JP2010260012A - カートン材からの紙とラミネート材料の分別回収方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙からなる基材の両面にラミネート層が形成されてなる液体用のカートン材から、基材を構成する紙と、ラミネート材料とを分別回収する方法であって、カートン材に貫通孔を複数形成する穿孔工程と、このカートン材をセルロース分解酵素の水溶液中に浸漬し、この系を攪拌処理することにより、基材を構成する紙とラミネート材料とを分離する工程と、分離されたラミネート材料を分別回収する工程と、分離された紙を濾別回収する工程とを含む。
【選択図】 図1
Description
常温流通される液体用カートンにおいては、ラミネート紙の端面における紙基材が内容物に接触(接液)することがないように、通常、端面処理がなされている。
また、パルパーにおける攪拌処理を経たラミネート材料は細片化されているため、基材を構成する紙と、ラミネート材料とを完全に分別回収することは困難である。すなわち、細片化されたフィルムからなるラミネート材料に(再)付着している紙を完全に除去することはきわめて困難であり、これを完全に除去するために、大量の水を使用する洗浄工程を必要とする。また、分別回収された紙の中にラミネート材料(細片化されたフィルム)が混入することもある。
更に、パルパーにおける攪拌処理を経たラミネート材料は、アルカリ溶液と高温下に接触していたため、回収されたラミネート材料(プラスチック)は、その特性が損なわれることがある。
更に、上記の分別回収方法によっては、カートンの底部を構成する高剛性のカートン材を処理することができない。
本発明の目的は、比較的低温で短時間の処理によって、カートン材から紙とラミネート材料とを分離して各々を確実に分別回収することができる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ラミネート材料を細片化させたり、特性を変化させたりすることなく回収することができる分別回収方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、カートンの底部を構成する高剛性のカートン材(ラミネート紙の積層体)であっても、紙とラミネート材料とを分別回収することができる方法を提供することにある。
(5)また、前記カートン材は、カートンを圧潰して得られるものであってもよい。
(6)また、前記カートン材は、カートンを裁断して得られるもの(裁断片)であってもよい。
(7)また、前記カートン材は、金属蒸着樹脂フィルムによるラミネート層を有していてもよい。
(9)連続的(循環式)に実施する本発明の分別回収方法において、紙とラミネート材料との分離系から、分離された紙を含有する懸濁液(紙含有懸濁液)を取り出して紙を濾別回収し、濾液である酵素の水溶液を前記分離系に還流することが好ましい。
(1)層分離工程における比較的低温で短時間の処理により、カートン材から紙とラミネート材料とを完全に分離することができ、これに続くラミネート材料回収工程および紙回収工程により、紙とラミネート材料とを確実に分別回収することができる。
(2)低いエネルギーコストで、紙とラミネート材料とを分別回収することができる。
(3)穿孔工程により形成された貫通孔の内周面から基材(紙)に酵素水溶液が浸透し、セルロース分解酵素が当該基材を繊維状に分解するので、ラミネート材料を細片化させることなく紙を分離して、回収することができる。また、セルロース分解酵素は、ラミネート材料(プラスチック)に対して不活性であり、しかも、層分離工程による処理が比較的低温で短時間で行われるため、回収されるラミネート材料の特性を変化(低下)させることもない。
(4)従来、リサイクルされることなく廃棄されていたカートンの底部を構成する高剛性のカートン材(複数のラミネート紙の積層体)であっても、穿孔工程を経ることにより、紙とラミネート材料とを確実に分別回収することができる。
本発明の分別回収方法は、紙からなる基材の両面にラミネート層が形成されてなる液体用のカートン材から、前記基材を構成する紙と、ラミネート材料とを分別回収する方法である。
本発明で処理される「カートン材」は、紙基材の両面にラミネート層が形成されたラミネート紙から構成される。「カートン材」には、複数のラミネート紙の積層体が含まれる。
カートン材(ラミネート紙)を構成するラミネート層は、少なくとも1層のプラスチック層を有する。プラスチック層を構成する樹脂としては、特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどを例示することができる。
また、カートン材を構成するラミネート層が、金属蒸着樹脂フィルムから構成されていてもよく、好ましい金属蒸着樹脂フィルムとしてアルミニウム蒸着樹脂フィルムを挙げることができる。
液体カートンを展開するには、ラミネート紙の貼り合わせ部分における熱融着を剥がしてもよく、熱融着以外の部分に切り込みを入れてもよい。なお、後者の場合には、平板状のカートン材に熱融着部分(ラミネート紙の貼り合わせ部分)が残存することになる。
また、液体カートンを圧潰してカートン材とすることにより、処理効率および取扱性の向上を図ることができる。
液体カートンの裁断は、立体形状のまま行うことも可能であるが、通常は、これを展開または圧潰した後に行われる。
なお、カートン材の形状は、本発明の分別回収方法が実施された後のラミネート材料の形状(フィルム状)となる。
カートン材となる裁断片のサイズも特に限定されるものではないが100cm2 であることが好ましい。サイズが過小である場合には、ラミネート材料と紙との分別回収が困難となり、例えば、回収された紙にラミネート材料が混入して、紙の品質を低下させることがある。
なお、穿孔工程を含む本発明の方法においては、液体カートンを裁断することなく、これをカートン材として処理することも可能である。
本発明の分別回収方法は、穿孔工程と、層分離工程と、ラミネート材料回収工程と、紙回収工程とを必須工程として含む。ここに、ラミネート材料回収工程および紙回収工程は、何れを先行して実施してもよいし、同時に実施してもよい。
本発明の分別回収方法における穿孔工程は、カートン材に複数の貫通孔を形成する工程である。
貫通孔の開口面積は40mm2 以下であることが好ましく、より好ましくは1〜40mm2 、更に好ましくは4〜20mm2 、特に好ましくは4〜10mm2 とされる。
貫通孔の開口面積が過大である場合には、穿孔時にカートン材の破砕片が発生し、これに由来するラミネート材の破砕片が回収される紙に混在し、紙の品質を低下させるおそれがある。一方、貫通孔の開口面積が過小である場合には、後述する層分離工程において、基材に対して酵素水溶液を十分に浸透させることができない。
この密度が過小である場合には、後述する層分離工程において、基材に対して酵素水溶液を十分に浸透させることができない。
一方、この密度が過大である場合には、貫通孔の形成後におけるカートン材の強度が低下し、後述する層分離工程において、攪拌操作によりカートン材が破断され、分離効率の低下、回収される紙の品質の低下を招くおそれがある。
貫通孔の開口形状は、円形、楕円形、四角形、三角形など、特に限定されるものではない。
本発明の分別回収方法における層分離工程は、複数の貫通孔が形成されたカートン材を酵素水溶液中に浸漬して、この系を攪拌処理することにより、貫通孔の内周面からカートン材の基材に酵素水溶液を浸透させ、基材を構成する紙を、セルロース分解酵素により分解して、ラミネート層(ラミネート材料)から分離させる工程である。
かかるセルロース分解酵素としては、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、マンナーゼおよびアミラーゼなどを例示することができる。
無機弱酸としては、過塩素酸、次亜塩素酸などを例示することができる。
酵素水溶液のpHを、例えば3〜5の範囲内に調整するために使用する有機酸または無機弱酸の濃度は、通常0.0005〜5質量%とされる。
酵素水溶液のpHを、例えば8〜10の範囲内とするために使用するアルカリの濃度は、通常0.001〜10質量%とされ、好ましくは0.01〜5重量%とされる。
ここに、攪拌処理方法としては、カートンが浸漬された酵素水溶液を処理槽内に収容し、攪拌羽根により機械的攪拌する方法、水流ポンプにより水流攪拌する方法などを例示することができる。
基材が分離された後のラミネート材料は、処理前のカートン材の形状が維持されたフィルム(片)となり、このフィルム(基材との接触面)には、基材(紙)の痕跡は認められない。
一方、基材を構成していた紙は、繊維状に分解された状態で酵素水溶液中に分散されて懸濁液(紙含有懸濁液)を構成する。
本発明の分別回収方法におけるラミネート材料回収工程は、カートン材から基材(紙)が分離されて残る、ラミネート層に由来するフィルム状のラミネート材料を分別回収する工程である。
ラミネート材料回収工程は、紙回収工程の前に実施(紙含有懸濁液からの回収)してもよいし、紙回収工程の後に実施(酵素水溶液からの回収)してもよい。
ここに、回収方法としては、例えば、ラミネート材料を通過させないメッシュサイズの網を使用する方法を挙げることができる。なお、網のメッシュサイズは、回収すべきラミネート材料のサイズ(仕込んだカートン材のサイズ)に応じて適宜選択することができる。また、ラミネート材料のサイズが大きい場合には、網などを使用しなくても回収することができる。
本発明の分別回収方法における紙回収工程は、紙含有懸濁液から紙を回収する工程である。
ここに、回収方法としては、掻き出し可能な遠心分離機などを使用し、紙含有懸濁液を遠心分離して繊維状態の紙を回収する方法を挙げることができる。ここに、濾過布としては、不織布またはガラス繊維製のものを好適に使用することができる。
また、本発明の分別回収方法による処理を連続的(循環式)に行う場合において、紙とラミネート材料との分離系(分離処理室)における紙含有懸濁液を連続的に系外に誘導し、フィルタープレスなどの濾過装置によって紙含有懸濁液から紙を濾別回収し、濾液である酵素水溶液を前記分離系に還流する方法を採用することもできる。このような方法を採用することにより、分離系に残留するラミネート材料に紙が(再)付着することを有効に防止することができる。
すなわち、上記のようにして、ラミネート材料および紙を回収した後の酵素水溶液中には、セルロース分解酵素が含有されている。従って、この酵素水溶液中に、穿孔工程を経た新たなカートン材を仕込み、本発明の分別回収方法(層分離工程・ラミネート材料回収工程・紙回収工程)を再び実施することができる。
このように、新たに処理されるカートン材における層分離のために、セルロース分解酵素を酵素水溶液中に新たに添加しなくても、当該カートン材から、ラミネート材料と紙とを分別回収することができるので、繰り返し処理が可能となり、経済的にも更に有利である。なお、分別回収(層分離工程・ラミネート材料回収工程・紙回収工程)を再び実施する際に、不可避的に失われるセルロース分解酵素や水を補充してもよいことは勿論である。
(1)カートンの展開工程:
紙とラミネート材料との分別回収に使用されるカートンとして、ポリエチレンフィルムによるラミネート層が紙基材の両面に形成された3層構造(PE/紙基材/PE)のラミネート紙を熱融着加工して組み立ててなる、容量1000mLの使用済みの牛乳パック(質量=31.3g)を4個を準備し、リサイクルを目的として表示されている解体方法に従って各々を展開した後、縦方向に切断して分割することにより、図1(1)に示すような形状の試験片Aと、同図(2)に示すような形状の試験片Bとを4枚ずつ作製した。
試験片Bは、ラミネート紙を貼り合わせた熱融着部分W(幅15mm)を有する胴部B1(300mm×140mm)と、3層構造のラミネート紙を2〜4枚貼り合わせて形成された底部B2(70mm×70mm)とからなる。
上記の展開工程で得られた試験片Aおよび試験片Bの各々について、三つ目錐を使用して、一辺の長さが2.5〜3mmである正三角形の開口形状を有する貫通孔(開口面積=2.7〜3.9mm2 )を、約0.5個/cm2 の密度で全領域に形成した。
セルラーゼの市販品「エンチロンCM−40L」(洛東化成工業株式会社製)35gと、クエン酸7gとを水7Lに溶解することにより、セルラーゼ濃度0.5%、pH4の酵素水溶液を調製した。
得られた酵素水溶液を、攪拌羽根を底部に備えた内容量10Lの処理槽内において50℃に加温し、これに、穿孔工程により複数の貫通孔が形成された試験片Aおよび試験片Bを4枚ずつ(合計質量125g)加えて機械的攪拌を行った。
60分経過後、試験片Aを構成していた基材(紙)は繊維状に分解されてラミネート層から分離された状態で浮遊していた。
また、試験片Bを構成していた基材(紙)は、胴部B1の熱融着部分W(6層構造)、底部B2の一部を除いて、繊維状に分解されてラミネート層から分離された状態で浮遊していた。
90分経過後、胴部B1の熱融着部分Wおよび底部B2の一部を含む、試験片Bを構成していた基材(紙)のすべてが、繊維状に分解されてラミネート層から分離された状態で浮遊していた。
層分離工程において、ラミネート層から分離された紙の分散液(紙含有懸濁液)を処理槽から抜き出し、当該分散液から紙を濾別して回収し、これを110℃の乾燥機で1時間乾燥することにより、基材に由来する繊維状態の紙102.3gを回収した。また、紙を濾別した後の濾液(酵素水溶液)は処理槽に戻した。
紙が分離された後のラミネート材料を処理槽から取り出し、僅かに付着している紙を水で洗浄することにより、ラミネート層に由来するラミネート材料(試験片と同一形状のポリエチレンフィルム)22.5gを回収した。
実施例1(1)と同様にして、牛乳パック(質量=31.3g)4個から、試験片Aと試験片Bとを4枚ずつ作製した。
次いで、穿孔工程を実施せずに、貫通孔が形成されていない上記の試験片Aおよび試験片Bを使用したこと以外は実施例1(3)と同様にして、酵素水溶液中に試験片(合計質量125g)を加えて機械的攪拌を行った。
60分経過後、貫通孔が形成されていない試験片Aおよび試験片Bを観察したところ、何れも、基材とラミネート層とは分離されておらず、カートン材(ラミネート紙)としての形態を維持していた。
90分経過後、試験片Aを構成していた基材(紙)は、繊維状に分解されてラミネート層から分離されたが、試験片Bにあっては、胴部B1の熱融着部分W、底部B2の一部において、基材とラミネート層との分離は認められなかった。貫通孔が形成されていない試験片Bを構成していた基材(紙)のすべてがラミネート層から分離されたのは、攪拌を開始してから150分経過後であった。
次いで、実施例1(4)、(5)と同様にして、基材に由来する紙およびラミネート層に由来するラミネート材料を回収した。
(1)カートンの展開工程:
紙とラミネート材料との分別回収に使用されるカートンとして、ポリエチレンフィルムによるラミネート層が紙基材の一面に形成され、この紙基材の他面に、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルムによるラミネート層が形成された構造(PE/紙基材/アルミニウム/PE)のラミネート紙を熱融着加工して組み立ててなる、容量1800mLの使用済みのアルコール飲料用のカートンを4個を準備した。
次いで、4個のカートンの各々について、口栓部のある上部と、底部とを切り離して残った胴部(49.4g)を、熱融着部分を避けて縦方向に切断して分割することにより、熱融着部分(貼り合わせ部分)を有しない試験片C(縦255mm、横170mm)と、幅30mmの熱融着部分を有する試験片D(縦255mm、横170mm)とを作製した。
上記の展開工程で得られた4枚の試験片Cおよび4枚の試験片Dの各々について、四つ目錐を使用して、一辺の長さが2〜2.5mmである正方形の開口形状を有する貫通孔(開口面積=4〜6.25mm2 )を全領域に形成した。
ここに、貫通孔の形成密度は、試験片Dの熱融着部分について約0.5個/cm2 とし、それ以外の領域については約0.4個/cm2 とした。
セルラーゼの市販品「セルラーゼSS」(長瀬エンザイム株式会社製)14gと、クエン酸7gとを水7Lに溶解することにより、セルラーゼ濃度0.2%、pH4の酵素水溶液を調製した。
得られた酵素水溶液を、攪拌羽根を底部に備えた内容量10Lの処理槽内において50℃に加温し、これに、穿孔工程により複数の貫通孔が形成された試験片Cおよび試験片Dを4枚ずつ(合計質量198g)加えて、間欠的に回転させること(5秒間回転、1秒間停止)よる機械的攪拌を行った。
90分経過後、試験片Cを構成していた基材(紙)は繊維状に分解されてラミネート層から分離された状態で浮遊していた。
また、試験片Dを構成していた基材(紙)は、熱融着部分を除いて、繊維状に分解されてラミネート層から分離された状態で浮遊していた。
150分経過後、熱融着部分を含む試験片Dを構成していた基材(紙)のすべてが、繊維状に分解されてラミネート層から分離された状態で浮遊していた。
層分離工程において、ラミネート層から分離された紙の分散液(紙含有懸濁液)を処理槽から抜き出し、当該分散液から紙を濾別して回収し、これを100℃の乾燥機で1時間乾燥することにより、基材に由来する繊維状態の紙166gを回収した。紙を濾別した後の濾液(酵素水溶液)は処理槽に戻した。
紙が分離された後のラミネート材料を処理槽から取り出し、僅かに付着している紙を水で洗浄することにより、ラミネート層に由来するラミネート材料31.7g(ポリエチレンフィルム4.8g、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム26.9g)を回収した。
実施例2(1)と同様にして、アルコール飲料用のカートン4個から、試験片Cと試験片Dとを4枚ずつ作製した。
次いで、穿孔工程を実施せずに、貫通孔が形成されていない上記の試験片Cおよび試験片Dを使用したこと以外は実施例2(3)と同様にして、酵素水溶液中に試験片(合計質量198g)を加えて機械的攪拌を行った。
90分経過後、貫通孔が形成されていない試験片Cおよび試験片Dを観察したところ、何れも、基材とラミネート層とは分離されておらず、カートン材としての形態を維持していた。
180分経過後、試験片Cを構成していた基材(紙)は、繊維状に分解されてラミネート層から分離されたが、試験片Dにあっては、熱融着部分において、基材とラミネート層との分離は認められなかった。貫通孔が形成されていない試験片Dを構成していた基材(紙)のすべてがラミネート層から分離されたのは、攪拌を開始してから240分後であった。
次いで、実施例2(4)、(5)と同様にして、基材に由来する紙およびラミネート層に由来するラミネート材料を回収した。
B 試験片
B1 胴部
B2 底部
W 熱融着部分
Claims (9)
- 紙からなる基材の両面にラミネート層が形成されてなる液体用のカートン材から、前記基材を構成する紙と、ラミネート材料とを分別回収する方法であって、
前記カートン材に貫通孔を複数形成する穿孔工程と、
複数の貫通孔が形成された当該カートン材を、セルロースを分解可能な酵素の水溶液中に浸漬し、この系を攪拌処理することにより、基材を構成する紙とラミネート材料とを分離する工程と、
分離されたラミネート材料を分別回収する工程と、
分離された紙を濾別回収する工程と、
を含むことを特徴とするカートン材からの紙とラミネート材料の分別回収方法。 - 前記穿孔工程において、開口面積が40mm2 以下の貫通孔を0.2〜1個/cm2 の密度で前記カートン材に形成することを特徴とする請求項1に記載の分別回収方法。
- 前記水溶液には、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、マンナーゼおよびアミラーゼから選ばれた少なくとも1種の酵素が0.005〜20質量%の割合で溶解されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分別回収方法。
- 前記カートン材は、カートンを展開して得られる平板であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の分別回収方法。
- 前記カートン材は、カートンを圧潰して得られることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の分別回収方法。
- 前記カートン材は、カートンを裁断して得られることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の分別回収方法。
- 前記カートン材は、金属蒸着樹脂フィルムによるラミネート層を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の分別回収方法。
- 回分式に実施する請求項1乃至請求項7に記載の分別回収方法であって、
紙およびラミネート材料が回収された後の酵素の水溶液を、次の処理に再利用することを特徴とする分別回収方法。 - 循環式に実施する請求項1乃至請求項7に記載の分別回収方法であって、
紙とラミネート材料との分離系から、分離された紙を含有する懸濁液を取り出して当該紙を濾別回収し、濾液である酵素の水溶液を前記分離系に還流することを特徴とする分別回収方法。
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- 2009-05-08 JP JP2009113726A patent/JP2010260012A/ja active Pending
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