JP2010259210A - 回転電機制御装置 - Google Patents

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Takashi Ogawa
崇 小川
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Abstract

【課題】欠相故障の迅速な検出を可能にする回転電機制御装置を提供することである。
【解決手段】回転電機制御装置40は、回転電機の各相の電流をそれぞれ取得する各相電流取得処理部42と、各相電流について、最小閾値以下である電流値がサンプリング数閾値以上連続して検出されるか否かを判断し、サンプリング数閾値以上連続して検出される相があるときに、その相を欠相可能性のある相であると判断する最小閾値判断処理部44と、欠相可能性のある相と判断されたときに、欠相可能性のある相以外の相の電流値について、最大閾値を超える電流値を取得したか否かを判断する最大閾値判断処理部46と、欠相可能性のある相以外の相で、最大閾値を超える電流値が取得される相があるときに、欠相可能性のある相が欠相故障であると判断する欠相判断処理部48とを備えて構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機制御装置に係り、特に、インバータが接続される回転電機についての回転電機制御装置に関する。
回転電機にはその駆動用としてインバータが接続される。インバータは、複数のスイッチング素子とダイオードとを組み合わせた回路で、上アームスイッチング素子と上アームダイオードを並列接続したものを上アーム素子とし、下アームスイッチング素子と下アームダイオードを並列接続したものを下アーム素子としてこれらを直列接続したものを1つの相の単位として、複数相並列に接続して構成される。例えば、3相交流回転電機には、U相、V相、W相の各相に対応して、それぞれ上アーム素子と下アーム素子とを直列接続された各相用アームが3相分並列接続されたインバータが用いられる。
このように、各相ごとに2つのスイッチング素子を用いるので、3相回転電機に接続されるインバータには、6つのスイッチング素子が含まれる。これらの各スイッチング素子のうち1つの動作に不具合が生じると、そのスイッチング素子が含まれる相の交流電流波形のプラス側あるいはマイナス側が欠けたものとなり、いわゆる欠相故障となる。欠相故障となると回転電機動作が正常でなくなるので、欠相故障の検出を行うことが必要である。
例えば、特許文献1には、3相交流電動機の制御装置として、駆動用インバータのスイッチング素子が故障したことを、各相についてその相の電流を積算し、モータ回転の1周期についての値が正か負によって上アーム素子のオープン故障か下アーム素子のオープン故障かを判別することが述べられている。
また、特許文献2には、モータの動作不良が生じたときの故障検知装置として、各相電流のそれぞれを測定し、それらの間の最小値に対するそれらの間の最大値の比を電流比Xとして求め、平常状態ではXはほぼ1となり、故障のときはXが1より大となることが述べられている。そして、通電線の接続不良による欠相の場合の方が、インバータ回路の不良によるすべての相に電流が流れていてバランスが崩れている場合に比べXが大きくなることを指摘している。
特許文献3には、2相電流検出によって他の相の電流も求める方式の電力変換装置における欠相検出の方法として、2相電流検出によって他の相の電流も求めたときの各相電流値と、このようにして求められる各相電流の瞬時値の絶対値を所定期間それぞれ加算した値を求めて、相互に比較することが述べられている。そして、インバータ出力が正常であれば3相電流がバランスしていて、これらの絶対値の加算値もほぼ同じ値となるが、欠相が生じると、欠相していない各相にもバランスが崩れるので、それぞれの絶対値の加算値にも相互的に差が生じるので、その差の大きさによって欠相の有無を判定することが述べられている。
特許文献4には、欠相を検知できるモータ制御システムとして、d軸電流Idとq軸電流を見ると、正常状態ではId=0で、Iqは指令値の一定値になるが、欠相すると、Idの絶対値は、0を中心に歪んだ波形となり、Iqの絶対値はIq指令値を中心に歪んだ波形となり、その比は0ではなくある値をとることになると述べられている。そして、Idの絶対値がある閾値を超え、Id絶対値とIq絶対値の比がある範囲にあるときに欠相であると検知できると述べられている。
特開2005−94873号公報 特開2005−181167号公報 特開2007−89261号公報 特開2008−92690号公報
上記のように、従来技術においては、インバータが接続される回転電機において、回転電機の各相に流れる電流に関する様々な評価に基づいて欠相判断を行なうことが述べられている。すなわち、各相に流れる電流に関する様々な評価としては、周知のように、各相電流の総和がゼロから乖離するオフセット電流を用いる方法の他に、特許文献1に述べられている各相電流ごとの積算値、特許文献2に述べられている各相電流ごとの最大値と最小値の比、特許文献3に述べられている各相電流の瞬時値の絶対値の加算、特許文献4に述べられているId電流の絶対値とIq電流の絶対値とその比等がある。
これら従来技術に述べられている方法は、各相電流を検出した後、積算処理、最大最小比較処理、加算処理、絶対値比算出処理等を行うので、欠相判断に時間を要する。また、従来から知られている各相電流の総和がゼロから乖離するオフセット電流を用いる方法も、ノイズ等の除去のために適当ななまし処理等が行われ、やはり欠相判断までに時間を要する。欠相故障が生じると、回転電機の動作不調の他に、回転電機に永久磁石を用いる場合にはその磁石の減磁等の他の故障を引き起こす恐れがある。
本発明の目的は、欠相故障の迅速な検出を可能にする回転電機制御装置を提供することである。
本発明に係る回転電機制御装置は、回転電機に接続されるインバータを構成する複数のスイッチング素子の中の1つの故障である欠相故障を検知する装置であって、回転電機の各相の電流をサンプリングによりそれぞれ取得する手段と、各相電流について、予め定めた最小閾値以下である電流値が予め定めたサンプリング数閾値以上連続して検出されるか否かを判断し、サンプリング数閾値以上連続して検出される相があるときに、その相を欠相可能性のある相であると判断する最小閾値判断手段と、欠相可能性のある相と判断されたときに、欠相可能性のある相以外の相の電流値について、予め定めた最大閾値を超える電流値を取得したか否かを判断する最大閾値判断手段と、欠相可能性のある相以外の相で、最大閾値を超える電流値が取得される相があるときに、欠相可能性のある相が欠相故障であると判断する欠相判断手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る回転電機制御装置において、最大閾値判断手段は、欠相が生じたときに欠相が生じていない他の相の相電流が増加する値を予め取得し、その値に基づいて設定される最大閾値を用い、または、回転電機の運転状態のトルクから求められる各相電流値に基づいて設定される最大閾値を用いることが好ましい。
上記構成により、回転電機制御装置は、各相電流について、予め定めた最小閾値以下である電流値が予め定めたサンプリング数閾値以上連続して検出される相があるときに、その相以外の相の電流値について、予め定めた最大閾値を超える電流値が取得される相があるときに、欠相可能性のある相が欠相故障であると判断する。
ここでは、最小閾値以下である電流値が予め定めたサンプリング数閾値以上連続して検出される相があると、すぐに、最大閾値を超える電流値が取得される相があるか否かを判断することで、欠相判断がなされる。積算処理、最大最小比較処理、加算処理、絶対値比算出処理、なまし処理等の時間を要する処理を要せず、単に電流値を取得し閾値と比較するだけである。したがって、迅速に欠相故障を検知することができる。
また、回転電機制御装置において、欠相が生じたときに欠相が生じていない他の相の相電流が増加する値を予め取得し、これに基づいて最大閾値を設定するので、最大閾値を適切に容易に行なうことができる。または、回転電機の運転状態のトルクから求められる各相電流値に基づいて最大閾値を設定するものとするので、回転電機の運転状態に応じた最大閾値の設定を行うことができる。回転電機の最大トルクに基づいて最大閾値を設定するものとすれば、さらに適切に容易に最大閾値を設定することができる。
本発明に係る実施の形態の回転電機制御装置の構成を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、欠相故障を確定する様子を説明する図である。 比較として、従来技術において、欠相故障を確定する様子を説明する図である。
以下に図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、回転電機制御装置が用いられるものとして、回転電機が搭載される車両を説明するが、これは例示であって、少なくともインバータによって駆動される回転電機を用いるものであればよい。
また、この車両には、回転電機として、モータ機能と発電機機能とを有するモータ・ジェネレータを1台用いるものとして説明するが、これは例示であって、モータ・ジェネレータを2台以上用いるものとしてもよい。また、モータ機能のみを有する回転電機を1台、発電機機能のみを有する回転電機を1台用いるものとしてもよい。なお、車両としては、回転電機の他に、エンジンを搭載するものとしてもよい。
以下では、回転電機に接続される電源回路として、蓄電装置、システムメインリレー、電圧変換器、インバータ、平滑コンデンサを含む構成を説明するが、これは例示であって、これら以外の要素を含むものとしてもよい。例えば低電圧DC/DCコンバータ等を含むことができる。また、蓄電装置とは別に、燃料電池を電源として含むものとしてもよい。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、車両に搭載される回転電機についての回転電機制御システム8についてその構成を示す図である。回転電機制御システム8は、回転電機30と、これに接続される電源回路10と、これらの構成要素の動作を全体として制御する回転電機制御装置40とを含んで構成される。
回転電機30は、車両に搭載されるモータ・ジェネレータ(MG)であって、電源回路10に含まれる蓄電装置12から電力が供給されるときはモータとして機能し、図示されていないエンジンによる駆動時、あるいは車両の制動時には発電機として機能する3相同期型回転電機である。
電源回路10は、回転電機30と接続される回路であり、回転電機30が駆動モータとして機能するときにこれに電力を供給し、あるいは回転電機30が発電機として機能するときは回生電力を受け取って蓄電装置12を充電する機能を有する。電源回路10は、2次電池である蓄電装置12と、システムメインリレー14と、蓄電装置12側の平滑コンデンサ16と、電圧変換器18と、インバータ22側の平滑コンデンサ20と、インバータ22を含んで構成される。
蓄電装置12としては、例えば、約200Vの端子電圧を有するリチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池、またはキャパシタ等を用いることができる。
システムメインリレー14は、回転電機30の運転停止等のときに、高圧の電源系を回転電機30等から切り離すことができるようにするための遮断と接続の切替が可能なリレーである。
電圧変換器18は、蓄電装置12側の電圧をリアクトルのエネルギ蓄積作用を利用して例えば約650Vに昇圧する機能を有する回路で、昇圧コンバータとも呼ばれる。なお、電圧変換器18は双方向機能を有し、インバータ22側からの電力を蓄電装置12側に充電電力として供給するときには、インバータ22側の高圧を蓄電装置12に適した電圧に降圧する作用も有する。
蓄電装置12側の平滑コンデンサ16と、インバータ22側の平滑コンデンサ20は、それぞれの側の正極母線と負極母線との間における電圧、電流の変動を抑制し平滑化する機能を有する。
インバータ22は、回転電機制御装置40の制御の下で作動する複数のスイッチング素子を含んで構成され,交流電力と直流電力との間の電力変換を行う回路である。インバータ22は、車両が力行のとき、蓄電装置12側からの直流電力を交流3相駆動電力に変換し、回転電機30に駆動電力として供給する直交変換機能と、車両が制動のとき、逆に回転電機30からの交流3相回生電力を直流電力に変換し、蓄電装置12側に充電電流として供給する交直変換機能とを有する。
かかるインバータ22は、複数のスイッチング素子とダイオードとを組み合わせた回路で、上アームスイッチング素子に上アームダイオードを逆並列接続したものを上アーム素子とし、下アームスイッチング素子に下アームダイオードを逆並列接続したものを下アーム素子としてこれらを直列接続したものを1つの相の単位として、複数相並列に接続して構成される。例えば、3相交流回転電機には、U相、V相、W相の各相に対応して、それぞれ上アーム素子と下アーム素子とを直列接続された各相用アームが3相分並列接続されたインバータが用いられる。
例えば、U相用アームの上スイッチング素子と下スイッチング素子との接続点から引き出された配線が回転電機のU相コイルに接続される。同様に、V相用アームの上スイッチング素子と下スイッチング素子との接続点から引き出された配線が回転電機のV相コイルに接続され、W相用アームの上スイッチング素子と下スイッチング素子との接続点から引き出された配線が回転電機のW相コイルに接続される。図1の例では、回転電機30において、各相コイルは中性点で共通接続されているので、インバータ22の各相用アームから引き出された配線は、各コイルの中性点でない方の端子にそれぞれ接続されることになる。
このようにして、インバータ22のそれぞれの各相アームから回転電機30の各相コイルに配線が行なわれる。そして、この配線を通して、回転電機駆動時にはインバータ側から駆動電流が回転電機側に供給され、回生時には回転電機側から発電電流がインバータ側に供給される。このように回転電機30の各相に流れる電流は、インバータ22と回転電機30とを接続する各配線を通る。
インバータ22と回転電機30とを接続する3つの各配線を流れる電流は、回転電機30の各相に流れる電流として、適当な電流検出センサを用いて検出され、回転電機制御装置40に伝送される。
図1の例では、3相回転電機である回転電機30に接続されるインバータ22のそれぞれが各相ごとに2つのスイッチング素子を用いるので、インバータ22に6つのスイッチング素子が含まれる。これらの各スイッチング素子のうち1つの動作に不具合が生じると、そのスイッチング素子が含まれる相の交流電流波形のプラス側あるいはマイナス側が欠けたものとなり、いわゆる欠相故障となる。
このように、欠相故障においては、回転電機の各相に流れる電流のうち、対応する相電流のプラス側またはマイナス側が欠けたものとなる。また、上記のように、回転電機30の各相コイルは中性点で共通接続されるので、回転電機を流れる各相電流は、(U相電流値+V相電流値+W相電流値)=0となるはずであるが、欠相故障になると、このバランスも崩れる。したがって、(U相電流値+V相電流値+W相電流値)=0とならず、さらに、欠相故障した相電流以外の相電流の波形も歪を生じることになる。欠相故障のときの相電流の波形の変化については、後に図2を用いて詳細に述べる。
このように、欠相故障が生じると、回転電機の各相に流れる電流の波形が正常状態から変化し、回転電機の動作が正常でなくなり、永久磁石を用いるときはその減磁を引き起こすこともあるので、欠相故障の検出を行うことが必要となる。
かかる欠相故障としては、スイッチング素子そのものが作動故障する場合と、回転電機制御装置40からスイッチング素子に供給される制御信号に不具合がある場合とがある。後者の例としては、回転電機制御装置40から各スイッチング素子への制御信号線に断線等が生じている場合等である。
回転電機制御装置40は、電源回路10等の制御を通して、車両に搭載される回転電機30の作動を全体として制御する機能を有する。特にここでは、インバータ22の欠相故障の検出を効果的に行なうための制御を行う機能を有する。かかる回転電機制御装置40は、車両搭載に適したコンピュータ等で構成することができる。回転電機制御装置40の機能は、他の車両搭載コンピュータの機能の一部とすることもできる。例えば、車両全体の制御を行うハイブリッドECU等に、回転電機制御装置40の機能を持たせることができる。
回転電機制御装置40は、回転電機の各相の電流をサンプリング等によりそれぞれ取得する各相電流取得処理部42と、各相電流について、予め定めた最小閾値以下である電流値が予め定めたサンプリング数閾値以上連続して検出されるか否かを判断し、サンプリング数閾値以上連続して検出される相があるときに、その相を欠相可能性のある相であると判断する最小閾値判断処理部44と、欠相可能性のある相と判断されたときに、欠相可能性のある相以外の相の電流値について、予め定めた最大閾値を超える電流値を取得したか否かを判断する最大閾値判断処理部46と、欠相可能性のある相以外の相で、最大閾値を超える電流値が取得される相があるときに、欠相可能性のある相が欠相故障であると判断する欠相判断処理部48とを備えて構成される。
かかる機能はソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、回転電機制御プログラムを実行することで実現できる。これらの機能の一部をハードウェアによって実現するものとしてもよい。
上記構成の作用、特に回転電機制御装置40の各機能について、図2を用いて詳細に説明する。図2は、例示として、V相電流の検出において欠相可能性があるときに、V相とは別の相であるU相の電流検出を用いて欠相故障の有無を判断する様子を説明する図である。図2の横軸は時間であり、縦軸には、U相電流、V相電流、欠相故障に関する異常確定フラグの状態がそれぞれとられている。
各相電流は、上記のように適当な電流検出センサを用いて検出され、その検出値は適当な信号線で回転電機制御装置40に伝送される。伝送タイミングは適当なサンプリング間隔で行なわれる。サンプリング間隔は、各相電流の1周期に比べ十分短く、好ましくは、1周期に数十個のサンプリングを行なうことがよい(各相電流取得工程)。この工程は、回転電機制御装置40の各相電流取得処理部42の機能によって実行される。
回転電機制御装置40では、取得された各相電流をについて、それぞれ最小閾値IMINと最大閾値IMAXを設定し、各サンプリングタイミングごとに、取得された各相電流値が最小閾値IMIN以下となるか否か(最小閾値判断工程)、最大閾値IMAXを超えるか否か(最大閾値判断工程)がリアルタイム的に判断される。
最小閾値IMINは、欠相故障のある相電流が電流値=0を中心としてプラス側またはマイナス側が欠けたものとなることに着目して、電流値=0となるか否かを判断するために設けられるものである。したがって、電流値=0について検出誤差程度の余裕を加えた値を最小閾値IMINとすることができる。例えば、通常運転状態の各相電流の波高値の数%程度を最小閾値IMINとすることができる。回転電機30の通常運転状態がかなりの幅を有するときは、最も相電流が小さくなる通常運転状態を基準としてその数%程度を最小閾値IMINとすることがよい。
最大閾値IMAXは、ある相が欠相故障になると、(U相電流値+V相電流値+W相電流値)=0となるはずのバランスが崩れ、さらに、欠相故障した相電流以外の相電流の波形も歪を生じ、通常時よりも過大なピーク電流となることに着目して、欠相故障した相電流以外の相電流に過大なピーク電流が流れるか否かを判断するために設けられる。したがって、通常運転状態の相電流のピーク電流値を基準とし、電流ばらつき等を考慮して、適当な余裕を加えた値を最大閾値IMAXとすることができる。
例えば、欠相が生じたときに欠相が生じていない他の相の相電流が増加する値を予め取得し、その値に基づいて最大閾値IMAXを設定することができる。あるいは、回転電機30のトルクの大きさと相電流の大きさとはほぼ比例関係にあることを利用し、回転電機30の現在の運転状態のトルクから求められる各相電流値に基づいて最大閾値IMAXを設定することができる。回転電機30の最大トルクが定められているときは、その最大トルクに対応する相電流値に基づいて最大閾値IMAXを設定するものとすれば、さらに適切に容易に最大閾値IMAXを設定することができる。
欠相故障の判断は、2つの条件を共に満たしたときに、欠相故障として確定的に判断される。第1条件は、各相電流について、上記で説明したように予め定めた最小閾値IMIN以下である電流値が予め定めたサンプリング数閾値以上連続して検出されることである。第2条件は、欠相可能性のある相があると判断されたときに、欠相可能性のある相以外の相の電流値について、上記で説明したように予め定めた最大閾値IMAXを超える電流値が取得されることである。いずれか1つの条件を満たすだけでは欠相故障とは判断しない。
第1条件におけるサンプリング数閾値は、相電流は正常状態であっても必ず電流=0の状態を1周期の中で通過するので、その正常状態と区別するために設けられる。サンプリング数閾値は、相電流の1周期とサンプリング間隔との関係で、正常状態のときに最小閾値IMIN以下の電流値を検出するサンプリング数に基づいて設定される。
図2に丸印で示されるサンプリングタイミングの場合は、正常状態であっても最小閾値IMIN以下となるのが1−2サンプリングであると考えられるので、サンプリング数閾値を3と設定することができる。勿論、場合によって、これ以外のサンプリング数閾値の設定を行なうことができる。
第1条件においては、最小閾値IMIN以下である電流値が連続して検出されることが必要である。これは、相電流のばらつきによって偶発的に最小閾値IMINとなることが生じることを除外するためである。
第1条件の判断は、回転電機制御装置40の最小閾値判断処理部44の機能によって実行され、第2条件の判断は、回転電機制御装置40の最大閾値判断処理部46の機能によって実行される。
2つの条件を満たすと、そこで初めて、第1条件を満たした相に欠相故障があると確定的な判断がなされる(欠相判断工程)。この判断は、回転電機制御装置40の欠相判断処理部48の機能によって実行される。欠相故障であることが確定すると、回転電機制御装置40は、異常対応処理を行う。例えば、異常確定フラグ信号を出力し、場合によっては、回転電機30の運転を停止する。
図2の例では、各相電流を監視していたところ、V相電流波形において、最小閾値IMIN以下となることが6サンプリングに渡って検出されている様子が示されている。ここで、上記の例でサンプリング数閾値を3と設定するときには、第1条件を満たすことになる。
第1条件を満たすと、そのサンプリングタイミングで、V相以外の相であるU相およびW相の相電流がそれぞれ第2条件を満たすか否かが判断される。図2では、U相電流波形において、IMAXを超えていることが確認されたので、これで第2条件も満たすことになる。そこで、そのタイミングである時間t1において、V相において欠相故障があると確定的に判断され、異常確定フラグが「0」レベルから「1」レベルに変更されて出力される。
このように、数サンプリングの時間で第1条件が判断され、第1条件が満たされると、同じサンプリングタイミングで、あるいは次のサンプリングタイミングで第2条件が判断され、第2条件も満たされると、これとほぼ同時に異常確定フラグが出力される。したがって、迅速に欠相故障の判断を行なうことができる。
図3は、比較のために、従来技術のオフセット電流検出による欠相故障判断の様子を説明する図である。オフセット電流検出は、上記のように、ある相が欠相故障になると、(U相電流値+V相電流値+W相電流値)=0となるはずのバランスが崩れ、オフセット電流が検出されることを利用するものである。すなわち、各相電流を検出してその和を計算し、ゼロか否かを判断する。その際に、ノイズ等の影響を除去するため、フィルタ等を用いた検出値なまし処理が行われる。
図3では、時間t0で、オフセット電流がゼロから外れているが、なまし処理の閾値であるIthになるのは時間t1である。時間t0と時間t1の差は、なまし処理のフィルタ等による時間遅れによって生じる。異常確定フラグは、この時間t1のときに「0」レベルから「1」レベルに変更されて出力される。
図2で説明したサンプリング間隔は、従来技術のなまし処理における時間遅れに比べ、はるかに短い時間に設定することができる。したがって、図1の構成によれば、従来技術に比べ、迅速に欠相故障を確定的に判断することができる。
本発明に係る回転電機制御装置は、インバータと回転電機とが接続されるシステムにおける欠相故障判断に利用できる。
8 回転電機制御システム、10 電源回路、12 蓄電装置、14 システムメインリレー、16,20 平滑コンデンサ、18 電圧変換器、22 インバータ、30 回転電機、40 回転電機制御装置、42 各相電流取得処理部、44 最小閾値判断処理部、46 最大閾値判断処理部、48 欠相判断処理部。

Claims (2)

  1. 回転電機に接続されるインバータを構成する複数のスイッチング素子の中の1つの故障である欠相故障を検知する装置であって、
    回転電機の各相の電流をサンプリングによりそれぞれ取得する手段と、
    各相電流について、予め定めた最小閾値以下である電流値が予め定めたサンプリング数閾値以上連続して検出されるか否かを判断し、サンプリング数閾値以上連続して検出される相があるときに、その相を欠相可能性のある相であると判断する最小閾値判断手段と、
    欠相可能性のある相と判断されたときに、欠相可能性のある相以外の相の電流値について、予め定めた最大閾値を超える電流値を取得したか否かを判断する最大閾値判断手段と、
    欠相可能性のある相以外の相で、最大閾値を超える電流値が取得される相があるときに、欠相可能性のある相が欠相故障であると判断する欠相判断手段と、
    を備えることを特徴とする回転電機制御装置。
  2. 請求項1に記載の回転電機制御装置において、
    最大閾値判断手段は、
    欠相が生じたときに欠相が生じていない他の相の相電流が増加する値を予め取得し、その値に基づいて設定される最大閾値を用い、または、
    回転電機の運転状態のトルクから求められる各相電流値に基づいて設定される最大閾値を用いることを特徴とする回転電機制御装置。
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