JP2010265930A - ピンタイプ保持器、ころ軸受及びころ軸受の製造方法 - Google Patents

ピンタイプ保持器、ころ軸受及びころ軸受の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来一般に知られているシェービング接合構造に改良を加えてピンタイプ保持器に適用することにより、部品点数の増加がなく、接合強度の高い接合構造をもったピンタイプ保持器を提供することである。
【解決手段】対向一対の側板15、15と、これらの側板15間に周方向に一定間隔をおいて配置されたピン16とからなり、前記ピン16の少なくとも一方の端部に表面硬化処理が施されたスプライン接合端部22が形成され、前記側板15が前記スプライン接合端部22より軟質であり、その側板15の下穴29に前記ピン16のスプライン接合端部22がシェービング接合により接合された構成とした。
【選択図】図4

Description

この発明は、ピンタイプ保持器、これを用いたころ軸受及びそのころ軸受の製造方法に関するものである。
ピンタイプ保持器は、対向一対の環状の側板と、これらの側板間に周方向に一定間隔をおいて配置されたピンとからなり、前記ピンをころに貫通させ当該ピンの両端部を各側板に接合固定することにより当該ころを支持するようにしたものである。
前記ピンの両端部を側板に接合する手段として従来から知られている一つの方法は、一方の側板に対してピンの一端部をネジ結合し、他方の側板に対しては、接合穴にピンの他端部を軽く圧入したのち溶接を施し、これによりピンの抜け止め及び空転止めを図るようにしたものである(特許文献1)。
また、溶接によらない方法として、一方の側板に対してピンの一端部をネジ結合し、他方の側板に対してはピンの他端部と接合穴のスキマにテーパブッシュを挿入し、そのテーパブッシュをピンの端部にネジ結合したナットで締め付けるようにしたものがある(特許文献2)。
また、ピンの端部にローレット加工を施し、その部分を側板の穴に圧入したのち、外部から抜け止めピンを差し込む方法も知られている(特許文献3の図17)。さらに、前記の抜け止めピンを用いることなく大きな接合強度を得るために、側板の穴にピンの端部を圧入したのち、側板の外部かピンの先端部に塑性変形加工(カシメ加工)を施す方法も知られている(特許文献3の図1)。
一方、塑性加工の分野において異種材の接合方法として「シェービング接合」が知られている(非特許文献1)。非特許文献1の「Fig1」示された例を本願の図13(a)に転載してシェービング接合につき同文献の記載に基づき説明する。図において、1は金型、2はこれを支持する基台、3はポンチである。管4の底面に下穴5が設けられる。その管4が金型1の内側に挿入される。下穴5の下面と基台2との間に管4とは異種材のフタ6が介在される。前記下穴5の径はフタ6の径より若干小径に形成される。前記管4の下穴5の内周縁は局部的に加熱され軟化された状態にある。
前記のセット状態で、ポンチ3にプレス力(白抜き矢印参照)を加えると、フタ6の外周縁によって下穴5の内周縁にシェービング(軽い切削)が施されるので下穴5の内周面に新生面が創生される。シェービング作業終了と同時に接合作業も終わり、管4の下穴5にフタ6がはめ込まれた形で残る。プレス作業を終えた後、接合製品を金型1から取出し、室温放置あるいは強制冷却して異種材シェービング接合品を得る。
また、前記非特許文献1のFig10、Fig11及び各図に関する説明において、図13(b)に示したように、前記フタ6の側面に周溝7を設け、その周溝7の上部の周壁8の径より下部の周壁9の径を大きく形成したものが示されている。この場合は、周壁8の部分でシェービングを行ったのち周壁9の部分でさらにシェービング行う、即ち、2段シェービングを行うものである。
さらに、シェービング接合に関して、基材管(シャフト)に接合部材(カムピース)をシェービング接合によって結合する技術も知られている(非特許文献2)。この場合は、シャフトの所定位置に予めローレット加工が施され、その加工部分にカムピースをシェービング接合するようにしたものであり、ローレット山が接合部材の内周をシェービングする。シャフト及びカムピースはいずれも炭素鋼であって同程度の硬度である。シャフトのローレット加工部分は加工硬化によって母材より幾分硬度が高くなっている。
特開2003−343574号公報 特開2002―206536号公報 特開2005−321077号公報
「塑性と加工」(日本塑性加工学会誌)第28巻第322号(1987−11)「異種材のシェービング接合法とその軟鋼への応用」(1158〜1165頁) 「塑性と加工」(日本塑性加工学会誌)第38巻第441号(1997−10)「シェービング接合による組立式カムシャフトの接合強度」(65〜69頁)
前記特許文献1に開示されたように、ピンの端部に溶接を施して固定する方法は、炭素量の多い鋼材を使用した場合には溶接部分に割れや内部欠陥の発生するおそれがある。また溶接熱により表面硬化部が軟化し、耐摩耗性が低下する問題、さらに、溶接スパッタが飛散し他の場所に付着する等諸種の問題がある。
また、特許文献2のように、テーパブッシュやナットを用いて固定する方法は、部品点数が増加する問題がある。
さらに、特許文献3のように、ローレット加工されたピン端部を側板の穴に圧入したうえで抜け止めピンを差し込む方法、及びローレット加工をすることなく、ピン端部を側板の穴に圧入して端部に塑性変形加工を加える方法は、いずれの方法も圧入だけでは、十分な接合強度がえられないため、抜け止めピンや塑性変形加工を追加する必要がある。このような追加的な加工を多数のピンごとに行う必要があるため加工に時間を要し、また特別な構造をもったカシメ冶具が必要となるなど問題が多い。
一方、非特許文献1に示されたシェービング接合方法は、管4(図13(a)参照)を金型内に収め接合部分を拘束した状態で加圧する必要があるため、ピンタイプ保持器における側板とピンの接合のように、接合部分が接近して多数存在している部分に適用するとすれば金型の構造が著しく複雑になる。
前記のシェービング接合においては、フタ6の周縁で管4の内周面を薄く切削するため、その切削を効率よく行うために、フタ6の周縁に焼入れを施し、表面硬化処理を施すことが好ましいので、そのようなフタ6を用いることが考え得る。しかし、当該文献の方法によれば、管4の下穴の周縁を加熱した状態でフタ6をシェービング接合させるため、その熱がフタ6に伝導され、その熱によって焼入れを施してあったフタ6が焼戻され軟化してしまう不具合がある。
また、前記非特許文献2においては、シャフト側にローレット加工を施し、カムピース側を加熱することなくシェービング接合が行われている。しかし、この場合は、シャフトに焼入れは施されていないため、カムピースの硬度が高くなるにつれ、シェービングが不十分になる問題がある。
以上の従来技術の問題点にかんがみ、この発明は、前記シェービング接合構造に改良を加えることにより、部品点数の増加がなく、接合強度の高いピンの接合構造をもったピンタイプ保持器、それを用いたころ軸受及びその軸受の製造方法を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために、ピンタイプ保持器に係る発明は、対向一対の環状の側板と、これらの側板間に周方向に一定間隔をおいて配置されたピンとからなり、前記ピンをころに貫通させ当該ピンの両端部を各側板に接合することにより前記ころを支持するようにしたピンタイプ保持器において、前記ピンの少なくとも一方の端部に表面硬化処理が施されたスプライン接合端部が形成され、前記側板が前記スプライン接合端部より軟質であり、その側板の下穴に前記ピンのスプライン接合端部がシェービング接合により接合された構成としたものである。
また、前記のピンタイプ保持器を用いたころ軸受に係る発明は、軌道輪、その軌道輪の軌道面を転動するころ、及び前記ころを案内する保持器とからなるころ軸受において、前記保持器として前記のピンタイプ保持器を用い、その各ピンを前記ころに貫通させた構成としたものである。
前記ころ軸受の製造方法に係る発明であって、片側シェービング接合を行うものは、一対の環状の側板と、一端部に雄ネジ接合端部、他端部にスプライン接合端部が形成された所要数のピンを用い、前記一方の側板に周方向に一定間隔をおいて前記雄ネジ接合端部に合致する雌ネジ穴、他方の側板に前記と同じ間隔をおいて前記スプライン接合端部より小径の下穴をそれぞれ設ける工程、その後前記の雌ネジ穴が設けられた側板に各ピンの雄ネジ接合端部をネジ結合によって接合し、その側板を各ピンが上向きとなる姿勢で下冶具上に載置する工程、前記ピンにころを差し込む工程、以上の工程を順に実行することにより得られたピンタイプ保持器とそのピンに挿通保持されたころからなるころ組立体に外輪を嵌合し、外輪を嵌合した状態で下冶具上に配置する工程、前記他方の側板を前記ピンのスプライン接合端部上に載せ、各下穴をそれぞれ前記スプライン接合端の上端に嵌める工程、当該側板を上冶具により下向きに加圧し、各ピンのスプライン端接合部を各下穴にシェービング接合により接合する工程、前記ころ列の内径側に内輪を嵌合する工程を順に実行するようにしたものである。
また、前記ころ軸受の製造方法に係る発明であって、両側シェービング接合を行うものは、一対の環状の側板と、両端部にスプライン接合端部が形成された所要数のピンを用い、前記両側板に周方向に一定間隔をおいて前記スプライン接合端部より小径の下穴を設ける工程、前記ピンの一方のスプライン接合端部を一方の側板の下穴にシェービング接合によって接合し、その側板を各ピンが上向きとなる姿勢で下冶具上に載置する工程、前記ピンにころを差し込む工程、以上の工程を順に実行することにより得られたピンタイプ保持器とそのピンに挿通保持されたころからなるころ組立体に外輪を嵌合し、外輪を嵌合した状態で下冶具上に配置する工程、前記他方の側板を前記ピンのスプライン接合端部上に載せ、各下穴をそれぞれ前記スプライン接合端部の上端に嵌める工程、当該側板を上冶具により下向きに加圧し、各ピンのスプライン端接合部を各下穴にシェービング接合により接合する工程、前記ころ列の内径側に内輪を嵌合する工程を順に実行するようにしたものである。
以上のように、この発明に係るピンタイプ保持器は、ピンの少なくとも一端部に設けたスプライン接合端部が表面硬化処理によって側板より高硬度に形成されているため側板を加熱して軟化する必要がなく、冷間において確実にシェービング接合を行うことができる。
前記ピンとして、一端部に雄ネジ接合端部、他端部にスプライン接合端部を設けたもの、又は両端部にスプライン接合端部を設けたものを用いることにより、ピンの側板に対する接合構造において、溶接によることなく、また部品の増加を伴うことなくピンを側板に強固に接合固定することができる。
前記スプライン接合端部においては、下穴に圧入する際に押し退けられる下穴周辺の肉は、スプラインの歯溝部分に逃げるので、側板を金型に納めることなくシェービング接合を行うことができる。
前記スプライン接合端部の先端部に設けた案内部は、組立途中においてその案内部に側板の下穴を嵌めることによって側板の位置決めができるので、安定したシェービング接合ができる。さらに、シェービングによって生じる切粉を案内部の付け根部に設けた周溝に押し込むことにより、ピンの抜け強度を高めることができる。
はころ軸受の縦断正面図である。 は図1のX−X線の拡大断面図である。 (a)図はピンの断面図、(b)図はピンの変形例の断面図、(c)〜(e)図はスプライン接合端部の諸例を示す断面図である。 (a)図はピンタイプ保持器の一部拡大断面図、(b)図はピンタイプ保持器の変形例の一部拡大断面図である。 (a)図は下穴とスプライン接合端部との大きさ関係の説明図、(b)図はスプライン接合端部の変形例の説明図である。 (a)〜(c)図は片側シェービング接合の接合方法の工程を示す断面図である。 (a)図及び(b)図はシェービング接合工程の一部拡大断面図、(c)図及び(d)図はシェービング接合の説明図である。 ピンの接合構造の変形例の断面図である。 ピンの変形例の断面図である。 図9のピンを用いた場合のピンの接合構造の断面図である。 (a)〜(c)図は両側シェービング接合の接合方法の工程を示す断面図である。 ピンタイプ保持器を用いた転がり軸受の製造過程の断面図である。 (a)図は、シェービング接合の従来例の断面図、(b)図は、(a)図の一部の変形例の断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示した転がり軸受10は、内輪11と外輪12、これらの軌道面の間に介在された多数のころ13及びこれらのころ13を支持案内するピンタイプ保持器14によって構成される。
前記のピンタイプ保持器14は、対向一対の環状の側板15、15と、これらの側板15、15間に周方向に一定間隔をおいて配置された多数のピン16とからなる。各側板15は、中炭素鋼であり、硬化処理は施されていない。前記ピン16をころ13の貫通穴17に径方向の余裕をもって貫通させ、その両端部を各側板15に接合固定することにより各ころ13を回転自在に支持している。
前記のピン16は、例えば、クロムモリブデン鋼(SCM435)によって形成され、図3(a)に示したように、一方の接合端部に雄ネジ18が形成されている。この接合端部を雄ネジ接合端部19と称する。雄ネジ18は、図示のようなテーパネジでもよく、またストレートネジであってもよい。
また、他方の接合端部にはスプライン21が形成されている。この接合端部をスプライン接合端部22と称する。スプライン21の先端部は、先鋭な端部となるように成形後に旋削を施すことが望ましい。
前記スプライン接合端部22の先端面に周溝23を介して案内部24が形成される。案内部24はスプライン接合端部22より小径であり、周溝23の溝底の径は案内部24よりさらに小径である。周溝23を形成する一方の壁面は前記の案内部24であり、他方の壁面はスプライン接合端部22の先端面の周縁部分、即ち肩部25となる。
前記ピン16の軸部26はころ13を支持する部分であり、その軸部26からスプライン接合端部22にわたり焼入れによる表面硬化処理層27が形成される。スプライン接合端部22における表面硬化処理層27の深さは、スプライン21の歯山全域が硬化する深さに設定される。ピン16のスプライン接合端部22は、前記の表面硬化処理層27が施されたことにより、なんら硬化処理の施されていない側板15に比べ高硬度である。
図3(b)に示したピン16aは、両端部がスプライン接続端部22、22となっているものである。この場合の表面硬化処理層27は両方のスプライン接続端部22、22に達するように形成される。
前記スプライン接続端部22のスプライン21の断面形状は、矩形山形(図3(c)参照)、波形(図3(d)参照)又は三角山形(図3(e)参照)等がある。
図4(a)は、図3(a)に示したピン16を使用した場合のピンタイプ保持器14の部分拡大図であり、一方の側板15に雌ネジ28が形成され、ピン16の雄ネジ接合端部19がネジ結合される。ピン16の軸部26にころ13の貫通穴17が余裕をもって貫通される。また、スプライン接続端部22は、他方の側板15の下穴29に対し後述するシェービング接合により接合される。前記の案内部24は下穴29の先端に達する。
図4(a)のように、ピン16を一方の側板15に対しネジ結合によって接合し、他方の側板15に対してシェービング接合によって接合した接合構造を、「片側シェービング接合」と称する。
図4(b)は、図3(b)に示したピン16aを用いたものであり、この場合は両方の側板15、15に対して両方のスプライン接合端22、22がシェービング接合によって接合される。この接合構造を、「両側シェービング接合」と称する。
次に、前記シェービング接合構造及びシェービング接合方法の詳細ついて説明する。図5に示したように、スプライン接合端部22の直径D、スプライン谷部の直径d、案内部24の直径D、側板15の下穴29の内径D’の関係は、次の通りである。
D−D’=0.7〜1.0mm
D−d=1.4mm
<D
なお、図5(b)に示したように、スプライン接合端部22に若干のテーパ角θを付与する場合がある。
図6(a)〜(c)は、片側シェービング接合によるピンタイプ保持器14の接合方法を示している。即ち、図6(a)に示したように、ピン16の雄ネジ接合端部19を一方の側板15の雌ネジ28に上方からネジ結合する。その後、ピン16の軸部26にころ13の貫通穴17を貫通させ(図6(b)参照)、他方の側板15の下穴29をピン16の案内部24に挿通させる。肩部25に下穴29の下端部を載せることにより側板15の位置決めを行う。その上で、側板15上にプレスにより加圧を行い(図6(c)の白抜き矢印参照)シェービング接合を行う。
図7(a)はシェービング接合の加工途中を示し、図7(b)は加工完了後を示す。同図(a)に示したように、シェービング接合を開始すると、下穴29の直径D’に比べスプライン接合端部22の直径Dの方が大であることにより、その差分だけスプライン21の先端が下穴29に圧入され、同時に表面硬化処理が施されたスプライン21の歯山の先端によって下穴29の内周面にシェービング(軽い切削)が施される。そのシェービングによって生じる切粉31はスプライン接合端部22の肩部25及び周溝23に接してカールする。
図7(b)のように、シェービング接合が完了した状態においては、案内部24が下穴29の上端に達し、側板15の外面と揃う。前記の切粉31は、切れることなくカールしたまま肩部25と周溝23に押し込まれる。
前記のシェービング接合において、スプライン21の歯山の先端が下穴29の内周部分を加圧除去しながら圧入が進行すると、スプライン21の歯山の側面に垂直な圧力F(図7(c)参照)が作用する。この圧力Fによりスプライン21が締め付けられることにより、スプライン接合端部22の接合力が得られる。また、前記の圧入に伴い押し退けられた肉はスプライン21の間の歯溝に逃げるため(図7(c)矢印a参照)、下穴29周辺部分の拡径が抑制される。
このように、表面効果処理が施されたスプライン21が、そのような処理の施されていない生の金属板の側板15を容易にシェービングするため、側板15を加熱によって軟化させる必要がなく、したがって、スプライン21の部分が焼戻しを受けるおそれもない。さらに、圧入によって押し退けられる肉はスプライン21の歯溝に逃げるため、側板15を金型内に納めて拘束する必要もない。また、肩部25と周溝23に押し込まれた切粉31は、ピン16の引抜き力の強化に貢献する。
図7(d)は、シェービング接合を完了したのちにスプライン接合端部21を実験的に引き抜いた後の下穴29の状態を示す。図示のように、下穴29の内周面にシェービング溝32が残っている。これは、スプライン接合端部22が下穴29に単に圧入されただけでなく、あたかもブローチ加工を施したかのような切削によってシェービング溝32が形成され、そのシェービング溝32にスプライン21が圧入されることが分かる。
また、前述のように、スプライン接合端部22にテーパを付与した場合(図5(b)参照)は、前記のスプライン21の先端におけるシェービング時の負担を増大させることなく、圧入されるスプライン21に対する締め代が大きくなり、接合強度が増す。
なお、前記のスプライン接合端部22の接合完了後、図8に示したように、ロウ付け加工部37を形成する場合がある。抜け強度を一層高める場合に有効である。
また、図9及び図10に示したように、前記ピン16の変形例を用いる場合もある。この場合のピン16は、スプライン接合端部22の先端に軸部26と同径で側板15の厚さより高い補助軸部38を設けている。その補助軸部38の先端面にカシメ加工のための凹部39が設けられる。
前記のピン16を用いてそのスプライン接合端部22を側板15にシェービング接合したのち、図10に示したように、側板15から突き出した補助軸部38の先端部にカシメ加工を施し、カシメ加工部40を形成する。この接続構造によると、スプライン接合端部22におけるシェービング接合による抜け強度に加え、カシメ部加工部40の抜け強度が得られる。
図11(a)〜(c)は、前記の両側シェービング接合によるピンタイプ保持器14の接合構造を示している。この場合は、図11(a)に示したように、一方の側板15の下穴29にピン16aの一方のスプライン接続端部22をシェービング接合したのち、前記の場合と同様に、ピン16aにころ13を貫通させ、その後他方の側板15を載せ(図11(b)参照)、シェービング接合を行う(図11(c)参照)。この場合は、ピン16aの両端部においてシェービング接合による前述のメリットが得られる。
次に、図12に基づいて、前記のピンタイプ保持器14を用いたころ軸受10の製造方法について説明する。図12は、片側シェービング接合の場合のピンタイプ保持器14を使用したものであり、一方の側板15にピン16の雄ネジ接合端部19をネジ結合したのち、ころ13を各ピン16に貫通させた半組立体を外輪12の軌道面に組み込み、これを下冶具35上に設置した状態を示す。
図12の左半分は、他方の側板15を各ピン16のスプライン接合端部22上に位置決めして載せ、その上方に上冶具36を臨ませた状態を示している。また、同図の右半分は、前記上冶具36をプレスして(白抜き矢印参照)上部の側板15を加圧し、シェービング接合を行った状態を示している。そのシェービング接合の完了後、上下の冶具35、36から外し、ころ13列の内周に内輪11を嵌めるところ軸受10が完成する。
なお、前記のピン16に替えてピン16aを用いた両側シェービング接合の場合(図11参照)も同様であり、また、シェービング接合完了後ロウ付け加工部37(図8参照)やカシメ加工部40を形成すること等を追加することができる。
10 転がり軸受
11 内輪
12 外輪
13 ころ
14 ピンタイプ保持器
15 側板
16 ピン
16a ピン
17 貫通穴
18 雄ネジ
19 雄ネジ接合端部
21 スプライン
22 スプライン接合端部
23 周溝
24 案内部
25 肩部
26 軸部
27 表面硬化処理層
28 雌ネジ
29 下穴
31 切粉
32 シェービング溝
35 下冶具
36 上冶具
37 ロウ付け部加工部
38 補助軸部
39 凹部
40 カシメ加工部

Claims (10)

  1. 対向一対の環状の側板と、これらの側板間に周方向に一定間隔をおいて配置されたピンとからなり、前記ピンをころに貫通させ当該ピンの両端部を各側板に接合することにより前記ころを支持するようにしたピンタイプ保持器において、前記ピンの少なくとも一方の端部に表面硬化処理が施されたスプライン接合端部が形成され、前記側板が前記スプライン接合端部より軟質であり、その側板の下穴に前記ピンのスプライン接合端部がシェービング接合により接合されたことを特徴とするピンタイプ保持器。
  2. 前記スプライン接合端部の先端に当該スプライン接合端部より小径の案内部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のピンタイプ保持器。
  3. 前記案内部の付け根部に周溝が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のピンタイプ保持器。
  4. 前記スプライン接合端部が先端側に至るほど小径になるようテーパが付与されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のピンタイプ保持器。
  5. 前記側板の外側面に露出した前記ピンのスプライン接合端部にカシメ加工部又はろう付け加工部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のピンタイプ保持器。
  6. 軌道輪、その軌道輪の軌道面を転動するころ、及び前記ころを案内する保持器とからなるころ軸受において、前記保持器として請求項1から5のいずれかに記載のピンタイプ保持器を用い、その各ピンを前記ころに貫通させたことを特徴とするとするころ軸受。
  7. 一対の環状の側板と、一端部に雄ネジ接合端部、他端部にスプライン接合端部が形成された所要数のピンを用い、前記一方の側板に周方向に一定間隔をおいて前記雄ネジ接合端部に合致する雌ネジ、他方の側板に前記と同じ間隔をおいて前記スプライン接合端部より小径の下穴をそれぞれ設ける工程、
    その後前記の雌ネジ穴が設けられた側板に各ピンの雄ネジ接合端部をネジ結合によって接合し、その側板を各ピンが上向きとなる姿勢で下冶具上に載置する工程、
    前記ピンにころを差し込む工程、
    以上の工程を順に実行することにより得られたピンタイプ保持器とそのピンに挿通保持されたころからなるころ組立体に外輪を嵌合し、外輪を嵌合した状態で下冶具上に配置する工程、
    前記他方の側板を前記ピンのスプライン接合端部上に載せ、各下穴をそれぞれ前記スプライン接合端の上端に嵌める工程、
    当該側板を上冶具により下向きに加圧し、各ピンのスプライン端接合部を各下穴にシェービング接合により接合する工程、
    前記ころ列の内径側に内輪を嵌合する工程
    を順に実行することを特徴とするころ軸受の製造方法。
  8. 一対の環状の側板と、両端部にスプライン接合端部が形成された所要数のピンを用い、前記両側板に周方向に一定間隔をおいて前記スプライン接合端部より小径の下穴を設ける工程、
    前記ピンの一方のスプライン接合端部を一方の側板の下穴にシェービング接合によって接合し、その側板を各ピンが上向きとなる姿勢で下冶具上に載置する工程、
    前記ピンにころを差し込む工程、
    以上の工程を順に実行することにより得られたピンタイプ保持器とそのピンに挿通保持されたころからなるころ組立体に外輪を嵌合し、外輪を嵌合した状態で下冶具上に配置する工程、
    前記他方の側板を前記ピンのスプライン接合端部上に載せ、各下穴をそれぞれ前記スプライン接合端部の上端に嵌める工程、
    当該側板を上冶具により下向きに加圧し、各ピンのスプライン端接合部を各下穴にシェービング接合により接合する工程、
    前記ころ列の内径側に内輪を嵌合する工程
    を順に実行することを特徴とするころ軸受の製造方法。
  9. 前記ピンのとして、そのスプライン接合端部の先端に当該スプライン接合端部より小径の案内部が設けられたものを用い、その案内部が上向きになった状態で前記他方の側板をそのピンのスプライン接合端部上に載せ、各下穴をそれぞれ前記スプライン接合端部の上端に嵌める工程において、各下穴を前記案内部に嵌めることを特徴とする請求項に7又は8に記載のころ軸受の製造方法。
  10. 前記案内部の付け根部に周溝が形成されたことを特徴とする請求項9に記載のころ軸受の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016118300A (ja) * 2016-02-18 2016-06-30 日本精工株式会社 ピンタイプ保持器付きころ軸受

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