JP2010268040A - 送信機、受信機および通信装置 - Google Patents

送信機、受信機および通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】周波数ダイバーシチを適用した通信において、ピーク振幅の発生を抑えてマルチキャリア信号を送信する送信機を得ること。
【解決手段】本発明は、マルチキャリア信号を送信する送信機であって、同一データを周波数領域でコピーする周波数コピー部102と、周波数コピー部102からの出力信号をランダム化する周波数スクランブラ106と、周波数スクランブラ106からの出力信号を時間領域の信号に変換するIFFT部110と、を備えることとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、周波数ダイバーシチを適用したマルチキャリア通信を行う送信機、受信機および通信装置に関する。
近年、高速データ伝送に対する需要が益々増加する傾向にある。OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)は、データを複数のサブキャリア(周波数)に載せて送受信するマルチキャリア方式であり、遅延波(建物などに反射して遅れて受信される信号)があっても良好な通信品質が得られるという特長があるため、高速無線通信システムや、電力線通信等によく採用されている。
また、時間波形の振幅が大きくなってしまうというOFDMの欠点を改良した、シングルキャリアOFDM(以下、SC−OFDMと記載する)と呼ばれる方式も検討されている。SC−OFDMも、OFDMと同様に、データを複数の周波数で並列伝送していると見なせる、すなわち原理的にはマルチキャリア方式と見なせるので、OFDMと同様に、遅延波があっても良好な通信品質が得られるという特長がある。
ここで、通信品質は、伝送路上のフェージング、干渉、雑音の影響を受けるが、これらの影響を低減する方法として、周波数ダイバーシチと呼ばれる方法がある。周波数ダイバーシチは、同一データを複数の周波数で送受信する。これにより、ある特定の周波数において、信号がフェージングにより減衰した場合や、大きな干渉や雑音が混入した場合であっても、他の周波数で同一データを伝送しているので、データ誤りが生じ難いという特長がある(たとえば、下記特許文献1参照)。OFDM、SC−OFDMのいずれの方式でも、周波数ダイバーシチを適用することができる。
国際公開第07/032491号
周波数ダイバーシチを実現するためには、異なる周波数で同一のデータを送信する必要があるため、周波数方向に同じ信号が並ぶようになる。すると、送信信号の振幅には大きなピークを生じるようになる。
ピーク振幅を持つような波形を送受信するためには、通信装置内のアナログ回路やディジタル回路のダイナミックレンジを大きくして、ピーク振幅がクリップされないようにする必要があるが、ダイナミックレンジを大きくすると、通信装置は複雑になり、装置規模が増大してしまうとともに、装置や通信システムの価格も上昇してしまう。また、ピーク振幅がクリップされないように、送信電力を小さくして送信すると、フェージング、干渉、雑音の影響を大きく受けて、良好な通信品質を維持できない。すなわち、ピーク振幅が生じると、通信装置が大きくなったり、フェージング、干渉、雑音の影響を受け易くなったりする、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、周波数ダイバーシチを行う際のピーク振幅の発生を抑えてマルチキャリア信号を送受信する送信機、受信機および通信装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、マルチキャリア信号を送信する送信機であって、同一データを周波数領域でコピーする周波数コピー手段と、前記周波数コピー手段からの出力信号をランダム化する周波数スクランブル手段と、前記周波数スクランブル手段からの出力信号を時間領域の信号に変換する周波数時間変換手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、送信機は、送信信号を周波数領域でコピーし、さらに、ランダム化処理を実施した上で送信することとしたので、周波数ダイバーシチを適用したマルチキャリア通信においてピーク振幅が発生するのを抑えることができ、通信品質を向上させることができる、という効果を奏する。
図1は、本発明にかかる通信装置が備えている送信機の実施の形態1の構成例を示す図である。 図2は、本発明にかかる通信装置が備えている受信機の実施の形態1の構成例を示す図である。 図3は、実施の形態1の送信機の動作を説明するための図である。 図4は、ランダム化処理を実施する前の信号と実施した後の信号の関係を示した図である。 図5は、PN系列発生部の構成例を示す図である。 図6は、実施の形態1の送信機の他の構成例を示す図である。 図7は、実施の形態1の送信機の有効性を説明するための図である。 図8は、実施の形態1の受信機の動作を説明するための図である。 図9は、実施の形態1の通信装置の効果を説明する図である。 図10は、実施の形態2の通信装置が備えている送信機の構成例を示す図である。 図11は、実施の形態2の通信装置が備えている受信機の構成例を示す図である。 図12は、サブキャリア数が8の場合における周波数合成部の構成例を示す図である。 図13は、ブランチ数情報=4の場合における送信機の動作を説明するための図である。 図14は、ブランチ数情報=4の場合における受信機の動作を説明するための図である。 図15は、実施の形態3の送信機が備えている周波数スクランブラの構成例を示す図である。 図16は、実施の形態3の送信機が備えている周波数スクランブラの構成例を示す図である。 図17は、実施の形態3の受信機が備えている周波数デスクランブラの構成例を示す図である。 図18は、実施の形態4の送信機が備えている周波数スクランブラの構成例を示す図である。 図19は、実施の形態4の送信機が備えている周波数スクランブラの構成例を示す図である。 図20は、実施の形態4の受信機が備えている周波数デスクランブラの構成例を示す図である。 図21は、実施の形態4の受信機が備えている周波数デスクランブラの構成例を示す図である。 図22は、実施の形態5の送信機が備えている周波数スクランブラの構成例を示す図である。 図23は、実施の形態5の受信機が備えている周波数デスクランブラの構成例を示す図である。 図24は、位相回転量を4通りとした場合における、位相変換部の動作を説明するための図である。 図25は、実施の形態6の受信機が備えている周波数合成部の構成例を示す図である。 図26は、実施の形態7の受信機が備えている周波数合成部の構成例を示す図である。 図27は、実施の形態8の送信機が備えている周波数スクランブラの構成例を示す図である。 図28は、実施の形態8の通信装置の動作を説明するための図である。 図29は、実施の形態9の送信機の構成例を示す図である。 図30は、実施の形態9の受信機の構成例を示す図である。 図31は、周波数コピー部の構成例を示す図である。 図32は、本発明にかかる通信装置により構成された通信システムの一例を示す図である。 図33は、実施の形態11の通信システムの構成例を示す図である。 図34は、実施の形態12の通信システムの構成例を示す図である。 図35は、ブランチ数情報を報知チャネルで送信するようにした通信システムのフレームフォーマットの一例を示す図である。 図36は、PN系列をユーザ毎に変えるようにしたフレームフォーマットの一例を示す図である。 図37は、PN系列を基地局毎に変えるようにしたフレームフォーマットの一例を示す図である。 図38は、実施の形態17の通信システムを説明するための図である。 図39は、実施の形態18の通信システムを説明するための図である。
以下に、本発明にかかる送信機、受信機および通信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる通信装置が備えている送信機の実施の形態1の構成例を示す図である。また、図2は、本発明にかかる通信装置が備えている受信機の実施の形態1の構成例を示す図である。これらの図1および図2では、通信装置が送受信するマルチキャリア信号を直交周波数分割多重(OFDM)信号とした場合の構成例を示している。
図1に示した送信機1は、ディジタル信号である送信データを、アナログ信号である送信信号に変換する。そして、送信機1は、たとえば無線通信を行う通信装置を構成しているのであれば、送信信号をアンテナ(図示せず)に送出し、また電力線通信を行う通信装置を構成しているのであれば、送信信号を電力線(図示せず)に送出する。
一方、図2に示した受信機2は、上記の送信機1が送信する信号と同様のアナログ信号を受信すると、受信信号から、送信されたデータを抽出して、受信データとして出力する。受信機2は、たとえば無線通信を行う通信装置を構成しているのであれば、アンテナ(図示せず)から受信信号を取得し、また電力線通信を行う通信装置を構成しているのであれば、電力線(図示せず)から受信信号を取得する。
以下、本実施の形態の送信機1および受信機2の内部構成および詳細動作について説明する。
本実施の形態の送信機1(図1参照)は、マッピング部101、周波数コピー部102、シリアル/パラレル変換部(以降、S/P部と記す)105、周波数スクランブラ106、リセット信号発生部109、IFFT部110およびアナログTX部111を備える。また、周波数コピー部102は、メモリ103およびセレクタ104を含み、周波数スクランブラ106は、複数の乗算器107、およびPN系列発生部108を含んでいる。
マッピング部101は、入力された送信データを、QPSKや16QAM等の変調方式に応じた複素信号に変換する。例えば、QPSKであれば、送信データ2ビットを、1+j,−1+j,−1−j,1−jの4つの信号点のいずれかに変換する。
周波数コピー部102は、マッピング部101の出力信号をコピーする機能を実現する。ここで、メモリ103は、メモリ入力信号を一定時間後に入力順に出力するFIFO(First In First Out)型のメモリである。そして、マッピング部101の出力信号は、メモリ103およびセレクタ104の双方に入力され、セレクタ104は、まずマッピング部101から直接入力された信号を選択して後段のS/P部105へ出力した後、メモリ103から出力された信号を選択して後段のS/P部105へ出力する。すなわち、S/P部105には、同じ信号が2回続けて入力されることとなる。
S/P部105は、周波数コピー部102から入力される信号であるシリアル信号を、パラレル化して出力する。
周波数スクランブラ106は、S/P部105からの出力信号を受け取り、それをランダム化する。具体的には、PN系列発生部108が、PN(Pseudo Noise)系列すなわち“0”,“1”の擬似乱数系列を発生させ、乗算器107が、PN系列に基づいて、S/P部105から受け取った信号の符号を反転させる。例えば、S/P部105出力信号が、16QAMであり、1+3jで表される信号の場合、PN系列発生部108出力が“0”であれば、乗算器107は1+3jをそのまま出力し、一方、PN系列発生部108出力が“1”であれば、乗算器107は1+3jの符号を反転させて得られた−1−3jを出力する。
リセット信号発生部109は、PN系列発生部108をOFDMシンボル毎にリセットするための信号を発生する。すなわち、PN系列発生部108に対して、OFDMシンボル毎にリセット信号を出力する(リセットするように指示を行う)。
IFFT部110は、周波数スクランブラ106から出力されたパラレル信号に対してIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)を実行し、周波数軸上の信号から時間軸上の信号に変換する。
アナログTX部111は、IFFT部110から入力されたディジタル信号を所望のアナログ信号に変換して送信信号を生成する。アナログTX部111は、D/A(ディジタル/アナログ変換器)、フィルタ、アンプ等のアナログデバイスにより構成される。
また、本実施の形態の受信機2(図2参照)は、アナログRX部201、FFT部202、同期検波部203、周波数デスクランブラ206、リセット信号発生部209、周波数合成部210、パラレル/シリアル変換部(以降、P/S部と記す)212およびデマッピング部213を備える。また、同期検波部203は、複数の乗算器204、および伝送路推定部205を含み、周波数デスクランブラ206は、複数の乗算器207、およびPN系列発生部208を含み、周波数合成部210は、複数の加算器211を含んでいる。
アナログRX部201は、入力される受信信号をディジタル信号に変換する。受信信号は、無線通信であれば、アンテナ(図示せず)から入力され、電力線通信であれば、電力線(図示せず)から入力される。
FFT部202は、アナログRX部201から出力された信号に対してFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)を実行し、周波数軸上の信号に変換する。
同期検波部203は、FFT部202から出力された信号を同期検波する。具体的には、乗算器204が、伝送路推定部205による伝送路推定結果をFFT部202の出力信号に対して乗算し、同期検波結果を得る。ここで、伝送路の推定は、たとえば、送信側にてプリアンブルのような既知信号を送信し、これを受信側にて受信することで行う。伝送路推定結果を受信信号(FFT部202の出力信号)に乗算することにより、受信信号が伝送路にて受けた振幅,位相の変移が補正される。
周波数デスクランブラ206は、送信側の通信装置が送信信号を生成する際に実施したランダム化(上述した送信機1の周波数スクランブラ106が実施するランダム化に相当)を解除する。具体的には、PN系列発生部208が、PN系列を発生させ、乗算器207が、PN系列に基づいて、FFT部202から受け取った信号の符号を反転させる。なお、PN系列発生部208は、送信機1を構成しているPN系列発生部108と同じものである。すなわち、ここで実行する符号反転処理は、送信機1における符号反転処理と同様であり、その説明は省略する。これにより、送信機1で実施された符号反転(ランダム化)が解除され、符号反転前の信号が復元される。
リセット信号発生部209は、PN系列発生部208をOFDMシンボル毎にリセットするための信号を発生する。このリセット信号発生部209は、送信機1を構成しているリセット信号発生部109と同じものである。
周波数合成部210は、周波数デスクランブラ206から出力された複数の信号のうち、同一データが伝送された周波数軸上の信号同士を合成する。具体的には、同一データが伝送されてきた信号同士を加算器211で加算し、合成された信号を生成する。
パラレル/シリアル変換部(以降、P/S部と記す)212は、周波数合成部210から入力される信号であるパラレル信号を、シリアル化して出力する。
デマッピング部213は、送信機1を構成しているマッピング部101と逆の動作を行う。すなわち、適用されている変調方式(QPSK、16QAMなど)に応じて入力信号をデマッピングすることにより送信されたデータを復元し、復元したデータを受信データとして出力する。
つづいて、送信機1の動作の詳細について、図面を参照しながら説明する。
図3は、送信機1の周波数コピー部102から周波数スクランブラ106までの動作を説明するための図である。図示したように、ここでは、マッピング部101から出力された信号(図示したマッピング後信号に相当)をs0〜s7の8シンボルとし、これを送信機1が1回の送信処理で取り扱う単位とした場合(s0〜s7に基づいて1OFDMシンボルを生成する場合)の動作例について説明する。例えば、変調方式としてBPSKが適用されている場合、各シンボル(s0〜s7)は、+1,−1の2通りの値をとり、また、QPSKが適用されている場合には、+1+j,−1+j,−1−j,+1−jの4通りの値をとる。
周波数コピー部102では、マッピング部101から出力された信号(マッピング後信号)を受け取ると、まず、セレクタ104が、受け取ったs0〜s7をそのまま出力するとともに、メモリ103は、これらのs0〜s7を保存する。その後、所定時間が経過すると、セレクタ104が、メモリ103からの出力を選択し、メモリ103で保持しておいたs0〜s7を出力する。この結果、周波数コピー部102の出力は“s0,s1,s2,s3,s4,s5,s6,s7,s0,s1,s2,s3,s4,s5,s6,s7”となり、このs0〜s7が2回繰り返された系列が周波数コピー後の信号としてS/P部105へ入力される。
S/P部105は、周波数コピー部102から入力された各シンボルを並列化して、周波数スクランブラ106へ入力させる。
周波数スクランブラ106では、S/P部105からの入力信号を、PN系に基づいてランダム化する。具体的には、S/P部105から受け取った各シンボルを、対応する乗算器107へそれぞれ入力させ、各乗算器107は、受け取ったシンボル(入力シンボル)に対し、PN系列発生部108から出力されたPN系列のうちの特定のビット(自身と対応付けられたビット)の状態に応じた符号反転処理を実行し、得られた処理結果をランダム化実施結果として出力する。なお、既に説明したとおり、各乗算器107は、自身と対応付けられたビット(対応ビット)が“1”の場合、入力シンボルの符号を反転させたシンボルを出力し、また、対応ビットが“0”の場合には、入力シンボルと同じシンボルを出力する。図3に示した例では、PN系列が“0,1,0,1,1,0,0,1,0,0,0,1,1,1,1,0”であるため、ランダム化実施後の信号(周波数スクランブラ出力)は、図示したように、“s0,-s1,s2,-s3,-s4,s5,s6,-s7,s0,s1,s2,-s3,-s4,-s5,-s6,s7”となる。周波数スクランブラ106から出力された信号は、IFFT部110により時間軸上の信号に変換される。すなわち、IFFT部110までの信号は、周波数軸上の信号である。
なお、PN系列の対応するビットが“1”のシンボルを符号反転させる場合について説明したが、これとは逆に、対応するビットが“0”のシンボルを符号反転させ、対応するビットが“1”のシンボルについては符号反転させないように構成してもよい。説明内容からもわかるように、乗算器107は、S/P部105からの入力信号(シンボル)に対してPN系列中の対応ビットを単に乗算するものではなく、対応ビットの状態に従い、入力信号をそのまま出力するか符号を反転させた上で出力するものである。
図4は、ランダム化処理を実施する前の信号と実施した後の信号の関係を示した図であり、上段は周波数スクランブラ106への入力信号(ランダム化実行前の信号)のスペクトル、下段は周波数スクランブラ106からの出力信号(ランダム化実行後の信号)のスペクトルを示している。図示したように、ランダム化実行前の状態では同一信号(シンボル列s0〜s7)が周波数軸上に繰返し並ぶのに対し、ランダム化実行後の状態では周波数軸上で同一信号が繰り返されない。よって、送信機1では、時間波形にピーク振幅を生じさせない(振幅のピークを低減できる)という効果が得られる。さらに、周波数スクランブラ106から出力されたランダム化実施後の信号では、同一データが周波数軸上で最大に離れた周波数で伝送されるようになる(同一データが載せられているシンボル同士の距離がすべて同じとなる)ので、周波数ダイバーシチの効果が最大化されるという効果が得られる。
ちなみに、周波数軸上に同一信号が並ばないようにする他の方法として、例えば、信号(シンボル)の符号反転を行うことなく、インタリーブにより各シンボルをバラバラの周波数に配置する構成も考えられるが、そのような構成(単にシンボルの配置のみを入れ替える構成)では、同一データが近い周波数に配置されるケースが生じるため、本発明のように、周波数ダイバーシチ効果を最大化することはできない。
リセット信号発生部109は、PN系列発生部108をOFDMシンボル毎にリセットする。図3の例では、1OFDMシンボルが、s0,s1,s2,s3,s4,s5,s6,s7,s0,s1,s2,s3,s4,s5,s6,s7、の16個の複素信号から成るので、リセット信号発生部109は、16個の複素信号毎に、PN系列発生部108をリセットするための信号(リセット信号)を出力する。この結果、送信機1から送信される各OFDMシンボルは、常に同じパターンのPN系列を用いてランダム化された複素信号系列(周波数スクランブラ106出力)に基づいて生成されることとなる。
また、図5は、PN系列発生部108および208の構成例を示す図である。図示したように、PN系列発生部108および208は、複数(この例では7個)の遅延回路301およびセレクタ302のペアと、複数(この例では3個)の排他的論理和器303と、初期値メモリ304とを備えている。この例の場合、遅延回路301が7個あるので、127ビット(=27−1)長のPN系列が生成される。このPN系列発生部108および208において、遅延回路301は、1クロック前のビットを保存する。セレクタ302は、通常は遅延回路301出力を選択し、リセット信号が入力された場合には、初期値メモリ304を選択して後段の遅延回路301へ入力させ、遅延回路301が保持する値を初期化する。リセット信号が入力されない場合、PN系列発生部108は127ビットのPN系列を繰り返し生成し続ける。リセット信号が入力されると、127ビットのPN系列の途中で初期値がロードされて、初期化される。
上述したように、本実施の形態においては、リセット信号発生部109は、OFDMシンボル毎にリセット信号を出力するので、図3に示した例では、PN系列発生部108の出力は、“0,1,0,1,1,0,0,1,0,0,0,1,1,1,1,0”をOFDMシンボル毎に繰り返す。これにより、送信機1が送信した信号を受信する受信機2では、PN系列発生部208の同期を取る必要がなくなり、受信機の回路が簡単化できるようになる(詳細については後述する)。
IFFT部110で時間軸上の信号に変換された信号は、アナログTX部111で所望のアナログ信号に変換され、伝送路に送出される。アナログTX部111は、D/A(ディジタル/アナログ)変換器、アンプ、フィルタ等を備え、入力信号に対して各種信号処理を実行する。そして、得られた信号を、無線伝送路経由で送信するのであれば、アンテナに供給すべきアナログ信号に変換して出力し、電力線などの有線伝送路経由で送信するのであれば、有線伝送路に供給すべきアナログ信号に変換して出力する。いずれも一般的なものであるため、詳細説明は省略する。
なお、図1に示した構成に代えて、図6に示したような構成を採用することも可能である。図6は、本実施の形態の送信機の他の構成例を示す図であり、図示した送信機1aは、上述した送信機1から周波数スクランブラ106を削除し、さらに周波数スクランブラ106aを周波数コピー部102とS/P部105の間に追加した構成をとる。また、周波数スクランブラ106aは、単一の乗算器107とPN系列発生部108を備える。周波数スクランブラ106と同様に、周波数スクランブラ106aでは、乗算器107が、PN系列発生部108の出力(PN系列)に基づき、入力信号(シンボル)のランダム化処理である符号反転処理を行う。図6の構成を採用した場合、周波数スクランブラを構成する乗算器107の数を図1の構成を採用した場合よりも少なくできる。
図7は、本実施の形態の送信機1および1aの有効性を説明するための図であり、IFFT部110の出力信号(時間波形)の一例をシミュレーションにより取得したものである。図7において、(a)は、周波数コピー部102出力を直接IFFTしたもの(周波数スクランブラ106または106aでのランダム化処理(符号反転処理)を実行することなくIFFTしたもの)で従来の送信機の時間波形に相当する。これに対して、(b)は、周波数スクランブラ106または106a出力(ランダム化処理を実行して得られた信号)をIFFTしたもので本実施の形態の送信機で生成する時間波形である。図7より、本実施の形態の送信機は、時間波形にピーク振幅を生じない(振幅のピーク値を低く抑えられる)という効果を有することが示される。
つづいて、受信機2の動作の詳細について、図面を参照しながら説明する。
図8は、受信機2(図2参照)のFFT部202からから周波数合成部210までの動作を説明するための図である。ここでは、一例として、送信機1が上述した動作(図3に示した動作)を実行して送信した信号を受信する場合の動作、すなわち、通信相手である対向する通信装置が、上述した送信機1または1aと同様の構成を備え、図3に示した動作を実行して送信した信号を受信する場合の動作について説明する。なお、説明を簡単化するため、受信機2の同期検波部203では、理想的に伝送路推定が行われて伝送路での振幅、位相の変移を完全に補正するものとし、また、雑音はない状況を想定して説明する。ただし、これらの条件は、説明を簡単化するだけであり、本発明の実施環境を制限するものではない。
図示したように、受信機2において、同期検波部203が受信信号に対する同期検波を行い、得られた信号(図示した同期検波後信号に相当)は、送信機1(対向する通信装置が備えている送信機に相当)の周波数スクランブラ106出力と同じ信号、すなわち“s0,-s1,s2,-s3,-s4,s5,s6,-s7,s0,s1,s2,-s3,-s4,-s5,-s6,s7”となる。PN系列発生部208は、送信機1のPN系列発生部108と同じ系列を発生させ、その結果、周波数デスクランブラ206出力は、送信機1の周波数スクランブラ106入力と同じ信号、すなわち“s0,s1,s2,s3,s4,s5,s6,s7,s0,s1,s2,s3,s4,s5,s6,s7”となる。周波数合成部210では、加算器211が、同一データが伝送された周波数の信号同士を加算し、その結果、各加算器211からの出力信号は、s0+s0=2s0、s1+s1=2s1、…、s7+s7=2s7となる。このように、周波数合成部210で複数(この例では2つ)の信号を加算するので、仮に、伝送路にてフェージング、干渉、雑音の影響により一方の送信信号が劣化したとしても、もう一方の品質が良好であれば通信品質が極端に劣化してしまうのを防止できる。
図9は、伝送路にて一部の周波数帯(この例では高域部分)の送信信号が減衰してしまった場合を例として、本実施の形態の通信装置の効果を説明する図である。図9に示したように、本実施の形態の通信装置による通信では、送信側は送信データがマッピングされた信号(s0〜s7)を2回繰り返して周波数軸上にコピーして伝送し、受信側では周波数を合成しているので、仮に周波数帯の一部が減衰、劣化してしまっても、周波数合成後の信号が大きく減衰することはなく、良好な通信品質を維持できる。
ここで、受信機2では、PN系列発生部208から出力されるPN系列がOFDMシンボル毎に初期化されるように(OFDMシンボル毎に同じパターンのPN系列が繰り返し出力されるように)、リセット信号発生部209がリセット信号を発生させる。この理由は、受信機2にPN系列の同期回路を不要として、受信機2回路規模を小さくするためである。すなわち、受信機2のPN系列発生部208は、対向する通信装置(送信機1)のPN系列発生部108と同じタイミングでPN系列を発生する必要があるが、送信機1と受信機2でOFDMシンボル毎にリセットを行えば、PN系列の発生タイミングが揃う。上述したように、送信機1では、OFDMシンボル毎に初期化されるPN系列を用いて周波数スクランブラ106が送信信号のランダム化を行っているので、受信機2においても、PN系列発生部208から出力されるPN系列がOFDMシンボル毎に初期化されるように制御している。ここで、OFDMシンボル周期は、受信機内にあるOFDMシンボルの同期回路(図示せず)から得ればよいため、受信機2にはPN系列発生部208が送信機1のPN系列発生部108と同期させてPN系列を生成するための新たな同期回路は不要であり、受信機2の回路規模を小さくできる。
このように、本実施の形態の通信装置では、送信機が、適用している変調方式に応じて送信データを変換し、得られた複素信号を周波数領域でコピーし、さらに、各複素信号の符号をPN系列に基づいたランダム化処理(符号反転処理)を実施した上で送信することとした。また、受信機は、まず送信側(送信機)で実施されたランダム化処理と逆の処理を実施してランダム化を解除し、さらに、複数存在する同一複素信号同士を合成し、得られた合成後の複素信号から伝送データを復元することとした。これにより、周波数ダイバーシチを適用した通信におけるピーク振幅の発生を抑えることができ、通信品質を向上させることができる。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2の通信装置が備えている送信機の構成例を示す図である。本実施の形態の送信機1bは、実施の形態1で説明した送信機1a(図6参照)の周波数コピー部102を周波数コピー部102bに置き換えたものである。本実施の形態では、実施の形態1で説明済みの送信機1aと共通の構成要素(同じ符号が付された構成要素)については説明を省略する。
送信機1aでは周波数コピー部102によるコピー回数を固定(1回)としていたのに対し、本実施の形態の送信機1bでは周波数コピー部102bによるコピー回数を可変としている。なお、本実施の形態では、装置構成がより小さい送信機1aの周波数コピー部102を周波数コピー部102bに置き換えた場合の例について説明するが、送信機1(図1参照)の周波数コピー部102を周波数コピー部102bに置き換えることも可能であり、この場合にも同様の効果が得られる。
図10に示したように、周波数コピー部102bは、実施の形態1で説明した周波数コピー部102(図1,図6参照)に対して選択制御部112を追加したものである。以降、同一データの多重数をブランチ数と記す。例えば「ブランチ数=2」であれば、同一データを1回周波数コピーして、周波数軸上に同一データを2回並べる。
選択制御部112は、設定されたブランチ数情報にしたがって、メモリ103の読み出しアドレスとセレクタ104を制御する。これにより、周波数コピー部102bは、ブランチ数情報にしたがい、マッピング部101出力を複数回コピーする。すなわち、選択制御部112は、最初はセレクタ104がマッピング部101出力を選択するように制御し、次に、メモリ103を選択するように制御し、更に、ブランチ数情報より1少ない回数だけ、メモリ103を選択するように制御する。このとき、メモリ103の読出しアドレスを、ブランチ数情報より1少ない回数だけ繰り返し指定する。この結果、周波数コピー部102bから周波数スクランブラ106aに対しては、まず、マッピング部101から出力された信号がそのまま出力され、その後、メモリ103から読み出した信号が「ブランチ数−1」回出力される。つまり、周波数コピー部102bは、周波数スクランブラ106aに対して、同一信号をブランチ数と同じ回数だけ繰り返し出力する。
図11は、実施の形態2の通信装置が備えている受信機の構成例を示す図である。本実施の形態の受信機2bは、実施の形態1で説明した受信機2(図2参照)の周波数合成部210を周波数合成部210bに置き換えたものである。本実施の形態では、実施の形態1で説明済みの受信機2と共通の構成要素(同じ符号が付された構成要素)については説明を省略する。
受信機2bにおいて、周波数合成部210bは、ブランチ数情報にしたがって、同一データが伝送された周波数軸上の信号を加算する。
図12は、サブキャリア数(周波数の数)が8の場合における周波数合成部210bの構成例を示した図である。この場合、周波数合成部210bは、複数の加算器(図示した複数の加算器211−1,211−2,211−3に相当)と、選択部214とにより構成される。
図12に示したように、たとえば周波数合成部210bへの入力をa0〜a7と表した場合、これら入力は2系統に分岐され、分岐されたうちの一方は、選択部214に入力され、もう一方は初段の加算器211−1に入力される。初段の加算器211−1では、a0+a4,a1+a5,a2+a6,a3+a7が計算される。これらの加算結果もまた2系統に分岐され、一方は、選択部214に入力され、もう一方は、2段目の加算器211−2に入力され、加算器211−2でさらに加算される。なお、加算器211−2での加算結果は、a0+a2+a4+a6,a1+a3+a5+a7となる。これらの加算結果も上記の加算結果と同様に2系統に分岐され、一方は、選択部214に、もう一方は、3段目の加算器211−3に入力される。加算器211−3は、加算処理を実行し、加算結果であるa0+a1+a2+a3+a4+a5+a6+a7を選択部214へ出力する。選択部214は、ブランチ数情報にしたがって、これらの加算結果のいずれか一つを選択して出力する。たとえば、ブランチ数情報=1の場合(周波数コピーをしない場合)は、周波数合成部210bへの入力であるa0〜a7を選択して出力する(周波数デスクランブラ206から入力された信号をそのまま出力する)。また、ブランチ数情報=2の場合は、a0+a4,a1+a5,a2+a6,a3+a7(初段の加算器211−1からの出力信号)を選択して出力し、ブランチ数情報=4の場合は、a0+a2+a4+a6、a1+a3+a5+a7(2段目の加算器211−2からの出力信号)を選択して出力し、ブランチ数情報=8の場合は、a0+a1+a2+a3+a4+a5+a6+a7(3段目の加算器211−3からの出力信号)を選択して出力する。
以下、送信機1bおよび受信機2bの全体動作を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態1で説明した送信機1,1a、受信機2と共通の動作については説明を省略する。
図13は、ブランチ数情報=4の場合における送信機1bの動作を説明するための図であり、具体的には、周波数コピー部102bから周波数スクランブラ106aまでの動作を説明するための図である。ブランチ数情報=4の場合、図示したように、周波数コピー部102bは、マッピング後の信号s0〜s3を、3回繰り返しコピーし、同一信号を合計4回出力する(周波数コピー後信号)。周波数コピー部102b出力は、周波数スクランブラ106aにてランダム化されるので、実施の形態1の送信機1,1aにおける信号送信時と同様に、周波数軸上に同一信号が並ぶことはない。
図14は、ブランチ数情報=4の場合における受信機2bの動作を説明するための図であり、具体的には、FFT部202から周波数合成部210bまでの動作を説明するための図である。ブランチ数情報=4の場合、周波数合成部210bは、入力信号の合成(加算)処理を2回繰り返して得られた加算結果(図12に示した加算器211−2の出力に相当する信号)を出力する。すなわち、周波数合成後の信号は、s0+s0+s0+s0=4s0,…,s3+s3+s3+s3=4s3となる。
図13,図14では、ブランチ数情報=4の場合の例について示しているが、実施の形態1にて説明した場合(ブランチ数=2の場合に相当)と比較すると、伝送できるデータ量は半分になるものの、フェージング、干渉、雑音の影響をより受け難くなる。さらに、実施の形態1と同じく、本実施の形態でも、周波数軸上の信号はランダム化されるので、送信信号にピークを生じることがない。
このように、本実施の形態の通信装置では、送信機が、実施の形態1の送信機が有する機能に加えて、周波数領域で信号をコピーする際のコピー実行回数をブランチ数情報として指定する機能を有することとした。すなわち、コピー実行回数を可変とできる構成を採用した。これにより、送信信号にピークを生じることなく、フェージング、干渉、雑音の影響に応じたブランチ数を選択できる。この結果、フェージング、干渉、雑音の影響が小さい場合(伝送路状態が良好な場合)には、ブランチ数情報を小さくして、伝送するデータ量を増やし、一方、フェージング、干渉、雑音の影響が大きい場合(伝送路状態が良好ではない場合)には、ブランチ数を大きくして、良好な通信を維持するように制御することが可能となり、伝送路の状態に応じて通信装置を適応的に使うというケースにも対応できる。
実施の形態3.
つづいて、実施の形態3について説明する。実施の形態1,2では、通信を行う双方の通信装置(送信機,受信機)がPN系列を生成するための回路(PN系列発生部108,208、図5参照)を備え、この回路から出力されたPN系列を利用して周波数スクランブル(ランダム化処理)および周波数デスクランブル(ランダム化解除処理)を行う場合について説明した。これに対して、本実施の形態では、各通信装置(送信機,受信機)がPN系列をメモリ等で保持しておき、送受信処理を実行する際には保持しておいたPN系列を利用する通信装置について説明する。
図15および図16は、実施の形態3の送信機が備えている周波数スクランブラ106c,106dの構成例を示す図であり、PN系列を生成するために必要な構成要素であるアドレス制御部114も併せて記載している。なお、図15に示した構成は、上述した送信機1(図1参照)を変形する場合に適用するものであり、図16に示した構成は、上述した送信機1a(図6参照)を変形する場合に適用するものである。すなわち、送信機1を元に本実施の形態の送信装置を実現する場合、周波数スクランブラ106およびリセット信号発生部109を周波数スクランブラ106cおよびアドレス制御部114に置き換える。また、送信機1aを元に本実施の形態の送信装置を実現する場合には、周波数スクランブラ106aおよびリセット信号発生部109を周波数スクランブラ106dおよびアドレス制御部114に置き換える。また、これらは、実施の形態2の送信機(図10など参照)に対しても適用可能である。
図17は、実施の形態3の受信機が備えている周波数デスクランブラ206cの構成例を示す図であり、上述した受信機2を変形する場合に適用するものである。また、PN系列を生成するために必要な構成要素であるアドレス制御部216も併せて記載している。すなわち、周波数デスクランブラ206およびリセット信号発生部209を周波数デスクランブラ206cおよびアドレス制御部216に置き換えることにより本実施の形態の受信装置が実現される。なお、実施の形態2の受信機2b(図11参照)に対しても適用可能である。
本実施の形態の通信装置(送信機,受信機)では、周波数スクランブラ106c,106dに含まれるPN系列メモリ113、および周波数デスクランブラ206cに含まれるPN系列メモリ215に、予め生成しておいたPN系列を保存しておく。PN系列は、図5で示したようなPN系列発生部を使って予め生成したものでも良いし、外部の計算機等を利用して予め計算・生成しておいたものでも良い。アドレス制御部114,216は、PN系列メモリ113,215の読出しアドレスを制御し、OFDMシンボル毎に同じアドレスを繰り返すようにして、PN系列メモリ113,215からOFDMシンボル周期で同じPN系列が繰り返し出力されるようにする。
本実施の形態の装置構成を採用した場合、図5に示したPN系列発生部108,208が不要となるので、回路規模が小さくなって、通信装置の簡単化が実現できる。
実施の形態4.
つづいて、実施の形態4について説明する。実施の形態1〜3では、通信を行う双方の通信装置(送信機,受信機)が、常に同じPN系列を使用する場合の例について説明したが、本実施の形態では、周波数スクランブラおよび周波数デスクランブラが、複数のPN系列の中から指定されたものを使用して処理を実行する通信装置について説明する。なお、説明で使用する各図面において、先の実施の形態で説明済みのものと同じ構成要素には同一の符号を付与する。またその説明は省略する。
図18,図19は、実施の形態4の送信機が備えている周波数スクランブラ106e,106fの構成例を示す図であり、PN系列を生成するために必要な構成要素であるリセット信号発生部109,アドレス制御部114も併せて記載している。図18に示した周波数スクランブラ106eは実施の形態1で説明したPN系列発生部108(図5参照)を利用した場合の構成例を示している。図19は、実施の形態3で説明したPN系列メモリ113(図15,図16参照)を利用した場合の構成例を示している。なお、周波数スクランブラ106eは、送信機1(図1参照)に適用可能な構成(すなわちS/P部105の後段に配置する場合の構成)となっており、複数の乗算器107を備えている。一方、周波数スクランブラ106fは、送信機1a(図6参照)に適用可能な構成(すなわちS/P部105の前段に配置する場合の構成)となっており、単一の乗算器107を備えている。
図18に示した周波数スクランブラ106eは、PN系列を発生させるための構成として、複数のPN系列発生部(PN系列発生部108−1〜108−N)、およびセレクタ115を備え、リセット信号発生部109からのリセット指示(リセット信号)に応じて初期化される。各PN系列発生部は、それぞれ異なるパターンのPN系列を出力し、セレクタ115は、外部から入力されるPN系列指定信号に従い、いずれか1つのPN系列発生部から受け取ったPN系列を乗算器107へ出力する。リセット信号発生部109から出力されるリセット信号は、分岐され、各PN系列発生部に入力される。
図19に示した周波数スクランブラ106fは、PN系列を発生させるための構成として、複数のPN系列メモリ(PN系列メモリ113−1〜113−N)、およびセレクタ115を備え、アドレス制御部114からの指示に従った動作を行う。各PN系列メモリでは、それぞれ異なるパターンのPN系列を記憶しておき、アドレス制御部114から受け取った読み出しアドレスに対応するPN系列をそれぞれ出力する。セレクタ115は、外部から入力されるPN系列指定信号に従い、いずれか1つのPN系列メモリから受け取ったPN系列を乗算器107へ出力する。アドレス制御部114から出力されるPN系列メモリの読み出しアドレスは、分岐され、各PN系列メモリに入力される。
なお、図18および図19に示したPN系列を発生させるためのそれぞれの構成を入れ替えることも可能である。すなわち、送信機1に適用可能な構成をPN系列メモリにて実現してもよいし、送信機1aに適用可能な構成をPN系列発生部にて実現してもよい。また、これらの周波数スクランブラ106e,106fを実施の形態2または3で示した送信機に対して適用することも可能である。
図20,図21は、実施の形態4の受信機が備えている周波数デスクランブラ206e,206fの構成例を示す図であり、PN系列を生成するために必要な構成要素であるリセット信号発生部209,アドレス制御部216も併せて記載している。図20に示した周波数デスクランブラ206eは実施の形態1で説明したPN系列発生部208(図5参照)を利用した場合の構成例を示している。図21は、実施の形態3で説明したPN系列メモリ215(図17参照)を利用した場合の構成例を示している。
図20に示した周波数デスクランブラ206eは、PN系列を発生させるための構成として、複数のPN系列発生部(PN系列発生部208−1〜208−N)、およびセレクタ217を備え、リセット信号発生部209リセット指示(リセット信号)に応じて初期化される。各PN系列発生部は、それぞれ異なるパターンのPN系列を出力し、セレクタ217は、外部から入力されるPN系列指定信号に従い、いずれか1つのPN系列発生部から受け取ったPN系列を乗算器207へ出力する。リセット信号発生部209から出力されるリセット信号は、分岐され、各PN系列発生部に入力される。
図21に示した周波数デスクランブラ206fは、PN系列を発生させるための構成として、複数のPN系列メモリ(PN系列メモリ215−1〜215−N)、およびセレクタ217を備え、アドレス制御部216からの指示に従った動作を行う。各PN系列メモリでは、それぞれ異なるパターンのPN系列を記憶しておき、記憶しているPN系列をそれぞれ出力する。セレクタ217は、外部から入力されるPN系列指定信号に従い、いずれか1つのPN系列メモリから受け取ったPN系列を乗算器207へ出力する。アドレス制御部216から出力されるPN系列メモリの読出しアドレスは、分岐され、各PN系列メモリに入力される。
なお、周波数デスクランブラ206eおよび206fへ入力されるPN系列指定信号は、送信側の通信装置(送信機)で使用されたPN系列と同じPN系列が乗算器207へ出力されるように制御される。また、これらの周波数デスクランブラ206e,206fを実施の形態2または3で示した受信機に対して適用することも可能である。
このように、本実施の形態では、送信処理および受信処理におけるランダム化の設定/解除で使用するPN系列を複数のPN系列の中から選択できるようにした。これにより、PN系列の変更が、回路の変更やソフトウエアの変更なしに容易にできるようになる。
実施の形態5.
つづいて、実施の形態5について説明する。先の実施の形態では、周波数スクランブラおよび周波数デスクランブラで信号の符号反転処理を行うことによりランダム化の設定/解除を行う通信装置について説明したが、本実施の形態では、PN系列の複数ビットに基づいて位相がランダムに変換された信号を送受信する通信装置について説明する。なお、説明で使用する各図面において、先の実施の形態で説明済みのものと同じ構成要素には同一の符号を付与する。またその説明は省略する。
図22は、実施の形態5の送信機が備えている周波数スクランブラ106gの構成例を示す図であり、図23は、実施の形態5の受信機が備えている周波数デスクランブラ206gの構成例を示す図である。
図示したように、本実施の形態の送信機が備えている周波数スクランブラ106gは、実施の形態1で示した周波数スクランブラ106(図1参照)に対して位相変換部116を追加したものであり、S/P部105の後段に配置する場合の構成例である。この位相変換部116は、PN系列発生部108出力(PN系列)の複数ビットを位相回転量に変換して出力する(複数ビットの値に応じた位相回転量を出力する)。よって、乗算器107は、位相変換部116出力の位相回転量だけ、前段のS/P部105から入力された信号の位相を回転させる。ここでは、S/P部105から入力された信号の位相を回転させる場合の例について示したが、S/P部105へ入力させる信号の位相を回転させるようにすることもできる。すなわち、S/P部105の前段に配置することも可能である。その場合、周波数スクランブラが備える乗算器107は1つとなる。
また、本実施の形態の受信機が備えている周波数デスクランブラ206gは、実施の形態1で示した周波数デスクランブラ206(図2参照)に対して位相変換部218を追加したものである。この位相変換部218は、PN系列発生部208出力(PN系列)の複数ビットを位相回転量に変換する。よって、乗算器207は、位相変換部218出力の位相回転量だけ、前段の同期検波部203から入力された信号の位相を回転させる。ただし、位相変換部218では、送信側の通信装置(送信機1)の位相変換部116で与えられるものとは回転方向が逆となる位相回転量を出力する。
図24は、位相回転量を4通りとした場合における、位相変換部116,218の動作を説明するための図であり、PN系列と、送信側および受信側の双方の位相変換部が出力する位相変換量との関係を表に示したものである。図24に従った動作では、位相変換部116(送信機側)は、PN系列発生部108出力の2ビット毎に、図示した位相回転量を出力する。例えば、PN系列の2ビットが“0,0”であれば、位相回転量は0として、乗算器107入力信号は変化させない。PN系列の2ビットが“0,1”であれば、位相回転量をπ/2として、乗算器107で信号をπ/2だけ回転させる。同様に、位相変換部218(受信機側)は、PN系列発生部208出力の2ビット毎に、図示した位相回転量を出力する。例えば、PN系列の2ビットが、“0,0”であれば、位相回転量は0として、乗算器207入力信号は変化させない。PN系列の2ビットが“0,1”であれば、位相回転量を−π/2として、乗算器207で信号を−π/2だけ回転させる。
このように、送信機で与えた位相回転は、受信機で逆回転させるので、受信側では位相回転のない信号が復元される。上記は、4通りの位相回転を与える構成であるが、例えばPN系列の3ビットを使って、8通りの位相回転としても良く、さらに多くのビット数を使って、位相回転量の種類をさらに増やしても良い。
なお、ここでは、位相変換部116を周波数スクランブラ106に追加して周波数スクランブラ106gを実現し、また、位相変換部218を周波数デスクランブラ206に追加して周波数デスクランブラ206gを実現する場合について示したが、これに限らない。すなわち、位相変換部116は、先の実施の形態で示したいずれの周波数スクランブラ(周波数スクランブラ106a,106c,106d,106e,106f)にも適用可能である。同様に、位相変換部218は、既に説明したいずれの周波数デスクランブラ(周波数デスクランブラ206c,206e,206f)にも適用可能である。これらのどの周波数スクランブラおよび周波数デスクランブラに適用する場合も、乗算器とPN系列発生部(またはPN系列メモリ,セレクタ)の間に、位相変換部を設ければよい。
このように、本実施の形態では、送信機は、PN系列に応じた回転量で送信信号の位相を回転させてランダム化を行い、受信機は、送信機によって与えられたものと同じ回転量で受信信号の位相を逆回転させてランダム化を解除することとした。これにより、送信信号のランダム性を増すことができるので、特に、サブキャリア数が少ない場合であっても、時間波形にピーク振幅を生じないようにできるという効果が得られる。
実施の形態6.
つづいて、実施の形態6について説明する。本実施の形態では、同一データが伝送された周波数軸上の信号を加算する際に、重み付けをしてから加算する通信装置(受信機)について説明する。なお、説明で使用する各図面において、先の実施の形態で説明済みのものと同じ構成要素には同一の符号を付与する。またその説明は省略する。
図25は、実施の形態6の受信機が備えている周波数合成部210hの構成例を示す図である。周波数合成部210hは、実施の形態1で示した周波数合成部210(図2参照)に対して、係数生成部219および複数の乗算器220を追加したものである。係数生成部219は、重み付け係数を生成し、各乗算器220は、係数生成部219で生成された重み付け係数を周波数合成部210hへの入力信号に乗算する。
係数生成部219は、同一データが伝送された周波数軸上の各信号の品質を測定し、測定結果に応じた重み係数生成する。利用する品質としては、「信号対雑音電力比(SNR:Signal to Noise Power Ratio)」,「信号対干渉電力比(SIR:Signal to Interference Power Ratio)」,「信号対雑音+干渉電力比(SINR:Signal to Interference+Noise Power Ratio)」,「信号電力」が考えられ、これらのうちのいずれを使用してもよい。
また、どの品質を使用するかは、性能、雑音量、干渉量、装置の回路規模などを考慮して決めればよい。性能面を重視する場合、SNR,SIR,SINRが有利である。しかしながら、回路規模が大きくなるため、回路規模を小さくする必要があれば、信号電力を採用すればよい。
このように、本実施の形態の受信機では、受信信号を合成する際、各受信信号の品質(周波数ごとの受信品質)に基づいた重み付けを行った上で合成することとした。具体的には、品質の良い周波数に対しては大きな重み係数を乗算し、品質の悪い周波数に対しては小さな重み係数を乗算した上で合成することとした。これにより、加算器211出力において、品質の良い周波数の信号を支配的に(品質の悪い周波数の信号を小さく)できるので、フェージング、干渉、雑音の影響を受け難くできるという効果が得られる。
なお、本実施の形態では、実施の形態1で示した受信機2の周波数合成部210を変形する場合について説明したが、実施の形態2で示した受信機2bの周波数合成部210b(図12参照)を変形することも可能である。この場合には、周波数合成部210bの初段の各加算器211−1に入力される信号から重み係数を生成して、この重み係数を乗算してから加算すればよい。
実施の形態7.
つづいて、実施の形態7について説明する。本実施の形態では、同一データが伝送された周波数軸上の複数の信号と、それらを合成して得られた信号の中から、もっとも品質の良い信号を選択して利用する通信装置(受信機)について説明する。なお、説明で使用する各図面において、先の実施の形態で説明済みのものと同じ構成要素には同一の符号を付与する。またその説明は省略する。
図26は、実施の形態7の受信機が備えている周波数合成部210iの構成例を示す図である。周波数合成部210iは、実施の形態1で示した周波数合成部210(図2参照)に対して、選択信号生成部221と、複数の前段セレクタ222および後段セレクタ223とを追加したものである。選択信号生成部221は、前段セレクタ222および後段セレクタ223用の選択信号を出力する。前段セレクタ222および後段セレクタ223は、選択信号生成部221にて生成された選択信号に応じて、選択された(指定された)側の入力を出力する。
選択信号生成部221は、同一データが伝送された周波数軸上の各信号の品質を測定する。品質としては、実施の形態6の周波数合成部210hが備えていた係数生成部219が利用可能な品質のいずれでも良く、どの品質を採用するかは、実施の形態6の周波数合成部210hと同様に決めれば良い。選択信号生成部221は、まず、同一データが伝送された信号(周波数)のうち品質の良い方を選択するための選択信号を生成し、前段セレクタ222に出力する。さらに、同一データが伝送された信号の品質の差を計算して、この差がしきい値未満の場合には、加算器211出力を、しきい値以上の場合には、前段セレクタ222出力を選択するための選択信号を生成し、後段セレクタ223に出力する。これにより、前段セレクタ222からは品質の良い方の信号が出力され、後段セレクタ223からは、加算器211で加算された信号と前段セレクタ222で選択された品質の良い方の信号のうちのどちらかが出力される。
仮に、同一データが伝送された各周波数の品質が同程度であったならば、これらを加算すると通信性能は向上する。しかし、片方の品質が極端に悪い場合には、それを加算してしまうと逆に通信性能が劣化してしまう。よって、本実施の形態の受信機が備えている周波数合成部210iでは、同一データが伝送された周波数の品質の差をしきい値と比較して、加算した信号か、品質の良い方の信号か、のどちらかを後段セレクタ223で選択するようにしている。ここで、しきい値は、どの程度の差まで加算するかを決めるパラメータであり、予めシミュレーション等で設計時に決めても良く、装置設置時などに調整して決めても良い。
ここで、実施の形態6で示した周波数合成部210h(図25参照)における係数生成部219の動作を変更することによっても本実施の形態の周波数合成部210iと同様の動作が実現可能である。すなわち、この場合には、係数生成部219は、同一データが伝送された周波数の品質の差を測定して、乗算器220に係数0もしくは1を出力する。加算器211に入力される信号のどちらも係数を1とすれば加算した信号が出力され、品質の悪い方の信号の係数を0とすれば、品質の良い方の信号が出力されるので、本実施の形態の周波数合成部210iと同じ出力が得られる。なお、本実施の形態の構成(図26参照)は、乗算器220が不要でありセレクタだけで構成できるので、より小さな回路規模で実現できる。
このように、本実施の形態の受信機では、合成する前の各信号と、合成後の信号の中から、最も品質が良好な信号を選択するようにしたので、同一データが伝送された周波数の品質の差が大きい場合であっても、良好な通信特性が得られるという効果が得られる。
実施の形態8.
つづいて、実施の形態8について説明する。本実施の形態では、周波数スクランブラにおける周波数スクランブル(ランダム化処理)を実行するかどうかを設定(選択)可能とした通信装置(送信機)について説明する。なお、説明で使用する各図面において、先の実施の形態で説明済みのものと同じ構成要素には同一の符号を付与する。またその説明は省略する。
図27は、実施の形態8の送信機が備えている周波数スクランブラ106jの構成例を示す図である。周波数スクランブラ106jは、実施の形態1で示した周波数スクランブラ106(図1参照)に対してセレクタ117を追加したものである。セレクタ117には、A,B2系統の信号、すなわち、PN系列(A系統)および固定値の0(B系統)が入力され、外部から入力された制御信号(ON/OFF信号)に従い、A系統,B系統のいずれか一方を選択・出力する。制御信号がONを示す場合、セレクタ117はPN系列を選択する。また制御信号がOFFを示す場合、セレクタ117は固定値0を選択する。なお、AのPN系列が選択された場合の動作は、実施の形態1で示したとおりである。一方、Bが選択された場合、乗算器107には0が入力されるので、実施の形態1にて説明したとおり、乗算器107入力信号はそのまま乗算器107出力信号となる。すなわち、ON/OFF信号は、周波数スクランブルを行わない場合にBを選択するように指示する信号である。
図28は、実施の形態8の通信装置の動作を説明するための図であり、送受信する信号の構成例を示している。図示したように、本実施の形態の通信装置(送信機,受信機)は、たとえば、プリアンブル(Pre)と、ペイロード(Payload(1),Payload(2))から成るフォーマットの信号を送受信する。Preには通常、既知のランダムパターンが設定される。Payload(1),Payload(2)にはユーザの情報データが設定される。また図28は、Payload(1)のみに周波数ダイバーシチが適用された例である。この場合、ON/OFF信号は、Payload(2)のタイミングでA、それ以外では、Bとなるように入力され、Payload(1)のみがランダム化される。
なお、図27では、実施の形態1で示した周波数スクランブラ106に対してON/OFFセレクタ(セレクタ117)を追加した構成例について示したが、上述した他の周波数スクランブラ(周波数スクランブラ106a,106c,106d,106e,106f,106g)に対して追加することも可能である。これらの場合も同様に、セレクタ117を、PN系列発生部108やPN系列メモリ113と、乗算器107との間に設ければ良い。
このように、本実施の形態の通信装置では、周波数ダイバーシチを適用するかどうかを選択するためのセレクタを備える構成を採用することとした。これにより、周波数ダイバーシチが適用された信号と、適用されない信号が混在する場合に対しても、周波数ダイバーシチが適用された信号の時間波形でピーク振幅を生じないようにすることができる。すなわち、たとえば図28に示したPayload(1)がユーザ#1の信号、Payload(2)がユーザ#2の信号であり、またユーザ#2は周波数ダイバーシチを行わないユーザである場合に、全ての信号をランダム化してしまうと、ユーザ#2ではランダム化を解除できずにデータを復元できなくなる。しかし、本実施の形態の構成を採用すれば、このような周波数ダイバーシチの適用が混在している場合であっても、ユーザ#2の信号はランダム化されないようにできるので、ユーザ#2でもデータを受信できるようになる。すなわち、本実施の形態の構成は、複数の通信装置との間で同時通信を行う基地局などに有用である。
実施の形態9.
つづいて、実施の形態9について説明する。これまでの本実施の形態では、マルチキャリア信号がOFDM信号の場合の例について示したが、本発明はシングルキャリアOFDM信号(SC−OFDM信号)での通信にも適用可能である。なお、説明で使用する各図面において、先の実施の形態で説明済みのものと同じ構成要素には同一の符号を付与する。またその説明は省略する。
図29は、実施の形態9の送信機の構成例を示す図であり、この送信機1kは、SC−OFDM信号を対向する通信装置(受信機)へ送信する。図示したように、送信機1kは、実施の形態1で示した送信機1(図1参照)の周波数コピー部102およびS/P部105をFFT部118および周波数コピー部102kに置き換えたものである。
また、図30は、実施の形態9の受信機の構成例を示す図であり、この受信機2kは、対向する通信装置(送信機)から送信されたSC−OFDM信号を受信する。図示したように、受信機2kは、実施の形態1で示した受信機2(図2参照)にIFFT部224を追加したものである。
なお、本実施の形態では、実施の形態1で示した送信機1,受信機2を変形して送信機1k,受信機2kを実現する場合について説明するが、先の実施の形態で示した他の送信機,受信機のいずれも、同様の手法で変形が可能である。
送信機1kにおいて、FFT部118は、マッピング部101出力信号に対してFFTを実行し、周波数軸上の信号に変換する。なお、図示を省略しているが、マッピング部101ではフィルタリング処理も行われる。周波数コピー部102kは、先の実施の形態で示した各周波数コピー部とは異なり、入出力が並列信号となる(図31参照)。
図31は、周波数コピー部102kの構成例を示す図であり、周波数コピー部102kは、パラレル/シリアル変換部(P/S部)119、周波数コピー実行部120およびシリアル/パラレル変換部(S/P部)121を備える。P/S部119は、FFT部118から受け取ったパラレル信号をシリアル信号に変換する。周波数コピー実行部120は、P/S部119出力信号に対して上述した周波数コピー部102または102bと同様の処理を実行して入力信号をコピーする。周波数コピー実行部120の内部構成は、周波数コピー部102または102bと同一である(図1,図10参照)。S/P部121は、周波数コピー実行部120から出力されたシリアル信号をパラレル信号に変換する。
受信機2kにおいて、IFFT部224は、周波数合成部210出力信号をIFFTして時間波形に戻す。なお、図示を省略しているが、デマッピング器213では、復調のための周波数同期、タイミング同期、搬送波再生などの処理も行われる。
このように、先の実施の形態で示した各手法は、マルチキャリア信号がSC−OFDM信号の場合にも適用することができ、SC−OFDM信号による通信で周波数ダイバーシチを行う際に、ピーク振幅を生じないようにすることができる。
実施の形態10.
つづいて、実施の形態10について説明する。本実施の形態および以降の実施の形態においては、先の各実施の形態で示した通信装置(送信機,受信機)を利用した通信システムについて説明する。
図32は、本発明にかかる通信装置により構成された通信システムの一例を示す図である。図32に示した通信システムは、複数の通信装置(ここでは3つの通信装置3)により構成される。各通信装置3は同じ構成となっており、それぞれ送信機1および受信機2からなる。送信機1,受信機2は、実施の形態1で説明した送信機1,受信機2である。なお、図32では、一例として、実施の形態1で説明した送信機1および受信機2が通信装置3を構成する場合について示したが、通信装置3を構成する送信機,受信機は、先の実施の形態1〜9で説明したいずれの送信機,受信機であってもよい。また、図32では通信媒体として無線を用いる場合の例を示しており、各通信装置3はアンテナを介して接続されている。ただし、本発明は通信媒体を無線に限定するものでなない。例えば、電力線通信であれば、各通信装置3は電力線を介して接続される。
このように、本実施の形態の通信システムでは、各通信装置3が、先の実施の形態で説明した送信機1および受信機2を使うので、同一データが異なる周波数で送信されるようにコピーされ、この出力はランダム化されて時間波形にはピークが生じることはない。よって、各通信装置3の出力電力を大きくでき、通信装置間の距離が遠い場合であっても、良好な通信品質を維持できる。
また、通信システムとしては、通信装置を密に配置する必要が生じる可能性がある。例えば、電柱などに通信装置を配置する場合には、その配置位置に制約が生じる。このようなシステムでは通信装置間の干渉が問題となるが、本実施の形態の通信システムを構成する通信装置3による通信では他の通信の影響(干渉)を受け難いので、このようなケースであっても良好な通信を維持できる。
さらに、移動体通信のように、伝送路のフェージングが激しいケースであっても、通信装置3による通信はフェージングの影響を受け難いので、このようなケースであっても良好な通信を維持できる。
さらに、電力線通信のように、伝送路上の一部の周波数に大きな雑音があるケースであっても、通信装置3による通信は雑音の影響を受け難いので、このようなケースであっても良好な通信を維持できる。
実施の形態11.
つづいて、実施の形態11について説明する。図33は、実施の形態11の通信システムの構成例を示す図であり、この通信システムを構成する各通信装置3bは、実施の形態2で説明した送信機1bおよび受信機2bを備え、また、ブランチ数情報を生成して、送信機1bおよび受信機2bに出力する品質制御部31を備える。なお、図33では、一例として送信機1b,受信機2bを備えた通信装置3bについて示しているが、実施の形態3〜9で示した他の送信機,受信機のうち、ブランチ数情報に応じた処理を実行するもの(すなわち、周波数コピー部102bを備えた送信機,周波数合成部210bを備えた受信機)に置き換えることも可能である。
図33に示した通信装置3bにおいて、送信機1bおよび受信機2bは、品質制御部31からのブランチ数情報にしたがって、周波数コピー数を変更する。周波数コピー数の変更方法は、前述のとおりである。
通信システムでは、ユーザデータ、制御データ、報知データ等、さまざまな種類のデータが伝送される。ここで、各データの種別によっては、非常に精度の高い通信品質が要求される場合もあり、逆に、高い通信品質よりも、伝送できるデータ量が多いことが重要な場合もある。
そのため、品質制御部31は、これら各データの要求品質に応じて、ブランチ数情報を生成する。すなわち、高品質な通信が要求される場合にはブランチ数を大きくし、高品質な通信が不要な場合にはブランチ数を小さくするように制御する。
このように、本実施の形態によれば、データの所要品質に応じたブランチ数が使用されるので、品質が良く、かつ、伝送できるデータ量が多い、通信システムを実現できる。
実施の形態12.
つづいて、実施の形態12について説明する。図34は、実施の形態12の通信システムの構成例を示す図であり、この通信システムを構成する各通信装置3b’は、実施の形態11で説明した通信装置3bを変形したものである。すなわち、本実施の形態の通信装置3b’は、上述した通信装置3bの品質制御部31を品質制御部31bに置き換えたものであり、この品質制御部31bには受信信号が入力されるように構成されている。これにより、本実施の形態の通信システムにおいて、各通信装置3b’は、伝送路の状態に応じたブランチ数情報を生成して通信を行う。
伝送路の状態は、フェージングの大きさ、雑音量、干渉量などにより決まり、一定ではない。品質制御部31bは、受信信号からこれらの状態を観測して、伝送路の状態を判断する。そして、品質制御部31bは、伝送路の状態が悪い場合にブランチ数情報を大きくし、伝送路の状態が良い場合には小さくする。ブランチ数が多いほど、フェージング、干渉、雑音に強くなるので、伝送路の状態が悪くなった場合でも、良好な通信が維持できる。逆に、ブランチ数が少ないほど、伝送できるデータ量が増加するので、伝送路の状態が良くなった場合には、多くのデータを伝送できるようになる。
なお、品質制御部31bが伝送路の状態を観測する別の方法としては、受信機2bにて生成される受信データの誤り率や、SNR、SIR、SINR、信号電力などを利用して品質を観測してもよい。この場合には、受信機2bから、伝送路状態を観測するために必要な信号(上記受信データ誤り率、SNRなど)を品質制御部31bに渡すようにすればよい。
実施の形態13.
つづいて、実施の形態13について説明する。図35は、ブランチ数情報を報知チャネル(BCH:Broad-casting Channel)で送信するようにした通信システムのフレームフォーマットの一例を示す図である。BCHは、基地局もしくはMasterと呼ばれる制御局(以降、基地局と記す)が送信している報知用の通信チャネルであり、基地局の固有番号や、フレーム番号などの情報を、各通信装置に報知するための通信チャネルである。このチャネルに、ブランチ数情報を入れて報知することにより、新たに通信を開始しようとする通信装置は、BCHを受信することで、その通信システムで使用されているブランチ数を知ることができる。よって、ブランチ数情報のための別の通信チャネルを新たに設ける必要がなく、周波数の利用効率が向上し、また、各通信装置は、新たな通信チャネルを別途受信する必要がなくなるため、装置規模が増加するのを抑えられる。
実施の形態14.
つづいて、実施の形態14について説明する。図36は、PN系列をユーザ毎に変えるようにしたフレームフォーマットの一例を示す図である。図示した“Payload(1)”は通信装置#1(ユーザ#1)のデータ、“Payload(2)”は通信装置#2(ユーザ#2)のデータであり、各通信装置は、Payloadにおいてそれぞれ異なるPN系列(PN(1),PN(2))を使用することを表している。1つのPN系列が使用されている通信システムよりも、多数のPN系列が使用されている通信システムの方が、秘匿性が高く、盗聴や、情報漏洩が起き難い。すなわち、本実施の形態によれば、ピーク振幅を生じない通信システムであって、かつ、信頼性の高い通信システムを実現できる。
実施の形態15.
つづいて、実施の形態15について説明する。図37は、PN系列を基地局毎に変えるようにしたフレームフォーマットの一例を示す図である。図示した“Pre(1)”、“Pre(2)”はそれぞれ通信装置#1、#2のプリアンブル、“CCH(1)”、“CCH(2)”はそれぞれ通信装置#1、#2の制御チャネル、“Payload(1)”、“Payload(2)”はそれぞれ通信装置#1、#2のPayloadである。通信装置#1、#2は基地局であり、CCH(Control Channel)は制御用のデータを伝送するチャネルである。
通信システム内の基地局以外の通信装置は、通信開始時にまず接続先の基地局を探索する。この際、通信装置は、CCH内のデータを見て希望する基地局か否かを判断する。本実施の形態の通信システムでは、PN系列を基地局毎に変えるようにしているので、希望する基地局が使用しているPN系列を予め設定しておけば、希望しない基地局のCCHは使用されているPN系列が異なるので、これを誤って受信することがなくなる。
すなわち、本実施の形態によれば、ピーク振幅を生じない通信システムであって、かつ、通信開始時の誤接続を回避できる通信システムを実現できる。
なお、図37では、通信装置#1および#2がCCHの伝送時にのみ周波数スクランブルを実行する場合の例について示しているが、もちろん、CCH以外の伝送に対して周波数スクランブルを適用することも可能である。
実施の形態16.
また、本発明にかかる通信装置を利用した通信システムの一つとして、周波数ダイバーシチを、制御用チャネルのような耐雑音性能が要求される通信チャネルや、BPSKのような雑音に強い変調方式にのみ行うようにする構成も考えられる。
周波数ダイバーシチは、フェージング、干渉、雑音には強いが、伝送可能なデータ量が減少する。そこで、周波数ダイバーシチの適用を制御用チャネルのみに限定することで、伝送可能なデータ量を減少させることなく、安定性の高い通信システムを実現することが可能となる。さらに、BPSKのような雑音に強い変調方式にのみ行うことでも、伝送可能なデータ量を大きく減少させることなく、安定性の高い通信システムを実現することが可能となる。
実施の形態17.
つづいて、実施の形態17について説明する。図38は、実施の形態17の通信システムを説明するための図である。本実施の形態の通信システムでは、送信側の通信装置は、余った周波数の送信電力を0として送信する。図38は、本実施の形態の通信システムにおける、周波数スクランブル処理前のスペクトルの一例を示している。例えば、周波数の数が15で、ブランチ数情報=3の場合、s0、s1、s2、s3の組が3つ伝送できて、3つの周波数が余る(15−4×3=3)。この場合、本実施の形態では、これら余りの周波数の送信電力を0とする。
通信システムでは、周波数の有効利用のために、同一周波数を距離の離れた場所で繰り返し再利用することが行われる(周波数再利用)。しかし、周波数再利用では、距離が遠い場所で行われている他の通信に想定外の大きな干渉を与えてしまう場合もある。本実施の形態によれば、余りの周波数の送信電力を0とするので、周波数再利用において、他の通信への干渉を小さくできるという効果が得られる。
実施の形態18.
つづいて、実施の形態18について説明する。図39は、実施の形態18の通信システムを説明するための図である。本実施の形態の通信システムでは、送信側の通信装置は、システムに割り当てられているすべての周波数を使用して通信を行う。たとえば、実施の形態17の場合と同じ条件下(周波数の数が15、ブランチ数情報=3)では、3つの周波数が余る。この場合、本実施の形態では、これら余りの周波数に、s0、s1、s2、s3の中から3つを選択して割り当てて伝送する。3つを選択する方法としては、s0、s1、s2のように、順番に選択しても良いし、s0、s1、s2、s3の中で重要な情報を含むものがあれば、それらを優先的に選択しても良い。
本実施の形態によれば、余った周波数も出来る限り使うようにしたため、フェージング、干渉、雑音により影響され難く、良好な通信を維持できるという効果が得られる。
なお、実施の形態10〜18で示した通信システムは、マルチキャリア信号に制限はなく、OFDM信号、SC−OFDM信号のいずれも適用可能である。
以上のように、本発明にかかる送信機、受信機および通信装置は、マルチキャリア通信に有用であり、特に、周波数ダイバーシチを適用したマルチキャリア通信をピーク振幅の発生を抑えつつ行う通信装置に適している。
1、1a、1b 送信機
2、2b 受信機
3、3b、3b’ 通信装置
31、31b 品質制御部
101 マッピング部
102、102b、102k 周波数コピー部
103 メモリ
104、115、117、217、222、223、302 セレクタ
105、121 シリアル/パラレル変換部(S/P部)
106、106a、106c、106d、106e、106f、106g、106j 周波数スクランブラ
107、204、207、220 乗算器
108、108−1、108−N、208、208−1、208−N PN系列発生部
109 リセット信号発生部
110、224 IFFT部
111 アナログTX部
112 選択制御部
113、113−1、113−N、215、215−1、215−N PN系列メモリ
114、216 アドレス制御部
116、218 位相変換部
118、202 FFT部
119、212 パラレル/シリアル変換部(P/S部)
120 周波数コピー実行部
201 アナログRX部
203 同期検波部
205 伝送路推定部
206、206c、206e、206f、206g 周波数デスクランブラ
209 リセット信号発生部
210、210b、210h、210i 周波数合成部
211、211−1、211−2、211−3 加算器
213 デマッピング部
219 係数生成部
221 選択信号生成部
301 遅延回路
303 排他的論理和器
304 初期値メモリ

Claims (38)

  1. マルチキャリア信号を送信する送信機であって、
    同一データを周波数領域でコピーする周波数コピー手段と、
    前記周波数コピー手段からの出力信号をランダム化する周波数スクランブル手段と、
    前記周波数スクランブル手段からの出力信号を時間領域の信号に変換する周波数時間変換手段と、
    を備えることを特徴とする送信機。
  2. 前記周波数コピー手段は、同一データを送信する各周波数同士の間隔が最大となるように、コピーを行うことを特徴とする請求項1に記載の送信機。
  3. 前記周波数スクランブル手段は、
    PN系列の初期値を記憶した初期値メモリ、前記PN系列の初期値に基づいてPN系列を生成する論理回路、および当該論理回路を初期化するためのリセット信号を生成するリセット信号発生部、からなるPN系列生成手段、
    を備え、
    前記PN系列生成手段で生成したPN系列に基づくランダム化処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の送信機。
  4. 前記PN系列生成手段は、送信シンボル単位でPN系列の初期化を行い、同一パターンのPN系列を繰り返し生成することを特徴とする請求項3に記載の送信機。
  5. 前記周波数スクランブル手段は、
    前記PN系列生成手段を複数備え、また当該PN系列生成手段のそれぞれは、互いに異なるPN系列を生成し、
    ランダム化処理においては、外部からの指示に従い、前記複数のPN系列生成手段の中のいずれか一つで生成されたPN系列を使用することを特徴とする請求項3または4に記載の送信機。
  6. 前記周波数スクランブル手段は、
    予め生成しておいたPN系列を記憶したPN系列メモリ、および前記PN系列メモリに対してアドレス指定を行い、当該アドレスが示す領域に格納された情報を外部へ出力させるアドレス制御部、からなるPN系列出力手段、
    を備え、
    前記PN系列出力手段から出力されたPN系列に基づくランダム化処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の送信機。
  7. 前記PN系列出力手段は、送信シンボル単位で同一パターンのPN系列を繰り返し出力することを特徴とする請求項6に記載の送信機。
  8. 前記周波数スクランブル手段は、
    前記PN系列出力手段を複数備え、また当該PN系列出力手段のそれぞれは、互いに異なるPN系列を出力し、
    ランダム化処理においては、外部からの指示に従い、前記複数のPN系列出力手段の中のいずれか一つから出力されたPN系列を使用することを特徴とする請求項6または7に記載の送信機。
  9. 複数のユーザ局と通信可能な基地局として動作する通信装置を構成している場合、
    通信相手のユーザ局ごとに異なるPN系列を使用してランダム化処理を実行することを特徴とする請求項5または8に記載の送信機。
  10. 複数の基地局と通信可能なユーザ局として動作する通信装置を構成している場合、
    通信相手の基地局ごとに異なるPN系列を使用してランダム化処理を実行することを特徴とする請求項5または8に記載の送信機。
  11. 前記周波数スクランブル手段は、前記PN系列に基づいて、前記周波数コピー手段から出力された信号のうち、一部の信号の符号を反転させてランダム化することを特徴とする請求項3〜10のいずれか一つに記載の送信機。
  12. 前記周波数スクランブル手段は、前記PN系列に基づいた回転量に従い、前記周波数コピー手段から出力された信号のうち、一部の信号の位相を回転させてランダム化することを特徴とする請求項3〜10のいずれか一つに記載の送信機。
  13. 前記周波数スクランブル手段は、特定チャネルの送信または特定の変調方式を適用した送信を対象として、前記ランダム化処理を実行することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の送信機。
  14. 前記周波数コピー手段は、同一データのコピー実行回数を変更可能な構成を採用したことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の送信機。
  15. 前記周波数コピー手段は、高品質な通信が要求される場合には前記コピー実行回数を大きくし、高品質な通信が要求されていない場合には前記コピー実行回数を小さくすることを特徴とする請求項14に記載の送信機。
  16. 前記周波数コピー手段は、伝送路状態が悪い場合には前記コピー実行回数を大きくし、伝送路状態が良い場合には前記コピー実行回数を小さくすることを特徴とする請求項14に記載の送信機。
  17. 複数のユーザ局と通信可能な基地局として動作する通信装置を構成している場合、
    制御情報を伝送するための制御チャネルを利用して、前記コピー実行回数を通信相手先の各ユーザ局へ通知することを特徴とする請求項14、15または16に記載の送信機。
  18. 前記周波数コピー手段は、入力信号のうち、一部の信号についてのみコピーする機能を有することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の送信機。
  19. 前記周波数コピー手段からの出力のうち、データがマッピングされていない空き周波数については、信号電力を0に設定して送信することを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の送信機。
  20. 前記周波数コピー手段は、同一データのコピーを規定回数実行後、その時点でデータがマッピングされていない空き周波数が存在する場合には、空き周波数がなくなるまで、データのコピー処理を継続することを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の送信機。
  21. OFDM信号を送信することを特徴とする請求項1〜20のいずれか一つに記載の送信機。
  22. シングルキャリアOFDM信号を送信することを特徴とする請求項1〜20のいずれか一つに記載の送信機。
  23. 対向する通信装置が周波数領域でデータのコピーおよびランダム化を実行して送信したマルチキャリア信号を受信する受信機であって、
    時間領域の受信信号を周波数領域の受信信号に変換する時間周波数変換手段と、
    前記時間周波数変換手段からの出力信号に対して、対向する通信装置が信号を送信する際に実行するランダム化処理と逆の処理(ランダム化解除処理)を実行する周波数デスクランブル手段と、
    前記周波数デスクランブル手段からの出力信号のうち、同一データを含んだ信号同士を合成する信号合成手段と、
    を備えることを特徴とする受信機。
  24. 前記周波数デスクランブル手段は、
    PN系列の初期値を記憶した初期値メモリ、前記PN系列の初期値に基づいてPN系列を生成する論理回路、および当該論理回路を初期化するためのリセット信号を生成するリセット信号発生部、からなるPN系列生成手段、
    を備え、
    前記PN系列生成手段で生成したPN系列に基づくランダム化解除処理を実行することを特徴とする請求項23に記載の受信機。
  25. 前記PN系列生成手段は、送信シンボル単位でPN系列の初期化を行い、同一パターンのPN系列を繰り返し生成することを特徴とする請求項24に記載の受信機。
  26. 前記周波数デスクランブル手段は、
    前記PN系列生成手段を複数備え、また当該PN系列生成手段のそれぞれは、互いに異なるPN系列を生成し、
    ランダム化解除処理においては、外部からの指示に従い、前記複数のPN系列生成手段の中のいずれか一つで生成されたPN系列を使用することを特徴とする請求項24または25に記載の受信機。
  27. 前記周波数デスクランブル手段は、
    予め生成しておいたPN系列を記憶したPN系列メモリ、および前記PN系列メモリに対してアドレス指定を行い、当該アドレスが示す領域に格納された情報を外部へ出力させるアドレス制御部、からなるPN系列出力手段、
    を備え、
    前記PN系列出力手段から出力されたPN系列に基づくランダム化解除処理を実行することを特徴とする請求項23に記載の受信機。
  28. 前記PN系列出力手段は、送信シンボル単位で同一パターンのPN系列を繰り返し出力することを特徴とする請求項27に記載の受信機。
  29. 前記周波数デスクランブル手段は、
    前記PN系列出力手段を複数備え、また当該PN系列出力手段のそれぞれは、互いに異なるPN系列を出力し、
    ランダム化解除処理においては、外部からの指示に従い、前記複数のPN系列出力手段の中のいずれか一つから出力されたPN系列を使用することを特徴とする請求項27または28に記載の受信機。
  30. 前記周波数デスクランブル手段は、前記PN系列に基づいて、前記時間周波数変換手段から出力された信号のうち、一部の信号の符号を反転させてランダム化を解除することを特徴とする請求項24〜29のいずれか一つに記載の受信機。
  31. 前記周波数デスクランブル手段は、前記PN系列に基づいた回転量に従い、前記時間周波数変換手段から出力された信号のうち、一部の信号の位相を逆回転させてランダム化を解除することを特徴とする請求項24〜29のいずれか一つに記載の受信機。
  32. 前記信号合成手段は、同一データを含んだ各受信信号、および当該各受信信号を合成して得られる合成信号の中から、当該各受信信号の品質に基づいていずれか一つを選択し、出力することを特徴とする請求項23〜31のいずれか一つに記載の受信機。
  33. 前記信号合成手段は、同一データを含んだ信号同士を加算することにより合成することを特徴とする請求項23〜32のいずれか一つに記載の受信機。
  34. 前記信号合成手段は、同一データを含んだ信号同士を、受信品質に基づく重み付け加算により合成することを特徴とする請求項23〜32のいずれか一つに記載の受信機。
  35. 前記信号合成手段は、合成する信号の数がそれぞれ異なる複数種類の合成処理を実行し、得られた各合成信号、および自身へ入力された合成前の信号の中のいずれか一つを、外部からの指示に従い出力することを特徴とする請求項23〜34のいずれか一つに記載の受信機。
  36. OFDM信号を受信することを特徴とする請求項23〜35のいずれか一つに記載の受信機。
  37. シングルキャリアOFDM信号を受信することを特徴とする請求項23〜35のいずれか一つに記載の受信機。
  38. 請求項1〜22のいずれか一つに記載の送信機と、
    請求項23〜37のいずれか一つに記載の受信機のうち、前記送信機を構成している周波数コピー手段および周波数スクランブル手段が実行する処理と逆の処理を実行する受信機と、
    を備えることを特徴とする通信装置。
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