JP2010263709A - 限流制御装置及びこれを用いた電流分配装置、限流制御方法 - Google Patents

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Norimitsu Tanaka
憲光 田中
Toru Tanaka
徹 田中
Tadatoshi Babasaki
忠利 馬場崎
Yosuke Nozaki
洋介 野崎
Kensuke Murai
謙介 村井
Noriyuki Yoshizawa
宣之 吉澤
Hidekazu Hoshi
秀和 星
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Abstract

【課題】通常時の給電に影響を与えることなく、短絡事故等が発生した場合でも、短絡事故等が発生していない給電系統への給電を継続することを可能にする。
【解決手段】環状形状を具備する磁性体101と、磁性体内に磁束を発生させる磁束発生部である磁気バイアス装置102と、を有し、磁気バイアス装置102は、磁性体101の環状形状の中空部分を貫通する電流媒体を流れる電流による磁束と同じ向きの磁束を磁性体101内に発生させることにより、磁性体101を磁気飽和させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ケーブル等の電流媒体を流れる電流を限流する限流制御装置及びこれを用いた電流分配装置、限流制御方法に関する。
電流分配装置は、商用電源の交流電流を直流電流に変換する整流装置から出力された直流電流を分岐し、分岐された直流電流を複数の電子機器に供給する装置である。なお、以降、直流電流のことを単に電流ということがある。
図7は、電流分配装置を含む給電システムの構成の一例を示すブロック図である。
図7に示す給電システムは、商用電源50と、整流装置51と、電流分配装置60と、電流分配装置60と給電路によって接続された電子機器70−1〜70−nとを備えている。
整流装置51は、商用電源50の交流電流を直流電流に変換して電流分配装置60へ出力する。
電流分配装置60は、整流装置51から出力された電流を分岐し、分岐されたそれぞれの電流を、給電路を構成する電流媒体を介して電子機器70−1〜70−nへ供給する。電流分配装置60は、入力コンデンサ61と、系統保護用ヒューズ62−1〜62−nとを備えている。ここで、電流媒体とは例えば、ケーブルやバスバー等のことである。バスバーとは、電流を流すことのできる細長い棒状の金属板のことである。
電子機器70−1〜70−nのそれぞれは、入力コンデンサ71−1〜71−nと、電子機器70−1〜70−nのそれぞれの機能を実装した電子機器ユニット72−1〜72−nとを備えている。
図7に示す給電システムにおいて、電流分配装置60によって分岐された電流は、電流分配装置60内の系統保護用ヒューズ62−1〜62−nを経て、電子機器70−1〜70−nへ供給される。電子機器70−1〜70−nでは、入力コンデンサ71−1〜71−nを充電しながら電子機器ユニット72−1〜72−nに電流が送られる。
ここで、例えば、電子機器ユニット72−1に短絡事故や地絡事故が発生した場合、電流分配装置60内の入力コンデンサ61の放電によって系統保護用ヒューズ62−1に過電流が流れ、系統保護用ヒューズ62−1が溶断される。これにより、短絡事故等が発生した電子機器70−1は給電系統から切り離され、短絡事故等の発生していない電子機器70−2〜70−nが保護される。なお、地絡事故とは、電子機器等と大地との間に電気的な接続が生じることである。以降、短絡事故等が発生していない電子機器への給電系統のことを正常給電系統という。
通常、電流分配装置60には給電の仕様が相互に異なる電子機器70−1〜70−nが接続される。つまり、これら電子機器70−1〜70−nのそれぞれの定格容量は相互に異なる場合が多い。このため、電流分配装置60内の系統保護用ヒューズ62−1〜62−nとしては、例えば、100A(アンペア)以上の大容量のヒューズや、数Aの小容量のヒューズ等、様々な定格容量のヒューズが使用される。ヒューズの定格容量は、通常、ヒューズを流れる電流の2乗に比例したエネルギーI2t(Iは電流値、tは時間)によって定義され、このエネルギーがヒューズの遮断容量に達したときにヒューズが溶断する。なお、定格容量が大きいヒューズほど遮断容量は大きい。
従って、上述したような電流分配装置60では、電子機器70−2の定格電流が電子機器70−1の定格電流よりもかなり小さい場合、系統保護用ヒューズ62−2の定格電流は、系統保護用ヒューズ62−1の定格電流よりもかなり小さく設定される。また、近年、EMI(Electro Magnetic Interference)対策や、給電系統の安定性の確保のため、電子機器70−1〜70−nの入力コンデンサ71−1〜71−nとして大容量のコンデンサが使用されていることが多い。このため、電子機器ユニット72−1に短絡事故等が発生した場合、電子機器ユニット72−1側が低電位になり、整流装置51及び入力コンデンサ61から系統保護用ヒューズ62−1に過電流が流れる。
この過電流が系統保護用ヒューズ62−1の遮断容量に達すると系統保護用ヒューズ62−1が溶断する。このとき、正常給電系統の入力コンデンサ71−2から電流が放電され、この放電された電流は、整流装置51側へ流れる過電流となる。この過電流が系統保護用ヒューズ62−2の遮断容量に達すると、系統保護用ヒューズ62−2も溶断し、正常給電系統の電子機器70−2への給電が停止してしまう。また、入力コンデンサ71−2からの過電流は、系統保護用ヒューズ62−2の溶断を招くだけではなく、電子機器70−2の入力端における電圧低下の原因にもなる。これにより、電子機器70−2が安定した動作を行うことができなくなる。
このような正常給電系統の入力コンデンサからの過電流を遮断する方法の一つとして、給電路にダイオードを挿入する方法が例えば、特許文献1に開示されている。
なお、過電流を遮断する方式には、限流方式と非限流方式との2種類の方式がある。非限流方式は、過電流を検知した際、過電流の波形が零点を通過する際に遮断するものである。そのため、過電流を検知した後、タイミングが遅れて過電流を遮断することになる。一方、限流方式は、過電流を検知した際、過電流の波形が最高値に来る前に、即座に遮断するものである。従って、限流方式では、短絡事故の被害を最小限に抑えることができる。一般的に、遮断器は非限流方式を用いており、ヒューズは限流方式を用いている。
特開2007−325413号公報 特開昭50−133543号公報 特開2003−7519号公報
特許文献1に開示されている技術では、ダイオードを給電路に挿入することにより、短絡事故等が発生していない通常時においても給電系統のインピーダンスを大きくしてしまう。これにより、発振現象や過電圧変動が引き起こされる。つまり、特許文献1に開示されている技術を利用した場合、通常時の給電に影響を与えてしまうという問題点がある。
本発明は、通常時の給電に影響を与えることなく、短絡事故等が発生した場合でも、短絡事故等が発生していない給電系統への給電を継続することを可能にする限流制御装置及びこれを用いた電流分配装置、限流制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の限流制御装置は、環状形状を具備する磁性体と、
前記磁性体内に磁束を発生させる磁束発生部と、を有し、
前記磁束発生部は、前記磁性体の環状形状の中空部分を貫通する電流媒体を流れる電流による磁束と同じ向きの磁束を前記磁性体内に発生させることにより、前記磁性体を磁気飽和させる。
また、上記目的を達成するために本発明は、
整流装置から出力された電流を分岐し、該分岐された電流のそれぞれを、電流媒体を介して複数の電子機器へ供給する電流分配装置であって、
環状形状を具備し、該環状形状の中空部分を前記電流媒体が貫通する磁性体と、
前記磁性体内に磁束を発生させる磁束発生部と、を有し、
前記磁束発生部は、前記整流装置から出力された電流による磁束と同じ向きの磁束を前記磁性体内に発生させることにより、前記磁性体を磁気飽和させる。
また、環状形状を具備する磁性体を有する限流制御装置における限流制御方法であって、
前記磁性体の環状形状の中空部分を貫通する電流媒体を流れる電流による磁束と同じ向きの磁束を前記磁性体内に発生させることにより、前記磁性体を磁気飽和させる処理を有する。
また、環状形状を具備する磁性体を有し、整流装置から出力された電流を分岐し、該分岐された電流のそれぞれを、前記磁性体の環状形状の中空部分を貫通する電流媒体を介して複数の電子機器へ供給する電流分配装置における限流制御方法であって、
前記整流装置から出力された電流による磁束と同じ向きの磁束を前記磁性体内に発生させることにより、前記磁性体を磁気飽和させる処理を有する。
本発明によれば、限流制御装置は、環状形状を具備する磁性体と、磁性体内に磁束を発生させる磁束発生部とを有する。磁束発生部は、磁性体の環状形状の中空部分を貫通する電流媒体を流れる電流による磁束と同じ向きの磁束を磁性体内に発生させ、定常状態は、磁性体を磁気飽和させ、磁性体の効果は無影響とし、電流が逆流した際には磁性体の磁気飽和が解けることで磁性体の透磁率が有限値となり、限流効果を得る。
このような限流制御装置を用いた電流分配装置は、整流装置から出力された電流を分岐し、分岐された電流のそれぞれを、磁性体の環状形状の中空部分を貫通する電流媒体を介して複数の電子機器へ供給する。このとき、磁束発生部は、整流装置から出力された電流による磁束と同じ向きの磁束を磁性体内に発生させることにより、磁性体を磁気飽和させる。
そのため、電子機器側コンデンサ部から整流装置側へ逆流する電流のみが限流され、通常時の給電に影響を与えることなく、短絡事故等が発生した場合でも、短絡事故等が発生していない給電系統への給電を継続することができる。
本発明の限流制御装置及び電流分配装置を適用した給電システムの実施の一形態の構成を示すブロック図である。 図1に示した限流制御装置の構造の一例を示す図である。 図1に示した限流制御装置の構造の他の例を示す図である。 図1に示した限流制御装置の構造の他の例を示す図である。 図1に示した限流制御装置の構造の他の例を示す図である。 図1及び図2に示した限流制御装置の動作を説明するための図であり、(a)は給電ケーブルの自己インダクタンスLの値が変化しない場合を示す図、(b)は給電ケーブルの自己インダクタンスLの値が大きくなる場合を示す図である。 電流分配装置を含む給電システムの構成の一例を示すブロック図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の限流制御装置及び電流分配装置を適用した給電システムの実施の一形態の構成を示すブロック図である。
本実施形態の給電システムは図1に示すように、商用電源10と、整流装置11と、電流分配装置20と、電流分配装置20と給電路によって接続された電子機器30−1〜30−nとを備えている。なお、電子機器30−1〜30−nは例えば、情報処理装置や通信装置である。
電子機器30−1〜30−nのそれぞれは、入力コンデンサ31−1〜31−nと、電子機器30−1〜30−nのそれぞれの機能を実装した電子機器ユニット32−1〜32−nとを備えている。
整流装置11は、商用電源10の交流電流を直流電流に変換して電流分配装置20へ出力する。
電流分配装置20は、整流装置11から出力された電流を分岐し、分岐されたそれぞれの電流を電流媒体である給電ケーブルを介して電子機器30−1〜30−nへ供給する。電流分配装置20は、入力コンデンサ21と、系統保護用ヒューズ22−1〜22−nと、限流制御装置23−1〜23−nとを備えている。
本実施形態において電流分配装置20は、例えば、電子機器ユニット32−1において短絡事故が発生した場合、正常給電系統の電子機器30−2〜30−n内の入力コンデンサ31−2〜31−nから放電された過電流によって系統保護用ヒューズ22−2〜22−nが溶断されるのを回避する。これを実現するため、電流分配装置20では、限流制御装置23−1〜23−nと系統保護用ヒューズ22−1〜22−nとが直列に接続されている。なお、限流制御装置23−1〜23−nが接続される位置は、図1に示した位置に限定されず、系統保護用ヒューズ22−1〜22−nと直列に接続されていればよい。例えば、限流制御装置23−1〜23−nが系統保護用ヒューズ22−1〜22−nよりも整流装置11寄りに接続されていてもよい。
以下に、図1に示した限流制御装置23−1〜23−nの構造について説明する。なお、ここでは、図1に示した限流制御装置23−1の構造について説明するが、限流制御装置23−2〜23−nも同様の構造である。
図2は、図1に示した限流制御装置23−1の構造の一例を示す図である。
図1に示した限流制御装置23−1は図2に示すように、環状の形状の一部に間隙(ギャップ)が設けられた磁性体101と、磁束発生部である磁気バイアス装置102とを備えている。
限流制御装置23−1は、電子機器30−1〜30−nへ供給される電流が流れる給電路を取り囲むように設置される。つまり、給電ケーブルが磁性体101の環状形状の中空部分を貫通するように設置される。
磁性体101には、パーマロイやフェライト等の高い透磁率を有する磁性材料が用いられる。
磁気バイアス装置102は、磁性体101に設けられた間隙に配置される。磁気バイアス装置102には、磁気バイアスをかけることのできる部材、つまり磁束を発生させることのできる部材が用いられる。ここでは、一例として磁気バイアス装置102は、永久磁石としている。
なお、図2に示す磁性体101は、方形の環状形状であるが、中空部分を有する環状形状であれば、円形の環状形状でも任意の形状の環状形状でもよい。
図3は、図1に示した限流制御装置23−1の構造の他の例を示す図である。
図1に示した限流制御装置23−1は図3に示すように、円形の環状形状となっている。
また、磁気バイアス装置は、磁性体に間隙を設けなくても配置することができる。この場合、間隙が設けられていない環状形状の磁性体の少なくとも一部分をコイルとする。
図4は、図1に示した限流制御装置23−1の構造の他の例を示す図である。
図1に示した限流制御装置23−1は図4に示すように磁性体301の一部分をコイルとすることにより、磁気バイアス装置302を配置している。この場合、磁気バイアス装置302は電磁石となる。この電磁石は、バイアス制御回路303によって制御される。
また、限流制御装置23−1を複数の部分に分割できるようにしてもよい。
図5は、図1に示した限流制御装置23−1の構造の他の例を示す図である。
図5に示すように、環状形状の磁性体を磁性体401−1,401−2に分割することが可能である。そして、磁性体401−1,401−2を接続端子403によって接続できるようにする。これにより、磁性体401−1と磁性体401−2とを通した磁路が形成される。磁路とは、磁束の通る経路である。限流制御装置23−1をこのような構造とすることで、限流制御装置23−1を給電ケーブルから容易に着脱することができる。なお、分割される部分の数は2つに限定されない。
限流制御装置23−1〜23−nを上述したような構造とすることにより、磁気バイアス装置が発生させた磁束は、そのほとんどが磁性体内に閉じ込められる。
なお、上述した限流制御装置23−1の構造に類似するものであり、フェライトコアと永久磁石とを利用したスイッチング電源に関する技術が例えば、特許文献2及び特許文献3に開示されている。しかし、これらの技術は、フェライトコア内の磁気飽和を抑えるものに過ぎない。なお、磁気飽和とは、磁性体内に発生させる磁束を増やしても、磁性体内の磁束密度が高くならなくなる現象のことをいう。
本実施形態の限流制御装置23−1〜23−nでは、磁性体の比透磁率μ0が5000以上の物質を使用する。そのため、後述するように、給電ケーブルの自己インダクタンスの値を制御することができる。
次に、図1に示した限流制御装置23−1〜23−nの動作原理について説明する。ここでは、電子機器30−1への給電系統を例として説明する。
図1に示したように、電流分配装置20の入力コンデンサ21及び電子機器30−1の入力コンデンサ31−1の片端が大地に接続されている。そのため、整流装置11から電子機器30−1への給電ケーブルと大地とにより、電流が流れる仮想的なループ状の経路(以降、仮想ループという)が形成されているとみなすことができる。
一般的に、給電ケーブルの自己インダクタンスL[H(ヘンリー)]の値は、鎖交磁束数Φ[Wb]と電流I[A]とを用い、以下に示す(1)式によって表される。また、鎖交磁束数Φは、以下に示す(2)式によって表される。ここでは、鎖交磁束数は、給電ケーブルと交差する磁束の本数である。
L=Φ/I (1)
Φ=∫μHldx (2)
本実施形態において、μ[H/m(ヘンリー/メートル)]は仮想ループの透磁率であり、H[A/m(アンペア/メートル)]は仮想ループを貫く磁場の強さであり、l[m(メートル)]は給電ケーブルの長さであり、dxは仮想ループ上の微少領域である。
上記の式(1)、(2)により、磁束密度μHを制御することにより、自己インダクタンスLの値を制御することができる。つまり、給電ケーブルの周囲の磁束密度μHを高くすれば、給電ケーブルの自己インダクタンスLの値が大きくなり、給電ケーブルの周囲の磁束密度μHを低くすれば、給電ケーブルの自己インダクタンスLの値が小さくなる。
ここで、磁場の強さHは、仮想ループを流れる電流Iで決まる値である。本実施形態においてこの電流Iは、電子機器ユニット32−1に短絡事故等が発生した際に、正常給電系統の電子機器30−2〜30−nの入力コンデンサ31−2〜31−nから系統保護用ヒューズ22−1〜22−nへ流れる過電流である。つまり、磁場の強さHは、この過電流によって決まる。従って、仮想ループの透磁率μを制御することにより、給電ケーブルの自己インダクタンスLの値を制御することができる。
以下に、上記のように構成された給電システムにおける限流制御装置23−1〜23−nの動作について説明する。ここでは一例として、限流制御装置23−1が図2に示した構造である場合について説明するが、図3〜図5に示した限流制御装置23−1も同様の動作を行う。
図6は、図1及び図2に示した限流制御装置23−1の動作を説明するための図であり、(a)は給電ケーブル501の自己インダクタンスLの値が変化しない場合を示す図、(b)は給電ケーブル501の自己インダクタンスLの値が大きくなる場合を示す図である。なお、図6において、点線の細い矢印は磁気バイアス装置102が発生させた磁束の向きを示しており、実線の太い矢印は給電ケーブル501を流れる電流による磁束の向きを示している。
図6(a)では、図面を上から見て、電流が給電ケーブル501内を上から下へと流れている。図6(a)に示すように磁気バイアス装置102は、磁性体101内に定常的に、図面を上から見て時計回りの磁束を発生させている。また、給電ケーブル501の周囲には、アンペールの法則により、図面を上から見て時計回りに磁束ができる。そして、両方の磁束が合成された磁束によって磁性体101を磁気飽和状態とすることにより、磁性体101内の透磁率μが真空の透磁率μ0になるようにする。この場合、給電ケーブル501の自己インダクタンスLの値は、限流制御装置23−1〜23−nが挿入されていない場合と同じとなる。つまり、給電ケーブル501の自己インダクタンスLの値は変化しない。
このように限流制御装置23−1〜23−nを磁気飽和させた状態で、整流装置11側から電子機器30−1〜30−n側へ流れる電流の方向が、図6(a)に示す給電ケーブル501を流れる電流の方向と同じになるように限流制御装置23−1〜23−nを設置する。これにより、整流装置11から電子機器30−1〜30−nへ流れる電流であって、通常時の給電のための電流は限流されない。
なお、磁気バイアス装置102が発生させた磁束だけで磁性体101を磁気飽和させるようにしてもよい。
一方、図6(b)では図6(a)とは逆に、図面を上から見て、電流が給電ケーブル501内を下から上へと流れている。上述したように、図6(a)に示す給電ケーブル501を流れる電流の方向は、整流装置11から電子機器30−1〜30−nへ流れる電流の方向と同じである。従って、図6(b)に示す給電ケーブル501を流れる電流の方向は、短絡事故等が発生した場合に、電子機器30−1〜30−nの入力コンデンサ31−1〜31−nから系統保護用ヒューズ22−1〜22−nへ流れる過電流の方向と同じになる。
図6(b)に示すように、磁気バイアス装置102が発生させる磁束の向きと、給電ケーブル501を流れる電流による磁束の向きとが逆になっており、磁束が相殺され、磁性体101の磁気飽和が解かれる。従って、磁性体101内の透磁率μが大きくなり、給電ケーブル501の自己インダクタンスLの値が大きくなる。
これにより、短絡事故等が発生した場合に、電子機器30−1〜30−nの入力コンデンサ31−1〜31−nから系統保護用ヒューズ22−1〜22−nへ流れる過電流は限流される。そのため、系統保護用ヒューズ22−1〜22−nが溶断されるのを回避することができる。
このように本実施形態において限流制御装置23−1〜23−nを備えた電流分配装置20は、整流装置11から出力された電流を分岐し、分岐された電流のそれぞれを、給電ケーブルを介して複数の電子機器30−1〜30−nへ供給する。また、限流制御装置23−1〜23−nは、環状形状を具備し、その環状形状の中空部分を給電ケーブルが貫通する磁性体と、磁性体内に磁束を発生させる磁気バイアス装置とを有している。このとき、磁気バイアス装置は、整流装置11から出力された電流による磁束と同じ向きの磁束を磁性体内に発生させることにより、磁性体を磁気飽和させる
そのため、電子機器30−1〜30−n側から整流装置11側へ流れる電流のみが限流され、通常時の給電に影響を与えることなく、短絡事故等が発生した場合でも、短絡事故等が発生していない電子機器への給電を継続することができる。
また、本実施形態において限流制御装置23−1〜23−nは、給電路に何ら影響を与えないため、電流の損失はなく、高効率な給電システムを維持することができる。
また、本実施形態において、短絡事故等が発生した給電系統を切り離すために系統保護用ヒューズ22−1〜22−nを溶断させるエネルギーは、限流制御装置23−1〜23−nがない場合と同様に整流装置11及び他の給電系統の入力コンデンサから給電される。そのため、整流装置11の出力コンデンサ(不図示)の容量や出力容量を変更する必要がない。また、限流制御装置23−1〜23−nを設置することによって周辺装置を変更する必要もない。
また、ノイズへの対策で用いられるフェライトコアのように、損失を持つ磁性材料を単体で用いた場合、電流媒体を流れる電流の方向によらずに電流媒体の透磁率が大きくなり、電流媒体の自己インダクタンスLの値が大きくなる。これは、発振現象や過渡的な電圧の振動の原因になる。また、短絡事故時の大電流による変動磁界によって、磁性体が磁気飽和した場合には、透磁率μの効果は全くなくなる。しかしながら、本実施形態では、給電ケーブルを流れる特定の方向の電流に対してのみ、給電ケーブルの自己インダクタンスLの値を大きくするため、上記のような発振現象や過渡的な電圧の振動を抑制することができる。
また、任意のケーブルの長さと同等のインピーダンスを実現し、過渡的な電圧の変動への耐性を向上させたり、磁気コイルを用いることにより、想定する過電流の値に応じて磁気バイアスを可変としたりすることで、さらに効果的に電圧の変動を抑制することも可能となる。
また、磁性体のヒステリシス特性によっては、磁性体を磁気飽和させないようにして、磁気バイアス装置が発生させる磁束の向きを逆にしても、上述したものと同様の効果が得られる。
10 商用電源
11 整流装置
20 電流分配装置
21,31−1〜31−n 入力コンデンサ
22−1〜22−n 系統保護用ヒューズ
23−1〜23−n 限流制御装置
30−1〜30−n 電子機器
32−1〜32−n 電子機器ユニット
101,201,301,401−1,401−2 磁性体
102,202,302,402 磁気バイアス装置
303 バイアス制御回路
403 接続端子
501 給電ケーブル

Claims (10)

  1. 環状形状を具備する磁性体と、
    前記磁性体内に磁束を発生させる磁束発生部と、を有し、
    前記磁束発生部は、前記磁性体の環状形状の中空部分を貫通する電流媒体を流れる電流による磁束と同じ向きの磁束を前記磁性体内に発生させることにより、前記磁性体を磁気飽和させる限流制御装置。
  2. 請求項1に記載の限流制御装置において、
    前記磁性体には、前記環状形状の一部に間隙が設けられ、
    前記磁束発生部は、前記間隙に配置された限流制御装置。
  3. 請求項1に記載の限流制御装置において、
    前記磁束発生部は、前記磁性体の一部に設けられた電磁石である限流制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の限流制御装置において、
    前記磁性体は、複数の部分に分割可能である限流制御装置。
  5. 整流装置から出力された電流を分岐し、該分岐された電流のそれぞれを、電流媒体を介して複数の電子機器へ供給する電流分配装置であって、
    環状形状を具備し、該環状形状の中空部分を前記電流媒体が貫通する磁性体と、
    前記磁性体内に磁束を発生させる磁束発生部と、を有し、
    前記磁束発生部は、前記整流装置から出力された電流による磁束と同じ向きの磁束を前記磁性体内に発生させることにより、前記磁性体を磁気飽和させる電流分配装置。
  6. 請求項5に記載の電流分配装置において、
    前記磁性体には、前記環状形状の一部に間隙が設けられ、
    前記磁束発生部は、前記間隙に配置された電流分配装置。
  7. 請求項5に記載の電流分配装置において、
    前記磁束発生部は、前記磁性体の一部に設けられた電磁石である電流分配装置。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の電流分配装置において、
    前記磁性体は、複数の部分に分割可能である電流分配装置。
  9. 環状形状を具備する磁性体を有する限流制御装置における限流制御方法であって、
    前記磁性体の環状形状の中空部分を貫通する電流媒体を流れる電流による磁束と同じ向きの磁束を前記磁性体内に発生させることにより、前記磁性体を磁気飽和させる処理を有する限流制御方法。
  10. 環状形状を具備する磁性体を有し、整流装置から出力された電流を分岐し、該分岐された電流のそれぞれを、前記磁性体の環状形状の中空部分を貫通する電流媒体を介して複数の電子機器へ供給する電流分配装置における限流制御方法であって、
    前記整流装置から出力された電流による磁束と同じ向きの磁束を前記磁性体内に発生させることにより、前記磁性体を磁気飽和させる処理を有する限流制御方法。
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