JP2010268662A - インバータの故障検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インバータのスイッチング素子に生じた電流を出力できなくなるオープン故障を同スイッチング素子の出力電流に基づいて迅速かつ確実に検出することのできるインバータの故障検出装置を提供する。
【解決手段】インバータの故障検出装置は、エミッタ電極Eの出力電流に基づく検出用の電流を出力するセンスエミッタ電極Sを有するスイッチング素子15U〜16Wが3相交流電流を出力するインバータ10のスイッチング素子に生じたオープン故障を検出する。スイッチング素子には、センスエミッタ電極Sに生じる電圧に基づいて通電/非通電状態の切替え可能な検出端子間を有する電流モニタ装置21U〜22Wが接続されている。インバータ10の電流出力中に上アーム用の3つの検出端子が直列接続された第1のモニタ回路、又は下アーム用の3つの検出端子が直列接続された第2のモニタ回路が通電状態となるとスイッチング素子のオープン故障が検出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、インバータのスイッチング素子に生じた故障を検出するインバータの故障検出装置に関する。
周知のように、電気自動車やハイブリッド車両における走行用などのモータの大電圧、大電流の制御にはIGBT等のスイッチング素子を用いたインバータが採用されている。インバータは、そのスイッチング素子をスイッチングさせることにより、供給される直流電流を3相交流電流に変換して、走行用モータなどの3相交流モータに供給することで同モータを回転駆動させる。走行用モータの回転駆動を制御するモータ制御系は、インバータを通じての適切な3相交流電流の供給を各相の電流のフィードバックにより制御している。すなわち、各相に対応する電流の目標値に、モータの各相に流れている電流の値をそれぞれフィードバックさせている。しかし近年では、モータ制御系の設計上の理由などから、電流の目標値をdq軸変換などの座標変換した値に、モータの各相に流れている電流値を同様に座標変換した変換後の値をフィードバックさせるトルク電流フィードバック制御の採用も検討されている。
座標変換された値によるトルク電流フィードバック制御は、モータ制御系の設計の自由度を高める一方、同制御系はモータ各相の電流値を直接用いないことから、各相の電流値に生じた変化の検出に時間を要する傾向にある。このことにより、このモータ制御系はスイッチング素子の不具合によりインバータの出力電流に生じた異変の検出に時間を要し、インバータの停止に遅れの生じることが懸念されている。こうした停止の遅れは、インバータ自身の故障を拡大させるおそれがあるとともに、同インバータに接続されているモータや電源装置等に異常電流などを伝達する場合にはそれらの故障をも引き起こすおそれもある。
そこでそのような場合にはトルク電流フィードバックとは別にモータ駆動中のスイッチング素子の故障を、モータに流れる3相交流電流の直流成分に基づいて検出したり、モータコイルの中性点の電位に基づいて検出したり、またはスイッチング素子の温度に基づいて検出したりする方法が知られている。
特開平3−15770号公報
まず、モータに流れる3相交流電流の直流成分に基づく方法は、モータ電流の測定値を用いるものの同測定値から故障検出用の直流成分を取り出すために大きな時定数のローパスフィルタを必要とし、結局、異常の検出に時間を要する。次に、モータコイルの中性点の電位に基づく方法は、同電位から故障検出用の低電圧を取り出すための抵抗分圧回路から取り出される電圧はその分圧に伴い変動が小さくなり精度の低下をまねくとともに、モータ側の高圧回路と検出側の低圧回路との間に所定の絶縁距離を確保しなければならず構成上の制約を生じさせる。また、スイッチング素子の温度に基づく方法は、高い精度を得ようとすれば各スイッチング素子に精度の良い温度測定装置をそれぞれ設けることとなるため採用する際のコストの増加が避け難い。
なお、特許文献1に記載のインバータの故障診断装置は、直流電源とインバータとの間に流れる電流値の変化を検出してインバータのスイッチング素子の故障を判断するようにしている。この故障診断装置によれば、複数のスイッチング素子の中から故障したスイッチング素子を特定することができるものの、同素子の特定にはインバータを故障診断用の状態にする必要があり、モータ駆動中のインバータの故障を検出するものではない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インバータのスイッチング素子に生じた電流を出力できなくなるオープン故障を同スイッチング素子の出力電流に基づいて迅速かつ確実に検出することのできるインバータの故障検出装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、高圧電位の母線とそれよりも低圧電位の母線との間に、出力電極の出力する電流に基づく検出用の電流を出力するセンス電極を有するスイッチング素子が2つ直列に接続されてなる回路が並列に3組設けられ、各スイッチング素子のスイッチング動作により3相交流電流を出力するインバータに設けられ、前記複数のスイッチング素子の少なくとも一つに生じた出力電極から電流が出力されないオープン故障を検出するインバータの故障検出装置であって、前記スイッチング素子には、通電/非通電状態の切替え可能な検出端子間を、前記出力電極に抵抗を介して接続した前記センス電極の電圧と、前記出力電極に負極を接続させた電圧源の正極の電圧とを比較して前記センス電極の電圧が高い場合だけ非通電状態にするモニタ装置が接続されており、前記高圧電位の母線に接続される3つのスイッチング素子のそれぞれの前記モニタ装置の検出端子が直列接続されてなる第1のモニタ回路と、前記低圧電位の母線に接続される3つのスイッチング素子の前記モニタ装置の検出端子が直列接続されてなる第2のモニタ回路とが並列に接続されてなることを要旨とする。
このような構造によれば、スイッチング素子の少なくとも一つにオープン故障が生じた場合には、そのスイッチング素子のみが電流を流す最初のタイミングで確実にその不具合が第1又は第2のモニタ回路を介して検出されるようになる。これにより、スイッチング素子に生じたオープン故障が最小の時間で迅速に検出されるとともに、確実に検出されるようになる。これにより、オープン故障の生じたインバータを迅速かつ確実に停止させてインバータの故障の拡大や、インバータに接続されているモータや電源装置への故障の拡大も抑制することができるようになる。
また、抵抗及び電圧源の組み合わせによりモニタ装置の通電/非通電状態の切替え感度が調整されるので、このような故障装置の感度調整が容易になされるようになるとともに、検出感度の設定も容易になる。さらに、モニタ装置は一般的な部品で構成されることからその実施が容易かつ安価となる。
本発明にかかるインバータの故障検出装置の採用されるモータ駆動装置の一実施形態についてその構成を示す構成図。 1相オープン故障の生じたインバータの出力電流の波形を示すグラフ。 同実施形態におけるインバータの故障検出装置の回路出力について、(a)はインバータの出力電流が正常な場合の態様を示す表であり、(b)はインバータの出力電流が欠相の生じている場合の態様を示す表である。
以下、本発明に係るインバータの故障検出装置の用いられるモータ駆動装置を具体化し
た一実施形態を図面に従って説明する。図1は、本発明のインバータの故障検出装置の採用されたモータ駆動装置の構成の一例を示す構成図である。
図1に示すように、モータ駆動装置には、入力側に直流電源E1が接続され出力側に3相交流モータMが接続されるインバータ10と、同インバータ10を駆動させるインバータ駆動装置11と、同インバータ駆動装置11を制御するモータ制御装置12とが設けられている。
インバータ10の入力側には、直流電源E1の高圧電位の母線としての正極母線Pと低圧電位の母線としての負極母線Nとが接続されている。インバータ10は、正極母線Pに接続されて上アームを構成する3つのスイッチング素子15U,15V,15Wと、負極母線Nに接続されて下アームを構成する3つのスイッチング素子16U,16V,16Wとが3相ブリッジ接続されることにより構成されている。すなわち、正極母線Pと負極母線Nとの間には、2つのスイッチング素子15U,16Uが直列に接続されるU相アームの回路と、2つのスイッチング素子15V,16Vとが直列に接続されるV相アームの回路と、2つのスイッチング素子15W,16Wとが直列に接続されるW相アームの回路との3つの回路が並列に設けられている。なお、各スイッチング素子15U,15V,15W,16U,16V,16Wは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transister)からなり、それぞれには、ゲート電極G、コレクタ電極C、出力電極としてのエミッタ電極E及びセンス電極としてのセンスエミッタ電極Sが設けられている。すなわち各スイッチング素子15U,15V,15W,16U,16V,16Wは、そのゲート電極Gに印加される電圧によって、そのコレクタ電極Cからそのエミッタ電極Eへ流れる電流が調整されるようになっている。センスエミッタ電極Sは、エミッタ電極Eから出力される電流に応じた検出用の電流を出力する端子であって、例えば、エミッタ電極Eの出力電流に比例した電流を出力する。
U相アームの回路は、そのスイッチング素子15Uのエミッタ電極Eにそのスイッチング素子16Uのコレクタ電極Cが接続される接続部がU相アームの出力線を介して3相交流モータMのUo相コイルに接続されている。
V相アームの回路は、そのスイッチング素子15Vのエミッタ電極Eにそのスイッチング素子16Vのコレクタ電極Cが接続される接続部がV相アームの出力線を介して3相交流モータMのVo相コイルに接続されている。
W相アームの回路は、そのスイッチング素子15Wのエミッタ電極Eにそのスイッチング素子16Wのコレクタ電極Cが接続される接続部がW相アームの出力線を介して3相交流モータMのWo相コイルに接続されている。
こうした構成のインバータ10は、インバータ駆動装置11に備えられているゲートドライブ回路(図示略)からのドライブ信号が上記6つのスイッチング素子15U,15V,15W,16U,16V,16Wの制御極であるゲート電極Gにそれぞれ出力される。それにより、直流電源E1からの直流電流を、例えば図2に示すような、3相交流電流に変換して3相交流モータMに出力し、当該3相交流モータMを駆動する。
各スイッチング素子15U,15V,15W,16U,16V,16Wのセンスエミッタ電極Sには、それぞれ電流モニタ装置21U,21V,21W,22U,22V,22Wが接続されている。各電流モニタ装置21U,21V,21W,22U,22V,22Wは、それが接続されているセンスエミッタ電極Sに電流が流れていることを検出するものであり、この検出によりセンスエミッタ電極Sに対応するエミッタ電極Eに電流が流れていることを確認することができるようになっている。なお、各電流モニタ装置21U,
21V,21W,22U,22V,22Wはいずれもその回路構成が同様の構成であるので、電流モニタ装置21Uについてその回路構成を詳細に説明することとし、その他の電流モニタ装置21V〜22Wの回路構成については、説明の便宜上、その詳細な説明を省略する。
電流モニタ装置21Uは、スイッチング素子15Uに接続されており、同スイッチング素子15Uのセンスエミッタ電極Sに出力される検出用の電流の出力を監視する。詳述すると、電流モニタ装置21Uには、スイッチング素子15Uのエミッタ電極Eと同スイッチング素子15Uのセンスエミッタ電極Sとを接続する検出抵抗Raと、所定の直流リファレンス電圧を出力するとともに同スイッチング素子15Uのエミッタ電極Eに負極を接続させる電圧源Eaとが設けられている。また、電流モニタ装置21Uには、比較器CPとフォトカプラPCとが設けられている。
比較器CPは、入力用の正側入力端子と負側入力端子とを有するとともに出力用の出力端子を有し、その正側入力端子に入力される電圧(正側電圧)とその負側入力端子に入力される電圧(負側電圧)との差分(正側電圧−負側電圧)に基づく電圧をその出力端子に出力する。比較器CPは、その負側入力端子にセンスエミッタ電極Sが接続され、その正側入力端子に電圧源Eaの正極が接続され、その出力端子にフォトカプラPCと保護抵抗Rcを介して制御電源(図示略)からの制御電圧Vccとが接続されている。
フォトカプラPCは、スイッチングに用いられるいわゆる光電変換素子であって、電流が流れると発光する発光ダイオードDと、同発光ダイオードDの発光する光を受光するフォトトランジスタTrとを有している。フォトトランジスタTrは光を受光した場合、検出端子を構成するそのコレクタ電極Cと同じく検出端子を構成するそのエミッタ電極Eとの間、すなわち検出端子間を通電状態にするとともに、光を受光しない場合、その検出端子間を非通電状態にするようになっている。フォトカプラPCは、その発光ダイオードDのアノードに比較器CPの出力端子が接続され、同カソードに制御電源のアースが接続されている。これにより、比較器CPの出力端子の電圧が高い場合、発光ダイオードDに電流が流れてフォトトランジスタTrが駆動され検出端子間が通電状態である「ON」になる。逆に、比較器CPの出力端子の電圧が低い場合、発光ダイオードDに電流が流れずフォトトランジスタTrが駆動されないので検出端子間が非通電状態である「OFF」になる。
このことにより、電流モニタ装置21Uは、その比較器CPの負側入力端子に、エミッタ電極Eの電圧にセンスエミッタ電極Sの出力する電流により検出抵抗Raに生じる電圧が加算された電圧が入力され、同正側入力端子に、エミッタ電極Eの電圧に電圧源Eaの電圧が加算された電圧が入力される。このとき例えば、検出抵抗Raに生じる電圧が、電圧源Eaの電圧よりも高ければ、比較器CPの出力端子の電圧が低くなるから検出端子間が非通電状態である「OFF」になる。逆に、検出抵抗Raに生じる電圧が、電圧源Eaの電圧よりも低ければ、比較器CPの出力端子の電圧が高くなるから検出端子間が通電状態である「ON」になる。すなわち、電圧源Eaの電圧よりも大きな電圧を検出抵抗Raに生じさせる規定値以上の電流がセンスエミッタ電極Sから出力されたことが検出されるようになっている。
上アームの各スイッチング素子15U,15V,15Wに接続された各電流モニタ装置21U,21V,21Wは、その各検出端子が直列に接続されて、上アームのモニタ回路を構成している。すなわち、スイッチング素子15Wの電流モニタ装置21Wのエミッタ電極Eは、スイッチング素子15Vの電流モニタ装置21Vのコレクタ電極Cに接続され、同電流モニタ装置21Vのエミッタ電極Eは、スイッチング素子15Uの電流モニタ装置21Uのコレクタ電極Cに接続されている。そして、同スイッチング素子15Uの電流
モニタ装置21Uのエミッタ電極Eは制御電源のグランドに接続されている。
一方、下アームの各スイッチング素子16U,16V,16Wに接続された電流モニタ装置22U,22V,22Wも、その各検出端子が直列に接続されて、下アームのモニタ回路を構成している。すなわち、スイッチング素子16Wの電流モニタ装置22Wのエミッタ電極Eは、スイッチング素子16Vの電流モニタ装置22Vのコレクタ電極Cに接続され、同電流モニタ装置22Vのエミッタ電極Eは、スイッチング素子16Uの電流モニタ装置22Uのコレクタ電極Cに接続されている。そして、同スイッチング素子16Uの電流モニタ装置22Uのエミッタ電極Eは制御電源のグランドに接続されている。
上アームのモニタ回路、及び下アームのモニタ回路は、オープン故障検出装置27に接続されている。オープン故障検出装置27には、制御電圧Vccに回路抵抗Rbを介してアノードの接続された第1ダイオードDb1と、同じくアノードの接続された第2ダイオードDb2とが設けられている。なお、本実施形態では、回路抵抗Rbと第1及び第2ダイオードDb1,Db2の接続点をオープン故障検出装置27の出力としている。また、第1ダイオードDb1のカソードには上アームのモニタ回路の電流モニタ装置21Wのコレクタ電極Cが接続され、第2ダイオードDb2のカソードには下アームのモニタ回路の電流モニタ装置22Wのコレクタ電極Cが接続されている。この構造により、上アームのモニタ回路もしくは下アームのモニタ回路が通電状態の場合、制御電圧Vccから回路抵抗Rbに流れる電流により、接続点の電位は制御電源のグランドに近い低い電位となり、オープン故障検出装置27の出力としては「Lo」となる。一方、上アームのモニタ回路及び下アームのモニタ回路が非通電状態の場合、制御電圧Vccから回路抵抗Rbには電流が流れないことから、接続点の電位は制御電圧Vccに近い高い電位に維持されて、オープン故障検出装置27の出力としては「Hi」となる。
オープン故障検出装置27は、モータ制御装置12に接続されている。モータ制御装置12には、故障検出部13が設けられており、故障検出部13にはオープン故障検出装置27の出力が入力される。故障検出部13は、3相交流モータMの駆動中におけるインバータ10のスイッチング素子に生じるオープン故障を検出するようになっていて、オープン故障検出装置27の入力が「Hi」の場合、オープン故障はないと判断し、オープン故障検出装置27の入力が「Lo」の場合、オープン故障が生じた(「FAIL」)と判断する。故障検出部13は、「FAIL」と判断した場合には、「インバータ停止」信号を生成してインバータ駆動装置11に伝達する。同信号を受けたインバータ駆動装置11は、各スイッチング素子15U,15V,15W,16U,16V,16Wを駆動させているゲート信号の出力を中止するなどしてインバータ10の駆動を停止させるようになっている。
次に、駆動中のインバータ10の各スイッチング素子15U,15V,15W,16U,16V,16Wの動作について説明する。図2は、インバータ10の各相アームの出力線の電流と時間との関係を示すグラフである。なお、プラス(+)側の電流はインバータ10の上アームから出力される電流であり、マイナス(−)側の電流はインバータ10の下アームから出力される電流である。なお、ここでは図2にて一点鎖線で示される電流は正しく流れているものとする。
図2に示すように、インバータ10の上アームの場合、時間t0と時間t1の間では、U相のスイッチング素子15UとW相のスイッチング素子15Wが電流を出力し、時間t1と時間t2の間ではU相のスイッチング素子15Uのみが電流を出力する。また、時間t2と時間t3の間では、U相のスイッチング素子15UとV相のスイッチング素子15Vが電流を出力し、時間t3と時間t4の間ではV相のスイッチング素子15Vのみが電流を出力する。さらに、時間t4と時間t5の間では、V相のスイッチング素子15Vと
W相のスイッチング素子15Wが電流を出力し、時間t5と時間t0の間ではスイッチング素子15Wのみが電流を出力する。
このように三相交流電流を正常に出力しているインバータ10であれば、いつの時点であれ、上アームの3つのスイッチング素子15U,15V,15Wの少なくとも一つは電流を出力している。そのため各電流モニタ装置21V,21U,21Wの少なくとも一つは「OFF」していることとなるから、オープン故障検出装置27の第1ダイオードDb1に電流が流れることはない。しかし、上アームの一つのスイッチング素子にオープン故障が生じた場合、一つのスイッチング素子からのみ電流が出力される、時間t1と時間t2の間、又は時間t3と時間t4の間、又は時間t5と時間t0の間のいずれかの時間において、上アームのすべてのスイッチング素子15U,15V,15Wに電流が流れない状態が生じる。このときには、上アームのモニタ回路が通電状態になり、オープン故障検出装置27の出力が「Lo」になる。
また、インバータ10の下アームの場合、時間t0と時間t1の間ではV相のスイッチング素子16Vのみが電流を出力し、時間t1と時間t2の間では、V相のスイッチング素子16VとW相のスイッチング素子16Wが電流を出力し、時間t2と時間t3の間ではスイッチング素子16Wのみが電流を出力する。また、時間t3と時間t4の間では、U相のスイッチング素子16UとW相のスイッチング素子16Wが電流を出力し、時間t4と時間t5の間ではU相のスイッチング素子16Uのみが電流を出力し、時間t5と時間t0の間では、U相のスイッチング素子16UとV相のスイッチング素子16Vが電流を出力する。
このように三相交流電流を正常に出力しているインバータ10であれば、いつの時点であれ、下アームの3つのスイッチング素子16U,16V,16Wの少なくとも一つは電流を出力している。そのため各電流モニタ装置22V,22U,22Wの少なくとも一つは「OFF」していることとなるから、オープン故障検出装置27の第2ダイオードDb2に電流が流れることはない。しかし、下アームの一つのスイッチング素子にオープン故障が生じた場合、一つのスイッチング素子からのみ電流が出力される、時間t0と時間t1の間、又は時間t2と時間t3の間、又は時間t4と時間t5の間のいずれかの時間において、下アームのすべてのスイッチング素子16U,16V,16Wに電流が流れない状態が生じる。このときには、下アームのモニタ回路が通電状態になり、オープン故障検出装置27の出力が「Lo」になる。
すなわちインバータ10が正常であれば、オープン故障検出装置27は、その第1ダイオードDb1にも第2ダイオードDb2にも電流が流れないため、その出力は常に「Hi」となる。
次に、オープン故障検出装置27の出力の具体例について図3を参照して説明する。図3は、故障検出装置の出力の状態について示す表であり、(a)はインバータが正常な場合の一例を示し、(b)はインバータに欠相異常(オープン故障)がある場合の一例を示す。
例えば、図2における時間t4と時間t5の間においてインバータ10が正常な場合、図3(a)に示されるように、上アーム(P側)のU相のスイッチング素子15Uは電流を出力していないことから電流モニタ装置21Uは「ON」している。しかし、上アームのV相のスイッチング素子15VとW相のスイッチング素子15Wとはそれぞれ電流を出力していることから電流モニタ装置21Vと電流モニタ装置21Wとはそれぞれ「OFF」しているため、上アームのモニタ回路としては非通電状態となる。このため、オープン故障検出装置27の第1ダイオードDb1に電流が流されない。
また、下アーム(N側)のV相のスイッチング素子16VとW相のスイッチング素子16Wとはそれぞれ電流を出力していないことから電流モニタ装置22Vと電流モニタ装置22Wは「ON」している。しかし、下アームのU相のスイッチング素子16Uは電流を出力していることから電流モニタ装置22Uは「OFF」しているため、下アームのモニタ回路としては非通電状態となる。このため、オープン故障検出装置27の第2ダイオードDb2に電流が流されない。
その結果、オープン故障検出装置27の出力は「Hi」となり、故障検出部13は異常(「FAIL」)と判断しないため、インバータ駆動装置11はインバータ10の駆動を継続させる。
一方、インバータ10のスイッチング素子16Uにオープン故障が生じたため、図2に一点鎖線にて示される電流が流されない場合について説明する。この場合、図2において時間t4と時間t5の間においては、図3(b)に示されるように、上アーム(P側)のU相のスイッチング素子15Uは電流を出力していないことから電流モニタ装置21Uは「ON」する。しかし、上アームのV相のスイッチング素子15V及びW相のスイッチング素子15Wは電流を出力していることから電流モニタ装置21Vと電流モニタ装置21Wはいずれも「OFF」することから、上アームのモニタ回路としては非通電状態となる。このため、オープン故障検出装置27の第1ダイオードDb1には電流が流れない。
一方、下アーム(N側)のV相のスイッチング素子16V及びW相のスイッチング素子16Wは電流を出力していないことから電流モニタ装置22V及び電流モニタ装置22Wは「ON」する。さらに、下アームのU相のスイッチング素子16Uも電流を出力していないため電流モニタ装置22Uも「ON」する。このため、下アームのモニタ回路としては回路が通電状態となり、オープン故障検出装置27の第2ダイオードDb2には電流が流れる。これにより、オープン故障検出装置27の出力は、「Lo」となる。
そして、故障検出部13にオープン故障検出装置27からの「Lo」が伝達されると、インバータ10がインバータ10の駆動を停止させるようになる。
以上説明したように、本実施形態のモータ駆動装置に採用されるインバータの故障検出装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)各スイッチング素子15U,15V,15W,16U,16V,16Wの少なくとも一つにオープン故障が生じた場合には、そのスイッチング素子のみが電流を流す最初のタイミングで確実にその不具合が第1又は第2のモニタ回路を介して検出されるようにした。これにより、インバータ10のスイッチング素子に生じたオープン故障が最小の時間で迅速に検出されるとともに、確実に検出されるようになる。その結果、オープン故障の生じたインバータ10を迅速かつ確実に停止させてインバータ10の故障の拡大や、インバータ10に接続されている3相交流モータMや電源装置としての直流電源E1への故障の拡大も抑制することができるようになる。
(2)比較器CPの正側電圧が電圧源Eaにより規定され、負側電圧が検出抵抗Raにより規定されるようにしたので、比較器CPの出力端子の電圧が、電圧源Eaと検出抵抗Raとの組み合わせにより調整できる。これにより各電流モニタ装置21U,21V,21W,22U,22V,22Wの通電/非通電状態の切替え感度が調整されるので、このような故障装置の感度調整が容易になされるようになるとともに、検出感度の設定も容易になる。
(3)各電流モニタ装置21U,21V,21W,22U,22V,22Wは、一般的
な部品で構成されるようにしたことからその実施が容易かつ安価となる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のような態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、第1のモニタ回路と第2のモニタ回路とが並列に接続されたオープン故障検出装置27の出力がモータ制御装置12に入力される場合について例示したが、これに限らず、各モニタ回路がモータ制御装置に入力されてもよい。そうすれば、故障の生じたスイッチング素子の特定が容易になる。
・上記実施形態では、上アームには第1のモニタ回路を設け、下アームには第2のモニタ回路を設ける場合について例示したが、これに限らず、各電流モニタ装置の検出端子をモータ制御装置12に入力させてもよい。そうすれば、故障の生じたスイッチング素子の迅速かつ正確な特定がより容易に行えるようにもなる。
・上記実施形態では、スイッチング素子15U,15V,15V,16U,16V,16WはIGBTである場合について例示したが、これに限らず、スイッチング素子は、いわゆるパワートランジスタ素子であれば、その他の半導体素子であってもよい。
・上記実施形態では、インバータの故障検出装置の用いられるモータ駆動装置について説明したが、このようなモータ駆動装置は、産業用機器や、ハイブリッド自動車、電気自動車などに採用されることが考えられる。例えば、このような故障検出装置は、種々の条件下で採用が検討されるハイブリッド自動車や電気自動車等のインバータの故障検出装置について、その選択可能性を広げることができるようになる。
10…インバータ、11…インバータ駆動装置、12…モータ制御装置、13…故障検出部、15U,15V,15W,16U,16V,16W…スイッチング素子、21U,21V,21W,22U,22V,22W…電流モニタ装置、27…オープン故障検出装置、C…コレクタ電極、D…発光ダイオード、E…エミッタ電極、G…ゲート電極、M…3相交流モータ、N…負極母線、P…正極母線、S…センスエミッタ電極、CP…比較器、E1…直流電源、Ea…電圧源、PC…フォトカプラ、Ra…抵抗としての検出抵抗、Rb…回路抵抗、Rc…保護抵抗、Tr…フォトトランジスタ、Db1…第1ダイオード、Db2…第2ダイオード。

Claims (1)

  1. 高圧電位の母線とそれよりも低圧電位の母線との間に、出力電極の出力する電流に基づく検出用の電流を出力するセンス電極を有するスイッチング素子が2つ直列に接続されてなる回路が並列に3組設けられ、各スイッチング素子のスイッチング動作により3相交流電流を出力するインバータに設けられ、前記複数のスイッチング素子の少なくとも一つに生じた出力電極から電流が出力されないオープン故障を検出するインバータの故障検出装置であって、
    前記スイッチング素子には、通電/非通電状態の切替え可能な検出端子間を、前記出力電極に抵抗を介して接続した前記センス電極の電圧と、前記出力電極に負極を接続させた電圧源の正極の電圧とを比較して前記センス電極の電圧が高い場合だけ非通電状態にするモニタ装置が接続されており、
    前記高圧電位の母線に接続される3つのスイッチング素子のそれぞれの前記モニタ装置の検出端子が直列接続されてなる第1のモニタ回路と、前記低圧電位の母線に接続される3つのスイッチング素子の前記モニタ装置の検出端子が直列接続されてなる第2のモニタ回路とが並列に接続されてなるインバータの故障検出装置。
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