JP2010269326A - Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法 - Google Patents
Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010269326A JP2010269326A JP2009121819A JP2009121819A JP2010269326A JP 2010269326 A JP2010269326 A JP 2010269326A JP 2009121819 A JP2009121819 A JP 2009121819A JP 2009121819 A JP2009121819 A JP 2009121819A JP 2010269326 A JP2010269326 A JP 2010269326A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bending
- aluminum alloy
- natural aging
- treatment
- alloy plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)
Abstract
【目的】曲げ加工時の割れ発生を防止することを可能とするAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法を提供する。
【構成】溶体化処理後、自然時効処理を施したAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法であって、自然時効処理後の耐力(σ2)が溶体化処理直後の耐力(σ0)以上であり、且つ溶体化処理してから10分経過後の耐力(σ1)の3倍以下となるアルミニウム合金板材を用いて、溶体化処理および自然時効処理後、曲げ角度60°〜120°の1次曲げ加工を行い、その後、曲げ角度150°〜180°の2次曲げ加工を行う。
【選択図】なし
【構成】溶体化処理後、自然時効処理を施したAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法であって、自然時効処理後の耐力(σ2)が溶体化処理直後の耐力(σ0)以上であり、且つ溶体化処理してから10分経過後の耐力(σ1)の3倍以下となるアルミニウム合金板材を用いて、溶体化処理および自然時効処理後、曲げ角度60°〜120°の1次曲げ加工を行い、その後、曲げ角度150°〜180°の2次曲げ加工を行う。
【選択図】なし
Description
本発明は、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法、詳しくは、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材に対して、曲げ角度150°〜180°の曲げ加工を行う方法に関し、例えば自動車ボディパネルなど、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材を用いた部品の曲げ加工に好適に使用することができるものである。
Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工性は、粗大なMg2Si化合物、Si相などの金属間化合物およびせん断帯の形成が共に多い場合に低下し、曲げ加工時に割れが発生し易くなることが報告されている(非特許文献1参照)。
また、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工性に影響を及ぼす前記せん断帯の形成は、時効時間の増加、すなわち時効による耐力増加にともなって著しくなり、曲げ加工時の割れが生じ易くなることが報告されている(非特許文献2参照)。
軽金属、Vol.52(2002年)、448頁
軽金属学会第109回大会講演概要、(2005年11月)、211頁
本発明は、上記の報告に基づいて、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工時の割れと、時効条件および曲げ加工条件との関連性について試験、検討を行った結果としてなされたものであり、その目的は、時効条件および曲げ加工条件を適切に制御することにより、曲げ加工時の割れ発生を防止することを可能とするAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明によるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法は、溶体化処理後、自然時効処理を施したAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法であって、自然時効処理後の耐力(σ2)が溶体化処理直後の耐力(σ0)以上であり、且つ溶体化処理してから10分経過後の耐力(σ1)の3倍以下となるアルミニウム合金板材を用いて、溶体化処理および自然時効処理後、曲げ角度60°〜120°の1次曲げ加工を行い、その後、曲げ角度150°〜180°の2次曲げ加工を行うことを特徴とする。
本発明によれば、溶体化処理後、自然時効処理を施したAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材を、割れを発生させることなく、曲げ角度150°〜180°の曲げ加工を行うことができる。
本発明は、溶体化処理後、自然時効処理を施したAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法であり、曲げ加工時の割れを発生させないための構成は、以下のとおりである。
まず、自然時効後の耐力(σ2)が、溶体化処理直後の耐力(σ0)以上であり、且つ溶体化処理してから10分経過後の耐力(σ1)の3倍以下となるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材を使用する必要がある。このAl−Mg−Si系アルミニウム合金としては、時効硬化挙動を示すものであればよく、とくに組成は限定されない。
ついで、上記のアルミニウム合金板材を、溶体化処理および自然時効処理後、曲げ角度60°〜120°の1次曲げ加工を行い、その後、曲げ角度150°〜180°の2次曲げ加工を行う。
σ2がσ1の3倍を超えると、曲げ角度60°〜120°の1次曲げ加工で割れが発生し易くなる。σ2がσ0以上で、且つσ2がσ1の3倍以下の範囲においても、1次曲げ加工の曲げ角度が120°を超えると1次曲げ加工時に割れが発生し易くなる。また、1次曲げ加工における曲げ角度を50°未満とした場合には、曲げ角度150°〜180°の2次曲げ加工時において割れが発生し易くなる。
1次曲げ加工後、2次曲げ加工を行うまでの自然時効状態について、1次曲げ加工を行う際の耐力(σ2)および曲げ角度が本願発明の範囲を満足する範囲であれば、1次曲げ加工後、2次曲げ加工を行うまでの自然時効時間が長くても、2次曲げ加工時の割れを抑制する効果を損なうことはない。
なお、本発明は、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材は圧延により得られた板材のみでなく、鋳造、押出、抽伸、鍛造などの加工により得られた板状にも適用して、同様の効果を達成することができる。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明し、本発明の効果を実証する。なお、これらの実施例は、本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれに限定されない。
実施例1、比較例1
表1に示す組成を有するアルミニウム合金をDC鋳造により造塊し、得られた鋳塊について、550℃で48hの均質化処理を行った後、520℃まで冷却して熱間圧延を開始し、厚さ3.0mmまで圧延した。熱間圧延の終了温度は250℃とした。
表1に示す組成を有するアルミニウム合金をDC鋳造により造塊し、得られた鋳塊について、550℃で48hの均質化処理を行った後、520℃まで冷却して熱間圧延を開始し、厚さ3.0mmまで圧延した。熱間圧延の終了温度は250℃とした。
続いて、冷間圧延を行って1.0mm厚さの板材とした。さらに、550℃で120sの溶体化処理を行い、20℃/sの冷却速度で室温まで焼入れし、焼入れ後、25℃で自然時効処理した。得られた自然時効処理材を試験材として、以下に示す方法により引張特性および曲げ加工性を評価した。評価結果を表2に示す。
引張特性:圧延方向に対して平行な方向にJIS5号引張試験片を採取して、引張試験を行い、耐力(σ2)を測定した。引張試験は溶体化処理してから10分経過後、1次曲げ加工時、2次曲げ加工時にも行った。
曲げ加工性:圧延方向に対して平行な方向にJIS3号曲げ試験片を採取して、曲げ試験を行った。曲げ試験はJIS Z 2248に準拠した押曲げ法に従って行い、曲げ角度は押し曲げ量を調整することにより調整した。曲げ加工性の評価は、目視による曲げ部の外観観察により行い、割れが発生していない場合を合格(評価○)、割れが発生した場合を不合格(評価×)とした。1次曲げ加工後、2次曲げ加工を行うまでの自然時効時間は6か月とした。
表2に示すように、本発明に従う試験材1および2は、本発明に従って、自然時効処理後の耐力(σ2)が溶体化処理してから10分経過後の耐力(σ1)の3倍のアルミニウム合金板材を用いて、曲げ角度60°および120°で1次曲げ加工を行い、その後、曲げ角度180°の2次曲げ加工を行っており、いずれも2次曲げ加工時に割れが発生しておらず、良好な曲げ加工性を示している。自然時効処理後の耐力(σ2)が溶体化処理してから10分経過後の耐力(σ1)の3倍のアルミニウム合金板材としては、溶体化処理後、1次曲げ加工を行うまでの時効時間を1か月としたものを用いた。
これに対して、試験材3は1次曲げ加工時の曲げ角度が小さすぎるため、2次曲げ加工時に割れが発生した。試験材4は1次曲げ加工時の曲げ角度が大きすぎるため、1次曲げ加工時に曲げ割れが発生し、2次曲げ加工時でも曲げ割れが発生した。
試験材5および6は、自然時効後の耐力(σ2)が溶体化処理してから10分経過後の耐力(σ1)の3倍を超えるアルミニウム合金板材を用いて、曲げ角度60°および120°で1次曲げ加工を行っているため、1次曲げ加工時に曲げ割れが発生し、2次曲げ加工時でも曲げ割れが発生した。自然時効処理後の耐力(σ2)が溶体化処理してから10分経過後の耐力(σ1)の3倍を超えるアルミニウム合金板材としては、溶体化処理後、1次曲げ加工を行うまでの時効時間を2か月としたものを用いた。
Claims (1)
- 溶体化処理後、自然時効処理を施したAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法であって、自然時効処理後の耐力(σ2)が溶体化処理直後の耐力(σ0)以上であり、且つ溶体化処理してから10分経過後の耐力(σ1)の3倍以下となるアルミニウム合金板材を用いて、溶体化処理および自然時効処理後、曲げ角度60°〜120°の1次曲げ加工を行い、その後、曲げ角度150°〜180°の2次曲げ加工を行うことを特徴とするAl−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009121819A JP2010269326A (ja) | 2009-05-20 | 2009-05-20 | Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009121819A JP2010269326A (ja) | 2009-05-20 | 2009-05-20 | Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010269326A true JP2010269326A (ja) | 2010-12-02 |
Family
ID=43417791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009121819A Pending JP2010269326A (ja) | 2009-05-20 | 2009-05-20 | Al−Mg−Si系アルミニウム合金板材の曲げ加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010269326A (ja) |
-
2009
- 2009-05-20 JP JP2009121819A patent/JP2010269326A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7321828B2 (ja) | 高強度6xxxアルミニウム合金及びその作製方法 | |
JP6752146B2 (ja) | 6000系アルミニウム合金 | |
JP4495623B2 (ja) | 伸びフランジ性および曲げ加工性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法 | |
WO2013121876A1 (ja) | 焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板 | |
JPWO2017169962A1 (ja) | 耐食性に優れ、良好な焼入れ性を有する高強度アルミニウム合金押出材及びその製造方法 | |
KR101950578B1 (ko) | Al 첨가 고엔트로피 합금의 가공성 향상 방법 | |
JP2010159488A (ja) | 2000系アルミニウム合金材の成形加工方法及び該2000系アルミニウム合金材の成形加工方法により成形される成形加工品 | |
JP2016516899A5 (ja) | ||
JP2016151045A (ja) | 耐応力腐食割れ性に優れた7000系アルミニウム合金部材の製造方法 | |
US10501835B2 (en) | Thin sheets made of an aluminium-copper-lithium alloy for producing airplane fuselages | |
WO2014132925A1 (ja) | 室温時効後の特性に優れたアルミニウム合金板 | |
JP2017534757A (ja) | 航空機胴体製造用のアルミニウム‐銅‐リチウム合金製の等方性シートメタル | |
RU2015110064A (ru) | Полоса из алюминиевого сплава, стойкая к межкристаллитной коррозии, и способ ее изготовления | |
JP2012041567A (ja) | 塗装焼付硬化性および成形性に優れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板の製造方法 | |
JP2015124393A (ja) | 導電材用アルミニウム合金材およびその製造方法 | |
JP2012509404A (ja) | リソグラフ印刷プレート支持体用の高い曲げ疲労強度を有するアルミニウムストリップ | |
JP6644376B2 (ja) | 成形性に優れた高強度アルミニウム合金押出材の製造方法 | |
JP6224550B2 (ja) | 成形用アルミニウム合金板 | |
JP2008303455A (ja) | プレス成形用Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の製造方法、及びプレス成形用Al−Mg−Si系アルミニウム合金板 | |
JP5368968B2 (ja) | ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板およびその製造方法 | |
JP2007070672A (ja) | 疲労特性に優れたアルミニウム合金厚板の製造方法 | |
JP2009079271A (ja) | Ca含有Mg合金圧延材 | |
JP5323673B2 (ja) | ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板およびその製造方法 | |
JP2010082688A (ja) | β型チタン合金板の製造方法及びβ型チタン合金板 | |
KR101028029B1 (ko) | 알루미늄 합금 판재의 열처리 방법 |