JP2010258981A - 磁気結合型アイソレータ - Google Patents

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洋介 井出
Masaji Saito
正路 斎藤
Akira Takahashi
高橋  彰
Go Nojima
剛 野島
Yoshihiro Nishiyama
義弘 西山
Hidekazu Kobayashi
秀和 小林
Naoki Sakazume
直樹 坂詰
Kenji Ichinohe
健司 一戸
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Abstract

【課題】外部磁場やEMSに対する耐性を十分に確保することができる磁気結合型アイソレータを提供すること。
【解決手段】本発明の磁気結合型アイソレータは、入力信号により外部磁界を発生させるためのコイル2と、コイル2と電気的に絶縁されるとともに磁気的結合が可能な位置であって、平面視においてコイル2と重なるように配置されており、前記外部磁界を検出して電気信号に変換するための磁気抵抗効果素子R1〜R4と、平面視においてコイル2及び磁気抵抗効果素子R1〜R4と重なるように配置された上部シールド膜41と、磁気抵抗効果素子R1〜R4を囲繞するように配置されたミドルシールド膜43と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、磁界発生部と磁気抵抗効果素子(TMR素子、CIP−GMR素子、CPP−GMR素子)とを備える磁気結合型アイソレータに関する。
電子回路において、例えば、大電流が流れる部分と信号伝送が行われている部分とが近接すると、大電流が流れることにより信号伝送に影響を及ぼすことがある。このため、電子回路の大電流が流れる部分と信号伝送が行われている部分とを電気的に分離する回路素子が必要となる。このような素子として、フォトカプラを用いた光アイソレータがある。この光アイソレータは、受光素子及び発光素子の組み合せで構成されており、電気から光に変換し、その後光から電気に変換して信号を伝達する機能を有する回路素子である。
一方、光アイソレータよりも小型化や低消費電力化を図ることができる磁気結合型アイソレータが開発されている。例えば、特許文献1、特許文献2には、入力信号を、磁気に変換するための磁界発生部と、前記磁界発生部から生じた外部磁界を検出して電気信号に変換するための磁気抵抗効果素子とを有する磁気結合型アイソレータが開示されている。ここで、磁気抵抗効果素子としては、ホール素子、AMR素子(異方性磁気抵抗効果素子)、あるいは、GMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)が使用される。
特許文献1,2に開示されている磁気結合型アイソレータにおいては、磁気発生部であるコイルの上部にシールド膜を設けることにより、外部環境からの不要磁場に対するシールド機能を発揮させている。このシールド膜は、コイルから磁気抵抗効果素子へ印加される磁場のコンセントレータ機能をも兼ね備えている。
特表2000−516714号公報 特表2003−526083号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示された磁気結合型アイソレータは、コイルの上部のみにシールド膜を配置している。したがって、外部磁場やEMS(Electro Magnetic Susceptibility)に対する耐性を十分に確保できないという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、外部磁場やEMSに対する耐性を十分に確保することができる磁気結合型アイソレータを提供することを目的とする。
本発明の磁気結合型アイソレータは、入力信号により外部磁界を発生させるための磁界発生部と、前記磁界発生部と電気的に絶縁されるとともに磁気的結合が可能な位置であって、平面視において前記磁界発生部と重なるように配置されており、前記外部磁界を検出して電気信号に変換するための磁気抵抗効果素子と、平面視において前記磁界発生部及び前記磁気抵抗効果素子と重なるように配置された第1シールド膜と、前記磁気抵抗効果素子を囲繞するように配置された第2シールド膜と、を具備することを特徴とする。
この構成によれば、平面視において磁界発生部及び磁気抵抗効果素子と重なるように配置された第1シールド膜と、磁気抵抗効果素子を囲繞するように配置された第2シールド膜と、を具備するので、外部磁場やEMSに対する耐性を十分に確保することができる。
本発明の磁気結合型アイソレータにおいては、前記磁界発生部は、外部磁界が互いに反対方向に発生する第1磁界発生部と第2磁界発生部とを有して構成され、前記第1磁界発生部と対向配置される前記磁気抵抗効果素子と、前記第2磁界発生部と対向配置される前記磁気抵抗効果素子とを備え、各磁気抵抗効果素子は、全て同じ層構成であり、前記第1磁界発生部と対向配置される前記磁気抵抗効果素子と、前記第2磁界発生部と対向配置される前記磁気抵抗効果素子とがブリッジ回路を構成していることが好ましい。
本発明の磁気結合型アイソレータにおいては、前記第1シールド膜は、前記磁界発生部から前記ブリッジ回路に印加される磁界をエンハンスする機能を有することが好ましい。
本発明の磁気結合型アイソレータにおいては、前記第1シールド膜及び/又は前記第2シールド膜が高透磁率材料で構成されていることが好ましい。
本発明の磁気結合型アイソレータにおいては、前記第1シールド膜及び/又は前記第2シールド膜は、平面視において点対称な形状を有しており、それぞれの対称の中心が一致していることが好ましい。
本発明の磁気結合型アイソレータにおいては、前記第1シールド膜は、前記第2シールド膜の外周位置よりも内側に配置されたことが好ましい。
本発明の磁気結合型アイソレータは、入力信号により外部磁界を発生させるための磁界発生部と、前記磁界発生部と電気的に絶縁されるとともに磁気的結合が可能な位置であって、平面視において前記磁界発生部と重なるように配置されており、前記外部磁界を検出して電気信号に変換するための磁気抵抗効果素子と、平面視において前記磁界発生部及び前記磁気抵抗効果素子と重なるように配置された第1シールド膜と、前記磁気抵抗効果素子を囲繞するように配置された第2シールド膜と、を具備するので、外部磁場やEMSに対する耐性を十分に確保することができる。
本発明の実施の形態に係る磁気結合型アイソレータの全体の回路構成図である。 磁気抵抗効果素子R1〜R4にて構成されるブリッジ回路図である。 本発明の実施の形態に係るにおける磁気結合型アイソレータを示す部分平面図である。 図3に示すA−A線に沿って厚さ方向に切断し矢印方向から見た部分断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気結合型アイソレータの部分断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気結合型アイソレータを構成するTMR素子の部分断面図である。 磁気結合型アイソレータにおけるシールド膜の構成と外部磁界を印加した場合の磁気抵抗効果素子に印加される磁界の割合との間の関係を示す図である。 磁気結合型アイソレータにおける上部シールド膜の大きさと磁気抵抗効果素子に印加される磁界の割合との間の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態の磁気結合型アイソレータ(磁気カプラ)の全体の回路構成図であり、図2は、磁気抵抗効果素子R1〜R4にて構成されるブリッジ回路図であり、図3は、本実施の形態における磁気結合型アイソレータの部分平面図であり、図4は、図3に示すA−A線に沿って厚さ方向に切断し矢印方向から見た部分断面図である。なお、図3では、絶縁層を図示せず、またコイル2の内縁及び外縁のみを示し、コイル2下に位置する磁気抵抗効果素子R1〜R4を透視して示した。
図1に示すように、磁気結合型アイソレータ1は、入力信号により外部磁界を発生させるための磁界発生部としてのコイル2と、外部磁界を検出して電気信号に変換するための磁気抵抗効果素子R1〜R4とを有して構成される。コイル2と各磁気抵抗効果素子R1〜R4は、図示しない絶縁層を介して電気的に絶縁されているが、磁気的結合が可能な間隔を空けて配置される。すなわち、コイル2と磁気抵抗効果素子R1〜R4とは、電気的に絶縁されるとともに磁気的結合が可能な位置に配置され、平面視において重なるように配置される。
ここで図1では、差動増幅器15や外部出力端子16等の信号処理回路(IC)までも含めて、磁気結合型アイソレータ1を定義しているが、磁気結合型アイソレータ1に前記信号処理回路(IC)を含めず、コイル2、磁気抵抗効果素子R1〜R4及び、図3に示す各端子10〜14を備える形態を、磁気結合型アイソレータ1と定義することもできる。かかる場合は、磁気結合型アイソレータ1を、電子機器側の信号処理回路(IC)と電気的に繋ぐことが必要になる。
コイル2は、図3に示すように、X1−X2方向に帯状に延びる第1磁界発生部3と第2磁界発生部4とを有する。第1磁界発生部3と第2磁界発生部4は、図示Y1−Y2方向に間隔を空けて対向している。第1磁界発生部3と第2磁界発生部4とは、連結部17,18を介して連結されている。連結部17,18は、湾曲状となっているが形態を限定するものではない。第1磁界発生部3、第2磁界発生部4、及び連結部17,18に囲まれて空間部19が形成されている。
図4に示すように、コイル2は、幅寸法T4で形成されたコイル片2’が所定の間隔T5を空けて、複数回、巻回形成された形状である。よって、図4に示すように、第1磁界発生部3及び第2磁界発生部4は、複数本のコイル片2’がY1−Y2方向に並設された構成となっている。
コイル2に接続される2つの電極パッド5,6が設けられている。電極パッド5,6は円形状であるが特に形状を限定するものではない。さらにコイル2は電極パッド5,6を介して図1に示すように送信回路7に接続されている。送信回路7から入力信号に基づく電流が流れると、コイル2から外部磁界が発生する。図4に示すように、第1磁界発生部3を構成するコイル片2’、及び第2磁界発生部4を構成するコイル片2’では電流の流れる向きが反平行である。よって、第1磁界発生部3を構成するコイル片2’により発生する外部磁界H1と、第2磁界発生部4を構成するコイル片2’により発生する外部磁界H2とは逆向きである。図3及び図4に示すように、第1磁界発生部3の下方(上方でもよい)、及び第2磁界発生部の下方(上方でもよい)には、夫々磁気抵抗効果素子R1〜R4が絶縁層(図示せず)を介して対向配置されている。そして、第1磁界発生部3と対向配置された第1磁気抵抗効果素子R1及び第4磁気抵抗効果素子R4に対して前記第1磁界発生部3より作用する外部磁界H3と、第2磁界発生部4と対向配置された第2磁気抵抗効果素子R2及び第3磁気抵抗効果素子R3に対して前記第2磁界発生部4より作用する外部磁界H4とは反平行である。
図2に示すように、第1磁気抵抗効果素子R1と第2磁気抵抗効果素子R2とは直列接続され、第3磁気抵抗効果素子R3と第4磁気抵抗効果素子R4とは直列接続されている。また、第1磁気抵抗効果素子R1と第3磁気抵抗効果素子R3とは入力端子(入力パッド)10に接続されている。この実施の形態では、入力端子10は1つである。また、第2磁気抵抗効果素子R2と第4磁気抵抗効果素子R4とは夫々、別々のグランド端子(グランドパッド)11,12に接続されている。よって、この実施の形態では、グランド端子11,12は2つある。
図2に示すように、第1磁気抵抗効果素子R1と第2磁気抵抗効果素子R2との間には第1出力端子(第1出力パッド,OUT1)13が接続されており、第3磁気抵抗効果素子R3と第4磁気抵抗効果素子R4との間には第2出力端子(第2出力パッド,OUT2)14が接続されている。また、図1,図2に示すように、第1出力端子13及び第2出力端子14の出力側が差動増幅器15に接続されている。そして図1に示すように、差動増幅器15の出力側は、外部出力端子16に接続されている。
図3に示すように、コイル2の第1磁界発生部3と対向配置される第1磁気抵抗効果素子R1はX1側に、第4磁気抵抗効果素子R4はX2側に配置される。また、コイル2の第2磁界発生部4と対向配置される第2磁気抵抗効果素子R2はX1側に、第3磁気抵抗効果素子R3はX2側に配置される。
図3に示すように、第1磁気抵抗効果素子R1と第3磁気抵抗効果素子R3との間が第1配線パターン20にて接続される。第1配線パターン20は、平面視にて、各素子R1〜R4間を直線的に囲んだ囲み領域Sの内部に位置している。第1配線パターン20はX1−X2方向及びY1−Y2方向から見て斜めに傾いて形成されている。第1配線パターン20から第2配線パターン21が分岐している。第2配線パターン21は囲み領域Sの内部位置から、前記囲み領域Sの外方へ延出し、入力端子10に接続されている。
また、図3に示すように、第1磁気抵抗効果素子R1と第2磁気抵抗効果素子R2との間が第3配線パターン22により接続される。第3配線パターン22は、Y1−Y2方向に延出して形成されている。さらに、第3配線パターン22から囲み領域Sの外方に向けて第4配線パターン23が分岐している。第4配線パターン23は第1出力端子13に接続される。
また、図3に示すように、第3磁気抵抗効果素子R3と第4磁気抵抗効果素子R4との間が第5配線パターン24により接続される。第5配線パターン24は、Y1−Y2方向に延出して形成されている。さらに、第5配線パターン24から囲み領域Sの外方に向けて第6配線パターン25が分岐している。第6配線パターン25は第2出力端子14に接続される。
さらに、図3に示すように、第2磁気抵抗効果素子R2と第1グランド端子11との間が第7配線パターン26で接続される。また、第4磁気抵抗効果素子R4と第2グランド端子12との間が第8配線パターン27により接続される。
図3に示すように、各端子10〜14は、X1−X2方向に所定の間隔を空けて一列に配列されている。よって信号処理回路(IC)側との配線(電気的接続)を簡単に行える。そして、これら端子10〜14の真ん中の位置に、1つだけ設けられた入力端子10が配置されている。このように配置することにより、平面視にて配線パターン同士が重ならないように引き回すことができる。
ただし配線パターンの形態は図3に限定されるものではない。平面視にて配線パターン同士に重なる部分があってもよい。また、図3の形態に代えて、入力端子10の位置にグランド端子を、グランド端子11,12の位置に入力端子を設ける形態でもよい。かかる場合、グランド端子が1つ、入力端子が2つとなる。
図3に示すように、平面視において磁界発生部であるコイル2及び磁気抵抗効果素子R1〜R4と重なるように上部シールド膜(第1シールド膜)41が設けられている。また、磁気抵抗効果素子R1〜R4を囲繞するようにミドルシールド(第2シールド膜)43が設けられている。
図5は、本発明の実施の形態に係る磁気結合型アイソレータの部分断面図である。図5に示す磁気結合型アイソレータにおいては、基板であるシリコン基板51上に絶縁層であるシリコン酸化膜52が形成されている。シリコン酸化膜52には、熱酸化によるシリコン酸化膜やCVD成膜されたシリコン酸化膜が用いられる。
シリコン酸化膜52上には、絶縁層としてポリイミド層53が形成されている。ポリイミド層53は、ポリイミド材料を塗布し、硬化することにより形成することができる。
ポリイミド層53上には、シリコン酸化膜54及びアルミニウム酸化膜55が順次形成されている。シリコン酸化膜54及びアルミニウム酸化膜55は、例えば、スパッタリングなどの方法により成膜することができる。
アルミニウム酸化膜55上には、磁気抵抗効果素子R1〜R4が形成されている。各磁気抵抗効果素子R1〜R4は全て同じ層構成で形成されている。各磁気検出素子R1〜R4は、例えば図6に示す構造で形成される。
図6に示す参照符号30は下部電極層である。下部電極層30上に多層膜31が形成されている。多層膜31は、下から反強磁性層32、固定磁性層33、絶縁障壁層34、フリー磁性層35、保護層36の順に積層されて構成されている。なお、下からフリー磁性層35、絶縁障壁層34、固定磁性層33及び反強磁性層32の順に積層されてもよい。
反強磁性層32は、例えば、元素α(ただしαは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種又は2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成される。反強磁性層32と、下部電極層30との間に、結晶配向を整えるためのシード層が設けられていてもよい。
固定磁性層33は、反強磁性層32との界面で生じる交換結合磁界(Hex)により図示Y方向に磁化固定されている。ここで磁化固定とは、少なくとも、コイル2から磁気抵抗効果素子R1〜R4に作用する外部磁界に対して磁化変動しない状態を指す。図6では、固定磁性層33は、CoFe等の単層構造であるが、積層構造、特に磁性層/非磁性中間層/磁性層で形成された積層フェリ構造であることが、固定磁性層33の磁化固定力を大きくでき好適である。
固定磁性層33上には、絶縁障壁層34が形成されている。絶縁障壁層34は、例えば、酸化チタン(Ti−O)や、酸化マグネシウム(Mg−O)で形成される。絶縁障壁層34上には、フリー磁性層35が形成されている。図6では、フリー磁性層35は単層構造であるが、磁性層の積層構造で形成することも出来る。フリー磁性層35は、NiFeの単層構造か、NiFeを含む積層構造で形成されることが好適である。前記フリー磁性層35上には、Ta等の非磁性金属材料で形成された保護層36が形成されている。
上記した多層膜31のX1−X2方向(X方向)の両側端面31a,31aは、下側から上側に向けて徐々にX方向への幅寸法が狭くなるように傾斜面で形成される。ただし傾斜面でなく垂直面であってもよい。
図6に示すように、下部電極層30上から各側端面31a,31a上にかけて絶縁層37が形成される。絶縁層37はAlやSiO等の既存の絶縁材料で形成される。さらに絶縁層37上から多層膜31上にかけて上部電極層40が形成される。
続いて外部磁界に対するブリッジ回路の出力について説明する。例えば、各磁気抵抗効果素子R1−R4の固定磁性層33の磁化がY1方向に固定されているとして、図4に示す夫々の外部磁界H3,H4が各磁気抵抗効果素子R1〜R4に侵入すると、第1磁気抵抗効果素子R1及び第4磁気抵抗効果素子R4のフリー磁性層35の磁化はY1方向に向けて傾く。よって第1磁気抵抗効果素子R1及び第4磁気抵抗効果素子R4の電気抵抗値は小さくなる。一方、第2磁気抵抗効果素子R2及び第3磁気抵抗効果素子R3の磁化はY2方向に向けて傾く。よって第2磁気抵抗効果素子R2及び第3磁気抵抗効果素子R3の電気抵抗値は大きくなる。これにより、第1磁気抵抗効果素子R1と第2磁気抵抗効果素子R2間の中点電位、及び第3磁気抵抗効果素子R3と第4磁気抵抗効果素子R4間の中点電位が変動し、差動出力を得ることが出来る。このように磁気結合型アイソレータ1では、コイル2から磁気抵抗効果素子R1〜R4を経て、電気信号の伝達を行うことが出来る。
本実施の形態では、全ての磁気抵抗効果素子R1〜R4が、同じ層構成で形成される。ここで「層構成」とは積層順や材質のみならず、固定磁性層33の磁化方向も含まれる。そして、図3に示すように、コイル2の第1磁界発生部3と対向する位置に第1磁気抵抗効果素子R1及び第4磁気抵抗効果素子R4を配置し、第2磁界発生部4と対向する位置に第2磁気抵抗効果素子R2及び第3磁気抵抗効果素子R3を配置している。そして図3のように配線して、磁気抵抗効果素子R1〜R4によりブリッジ回路を構成している。本実施の形態では、全ての磁気抵抗効果素子R1〜R4が、同じ層構成で形成されるから、全ての磁気抵抗効果素子R1〜R4の抵抗値や温度特性を一致させやすく、また各磁気抵抗効果素子R1〜R4の形成も容易且つ適切に行える。そして図3に示すように、磁気抵抗効果素子R1〜R4とコイル2とを配置することで、簡単かつ適切にブリッジ回路を構成できる。
この実施の形態における磁気抵抗効果素子R1〜R4は、TMR素子(トンネル型磁気抵抗効果素子)である。よって多層膜31の上下に電極層30,40が設けられる。そして、電流が多層膜31の各層の膜面に対し垂直方向に流れる。このような磁気抵抗効果素子は、CPP(current perpendicular to the plane)型と呼ばれる。CPP型には、TMR素子のほかにCPP−GMR素子もある。CPP−GMR素子では、図6に示す絶縁障壁層34に代えてCu等の非磁性導電層が用いられる。
図4に示すように、配線パターン24は下部電極層30と一体的に形成されている。配線パターン24は下部電極層30と別に形成されてもよいが、かかる場合でも配線パターン24と下部電極層30とは電気的に接続される。また、配線パターン27が上部電極層40と一体的に形成されている。配線パターン27は上部電極層40と別に形成されてもよいが、かかる場合でも配線パターン27と上部電極層40とは電気的に接続される。このようにTMR素子では、多層膜31の上下に電極層30,40が形成されるため、電極層30,40に接続される配線パターンは、複数の階層に分けて形成されることになる。
図3に示す態様では、配線パターン20,21,26,27が上段に形成され、配線パターン22,23,24,25が下段に形成される。なお、その逆であってもよい。
図5に戻り、アルミニウム酸化膜55上には、磁気抵抗効果素子R1〜R4の上部電極層40と電気的に接続するように電極56が形成されている。また、後述するパッドと電気的に接続するように、ミドルシールド膜よりも外側に電極56が形成されている。電極56は、電極材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成することができる。
また、アルミニウム酸化膜55上には、磁気抵抗効果素子R1〜R4を囲繞するようにミドルシールド膜43が形成されている。ミドルシールド膜43を構成する材料としては、アモルファス磁性材料、パーマロイ系磁性材料、又は鉄系微結晶材料等の高透磁率材料を用いることができる。ミドルシールド膜43の厚さとしては、膜応力を考慮すると、0.5μm〜10μmであることが好ましい。ミドルシールド膜43は、前記材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成することができる。あるいは、ミドルシールド膜43は、下地材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びめっきにより形成することができる。
なお、ここでは、ミドルシールド膜43が、磁気抵抗効果素子R1〜R4と同一平面内に配置される場合について説明しているが、本発明においては、磁気抵抗効果素子R1〜R4を囲繞する配置であれば、ミドルシールド膜43の下端が磁気抵抗効果素子R1〜R4の上端からやや(1μm以下)上方にずれて配置されても良い。
磁気抵抗効果素子R1〜R4、電極56及びミドルシールド膜43を形成したアルミニウム酸化膜55上には、絶縁層としてポリイミド層57が形成されている。ポリイミド層57は、ポリイミド材料を塗布し、硬化することにより形成することができる。
ポリイミド層57上には、シリコン酸化膜58が形成されている。シリコン酸化膜58は、例えば、スパッタリングなどの方法により成膜することができる。
シリコン酸化膜58上には、コイル2が形成されている。コイル2は、コイル材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成することができる。あるいは、コイル2は、下地材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びめっきにより形成することができる。また、シリコン酸化膜58上には、コイル電極59が形成されている。コイル電極59は、電極材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成することができる。あるいは、コイル電極59は、下地材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びめっきにより形成することができる。
コイル2及びコイル電極59を形成したシリコン酸化膜58上には、絶縁層としてポリイミド層60が形成されている。ポリイミド層60は、ポリイミド材料を塗布し、硬化することにより形成することができる。
ポリイミド層60上の所定の位置、すなわち厚さ方向においてコイル2の上方(平面視においてコイル2及び磁気抵抗効果素子R1〜R4と重なる位置)には、上部シールド膜41が形成されている。上部シールド膜41を構成する材料としては、アモルファス磁性材料、パーマロイ系磁性材料、又は鉄系微結晶材料等の高透磁率材料を用いることができる。上部シールド膜41の厚さとしては、膜応力を考慮すると、0.5μm〜10μmであることが好ましい。上部シールド膜41は、前記材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成することができる。あるいは、上部シールド膜41は、下地材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びめっきにより形成することができる。
上部シールド膜41を形成したポリイミド層60上には、オーバーコート層としてシリコン酸化膜62が形成されている。このシリコン酸化膜62、ポリイミド層57,60及びシリコン酸化膜58のコイル電極59及びパッド用の電極56の領域には、コンタクトホールが形成され、そのコンタクトホール内にパッド61が形成されている。これにより、パッド61とコイル電極59との間が電気的に接続され、パッド61と電極56との間が電気的に接続される。
なお、図5に示す構成において、シリコン酸化膜54,58は設けなくても良い。
図5から分かるように、本実施の形態に係る磁気結合型アイソレータは、コイル2及び磁気抵抗効果素子R1〜R4と重なるように配置された上部シールド膜41と、磁気抵抗効果素子R1〜R4を囲繞するように配置されたミドルシールド膜43とを有する。このように、磁気抵抗効果素子R1〜R4の周囲に上部シールド膜41及びミドルシールド膜43を配設するので、外部磁場やEMSに対する耐性を十分に確保することができる。
上部シールド膜は、コイル2から磁気抵抗効果素子R1〜R4で構成されるブリッジ回路に印加される磁界をエンハンスする機能を有することが好ましい。また、上部シールド膜41及び/又はミドルシールド膜43は、平面視において点対称な形状を有しており、それぞれの対称の中心が一致していることが好ましい。このような形状にすることにより、磁気抵抗効果素子R1〜R4に印加される磁界の大きさをより均一にして中点電位のずれを緩和することができる。なお、上部シールド膜41及び/又はミドルシールド膜43の相互の位置関係や大きさなどについては後述する。
上記構成を有する磁気結合型アイソレータの効果について説明する。
図5に示す構成、すなわち磁気抵抗効果素子R1〜R4の周囲に上部シールド膜41及びミドルシールド膜43を設けた構成(上部シールド膜は200μm×200μmの正方形、ミドルシールド膜は外部半径340μmで内部半径290μmのリング状)を有する磁気結合型アイソレータに20mTの外部磁界を図5の矢印方向(ミドルシールド膜43に対して横方向)から印加した場合の磁気抵抗効果素子に印加される磁界の割合を調べた。その結果を図7に示す。外部磁界を印加した場合の磁気抵抗効果素子に印加される磁界の割合については、ゼロに近いほどシールド効果が高いことを示す。また、比較のために、上部シールド膜41のみを設けて、ミドルシールド膜43を設けないこと以外は図5と同じ構成の磁気結合型アイソレータを作製して、同様に外部磁界を印加した場合の磁気抵抗効果素子に印加される磁界の割合を調べた。その結果も図7に示す。
図7から分かるように、磁気抵抗効果素子R1〜R4の周囲に上部シールド膜41及びミドルシールド膜43を設けた磁気結合型アイソレータは、外部磁界を印加した場合の磁気抵抗効果素子に印加される磁界の割合が1%以下でシールド効果が非常に高かった。一方、上部シールド膜41のみを設けた磁気結合型アイソレータは、外部磁界を印加した場合の磁気抵抗効果素子に印加される磁界の割合が10%でシールド効果が低かった。
このように、本発明の磁気結合型アイソレータにおいては、平面視においてコイル及び磁気抵抗効果素子R1〜R4と重なるように上部シールド膜41を配置し、磁気抵抗効果素子R1〜R4を囲繞するようにミドルシールド膜43を配置することにより、外部磁場やEMSに対する耐性を十分に確保することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、上部シールド膜の大きさと、ミドルシールド膜大きさとの間の関係を特定する場合について説明する。本実施の形態においては、上部シールド膜41は、ミドルシールド膜43の外周位置よりも内側に配置されるようにする。すなわち、上部シールド膜41の大きさをミドルシールド膜43の外周よりも小さくする。
ここで、ミドルシールド膜43を、外部半径320μm、幅50μm、厚さ30μmとし、その状態で、上部シールド膜41の大きさを変えた磁気結合型アイソレータに、20mTの外部磁界を図5の矢印方向(ミドルシールド膜43に対して横方向)からそれぞれ印加した場合の磁気抵抗効果素子に印加される磁界の割合をそれぞれ調べた。その結果を図8に示す。
図8から分かるように、上部シールド膜41の大きさがミドルシールド膜43の外部半径よりも大きくなると、シールド効果が弱くなっている。したがって、上部シールド膜41の大きさをミドルシールド膜43の外周よりも小さくすることで、シールド効果をより高めることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、適宜変更して実施することができる。例えば、上記実施の形態における材料、各層の配置位置、厚さ、大きさ、製法などは適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明は、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することができる。
本発明は、磁気カプラや電流センサなどに適用することが可能である。
1 磁気結合型アイソレータ
2 コイル
2’ コイル片
3 第1磁界発生部
4 第2磁界発生部
7 送信回路
10 入力端子
11,12 グランド端子
13,14 出力端子
15 差動増幅器
16 外部出力端子
20〜27 配線パターン
30 下部電極層
31 多層膜
32 反強磁性層
33 固定磁性層
34 絶縁障壁層
35 フリー磁性層
37 絶縁層
40 上部電極層
41 上部シールド膜
43 ミドルシールド膜
H1〜H4 外部磁界
R1〜R4 磁気抵抗効果素子

Claims (6)

  1. 入力信号により外部磁界を発生させるための磁界発生部と、前記磁界発生部と電気的に絶縁されるとともに磁気的結合が可能な位置であって、平面視において前記磁界発生部と重なるように配置されており、前記外部磁界を検出して電気信号に変換するための磁気抵抗効果素子と、平面視において前記磁界発生部及び前記磁気抵抗効果素子と重なるように配置された第1シールド膜と、前記磁気抵抗効果素子を囲繞するように配置された第2シールド膜と、を具備することを特徴とする磁気結合型アイソレータ。
  2. 前記磁界発生部は、外部磁界が互いに反対方向に発生する第1磁界発生部と第2磁界発生部とを有して構成され、前記第1磁界発生部と対向配置される前記磁気抵抗効果素子と、前記第2磁界発生部と対向配置される前記磁気抵抗効果素子とを備え、各磁気抵抗効果素子は、全て同じ層構成であり、前記第1磁界発生部と対向配置される前記磁気抵抗効果素子と、前記第2磁界発生部と対向配置される前記磁気抵抗効果素子とがブリッジ回路を構成していることを特徴とする請求項1記載の磁気結合型アイソレータ。
  3. 前記第1シールド膜は、前記磁界発生部から前記ブリッジ回路に印加される磁界をエンハンスする機能を有することを特徴とする請求項2に記載の磁気結合型アイソレータ。
  4. 前記第1シールド膜及び/又は前記第2シールド膜が高透磁率材料で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の磁気結合型アイソレータ。
  5. 前記第1シールド膜及び/又は前記第2シールド膜は、平面視において点対称な形状を有しており、それぞれの対称の中心が一致していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の磁気結合型アイソレータ。
  6. 前記第1シールド膜は、前記第2シールド膜の外周位置よりも内側に配置されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の磁気結合型アイソレータ。
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