウジング内を移動するスプール80と、ハウジング内の2つの液室の各々とシリンダ装置内の2つの液室の各々とを連結する第1,第2流通路108,112と、ハウジング内の2つの液室を連結する第3流通路116と、第3流通路に連結されるリザーバ118と、第3流通路に設けられた絞り122,124とを備えたスタビライザ装置において、第3流通路のハウジング内への開口がスプールによって塞がれた状態となる位置でスプールの移動を停止するように構成する。このような構成により、スプールの移動に伴って捩り反力発生可能状態と発生不能状態とで切換可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、スタビライザバーを有し、そのスタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態と発生不能な状態とで切換可能な車両用スタビライザ装置に関する。
近年では、下記特許文献に記載されているような車両用スタビライザ装置、具体的に言えば、左右の車輪の上下方向への相対的な移動に伴ってスタビライザバーの捩れが許容されることで、そのスタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態と、左右の車輪が上下方向へ相対的に移動してもスタビライザバーが捩れないために、スタビライザバーが捩り反力を発生不能な状態とで切換可能なスタビライザ装置が検討されている。
特開2001−105827号公報
スタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態において、その捩り反力によって車体のロールを効果的に抑制することが可能である。ただし、車両旋回時以外の場合、例えば、車両直進時等には、その捩り反力は必要なく、また、例えば、悪路走行時等には、その捩り反力によって乗り心地が悪化する虞がある。上記特許文献に記載のスタビライザ装置においては、スタビライザバーの一端部とその一端部が連結される車輪保持部材との間に伸縮可能なシリンダ装置を配設されており、そのシリンダ装置の伸縮が許容されることで、スタビライザバーが捩り反力発生不能な状態となり、シリンダ装置の伸縮が禁止されることで、スタビライザバーが捩り反力発生可能な状態となるようにされている。そして、アクチュエータによってシリンダ装置の伸縮の許容と禁止とで切り換えることが可能とされている。したがって、上記特許文献に記載のスタビライザ装置によれば、アクチュエータの作動を制御することによって、車体のロールを抑制したい場合には、スタビライザバーを捩り反力発生可能な状態とし、車体のロールを抑制する必要のない場合には、スタビライザバーを捩り反力発生不能な状態とすることが可能とされている。
ただし、アクチュエータによって2つの状態を切り換える構造のスタビライザ装置においては、アクチュエータを設ける必要があり、さらに、そのアクチュエータの作動を制御する制御装置,各種センサ等も設ける必要がある。このため、そのような構造のスタビライザ装置では、構造の複雑化,製造コストの増加等を招く虞がある。本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、アクチュエータ等を用いることなく、スタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態と発生不能な状態とで切換可能なスタビライザ装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用スタビライザ装置は、
回転可能に車体に保持されるとともに、左右の車輪を保持する1対の車輪保持部材に両端部が連結されるスタビライザバーと、
前記1対の車輪保持部材の一方とその一方に連結される前記スタビライザバーの一端部との間に配設されるシリンダ装置であって、(a)前記1対の車輪保持部材の一方と前記スタビライザバーの一端部との一方に連結され、作動液が収容された第1シリンダハウジングと、(b)その第1シリンダハウジングの内部に移動可能に配設され、その第1シリンダハウジングの内部を2つの液室に区画するピストンと、(c)一端部が前記ピストンに連結され、他端部が前記1対の車輪保持部材の一方と前記スタビライザバーの一端部との他方に連結されるピストンロッドとを有する第1シリンダ装置と、
(A)作動液が収容された第2シリンダハウジングと、(B)その第2シリンダハウジングの内部を2つの液室に区画するとともに、その第2シリンダハウジング内を移動するスプールとを有する第2シリンダ装置と、
作動液を貯留するリザーバと、
前記スプールによって区画される2つの液室の一方と前記ピストンによって区画される2つの液室の一方との間を作動液が流通可能にそれらを連結する第1流通路と、
前記スプールによって区画される2つの液室の他方と前記ピストンによって区画される2つの液室の他方との間を作動液が流通可能にそれらを連結する第2流通路と、
一端が前記スプールによって区画される2つの液室の一方の内部に開口するとともに他端が他方の内部に開口し、それらの間を作動液が流通可能にそれらを連結する第3流通路と、
前記スプールによって区画される2つの液室と前記第3流通路とのいずれかと前記リザーバとの間を作動液が流通可能にそれらを連結する第4流通路と、
前記第3流通路と前記第4流通路との一方に設けられ、その一方の作動液の流通に対して抵抗を付与する流通抵抗器と、
前記第3流通路の前記スプールによって区画される2つの液室の一方の内部への開口と他方の内部への開口とのいずれかが前記スプールによって塞がれた状態となる位置でそのスプールの移動を停止させるスプール移動停止機構と
を備えるように構成される。
本発明の車両用スタビライザ装置では、車体のロールの発生に伴って第1シリンダ装置の設けられた車輪と車体との上下方向の距離が変化することでピストンが第1シリンダハウジングの内部を移動して、そのピストンの移動に伴ってスプールがそれの移動範囲の端まで移動したときに、第3流通路の開口がスプールによって塞がれる。つまり、スプールがそれの移動範囲の端まで移動したときに、スプールが第3流通路の開口を塞ぐとともにスプールの移動が停止させられることで、ピストンによって区画される2つの液室の容積の相対変化が禁止され、第1シリンダ装置の伸縮が禁止される。したがって、車体のロールの発生に伴って、スタビライザバーが捩り反力を発生不能な状態からスタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態に切り換えられる。一方、その車体のロールが収まった場合には、スプールがそれの移動範囲の端から離れる方向に移動して、スプールによって塞がれていた第3流通路の開口が開放されることで、ピストンによって区画される2つの液室の容積の相対変化が許容され、第1シリンダ装置の伸縮が許容される。つまり、車体のロールの収束に伴って、スタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態からスタビライザバーが捩り反力を発生不能な状態に切り換えられる。したがって、本発明のスタビライザ装置によれば、アクチュエータ等を用いることなく、スタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態と発生不能な状態とで切り換えることが可能となる。
本発明の実施例である車両用スタビライザ装置を車両上方からの視点において示す模式図である。 本発明の実施例である車両用スタビライザ装置を車両前方からの視点において示す模式図である。 図1および図2の車両用スタビライザ装置の備えるスタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態と発生不能な状態とで切り換える機構を示す概略断面図である。 スタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態での図3の機構を示す概略断面図である。 本発明の変形例の車両用スタビライザ装置の備えるスタビライザバーが捩り反力を発生可能な状態と発生不能な状態とで切り換える機構を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、本発明の実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例,変形例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
図1および図2に、本発明の実施例の車両用スタビライザ装置10を示す。図1は、車両上方からの視点においてスタビライザ装置10を示したものであり、図2は、車両前方からの視点においてスタビライザ装置10を示したものである。スタビライザ装置10は、左右の車輪12のそれぞれに対応して設けられたサスペンション装置16に連結されたスタビライザバー20を備えている。
サスペンション装置16は、マルチリンク式サスペンション装置とされており、それぞれが車輪12を保持する車輪保持部材としての第1アッパアーム30,第2アッパアーム32,第1ロアアーム34,第2ロアアーム36,トーコントロールアーム38を備えている。5本のアーム30,32,34,36,38のそれぞれの一端部は、車体に回動可能に連結され、他端部は、車輪12を回転可能に保持するアクスルキャリア40に回動可能に連結されている。それら5本のアーム30,32,34,36,38により、アクスルキャリア40は、車体に対して略一定の軌跡を描くような上下動が可能とされている。
また、サスペンション装置16は、コイルスプリング44と液圧式のショックアブソーバ46とを備えており、それらは、それぞれ、タイヤハウジングに設けられたマウント部48と、第2ロアアーム36との間に、互いに並列的に配設されている。つまり、サスペンション装置16は、車輪12と車体とを弾性的に相互支持するとともに、それらの接近離間に伴う振動に対する減衰力を発生させているのである。
スタビライザバー20はそれぞれ、概して車幅方向に延びるトーションバー部50と、そのトーションバー部50の両端の各々と一体をなして各々と交差して概ね車両の前方に延びる1対のアーム部52とに区分することができる。スタビライザバー20のトーションバー部50は、各アーム部52に近い箇所において、車体に固定的に設けられた保持具54によって取り付けられている。一方、1対のアーム部52の一方の端部(トーションバー部50側とは反対側の端部)は、リンクロッド56を介して車輪保持部材としての第2ロアアーム36に連結されている。第2ロアアーム36には、リンクロッド連結部58が設けられ、リンクロッド56の一端部は、そのリンクロッド連結部58に、他端部はスタビライザバー20の1対のアーム部52の一方の端部に、それぞれ遥動可能に連結されている。また、1対のアーム部52の他方の端部(トーションバー部50側とは反対側の端部)は、油圧式のシリンダ装置(後述するもう1つのシリンダ装置と区別すべく、以下、「第1シリンダ装置」という場合がある)60を介して第2ロアアーム36に連結されている。
第1シリンダ装置60は、図3に示すように、内部に作動液が充填された筒状のシリンダハウジング(後述するもう1つのシリンダハウジングと区別すべく、以下、「第1シリンダハウジング」という場合がある)62と、その第1シリンダハウジング62にそれの内部において液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン64と、そのピストン64に一端部が連結されて他端部が第1シリンダハウジング62の上端部から延び出すピストンロッド66とを含んで構成されている。そのピストンロッド66の上端部は、取付ブシュ68を介して1対のアーム部52の他方の端部に回動可能に連結されており、第1シリンダハウジング62の下端部は、取付ブシュ70を介して第2ロアアーム36に回動可能に連結されている。また、第1シリンダハウジング62の内部は、ピストン64によって、ピストン64の上方に存在する上液室72とピストン64の下方に存在する下液室74とに区画されている。
また、本スタビライザ装置10には、もう1つ別のシリンダ装置(前述した第1シリンダ装置60と区別すべく、以下、「第2シリンダ装置」という場合がある)76が設けられている。その第2シリンダ装置76は、内部に作動液が充填された筒状のシリンダハウジング(前述した第1シリンダハウジング62と区別すべく、以下、「第2シリンダハウジング」という場合がある)78と、その第2シリンダハウジング78にそれの内部において液密かつ摺動可能に嵌合された摺動体としてのスプール80とを含んで構成されている。スプール80は、上端部と下端部と自身の軸線方向の中央部とのそれぞれに大径部が形成されており、各大径部の間に小径部が形成されている。つまり、スプール80は、上端部に設けられた第1大径部82と、下端部に設けられた第2大径部84と、軸線方向の中央部に設けられた第3大径部86と、第1大径部82と第3大径部86との間に設けられた第1小径部88と、第2大径部84と第3大径部86との間に設けられた第2小径部90とを含んで構成されている。スプール80は、それら3つの大径部82,84,86において第2シリンダハウジング78の内周面に摺接している。
第2シリンダハウジング78の蓋部94と第1大径部82との間には、コイルスプリング96が圧縮された状態で配設されており、第2シリンダハウジング78の底部と第2大径部84との間にも、もう1つ別のコイルスプリング98が圧縮された状態で配設されている。それら2つのコイルスプリング96,98の弾性力によって、スプール80は第2シリンダハウジング78にそれの内部において弾性的に支持されており、そのスプール80の第2シリンダハウジング78内部での移動に伴って、コイルスプリング96,98が弾性変形するようになっている。
第2シリンダハウジング78の内部は、スプール80によって、第1大径部82の上方に存在する第1液室100と、第1大径部82と第3大径部86との間に存在する第2液室102と、第2大径部84と第3大径部86との間に存在する第3液室104と、第2大径部84の下方に存在する第4液室106とに区画されている。第2シリンダハウジング78内部の第1液室100と第1シリンダハウジング62内部の上液室72とは第1流通路108によって繋がれており、その第1流通路は第2液室102に繋がる第1分岐路110を有している。つまり、第1液室100と第2液室102と上液室72との間を作動液が流通可能にそれらが第1流通路108によって連結されている。また、第2シリンダハウジング78内部の第4液室106と第1シリンダハウジング62内部の下液室74とは第2流通路112によって繋がれており、その第2流通路は第3液室104に繋がる第2分岐路114を有している。つまり、第3液室104と第4液室106と下液室74との間を作動液が流通可能にそれらが第2流通路112によって連結されている。このように、本スタビライザ装置10において、第2シリンダハウジング78の内部は、第1液室100と第2液室102とによって構成される液室と、第3液室104と第4液室106とによって構成される液室との2つのスプール区画液室に区画されており、2つのスプール区画液室の一方が上液室72と連通しており、2つのスプール区画液室の他方が下液室74と連通しているのである。
さらに、第2液室102と第3液室104とは第3流通路116によって繋がれており、その第3流通路116と作動液を貯留するリザーバ118とが第4流通路120によって繋がれている。第3流通路116には、第2液室102への開口部付近と第3液室104への開口部付近とのそれぞれに絞り122,124が設けられており、絞り122は、第2液室102とリザーバ118との間の作動液の流通に対して抵抗を付与するものとされ、絞り124は、第3液室104とリザーバ118との間の作動液の流通に対して抵抗を付与するものとされている。つまり、絞り122,124は流通抵抗器として機能しているのである。
また、第2液室102の第2シリンダハウジング78の内壁面には環状の第1環状部材126が固着されており、第3液室104の第2シリンダハウジング78の内壁面には環状の第2環状部材128が固着されている。スプール80が第2シリンダハウジング78内を上方にある程度移動した場合には、スプール80の第3大径部86が第1環状部材126に当接するとともに、第2大径部84が第2環状部材128に当接し、逆に、スプール80が下方にある程度移動した場合には、第3大径部86が第2環状部材128に当接するとともに、第1大径部82が第1環状部材126に当接するようになっている。このように、環状部材126,128は、スプール80の第2シリンダハウジング78内での移動範囲を定めるとともに、スプール80の移動範囲の端、つまり、移動端においてスプール80の移動を停止させるスプール移動停止機構として機能している。
以上の構成から、車両が平坦路を直進している状態等、つまり、左右の車輪が上下方向に相対的に移動していない状態において、スプール80は、コイルスプリング96の発生させる弾性力とコイルスプリング98の発生させる弾性力とがつりあった状態(図3に示す状態)で第2シリンダハウジング78内に保持されており、第2シリンダハウジング78内への流通路108,112,116の開口は全て開放された状態とされている。このため、ピストン64によって区画されたピストン区画液室としての上液室72と下液室74との容積の相対変化が許容された状態とされており、ピストン64の第1シリンダハウジング62内での移動が許容されている。つまり、左右の車輪の上下方向への相対的な移動に伴ってピストン64が移動することで、スタビライザバー20が捩れない状態とされている。言い換えれば、スタビライザバー20の一端と車輪との連結が開放された状態とされており、スタビライザバー20が捩り反力を発生不能な状態(以下、略して「捩り反力発生不能状態」という場合がある)とされている。
また、車体にロールモーメントが作用して左右の車輪が上下方向に相対的に急激に移動した場合には、ピストン64の急激な移動に伴ってスプール80はコイルスプリング96,98を変形させつつ第2シリンダハウジング78内を移動する。ある程度スプール80が移動すると、第3流通路116の第2シリンダハウジング78内への開口がスプール80によって閉じられるとともに、スプール80が環状部材126,128に当接してスプール80の移動が禁止された状態となる。このような状態において、上液室72と下液室74との容積の相対変化は禁止され、ピストン64の移動が禁止されることで、スタビライザバー20の一端と車輪とが連結された状態となる。つまり、左右の車輪の上下方向への相対的な移動に伴ってスタビライザバー20が捩れる状態となり、スタビライザバー20が捩り反力を発生可能な状態(以下、略して「捩り反力発生可能状態」という場合がある)となるようにされている。
具体的に言えば、ピストン64の移動が許容された状態、つまり、捩り反力発生不能状態において、車体にロールモーメントが作用して左右の車輪が上下方向に相対的に急激に移動した場合に、例えば、シリンダ装置60は収縮し、ピストン64が下方に移動する。ピストン64の下方への移動に伴って、下液室74内の作動液の一部が第3液室104および第4液室106に流入するとともに、第1液室100および第2液室102の作動液の一部が上液室72およびリザーバ118に流入する。第2液室102と第3液室104とを連通する第3流通路116には絞り122,124が設けられていることから、第3流通路116に対して作動液は流出入し難くなり、第3液室104内および第4液室106内の液圧が第1液室100内および第2液室102内の液圧より高くなることで、スプール80が上方に移動する。スプール80が上方に移動することで、図4に示すように、スプール80の第2大径部84が第3流通路116の第3液室104への開口を閉じるとともに、スプール80の第2大径部84および第3大径部86が環状部材126,128に当接してスプール80の移動が禁止された状態となる。このような状態において、下液室74内の作動液は第3液室104と第4液室106とのいずれにも流れなくなり、上液室72と下液室74との容積の相対変化が禁止されることで、ピストン64の移動が禁止された状態、つまり、捩り反力発生可能状態となるのである。このように、本スタビライザ装置10において、捩り反力発生不能状態で車体にロールモーメントが作用した場合には、捩り反力発生不能状態から捩り反力発生可能状態に切り換えられるようになっている。
また、捩り反力発生可能状態に切り換えられた後に、車体に作用しているロールモーメントの減少に伴って左右の車輪の上下方向への相対的な変位が減少した場合、つまり、車体のロールの収束に伴って左右の車輪の車体車輪間距離の差が減少した場合には、ピストン64が上方、つまり、ロール発生前の位置に向かって移動させられる。そのピストン64の移動に伴ってスプール80が下方に移動させられ、第3流通路116の第3液室104への開口が開放された状態となる。このような状態においては、上液室72と下液室74との容積の相対変化が許容されることで、ピストン64の移動が許容された状態、つまり、捩り反力発生不能状態となるのである。このように、本スタビライザ装置10において、捩り反力発生可能状態で車体のロールが収束した場合には、捩り反力発生可能状態から捩り反力発生不能状態に切り換えられるようになっている。つまり、本装置10は、上記構成とされたことで、第1シリンダ装置60,第2シリンダ装置76,流通路108,112,116,120,リザーバ118,絞り122,124,環状部材126,128等で構成される捩り反力発生状態切換機構を備えるものとされているのである。
なお、捩り反力発生不能状態において車体にロールモーメントが作用してシリンダ装置60が伸長した場合には、ピストン64は上方に移動し、ピストン64の上方への移動に伴って、上液室72内の作動液の一部が第1液室100および第2液室102に流入するとともに、第3液室104および第4液室106の作動液の一部が下液室74に流入し、リザーバ118の作動液の一部が第3液室104および第4液室106に流入する。この際、スプール80は下方に移動し、スプール80の第1大径部82が第3流通路116の第2液室102への開口を閉じるとともに、スプール80の第1大径部82および第3大径部86が環状部材126,128に当接してスプール80の移動が禁止された状態となり、捩り反力発生可能状態となるのである。
車両が旋回する場合には、車体のロールに伴ってスタビライザバー20が捩られて、その捩り反力をロール抑制力として作用させることが望ましい。一方で、車両直進時等には、スタビライザバー20の捩り反力は必要なく、また、悪路走行時等には、その捩り反力によって乗り心地に悪影響を及ぼす虞がある。このため、車体にロールが生じていない場合には、スタビライザバー20は捩り反力を発生させないことが望ましい。本スタビライザ装置10では、車両直進時,悪路走行時等のスタビライザバー20の捩り反力が必要ない場合には、捩り反力発生不能状態とされており、車体にロールが発生すると、捩り反力発生可能状態とされている。したがって、本スタビライザ装置10によれば、車体のロールを効果的に抑制するとともに、スタビライザバー20の捩り反力による乗り心地への悪影響を低減することが可能となる。
なお、本装置10においては、捩り反力発生不能状態でのピストン64の移動に伴って液圧が低下する液室とリザーバー118との連通は確保されており、その液室でのキャビテーションの発生が抑制されている。具体的に言えば、ピストン64が、図4に示すように、下方に移動する場合には、上液室72の液圧が低下してキャビテーションが発生する虞がある。ただし、本装置10においては、ピストン64が下方に移動する際には、上液室72とリザーバ118との連通は確保されるため、上液室72の液圧低下を抑制することが可能となり、キャビテーションの発生を抑制することが可能となっている。
また、従来のスタビライザ装置においては、ソレノイド等のアクチュエータを利用して、ピストンによって区画された2つの液室を繋ぐ流通路の遮断と開放とを切り換えることで、ピストンの移動の禁止と許容とを切り換えて捩り反力発生可能状態と捩り反力発生不能状態とで切り換える構造のものがある。このような構造のスタビライザ装置では、アクチュエータ,バッテリ等を設ける必要があり、さらに、アクチュエータの作動を制御すべく、制御装置,各種センサ等を設ける必要がある。このため、装置の構造が複雑となるとともに、製造コストが高くなる虞がある。本スタビライザ装置10では、上述したように、アクチュエータ等を用いることなく、車体のロールが発生すると、ピストン64の移動が禁止された状態となり、車体のロールが収束すると、ピストン64の移動が許容された状態となる。したがって、本装置10によれば、捩り反力発生可能状態と捩り反力発生不能状態とで切換可能な装置の構造を比較的シンプルなものとするとともに、製造コストを低減することが可能となる。
変形例
上記スタビライザ装置10においては、ストッパとして機能する環状部材126,128によってスプール80の移動を停止させているが、別の手段によってスプールの移動を停止させてもよい。詳しく言えば、スプールによって区画される2つのスプール区画液室の容積の相対変化を禁止することでスプールの移動を停止させてもよい。具体的にいえば、図5に示すように、第2シリンダハウジング140内に円盤形状のスプール142を液密かつ摺動可能に嵌合するとともに、そのスプール142と第2シリンダハウジング140の蓋部144との間に存在する第1液室146と第1シリンダハウジング62内の上液室72とを第1流通路148によって連通し、スプール142と第2シリンダハウジング140の底部との間に存在する第2液室150と下液室74とを第2流通路152によって連通する。さらに、第1液室146と第2液室150とを第3流通路154によって連通するとともに、その第3流通路154とリザーバ156とを第4流通路158によって連通する。なお、スプール142は、第2シリンダハウジング140内において、2つのコイルスプリング160,162によって挟持された状態で弾性的に支持されるとともに、第3流通路154には、流通抵抗器として機能する2つの絞り164,166が設けられている。
このような構造のスタビライザ装置においては、ピストン64の移動が許容された状態、つまり、捩り反力発生不能状態において、例えば、車体にロールモーメントが作用して第1シリンダ装置60が収縮した場合には、ピストン64が下方に移動する。ピストン64の下方への移動に伴って、下液室74内の作動液の一部が第2液室150に流入するとともに、第1液室146の作動液の一部が上液室72およびリザーバ156に流入する。この際、第2液室150内の液圧が第1液室146内の液圧より高くなることで、スプール142が上方に移動する。スプール142が上方に移動することで、スプール142が、第3流通路154の第1液室146への開口を閉じるとともに、第1流通路148の第1液室146への開口も閉じる状態となる。このような状態において、第1液室146内の作動液は上液室72とリザーバ156とのいずれにも流れなくなり、第1液室146と第2液室150との容積の相対変化が禁止されることで、スプール142の移動が停止させられる。つまり、第1流通路148と第3流通路154とがスプール移動停止機構として機能しているのである。さらに、上液室72内の作動液は第1液室146に流れなくなり、上液室72と下液室74との容積の相対変化が禁止されることで、ピストン64の移動が禁止された状態、つまり、捩り反力発生可能状態となる。このように、変形例のスタビライザ装置においても、捩り反力発生不能状態で車体にロールモーメントが作用した場合には、捩り反力発生不能状態から捩り反力発生可能状態に切り換えられるようになっている。つまり、変形例のスタビライザ装置も、第1シリンダ装置60,第2シリンダハウジング140,スプール142,流通路148,152,154,158,リザーバ156,絞り164,166等で構成される捩り反力発生状態切換機構を備えるものとされているのである。
なお、捩り反力発生不能状態において、第1シリンダ装置60が伸長した場合には、ピストン64が上方に移動し、スプール142が下方に移動する。スプール142が下方に移動することで、スプール142が、第3流通路154の第2液室150への開口を閉じるとともに、第2流通路152の第2液室150への開口も閉じる状態となる。このような状態においては、第2流通路152と第3流通路154とがスプール移動停止機構として機能する。
10:車両用スタビライザ装置 12:車輪 20:スタビライザバー 36:第2ロアアーム(車輪保持部材) 60:第1シリンダ装置 62:第1シリンダハウジング 64:ピストン 66:ピストンロッド 76:第2シリンダ装置 78:第2シリンダハウジング 80:スプール 108:第1流通路 112:第2流通路 116:第3流通路 118:リザーバ 120:第4流通路 122:絞り(流通抵抗器) 124:絞り(流通抵抗器) 126:第1環状部材(スプール移動停止機構) 128:第2環状部材(スプール移動停止機構) 140:第2シリンダハウジング 142:スプール 148:第1流通路(スプール移動停止機構) 152:第2流通路(スプール移動停止機構) 154:第3流通路(スプール移動停止機構) 156:リザーバ 158:第4流通路 164:絞り(流通抵抗器) 166:絞り(流通抵抗器)

Claims (1)

  1. 回転可能に車体に保持されるとともに、左右の車輪を保持する1対の車輪保持部材に両端部が連結されるスタビライザバーと、
    前記1対の車輪保持部材の一方とその一方に連結される前記スタビライザバーの一端部との間に配設されるシリンダ装置であって、(a)前記1対の車輪保持部材の一方と前記スタビライザバーの一端部との一方に連結され、作動液が収容された第1シリンダハウジングと、(b)その第1シリンダハウジングの内部に移動可能に配設され、その第1シリンダハウジングの内部を2つの液室に区画するピストンと、(c)一端部が前記ピストンに連結され、他端部が前記1対の車輪保持部材の一方と前記スタビライザバーの一端部との他方に連結されるピストンロッドとを有する第1シリンダ装置と、
    (A)作動液が収容された第2シリンダハウジングと、(B)その第2シリンダハウジングの内部を2つの液室に区画するとともに、その第2シリンダハウジング内を移動するスプールとを有する第2シリンダ装置と、
    作動液を貯留するリザーバと、
    前記スプールによって区画される2つの液室の一方と前記ピストンによって区画される2つの液室の一方との間を作動液が流通可能にそれらを連結する第1流通路と、
    前記スプールによって区画される2つの液室の他方と前記ピストンによって区画される2つの液室の他方との間を作動液が流通可能にそれらを連結する第2流通路と、
    一端が前記スプールによって区画される2つの液室の一方の内部に開口するとともに他端が他方の内部に開口し、それらの間を作動液が流通可能にそれらを連結する第3流通路と、
    前記スプールによって区画される2つの液室と前記第3流通路とのいずれかと前記リザーバとの間を作動液が流通可能にそれらを連結する第4流通路と、
    前記第3流通路と前記第4流通路との一方に設けられ、その一方の作動液の流通に対して抵抗を付与する流通抵抗器と、
    前記第3流通路の前記スプールによって区画される2つの液室の一方の内部への開口と他方の内部への開口とのいずれかが前記スプールによって塞がれた状態となる位置でそのスプールの移動を停止させるスプール移動停止機構と
    を備えた車両用スタビライザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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