JP2008116386A - ガス濃度測定器 - Google Patents

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容子 丸尾
Tatsuya Kunioka
達也 國岡
Takashi Miwa
貴志 三輪
Jiro Nakamura
中村二朗
Shigeo Ogawa
重男 小川
Seizo Sakata
晴三 阪田
Mamoru Mizunuma
守 水沼
Masayuki Tsuda
昌幸 津田
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Abstract

【課題】 取扱性に優れ、低濃度のガスを短時間で高精度に測定することができるガス濃度測定器を提供する。
【解決手段】 オゾンガスに反応すると変色する曝露部5を有するガス検知素子2と、外部に開放する第1、第2の開口部8,9を有し内部がガス通路10を形成するガス通路形成部材3とでオゾンガス濃度測定器1を製作する。ガス検知素子2は、ガス通路10内に第1の開口部8から第2の開口部9に向かって延在するように配置されている。ガス通路形成部材3は、台紙7と、カバー部材7とで矩形薄箱型に形成されており、第2の開口部9がオゾンフィルタ4によって閉塞されている。カバー部材7の表面板7Aは、ガス検知素子2の視認を可能にする透明な窓として機能する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気中に含まれているオゾンガス、二酸化窒素ガス等の特定の種類のガスの濃度を測定するために使用するガス濃度測定器に関するものである。
現在、NOx、SPM、光化学オキシダントによる大気汚染が生じ、環境に対する影響が問題となってきている。光化学オキシダントの主成分であるオゾンガス(O3 )は、工場や事業所や自動車から排出されるNOxや炭化水素などの汚染物質が太陽光線の照射を受けて光化学反応により生成されるため、光化学スモッグの原因となっている。また、コロナ放電手段を備えた各種機器、例えば静電式複写機、レーザープリンタ、LEDファクシミリ等においても、コロナ放電手段の動作中にオゾンガスが発生する。このようなオゾンガスは、強力な酸化能を有しているためそれ自身の毒性により、空気中の濃度が一定以上(0.1ppm)になると、呼吸器系を刺激し、微量でも長時間吸入すると有害とされている。
このため、オゾンガスの濃度分布の調査や、地域環境への影響評価、個人のオゾンガス被爆の影響評価等を行って環境を監視する必要がある。このために、安価で小型軽量かつ個人や家庭レベルで使用することができるオゾンガス濃度測定器が開発されている。
このような、オゾンガス濃度測定器としては、例えば特許文献1に記載されている高濃度型ガスインジケータが知られている。この高濃度型ガスインジケータは、インジケータ本体の内部に検知すべき特定ガスを導入する通路を形成するとともに、この通路の内壁に沿って特定ガスと反応して変色する指示薬層を貼り付けている。また、前記通路内へのオゾンガスの導入を容易にするために、通路の開放端部にインジケータ本体の上面および側面に向かって開放する開口部を形成している。言い換えれば、通路の開口面積を大きくしている。このように開口部の面積を大きくしておくと、オゾンガスが開口部から通路内に侵入しやすくなるため、低濃度のガスを短時間に測定する場合であっても通路内の指示薬層をオゾンガスによって暴露することができるとしている。
特許第3456275号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載されている高濃度型ガスインジケータにおいては、単に開口面積を大きくしただけではオゾンガスを精度よく測定することができないという問題があった。すなわち、気体は拡散によって通路内に侵入はするが、開口部が1つの場合は通路内に空気の流れが生じないため通路の奥の方にまでオゾンガスが拡散せず、開口部付近でのみ指示薬層が変色する。したがって、指示薬層の変色領域が狭くてオゾンガスのCT値(濃度の時間積分値)に比例せず、高い測定精度が得られない。
このような問題を解決するために、両端が開放した通路を形成することが考えられるが、その場合は、空気の流れの方向が一定せず、各開口部毎にオゾンのCT値を測定することになるので、総CT値を求めるには両開口部のCT値を加算する必要がある。このため、取扱いに難点があり実用的ではない。
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、取扱いが容易で、低濃度のガスを短時間で高精度に測定することができるガス濃度測定器を提供することにある。
上記目的を達成するために第1の発明は、外部に開放する第1、第2の開口部を有し内部がガス通路を形成するガス通路形成部材と、特定ガスに反応して変色する曝露部を有するガス検知素子とを備え、前記ガス検知素子を前記ガス通路内に前記第1の開口部から前記第2の開口部に向かって延在するように配置し、前記ガス通路形成部材の少なくとも前記ガス検知素子に対応する部分に透明な窓を設け、前記第2の開口部に前記特定ガスの前記ガス通路内への侵入を阻止するガスフィルタを設けたものである。
第2の発明は、前記第1の発明において、前記特定ガスがオゾンガスであって、前記ガスフィルタとしてオゾンフィルタを用いたものである。
第3の発明は、前記第1または第2の発明において、前記ガス通路形成部材を矩形の薄箱型に形成し、その長手方向の一端側に第1の開口部を形成し、他端側に第2の開口部を形成したものである。
第4の発明は、前記第1または第2の発明において、前記ガス通路形成部材を方形または円形の薄箱型に形成し、表面中央に第1の開口部を形成し、外周全体に第2の開口部を形成し、前記ガス検知素子の曝露部を円形に形成し、この曝露部の中央を前記第1の開口部に対応させて前記ガス検知素子を前記ガス通路形成部材内に配置したものである。
第5の発明は、前記第1〜第4の発明のうちのいずれか1つにおいて、前記ガス検知素子をガス通路形成部材内に挿抜可能に収納したものである。
第1の発明においては、第1、第2の開口部を有しているので、ガス通路内に空気の流れを生じさせることができる。この空気の流れは、ガスフィルタが大きな抵抗となるため、第1の開口部から第2の開口部に向かう一方向の流れのみである。第1の開口部から空気が侵入すると、その中に含まれている特定ガスは拡散しながら空気の流れによりガス通路の奥の方にまで侵入する。したがって、ガス検知素子の曝露部が特定ガスによって変色する領域はCT値に比例してガス通路の奥の方にまで拡がるから、測定精度を向上させることができる。
第2の発明においては、オゾンガスが第2の開口部からガス通路内への侵入をオゾンフィルタによって阻止するので、曝露部がオゾンガスによって曝露される方向は、第1の開口部から第2の開口部側に向かう一方向のみである。
第3の発明においては、ガス通路形成部材を矩形の薄箱型に形成しているので、ガス検知素子の曝露部は特定ガスに曝露されると第1の開口部側から第2の開口部側に向かって帯状に変色する。
第4の発明においては、ガス通路形成部材の表面中央に第1の開口部を設け、外周に第2の開口部を設けているので、第1の開口部からガス通路内に侵入した空気は、ガス検知素子に当たると方向転換してガス検知素子の径方向外方に向かう流れになる。このため、特定ガスもガス検知素子の径方向外方に向かって拡散し、曝露部をその中央から外側に向かってリング状に変色させる。
第5の発明においては、ガス検知素子をガス通路形成部材から抜き出して新しいものと交換することにより、ガス通路形成部材を再使用することができる。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1は本発明をオゾンガス濃度測定器に適用した第1の実施の形態を示す分解斜視図である。同図において、オゾンガス濃度測定器1は、ガス検知素子2と、このガス検知素子2を収納するガス通路形成部材3と、特定ガスであるオゾンガスを分解または吸着するオゾンフィルタ4とを備え、例えば幅50×長さ70mm程度の大きさで、厚さが数mm程度の矩形薄箱型に形成されている。
前記ガス検知素子2は、幅15×長さ75mm程度の大きさで、厚さが1mm程度の短冊状に形成され、全面がオゾンガスに曝露されると変色(退色または発色)する曝露部5を形成している。
このようなガス検知素子2は、オゾンガスに曝露されると変色(退色または発色)する色素を含んだ検知溶液をセルロースからなるシート状担体に含浸させ、この含浸させた溶液を乾燥させて曝露部5とすることにより形成することができる。
検知溶液としては、オゾンガスに曝露されると変色する色素(例えば、インジゴ環)と、酸(例えば、クエン酸)と、保湿剤(例えば、グリセリン)とを溶解した水溶液が用いられる。インジゴ環を有する色素としては、例えばインジゴ、インジゴカルミンナトリウム塩、インジゴカルミンカリウム塩、インジゴレッドなどを用いることができる。酸としては、クエン酸に限らず、酢酸、リン酸、酒石酸などを用いることができる。酸は、検知溶液のpHを2〜4の範囲に保持するために用いられる。保湿剤としては、グリセリンに限らず、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを用いることができる。
ここでは、オゾンガスに曝露されると変色するインジゴ環としてインジゴカルミンを用いた例について説明する。インジゴカルミンは青色2号と呼ばれる酸性染料である。このため、インジゴカルミンを用いた検知溶液は、青〜青紫色を呈した水溶液となる。検知溶液の色は目視によって確認できる。また、検知溶液は、酸の添加により酸性を呈している。このような検知溶液によって形成された曝露部5は藍色を呈している。
ガス検知素子2の具体的な作製に際しては、容器内に例えば、0.05gのインジゴカルミンと、酸としての3.0gの酢酸と、保湿剤としての15gのグリセリンとを入れ、これらに水を所定量加えることにより、インジゴカルミンを溶解させて調整し、50gの検知溶液を作製する。
次に、この検知溶液中にセルロース濾紙(例えば、アドバンティック社製の濾紙No.2)を一定時間浸漬して取り出した後、セルロース濾紙中に含まれている水分を風乾によって蒸発させる。これにより、藍色のガス検知素子2ができあがる。そして、このガス検知素子2を前記ガス通路形成部材3内に収納し固定する。
このようにして作製したガス検知素子2について、微量のオゾンガスを含む被検ガス中に一定時間曝し(例えば、8時間)、変色を肉眼で観察した。被検ガス中のオゾンガスは、ガス検知素子2のグリセリンが保持している水分に取り込まれ、その後、インジゴ環を有する色素のC=C2重結合を分解する反応を引き起こす。この分解反応によって色素分子の構造と電子状態が変化して可視光領域の波長600nm付近(藍色領域)において光の吸収が変化し、ガス検知素子2の色(藍色)が薄くなる(退色)。
一方、インジゴ色素の分解によって生じた分解生成物は可視光領域の波長400nm付近に光の吸収を持つため、ガス検知素子は黄色に変色し始める(発色反応)。このように、ガス検知素子2の曝露部5がオゾンガスによって曝露されると、色素の退色反応と発色反応とが同時に起きるため、オゾン濃度がppmオーダーであっても変色し確実に検知できる。
前記ガス通路形成部材3は、幅50mm×長さ70mm、厚さ1〜2mm程度の矩形の台紙6と、この台紙6の上方を覆う透明なプラスチックからなるカバー部材7とによって長手方向両端が開放する矩形の薄箱型に形成することにより、両端開放部分が第1、第2の開口部8,9を形成し、内部が外部に連通するガス通路10を形成している。そして、第2の開口部9には、前記オゾンフィルタ4が取付けられている。
このように、ガス通路形成部材3に第1、第2の開口部8,9を設けておくと、ガス通路10内に空気の流れを生じさせることができる。ただし、この空気の流れは双方向ではなく、オゾンフィルタ4が空気の流れに対して大きな抵抗となるため、第1の開口部8から第2の開口部9に向かう一方向の流れのみである。このため、第1の開口部8は空気およびオゾンガスの流入口を構成し、第2の開口部9は空気の流入、流出口を形成している。
台紙6は、前記ガス検知素子2と同様なセルロース濾紙またはプラスチックによって形成され、幅方向中央に前記ガス検知素子2が台紙6の長手方向に延在するように固定されている。このガス検知素子2の一端は、台紙6の一端と一致し、第1の開口部8に臨んでいる。また、台紙6の表面一側寄りには目盛11がガス検知素子6に沿って表示されている。この目盛11の数値1ppm〜7ppmは、オゾンガスのCT値を示し、ガス通路10の奥に向かって、言い換えれば第1の開口部8から第2の開口部9に向かって大きな値となるように表示されている。
台紙6にガス検知素子2を固定するための手段としては、非接着性および非粘着性を有するものであって、吸湿したり錆びたりしない材質からなる固定手段、例えば撚糸や細い線材を用て縫い付けることが望ましい。接着剤や両面粘着テープ、あるいは金属製のステープル(針)や鳩目等を用いることも考えられるが、これらは長期間保管していると、触媒の移動、揮発、あるいは金属の錆によってガス検知素子2に影響を及ぼすおそれがあるため好ましくない。
カバー部材7は、台紙6と同一の大きさの表面板7Aと、この表面板7Aの長手方向両側縁に一体に折り曲げ形成された左右一対の側板7B,7Cとで構成されている。表面板7Aは、台紙6と平行に対向し、前記ガス検知素子2および目盛11の目視を可能にする透明な窓として機能する。左右一対の側板7B,7Cは、下端が台紙6の表面の長辺側両側縁に接着によって固定されている。
オゾンフィルタ4は、空気中に含まれているオゾンガスを分解または吸着することにより、第2の開口部9からガス通路10内にオゾンガスが侵入するのを阻止するために用いられるものであって、例えば一般に知られている活性二酸化マンガン触媒を高い空隙率の紙からなるハニカム構造の担体に担持させたオゾンフィルタが用いられる。
次に、上記構成からなるオゾンガス濃度測定器1によるオゾンガスの測定について説明する。
オゾンガス濃度測定器1は、空気中にオゾンガスが存在する測定環境に一定時間(例えば、8時間)設置して使用するか、または測定者が携帯した状態で使用する。測定者が携帯使用する場合は、例えば紐でオゾンガス濃度測定器1を首や腰に吊し、第1の開口部8とオゾンフィルタ4を衣服等で覆わないようにして使用する。
オゾンガス濃度測定器1によって測定を開始すると、ガス検知素子2の曝露部5が空気中に含まれている微量のオゾンガスによって曝露されることにより徐々に変色(退色)し、藍色から白色に変化する。このため、この色変化を視認によって確認することにより、オゾンガスの有無が判る。
この場合、第1の開口部8の高さを1mm以内にすると、オゾンガスはガス通路10の深部に拡散するよりもガス検知素子2に吸収されて反応する方が圧倒的に多いので、ガス検知素子2の前端側から奥の方に向かって徐々に退色する。
ここで、本発明によるオゾンガス濃度測定器1は、2つの開口部8,9を設け、第2の開口部9にオゾンフィルタ4を取付けることにより、ガス通路10内に第1の開口部8から第2の開口部9に向かう一方向の空気の流れを生じさせるようにしているので、低濃度のオゾンガスを短時間で測定する場合であっても上記した従来の1つの開口部のみを設けた測定器に比べてより正確に測定することができる。すなわち、第1の開口部8からガス通路10に侵入したオゾンガスは、拡散しながら空気の流れによってガス通路10の奥の方にまで侵入し、検知素子2の曝露部5を曝露する。この曝露部5の曝露によって変色する領域は、時間の経過とともに第1の開口部8側端から第2の開口部9側端に向かって、言い換えればガス通路10の奥の方に向かって拡がり、オゾンガスの曝露量に対応している。したがって、この変色した領域の終端付近における目盛11の数値をカバー部材7の表面板7Aを透して読み取ることにより、オゾンガスのCT値を正確に測定することができる。なお、仮に空気が第2の開口部9からオゾンフィルタ4を通ってガス通路10内に侵入し、ガス通路10内に第2の開口部9から第1の開口部8に向かう空気の流れが生じたとしても、オゾンフィルタ4は空気のみを通過させオゾンガスの通過を阻止するので、曝露部5がオゾンガスによって奥の方から前端に向かって曝露されることはない。
因みに、ガス拡散について本発明によるガス濃度測定装置と従来の開口部が1つのガス濃度測定器と比較したとこと、CT値が6−15ppm hourのオゾンに対し、従来品では測定精度が±35%以上でCT値が大きくなるほど精度が落ちる傾向にあったが、本発明装置によれば±20%にまで向上させ、CT値が大きくなっても精度の落ちは顕著でないことが明らかになった。
図2は、本発明をオゾンガス濃度測定器に適用した第2の実施の形態を示す分解斜視図である。同図において、オゾンガス濃度測定器20は、円形に形成されたガス検知素子21と、第1、第2の開口部30,31を有し内部がガス通路32を形成する方形薄箱型のガス通路形成部材22と、このガス通路形成部材22の第2の開口部31を覆う4枚のオゾンフィルタ4とで構成されている。
ガス検知素子21は、円形に形成されて中央に透孔25を有する点、および表面に1〜7までの数値を表示した目盛26が表示されている点が、上記した第1の実施の形態におけるガス検知素子2と異なるだけで、その他の構成は同一である。
前記目盛26の数値1〜7は、オゾンガスのCT値に対応しており、大きな数値ほどCT値が大きいことを示している。また、この数値1〜7は、ガス検知素子21の中央から外側に向かって大きな数値となるように表示されている。
ガス通路形成部材22は、方形の台紙27と、この台紙27の上方を覆う透明なカバー部材28とで構成されている。台紙27は、ガス検知素子21よりも大きく形成され、上面中央にガス検知素子21が固定されている。カバー部材28は、透明なプラスチックによって形成され、台紙27と同一の大きさの表面板28Aと、この表面板28Aの下面四隅部に一体に垂設された4本の脚部28Bとからなり、これらの脚部28Bが台紙27の表面四隅部に接着されている。
前記第1の開口部30は、カバー部材28の表面板28Aの中央に形成されている。この第1の開口部30は、ガス検知素子21の透孔25と略同一の大きさを有する円形に形成されている。前記第2の開口部31は、ガス通路形成部材22の周囲に形成され脚部28Bによって仕切られた4つの開放部分、厳密には表面板28Aと、隣り合う2つの脚部28Bおよび台紙27とによってそれぞれ囲まれた部分で構成されている。
このような構造からなるオゾンガス濃度測定器20においても、第1、第2の開口部30,31を備えているので、ガス通路32内に空気の流れを生じさせることができる。この場合、第1の開口部30からガス通路32内に侵入した空気は、ガス検知素子21の表面中央部に当たると90°方向転換し、ガス検知素子21の表面に沿って第2の開口部31に向かう空気の流れとなる。したがって、この空気中に含まれている微量のオゾンガスも第1の開口部30から第2の開口部31に向かって拡散する。このため、ガス検知素子21は、オゾンガスによって中央から外周に向かって曝露されることによりリング状に変色する。そして、この変色した領域の最外周部分を表面板28Aを透して目視し、目盛26の数値を読み取ることによりCT値を測定することができる。
図3は、本発明をオゾンガス濃度測定器に適用した第3の実施の形態を示す要部の斜視図である。この実施の形態においては、ガス検知素子41を矩形のカード状に形成し、表面の幅方向中央部にオゾンガスに曝露されると変色する曝露部42を形成している。また、ガス通路形成部材43をガス検知素子41を収納し得る大きさの矩形の薄箱型に形成して、その長手方向両端部を第1、第2の開口部44,45とし、前記ガス検知素子41を第1の開口部44からガス通路形成部材43内に挿抜可能に収納し、第2の開口部45にオゾンフィルタ4を着脱可能に取付けている。また、ガス通路形成部材43の上面中央部に透明な窓46をガス検知素子41の曝露部42に対応して形成し、内側面下部にガス検知素子41の両側縁を案内保持するガイド溝47a,47bを形成し、第2の開口部55の内面にオゾンフィルタ4の上下縁を案内保持するガイド溝48a,48bを形成し、内部をガス通路49としている。
このような構造からなるオゾン濃度測定器50によれば、測定後にオゾンフィルタ4とガス検知素子41を取り出して新しいものと交換すると、ガス通路形成部材43を再利用することができる。
なお、本発明は上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、種々の変形、変更、組み合わせが可能である。例えば、上記した実施の形態においては、オゾンガスに反応する色素としてインジゴカルミンを用いたが、これに限らずトリフェニルメタン色素やアゾ色素、アントラキン色素等を用いてもよい。
また、上記した実施の形態は、いずれもオゾンガス濃度測定器に適用した例について説明したが、被測定ガスはこれに特定されるものではなく、例えば検知剤として二酸化窒素ガス(NO2 )に反応するジアゾ化試薬およびカップリング試薬の混合物等を多孔体に含浸させたガス検知素子を用いた場合には、二酸化窒素ガスの濃度測定器にも適用することが可能である。その場合、例えば二酸化窒素ガスの測定に対しては、フィルタとしてテフロン(登録商標)膜で挟んだアクリル樹脂薄膜などからなるフィルタを用いればよい。
本発明をオゾンガス濃度測定器に適用した第1の実施の形態を示す平面図である。 本発明をオゾンガス濃度測定器に適用した第2の実施の形態を示す斜視図である。 本発明をオゾンガス濃度測定器に適用した第3の実施の形態を示す斜視図である。
符号の説明
1…オゾンガス濃度測定器、2…ガス検知素子、3…ガス通路形成部材、4…オゾンフィルタ、5…曝露部、6…台紙、7…カバー部材、8…第1の開口部、9…第2の開口部、10…ガス通路、11…目盛、20…オゾンガス濃度測定器、21…ガス検知素子、22…ガス通路形成部材、27…台紙、28…カバー部材、30…第1の開口部、31…第2の開口部、32…ガス通路、41…ガス検知素子、42…曝露部、43…ガス通路形成部材、44…第1の開口部、45…第2の開口部、46…窓、50…オゾンガス濃度測定器。

Claims (5)

  1. 外部に開放する第1、第2の開口部を有し内部がガス通路を形成するガス通路形成部材と、特定ガスに反応して変色する曝露部を有するガス検知素子とを備え、前記ガス検知素子を前記ガス通路内に前記第1の開口部から前記第2の開口部に向かって延在するように配置し、前記ガス通路形成部材の少なくとも前記ガス検知素子に対応する部分に透明な窓を設け、前記第2の開口部に前記特定ガスの前記ガス通路内への侵入を阻止するガスフィルタを設けたことを特徴とするガス濃度測定器。
  2. 請求項1記載のガス濃度測定器において、
    前記特定ガスがオゾンガスであって、前記ガスフィルタがオゾンフィルタであることを特徴とするガス濃度測定器。
  3. 請求項1または2記載のガス濃度測定器において、
    前記ガス通路形成部材を矩形の薄箱型に形成し、その長手方向の一端側に第1の開口部を形成し、他端側に第2の開口部を形成したことをことを特徴とするガス濃度測定器。
  4. 請求項1または2記載のガス濃度測定器において、
    前記ガス通路形成部材を方形または円形の薄箱型に形成し、表面中央に第1の開口部を形成し、外周全体に第2の開口部を形成し、
    前記ガス検知素子の曝露部を円形に形成し、この曝露部の中央を前記第1の開口部に対応させて前記ガス検知素子を前記ガス通路形成部材内に配置したことを特徴とするガス濃度測定器。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載のガス濃度測定器において、
    前記ガス検知素子をガス通路形成部材内に挿抜可能に収納したことを特徴とするガス濃度測定器。
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