JP2010269203A - 廃水処理装置及びその制御方法 - Google Patents

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Miki Oguni
美貴 小国
Kazuhiro Sekine
和弘 関根
Masato Kawahara
将人 河原
Hisao Matsuno
久雄 松野
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Abstract

【課題】 流動床による微生物処理を行う複数の処理槽を上下方向に積層した構造の廃水処理装置において、処理槽間で微生物集団をろ過するフィルターのメンテナンスを容易にして長期間にわたり良好な浄化性能を発揮させる。
【解決手段】 ポンプ22を介して廃水が圧送される第1の浄化槽11と、その上方に配置される第2の浄化槽12との間に、着脱可能なフィルター15を備えた圧力室21を介装し、圧力室21と第2の浄化槽12との連通を開閉する弁装置35を設ける。浄化処理のときには、弁装置35を開弁させ、ポンプ22を介して第1の処理槽11に圧送した廃水を第2の処理槽12へと導入する。フィルター15を清掃するときには、ポンプ22を停止して廃水の圧送を停止し、弁装置35を閉弁させ、圧力室21のドア37を開いて開口部36からフィルター15を取り出す。
【選択図】 図8

Description

この発明は、生活廃水や工場廃水などに含まれる有機成分である炭素化合物(BOD成分)や窒素化合物を微生物を用いて浄化処理する技術に関し、より詳しくは好気性微生物又は嫌気性微生物により処理を行う複数の処理槽を上下方向に積層した構成を有する廃水処理装置及びこの種の廃水処理装置において汚泥等をろ過するために用いられるフィルターを効果的に再生するための制御方法に関する。
有機廃水などを生化学的に浄化処理する手法として、好気性微生物又は嫌気性微生物を用いた活性汚泥法が広く利用されている。好気性微生物を用いた処理(好気性処理)では、BOD成分は炭酸ガスと水に、窒素化合物はアンモニアと硝酸塩に、硫黄化合物は硫酸塩に変化する。また、嫌気性微生物を用いた処理(嫌気性処理)では、BOD成分は二酸化炭素、メタン、水素に、窒素化合物は窒素とアンモニアに、硫黄化合物は硫化水素に変化する。活性汚泥はこうした処理を行う微生物の集団であり、好気性処理では好気性微生物の活性汚泥と廃水とを混合し、曝気により酸素を供給しながら有機物を分解する。嫌気性処理は、発生するメタンをエネルギー資源として利用でき、発生する汚泥が比較的少ないという特徴があるが、これ単独よりも、特に高BOD廃水を処理する際の好気性処理の前処理及び余剰汚泥処理として適用されることが多い。
こうした活性汚泥法を実施する処理装置は、嫌気性処理槽及び好気性処理槽の他に、好気性処理槽からの処理水から汚泥を分離するための沈殿槽、好気性処理槽からの余剰汚泥の一部を嫌気性処理槽に戻すための設備、有機物等を含む原廃水から、粗大異物、浮遊固形物、油脂分などを除去する前処理のための設備など多くの機器からなるプラントを構成する必要がある。また、従来の活性汚泥を用いた固定床方式の浄化処理では、嫌気性処理槽及び好気性処理槽の各槽での処理に長時間を要するので、廃水の量に応じて処理槽が大型化することが避けられない。これらのことから、従来の廃水処理施設は設置面積が大きくなる傾向があり、特に廃水処理の要求が増大する今日においては施設の大型化及び設置場所の確保が課題となっている。
これに対して、処理効率及び処理速度を高めることで装置の小型化を可能にする技術として、自己造粒性を有する微生物によりグラニュールを形成し、あるいは多孔性の微生物担体に微生物を担持させることで処理槽内の微生物濃度を高めるようにしたものが知られている。例えば、メタン生成菌などの自己造粒型嫌気性微生物からなるグラニュール汚泥を流動床として用いるUASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket:上向流嫌気性流動床)方式においては、固定床方式に比較して極めて大きな微生物濃度及び処理速度が得られるとされている。また、特許文献1には、自己造粒型微生物を用いる代わりに、PVA系含水ゲルからなる担体に微生物を担持させることにより微生物濃度を高めた排水処理装置が開示されている。
一方、プラント構造の面から設備の設置面積を低減する技術として、嫌気性処理槽と好気性処理槽を上下方向に積層した構造のものが提案されている。例えば、特許文献2又は特許文献3には、処理槽の下方に嫌気性微生物を固定したろ床を設けると共に、その上方に散気装置等を備えた好気性ろ床部を設けたものが開示されている。また、特許文献4又は特許文献5には、処理槽内を網目状スクリーンなどで下方の嫌気性流動床と上方の好気性流動床とに仕切った構造のものが開示されている。何れも下方の嫌気性処理部で処理した廃水を上方の好気性処理部に移動させることで連続的な廃水処理を実現するものであるが、特許文献2又は特許文献3のものは固定床方式であるので処理速度が低く、装置の小型化という観点からは十分ではない。これに対して、特許文献4又は特許文献5のものは処理速度の高い流動床方式であるので、装置小型化の面では有利である。
特許第3385306号公報 特開平10−85786号公報 特開2008−29943号公報 特公平1−37988号公報 特許第3947589号公報
ところで、固定床方式では微生物の移動が少ないので、嫌気性処理部から好気性処理部への微生物の流失が少ないのに対して、流動床方式では槽内で微生物が大きく流動するので、嫌気性処理部と好気性処理部との間にろ過装置を設けて、嫌気性微生物が好気性処理部に流失しないように図る必要がある。前述の特許文献4又は特許文献5のものにおいて、嫌気性処理部と好気性処理部との間にフィルターとして機能するスクリーンを設けているのはこのためである。
しかしながら、嫌気性処理は好気性処理に比較して発生する汚泥が比較的少ないとはいえ、フィルターにより画成された処理槽内には確実に汚泥が発生し、フィルターの目詰まりを進行させる。上下の処理槽間に介装されたフィルターは清掃や交換などのメンテナンスが困難であり、ある程度の目詰まりが起これば処理設備の運転を停止せざるを得ない。このことが、処理槽を上下方向に積層した構成の廃水処理装置を実用化するうえでの大きな障害になっている。
請求項1は、
廃水通路を介して圧送手段からの廃水が圧送される第1の微生物処理槽と、
前記第1の微生物処理槽の上に配置される第2の微生物処理槽と、
前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する第1の流路と、
前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する第2の流路と、
前記第1の流路の途中に介装される第1のフィルターと、
前記第2の流路の途中に介装される第2のフィルターと、
前記第1のフィルターの第2の微生物処理槽側の受圧面に面して画成した第1の圧力室と、
前記第2のフィルターの第2の微生物処理槽側の受圧面に面して画成した第2の圧力室と、
前記第1の圧力室を第2の微生物処理槽又は前記廃水通路に選択的に連通する第1の弁装置と、
前記第2の圧力室を第2の微生物処理槽又は前記廃水通路に選択的に連通する第2の弁装置とを備えること
を特徴とする廃水処理装置の発明である。
請求項2は、前記請求項1において、
前記第1、第2の流路、第1、第2のフィルター、第1、第2の圧力室、第1、第2の弁装置は、
前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽との間に介装されてこれらを連結する中間体に内蔵されていること
を特徴とする廃水処理装置の発明である。
請求項3は、前記請求項1又は請求項2の何れかにおいて、
前記圧送手段としてポンプを設けると共に、
前記ポンプの吸込側と吐出側とを連通するバイパス通路と、
前記バイパス通路を開閉するバイパス弁とを備えること
を特徴とする廃水処理装置の発明である。
請求項4は、前記請求項2において、
前記中間体に、圧力室を外部に連通する開口部と、
前記開口部を開閉するドアとを備えること
を特徴とする廃水処理装置の発明である。
請求項5は、
ポンプを介して廃水が圧送される第1の微生物処理槽と、
前記第1の微生物処理槽の上に積層される第2の微生物処理槽と、
前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する第1の流路と、
前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する第2の流路と、
前記第1の流路の途中に介装される第1のフィルターと、
前記第2の流路の途中に介装される第2のフィルターと、
前記第1のフィルターの第2の微生物処理槽側の受圧面に面して画成した第1の圧力室と、
前記第2のフィルターの第2の微生物処理槽側の受圧面に面して画成した第2の圧力室と、
前記第1の圧力室を第2の微生物処理槽又は前記ポンプの吐出側に選択的に連通する第1の弁装置と、
前記第2の圧力室を第2の微生物処理槽又は前記ポンプの吐出側に選択的に連通する第2の弁装置と、
前記ポンプの吸込側と吐出側とを連通するバイパス通路と、
前記バイパス通路を開閉するバイパス弁と、
を備える廃水処理装置の制御方法であって、
前記第1又は第2の弁装置の何れか一方を、圧力室が第2の微生物処理槽に連通する「輸送位置」とし、何れか他方を、圧力室がポンプ吐出側に連通する「再生位置」とすると共に、
前記遮断弁を閉ざしてポンプを駆動することにより、
前記「再生位置」にあるフィルターを介してポンプからの廃水を第1の微生物処理槽へと圧送すると共に、「輸送位置」にあるフィルターを介して第1の微生物処理槽の処理水を第2の微生物処理槽へと圧送し、
この状態から前記第1、第2の弁装置を切り換えるにあたり、
前記切り換えの前にポンプを駆動したままバイパス弁を開き、
前記バイパス弁の開弁の後に前記弁装置の切り換えを行い、
前記弁装置の切り換えの後にバイパス弁を閉ざすようにしたこと
を特徴とする廃水処理装置の制御方法の発明である。
請求項6は、
ポンプを介して廃水が圧送される第1の微生物処理槽と、
前記第1の微生物処理槽の上に配置される第2の微生物処理槽と、
前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する流路の途中に画成される圧力室と、
前記圧力室に介装される第1のフィルターと、
前記圧力室を第2の微生物処理槽又はポンプの吐出側と選択的に連通する第1の弁装置と、
前記第1の微生物処理槽をポンプの吐出側又は吸込側に選択的に連通する第2の弁装置と、
前記第2の弁装置と第1の微生物処理槽とを連通する流路の途中に介装される第2のフィルターとを備えること
を特徴とする廃水処理装置の発明である。
請求項7は、
圧送手段からの廃水が圧送される第1の微生物処理槽と、
前記第1の微生物処理槽の上に配置される第2の微生物処理槽と、
前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する流路の途中に画成される圧力室と、
前記圧力室に着脱自在に収装されるフィルターと、
前記圧力室と第2の微生物処理槽との間に介装される弁装置と、
前記圧力室を外部に連通する開口部と、
前記開口部を開閉するドアとを備えること
を特徴とする廃水処理装置の発明である。
請求項8は、
前記請求項7において、
前記弁装置として、前記第1の微生物処理槽及び圧力室から第2の微生物処理槽への処理水の流れのみを許容する一方向弁を介装したこと
を特徴とする廃水処理装置の発明である。
前記請求項1以下の各発明において、例えば第1の微生物処理槽における嫌気性処理と第2の微生物処理槽における好気性処理による廃水処理の過程で、第1の微生物処理槽から第2の微生物処理槽へと処理水が流れる際に、各処理槽の間に設けたフィルターを介して、第1の微生物処理槽内で形成される微生物のグラニュール又は微生物を固定した担体粒子がろ過されるので、第1の微生物処理槽の嫌気性微生物の集団が第2の微生物処理槽へと流失することはない。一方、前記廃水処理の過程で、第1の微生物処理槽内で発生した汚泥が次第にフィルターに溜まるので、そのまま放置するとやがてフィルターが目詰まりを起こして第2の微生物処理槽へと処理水を輸送することが困難になる。
これに対して、この発明によれば、フィルターが目詰まりする前にそのろ過機能を復旧させる再生処理を容易に行うことができ、又はフィルターを容易に交換することができる。したがって、微生物のグラニュール又は微生物担体を用いた処理速度の高い流動床を、上下方向に微生物処理槽を積層した構造の廃水処理装置に適用して、長期間にわたり効率の良い廃水処理を行わせることができる。即ち、この発明によれば、処理効率が高く、設置面積が小さく、かつ実用的な廃水処理装置を実現することができる。なお、この発明に固有の作用効果の詳細については、以下の実施形態の説明の中で説明することとする。
この発明を適用可能な廃水処理槽の一例を示す概略縦断面図。 この発明に係る廃水処理装置の第1の実施形態の概略構成図。 前記第1の実施形態の異なる状態を示す概略構成図。 この発明に係る廃水処理装置の第2の実施形態の概略構成図。 前記第2の実施形態の異なる状態を示す概略構成図。 この発明に係る廃水処理装置の第3の実施形態の概略構成図。 前記第3の実施形態の異なる状態を示す概略構成図。 この発明に係る廃水処理装置の第4の実施形態の概略構成図。 前記第4の実施形態の異なる状態を示す概略構成図。 この発明に係る廃水処理装置の第5の実施形態の概略構成図。
図1は、この発明を適用可能な廃水処理槽の一構成例を示している。図において、11は第1の微生物処理槽、12は前記第1の微生物処理槽の上に積層する態様で設けた第2の微生物処理槽、13は前記各処理槽11,12を包囲するように、又は各処理槽11、12の側方に位置するように設けた沈殿槽である。
第1の微生物処理槽11には、図示しないポンプを介して処理対象となる廃水を圧送する。廃水の圧送手段としては、ポンプの他に、第2の微生物処理槽よりも高水位となる位置に設けた廃水貯水池と、この貯水池からの廃水の供給又は供給停止を制御する弁装置を適用することもできる。前記廃水は、微生物処理槽11に導入される前段階の処理として、粗大異物、浮遊固形物、油脂分などが除去されている。なお、以下の説明では、第1の微生物処理槽11に導入された以後の廃水を「処理水」と呼ぶことにする。
第1の微生物処理槽11と第2の微生物処理槽12との間には、これらを連通する流路14を設けており、この流路14には第1の微生物処理槽11に投入した微生物が第2の微生物処理槽12に流失しないようにろ過するフィルター15を収容してある。第1の微生物処理槽11に圧送された処理水は、前記流路14及びフィルター15を介して第2の微生物処理槽12に圧送される。
第2の微生物処理槽12の底部には曝気のための散気通路16を設けており、図示しないブロワーからの加圧空気をこの散気通路16を介して第2の微生物処理槽12の内部に供給する。また、第2の微生物処理槽12の略中央部には、処理槽上部に取り付けたモーター17によって回転する撹拌翼18を設けており、第1の微生物処理槽11から送られてきた処理水は、この撹拌翼18により撹拌されながら散気通路16からの空気により曝気される。
各処理槽11,12に投入する微生物は任意であるが、典型的には下方に位置する第1の微生物処理槽11には嫌気性微生物を投入して、主に脱窒処理を行わせる。また、上方に位置する第2の微生物処理槽12には好気性微生物を投入して主にBOD成分の酸化と窒素化合物の硝化を行わせる。少なくとも第1の微生物処理槽11に投入する嫌気性微生物については、好ましくは、自己造粒性を有する嫌気性微生物を投入してグラニュールを形成させ、又は嫌気性微生物を固定した担体粒子を投入して、微生物濃度の高い流動床を形成するように図る。
この廃水処理槽では、嫌気性処理を行う第1の微生物処理槽11から第2の微生物処理槽12へと圧送された処理水が、好気条件下でBOD成分の酸化と窒素化合物の硝化がなされる。第2の微生物処理槽12からの処理水は、処理槽上部から沈殿槽13へと流出する。沈殿槽13では微生物由来の汚泥を沈殿させ、上澄みを浄化済みの処理水として放出する。沈殿槽13の処理水及び汚泥の一部は、図示しない還流通路を介して第1の微生物処理槽11に循環させ、嫌気条件下に脱窒処理させる。
ところで、前述したように、このような嫌気性微生物の流動床を形成する廃水処理装置では、処理速度の高い効率のよい廃水処理が可能である反面、流動床を形成する嫌気性微生物が流失しないように設けたフィルター15に汚泥が堆積するという問題がある。そのまま放置すればフィルター15が目詰まりを起こし、廃水処理を継続することができなくなってしまう。
この発明では、例えばこのような廃水処理槽において、フィルターが目詰まりを起こさないように容易に再生でき、又はフィルターを容易に交換できるようにすることで、小型で効率が良い積層構造の廃水処理装置を実現したものであり、以下にてその具体的な実施形態を、図2以下を参照しながら説明する。なお、以下の各実施形態では、この発明の要点となるフィルターシステムに関わる構成のみを示し、前述した散気装置、撹拌装置、沈殿槽などの補機類は図示及び説明を省略することとする。また、各図において共通する部分には共通する符号を付してその説明を省略することがある。
<第1の実施形態>
図2と図3は、この発明の第1の実施形態である。この実施形態は、この発明との関係においては、請求項1、請求項3、請求項5の内容に対応する。図において、11は第1の微生物処理槽、12は第1の微生物処理槽11の上に配置した第2の微生物処理槽、14aは第1の微生物処理槽11と第2の微生物処理槽12とを連通する第1の流路、14bは第1の微生物処理槽11と第2の微生物処理槽12とを連通する第2の流路、15aは第1の流路14aの途中に介装した第1のフィルター、15bは第2の流路4bの途中に介装した第2のフィルターである。第1のフィルター15aにはその第2の微生物処理槽側の受圧面に面して第1の圧力室21aを画成し、第2のフィルター15bにはその第2の微生物処理槽側の受圧面に面して第2の圧力室21bを画成してある。
22は第1の微生物処理槽11に廃水を圧送するポンプ、23aと23bはそれぞれ第1の弁装置、第2の弁装置である。第1の弁装置23aは、第1の圧力室21aを第2の微生物処理槽12又はポンプ22の吐出側通路(廃水通路)24に選択的に連通する。第2の弁装置23bは、第2の圧力室21bを第2の微生物処理槽12又はポンプ22の吐出側通路24に選択的に連通する。
25はポンプ22の吸込側通路であり、前述した油脂分除去等の前処理をした廃水を貯留する廃水貯水池26に連通している。27はポンプ22の吐出側通路24と吸込側通路25とを連通するバイパス通路、28はこのバイパス通路27を開閉するバイパス弁である。
第1の弁装置23aと第2の弁装置23bは、この場合三方弁を想定しているが、これらは複数の弁によって同様の機能を持たせるようにしてもよい。例えば、第1の弁装置23aは、第1の圧力室21aと第2の微生物処理槽12との間の流路を開閉する第1の弁と、第1の圧力室21aとポンプ22の吐出側通路24との間の流路を開閉する第2の弁とから構成することができる。また、これら第1の弁装置23a、第2の弁装置23b、バイパス弁28は手動弁又は電磁弁の何れであってもよい。
次に、この実施形態の操作方法及び処理水の流れについて説明する。図2は、第1の弁装置23aを、第1の圧力室21aと第2の微生物処理槽12との連通を断ち、かつ第1の圧力室21aとポンプ22の吐出側通路24とを連通する位置(以下「再生位置」という。)に設定し、第2の弁装置23bを、第2の圧力室21bとポンプ22の吐出側通路24との連通を断ち、かつ第2の圧力室21bと第2の微生物処理槽12とを連通する位置(以下「輸送位置」という。)に設定した状態を示している。また、バイパス弁28はバイパス通路27を閉ざしている。
この状態では、ポンプ22の駆動に伴い、貯水池26からの廃水は第1の弁装置23aを介して第1の圧力室21a及びフィルター15aへと流れ、流路14aを介して第1の微生物処理槽11へと圧送される。また、第1の微生物処理槽11内の処理水は、前記ポンプ22の吐出圧に基づき、第2の流路14bへと入り、第2のフィルター15b及び圧力室21bへと流れ、第2の弁装置23bを介して第2の微生物処理槽12へと圧送される。第1の微生物処理槽11から第2の微生物処理槽12へと処理水が圧送されるとき、第2のフィルター15bにより処理水内のグラニュールや担体粒子がろ過されるので、第1の微生物処理槽11に保持されていた微生物集団が第2の微生物処理槽12へと流失してしまうことはない。一方、このような処理水の流れにより浄化処理を行っている間に、第1の微生物処理槽11で生じる汚泥が次第に第2のフィルター15bに堆積してゆく。そこで、ある程度の時間が経過した時点で、あるいは第2のフィルター15bへの汚泥の堆積状態が所定限度に達した時点で、2個の弁装置23aと23bの「輸送位置」と「再生位置」とを切り換える。
図3は、図2の状態から前述のように各弁装置23a,23bの位置を切り換えた状態、即ち第1の弁装置23aを、第1の圧力室21aとポンプ22の吐出側通路24との連通を断ち、かつ第1の圧力室21aと第2の微生物処理槽12とを連通する輸送位置に設定し、第2の弁装置23bを、第2の圧力室21bと第2の微生物処理槽12との連通を断ち、かつ第2の圧力室21bとポンプ22の吐出側通路24とを連通する再生位置に設定した状態を示している。
この弁装置23a,23bの切り換えにあたっては、切り換えの前にまずポンプ22を停止させるか、又はバイパス弁28を開いてポンプ吐出側通路24と吸込側通路25とを連通させる。バイパス弁28を開くと、ポンプ22から吐出された廃水がバイパス通路27を介して吸込側通路25へと循環するので、ポンプ22を駆動したままで第1の微生物処理槽11への廃水の圧送を停止させることができる。
弁装置23a,23bの切り換えをした図3の状態においてポンプ22による圧送を再開すると、廃水貯水池26からの廃水は第2の弁装置23bを介して第2の圧力室21b及びフィルター15bへと流れ、流路14bを介して第1の微生物処理槽11へと圧送される。また、第1の微生物処理槽11内の処理水は、前記ポンプ22の吐出圧に基づき、第1の流路14aへと入り、第1のフィルター15a及び圧力室21aへと流れ、第1の弁装置23aを介して第2の微生物処理槽12へと圧送される。第1の微生物処理槽11から第2の微生物処理槽12へと処理水が圧送されるとき、第1のフィルター15aにより処理水内のグラニュールや担体粒子がろ過されるので、第1の微生物処理槽11に保持されていた微生物集団が第2の微生物処理槽12へと流失してしまうことはない。
このとき、第2の圧力室21bにはポンプ22からの廃水が流れ、フィルター15bを介して第1の微生物処理槽11へと流れる。つまり、フィルター15bには、図2に示した状態とは逆方向に廃水の圧力が作用する。この廃水の圧力により、フィルター15bに堆積していた汚泥は洗浄され、廃水と共に第1の微生物処理槽11に戻される。これによりフィルター15bの目詰まりは解消され、当初のろ過機能を発揮可能な状態に再生される。この再生処理には、他方の第1のフィルター15aに汚泥が堆積するまでの十分な時間をかけられるので、ポンプ22からの廃水の流量・流速が低くても十分に再生が可能である。そして、第1のフィルター15aにある程度の汚泥が堆積したら、再び弁装置23a,23bを切り換えて図2の状態として廃水処理を行わせることにより、第1のフィルター15aに堆積した汚泥を洗浄してその再生を行わせることができる。
したがって、2個の弁装置23a,23bの「輸送位置」、「再生位置」を定期的に切り換えることにより、フィルター15a又は15bを常にろ過可能な状態に維持して、廃水処理を実質的に中断させることなく長期間にわたり行わせることができる。なお、2個の弁装置23a,23bの切換え時期は、これを定期的に行うのではなく、フィルター15a,15bへの汚泥の堆積状態を監視して、所定の堆積状態となったときに切り換えるようにしてもよい。フィルター15a,15bへの汚泥の堆積状態は、例えば第1の微生物処理槽11の内圧を圧力センサーで検出し、ポンプ22による廃水の圧送を行っているときの前記内圧の上昇に基づいて判定することができる。
ところで、2個の弁装置23a,23bの切り換えにあたり、ポンプ22を停止させるようにしてもよいが、ポンプ22の駆動を継続したままバイパス弁28を開くことで廃水の圧送を一時的に停止させるようにすると、次のような効果が得られる。即ち、例えば図2の状態からバイパス弁28を開いて図3の状態に切り換えたのち再びバイパス弁28を閉ざすと、その閉弁の際にポンプ22の吐出側に廃水の慣性力に基づき急激な圧力上昇が起こる。この水撃作用による瞬間的な高圧を第1の圧力室21a及びフィルタ−15aに作用させることにより、フィルター15aに堆積していた汚泥をより確実かつ短時間で下流側の第1の微生物処理槽11へと押し流すことができる。フィルター15aの目詰まりがひどいときには、このような操作を繰り返すことで目詰まりを解消することが可能である。
<第2の実施形態>
図4と図5は、この発明の第2の実施形態である。この実施形態は、この発明との関係においては、請求項2と請求項4の内容に対応する。この実施形態は、各部の構成要素は前記第1の実施形態と同一であるが、第1、第2の流路14a,14b、第1、第2のフィルター15a,15b、第1、第2の圧力室21a,21b、第1、第2の弁装置23a,23bを、第1の微生物処理槽11と第2の微生物処理槽12との間に介装されて、これらを連結する中間体31に内蔵した点を特徴としている。
中間体31は、例えば第1の微生物処理槽11及び第2の微生物処理槽12と共に互いに同一の横断面形状を有する円筒形状をなしており、その下端部を第1の微生物処理槽11の上端部に、上端部を第2の微生物処理槽12の下端部に、それぞれ溶接等により接合することで、上下方向に一体化した積層構造の廃水処理槽を形成する。
中間体31の内部は、第1の圧力室21aと第2の圧力室21bとにより2分割してあり、第1の圧力室21aには第1のフィルター15aを、第2の圧力室21bには第2のフィルター15bを、それぞれ収装してある。この場合、第1の圧力室21aが第1の流路14aとして、第2の圧力室21bが第2の流路14bとして、それぞれ機能し、第1の微生物処理槽11と第2の微生物処理槽12とはこれらの何れかを介してのみ連通する。
前記第1の微生物処理槽11と第2の微生物処理槽12との連通を制御する第1の弁装置23aは、第1の圧力室21aに、同じく第2の弁装置23bは第2の圧力室21bに、それぞれ収装してある。これら2つの弁装置23a、23bの作用は第1の実施形態と同様であり、即ち、第1の弁装置23aは、第1の圧力室21aを第2の微生物処理槽12又はポンプ22の吐出側通路24に選択的に連通し、第2の弁装置23bは、第2の圧力室21bを第2の微生物処理槽12又はポンプ22の吐出側通路24に選択的に連通する。
したがって、この実施形態によっても、第1の実施形態と同様にして、2つの弁装置23a,23bの切り換えに基づき、2つのフィルター15a,15bのろ過作用と再生とを切り換えながら、第1の微生物処理槽11及び第2の微生物処理槽12による廃水処理を長期間にわたり行わせることができる。
さらに、この実施形態に固有の特長として、上下の微生物処理槽11,12の間に介装される中間体31に、第1、第2のフィルター15a,15b、第1、第2の圧力室21a,21b、第1、第2の弁装置23a,23bを収装して一体化してあるので、設置面積を最小限にできることに加えて、この中間体31を予め工場でユニットとして組み立てておくことで、廃水処理設備を設置する現場での組立てや配管の作業が容易になることが挙げられる。
なお、この実施形態において、その中間体31に、圧力室21a,21bを外部に連通する開口部と、この開口部を開閉するドアとを備えることにより、装置外部から圧力室21a,21bに内蔵したフィルター15a,15bや弁装置23a,23bのメンテナンスを容易に行うことが可能になる(前記開口部及びドアは図示していない)。さらに、フィルター15a,15bを圧力室21a、21bに対して着脱自在なカートリッジ構造とすることにより、開口部を介してのフィルターの交換や、外部に取り出しての清掃も可能になるので、メンテナンス性がより向上する。また、フィルターを取り外した開口部を介して、必要に応じて、第1の微生物処理槽11に溜まった汚泥を除去したり、第1の微生物処理槽11に微生物を追加投入したりすることもできる。なお、この作業の間、ポンプ22は圧送停止状態とすると共に、2個の弁装置23a,23bは共に「再生位置」とする。これにより圧力室21a,21bの水位を下げられると共に、圧力室21a,21bと第2の微生物処理槽12との連通が遮断されるので、第2の微生物処理槽12の処理水を排出することなく作業を行うことが可能になる。
<第3の実施形態>
図6と図7は、この発明の第3の実施形態である。この実施形態は、この発明との関係においては、請求項6の内容に対応する。図において、11は第1の微生物処理槽、12は第1の微生物処理槽11の上に配置した第2の微生物処理槽、14は第1の微生物処理槽11と第2の微生物処理槽12とを連通する流路、15は前記流路14の途中に介装した第1のフィルターである。フィルター15にはその第2の微生物処理槽側の受圧面に面して圧力室21を画成してある。
22は第1の微生物処理槽11に廃水を圧送するポンプ、32aと32bはそれぞれ第1の弁装置、第2の弁装置である。第1の弁装置32aは、圧力室21を第2の微生物処理槽12又はポンプ22の吐出側通路24に選択的に連通し、第2の弁装置32bは、第1の微生物処理槽11をポンプ22の吐出側通路24又は吸込側通路25に選択的に連通する。33は第2のフィルターであり、前記第2の弁装置32bと第1の微生物処理槽11とを連通する通路34の途中に介装してある。
次に、この実施形態の操作方法及び処理水の流れについて説明する。図6は、廃水貯水池26からの廃水を第1の微生物処理槽11から第2の微生物処理槽12へと順次輸送して廃水処理を行わせるときの状態を示しており、このとき第1の弁装置32aは、圧力室21と第2の微生物処理槽12とを連通する位置に、第2の弁装置32bは、ポンプ22の吐出側通路24と第1の微生物処理槽11とを連通する位置に、それぞれ切り換えられている。この状態では、ポンプ22を介して圧送された廃水は吐出側通路24、第2の弁装置32b、通路34及び第2のフィルター33を介して第1の微生物処理槽11に圧送される。さらに第1の微生物処理槽11の処理水は、前記ポンプ22の吐出圧に基づき、第1のフィルター15及び圧力室21を備えた流路14を通り、第1の弁装置32aを介して第2の微生物処理槽12へと圧送される。
第1の微生物処理槽11から第2の微生物処理槽12へと処理水が圧送されるとき、第1のフィルター15により処理水内のグラニュールや担体粒子がろ過されるので、第1の微生物処理槽11に保持されていた微生物集団が第2の微生物処理槽12へと流失してしまうことはない。このような処理水の流れにより浄化処理を行っている間に、第1の微生物処理槽11で生じる汚泥が次第にフィルター15に堆積してゆく。そこで、ある程度の時間が経過した時点で、あるいは第1のフィルター15への汚泥の堆積状態が所定限度に達した時点で、いったんポンプ22を停止させたうえで、2個の弁装置32aと32bを図7に示した位置に切り換える。
図7は、第1の微生物処理槽11内の処理水をポンプ22との間で循環させることにより第1のフィルター15を再生処理するときの状態を示しており、このとき第1の弁装置32aは、圧力室21をポンプ22の吐出側通路24と連通する位置に、第2の弁装置32bは、第1の微生物処理槽11をポンプ22の吸込側通路25と連通する位置に、それぞれ切り換えられている。この状態では、ポンプ22からの廃水は吐出側通路24及び第1の弁装置32aを介して圧力室21に圧送され、さらにフィルター15を介して第1の微生物処理槽11に流入する。第1の微生物処理槽11内の処理水は、前記流入した廃水の圧力に基づき、第2のフィルター33を介装した通路34及び第2の弁装置32bを介してポンプ22の吸込側通路25へと流れる。このようにして、主に第1の微生物処理槽11内の処理水がポンプ22との間を循環する。この循環する処理水は、第1のフィルター15を、図6の状態のときとは逆方向に流れるので、第1のフィルター15に堆積していた汚泥はこの逆方向の流れにより洗浄され、第1の微生物処理槽11内の処理水内に戻される。このようにしてフィルター15は当初のろ過機能を発揮可能な程度にまで再生される。また、この再生処理のとき、第2のフィルター33により第1の微生物処理槽11からの処理水がろ過されるので、第1の微生物処理槽11内に保持されていた微生物集団が外部に流出してしまうことはない。
前述した再生処理においては、主に第1の微生物処理槽11内の処理水がポンプ22との間を循環するだけであるので、例えばポンプ22の回転速度を高めることで処理水の循環流量及び圧力室21に作用する圧力を高めることができ、これにより第1のフィルター15の洗浄を確実かつ短時間で完了させることが可能である。そして、第1のフィルター15の再生処理が終了したら、2個の弁装置32a,32bを再び図6に示した状態に切り換えて、廃水の浄化処理を再開させる。第1のフィルター15を再生処理するときに第2のフィルター33でろ過された微生物集団や汚泥などは、この浄化処理再開時のポンプ22からの処理水の圧力で洗浄され、第1の微生物処理槽11へと戻される。
このようにして、この実施形態によれば、2個の弁装置32a,32bの位置を切り換えることにより、フィルター15を常にろ過可能な状態に維持して、廃水処理をほとんど中断させることなく長期間にわたり行わせることができる。
<第4の実施形態>
図8〜図10は、この発明の第4の実施形態である。この実施形態は、この発明との関係においては、請求項7と請求項8の内容に対応する。図において、11はこの実施形態における圧送手段であるポンプ22からの廃水が圧送される第1の微生物処理槽、12は第1の微生物処理槽11の上に配置した第2の微生物処理槽、21は第1の微生物処理槽11と第2の微生物処理槽12との間に画成した圧力室、15は圧力室21に対して着脱自在なカートリッジ形のフィルターである。第1の微生物処理槽11と第2の微生物処理槽12とは圧力室21を介してのみ連通する。
35は圧力室21と第2の微生物処理槽12との間に介装した弁装置である。この弁装置35は、圧力室21と第2の微生物処理槽12との連通を許容し又は遮断する機能を有するものであれば、手動弁又は電磁弁など各種のものを適用可能である。この実施形態では、弁装置35として、第1の微生物処理槽11及び圧力室21から第2の微生物処理槽12への処理水の流れのみを許容する一方向弁を設けている。即ち、この弁装置35は自動弁であり、ポンプ22を介して第1の微生物処理槽11へと廃水を圧送する浄化処理のとき(図8参照。)には、第1の微生物処理槽11及び圧力室21に作用する処理水の圧力に基づいて開弁し、第1の微生物処理槽11からの処理水を第2の微生物処理槽12へと導入する。一方、ポンプ22を停止して廃水の圧送を停止したとき(図9参照。)には、第2の微生物処理槽12内の処理水の圧力に基づいて閉弁し、第2の微生物処理槽12内の処理水が圧力室21及び第1の微生物処理槽11側へと流れるのを阻止する。
圧力室21は、外部に面して開口した開口部36と、この開口部36を開閉するドア37とを備える。ドア37は、閉じ状態では圧力室21内の処理水が外部へと漏出しないように、開口部36を水密的に閉鎖する。開口部36は、ドア37を開いた状態で、圧力室21に収装したフィルター15を外部に取り出すことができる程度の大きさに形成してある。
この実施形態において、前述したように、図8に示した浄化処理状態ではポンプ22を介して第1の微生物処理槽11へと圧送された廃水は、さらに第1の微生物処理槽11から圧力室21に圧送され、このときの圧力に基づいて開弁した弁装置35を介して第2の微生物処理槽12へと導入される。第2の微生物処理槽12へと処理水が流れるときに、第1の微生物処理槽11に保持されていた微生物集団はフィルター15にてろ過されるので、第2の微生物処理槽12へと流失することはない。
ある程度の時間が経過すると、前記浄化処理の過程で第1の微生物処理槽11内で生じた汚泥がフィルター15に堆積して、目詰まりを起こし始める。このような状態になったときは、まずポンプ22による廃水の圧送を停止させる。これにより第1の微生物処理槽11及び圧力室21に作用する処理水の圧力が低下するので、図9に示したように、相対的に高圧となった第2の微生物処理槽12内の処理水の圧力に基づいて弁装置35が閉弁する。次いで、圧力室21内の処理水の水位が低下するのを待ってドア37を開放し、又はドア37を開放して圧力室21内の処理水を排出する。このとき、弁装置35が閉じているので、上方の第2の微生物処理槽12からの処理水が圧力室21内に浸入してくることはない。
前述のようにしてドア37を開いた状態では、圧力室21が開口部36を介して装置外部に開放された状態となるので、外部から圧力室21の内部を洗浄したり、図示したようにフィルター15を取り外して洗浄あるいは新しいものと交換したりすることが可能である。このようなメンテナンス作業をしたのち、ドア37を閉ざして開口部36を閉鎖すれば、圧力室21は外部から密閉されて再び廃水処理が可能な状態となる。この間、各微生物処理槽11,12内の処理水を排出しておく必要がないので、前記メンテナンス作業ののち、速やかに廃水処理を再開することができる。
ところで、この実施形態では前述のようにして上下の微生物処理槽11,12の間に介装したフィルター15の洗浄などメンテナンス作業を容易に行うことができる。そこで、例えば図10に示したように、さらに多層構造の廃水処理装置を実用化することが可能である。これは、第2の微生物処理槽12の上にさらに第3の微生物処理槽12’を設け、これらの間に、前述したのと同様の圧力室21、フィルター15、弁装置35を設けた3層構造の廃水処理装置である。
このような3層構造の廃水処理装置によれば、例えば処理対象となる廃水の成分や性質に応じた微生物を段階的に適用して廃水処理を最適化することが可能である。例えば、第1の微生物処理槽11と第2の微生物処理槽12とで2種類の嫌気性微生物(通性嫌気性微生物と絶対嫌気性微生物など)を使い分けたり、あるいは第2の微生物処理槽12と第3の微生物処理槽12’とで2種類の好気性微生物を使い分けたりすることが可能である。
なお、前記各実施形態のうち、第3の実施形態(図6,図7)を除いては、第1の微生物処理槽11に廃水を圧送する手段として、ポンプ22ではなく、水位差を利用したものを適用してもよい。これは、例えば上部に位置する微生物処理槽12(12’)よりも高水位となるように設置した廃水貯水池と、この廃水貯水池から第1の微生物処理槽11への廃水の流れを制御する弁装置とで構成することができる。
以上、この発明の実施形態をいくつか説明したが、この発明の技術的範囲はこれら実施形態の内容に限定されるものではないことは言うまでもない。
下記の表1は、図1に示した構成の廃水処理装置を用いて、アルミ鋳物工場から排出される工場廃水を浄化処理した結果の一例を示している。この発明によれば、このような優れた浄化性能を長期間にわたって発揮させることができ、メンテナンスが容易で設置面積の少ない実用的な廃水処理装置を実現することができる。
Figure 2010269203
11 第1の微生物処理槽
12 第2の微生物処理槽
12’ 第3の微生物処理槽
13 沈殿槽
14 流路
14a 第1の流路
14b 第2の流路
15 フィルター
15a 第1のフィルター
15b 第2のフィルター
16 散気通路
17 モーター
18 撹拌翼
21 圧力室
21a,21b 圧力室
22 ポンプ(圧送手段)
23a,23b 弁装置
24 ポンプの吐出側通路(廃水通路)
25 ポンプの吸込側通路
26 廃水貯水池
27 バイパス通路
28 バイパス弁
31 中間体
32a 第1の弁装置
32b 第2の弁装置
33 第2のフィルター
34 通路
35 弁装置
36 開口部
37 ドア

Claims (8)

  1. 廃水通路を介して圧送手段からの廃水が圧送される第1の微生物処理槽と、
    前記第1の微生物処理槽の上に配置される第2の微生物処理槽と、
    前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する第1の流路と、
    前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する第2の流路と、
    前記第1の流路の途中に介装される第1のフィルターと、
    前記第2の流路の途中に介装される第2のフィルターと、
    前記第1のフィルターの第2の微生物処理槽側の受圧面に面して画成した第1の圧力室と、
    前記第2のフィルターの第2の微生物処理槽側の受圧面に面して画成した第2の圧力室と、
    前記第1の圧力室を第2の微生物処理槽又は前記廃水通路に選択的に連通する第1の弁装置と、
    前記第2の圧力室を第2の微生物処理槽又は前記廃水通路に選択的に連通する第2の弁装置とを備えること
    を特徴とする廃水処理装置。
  2. 前記請求項1において、
    前記第1、第2の流路、第1、第2のフィルター、第1、第2の圧力室、第1、第2の弁装置は、
    前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽との間に介装されてこれらを連結する中間体に内蔵されていること
    を特徴とする廃水処理装置。
  3. 前記請求項1又は請求項2の何れかにおいて、
    前記圧送手段としてポンプを設けると共に、
    前記ポンプの吸込側と吐出側とを連通するバイパス通路と、
    前記バイパス通路を開閉するバイパス弁とを備えること
    を特徴とする廃水処理装置。
  4. 前記請求項2において、
    前記中間体に、圧力室を外部に連通する開口部と、
    前記開口部を開閉するドアとを備えること
    を特徴とする廃水処理装置。
  5. ポンプを介して廃水が圧送される第1の微生物処理槽と、
    前記第1の微生物処理槽の上に積層される第2の微生物処理槽と、
    前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する第1の流路と、
    前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する第2の流路と、
    前記第1の流路の途中に介装される第1のフィルターと、
    前記第2の流路の途中に介装される第2のフィルターと、
    前記第1のフィルターの第2の微生物処理槽側の受圧面に面して画成した第1の圧力室と、
    前記第2のフィルターの第2の微生物処理槽側の受圧面に面して画成した第2の圧力室と、
    前記第1の圧力室を第2の微生物処理槽又は前記ポンプの吐出側に選択的に連通する第1の弁装置と、
    前記第2の圧力室を第2の微生物処理槽又は前記ポンプの吐出側に選択的に連通する第2の弁装置と、
    前記ポンプの吸込側と吐出側とを連通するバイパス通路と、
    前記バイパス通路を開閉するバイパス弁と、
    を備える廃水処理装置の制御方法であって、
    前記第1又は第2の弁装置の何れか一方を、圧力室が第2の微生物処理槽に連通する「輸送位置」とし、何れか他方を、圧力室がポンプ吐出側に連通する「再生位置」とすると共に、
    前記遮断弁を閉ざしてポンプを駆動することにより、
    前記「再生位置」にあるフィルターを介してポンプからの廃水を第1の微生物処理槽へと圧送すると共に、「輸送位置」にあるフィルターを介して第1の微生物処理槽の処理水を第2の微生物処理槽へと圧送し、
    この状態から前記第1、第2の弁装置を切り換えるにあたり、
    前記切り換えの前にポンプを駆動したままバイパス弁を開き、
    前記バイパス弁の開弁の後に前記弁装置の切り換えを行い、
    前記弁装置の切り換えの後にバイパス弁を閉ざすようにしたこと
    を特徴とする廃水処理装置の制御方法。
  6. ポンプを介して廃水が圧送される第1の微生物処理槽と、
    前記第1の微生物処理槽の上に配置される第2の微生物処理槽と、
    前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽とを連通する流路の途中に画成される圧力室と、
    前記圧力室に介装される第1のフィルターと、
    前記圧力室を第2の微生物処理槽又はポンプの吐出側と選択的に連通する第1の弁装置と、
    前記第1の微生物処理槽をポンプの吐出側又は吸込側に選択的に連通する第2の弁装置と、
    前記第2の弁装置と第1の微生物処理槽とを連通する流路の途中に介装される第2のフィルターとを備えること
    を特徴とする廃水処理装置。
  7. 圧送手段からの廃水が圧送される第1の微生物処理槽と、
    前記第1の微生物処理槽の上に配置される第2の微生物処理槽と、
    前記第1の微生物処理槽と第2の微生物処理槽との間に画成される圧力室と、
    前記圧力室に着脱自在に収装されるフィルターと、
    前記圧力室と第2の微生物処理槽との間に介装される弁装置と、
    前記圧力室を外部に連通する開口部と、
    前記開口部を開閉するドアとを備えること、
    を特徴とする廃水処理装置。
  8. 前記請求項7において、
    前記弁装置として、前記第1の微生物処理槽及び圧力室から第2の微生物処理槽への処理水の流れのみを許容する一方向弁を設けたこと
    を特徴とする廃水処理装置。
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