JP2010261811A - ガス測定装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検知剤による着色が測定限界に達しても、引き続き測定ができるようにする。
【解決手段】ガス測定装置は、まず、測定対象のガスにより着色を発生させる検知剤を孔内に配置したガラスからなる透明な多孔体よりなる検知素子101を備える。また、検知剤による着色の吸収波長の光を検知素子101に向けて照射する光源102を備える。また、光源102により照射されて検知素子101を透過した光を検出する光検出部103を備える。また、検知素子101が備える検知剤に二酸化窒素ガスを作用させる回復部104を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、測定対象のホルムアルデヒドガスにより着色する検知剤を用いてガスの存在を測定するガス測定装置およびガス測定方法に関するものである。
空気中の微量なホルムアルデヒドガスを測定する方法として、測定対象のガスにより着色する検知剤による比色センサ素子を用いる種々の方法が提案されている。例えば、非特許文献1によると、アセチルアセトンもしくは1−フェニル−1,3−ブタンジオンとアンモニウム塩と酢酸とを含む検知剤を、多孔質ガラスに含浸させた検知素子により、ホルムアルデヒドの測定を行うことについて記載されている。上記検知剤は、ホルムアルデヒドと反応することで、ルチジン誘導体が生じる。従って、上記検知素子におけるルチジン誘導体の光吸収を測定することで、ホルムアルデヒドの測定が行える。
また、非特許文献2には、4−アミノ−4−フェニル−3−エン−2−オンをろ紙に固定し、このろ紙の色の変化(着色)により、ホルムアルデヒドを測定することについて記載されている。4−アミノ−4−フェニル−3−エン−2−オンは、ホルムアルデヒドと反応し、ルチジン誘導体を生じてろ紙に着色を生じさせる。この着色の状態(濃度)により、ホルムアルデヒドの濃度が判定できる。
また、非特許文献3には、4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールをろ紙に固定し、このろ紙の色の変化(着色)により、ホルムアルデヒドを測定することについて記載されている。4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールは、ホルムアルデヒドと反応し、着色物質を生じてろ紙に着色を生じさせる。この着色の状態(濃度)により、ホルムアルデヒドの濃度が判定できる。
特開2008−232796号公報
しかしながら、上述した方法では、簡便に測定ができるが、いずれも比色式の蓄積型センサ素子を用いているので、検知剤による着色が測定限界まで達すると、これ以上測定ができなくなるという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、検知剤による着色が測定限界に達しても、引き続き測定ができるようにすることを目的とする。
本発明に係るガス測定装置は、アセチルアセトンもしくはアセチルアセトンの誘導体を含む検知剤を孔内に配置したガラスからなる透明な多孔体よりなる検知素子と、検知剤による着色の吸収波長の光を検知素子に向けて照射する光源と、この光源により照射されて検知素子を透過した光を検出する光検出手段と、検知剤に二酸化窒素ガスを作用させる回復手段とを少なくとも備える。ここで、回復手段は、検知素子を二酸化窒素ガスの雰囲気に晒すことで、検知剤に二酸化窒素ガスを作用させるものであればよい。
また、本発明に係るガス測定方法は、アセチルアセトンもしくはアセチルアセトンの誘導体を含む検知剤を孔内に配置したガラスからなる透明な多孔体よりなる検知素子に、検知剤による着色の吸収波長の光を照射して検知素子の初期光透過状態を測定する第1ステップと、初期光透過状態を測定した後に、ホルムアルデヒドガスを含む雰囲気に検知素子を曝して検知剤による着色を発生させる第2ステップと、ホルムアルデヒドガスを含む雰囲気に曝した後で、検知剤による着色の吸収波長の光を検知素子に照射して検知素子の曝露後光透過状態を測定する第3ステップと、検知剤に二酸化窒素ガスを作用させて検知剤による着色の状態を減少させる第4ステップとを少なくとも備える。ここで、第4ステップでは、検知素子を二酸化窒素ガスの雰囲気に晒すことで、検知剤に二酸化窒素ガスを作用させるようにすればよい。また、第1ステップの前に、検知剤に二酸化窒素ガスを作用させて検知剤による着色の状態を減少させるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、測定対象のホルムアルデヒドガスにより着色する検知剤を用いたホルムアルデヒドガスの測定において、検知剤に二酸化窒素ガスを作用させることで回復するようにしたので、検知剤による着色が測定限界に達しても、引き続き測定ができるようになるという優れた効果が得られる。
本発明の実施の形態におけるガス測定装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるガス測定装置のより詳細な構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態におけるガス測定装置の動作例(ガス測定方法)を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるガス測定装置の構成を示す構成図である。このガス測定装置は、まず、測定対象のガスにより着色を発生させる検知剤を孔内に配置したガラスからなる透明な多孔体よりなる検知素子101を備える。また、検知剤による着色の吸収波長の光を検知素子101に向けて照射する光源102を備える。また、光源102により照射されて検知素子101を透過した光を検出する光検出部103を備える。また、検知素子101が備える検知剤に二酸化窒素ガスを作用させる回復部104を備える。
回復部104は、例えば、図2に示すように、ガラスなどの透明な材料から構成された容器141と、容器141の内部に二酸化窒素ガスを供給する二酸化窒素ガス供給部142とを備える。容器141の内部に検知素子101を配置しておけば、二酸化窒素ガス供給部142により容器141内に二酸化窒素ガスを供給すれば、検知素子101を二酸化窒素ガスの雰囲気に晒すことができ、検知素子101が備える検知剤に二酸化窒素ガスを作用(反応)させることができる。
ここで、検知素子101が備える検知剤は、アセチルアセトンもしくはアセチルアセトンの誘導体を含む。この場合、検知素子101は、ホルムアルデヒドガスを検出するものとなる。検知剤は、ホルムアルデヒドと反応して波長400〜450nmに吸収を持つ着色物質を生成する(着色を発生させる)。このため、検知素子101の波長400〜450nmにおける透過率(吸光度)が、曝された雰囲気に含まれるホルムアルデヒドガスの濃度に対応して変化する(特許文献1参照)。波長400〜450nmは、上記検知剤による着色(着色物質)の吸収波長を含む波長帯となる。なお、アセチルアセトンの誘導体としては、1−フェニル−1,3−ブタンジオン,1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン,4−アミノ−4−フェニル−3−エン−2−オンなどが挙げられる。
次に、本実施の形態におけるガス測定方法について、図3のフローチャートを用いて説明する。まず、検知素子101を作製する。検知素子101は、検知剤が溶解している溶液をガラスからなる透明な多孔体(多孔質ガラス)に含浸させることで作製できる。なお、この作製は、測定対象のホルムアルデヒドガスがない雰囲気で行う。
次に、作製した検知素子101の吸光度を測定する(ステップS301)。例えば、光源102より検知剤による着色の吸収波長を含む波長帯の光を、より短い波長から一定の波長間隔(例えば1nm)ごとに、検知素子101に向けて照射する。これにより検知素子101を透過した透過光を、光検出部103で検出し、波長ごとの吸光度の推移を示す初期光透過状態を得る。また、検知剤による着色の吸収波長の光を照射し、検知素子101を透過した透過光を光検出部103で検出し、吸収波長の吸光度を初期光透過状態としてもよい。なお、得られた初期光透過状態は、所定の記憶部に記憶しておけばよい。
次に、検知素子101を、測定対象のホルムアルデヒドガスが含まれている雰囲気に曝露する(ステップS302)。この曝露により、検知素子101の検知剤による着色が発生し、検知剤による着色の吸収波長の吸光度が変化する。この後、曝露した検知素子101の吸光度を前述同様に測定し、曝露後光透過状態を得る(ステップS303)。このようにして測定して得られた曝露後光透過状態と初期光透過状態とを比較することで、測定対象のガスの測定が行える。例えば、曝露後光透過状態の吸光度と、初期光透過状態の吸光度との差により、測定対象ガスの濃度を算出する。
次に、検知素子101が備える検知剤に二酸化窒素ガスを作用させ、検知剤による着色の状態を減少させ、検知素子101を回復させる(ステップS304)。例えば、検知素子101を二酸化窒素ガスの雰囲気に曝露させる。例えば、光源102より検知剤による着色の吸収波長の光を検知素子101に照射し、また、検知素子101を透過した透過光を、光検出部103で検出し、これにより算出される吸光度の減少が検出されるまで、上述した回復処理(二酸化窒素ガス曝露)を継続する。また、算出される吸光度が、初期光透過状態の吸光度に等しくなるまで、上述した回復処理を継続してもよい。
以上のステップS301からステップS304の動作を、測定を終了するまで行う(ステップS305)。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、測定により検知剤による着色が発生しても、検知剤(着色物質)に二酸化窒素ガスを作用させることで、例えば、検知素子101を初期光透過状態に等しくするなど、検知剤による着色の状態を減少させるようにした。例えば、検知剤による着色が測定限界に達した後でも、検知剤による着色の状態を減少させて回復させれば、再び、測定対象ガスによる検知剤による着色を起こせるようになり、測定対象のガスの測定が繰り返してできるようになる。また、初期吸光度測定(ステップS301)の前に、検知素子101が備える検知剤に二酸化窒素ガスを作用させる回復処理を行うようにしてもよい。これにより、初期吸光度測定の前に、初期化を行うことができ、より正確な測定が行えるようになる。
以下、実施例を用いてより詳細に説明する。
[実施例1]
始めに、実施例1について説明する。まず、検知素子101の作製について説明する。アセチルアセトン0.1mlに酢酸アンモニウム7.5gと酢酸0.15mlと水を加えて全量50mlとした検知剤溶液を作製する。次に、作製した検知剤溶液に、孔径4nmの多孔質ガラス(コーニング社製バイコール多孔質ガラス#3970)を浸漬し(24時間)、検知剤溶液を多孔質ガラスに含浸させる。この含浸させた多孔質ガラスを、乾燥窒素中で乾燥させる(24時間)。
以上のようにして作製した検知素子101によるガス測定装置を用いたホルムアルデヒドの測定について説明する。まず、検知素子101の初期の光スペクトルを測定する。この測定では、無色透明の状態である。次に、検知素子101を、ホルムアルデヒド(200ppb)が含まれた空気中に15時間暴露する。この後、検知素子101の光スペクトルを測定すると、無色透明だった検知素子101は黄色になり407nmの吸光度が1.2となる。
以上のように、ホルムアルデヒドガスの測定により光学特性が変化した(着色した)検知素子101を、回復部104により、100ppbの二酸化窒素ガスに6時間暴露する。この回復処理により、検知素子101の吸光度は0.8に減少し、検知素子101が回復する。このとき、400nm以下の紫外域のスペクトル変化を検証したところ変化はなく、上述した吸光度の変化をもたらす着色物質の出発物質であるアセチルアセトンの分解は起こっていないことが確認された。これらの結果より、二酸化窒素の暴露により、検知剤を構成している着色物質のみが分解されることが確認されたものと考えられる。
以上のように回復処理をした後、吸光度が0.8まで減少した検知素子101を再び200ppbのホルムアルデヒドに5時間暴露し、この後、検知素子101の吸光スペクトルを測定したところ、407nmの吸光度が1.2となる。
[比較例1]
次に、上述した実施例1に対する比較例1について説明する。上述では、二酸化窒素ガスを用いることで回復処理を行った。これに対し、以下の比較例では、二酸化窒素ガスの変わりにオゾンガスを用いた場合について確認する。
まず、検知素子101の作製について説明する。アセチルアセトン0.1mlに酢酸アンモニウム7.5gと酢酸0.15mlと水を加えて全量50mlとした検知剤溶液を作製する。次に、作製した検知剤溶液に、孔径4nmの多孔質ガラス(コーニング社製バイコール多孔質ガラス#3970)を浸漬し(24時間)、検知剤溶液を多孔質ガラスに含浸させる。この含浸させた多孔質ガラスを、乾燥窒素中で乾燥させる(24時間)。
以上のようにして作製した検知素子101によるガス測定装置を用いたホルムアルデヒドの測定について説明する。まず、検知素子101の初期の光スペクトルを測定する。この測定では、無色透明の状態である。次に、検知素子101を、ホルムアルデヒド(200ppb)が含まれた空気中に15時間暴露する。この後、検知素子101の光スペクトルを測定すると、無色透明だった検知素子101は黄色になり407nmの吸光度が1.2となる。ここまでは、上述した実施例1と同様である。
以上のように、ホルムアルデヒドガスの測定により光学特性が変化した(着色した)検知素子101に対し、本比較例では、100ppbのオゾンガスに3時間暴露する。このオゾンガス処理により、検知素子101の吸光度は0.7に減少する。しかしながら、400nm以下の紫外域のスペクトル変化を検証したところ、紫外域の吸収も減少している。従って、オゾンガスの処理では、着色物質の出発物質であるアセチルアセトンの分解も引き起こされていることが確認されたものと考えられる。従って、オゾンの暴露処理では、着色物質だけではなく出発物質の両方が分解されるため、この処理をした後では、ホルムアルデヒドの測定が行えなくなることになる。このように、オゾンガスによる処理では、検知素子101の寿命を縮めることになる。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。まず、検知素子101の作製について説明する。1−フェニル−1,3−ブタンジオン0.157gに酢酸アンモニウム7.5gと酢酸0.15mlと水を加えて全量を50mlとし検知剤溶液を作製する。次に、作製した検知剤溶液に、孔径4nmの多孔質ガラス(コーニング社製バイコール多孔質ガラス#3970)を浸漬し(24時間)、検知剤溶液を多孔質ガラスに含浸させる。この含浸させた多孔質ガラスを、乾燥窒素中で乾燥させる(24時間)。
以上のようにして作製した検知素子101によるガス測定装置を用いたホルムアルデヒドの測定について説明する。まず、検知素子101の初期の光スペクトルを測定する。この測定では、無色透明の状態である。次に、検知素子101を、ホルムアルデヒド(200ppb)が含まれた空気中に20時間暴露する。この後、検知素子101の光スペクトルを測定すると、無色透明だった検知素子101は黄色になり414nmの吸光度が1.2となる。
以上のように、ホルムアルデヒドガスの測定により光学特性が変化した(着色した)検知素子101を、回復部104により、100ppbの二酸化窒素ガスに5時間暴露する。この回復処理により、検知素子101の吸光度は0.8に減少し、検知素子101が回復する。このとき、400nm以下の紫外域のスペクトル変化を検証したところ変化はなく、上述した吸光度の変化をもたらす着色物質の出発物質である1−フェニル−1,3−ブタンジオンの分解は起こっていないことが確認された。これらの結果より、二酸化窒素の暴露によって着色物質のみが分解されることが確認されたものと考えられる。
以上のように回復処理をした後、吸光度が0.8まで減少した検知素子101を再び200ppbのホルムアルデヒドに5時間暴露し、この後、検知素子101の吸光スペクトルを測定したところ、414nmの吸光度が1.1となる。
[比較例2]
次に、上述した実施例2に対する比較例2について説明する。上述では、二酸化窒素ガスを用いることで回復処理を行った。これに対し、以下の比較例では、二酸化窒素ガスの変わりにオゾンガスを用いた場合について確認する。
まず、実施例2と同様にして検知素子101を作製する。次に、作製した検知素子101により、実施例2と同様にしてホルムアルデヒドの測定を行う。この測定により、無色透明だった検知素子101は黄色になり414nmの吸光度が1.2となる。ここまでは、上述した実施例2と同様である。
以上のように、ホルムアルデヒドガスの測定により光学特性が変化した(着色した)検知素子101に対し、本比較例では、100ppbのオゾンガスに5時間暴露する。このオゾンガス処理により、検知素子101の吸光度は0.7に減少する。しかしながら、400nm以下の紫外域のスペクトル変化を検証したところ、紫外域の吸収も減少している。従って、オゾンガスの処理では、着色物質の出発物質である1−フェニル−1,3−ブタンジオンの分解も引き起こされていることが確認されたものと考えられる。従って、オゾンの暴露処理では、着色物質だけではなく出発物質の両方が分解されるため、この処理をした後では、ホルムアルデヒドの測定が行えなくなることになる。このように、オゾンガスによる処理では、検知素子101の寿命を縮めることになる。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。まず、検知素子101の作製について説明する。1−フェニル−1,3−ブタンジオン0.157gに酢酸アンモニウム7.5gと酢酸0.15mlと水を加えて全量を50mlとし検知剤溶液を作製する。次に、作製した検知剤溶液に、孔径4nmの多孔質ガラス(コーニング社製バイコール多孔質ガラス#3970)を浸漬し(24時間)、検知剤溶液を多孔質ガラスに含浸させる。この含浸させた多孔質ガラスを、乾燥窒素中で乾燥させる(24時間)。
以上のようにして作製した検知素子101によるガス測定装置を用いたホルムアルデヒドの測定について説明する。まず、検知素子101の初期の光スペクトルを測定する。この測定では、無色透明の状態である。次に、初期のスペクトル測定より17時間後に、検知素子101を、ホルムアルデヒド(10〜400ppb)が含まれた空気中に曝露する。この曝露により、無色透明だった検知素子101は黄色に変化する。
このようにホルムアルデヒドが含まれている雰囲気に曝露した状態で、1時間毎に検知素子101の光スペクトルの測定を行い、この測定を70回繰り返す。70回目の測定では、検知素子101の吸光度は0.8になる。
以上のように、ホルムアルデヒドガスの測定により光学特性が変化した(着色した)検知素子101を、回復部104により、ホルムアルデヒドは含まず、二酸化窒素を100ppb含む空気に曝露する。この状態で、1時間毎に検知素子101の光スペクトル測定と行い、この測定を12回繰り返す。この回復処理により、検知素子101の吸光度は0.35まで減少し、検知素子101が回復する。
次に、回復処理をした後の検知素子101を、ホルムアルデヒドおよび二酸化窒素の両方が含まれていない空気中に所定時間放置した後、再度、ホルムアルデヒド(10〜40ppb)が含まれている雰囲気に曝露し、この状態で、1時間毎に検知素子101の光スペクトルの測定を行い、この測定を24回繰り返す。24回目の測定では、検知素子101の吸光度は0.55になる。
以上に説明したように、検知素子101は、蓄積型であり、ホルムアルデヒドガスに晒すことで着色が発生しても、二酸化窒素ガスに暴露することにより、着色の発生を起こす着色物質が分解して脱色され、これらを繰り返して行えることが確認された。また、本実施例においても、着色物質の出発物質であるアセチルアセトンの分解は、ほとんど観測されていない。このように、二酸化窒素ガスを用いた回復処理によれば、着色物質のみの分解を誘引することで効率よく分解させることが可能であるものと考えられる。
本発明によれば、一度測定に用いた検知素子を再び測定に使用できるようになるので、測定を行った後に検知素子を取り替える必要がなくなり、1つの検知素子で、より長期間の測定が可能となる。また、測定を行わなくても長時間の放置により着色物質が発生する場合においても、発生した着色物質を回復処理により分解させることができる。従って、測定に伴い、測定開始前に回復処理をすることで初期化処理をするものとなり、より正確な測定が行えるようになる。
101…検知素子、102…光源、103…光検出部、104…回復部。

Claims (5)

  1. アセチルアセトンもしくはアセチルアセトンの誘導体を含む検知剤を孔内に配置したガラスからなる透明な多孔体よりなる検知素子と、
    前記検知剤による着色の吸収波長の光を前記検知素子に向けて照射する光源と、
    この光源により照射されて前記検知素子を透過した光を検出する光検出手段と、
    前記検知剤に二酸化窒素ガスを作用させる回復手段と
    を少なくとも備えることを特徴とするよりなるガス測定装置。
  2. 請求項1記載のガス測定装置において、
    前記回復手段は、前記検知素子を二酸化窒素ガスの雰囲気に晒すことで、前記検知剤に二酸化窒素ガスを作用させる
    ことを特徴とするガス測定装置。
  3. アセチルアセトンもしくはアセチルアセトンの誘導体を含む検知剤を孔内に配置したガラスからなる透明な多孔体よりなる検知素子に、前記検知剤による着色の吸収波長の光を照射して前記検知素子の初期光透過状態を測定する第1ステップと、
    前記初期光透過状態を測定した後に、ホルムアルデヒドガスを含む雰囲気に前記検知素子を曝して前記検知剤による着色を発生させる第2ステップと、
    ホルムアルデヒドガスを含む雰囲気に曝した後で、前記検知剤による着色の吸収波長の光を前記検知素子に照射して前記検知素子の曝露後光透過状態を測定する第3ステップと、
    前記検知剤に二酸化窒素ガスを作用させて前記検知剤による着色の状態を減少させる第4ステップと
    を少なくとも備えることを特徴とするガス測定方法。
  4. 請求項3記載のガス測定方法において、
    前記第4ステップでは、前記検知素子を二酸化窒素ガスの雰囲気に晒すことで、前記検知剤に二酸化窒素ガスを作用させることを特徴とするガス測定方法。
  5. 請求項3または4記載のガス測定方法において、
    前記第1ステップの前に、前記検知剤に二酸化窒素ガスを作用させて前記検知剤による着色の状態を減少させるステップを備える
    ことを特徴とするガス測定方法。
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