JP2010262802A - ポッティング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車に搭載されるモータを始め、種々の電気・電子部品のポッティングに適したポッティング剤を提供することを目的とする。
【解決手段】エポキシ樹脂成分、エポキシ樹脂硬化剤、ゴム成分、過酸化物架橋剤、および可塑剤を含有するポッティング剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気・電子部品の絶縁に使用されるポッティング剤に関する。
ポッティング剤は、トランス、コイル、コンデンサー、IC基板などの電気・電子部品の電気的絶縁、固定、保護、防湿の目的で使用されている。ポッティング剤としては、ウレタン樹脂(特許文献1等)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が、用途に合わせて使用されている。
近年、自動車には、モータを始め、多種多様の電気・電子部品が搭載されている。自動車の使用環境は過酷であり、自動車に搭載される電気・電子部品のポッティング剤としても、低温から高温まで、例えば−40℃〜150℃まで耐えることが要求される。しかしながら、従来のポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のポッティング剤は、この温度範囲に耐えることができない。例えば、エポキシ樹脂は、150℃の高温に耐えるが、冷熱サイクルではクラックが生じたり、剥がれてしまったりする問題があった。シリコーン樹脂は−40℃〜150℃の温度範囲に耐えるが、高価である。
特開2007−284579号公報
そこで本発明は、比較的安価に自動車に搭載されるモータを始め、種々の電気・電子部品のポッティングに適したポッティング剤を提供することを目的とする。
本発明は、以下の事項に関する。
1. エポキシ樹脂成分、
エポキシ樹脂硬化剤、
ゴム成分、
過酸化物架橋剤、および
可塑剤
を含有することを特徴とするポッティング剤。
2. 前記可塑剤が、トリメリット酸系可塑剤であることを特徴とする上記1記載のポッティング剤。
3. 前記ゴム成分が、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を主成分とすることを特徴とする上記1または2記載のポッティング剤。
4. 前記ゴム成分が、さらにスチレン−ブタジエン共重合体を含有する上記3記載のポッティング剤。
5. エポキシ樹脂成分100重量部に対して、ゴム成分の含有量が、50重量部〜300重量部の範囲であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のポッティング剤。
6. エポキシ樹脂成分およびゴム成分の合計100重量部に対して、可塑剤の含有量が、100重量部〜1000重量部の範囲であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のポッティング剤。
本発明によれば、低温から高温まで幅広い環境下で使用可能なポッティング剤を提供することができる。このため、例えば自動車に搭載される電気・電子部品のポッティング剤として極めて有用である。
本発明に使用されるエポキシ樹脂成分は、耐熱性の点から、芳香環を有するエポキシ樹脂を少なくとも1種含有することが好ましい。芳香環を有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂およびビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン(株)製商品名YX4000といったビフェニル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、適宜選択することができ、作業性および生産性からエポキシ樹脂成分が液状となるように選ばれることが好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤は、一般に前述のエポキシ樹脂を硬化可能なものが使用される。本発明のポッティング剤は、好ましくは一液型であり、従ってエポキシ樹脂硬化剤は、好ましくは潜在性硬化剤である。潜在性硬化剤は、後述する硬化温度にて、エポキシ樹脂を硬化させる能力を有するものが選ばれる。
潜在性硬化剤は、一種又は複数種選択して使用することができる。特にアミン系の潜在性硬化剤が好ましく、従来から知られている潜在性を有するアミン化合物、およびアミンアダクト類等の変性アミン類が挙げられる。変性アミン類には、アミン化合物(またはアミンアダクト類)のコアの表面をアミンの変性物(表面のアダクト化等)のシェルが囲むコアシェル型の硬化剤、およびそれらがエポキシ樹脂と混合された状態にあるマスターバッチ型の硬化剤が含まれる。
潜在性を有するアミン化合物の例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族第一アミン類;
2−ヘプタデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリート、2,4−ジアミノ−6−〔2−メチルイミダゾリル−(1)〕−エチル−S−トリアジン、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−フェニルイミダゾリウムイソシアヌレート、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類;
三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス;
ジシアンジアミド、およびo−トリルビグアニド、α−2,5−メチルビグアニド等のジシアンジアミドの誘導体;
コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等の有機酸ヒドラジド;
ジアミノマレオニトリルおよびその誘導体;
メラミン及びジアリルメラミン等のメラミン誘導体を挙げることができる。
アミンアダクト類は、アミン化合物とエポキシ化合物、イソシアネート化合物および尿素化合物との反応生成物等である。通常、固体粉末状である。
アミンアダクト類の製造に用いられるアミン化合物は、エポキシ基、イソシアネート基、尿素化合物と付加反応しうる活性水素を1分子内に1個以上有し、且つ、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のなかから選ばれた置換基を少なくとも1分子内に1個以上有するものであれば良い。例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン等のようなアミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物等のような、分子内に3級アミノ基を有する1級もしくは2級アミン類;2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−β−ヒドロキシエチルモルホリン、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メルカプトピリジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、N,N−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等のような、分子内に3級アミノ基を有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類、ヒドラジド類等を挙げることができる。
また、アミンアダクト類を製造する原料として用いられるエポキシ化合物は、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノールまたはグリセリンやポリエチレングリコールのような多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル;p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル;フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル;4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよびm−アミノフェノールなどから得られるグリシジルアミン化合物;エポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン等の多官能性エポキシ化合物や、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等の単官能性エポキシ化合物等を挙げることができる。
アミンアダクト類を製造する原料として用いられるイソシアネート化合物としては、例えばn−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート等のような単官能イソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のような多官能イソシアネート化合物;さらには、これらの多官能イソシアネート化合物と活性水素化合物との反応によって得られる末端イソシアネート基含有化合物等も用いることができ、このような化合物の例としては、トルイレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの反応によって得られる末端イソシアネート基を有する付加反応物等を挙げることができる。
アミンアダクト類を製造する原料として用いられる尿素化合物としては、例えば尿素、リン酸尿素、シュウ酸尿素、酢酸尿素、ジアセチル尿素、ジベンゾイル尿素、トリメチル尿素等を挙げることができる。
市販されているアミンアダクト類の代表的なものとして、アミン−エポキシアダクト類、例えば、「アデカハードナーH−3613S」(旭電化工業(株)の商標)、「アデカハードナーH−3293S」(旭電化工業(株)の商標)、「アミキュアPN−23」(味の素(株)の商標)、「アミキュアMY−24」(味の素(株)の商標)、「キュアダクトP−505」(四国化成工業(株)の商標)等;尿素型アダクト類、例えば、「フジキュアーFXE−1000」(富士化成工業(株)の商標)、「フジキュアーFXR−1036」(富士化成工業(株)の商標)等を挙げることができる。
また、コアシェル型の硬化剤は、アミン化合物(またはアミンアダクト類)の表面をさらに、例えばカルボン酸化合物およびスルホン酸化合物等の酸性化合物、イソシアネート化合物、およびエポキシ化合物等で処理して表面に変性物(アダクト等)のシェルを形成したものである。また、マスターバッチ型の硬化剤は、コアシェル型の硬化剤がエポキシ樹脂と混合された状態にあるものである。
市販されているマスターバッチ型硬化剤としては、例えば「ノバキュアHX−3722」(旭化成エポキシ(株)の商標)、「ノバキュアHX−3742」(旭化成エポキシ(株)の商標)、「ノバキュアHX−3613」(旭化成エポキシ(株)の商標)等を挙げることができる。
潜在性硬化剤としては、以上のなかでも、特にジシアンジアミドが好ましい。
本発明に使用されるゴム成分は、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、ポリクロロプレン、アクリルゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴム、ブチルゴム、が挙げられる。特に、耐油性および耐熱性の高いゴム材料が好ましく、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、およびアクリルゴムが好ましい。
特に、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム(NBR)を主成分として、必要に応じて、例えば粘度の調節のためにスチレン・ブタジエン共重合体ゴムを添加することが好ましい。尚、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴムは、不飽和結合の全部又は一部が水素化された水素化ニトリルゴム(HNBR)であってもよく、通常のNBRとHNBRのブレンドでもよい。
ゴム成分は、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム100重量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合体ゴムを0重量部〜100重量部、好ましくは0重量部〜30重量部を含有する。
また、ゴム成分は、エポキシ樹脂成分100重量部に対して、50〜300重量部、好ましくは50〜200重量部の範囲で使用される。
尚、本発明のポッティング剤(硬化前)中において、ゴム成分は架橋されていないものである。
本発明で使用される過酸化物架橋剤は、ゴム成分を架橋させるために成分である。過酸化物架橋剤は、ゴムの架橋に一般に使用される過酸化物であれば使用できる。
過酸化物架橋剤としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類や、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類や、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類や、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類や、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
過酸化物架橋剤は、ゴム成分100重量部に対して、1〜150重量部、好ましくは20〜120重量部、より好ましくは60〜100重量部の割合で使用される。
可塑剤は、エポキシ樹脂成分およびゴム成分の両方に相溶し、エポキシ樹脂成分とゴム成分との混合性を向上させる。ゴム材料は高粘度であり、エポキシ樹脂に溶解することは困難であるが、可塑剤を添加することで、エポキシ樹脂成分およびゴム成分を溶解し、また粘度を低下させるため、ポッティング可能な液状となる。その結果、本発明のポッティング剤の硬化物は、エポキシ樹脂に特有の耐熱性と、ゴムに特徴的な低温特性(低温においてクラックおよび剥がれを生じない)の両方を同時に満足することができる。
可塑剤としては、アジピン酸系可塑剤、フタル酸系可塑剤、セバシン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤およびスルホン酸系可塑剤が挙げられるが、好ましくはフタル酸系可塑剤およびトリメリット酸系可塑剤であり、特に好ましくはトリメリット酸系可塑剤である。
本発明で使用される可塑剤は、沸点の高いものが好ましく使用される。具体的には、沸点(℃,101.3kPa)が300℃以上の可塑剤が好ましい。
フタル酸系可塑剤としては、炭素数6〜11(好ましくは、炭素数8または9)の好ましくは分岐アルキル基を含有するフタル酸ジアルキルが好ましく、例えばジ2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレートを挙げることができる。
トリメリット酸系可塑剤としては、炭素数6〜11(好ましくは、炭素数8または9)の好ましくは分岐アルキル基を含有するトリメリット酸トリアルキルが好ましく、例えばトリ2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテートを挙げることができる。
可塑剤は、エポキシ樹脂成分とゴム成分の合計100重量部に対して、好ましくは100〜1000重量部、より好ましくは200〜800重量部、さらに好ましくは300〜600重量部の割合で使用する。
ポッティング剤には、流動特性、保存性、硬化特性、硬化後の物性等の性質を改良または変更するために、さらに添加剤、樹脂成分等を含有することができる。
必要により含有することができる成分としては、例えば有機または無機フィラー、酸化防止剤、難燃剤、チキソ性付与剤、シランカップリング剤、顔料および染料等の着色剤、界面活性剤、消泡剤等が挙げられるがこれらに限定されない。特に、フィラーおよび酸化防止剤からなる群より選ばれる添加剤を含有することは好ましい。
フィラーとしては、特に限定されないが、例えば炭酸カルシウム、酸化カルシウム、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化珪素等の無機フィラー等が挙げられる。また、ポリ塩化ビニール等の高分子材料を無機フィラーと共に添加することも好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードアミン系[4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(三共製「サノールLS−744」)など]、ヒンダードフェノール系[オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(日本チバガイギー製「イルガノックス1076」)など]、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど)、ベンゾトリアゾール系[2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなど]などが挙げられる。
本発明のポッティング剤は、液状で流動性を有する。その粘度は、通常ポッティング剤として使用可能な程度であればよい。
本発明のポッティング剤を製造するには、各成分を混合すればよく、例えばゴム成分、エポキシ樹脂成分および可塑剤を同時に混合するか、ゴム成分と可塑剤を混合してゴム成分を分散した後にエポキシ樹脂成分を添加する。その他の成分は、例えば、ゴム成分、エポキシ樹脂成分および可塑剤を混合した後に添加すればよい。混合装置は、特に限定されず、プラネタリーミキサー、ニーダーミキサー、二軸押出機等を用いることができる。
本発明のポッティング剤を使用するには、滴下、ディスペンス、またはその他適当な塗布方法により電気・電子部品等のポッティング対象品を被覆した後、加熱する。加熱により、エポキシ樹脂成分およびゴム成分が相溶した状態にて、エポキシ樹脂硬化剤が活性化されてエポキシ樹脂成分が硬化し、一方、過酸化物架橋剤によりゴム成分の架橋が進んで硬化する。硬化温度は、例えば、120〜200℃、好ましくは140〜190℃、より好ましくは150〜180℃で行うことができる。硬化時間は、2分〜数時間、好ましくは1時間以下、より好ましくは5分〜15分である。
硬化されたポッティング剤は、耐熱性に優れると同時にゴム弾性を有している。このため、低温から高温までの環境下で耐久性に優れ、振動吸収の点でも優れている。従って、例えば自動車に搭載される電気・電子部品のポッティング剤として、例えばハイブリッドカーに搭載されるモータのコイルのポッティング用途に極めて適している。本発明のポッティング剤は、自動車用途に限らず、温度差が大きい屋外での使用用途、その他一般的なポッティング用途にも適している。
以下、実施例により、本発明をさらに説明する。
<実施例1、2、比較例1〜3>
表1に示す材料をニーダーミキサー、プラネタリーミキサーにより充分に混合してポッティング剤を得た。これらのポッティング剤を使用して、150mm×150mm×2mm(厚み)の金型に注型し、150℃で20分間加圧プレス加熱および150℃で60分オーブン加熱により硬化して、試験用サンプルを得た。
Figure 2010262802
<評価結果>
試験用サンプルを、次のように試験した。
(1)物性:
伸び:JIS K6253
硬度(ショアA硬度):JIS K6253
硬度(ショアD硬度):JIS K6253
(2)耐久性、高温低温特性
高温耐久性:150℃で250時間放置後に、伸びと硬度を測定した。
高温・低温サイクル特性:−40℃において30分と150℃において30分を1サイクルとして、100サイクル繰り返した後に、伸びと硬度を測定した。
Figure 2010262802
尚、比較例3では、エポキシ樹脂とゴムを均一に混合することができず、ポッティング可能な性状の混合物を得ることができなかった。
以上から明らかなように、本発明の要旨を外れない限りにおいて、種々の変更が可能である。従って、ここに説明した形態は、例であって、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲がこれに限定されるものでない。
本発明によれば、低温から高温までの環境下で使用可能なポッティング剤を提供することができる。

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂成分、
    エポキシ樹脂硬化剤、
    ゴム成分、
    過酸化物架橋剤、および
    可塑剤
    を含有することを特徴とするポッティング剤。
  2. 前記可塑剤が、トリメリット酸系可塑剤であることを特徴とする請求項1記載のポッティング剤。
  3. 前記ゴム成分が、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1または2記載のポッティング剤。
  4. 前記ゴム成分が、さらにスチレン−ブタジエン共重合体を含有する請求項3記載のポッティング剤。
  5. エポキシ樹脂成分100重量部に対して、ゴム成分の含有量が、50重量部〜300重量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポッティング剤。
  6. エポキシ樹脂成分およびゴム成分の合計100重量部に対して、可塑剤の含有量が、100重量部〜1000重量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポッティング剤。
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