JP2010269325A - 金属薄板被覆方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材1の表面3に、この表面2に開口し、かつ端部が基材1の表面と交差する面4に開口する溝5を形成し、この溝5が形成された前記基材1の表面2に、金属薄板6を押圧ローラ10で押し付けることによって被覆する。金属薄板6と基材1の表面2との間から抜けきれなかった空気は溝5を通って外部に逃げるので、金属薄板6と基材1の表面2との間に空気溜りが生じることなく、金属薄板6を基材1の表面2に密着させることができる。また、押圧ローラ10によって、基材1の表面2に金属薄板6を押し付けて密着させるので、特別な金型等が必要なく、よって、少量多品種生産にも好適である。
【選択図】図5
Description
この化粧シートの被覆方法は、予め裏面に接着剤を塗布した化粧シートをドア枠材の上面におき、その状態でドア枠材を下流側に移送しつつ、移送方向に沿って配置された複数の押圧ローラで化粧シートを、ドア枠材の上面、側面、下面に順次押し付けていくことによって、ドア枠材の表面に化粧シートを被覆するものである。
一方、ドア枠等の基材が木質の材料である場合、基材と化粧シートとの間にあって、抜けきれずに残ってしまった空気は基材の表面にある微細孔に入ってしまうので、化粧シートの表面の一部を浮き上がらせることはなかった。
また、周知のロールホーミングによって、基材の表面に金属薄板を圧着する方法もあるが、この方法では、金型に多大の費用がかかり、特に少量多品種生産には不向きであった。
前記基材1の表面3に、この表面2に開口し、かつ端部が前記基材1の表面と交差する面4に開口する溝5を形成し、
この溝5が形成された前記基材1の表面2に、金属薄板6を押圧ローラ10で押し付けることによって被覆することを特徴とする。
また、押圧ローラ10によって、基材1の表面2に金属薄板6を押し付けて密着させるので、特別な金型等が必要なく、よって、少量多品種生産にも好適である。
前記溝5の溝幅が0.1〜4.0mmであることを特徴とする。
ここで、溝幅が0.1mm未満では、金属薄板6と基材1の表面との間から抜けきれなかった空気を逃がすのが困難となり、一方、4.0mmを越えると、金属薄板6と基材1の表面2との密着性が低下してしまう。
前記金属薄板6の板厚が0.01〜0.1mmであることを特徴とする。
ここで、金属薄板6の板厚が0.01mm未満では、押圧ローラ10によって金属薄板6を基材1の表面2に押し付ける際に、金属薄板6に亀裂が生じるおそれがあり、一方、0.1mmを超えると、金属薄板6が硬くなって、該金属薄板6を、基材1の表面2が曲面である場合に、この曲面に密着させ難くなる。
前記基材1の表面2に、金属薄板6を押圧ローラ10で押し付けるに際し、
前記基材1の表面2に開口する溝5上に位置する金属薄板6の部位を、前記押圧ローラ15で押し付けないことを特徴とする。
また、押圧ローラによって、基材の表面に金属薄板を押し付けて密着させるので、特別な金型等が必要なく、よって、少量多品種向けにも好適である。
まず、図1および図2を参照して、本実施の形態で使用する金属製の基材1について説明する。
図1および図2は金属製の基材1を示すものであり、図1は端面図、図2は側面図である。基材1はアルミニウムによって形成された長尺物であり、図1において紙面と直交する方向に長尺となっており、図2において左右方向に長尺となっている。
基材1の表面は断面円弧面状に形成された曲面2を有しており、この曲面2と、この曲面2に連続し、かつ、互いに直交する表面3,3の縁部に、後述する金属薄板6を被覆するようになっている。
基材1の表面の一つである曲面2には、この曲面2に開口し、かつ端部が基材の曲面2と直角に交差する端面4,4に開口する溝5,5が形成されている。
溝5,5は、基材1の長手方向に沿って延在し、かつ平行に配置されている。この溝5は断面矩形状に形成されており、その溝幅は0.1〜4.0mmに設定されている。また、溝深さも0.1〜4.0mmに設定されている。
また、金属薄板6の長手方向に沿う両縁部は、基材1の長手方向に沿う両縁部を巻くようにして折り返されて、前記表面3,3の縁部まで延出されて、この縁部表面に被覆されている。
押圧ローラ10は、図4に示すようなラッピング装置に設けられている。なお、図4はラッピング装置の概略構成を示す平面図である。
送りローラは、それぞれの回転方向が一致するよう一列あるいは複数列に配列せしめられたもので、それぞれの軸が図示しないモータに接続されて同時にかつ同一方向に回転するよう構成されたものである。
押圧ローラ10は、ゴムや軟質合成樹脂等からなるもので、図5に示すように、支持パイプ11の先端部に回転自在に軸支されたものである。支持パイプ11は図示しない支持手段によって傾斜角度を調整自在に支持されており、支持パイプ11の傾斜角度を調整することによって、押圧ローラ10の向きを所望の角度に調整できるようになっている。
また、押圧ローラ10は、移送路8の上流側から下流側にいくに連れ、その押圧面(外周面)が移送される基材1の表面(曲面)2の左右中央部から両縁部側に位置するように順次配置されており、かつ、一対の押圧ローラ10,10は、移送路8を軸にして左右対称となるよう配置されている。また、移送路8の最下流側に位置する押圧ローラ10,10は、基材1の表面3,3の縁部側に位置するように配置されている。
さらに、移走路8上を移送される基材1の表面2に形成されている溝5,5上には、押圧ローラ10は配置されていない。したがって、溝5上に位置する金属薄板6の部位は押圧ローラ10によって押圧されないようになっている。
なお、図4では、移走路8の移送方向に沿って、6個の押圧ローラ10・・・を図示しているが、実際は押圧ローラ10は多数あり、かつ、基材1の長さ等に応じて、配置数や一対の押圧ローラ10,10間の距離を調整できるようになっている。
次に、図示しない送り装置から送られてきた金属薄板6の先端を基材1の先端に合わせ、その状態で金属薄板6の先端部を基材1の先端部の表面2に貼着する。この場合、金属薄板6は図5(a)に示すように、基材1の表面2および表面3,3の縁部を被覆できるよう予めその幅が決められている。そして、この金属薄板6を基材1の表面2および表面3,3の縁部に被覆するに際しては、金属薄板6の中心線を基材1の表面2の中心線に一致させるようにする。なお、図示しない送り装置から送られてくる金属薄板6の裏面には予め接着剤が塗布されている。
基材1の表面2に形成されている溝5,5上には、上述したように、押圧ローラ10,10が配置されていないので、溝5,5上に位置する金属薄板6の部位は、押圧ローラ10,10によって押し付けられない。
さらに、図5(e)に示すように、基材1の表面3,3の縁部側に折曲された金属薄板6は、押圧ローラ10,10によって、表面3,3の縁部に押し付けられて貼着される。これによって、基材1の表面2および表面3,3の縁部に金属薄板6が被覆される。
なお、基材1の種類を変えた場合には、基材1の断面寸法に応じた押圧ローラ10に交換して前述した工程に沿って行うことにより、基材1への金属薄板の被覆を行うことができる。
また、押圧ローラ10によって、基材1の表面2に金属薄板6を押し付けて密着させるので、特別な金型等が必要なく、よって、少量多品種生産にも好適である。
さらに、金属薄板6の板厚が0.01〜0.1mmであるので、押圧ローラ10によって金属薄板6を基材1の表面2に、亀裂を生じさせることなく押し付けて、該金属薄板6を基材1の表面2に確実に密着させることができる。
押圧ローラ15は、ゴムや軟質合成樹脂等からなるもので、支持パイプ11の先端部にコ字形の支持部材11aを介して軸11b回りに回転自在に軸支されたものである。
支持パイプ11は図示しない支持手段によって傾斜角度を調整自在に支持されており、支持パイプ11の傾斜角度を調整することによって、押圧ローラ15の向きを所望の角度に調整できるようになっている。
押圧ローラ15を備えたラッピング装置によって、基材1の表面に金属薄板6を被覆するには、基材1を、その表面2が真上を向くようにして移送路8の上流側にセットする。
次に、図示しない送り装置から送られてきた金属薄板6の先端を基材1の先端に合わせておく。
その後、送りローラを回転させ、基材1を移送路8の下流側に移動させる。すると、基材1とともに移動する金属薄板6は、図6(a)〜(c)に示すように、その中央部が押圧ローラ15で少しずつ下方に押えられて行くことによって、曲面形状が付与されていき、そのうえで、基材1の表面2の中央部に押え付けられて貼着される。
基材1の表面2に形成されている溝5,5上には、上述したように、押圧ローラ15,15が配置されていないので、溝5,5上に位置する金属薄板6の部位は、押圧ローラ15,15で押し付けられない。
さらに、図6(f)に示すように、基材1の表面3,3の縁部側に折曲された金属薄板6は、押圧ローラ15,15によって、表面3,3の縁部に押し付けられて貼着される。これによって、基材1の表面2および表面3,3の縁部に金属薄板6が被覆される。
さらに、本実施の形態では、ラッピング装置に複数の押圧ローラ10や押圧ローラ15を配置して、これら押圧ローラ10や押圧ローラ15によって、金属薄板6を基材1の表面に被覆したが、本発明はこれに限ることなく、押圧ローラを金属薄板6の表面を移動させながら該表面を基材1の表面に押し付けるようにしてもよい。
2 曲面(表面)
3,3 表面
5 溝
6 金属薄板
10,15 押圧ローラ
Claims (5)
- 金属製の基材の表面に金属製の金属薄板を被覆する金属薄板被覆方法において、
前記基材の表面に、この表面に開口し、かつ端部が前記基材の表面と交差する面に開口する溝を形成し、
この溝が形成された前記基材の表面に、金属薄板を押圧ローラで押し付けることによって被覆することを特徴とする金属薄板被覆方法。 - 請求項1に記載の金属薄板被覆方法において、
前記溝の溝幅が0.1〜4.0mmであることを特徴とする金属薄板被覆方法。 - 請求項1または2に記載の金属薄板被覆方法において、
前記金属薄板の板厚が0.01〜0.1mmであることを特徴とする金属薄板被覆方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属薄板被覆方法において、
前記基材の表面に、金属薄板を押圧ローラで押し付けるに際し、
前記基材の表面に開口する溝上に位置する金属薄板の部位を、前記押圧ローラで押し付けないことを特徴とする金属薄板被覆方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属薄板被覆方法において、
前記押圧ローラが球状に形成されていることを特徴とする金属薄板被覆方法。
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