JP2010263741A - リフロー式振動モータ - Google Patents

Abstract

【課題】リフロー処理においてフラックス飛沫の軸受メタルの摺動面に対する付着を防止することができるリフロー式振動モータの提供。
【解決手段】リフロー式振動モータは、モータケース２の一端側に固定された軸受メタル３から突出するモータ軸４に偏心錘５を取着して成る振動モータ本体１と、モータケース２から偏心錘５までを取り囲む被覆容器２０と、モータケース２の他端側に固定された樹脂製端蓋３０から被覆容器２０の外へ延在し、被覆容器２０の横臥姿勢で配線基板上の電源給電パターンに設置固着するべき給電端子片８ａ，８ｂとを備え、樹脂製端蓋３０はモータケース２の開口に嵌る中心側蓋部３１及びモータケース２と被覆容器２０との間に嵌る周辺側蓋部３２を一体的に有し、被覆容器２０は開口縁から一体的に延在した抜け止め突片Ｐを有し、この抜け止め突片Ｐが樹脂製端蓋３０を掛止して成る。
【選択図】 図２

Description

本発明は、モータ本体から突出したモータ軸に偏心錘を取着した振動モータに関し、特に、リフロー処理で配線基板上に実装するに適したリフロー式振動モータに関する。

従来、リフロー処理で配線基板上に面実装するに適したリフロー式振動モータの典型としては、モータ本体から突出したモータ軸に偏心錘を取着して成り、モータ本体を横臥姿勢で支持して配線基板に設けた切り欠き空部又は開口空部の中に陥没状態とする据付手段を備え、この据付手段は配線基板の片面側にあってモータケースの上に跨っており、また配線基板の片面であって切り欠き空部又は開口空部の脇に固定される一対の据え置き面をモータケースの両脇に有している。斯かるリフロー処理式の振動モータによれば、据付手段を自動機でピックアップして据え置き面を配線基板の切り欠き空部又は開口空部の脇に位置するクリーム半田塗布済みのパターン上に設置でき、配線基板を加熱炉に送り込むことでクリーム半田が溶融した後固化するので、据え置き面を半田固着できる。若しくはモータを配線基板上のクリーム半田塗布済みのパターン上にそのまま載置固定し、半田固着する構成もある。

特開２００５−３１２２８２（図１）

上記リフロー式振動モータのリフロー処理において、加熱炉内で固着パターン上のクリーム半田が溶融する際、それに含まれるフラックスの飛散が発生し、その飛沫がモータ軸の軸受メタルの摺動面に付着してしまう現象を起し得る。斯かる場合、モータの短寿命化などの原因となり得る。配線基板上の１つの部品である振動モータだけにでも上記の不具合があれば、配線基板全体の交換も余儀無くされる。

そこで上記問題点に鑑み、本発明の課題は、リフロー処理においてフラックス飛沫の軸受メタルの摺動面に対する付着を防止することができるリフロー式振動モータを提供することにある。

本発明に係るリフロー振動モータは、モータケースの一端側に固定された軸受メタルから突出するモータ軸に偏心錘を取着して成る振動モータ本体と、モータケースの少なくとも途中から偏心錘までを取り囲む被覆容器と、モータケースの他端側に固定された樹脂製端蓋から被覆容器の外へ延在し、被覆容器の横臥姿勢で配線基板上の電源給電パターンに設置固着するべき給電端子片とを備え、樹脂製端蓋はモータケースに嵌る中心側蓋部及びモータケースと被覆容器との間に嵌る周辺側蓋部を一体的に有し、被覆容器は開口縁から一体的に延在した抜け止め突片を有し、この抜け止め突片が樹脂製端蓋を掛止して成ることを特徴とする。

このような被覆容器に覆われた振動モータにおいては、配線基板への自動実装とリフロー処理が可能であると共に、リフロー時のフラックス飛散に伴う飛沫が振動モータ本体に当るのを被覆容器で除けることができるから、振動モータ本体における軸受メタルの摺動面に対する付着を防止できる。また、被覆容器を振動モータ本体に被せる場合は、樹脂製端蓋に一体的に形成した周辺側蓋部をモータケースと被覆容器との間に締まり嵌めするだけで済むため、取着のための別部品を必要とせず、また取り付け作業の容易化を図ることができる。そして、被覆容器は開口縁から一体的に延在した抜け止め突片を有し、この抜け止め突片が樹脂製端蓋を掛止して成る場合、樹脂製端蓋の被覆容器からの抜け止めを図ることができる。

樹脂製端蓋は抜け止め突片が差し込まれる突片位置決め凹所を有することが望ましい。抜け止め突片の折り曲げ部分の浮きを抑制できる。

被覆容器はその開口とは反対の面側にモータ軸の偏心錘側の軸端を隙間を空けて受容する曲げ止め凹所を有する場合、偏心錘を持つモータ軸に衝撃発生時の強い曲げモーメントが加わっても、軸端がモータ軸の僅かな撓みだけで曲げ止め凹所に当り止まるため、モータ軸が塑性変形に至るような大きな屈曲状態を生じるのを防止でき、軸屈曲の耐衝撃性を大幅に向上できる。

被覆容器は金属製であって配線基板の固着強度用パターンに固着するべき凹部固着代を設けることにより、この凹部固着代に半田溜まりを形成でき、リフロー式振動モータの配線基板に対する面実装強度を高めることができる。

なお、このような被覆容器に囲まれた振動モータが携帯電話機などの無線機器用の配線基板に実装される場合は、導電性の被覆容器自身を無線アンテナとして利用するのが望ましい。導電性の被覆容器が偏心錘を取り囲んでいるため、偏心錘の停止位置の如何や回転中においてもアンテナ特性の指向が変化せず、アンテナ機能を阻害しなくなるので、偏心錘を持つリフロー式振動モータをアンテナとして実用化できる。

本発明のリフロー式振動モータによれば、給電端子片におけるリフロー時のフラックス飛散に伴う飛沫を被覆容器で除けることができるから、その内部にある軸受メタルの摺動面に対する付着を防止できる。また、被覆容器を振動モータ本体に被せる場合は、樹脂製端蓋に一体的に形成した周辺側蓋部をモータケースと被覆容器との間に締まり嵌めするだけで済むため、取着のための別部品を必要とせず、また取り付け作業の容易化を図ることができる。

（Ａ）は本発明の一実施例に係るリフロー式振動モータの外観を示す斜視図、（Ｂ）は同リフロー式振動モータの底面図である。 同リフロー式振動モータの縦断面図である。 同リフロー式振動モータの組立斜視図である。 （Ａ）は同リフロー式振動モータに用いる樹脂製端蓋の斜視図、（Ｂ）はその正面図である。

次に、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。

本例のリフロー式振動モータの外観は、図１（Ａ）（Ｂ）に示す如く、実質的に小判形筒状で金属性（導電性）の被覆容器２０と、この被覆容器２０の開口（筒口）側を塞ぐ樹脂製端蓋（エンドブラケット）３０と、この樹脂製端蓋３０の背面に添接して一側平坦面Ｓ側でＬ字状に折り曲った一対の給電端子片８ａ，８ｂとを有し、被覆容器２０の樹脂製端蓋３０とは反対面２１には後述する曲げ止め凹所Ｗを内側に持つ突起部２１ａが形成されている。給電端子片８ａ，８ｂは被覆容器２０の横臥姿勢で配線基板（図示せず）上の電源給電パターン（図示せず）に設置して固着するべきものである。

この被覆容器２０内には、図２及び図３に示す如く、振動モータ本体１が内蔵されている。この振動モータ本体１はブラシ付きマイクロモータで、小判形筒状金属製のモータケース２の筒底面２ａ内に固定された軸受メタル３から突出するモータ軸４に重金属製の偏心錘５を取着して成る。モータ軸４の軸端４ａは偏心錘５から若干突出している。

モータケース２の内周面にはアウターマグネットＭが接着されている。モータ軸４に挿入された積層コア（図示せず）にはコイル（図示せず）が巻回されていると共に、モータ軸４に挿入された樹脂製の整流子ホルダ（図示せず）はワッシャー（図示せず）で整流子（図示せず）を輪留めして保持しており、電気火花防止用のバリスタ（図示せず）を担持し、これらがインナーロータを構成している。

樹脂製端蓋３０は、整流子（図示せず）に添接するブラシ７を保持して中継端子９ａ，９ｂが貫通すると共に、モータケース２の開口（筒口）に嵌る筒壁状の中心側蓋部３１を有する。この中心側蓋部３１の内側には、図２に示す如く、モータ軸４の軸端を受けるスラスト板８を収容する凹部３１ａが設けられている。また樹脂製端蓋３０は、中心側蓋部３１の周りにおいてモータケース２と被覆容器２０と間に嵌る周辺側蓋部３２を一体的に有する。この周辺側蓋部３２はモータケース２と被覆容器２０との間に入る突条の円弧状スペーサーＲ，Ｒを持つ。周辺側蓋部３２の外周縁には後述する抜け止め突片Ｐが差し込まれる突片位置決め溝３２ａを有している。

一方、被覆容器２０の一側平坦面Ｓは開口縁から一体的に延在した抜け止め突片Ｐを有し、この抜け止め突片Ｐが一対の給電端子片８ａ，８ｂの間の突片位置決め溝３２ａに差し込まれてその先端側が周辺側蓋部３２の縁で折曲し、樹脂製端蓋３０の抜け止めをしている。突片位置決め溝３２ａにより、抜け止め突片Ｐの折り曲げ部分の浮きを抑制できる。突片Ｐは一側平坦面Ｓの反対側の面の開口縁からも一体的に延在しており、突片位置決め溝３２ａもこれに対応して反対側にも形成されている。

被覆容器２０の一側平坦面Ｓは配線基板（図示せず）の固着強度用パターン（図示せず）に固着するべき十分な凹部固着代Ｖを有する。そして、被覆容器２０の開口に対する反対面２１には、軸端４ａを隙間Ｇを空けて受容する曲げ止め凹所Ｗが形成されている。

本例のリフロー振動モータは、被覆容器２０に覆われているため、配線基板への自動実装とリフロー処理が可能であると共に、リフロー時のフラックス飛散に伴う飛沫が振動モータ本体１に当るのを被覆容器２０で除けることができるから、振動モータ本体１における軸受メタル３の摺動面に対する付着を防止できる。また、被覆容器２０を振動モータ本体１に被せる場合は、樹脂製端蓋３０に一体的に形成した周辺側蓋部３２をモータケース２と被覆容器２０との間に締まり嵌めするだけで済むため、取着のための別部品を必要とせず、また取り付け作業の容易化を図ることができる。そして、被覆容器２０は開口縁から一体的に延在した抜け止め突片Ｐを有し、この抜け止め突片Ｐが樹脂製端蓋３０の背面側縁で折曲掛止して成るため、樹脂製端蓋３０の被覆容器２０からの抜け止めを図ることができる。

被覆容器２０は、周辺側蓋部３２に載置する形で締まり嵌めされているので、抜け止め突片Ｐが樹脂製端蓋３０に折曲掛止する際にも、周辺側蓋部３２がスペーサ代わりになることで樹脂製端蓋３０及び振動モータ本体１が前に押されることがなく、曲げ止め凹所Ｗでは軸端４との隙間Ｇが確保される。

被覆容器２０は曲げ止め凹所Ｗを有するため、偏心錘５を持つモータ軸４に衝撃発生時の強い曲げモーメントが加わっても、軸端４ａがモータ軸４の僅かな撓みだけで曲げ止め凹所Ｗに当り止まるので、モータ軸４が塑性変形に至るような大きな屈曲状態を生じるのを防止でき、軸屈曲の耐衝撃性を大幅に向上できる。

被覆容器２０は金属製であってその一側平坦面Ｓ自身に配線基板の固着強度用パターンに固着するべき十分な凹部固着代Ｖを有しているため、この凹部固着代Ｖに半田溜まりを形成でき、リフロー式振動モータの配線基板に対する面実装強度を高めることができる。

なお、このような被覆容器２０に囲まれた振動モータが携帯電話機などの無線機器用の配線基板に実装される場合は、導電性の被覆容器２０自身を無線アンテナとして利用することができる。導電性の被覆容器２０が偏心錘５を取り囲んでいるため、偏心錘５の停止位置の如何や回転中においてもアンテナ特性の指向が変化せず、アンテナ機能を阻害しなくなるので、偏心錘５を持つリフロー式振動モータをアンテナとして実用化できる。

１…振動モータ本体
２…モータケース
２ａ…筒底面
３…軸受メタル
４…モータ軸
４ａ…軸端
５…偏心錘
７…ブラシ
８…スラスト板
８ａ，８ｂ…給電端子片
９ａ，９ｂ…中継端子
２０…被覆容器
２１…反対面
２１ａ…突起部
３０…樹脂製端蓋（エンドブラケット）
３１…中心側蓋部
３１ａ…凹部
３２…周辺側蓋部
３２ａ…突片位置決め溝
Ｇ…隙間
Ｍ…アウターマグネット
Ｐ…抜け止め突片
Ｒ…円弧状スペーサー
Ｓ…一側平坦面
Ｖ…凹部固着代
Ｗ…曲げ止め凹所

Claims (5)

1. モータケースの一端側に固定された軸受メタルから突出するモータ軸に偏心錘を取着して成る振動モータ本体と、前記モータケースの少なくとも途中から前記偏心錘までを取り囲む被覆容器と、前記モータケースの他端側に固定された樹脂製端蓋から前記被覆容器の外へ延在し、前記被覆容器の横臥姿勢で配線基板上の電源給電パターンに設置固着するべき給電端子片とを備え、前記樹脂製端蓋は前記モータケースの開口に嵌る中心側蓋部及び前記モータケースと前記被覆容器と間に嵌る周辺側蓋部を一体的に有し、前記被覆容器は開口縁から一体的に延在した抜け止め突片を有し、この抜け止め突片が前記樹脂製端蓋を掛止して成ることを特徴とするリフロー式振動モータ。
2. 請求項１に記載のリフロー式振動モータにおいて、前記樹脂製端蓋は、前記抜け止め突片が差し込まれる突片位置決め凹所を有することを特徴とするリフロー式振動モータ。
3. 請求項１又は請求項２に記載のリフロー式振動モータにおいて、前記被覆容器は、この開口とは反対の面側に前記モータ軸の前記偏心錘側の軸端を隙間を空けて受容する曲げ止め凹所を有することを特徴とするリフロー式振動モータ。
4. 請求項１乃至請求項３のいずれか一項に記載のリフロー式振動モータにおいて、前記被覆容器は金属製であって前記配線基板の固着強度用パターンに固着するべき凹部固着代を有することを特徴とするリフロー式振動モータ。
5. 請求項１乃至請求項４のいずれか一項に記載のリフロー式振動モータにおいて、前記被覆容器が導電性であって無線アンテナとして利用することを特徴とするリフロー式振動モータ。

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