JP2017039225A - エンボス加工装置およびエンボス加工方法 - Google Patents

エンボス加工装置およびエンボス加工方法 Download PDF

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由 長谷川
Yoshi Hasegawa
由 長谷川
誠太郎 杉
Seitaro Sugi
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Abstract

【課題】基材に対してエンボス加工を行うにあたり装置の製造コストを低減するとともにエンボス加工にかかる時間を短縮することができ、しかもシート状媒体に形成される凹凸模様を鮮明なものとすることができるエンボス加工装置およびエンボス加工方法を提供する。
【解決手段】エンボス加工装置は、エンボスロール10と受けロール20との間に挟まれるべき基材における接着剤が供給された側の面にシート状媒体40を供給するシート状媒体供給部を備えており、エンボスロール10と受けロール20との間において、シート状媒体40と基材との間に接着剤が挟まれた状態で基材におけるシート状媒体40が設けられた側の面がエンボスロール10により受けロール20側に押圧されるようになっている。また、エンボス版12は、接着剤供給部30により供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持されるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、枚葉状の基材にエンボス加工を行うエンボス加工装置およびこのようなエンボス加工装置によるエンボス加工方法に関する。
枚葉状の木製や鉄製の基材にエンボス加工を行うことによって凹凸模様を形成することにより意匠性の高い化粧材(例えば、壁紙や床材等)を製造するエンボス加工装置として従来から様々なタイプのものが知られている。例えば、特許文献1には、エンボス版が形成されたエンボスロールと受けロールとの間に基材を送り、エンボスロールによって基材を受けロール側に押圧することにより基材におけるエンボス版に接触する側の表面に凹凸模様を形成するような化粧材の加飾方法が開示されている。
より詳細に説明すると、枚葉状の基材にエンボス加工を行うにあたり、従来では、基材の表面全域に接着剤を塗布した後、この基材の表面に化粧シートを載せることにより当該化粧シートを基板の表面に貼り付け、その後、化粧シートが接着剤により基材の表面に貼り付けられた状態で当該基材をエンボスロールと受けロールとの間に送ることにより、エンボス版によって化粧シートに凹凸模様を形成していた。
特開2003−11595号公報
しかしながら、上述した従来のエンボス加工方法では、基材の表面全域に接着剤を塗布した後、この基材の表面に化粧シートを載せて当該化粧シートを基板の表面に貼り付ける工程、および基材をエンボスロールと受けロールとの間に送る工程という2つの工程が必要となり、各々の工程で専用の加工装置が必要となるため、エンボス加工装置の製造コストが増大してしまうという問題がある。また、上述した従来のエンボス加工方法では2つの工程が必要となるためリードタイムが長くなってしまうという問題がある。さらに、基材の表面全域に塗布される接着剤は概して高温であるため、この接着剤を自然冷却させると当該接着剤がレベリングしてしまい、このためこの接着剤を介して基材に接着された化粧シートに形成される凹凸模様がぼやけてしまうという問題がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、基材に対してエンボス加工を行うにあたり装置の製造コストを低減するとともにエンボス加工にかかる時間を短縮することができ、しかも化粧シートとしてのシート状媒体に形成される凹凸模様を鮮明なものとすることができるエンボス加工装置およびエンボス加工方法に関する。
本発明のエンボス加工装置は、枚葉状の基材にエンボス加工を行うエンボス加工装置であって、基材を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される基材の表面に接着剤を供給する接着剤供給部と、その外周面にエンボス版が設けられたエンボスロールと、前記エンボスロールに対向するよう設けられ、前記搬送部により搬送される基材が前記エンボスロールとの間に挟まれる受けロールと、前記エンボスロールと前記受けロールとの間に挟まれるべき基材における前記接着剤供給部により接着剤が供給された側の面にシート状媒体を供給するシート状媒体供給部と、を備え、前記エンボスロールと前記受けロールとの間において、前記シート状媒体供給部から供給されたシート状媒体と基材との間に前記接着剤供給部から供給された接着剤が挟まれた状態で基材におけるシート状媒体が設けられた側の面が前記エンボスロールにより前記受けロール側に押圧されるようになっており、前記エンボスロールの前記エンボス版は、前記接着剤供給部により供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持されるようになっていることを特徴とする。
このようなエンボス加工装置によれば、化粧材としてのシート状媒体を基材に貼り付ける動作と、エンボスロールのエンボス版によってシート状媒体に凹凸模様を形成する動作とを同時に行うことができるようになるため、基材に対してエンボス加工を行うにあたり装置の製造コストを低減するとともにエンボス加工にかかる時間を短縮することができる。より詳細に説明すると、従来技術では、基材の表面全域に接着剤を塗布した後、この基材の表面に化粧シートを載せて当該化粧シートを基材の表面に貼り付ける工程、および基材をエンボスロールと受けロールとの間に送る工程という2つの工程が必要となり、各々の工程で専用の加工装置が必要となるため、エンボス加工装置の製造コストが増大してしまうという問題があった。これに対し、本実施の形態では、化粧材としてのシート状媒体を基材に貼り付ける動作と、エンボスロールのエンボス版によってシート状媒体に凹凸模様を形成する動作とを同時に行うことにより、上記の従来技術の問題を解決することができる。さらに、エンボスロールのエンボス版は、供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持されるようになっているため、接着剤をエンボス版により急速に冷却することができる。この場合には、接着剤を自然冷却させる場合と比較して、接着剤がレベリングしてしまうことを防止することができ、また、粘り気のある接着剤が固化されるため、接着剤を介して基材に接着されたシート状媒体に形成される凹凸模様を鮮明なものとすることができる。また、接着剤をエンボス版により急速に冷却する場合、すなわちシート状媒体と接着剤が柔らかい状態でエンボスロールを受けロール側に押圧し、すぐに接着剤が固化して賦形が完了する場合、エンボスロールを受けロール側に押圧する力を低減することができる。そして、エンボスロールを受けロール側に押圧する力が低減すると、本発明のエンボス加工装置をコンパクト化することができるという効果が得られる。
本発明のエンボス加工装置においては、前記接着剤供給部は、100度乃至150度の範囲内の温度の接着剤を基材に供給するようになっていてもよい。
本発明のエンボス加工装置は、前記エンボスロールの前記エンボス版を冷却するためのエンボスロール冷却部を更に備えていてもよい。
本発明のエンボス加工装置においては、前記搬送部により搬送される基材におけるシート状媒体が供給される側の面とは反対側の面にシート状の保護媒体が設置されていてもよい。
本発明のエンボス加工方法は、枚葉状の基材にエンボス加工を行うエンボス加工方法であって、基材を搬送する工程と、搬送される基材の表面に接着剤を供給する工程と、搬送される基材における接着剤が供給された側の面にシート状媒体を供給する工程と、その外周面にエンボス版が設けられたエンボスロールと受けロールとの間において、供給されたシート状媒体と基材との間に接着剤が挟まれた状態で基材におけるシート状媒体が設けられた側の面をエンボスロールにより受けロール側に押圧する工程と、を備え、前記エンボスロールの前記エンボス版は、供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持されるようになっていることを特徴とする。
このようなエンボス加工方法によれば、化粧材としてのシート状媒体を基材に貼り付ける動作と、エンボスロールのエンボス版によってシート状媒体に凹凸模様を形成する動作とを同時に行うことができるようになるため、基材に対してエンボス加工を行うにあたり装置の製造コストを低減するとともにエンボス加工にかかる時間を短縮することができる。さらに、エンボスロールのエンボス版は、供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持されるようになっているため、接着剤をエンボス版により急速に冷却することができる。この場合には、接着剤を自然冷却させる場合と比較して、接着剤がレベリングしてしまうことを防止することができ、また、粘り気のある接着剤が固化されるため、接着剤を介して基材に接着されたシート状媒体に形成される凹凸模様を鮮明なものとすることができる。また、接着剤をエンボス版により急速に冷却する場合、すなわちシート状媒体と接着剤が柔らかい状態でエンボスロールを受けロール側に押圧し、すぐに接着剤が固化して賦形が完了する場合、エンボスロールを受けロール側に押圧する力を低減することができる。そして、エンボスロールを受けロール側に押圧する力が低減すると、本発明のエンボス加工方法を行う際に用いられるエンボス加工装置をコンパクト化することができるという効果が得られる。
本発明のエンボス加工装置およびエンボス加工方法によれば、基材に対してエンボス加工を行うにあたり装置の製造コストを低減するとともにエンボス加工にかかる時間を短縮することができ、しかもシート状媒体に形成される凹凸模様を鮮明なものとすることができる。
本発明の実施の形態によるエンボス加工装置の構成を概略的に示す概略構成図である。 図1に示すエンボス加工装置の上面図である。 図1に示すエンボス加工装置によりエンボス加工が行われた基板の構成を示す側面図である。 変形例に係るエンボス加工装置におけるエンボスロールの構成を示す構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は、本実施の形態によるエンボス加工装置を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態によるエンボス加工装置の構成を概略的に示す概略構成図であり、図2は、図1に示すエンボス加工装置の上面図であり、図3は、図1に示すエンボス加工装置によりエンボス加工が行われた基板の構成を示す側面図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態によるエンボス加工装置1は、枚葉状の木製や鉄製の基材(図1等において参照符号Wで表示)を図1や図2における右方向に搬送する搬送部50と、搬送部50により搬送される基材の表面に樹脂等からなる接着剤(図1等において参照符号Pで表示)を供給するディスペンサー等の接着剤供給部30と、その外周面にエンボス版12が設けられたエンボスロール10と、エンボスロール10に対向するよう設けられ、搬送部50により搬送される基材がエンボスロール10との間に挟まれる受けロール20とを備えている。また、本実施の形態によるエンボス加工装置1では、エンボスロール10と受けロール20との間に挟まれるべき基材における接着剤供給部30により接着剤が供給された側の面(すなわち、図1における上側の面)に化粧材としてのシート状媒体40が供給されるようになっている。そして、本実施の形態によるエンボス加工装置1では、エンボスロール10と受けロール20との間において、シート状媒体40と基材との間に接着剤供給部30から供給された接着剤が挟まれた状態で基材におけるシート状媒体40が設けられた側の面がエンボスロール10により受けロール20側に押圧されるようになっており、このことによりエンボスロール10のエンボス版12の凹凸模様がシート状媒体40に転写されるようになっている。このようなエンボス加工装置1の各構成部材の詳細について以下に説明する。
エンボスロール10は軸14を中心として図1における反時計回りの方向に回転するようになっている。また、エンボスロール10の外周面に形成されるエンボス版12は、凸部12aおよび凹部12bを組み合わせたものからなる。また、本実施の形態では、エンボスロール10の内部は中空となっており、エンボス版12を冷却するための冷却水16がこのエンボスロール10の内部に設けられた中空領域に貯留されるようになっている。
受けロール20は軸22を中心として図2における時計回りの方向に回転するようになっている。また、受けロール20は、ゴム等の弾性体から形成される外周層を有している。また、本実施の形態では、エンボスロール10は図示しない押圧機構によって受けロール20側に向かって押圧されるようになっている。このことにより、エンボスロール10と受けロール20との間の隙間を通過する基材に貼り付けられたシート状媒体40は当該エンボスロール10のエンボス版12における凸部12aにより押圧されることによって変形し、このことによりエンボス版12の凹凸模様がシート状媒体40に転写されるようになっている。
図2に示すように、接着剤供給部30は、搬送部50による基材の搬送方向(すなわち、図1や図2における右方向)に直交する方向であって水平方向に延びる棒状の案内レール32と、案内レール32に沿って移動可能となっており接着剤を下方に吐出する接着剤吐出部材34とを有している。そして、基材が図1や図2における二点鎖線に示す箇所に位置しているときに、接着剤吐出部材34が案内レール32に沿って図2における上下方向に移動しながら接着剤を基材に向かって吐出することにより、基材における幅方向(すなわち、図2における上下方向)の全域にわたって接着剤が供給されるようになる。なお、接着剤吐出部材34から吐出される接着剤の温度は100度乃至150度の範囲内となっている。
図1に示すように、本実施の形態によるエンボス加工装置1では、化粧材としての帯状のシート状媒体40を巻き出す巻出ロール42と、巻出ロール42から巻き出されたシート状媒体40を基材に向かって案内する案内ロール44とがそれぞれ設けられている。そして、巻出ロール42から巻き出され、案内ロール44によって案内された帯状のシート状媒体40は、搬送部50によってエンボスロール10と受けロール20との間の隙間に送り込まれた基材の表面(具体的には、基材における接着剤供給部30により接着剤が供給された側の面)に送り込まれるようになっており、このシート状媒体40は基材とともにエンボスロール10と受けロール20との間に挟まれるようになっている。本実施の形態では、これらの巻出ロール42および案内ロール44を組み合わせることにより、シート状媒体40を供給するシート状媒体供給部が構成されている。なお、図2では、基材やエンボスロール10を見やすくするためにシート状媒体40、巻出ロール42および案内ロール44の図示を省略している。
基材の搬送を行う搬送部50は複数の搬送ローラ51を有しており、これらの搬送ローラ51により基材は図1や図2における右方向に搬送されるようになっている。より詳細には、図1や図2において二点鎖線で示すような位置の基材に対して接着剤供給部30により接着剤が供給された後、搬送部50により基材が図1や図2における右方向に搬送されることにより当該基材は図1や図2において実線で示すような位置に到達し、さらに基材が図1や図2において実線で示すような位置から搬送部50により図1や図2における右方向に搬送されることによりこの基材はエンボスロール10と受けロール20との間の隙間を通って当該隙間から右方向に放出されるようになる。
また、本実施の形態によるエンボス加工装置1では、図3に示すように、搬送部50により搬送される基材におけるシート状媒体40が供給される側の面とは反対側の面にシート状の保護媒体52が設置されている。なお、図3ではシート状の保護媒体52を見やすくするために基材とシート状の保護媒体52とがわずかに離間した状態で図示しているが、実際にはシート状の保護媒体52は基材の裏面の全域と接触している状態となっている。また、このようなシート状の保護媒体52は、接着剤供給部30により接着剤が基材に供給される前に当該基材の裏面と接触しており、着脱自在に貼り付けられていてもよい。なお、図1および図2では図面を見やすくするためにシート状の保護媒体52の図示を省略している。このようなシート状の保護媒体52を設けることにより、エンボスロール10と受けロール20との間の隙間を基材が通過したときにこの基材とシート状媒体40との間に挟まれている接着剤が基材の側縁部からはみ出した場合でも、はみ出した接着剤が受けロール20等に付着してしまうことを防止することができるようになる。
次に、このような構成からなるエンボス加工装置1によるエンボス加工方法について説明する。
まず、エンボス加工が行われるべき枚葉状の基材の裏面(すなわち、図1における下側の面)の全域にシート状の保護媒体52を設置する。この際に、シート状の保護媒体52が基材の側縁部からはみ出るようにする。次に、シート状の保護媒体52が裏面に設置された基材を搬送部50の各搬送ローラ51に載せる。そして、図1や図2において二点鎖線で示す位置にある基材に対して接着剤供給部30により接着剤を供給する。具体的には、基材が図1や図2における二点鎖線に示す箇所に位置しているときに、接着剤吐出部材34を案内レール32に沿って図2における上下方向に移動させながらこの接着剤吐出部材34により接着剤を基材に向かって吐出させることにより、基材における幅方向(すなわち、図2における上下方向)の全域にわたって接着剤が供給されるようになる。
その後、搬送部50により基材を図1や図2における右方向に移動させ、この基材を図1や図2における実線で示す箇所に位置させる。そして、搬送部50により基材を図1や図2における実線で示す箇所から更に右方向に移動させ、エンボスロール10と受けロール20との間の隙間を通過させるようにする。また、この際に、巻出ロール42から巻き出され、案内ロール44によって案内された帯状のシート状媒体40を、エンボスロール10と受けロール20との間の隙間に送り込まれた基材の表面(具体的には、基材における接着剤供給部30により接着剤が供給された側の面)に送り込むようにする。このことにより、エンボスロール10と受けロール20との間において、案内ロール44から送り込まれた帯状のシート状媒体40と基材との間に接着剤が挟まれた状態で基材におけるシート状媒体40が設けられた側の面がエンボスロール10により受けロール20側に押圧され、このことによりシート状媒体40が基材に貼り付けられるようになる。また、シート状媒体40がエンボスロール10のエンボス版12によって押圧されることによりエンボス版12の凹凸模様がシート状媒体40に転写される。このように、本実施の形態では、化粧材としてのシート状媒体40を基材に貼り付ける動作と、当該シート状媒体40に凹凸模様を形成する動作とを同時に行うことができるようになる。また、本実施の形態では、エンボスロール10のエンボス版12は冷却水16により冷却されているため、接着剤をエンボス版12により急速に冷却することができる。この場合には、接着剤を自然冷却させる場合と比較して、接着剤がレベリングしてしまうことを防止することができ、また、粘り気のある接着剤が固化されるため、接着剤を介して基材に接着されたシート状媒体40に形成される凹凸模様を鮮明なものとすることができる。また、接着剤をエンボス版12により急速に冷却する場合、すなわちシート状媒体40と接着剤が柔らかい状態でエンボスロール10を受けロール20側に押圧し、すぐに接着剤が固化して賦形が完了する場合、エンボスロール10を受けロール20側に押圧する力を低減することができる。そして、エンボスロール10を受けロール20側に押圧する力が低減するとエンボス加工装置1をコンパクト化することができるという効果が得られる。
図3は、エンボスロール10と受けロール20との間の隙間を通って当該隙間から右方向に放出された基材を示す側面図である。図3に示すように、エンボスロール10と受けロール20との間の隙間から放出された基材は、接着剤が完全に固化されるまで放置される(エージング処理)。そして、接着剤が完全に固化された後、基材の側縁部が断裁刃等によって断裁されることにより基材の側縁部からはみ出た接着剤やシート状の保護媒体52が除去され、凹凸模様が形成された完成品として基材が出来上がるようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態のエンボス加工装置1およびこのようなエンボス加工装置1によるエンボス加工方法によれば、エンボス版12が設けられたエンボスロール10と受けロール20との間において、供給されたシート状媒体40と基材との間に接着剤が挟まれた状態で基材におけるシート状媒体40が設けられた側の面をエンボスロール10により受けロール20側に押圧するようになっており、また、エンボスロール10のエンボス版12は、接着剤供給部30により供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持されるようになっている。このことにより、化粧材としてのシート状媒体40を基材に貼り付ける動作と、エンボスロール10のエンボス版12によってシート状媒体40に凹凸模様を形成する動作とを同時に行うことができるようになるため、基材に対してエンボス加工を行うにあたり装置の製造コストを低減するとともにエンボス加工にかかる時間を短縮することができる。より詳細に説明すると、従来技術では、基材の表面全域に接着剤を塗布した後、この基材の表面に化粧シートを載せて当該化粧シートを基材の表面に貼り付ける工程、および基材をエンボスロールと受けロールとの間に送る工程という2つの工程が必要となり、各々の工程で専用の加工装置が必要となるため、エンボス加工装置の製造コストが増大してしまうという問題があった。これに対し、本実施の形態では、化粧材としてのシート状媒体40を基材に貼り付ける動作と、エンボスロール10のエンボス版12によってシート状媒体40に凹凸模様を形成する動作とを同時に行うことにより、上記の従来技術の問題を解決することができる。さらに、エンボスロール10のエンボス版12は、供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持されるようになっているため、接着剤をエンボス版12により急速に冷却することができる。この場合には、接着剤を自然冷却させる場合と比較して、接着剤がレベリングしてしまうことを防止することができ、また、粘り気のある接着剤が固化されるため、接着剤を介して基材に接着されたシート状媒体40に形成される凹凸模様を鮮明なものとすることができる。また、接着剤をエンボス版12により急速に冷却する場合、すなわちシート状媒体40と接着剤が柔らかい状態でエンボスロール10を受けロール20側に押圧し、すぐに接着剤が固化して賦形が完了する場合、エンボスロール10を受けロール20側に押圧する力を低減することができる。そして、エンボスロール10を受けロール20側に押圧する力が低減するとエンボス加工装置1をコンパクト化することができるという効果が得られる。
また、本実施の形態のエンボス加工装置1においては、接着剤供給部30は、100度乃至150度の範囲内の温度の接着剤を基材に供給するようになっている。
また、本実施の形態のエンボス加工装置1においては、エンボスロール10のエンボス版12を冷却するためのエンボスロール冷却部として冷却水16が用いられるようになっている。この場合には、より確実に、エンボスロール10のエンボス版12を、接着剤供給部30により供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持することができるようになる。
また、本実施の形態のエンボス加工装置1においては、搬送部50により搬送される基材におけるシート状媒体40が供給される側の面とは反対側の面にシート状の保護媒体52が設置されている。この場合には、エンボスロール10と受けロール20との間の隙間を基材が通過したときにこの基材とシート状媒体40との間に挟まれている接着剤が基材の側縁部からはみ出した場合でも、はみ出した接着剤が受けロール20等に付着してしまうことを防止することができるようになる。
なお、本実施の形態によるエンボス加工装置1およびエンボス加工方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
本実施の形態によるエンボス加工装置1およびエンボス加工方法では、エンボスロール10のエンボス版12は、接着剤供給部30により供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持されるようになっているが、エンボス版12を接着剤の温度よりも低い温度に維持する方法は冷却水16を用いた方法に限定されることはない。エンボス版12の温度が接着剤の温度よりも低い温度に維持されるのであれば、例えば接着剤供給部30から基材に供給される接着剤の温度が100度乃至150度の範囲内であるときに、エンボス版12の温度が常温よりも高い温度に維持されるようになっていてもよい。具体的には、図4に示すように、エンボス版12を加熱するためのヒータ18が設けられており、このヒータ18によりエンボス版12が所定の温度に調整されるようになっていてもよい。また、エンボス版12の内部に設けられた中空領域に冷却水16を貯留させる代わりに温水16を貯留させるようにしてもよい。このように、エンボス版12と接着剤の温度差をヒータ18や温水16により制御することで、シート状媒体40の素材特性に合わせてエンボス加工を行うことができ、よってシート状媒体40の素材選択性を広げることができる。
また、エンボスロール10と受けロール20との間に挟まれるべき基材における接着剤供給部30により接着剤が供給された側の面にシート状媒体40を供給するシート状媒体供給部は、巻出ロール42および案内ロール44を組み合わせたものに限定されることはない。エンボスロール10と受けロール20との間に挟まれるべき基材における接着剤が供給された側の面にシート状媒体40を供給することができるものであれば、図1に示す構成以外のものをシート状媒体供給部として用いてもよい。
1 エンボス加工装置
10 エンボスロール
12 エンボス版
12a 凸部
12b 凹部
14 軸
16 冷却水、温水
18 ヒータ
20 受けロール
22 軸
30 接着剤供給部
32 案内レール
34 接着剤吐出部材
40 シート状媒体
42 巻出ロール
44 案内ロール
50 搬送部
51 搬送ローラ
52 保護媒体

Claims (5)

  1. 枚葉状の基材にエンボス加工を行うエンボス加工装置であって、
    基材を搬送する搬送部と、
    前記搬送部により搬送される基材の表面に接着剤を供給する接着剤供給部と、
    その外周面にエンボス版が設けられたエンボスロールと、
    前記エンボスロールに対向するよう設けられ、前記搬送部により搬送される基材が前記エンボスロールとの間に挟まれる受けロールと、
    前記エンボスロールと前記受けロールとの間に挟まれるべき基材における前記接着剤供給部により接着剤が供給された側の面にシート状媒体を供給するシート状媒体供給部と、
    を備え、
    前記エンボスロールと前記受けロールとの間において、前記シート状媒体供給部から供給されたシート状媒体と基材との間に前記接着剤供給部から供給された接着剤が挟まれた状態で基材におけるシート状媒体が設けられた側の面が前記エンボスロールにより前記受けロール側に押圧されるようになっており、
    前記エンボスロールの前記エンボス版は、前記接着剤供給部により供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持されるようになっている、エンボス加工装置。
  2. 前記接着剤供給部は、100度乃至150度の範囲内の温度の接着剤を基材に供給するようになっている、請求項1記載のエンボス加工装置。
  3. 前記エンボスロールの前記エンボス版を冷却するためのエンボスロール冷却部を更に備えた、請求項1または2記載のエンボス加工装置。
  4. 前記搬送部により搬送される基材におけるシート状媒体が供給される側の面とは反対側の面にシート状の保護媒体が設置されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエンボス加工装置。
  5. 枚葉状の基材にエンボス加工を行うエンボス加工方法であって、
    基材を搬送する工程と、
    搬送される基材の表面に接着剤を供給する工程と、
    搬送される基材における接着剤が供給された側の面にシート状媒体を供給する工程と、
    その外周面にエンボス版が設けられたエンボスロールと受けロールとの間において、供給されたシート状媒体と基材との間に接着剤が挟まれた状態で基材におけるシート状媒体が設けられた側の面をエンボスロールにより受けロール側に押圧する工程と、
    を備え、
    前記エンボスロールの前記エンボス版は、供給される接着剤の温度よりも低い温度に維持されるようになっている、エンボス加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102019463B1 (ko) * 2018-03-23 2019-09-06 주식회사 두림 Pvc나 g-pet를 포함한 무광 co-pet 가공용 시트제조장치
KR102064564B1 (ko) 2018-03-23 2020-01-09 주식회사 두림 엠보롤과 고무롤을 손상시키지 않으면서 pvc나 g-pet 가공과 겸하여 무광 co-pet 가공이 가능한 시트제조장치

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