JP2010258325A - 電磁波シールド材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性組成物層の透明基材側の面に黒化層を容易に形成できる電磁波シールド材の製造方法を提供する。
【解決手段】透明基材108上のプライマー層116上に、黒化層117と導電性組成物層113とを見当を合せてパターン印刷した電磁波シールド材100は、A.凹版101の凹部104に導電性組成物103を充填する第一充填工程、B.更に凹部に黒化組成物107を充填する第二充填工程、C.液状のプライマー組成物106を版面に塗布又は透明基材に塗布後、透明基材をプライマー組成物を挟んで凹版に圧着する圧着工程、D.プライマー組成物を固化させプライマー層とする固化工程、E.透明基材とプライマー層を離版し、凹部内の両組成物をプライマー層上に転移させる転移工程、F.両組成物をE工程の前又は後に固化させて導電性組成物層と黒化層とする印刷組成物の固化工程、を経て製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は各種の用途、中でも特にディスプレイの前面に配置するのに好適な、電磁波シールド材の製造方法に関する。
現在、ディスプレイ(画像表示装置とも言う)として、旧来のブラウン管(CRT)ディスプレイ以外に、フラットパネルディスプレイ(FPD)となる、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(以後PDPとも言う)、電界発光(EL)ディスプレイ等の各種ディスプレイが実用されている。これらの中でも、特に、PDPは不要な電磁波放出が強いため、ディスプレイの前面に電磁波を遮蔽する電磁波シールド材を配置している。
この様にディスプレイの前面に配置する用途の電磁波シールド材においては、金属層など不透明な導電体層を利用する場合、電磁波遮蔽性能と共に光透過性を実現するために、導電体層を微細な細線でパターン状に形成することで、導電体層の非形成部として多数の開口部を設けている。
この様な電磁波シールド材を製造する方法としては、今まで種々検討されているが、なかでも、微細なパターンを低コストで実現する方法として印刷法が注目されている。また、印刷形成した導電体層では電磁波シールド性能が不足する場合は、更に、この導電体層の上に銅などの金属層を電気めっきする方法も検討されている。そして、この様に低コスト化の手段として注目されている印刷法の一つとして、高精度な印刷が可能となる次の様な凹版印刷法がある(特許文献1)。
この凹版印刷法は、印刷最中は流動状態の「プライマー層」と呼ぶ層を設けることで、凹版から被印刷物へのインキの転移を促進させてインキ転移率アップを図る印刷法である。この「プライマー層」はインキの転移率を促進させる層なので「転移促進層」とでも呼ぶことができるので、この出願では、この印刷法を「転移促進型凹版印刷法」と呼ぶことにする。
ここで、図4はこの転移促進型凹版印刷法の一態様を概念的に示す説明図であり、導電体層として導電性組成物層113を印刷で形成できる。
図4(A)に示すように、凹版101上に、導電インキとして導電性組成物103を塗布した後にドクターブレード102で掻き取って、凹版101の版面の凹部104内に導電性組成物103を充填する。この充填の際、図4(B)に示すように、ドクターブレード102で掻き取った後の凹部104内の導電性組成物103は、その上部に凹み105が生じる。そして、図4(C)に示す様に、固化するとプライマー層となる流動状態のプライマー組成物106が、透明基材108と凹版101との間に介在する様に、透明基材108を凹版101の版面に重ねて圧着する。(なお、この様にプライマー組成物106を介在させるには、プライマー組成物106を透明基材108上に塗布しておくか、図4(B)の状態の凹版101の版面上に塗布する。)すると、プライマー組成物106は流動性を示すので凹み105内に流れ込むので、凹み105は、図4(C)の符号の106aで示すように、プライマー組成物106によって充填される。また、凹部104以外の版面凸部の部分もプライマー組成物106が覆う。この状態で、プライマー組成物106を電離放射線照射などで固化させてプライマー層にして透明基材108と密着させた後、透明基材108を凹版101から離して離版すことで、導電性組成物103を透明基材108上に転移させる。そして、導電性組成物103を、前記転移後又は前記転移前(離版後又は離版前)に、電離放射線照射や溶剤乾燥などで固化させて導電性組成物層113とすると、図4(D)に示す電磁波シールド材200に示すように、透明基材108上にプライマー層116を介して導電性組成物層113が積層し、導電性組成物層113の非形成部が光透過性に寄与する開口部111となった構成のものが出来るという印刷法である。
このように、導電性組成物層を導電体層として印刷法で形成しても、転移不良に基づくパターン精度不良や密着性等の不具合が生じない電磁波シールド材を製造できる様になる。
ところで、特にディスプレイ用途の電磁波シールド材に於いては、画像表示のコントラスト低下を来たさない様に、導電体層の画像観察者側の表面を暗色とする為に黒化処理を行っている。黒化処理は、導電体層が金属層、例えば銅箔をエッチングしてパターン状にした金属層である場合には、めっき等で公知の黒化処理層を形成すれば良いが、これと同様に、導電体層として導電性組成物層を用いる場合でも、その電磁波遮蔽性能を上げる為に、導電性組成物層の上にのみ金属層を選択的にめっき形成し、導電体層を導電性組成物層と金属層とから構成する形態では、この金属層に対してめっき等で黒化処理層を形成すれば良い(特許文献1)。
特開2009−44086号公報
しかし、ディスプレイ用途の電磁波シールド材に於いては、ディスプレイの設計如何により、導電体層の画像観察者側の面が該導電性組成物層の透明基材側になる形態と透明基材の反対側になる形態との両形態が有る。上記の様に、導電性組成物層上の金属層に対して黒化処理層を形成する方法では、導電性組成物層は透明基材上に既に印刷形成してある層であるので、前者の形態の場合、導電性組成物層の裏側(透明基材側)の面に対する黒化処理は、導電性組成物層の印刷形成後は不可能である。また、導電性組成物層を印刷形成する前に、導電性組成物層と、平面視上、同じパターンで、黒色インキで黒化層を形成し、この黒化層上にのみ黒化層のパターンに見当を合わせて導電性組成物層を印刷形成するのは、理論的には可能であるが、電磁波シールド材の高精細なパターン印刷では正確に見当を合わせることは事実上不可能である。
この点で、黒化処理として、導電性組成物中にカーボンブラック等の黒色着色剤を添加して、黒色着色剤を含有させた黒色の導電性組成物層とすることが考えられるが、黒色着色剤の添加によって、導電性組成物層の密着性や導電性などの性能低下に注意する必要があった。
すなわち、本発明の課題は、各種用途、中でも特に、PDPなど各種ディスプレイの前面に配置する用途に好適な、電磁波シールド材、それも導電体層に導電性組成物層を用いた電磁波シールド材に関して、印刷形成する導電性組成物層の透明基材側の面に対して黒化処理として黒化層を導電性組成物層に正確に見当が合った状態で容易に形成できる、電磁波シールド材の製造方法を提供することである。
そこで、本発明の電磁波シールド材の製造方法は、
透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上にパターン形成された黒化層と、該黒化層の直上に該黒化層と平面視上同じパターンでパターン形成された導電性組成物層とを少なくとも有する電磁波シールド材の製造方法であって、
A.凹版の版面の凹部に導電性組成物を充填する第一充填工程、
B.次いで、該導電性組成物が該凹部内に存在するうちに更に該凹部内の導電性組成物上に黒化組成物を充填する第二充填工程、
C.次いで、固化によりプライマー層となるプライマー組成物が流動状態で凹版版面と透明基材間に介在する様に、該プライマー組成物を該版面に塗布するか、該プライマー組成物を透明基材に塗布しておくか、或いはこれら両者を併用して、上記黒化組成物を充填済みの凹版に対して透明基材を重ねて圧着する圧着工程、
D.次いで、プライマー組成物を固化させてプライマー層とするプライマー組成物の固化工程、
E.次いで、透明基材を版面から離して、凹部内の両組成物を透明基材上のプライマー層上に転移させる転移工程、
F.上記Eの転移工程の前又は後に、導電性組成物は固化させて導電性組成物層とし、黒化組成物は固化させて黒化層とする印刷組成物の固化工程、
の各工程を少なくとも含む、電磁波シールド材の製造方法、とした。
なお、本発明の製造方法は、更に上記構成に対して、導電性組成物が導電性粒子と硬化性樹脂を含む組成物とすることができる。
本発明によれば、特にPDPなど各種ディスプレイの前面に配置する用途に好適な、電磁波シールド材として導電体層に導電性組成物層を印刷形成した電磁波シールド材に関して、導電性組成物層の透明基材側の面に黒化処理として、導電性組成物層に対して正確に見当を合わせた黒化層を容易に形成できる。
本発明による電磁波シールド材の製造方法を、その一形態についての製造工程で概説する説明図(断面図)。 本発明による製造方法で得られる電磁波シールド材の一形態を示す断面図。 本発明による電磁波シールド材の製造方法を、その一形態について製造装置で概説する説明図(断面図)。 黒化層形成なしの従来の電磁波シールド材の製造方法として「転移促進型凹版印刷法」を、その一態様についての製造工程で概説する説明図(断面図)。 黒化層形成なしの従来の電磁波シールド材の製造方法を、その一態様について製造装置で概説する説明図(断面図)。
21 ファニッシャローラ
22 凹版ロール
23 版面
24 ドクターブレード
25 ニップローラ
26 ニップローラ
27 インキパン
28 導電インキ(導電性組成物)
29 電離放射線照射装置
31 ファニッシャローラ
34 ドクターブレード
37 インキパン
38 黒化インキ(黒化組成物)
100 電磁波シールド材
101 凹版
102 ドクターブレード
103 導電性組成物
104 凹部
105 凹み
106 プライマー組成物
106a 凹みを埋めるプライマー組成物
107 黒化組成物
108 透明基材
109 PETフィルム(透明基材+プライマー組成物の層)
110 印刷フィルム
111 開口部
112 ドクターブレード
113 導電性組成物層
116 プライマー層
117 黒化層
200 従来の電磁波シールド材
以下、本発明について、実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[製造工程]
本発明の電磁波シールド材の製造方法について、その一形態の製造工程を概念的に示す図1で説明する。
(A.第一充填工程)
第一充填工程は導電材(導電性組成物103)を凹版の凹部に充填する工程である。
本発明では、図1(A)に示すように、第一充填工程にて、凹版101上に、固化すると導電性組成物層113(図2参照)となる導電性組成物103を塗布した後に、版面の凹部以外の部分である版面の凸部上の不要な導電性組成物103をドクターブレード102で掻き取って、凹版101の版面の凹部104内に導電性組成物103を充填する。凹部104は、形成する導電性組成物層のパターンに対応したパターンで版面に形成されている。なお、導電性組成物103としては、各種形態の物が使用可能ではあるが、通常は、所謂、導電インキ、導電ペースト等の導電性粒子を樹脂バインダー中に含有させたものが使用される。
そして、この第一充填工程が完了すると、図1(B)に示すように、ドクターブレード102で掻き取った後の凹部104内の導電性組成物103は、版面と完全な面一とはならずに、その上部に凹み105が生じる。この凹み105は、通常は、導電性組成物103中の溶剤の乾燥(溶剤稀釈している場合)、ドクターブレード112掻き取り時の導電性組成物のレオロジー的挙動等により、程度の差はあるが不可避的に生じる。
(B.第二充填工程)
第二充填工程は黒化材(黒化組成物107)を、導電性組成物充填済みの凹版の凹部に更に充填する工程である。
図1(C)に示す様に、凹み105を活用して凹み105の中に、固化すると黒化層117となる黒化組成物107を更に充填する。すなわち、凹版101上に黒化組成物107を塗布した後に、版面の凸部上の不要な黒化組成物107をドクターブレード112で掻き取って、凹版101の版面の凹部104の内部に充填された導電性組成物103の上部の凹み105に、黒化組成物107を充填する。なお、黒化組成物107としては、カーボンブラックなどの黒色着色剤を樹脂バインダー中に含有させた黒色インキが使用できる。
そして、この第二充填工程が完了すると、図1(D)に示すように、ドクターブレード112で黒化組成物107を掻き取った後の凹部104内は、導電性組成物103の上に黒化組成物107が重なって充填された状態となる。なお、図1(D)の場合は、この黒化組成物107の上部も版面と完全な面一ではなく凹みを有する様に描いてあるが、この段階では黒化組成物107上に凹みが存在することは必ずしも必要ではない。
(C.圧着工程)
圧着工程は、流動状態となっている転移促進組成物(プライマー組成物106)を間に挟んで、透明基材を凹版に圧着する工程である。
圧着工程では、図1(E)に示すように、固化するとプライマー層116(図2又は図1(F)参照)となるプライマー組成物106が、透明基材108と凹版101との間に流動状態で介在する様に、透明基材108を凹版101の版面に重ねて圧着する。プライマー組成物106は、凹部104内の導電性組成物103上の黒化組成物107上を隙間なく覆うと共に、凹部104以外の版面凸部の部分も覆う。なお、プライマー組成物106を、凹版101の版面と透明基材108との間に介在させる方法としては、基本的には、a)プライマー組成物106を透明基材108側に塗布しておく方法、b)プライマー組成物106を凹版101側に塗布する方法、或いは、これらa)及びb)の両方の方法を組み合わせる方法のいずれでも良い。なかでも、a)プライマー組成物106を透明基材108側に塗布しておく方法が、代表的である(図3参照)。なお、プライマー組成物106には、代表的には、流動状態が容易に得られ且つ紫外線照射などで瞬時固化が可能で生産性も良い、電離放射線硬化性樹脂の組成物を用いる。また、圧着は凹版が円筒形状(シリンダー形状)の凹版ロールの場合は、ニップローラや長尺の透明基材に加えたテンションなどによる。
(D.プライマー組成物の固化工程)
そして、図1(E)の、凹版101に透明基材108が重ねられ圧着された状態で、プライマー組成物106を紫外線照射などで固化させてプライマー層116とする。
(E.転移工程)
転移工程は、凹版から離す被印刷物(透明基材108)に所謂インキ(各組成物)を転移させる工程(離版工程)である。
そして、転移工程では、凹版101の版面から透明基材108を離して離版することで、透明基材108と共に、透明基材108上に固着し積層したプライマー層116と、凹部104内から、該プライマー層116上に転移した黒化組成物107及び導電性組成物103が積層した印刷物中間体とする。
なお、上記印刷物中間体に於ける黒化組成物107及び導電性組成物103が離版時に両方とも固化しておれば、つまり黒化層117及び導電性組成物層113となっておれば(図1(F)参照)、印刷物中間体はもやは中間体ではなく印刷物完成品(電磁波シールド材100)である。
(F.印刷組成物の固化工程)
印刷組成物の固化工程は、所謂インキを乾燥などで固化させる工程である。
印刷組成物、つまり印刷する組成物として、凹部104内に充填した、黒化組成物107と導電性組成物103との両組成物の固化は、E.転移工程の後、又は転移工程の前に行う。固化は、公知の、電離放射線照射や熱硬化等の硬化反応や、溶剤乾燥などの公知の固化手段の1種又2種以上の組み合わせで行う。固化手段の組み合わせは、例えば紫外線照射と溶剤乾燥である。勿論、溶剤乾燥による固化は凹部104内から組成物が開放される転移工程の後である。また勿論、転移工程の前とは各組成物は各々その充填工程以降である。また、黒化組成物107の固化と、導電性組成物103の固化の時期は、同時でも異なっていてもよい。
そして、黒化組成物107と導電性組成物103との両組成物を固化させて、黒化層117と導電性組成物113として透明基材108に形成すれば、図1(F)の様に、透明基材108上のプライマー層116上に、パターン形成された黒化層117及び該黒化層117上に該黒化層117と平面視上同じパターンで該黒化層117と正確に見当が合った状態でパターン形成された導電性組成物層113が積層した構成の印刷物として、電磁波シールド材100が得られる。また、導電性組成物層113の非形成部である開口部111によって、光透過性が確保される。
なお、ここで黒化層117のパターンと導電性組成物層113のパターンとが「平面視上同じパターン」であると言う意味は、本発明の電磁波シールド材100を導電性組成物層113側から(図2で言うと上方から)見下ろした場合に、黒化層117のパターンと導電性組成物層113のパターンとが重なって見える様な平面図形パターン及び位置関係にあると言うことである。但し、ここで言う「同じ」とは、完全に同形状同寸法(合同)である場合は勿論包含するが、この他、同形状で寸法が異なる(相似)場合、或は概略同形状且つ概略同寸法の場合であっても、目視判別可能な程度に両パターンの平面図形形状及び位置の相違がない場合であれば、この場合も包含する。そして、当然ながら、図2からもわかる様に、黒化層117のパターンと導電性組成物層113の両パターンとが平面視上同じパターンであれば、透明基材108及び両パターンに直交する断面、例えば、図2で表示の断面内に於いても、黒化層117のパターンと導電性組成物層113の両パターンは上下に重なり合う。又、黒化層117のパターンと導電性組成物層113の両パターンの断面形状は、図2の如く異なる場合もあるが、凹版の凹部形状や製造条件如何によっては、概略類似の形状とすることも出来る。
このようにして、透明基材108上に導電性組成物層113と黒化層117とを平面視上同じパターンで且つ正確に見当を合わせて形成した、電磁波シールド材100が得られることになる。
以下、各層などについて更に本発明を述する。
[導電性組成物と導電性組成物層]
導電性組成物103を固化させたものが導電性組成物層113であり、導電性組成物層は、その層自体は不透明な層であるので、シールド材の面全体としての光透過性確保の為に、導電性組成物層を格子状などパターン状に形成して、導電性組成物層113の非形成部を開口部111などとして、ここで光透過性を確保した導電性の層である。なお、ディスプレイ用途とする際には、通常、導電性組成物層非形成部を設けたパターン領域の周囲には導電性組成物層113から成る接地の為の接地領域を有する。但し、該接地領域は、画像表示には影響のない部分である為、該接地領域に於ける導電性組成物層113には該層の非形成部は設ける必要はない。
(パターン形状)
導電性組成物層113のパターンの平面視形状は、特に制限はなく公知の形状でよく、例えば、メッシュ形状(格子模様)、ストライプ形状(直線状縞模様、螺旋模様など)などである。なかでもメッシュ形状、それも正方格子形状によって開口部を設けるのが代表的である。パターンの大きさは、要求物性に応じて設定すれば良いが、例えば、パターンの線幅は5〜50μm、線ピッチは100〜500μmであり、また、導電性組成物層の厚さは例えば5〜20μmである。
(導電性組成物)
導電性組成物103は、導電性粒子と樹脂バインダーとを含む液状の導電性の組成物であり、溶剤乾燥、電離放射線照射、化学反応などの固化手段で固化する組成物である。導電性粒子及び樹脂バインダーとしては、公知の材料を適宜採用する。例えば、導電性粒子には、金、銀、白金、銅、ニッケル、錫、アルミニウムなどの導電性が良い金属の粒子やコロイド、或いは、樹脂粒子や無機物粒子の表面を金、銀等上記した導電性が良い金属で被覆した金属被覆粒子などである。粒子形状は特に限定されず、球状、回転楕円体状、鱗片状、繊維状等、適宜選択する。導電性粒子の粒径は例えば平均粒子径で0.1〜10μmである。また、粒子の材料、形状、粒径は、複数種を併用できる。
なお、導電性組成物103には、例えば、市販の銀ペーストや銅ペーストの様に導電性粒子をバインダー中に含む組成物が使用でき、また、低温焼成(低温加熱)により導電性を向上できる、ナノサイズの導電性粒子を含む組成物も使用できる。バインダーとしては、樹脂を結着剤として用いた樹脂バインダーが代表的である。
また、導電性組成物は、導電性を導電性粒子によらずに、或いはこれと併用して、導電性樹脂や、それ自体が導電性或いは化学反応によって導電性となる導電性化合物を含有させて導電性を実現した組成物でもよい。また、中間的な導電性組成物層を形成後、誘導加熱、焼成処理などの物理的処理、薬品処理などの化学的処理、電気化学的処理等によって導電性を更に向上させて最終的な導電性組成物層となる様な導電性組成物でもよい。また、これらによる導電性向上乃至は発現は組み合わせても良い。
樹脂バインダーは、導電性組成物から導電性粒子から除いた残りの成分であり、樹脂を用いた結着剤である。その樹脂としては、熱可塑性樹脂や硬化性樹脂を用い、硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂などを用いる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂などを用いる。
電離放射線硬化性樹脂としては、電離放射線による架橋等の反応により重合硬化するモノマー及び/又はプレポリマーを含む樹脂組成物が用いられる。モノマーとしては、例えば、ラジカル重合性モノマー、カチオン重合性モノマー等が用いられ、プレポリマー(乃至はオリゴマー)としては、例えば、ラジカル重合性プレポリマー、カチオン重合性プレポリマー等が用いられる。電離放射線硬化性樹脂としてはアクリレート系化合物を用いたアクリル系樹脂が代表的であるが、勿論その他の系統の樹脂でも良い。なお、硬化の為の電離放射線としては、紫外線、電子線が一般的である。
なお、これら樹脂は1種単独使用の他、2種以上を併用してもよく、また固化手段は1種単独の他、2種以上を併用してもよい。
樹脂バインダーは、この様な樹脂をバインダー樹脂に用い、樹脂バインダーを液状とする為に必要に応じて溶剤を加え、更に、印刷適性、導電性、安定性等を考慮して、インキや塗料に於いて公知の各種添加剤を適宜加えたものである。添加剤は例えば、界面活性剤、分散剤、沈降防止剤、増粘剤、安定剤、酸化防止剤、体質顔料、などである。なお、電離放射線硬化性樹脂は、溶剤無添加でもそれ自体を室温(23℃)でも液状に調整できるが、溶剤を印刷適性などの各種物性調整の為に添加することができる。
また、本発明は、黒化処理として、導電性組成物中への黒色着色剤の添加を回避するのが主旨であるが、該着色剤の添加による密着性や導電性の低下が容認できる程度あれば、本発明の主旨を逸脱するものではなく、この範囲内において、黒色着色剤の添加の併用を否定するものではない。なお、黒色着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト等の顔料、或いは染料がある。
(導電性組成物層の付加的な層)
なお、導電性組成物層113のみでは電磁波シールド性能が不足する場合、導電性組成物層の表面に金属めっきなどによって金属層を形成しても良い。金属層の金属は、公知の良導電性の金属、例えば、金、銀、銅、ニッケル、亜鉛、クロム、錫、コバルト等である。また、この金属層上にめっき等によって黒化層を形成するなど公知の黒化処理を更に施しても良い。
[黒化組成物と黒化層]
黒化組成物107を固化させたものが黒化層117である。本発明では、同一の凹版の版面の凹部104内で導電性組成物103と黒化組成物107とを重ね合せて充填してから印刷するので、黒化層117を導電性組成物層113と平面視上同じパターンで正確に見当を合わせて形成できる。
黒化組成物107としては、黒色の着色剤として、カーボンブラック、グラファイト等の顔料、或いは染料を、樹脂バインダー中に含む組成物を使用でき、例えば、市販のグラフィック印刷物を印刷する凹版印刷用の黒インキを使用することもできる。また、黒化組成物の樹脂バインダーとしては、導電性組成物で列記したものを使用できる。従って、黒化組成物の固化手段や樹脂の組み合わせ等も導電性組成物と同様である。なお、黒色とは、所謂「黒」色以外に、黒に近い暗色、例えば、紺色と黒色の間の色などでも良い。
[プライマー組成物とプライマー層]
プライマー組成物106を固化させたものがプライマー層116であり、これらは透明である。プライマー組成物は樹脂と、流動状態とする為に必要に応じ加える溶剤と、その他、適宜添加する添加剤などを含む組成物である。樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂があり、更に硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などがあり、これらは1種類で又は2種類以上併用する。熱可塑性樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などである。熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などである。電離放射線硬化性樹脂は、導電性組成物で列記したものを使用できる。なお、硬化の為の電離放射線としては、紫外線、電子線が一般的である。
プライマー組成物106は、透明基材108と凹版101との間に流動状態で挟んだ状態で固化させてから、透明基材を離版するので、予め透明基材上に固化したプライマー層116を形成したものに対して凹版印刷する従来の印刷法に対して、凹版の凹部内からインキ(導電性組成物と黒化組成物の各組成物)を転移率がほぼ100%に近い状態で透明基材上に転移させることができ、凹版の凹部のパターンを正確に再現したパターンで印刷形成できる。
[透明基材]
透明基材108としては、公知の透明な材料を使用すれば良く、可視光線領域での透明性、耐熱性、機械的強度等を考慮すると、樹脂フィルム(乃至シート)が代表的であり、その樹脂は例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、或いは、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂等である。
[追加的な工程或いは層]
電磁波シールド材の製造方法としては、上記の工程、層以外に、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、その他の工程、その他の層を有していても良い。例えば、電磁波シールド材に於いて公知の工程や層であり、具体的には、光学フィルタや粘着剤層の積層などである。
なお、光学フィルタは電磁波遮蔽機能以外の光学フィルタ機能を付与する透明な部材である。光学フィルタ機能には、近赤外線吸収、紫外線吸収、ネオン光吸収、色調整、反射防止(含む防眩)などの光学的特性に対する光学機能があるが、ここでは、ハードコート層、帯電防止層、防汚染層、耐衝撃層などの光学特性以外の各種物性を改善する物性改善機能も、ここでは、電磁波遮蔽機能以外の機能という点では共通するので、これらは纏めて、光学フィルタに含めることにする。
また、粘着剤層は、光学フィルタの積層用、或いは電磁波シールド材の積層用などに形成する。
尚、以上説明して来た本発明の製造方法に於いて、凹版の凹部内に充填する黒化組成物107と導電性組成物103との充填順序を逆にすることによって、黒化層117と導電性組成物層113との積層順が、図2と逆順となった結果物を得ることが出来る。
即ち、この様な結果物を得ることが出来る製法は、
A1.凹版の版面の凹部104に黒化組成物107を充填する第一充填工程、
B1.次いで、該黒化組成物107が該凹部内に存在するうちに更に該凹部内の黒化組成物107上に導電性組成物103を充填する第二充填工程、
C.次いで、固化によりプライマー層となるプライマー組成物106が流動状態で凹版版面と透明基材108間に介在する様に、該プライマー組成物を該版面に塗布するか、該プライマー組成物を透明基材に塗布しておくか、或いはこれら両者を併用して、上記導電性組成物を充填済みの凹版に対して透明基材108を重ねて圧着する圧着工程、
D.次いで、プライマー組成物106を固化させてプライマー層116とするプライマー組成物の固化工程、
E.次いで、透明基材を版面から離して、凹部内の両組成物を透明基材108上のプライマー層116上に転移させる転移工程、
F.上記Eの転移工程の前又は後に、導電性組成物103は固化させて導電性組成物層113とし、黒化組成物107は固化させて黒化層117とする印刷組成物の固化工程、
の各工程を少なくとも含む、電磁波シールド材100の製造方法、
である。
上記の製造方法によって得られた電磁波シールド材100は、透明基材108上にプライマー層116を有し、該プライマー層116上にはメッシュ等の所定のパターンで導電性組成物層113を有し、該導電性組成物層113直上には、平面視上同形状のパターンにて黒化層117を有する構成と成る。
この製造方法によって、特にPDPなど各種ディスプレイの前面に配置する用途に好適な、電磁波シールド材として導電体層に導電性組成物層を印刷形成した電磁波シールド材に関して、導電性組成物層の透明基材側とは反対側の面に黒化処理として、導電性組成物層に対して正確に見当を合わせた黒化層を容易に形成できる。
[用途]
また、本発明の電磁波シールド材は、各種用途に使用可能である。特に、テレビジョン受像装置、各種測定機器や計器類、各種事務用機器、各種医療機器、電算機器、電話機等の表示部等に用いられるPDP、CRT、LCD、ELなどの画像表示装置の前面フィルタ用として好適であり、特にPDP用として好適である。又、その他、住宅、学校、病院、事務所、店舗等の建築物の窓、車輛、航空機、船舶等の乗物の窓、電子レンジ等の各種家電製品の窓等の電磁波遮蔽用途にも使用可能である。
次に、本発明を実施例及び比較例によって更に詳述する。
[実施例1]
図3に示す印刷装置により電磁波シールド材200を製造した。先ず、透明基材としては、片面に易接着処理がされた幅1000mmで厚さ100μmの長尺ロール巻2軸延伸透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(原反フィルム)を用いた。供給部にセットした該原反フィルムを繰り出し、易接着処理面にプライマー層形成用の紫外線硬化性樹脂組成物からなるプライマー組成物を厚さ5μmとなるように塗布形成する(図示は省略するが同一装置上で行う)。塗布方式は、通常のグラビアリバースロールコート法を採用し、紫外線硬化性樹脂組成物としては、エポキシアクリレートプレポリマー35質量部、ウレタンアクリレートプレポリマー12質量部、フェノキシエチルアクリレートからなる単官能モノマーを44質量部、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレートからなる3官能モノマーを9質量部、さらに光重合開始剤として商品名「イルガキュア(登録商標)184」(物質名;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、製造元;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)を3質量部添加した物を使用した。このときの粘度は約150cps(於25℃、B型粘度計)であり、塗布後のプライマー組成物の層は触ると流動性を示すものの、原反フィルム上から流れ落ちることはない。このプライマー組成物を原反フィルムに塗布済みのPETフィルム109を凹版ロール22に供給する。
該凹版ロール22の表面には、線幅20μm、深さ10μmの線で繰返周期が300μmの正方格子状の溝状凹部が形成してある。
一方、インキパン27に蓄えた導電性組成物28を、ファニッシャローラ21によって凹版ロール22の版面23に塗布を行い版面凸部上の不要な分はドクターブレード24で掻きとって除去する。導電性組成物28は凹版ロールの凹部に充填された状態となる。なお、導電性組成物28は、導電性粒子としての平均粒子径約2μmの鱗片状銀粒子93質量部を、熱可塑性ポリエステルウレタン樹脂7質量部に溶剤としてブチルカルビトールアセテート25質量部を配合した樹脂バインダーと、十分に攪拌混合した後、3本ロールで混練りして作製した、銀ペーストを用いた。
引き続き、インキパン37に蓄えた黒インキ(黒化組成物)38をファニッシャローラ31にて凹版ロール22に版面23に塗布しドクターブレード34にて掻き取り凹版ロールの凹部内に充填された導電性組成物表面の凹み内に黒インキ38を充填する。尚、黒インキ38は、カーボンブラックから成る黒顔料粒子10質量部と熱可塑性ポリエステルウレタン樹脂100質量部に、溶剤としてブチルカルビトールアセテートを加えて混練したものを用いた。
そして、透明基材の原反上に前記プライマー組成物の流動状態の層を備えるPETフィルム109を、そのプライマー組成物の層が凹版ロール22の版面23側に対向した状態で、凹版ロール22とニップローラ25との間に挟む。その凹版ロール22とニップローラ25との間でPETフィルム109のプライマー組成物の層は版面23に押し付けられる。プライマー組成物の層は流動性を有しているので、版面23に押し付けられたプライマー組成物の層は、導電性組成物28と黒インキ38が充填した凹部内にも流入し、凹部内で生じた導電性組成物28と黒インキ38の凹みを充填する(図1(E)の如き状態)。こうしてプライマー組成物の層は導電性組成物28と黒インキ38に対して隙間なく密着した状態となる。その後、さらに凹版ロール22が回転して電離放射線照射装置29の高圧水銀灯によって紫外線が照射され、電離放射線硬化性樹脂組成物からなるプライマー組成物の層が架橋反応によって硬化し固化してプライマー層となる。
固化したプライマー層により、凹版ロール22の凹部内の導電性組成物28及び黒インキ38はプライマー層と密着し、その後、出口側のニップローラ26によって(固化でプライマー層化した層を備えた)PETフィルム109が凹版ロール22から剥離され、PETフィルムのプライマー層上には黒化層と導電性組成物層が印刷形成された印刷フィルム110となる。
次いで、印刷フィルム110を、130℃の乾燥ゾーン(不図示)を通過させて導電性組成物28の溶剤を蒸発させて固化させて、プライマー層上にメッシュパターンからなる導電性組成物層を形成して、電磁波シールド材とした。
導電性組成物層の厚み(導電性組成物層が形成されているメッシュパターン部分とそれ以外の部分との厚み差;層形成部と層非形成部の厚み差)は9μmであり、凹版の凹部内の導電性組成物が90%の高い転移率(転移率=(印刷、固化後の導電性組成物層の高さ/凹版の凹部深さ)×100(%)にて定義)で転移していた。また、線幅20μmの導電性組成物層のパターンには、断線や形状不良も見られなかった。また、表面抵抗値、光線反射率、密着性は、表1に示す結果となった。
なお、黒化層による黒化の度合いは光線反射率によって評価した。該光線反射率は、電磁波シールド材の透明基材側(導電性組成物層の黒化層積層側)について、可視光線の反射光のうち拡散反射光のみの(積分)強度を測定するような正反射光除去のSCE(Specular Component Excluded)モードにて、Y値(3刺激値XYZのY)で測定評価した。該反射率が低い程、黒化度は良好と評価される。また、密着性はセロハン粘着テープ(商品名「セロテープ」(登録商標)、18mm幅)を、導電性組成物層のパターン表面に室温(23℃)にて貼着した後、剥離し、該セロハン粘着テープ側に該導電性組成物層パターンの転移の有無を目視判定することで、メッシュ状パターン(導電性組成物層及び黒化層)の透明基材への密着強度を評価した。該メッシュ状パターンの転移量が低い程、密着強度は良好と評価される。
[比較例1]
図4に示す装置にて実施例1で行った、(導電性組成物28をファニッシャローラ21によって凹版ロール22に塗布しドクターブレード24で掻き取り凹版の凹部に充填後の、)黒インキ38の充填は行わない方法とした以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド材の作製を行った。導電性組成物28は実施例1と同様に導電性粒子に銀を用いた銀ペーストを使用した。版の凹部内の導電性組成物が90%の高い転移率で転移しており、厚み9μm、線幅20μmの導電性組成物層のパターンには断線や形状不良も見られなかった。導電性と密着性は実施例1と同等であった。
[比較例2]
図4に示す装置にて実施例1でおこなった導電性組成物28をファニッシャローラ21によって凹版ロール22に塗布を行いドクターブレード24で掻き取りドクターブレード24掻きとられた導電性組成物28は凹版の凹部に充填した後に、黒インキ充填を行わない方法にて作製を行った。導電性組成物28としては、実施例1の導電性組成物に対して黒化のためカーボンブラックを銀重量に対し3質量%添加したカーボン添加銀ペーストを使用した。版の凹部内の導電性組成物が90%の高い転移率で転移していた。また、厚み9μm、線幅20μmの導電性組成物層のパターンには断線や形状不良も見られなかった。しかし、実施例1に比べ反射率(黒化度)はほぼ同等であったが、導電性(表面抵抗値)が悪く、密着性も劣っていた。
Figure 2010258325
[比較例3]
凹版印刷ではなく、スクリーン印刷によって、透明基材上に、黒化層の印刷に引き続き導電性組成物層の印刷を行った。スクリーン印刷では、最初の印刷の黒化層のパターンに対して、導電性組成物層の二番目の印刷時に見当がずれてこれら両方のパターンを正確に一致させて印刷できなかった。

Claims (2)

  1. 透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上にパターン形成された黒化層と、該黒化層の直上に該黒化層と平面視上同じパターンでパターン形成された導電性組成物層とを少なくとも有する電磁波シールド材の製造方法であって、
    A.凹版の版面の凹部に導電性組成物を充填する第一充填工程、
    B.次いで、該導電性組成物が該凹部内に存在するうちに更に該凹部内の導電性組成物上に黒化組成物を充填する第二充填工程、
    C.次いで、固化によりプライマー層となるプライマー組成物が流動状態で凹版版面と透明基材間に介在する様に、該プライマー組成物を該版面に塗布するか、該プライマー組成物を透明基材に塗布しておくか、或いはこれら両者を併用して、上記黒化組成物を充填済みの凹版に対して透明基材を重ねて圧着する圧着工程、
    D.次いで、プライマー組成物を固化させてプライマー層とするプライマー組成物の固化工程、
    E.次いで、透明基材を版面から離して、凹部内の両組成物を透明基材上のプライマー層上に転移させる転移工程、
    F.上記Eの転移工程の前又は後に、導電性組成物は固化させて導電性組成物層とし、黒化組成物は固化させて黒化層とする印刷組成物の固化工程、
    の各工程を少なくとも含む、電磁波シールド材の製造方法。
  2. 上記導電性組成物が導電性粒子と硬化性樹脂を含む組成物である、請求項1記載の電磁波シールド材の製造方法。
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