JP2010267170A - 燃料電池発電システムおよびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】DC電圧変換器を大容量化することなく、燃料電池発電システムの故障停止を抑制して発電運転を継続可能とする。
【解決手段】燃料電池発電システム50は、電気化学反応により直流の電気エネルギを発生する燃料電池本体1と、燃料電池本体1で発生した直流の電圧を変換するDC電圧変換器3と、DC電圧変換器3で得られた直流電力によって駆動される補機4と、燃料電池本体1で発生した直流を交流に変換するインバータ2と、DC電圧変換器3から補機4に供給される電流(または電力)が所定の電流(または電力)閾値を超えたときにインバータ2の出力電力を低減する制御装置5と、を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池発電システムおよびその制御方法に関し、特に、DC電圧変換器から補機に供給される電力が一時的に増大したときにも運転継続が可能な燃料電池発電システムおよびその制御方法に関する。
従来の典型的な燃料電池発電システムは、直流の電気エネルギを発生する燃料電池本体と、直流電力駆動の補機と、補機へ直流電圧を供給するためのDC電圧変換器と、システム制御装置とを備えている(特許文献1参照)。
ここで直流電力駆動の補機には、ブロワ、ポンプ、ファン等の回転機、電気ヒータ、電磁弁、CPU電源、インバータゲート電源などが含まれる。また、燃料電池本体から発生した直流電力を交流に変換して交流電源系統に接続されるインバータが設けられている。
特開2006−288024号公報
燃料電池本体では、長時間の運転によるセルの劣化などによって、発生する電池電圧が次第に低下する。そのため、所定の出力電力を維持するために、電池電流を増大させて運転継続がなされる。一方、補機に必要な直流電力は燃料電池発電システム運転状況などによって変動し、一時的に急増する場合がある。
特に運転末期等で電池直流電流が増大しているときに、このような直流電力駆動の補機電力が増大した場合に、補機電力がDC電圧変換器の容量を超える可能性が高まる。実際に補機電力がDC電圧変換器の容量を超えると、DC電圧変換器の電圧出力が遮断することになり、燃料電池発電システムは故障停止に至っていた。このような故障停止があると、余分な保守費用がかかるだけでなく、燃料電池発電システムの商品としての信頼性低下を招く。このような故障停止の発生を抑制するためには、大容量のDC電圧変換器を採用する必要があり、余分なコストがかかる。
本発明は上記の課題を解決するためのものであって、DC電圧変換器を大容量化することなく、燃料電池発電システムの故障停止を抑制して発電運転を継続可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る燃料電池発電システムは、燃料ガスおよび酸化剤ガスを取り入れて電気化学反応により直流の電気エネルギを発生する燃料電池本体と、前記燃料電池本体で発生した直流の電圧を変換するDC電圧変換器と、前記DC電圧変換器で得られた直流電力によって駆動される少なくとも一つの補機と、前記燃料電池本体で発生した直流を交流に変換するインバータと、前記DC電圧変換器から前記補機に供給される電流もしくは電力が所定の閾値を超えたときに前記インバータの出力電力を低減する制御手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池発電システム制御方法は、燃料ガスおよび酸化剤ガスを取り入れて電気化学反応により直流の電気エネルギを発生する燃料電池本体と、前記燃料電池本体で発生した直流の電圧を変換するDC電圧変換器と、前記DC電圧変換器で得られた直流電力によって駆動される少なくとも一つの補機と、前記燃料電池本体で発生した直流を交流に変換するインバータと、を有する燃料電池発電システムの制御方法であって、前記DC電圧変換器から前記補機に供給される電流もしくは電力が所定の閾値を超えたときに前記インバータの出力電力を低減すること、を特徴とする。
本発明によれば、DC電圧変換器を大容量化することなく、燃料電池発電システムの故障停止を抑制して発電運転を継続可能とすることができる。
本発明に係る燃料電池発電システムの一実施形態の全体構成を示すブロック図である。 図1の燃料電池発電システムの制御装置を示すブロック図である。 補機電流(DC電圧変換器から補機に供給される電流)と電池電流との関係を模式的に示すグラフである。
以下、本発明に係る燃料電池発電システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明に係る燃料電池発電システムの一実施形態の全体構成を示すブロック図である。また、図2は図1の燃料電池発電システムの制御装置を示すブロック図である。
図1において、燃料電池発電システム50は、たとえば家庭用の燃料電池発電システムであって、直流の電気エネルギを発生する燃料電池本体1と、燃料電池本体1で発生した直流電力の一部(大部分)を交流電力に変換して外部の交流電源系統に接続されるインバータ2とを有する。また、この燃料電池発電システムは、燃料電池本体1で発生した直流電力の一部について電圧変換するDC電圧変換器3と、DC電圧変換器3で電圧変換された直流電力によって駆動される複数の補機4と、DC電圧変換器3から複数の補機4へ供給される直流電流を計測するための電流計6と、この燃料電池発電システムを制御する制御装置5とを備えている。
補機4には、ブロワ、ポンプ、ファン等の回転機や、電気ヒータ、電磁弁、CPU電源、インバータゲート電源などの複数の機器が含まれる。燃料電池本体1では、燃料ガスおよび酸化剤ガスを取り入れて、両者の電気化学反応により発電を行なう。
燃料電池発電システム50が通常の発電運転をしているとき、燃料電池本体1で発生した直流電力の大部分は、インバータ2によって交流に変換され、交流電力系統に供給され、その先につながる商用電源(図示せず)と合わせて家庭用負荷(図示せず)のために利用される。そのとき、燃料電池本体1で発生した直流電力の一部は、DC電圧変換器3で、直流電力駆動の補機4に適した直流電圧(例えばDC24V)に変換される。DC電圧変換器3から複数の補機4に供給される直流電流は電流計6によって計測される。
このとき、複数の補機4を構成する一部の機器に起因する何らかの原因により、DC電圧変換器3から補機4に供給される直流電流が一時的に急増することがありうる。たとえば、燃料電池本体1で発生する熱を温水として回収して温水を温水貯槽(図示せず)に貯蔵するシステムの場合、この温水を循環させるための温水ポンプ(図示せず)が複数の補機4の一部を構成している。ここで、温水貯槽が温水で満杯になるまでは、冷水が供給されて燃料電池本体1の冷却に使用されるため、温水ポンプの流量は比較的小さいが、温水貯槽が温水で満杯になると、比較的高温の水によって燃料電池本体1の冷却が行なわれるようになるため、温水ポンプの単位時間あたりの流量が増大する。そのとき、温水ポンプの駆動に必要な直流電力が急増する。
このようにDC電圧変換器3から複数の補機4に供給される直流電流が一時的に急増した場合において、この直流電流がDC電圧変換器3の最大許容電流を超えると、燃料電池発電システム50が故障と判断し停止に至る。そこで、この実施形態では、DC電圧変換器3の電流が所定の電流閾値を超えたときに、制御装置5によって、インバータ2の出力電力が低減されるように制御される。なお、この場合に、インバータ2の出力電力が減った分は、交流電力系統に接続された商用電源等の発電設備(図示せず)からの電力供給によって補われる。
具体的な制御方法としては、図2に示すように、比例積分制御器(PI)10にDC電圧変換器電流閾値を設定し、制御値であるDC電圧変換器電流(測定値)を入力して、その差(DC電圧変換器電流閾値−DC電圧変換器電流)を出力電力設定補正値として加算器11に入力する。ただし、出力電力設定補正値はマイナスのときのみ有効とする。加算器11では出力電力設定基準値と出力電力設定補正値を加算して、その出力を出力電力設定値とする。
複数の補機4で必要な直流電力はそのほとんどが、インバータ2の出力電力の低減に応じて低下する。そのため、複数の補機4のうちの特定のものの直流電流が急増した場合であっても、インバータ2の出力電力が低下することにより、複数の補機4全体の直流電力の増大が抑制される。それにより、DC電圧変換器3の電流が最大許容電流を超えるのを避けることができる。その結果、燃料電池発電システムは故障停止することなく発電運転を継続可能となる。
図3は、この実施形態における補機電流(DC電圧変換器から複数の補機に供給される電流)と電池電流(燃料電池本体の総供給電流)との関係を模式的に示すグラフである。
前述のように、複数の補機4には、ブロワ、ポンプ、ファン等の回転機や、電気ヒータ、電磁弁、CPU電源、インバータゲート電源などの複数の機器が含まれ、DC電圧変換器3から各補機に供給される電流のほとんどは、電池電流の増大とともに増大するように制御されている。その関係を示すのが図3の右上がりの直線20である。図3の点P1で定常的に運転しているとき、電池電流はIFC1、補機電流はIA1であるとする。このとき、複数の補機4のうちの特定のものの直流電流が何らかの原因で一時的に急増することを想定する。その場合に従来技術では負荷電流を減らす制御を行なわないので、補機電流がIAXに増大する。そのとき補機電流の最大許容電流を超える可能性がある。しかし、この実施形態では、補機電流が閾値IATを超えるとインバータ2の出力電力を低減する制御が作動し、それに応じて電池電流がIFC2に低下する。電池電流の低下に伴って補機電流の増大が抑制される(運転点P2)。その後、複数の補機4のうちの補機電流の一時的増大の原因となったもののその原因が解決した後にインバータ2の出力電力を元に戻すべく増大させる。これによって元の運転点P1に戻る。
ここで、燃料電池本体1の運転継続によるセルの劣化などにより、通常運転時の電池電流は次第に増大する。燃料電池本体1の運転初期の通常運転時電池電流IFC1が、運転末期の通常運転時電池電流IFC3に増大すると、図3で、運転点P1から運転点P3へ移動する。このときの補機電流IA3は運転初期の補機電流IA1よりも大きくなっていて、補機電流の最大許容電流を超える可能性が高くなってくるが、この実施形態によれば、運転末期においても、補機電流が最大許容電流を超える可能性を低く抑え、燃料電池発電システムが故障停止することなく、発電運転継続が可能となり、しかもDC電圧変換器を大容量化することなく、燃料電池発電システムの信頼性を高めることができる。
上記実施形態は単なる例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
たとえば、負荷低減に用いる制御方法としては、上記のPI制御だけでなく、P制御(比例制御)、PID制御(比例積分微分制御)、ステップ低減制御、ランプ低減制御などであっても良い。
また、制御値として補機電流に代えて補機電力を用いてもよい。また、補機電流または補機電力を測定することに代えて、各補機の運転状態に基づいて各補機の電流または電力を計算によって推測して、これらを合算してそのときの補機電流または補機電力とすることもできる。たとえば、各補機のスイッチの開閉状態や励磁無励磁状態、補機が回転機の場合はその回転数などに基づいて、各補機の電流または電力を推測することができる。
さらに、上記の例では補機は複数あるものとしたが、補機は一つだけであってもかまわない。
1 … 燃料電池本体
2 … インバータ
3 … DC電圧変換器
4 … 補機
5 … 制御装置
6 … 電流計
10 … 比例積分制御器
11 … 加算器
50 … 燃料電池発電システム

Claims (4)

  1. 燃料ガスおよび酸化剤ガスを取り入れて電気化学反応により直流の電気エネルギを発生する燃料電池本体と、
    前記燃料電池本体で発生した直流の電圧を変換するDC電圧変換器と、
    前記DC電圧変換器で得られた直流電力によって駆動される少なくとも一つの補機と、
    前記燃料電池本体で発生した直流を交流に変換するインバータと、
    前記DC電圧変換器から前記補機に供給される電流もしくは電力が所定の閾値を超えたときに前記インバータの出力電力を低減する制御手段と、
    を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 前記DC電圧変換器から補機に供給される電流もしくは電力を前記補機の運転状態に基づいて算出する手段を有すること、を特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記補機の運転状態は、補機の開閉状態、励磁無励磁状態、回転数のうちの少なくとも一つを含むこと、を特徴とする請求項2に記載の燃料電池発電システム。
  4. 燃料ガスおよび酸化剤ガスを取り入れて電気化学反応により直流の電気エネルギを発生する燃料電池本体と、
    前記燃料電池本体で発生した直流の電圧を変換するDC電圧変換器と、
    前記DC電圧変換器で得られた直流電力によって駆動される少なくとも一つの補機と、
    前記燃料電池本体で発生した直流を交流に変換するインバータと、
    を有する燃料電池発電システムの制御方法であって、
    前記DC電圧変換器から前記補機に供給される電流もしくは電力が所定の閾値を超えたときに前記インバータの出力電力を低減すること、を特徴とする燃料電池発電システム制御方法。
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