JP2010258037A - 電子デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可撓性を有する電子デバイスを、素子の劣化を防いで簡易に且つ短時間で製造することができる電子デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】支持基板12上に、特定の刺激によって発泡する発泡材を含む剥離層14を形成する工程と、前記剥離層上に電子デバイスを構成する素子を含む構造体11を形成する工程と、前記剥離層に前記特定の刺激を加えることにより該剥離層に含まれる前記発泡材を発泡させ、該剥離層を介して前記構造体を前記支持基板から剥離させる工程と、を有する電子デバイス10の製造方法。好ましくは、発泡材として熱膨張性マイクロカプセル15を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子デバイスの製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、有機電界発光(有機EL)ディスプレイなどの電子デバイスの製造では、薄型トランジスタ(TFT)を形成する基板としてガラスが使用されているが、軽量化・薄型化への要求に応えるためにガラス基板の厚さを薄くした製品の開発が進んでいる。しかし、ガラス基板を薄型化するのには限界があり、より軽量化・薄型化を実現するためプラスチックフィルムを基板として利用しようという動きがある。プラスチックフィルムを用いれば、軽量化・薄型化を実現するだけでなく、衝撃に強い製品にすることが可能となるために外装ケースの軽量化なども同時に実現することができるといった利点もある。
TFTをプラスチックフィルム上に作製するためには大きく分けて2つの方法がある。一つはフィルム上に直接TFTを形成する手法(直接法)であり、もう一つはガラス基板上にTFT等を形成した後にガラス基板から分離してフィルムを貼り付ける手法(間接法)である。
直接法を用いた場合、プラスチックはガラスに比べてTFTの作製上様々な問題があり、特に大型化を図る場合に不利となる。具体的には下記のような問題がある。
・表面にキズ等による凹凸が生じ易く、凹凸の段差が1μm程度になる場合がある。
・フィルムの伸縮性が大きく、基板の形状や寸法が、吸水、温度等により変化し易い。
・耐熱性が低く、特にガラス転移温度を超えると熱収縮が生じる。
一方、間接法は、ガラス基板上にTFT等の素子を形成した後、ガラス基板から分離してプラスチックフィルムを貼り付ける工程が必要となるものの、前記のような直接法での問題点がないことから間接法に注目が集まっている。
間接法でポイントとなるのが、ガラス基板から素子等を剥がす技術であり、代表的な手法としてレーザを用いた剥離法が提案されている。例えば、図5に示すように、ガラス基板12とTFT等を含む構造体3との界面に、剥離層1としてアモルファスシリコン層を形成しておき、強いレーザ光5を照射してアブレーションにより剥離する方法が提案されている(特許文献1、2参照)。
しかし、このような方法は、原理的には剥離層1を構成する材料をレーザというエネルギー密度の高いもので分子間又は原子間の結合を切るものであり、大出力のレーザ光源を必要とすることから、装置コストが高く、生産性は低いといった問題がある。
他の手法として、剥離層にポリイミドを採用する方法が提案されている。例えば特許文献3では、剥離層として特定のポリイミドを用い、時間の経過に伴う吸湿に起因して密着性が低下するため、特別な処理を行うことなく剥離することができ、剥離後は、ヒドラジン−エチルジアミンを用いた湿式エッチングを行うことで、残留するポリイミドを除去することが開示されている。しかし、この手法では、剥離層の密着性(剥離)を制御することが難しく、剥離層として使用する材料が極めて限定される。
なお、上記のような湿式法によって剥離層の密着性を低下させて剥離を行う場合、例えば、図6に示すように、TFT等を含む構造体3を形成した後、薬液6に浸して剥離層2に浸透させることで剥離することも考えられる。しかし、薬液6がガラス基板12と素子の間の薄い領域から浸透するのにかなりの時間を要するため、生産性が低く、剥離した後のハンドリングや薬液によっては他の層が侵され易いといった問題もある。
また、上記のような湿式法では最終的に有機溶剤や純水による洗浄工程が必要となるが、有機ELディスプレイ、X線センサー、電子ペーパー等の電子デバイスが作製された状態でウェット処理をするためには、これらのデバイスが水等に触れないように保護層を設けるなどの防水処理を施しておく必要がある。特に有機ELデバイスは微量な水分でも素子を劣化させることが知られており、湿式法による製造は困難である。
特許第3809681号公報 特開2006−121059号公報 特開2000−306441号公報
本発明は、可撓性を有する電子デバイスを、素子の劣化を防いで簡易に且つ短時間で製造することができる電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下の電子デバイスの製造方法が提供される。
<1> 支持基板上に、特定の刺激によって発泡する発泡材を含む剥離層を形成する工程と、
前記剥離層上に電子デバイスを構成する素子を含む構造体を形成する工程と、
前記剥離層に前記特定の刺激を加えることにより該剥離層に含まれる前記発泡材を発泡させ、該剥離層を介して前記構造体を前記支持基板から剥離させる工程と、
を有する電子デバイスの製造方法。
<2> 前記発泡材を発泡させる工程において、前記剥離層を加熱して前記発泡材を発泡させる<1>に記載の電子デバイスの製造方法。
<3> 前記発泡材が、熱膨張性マイクロカプセルである<1>又は<2>に記載の電子デバイスの製造方法。
<4> 前記熱膨張性マイクロカプセルが、光吸収剤を含む<3>に記載の電子デバイスの製造方法。
<5> 前記剥離層を、前記支持基板側から加熱する<1>〜<4>のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法。
<6> 前記電子デバイスとして、有機ELディスプレイパネル、X線ディテクタ、又は電子ペーパーを製造する<1>〜<5>のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、可撓性を有する電子デバイスを、素子の劣化を防いで簡易に且つ短時間で製造することができる電子デバイスの製造方法が提供される。
第1の実施形態に係る有機EL素子の構成を示す概略図である。 第1の実施形態に係る有機EL素子の製造工程の一例を示す図である。 第2の実施形態に係るX線ディテクタの製造工程の前半を示す図である。 第2の実施形態に係るX線ディテクタの製造工程の後半を示す図である。 レーザ照射で剥離を行う方法を示す図である。 薬液を用いて剥離を行う方法を示す図である。
本発明に係る電子デバイスの製造方法は、支持基板上に、特定の刺激によって発泡する発泡材を含む剥離層を形成する工程と、前記剥離層上に電子デバイスを構成する素子を含む構造体(適宜、「素子構造体」という。)を形成する工程と、前記剥離層に前記特定の刺激を加えることにより該剥離層に含まれる前記発泡材を発泡させ、該剥離層を介して前記構造体を前記支持基板から剥離させる工程と、を有する。
本発明は、発光装置、表示装置、検出装置などの可撓性を有する薄型の電子デバイスの製造に好適である。以下、添付の図面を参照しながら、有機ELディスプレイ及びX線ディテクタを製造する場合について説明する。なお、各構成の材料、厚み、成膜方法等を適宜限定して説明するが、本発明はこれらに限定されず、目的とする電子デバイスの構成に応じて適宜選択すればよい。
<第1実施形態>
図1は、本発明により製造される有機ELディスプレイの構成の一例を概略的に示しており、図2は、図1に示す有機ELディスプレイ10の製造工程の一例を示している。ここでは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム38上に、InGaZnO系材料により形成される活性層(半導体層)26を有するTFTと、有機EL素子とが積層された構成を有するアクティブマトリクス方式であり、封止フィルム36側から光を取り出すトップエミッション型の有機ELディスプレイを製造する場合について説明する。
−剥離層の形成−
まず、支持基板12上に、特定の刺激によって発泡する発泡材を含む剥離層14を形成する(図2(A))。
支持基板12は、剥離層14上にTFT及び有機EL素子を安定して形成することができるとともに、前記特定の刺激に対して耐久性を有するものを用いる。具体的には、ガラス、セラミックス、Fe、Al、Ni、Co、Cuやこれらの合金等の金属、Siなどの半導体基板が挙げられるが、耐熱性、コスト、安定性などの観点から、ガラス基板が好ましい。
剥離層14は、剥離の際に加える特定の刺激、例えば、熱、紫外線、赤外線、放射線、マイクロ波、超音波などによって発泡する発泡材を含む層とする。発泡材としては、具体的には、熱を加えて膨張するマイクロカプセル(適宜、「熱膨張性マイクロカプセル」、「マイクロカプセル」という。)、加熱などの刺激によって分解することにより気泡を生じる発泡材などが挙げられる。
本発明で用いる熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性高分子を主成分とする殻が低沸点の液状炭化水素を包み込んだ形態の球状粒子であり、加熱によって殻を構成する熱可塑性樹脂が軟化するとともに、内包されている液状炭化水素が気化して膨張するものである。剥離層14がこのような熱膨張性マイクロカプセルを含んでいれば、殻(壁材)を構成する樹脂の軟化点以上に加熱されたときにマイクロカプセルが膨張して剥離層14内に気泡が形成されることになる。
剥離層14に含まれる熱膨張性マイクロカプセルの粒径、熱膨張開始温度、及び膨張率は、剥離層14の厚み、剥離層14上に形成する素子構造体11等にもよるが、マイクロカプセルは素子構造体11の形成工程で曝される温度では膨張せず、素子構造体11の形成後、TFTの活性層、有機EL素子の有機EL層などにダメージを与えずに膨張させることができるとともに、マイクロカプセルの膨張により剥離層14の強度又は密着性を確実に低下させるものを用いる。これらの観点から、例えば、膨張前の平均粒径が20〜50μmであり、熱膨張開始温度が150〜250℃であり、体積膨張率が30〜100倍であるマイクロカプセルを用いることができる。
このような熱膨張性マイクロカプセルは市場で入手することができ、例えば、松本油脂製薬社製の「マツモトマイクロスフェアー」などを用いることができる。
また、マイクロカプセルは、熱の吸収を促進する材料を含んでいても良い。例えば、マイクロカプセルの殻が、光吸収剤としてカーボンブラックのような黒色材料を含み、光照射により加熱すれば、マイクロカプセルが熱を吸収し易く、より短時間で膨張させることができる。
一方、剥離層14の母材となる樹脂マトリクスとしては、マイクロカプセルが熱膨張開始温度に達したときに膨張(発泡)することができ、マイクロカプセルの膨張により剥離層14の強度及び/又は密着力が低減する樹脂を用いればよい。樹脂マトリクスとして使用可能な樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン、エポキシ、アモルファスフッ素樹脂(旭硝子社「CYTOP」)などが挙げられる。例えば、200℃以上の温度に加温した際に膨張するマイクロカプセルを使用し、剥離層14の母材となる樹脂(樹脂マトリクス)にはアクリル系樹脂を用いることができる。
剥離層14におけるマイクロカプセルの配合量としては、少な過ぎると加熱によりマイクロカプセルが膨張しても剥離層14の強度又は密着性の低下が小さく、多過ぎるとコストの上昇を招きやすい。使用するマイクロカプセルの物性(膨張率など)や母材として用いる樹脂などにもよるが、マイクロカプセルの膨張により剥離層14の強度又は密着性を確実に低下させるとともに、剥離層14上の素子構造体を損傷することなく剥離層14を介して(剥離層14の内部又は界面において)剥離させる観点から、例えば、樹脂マトリクス100質量部に対して50〜200質量部のマイクロカプセルを配合すればよい。
剥離層14を形成する方法は特に限定されず、公知のコーティング法によって容易に形成することができる。例えば、マイクロカプセルと、母材となる樹脂とを溶剤に溶かしたものを、ガラス基板12上にスピンコーティング、スプレーコーティング等の公知のコーティング法により塗布した後、乾燥することにより剥離層14を形成する。
剥離層14の厚みは特に限定されないが、剥離層14を形成し易いこと、剥離層14上にTFT等の素子を形成し易いこと、加熱によって剥離層14内のマイクロカプセルを膨張させ易いことなどの観点から、例えば30〜200μmの範囲とすればよい。
−素子構造体の形成−
次に、剥離層14上に電子デバイスを構成する素子を含む構造体(素子構造体)を形成する(図2(B))。
素子構造体は、用途に応じて公知の材料及び方法により形成すればよい。
本実施形態では、剥離層14上に、絶縁バリア層16として、ポリイミドを塗布して200℃未満で硬化させて10μmの厚みでポリイミド層を形成した後、スパッタリング法により0.2μmの厚みでSi層を全面に形成する。
Si層を形成した後、画素毎にTFTを形成する。
例えば、スパッタリング法により0.05μmの厚みでモリブデン(Mo)膜を形成した後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によってパターニングすることによりゲート電極18を形成する。
なお、ゲート電極18の材質はMoに限定されず、他の公知の導電性材料を用いることができる。例えば、Al、Cr、Ta、Ti、Au、Ag等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
また、ゲート電極18の成膜方法やパターニング方法も使用する材料等に応じて適宜選択すればよく、成膜方法としては、スパッタリング法のほかに、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式が挙げられる。
また、パターニング方法としては、リフトオフ法によりパターニングしてもよいし、形成すべきゲート電極18のパターンに応じた開口部を有するメタルマスク(シャドーマスク)を用いてもよい。
ゲート電極18を形成した後、ゲート絶縁層20としてSiO層(厚み:0.2μm)、活性層26としてInGaZnO層(厚み:0.05μm)、活性層26を保護する保護層(不図示)としてGa層(厚み:0.1μm)を順次形成する。これらの層もゲート電極の形成と同様、それぞれスパッタリング法等によって順次成膜を行い、各層の形状に応じてパターニングする。
なお、各層の材料は適宜選択すればよい。例えば、ゲート絶縁層20としては、SiN、SiON、Al、Y、Ta、HfO等の絶縁体から構成され、それらの化合物を2種以上含む絶縁層としてもよい。また、ポリイミドのような高分子絶縁体を用いてもよい。
活性層26は、低温で成膜可能な非晶質酸化物半導体が好ましく、具体的には、In、Ga及びZnの少なくとも一種を含む酸化物、例えば、Inを含む酸化物、InとZnを含む酸化物、及びIn、Ga及びZnを含む酸化物が挙げられ、組成構造としては、InGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)のものが好ましい。これらは、キャリアが電子のn型半導体である。なお、ZnO・Rh、CuGaO、SrCuのようなp型酸化物半導体を活性層に用いてもよいし、特開2006−165529号公報に開示されている酸化物半導体を用いてもよい。
例えば、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によって活性層をパターニングした後、ソース・ドレイン電極22,24となるAlNd(厚み:0.1μm)をスパッタリング法により成膜してソース・ドレイン電極22,24にパターニングする。なお、ソース・ドレイン電極22,24の形成もゲート電極18の形成で例示した材料、成膜方法、パターニング方法等から適宜採用することができる。
これにより、ボトムゲート型であって、活性層26をソース・ドレイン電極22,24よりも先に形成したトップコンタクト型のTFTが形成される。なお、TFTの構造は上記のものに限定されず、適宜選択すればよい。例えば、ソース・ドレイン電極22,24の後に活性層26を形成したボトムコンタクト型のTFTでもよいし、ソース・ドレイン電極22,24をゲート電極18よりも先に形成したトップゲート型のTFTでもよい。
ソース・ドレイン電極22,24を形成した後、TFTを形成した側の基板全面に樹脂層(層間絶縁層)28を形成して平坦化する。例えば、アクリル樹脂を用いてスピンコーティングにより樹脂層28(厚み:1.5μm)を形成する。
次いで、樹脂層28にソース電極22の一部を露出させるスルーホール(不図示)を形成した後、スルーホールを介してソース電極22の一部と接続し、陽極又は陰極となる画素電極30を形成する。画素電極30としては、例えば、スパッタリング法によりAl、Mo、IZO、ITOなどの導電膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によってパターニングする。また、形成すべき画素電極30のパターンに応じたメタルマスクを用いて画素電極30を形成してもよい。
画素電極30を形成した後、有機EL層32を形成する。有機EL層32は少なくとも発光層を含む層とし、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、ブロック層などを形成する。陽極及び陰極を含めた有機EL素子の構成としては、例えば以下のような層構成を採用することができるが、これらの層構成に限定されず、目的等に応じて適宜決めればよい。
・陽極/発光層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
例えば、フルカラー表示の有機ELディスプレイを製造する場合は、赤、青、緑に応じた有機発光材料を用い、各色の画素が規則的に配列するように、それぞれメタルマスクを用いて蒸着法により選択的に成膜して発光層を形成する。
有機EL層32の形成に続き、光を取り出す側の電極としてITOを全面に成膜して透明電極34を形成する。光取り出し側の電極34は画素ごとに分割されている必要はなく、スパッタリング法により有機EL層32上の全面に成膜して共通電極34とすればよい。
共通電極34を形成した後、封止のため、接着剤等を介してバリア性を有する透明の樹脂フィルム36を貼り付ける。樹脂フィルム36を構成する樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
また、水分や酸素の透過を防ぐためのバリア層としては、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの無機物が挙げられる。
−剥離−
次に、剥離層14を加熱することにより剥離層14に含まれるマイクロカプセルを発泡(膨張)させ、剥離層14を介して素子構造体11をガラス基板12から剥離させる(図2(C))。
剥離層14を加熱する手段は特に限定されず、ホットプレート、オーブン、赤外線ランプ等の温度制御が可能な一般的な加熱装置を用いることできる。これらの加熱手段によれば、ガラス基板12上の剥離層14を同時に加熱して発泡させることができるため短時間で剥離させることができる。
なお、樹脂フィルム36側から加熱すると、フィルム36が加熱されて変形する可能性もあるので、ガラス基板12を介して加熱することが好ましい。例えば、乾燥窒素雰囲気内で、加熱温度を230℃に設定したホットプレート上にガラス基板12側を置き、剥離層14が200℃以上となるように加熱する。ガラス基板12上の剥離層14内では、加熱によりマイクロカプセル内の液状炭化水素が気化することでカプセル15が膨張し、ガラス基板12とポリイミド層16をそれぞれ押し合うことで、ガラス基板12からポリイミド層16とともに素子構造体11が浮くようにして剥離する。
なお、剥離層14を加熱してマイクロカプセル15を膨張させることにより自然に剥離させることが好ましいが、マイクロカプセル15の膨張により剥離層14の強度又は密着力を低下させ、その後、手や治具を使って剥離させてもよい。マイクロカプセル15の膨張により剥離層14の強度や、ガラス基板12及びポリイミド層16との密着力が低下していれば、素子構造体11にダメージを与えずに剥離層14の内部及び/又は界面において弱い力で剥離させることができる。
剥離層14を介して素子構造体11をガラス基板12から剥離した後、ポリイミド層16側に、ガラス基板12の代わりに封止用のPETフィルム38を、接着剤等を介してローラ39等を用いて貼り付ける(図2(D))。なお、剥離後、ポリイミド層16には剥離層14の一部が残留する場合があるが、本実施形態では、反対側(バリアフィルム側)から光を取り出すのでポリイミド層16側に剥離層14の一部が残留していても特に問題はない。
このような工程を経て両面に封止機能(バリア性)を備えた樹脂フィルム36,38が配置されることで、厚みが薄く、軽量であり、壊れ難く、曲げられる等の利点を有する信頼性の高い有機ELディスプレイ10を製造することができる。
また、本実施形態の方法によれば、高価な装置を必要とせずに数秒〜数分程度の短時間でガラス基板12から素子11を剥離させることができるため、製造コストを低く抑えることができる。また、剥離の際に薬液などを使用しないため、素子が薬液によってダメージを受けることは無く、水も使用しないため、防水処理も不要であり、特に有機EL素子の劣化を防ぐことができる。そのため、素子構造やプロセスの制約も少なく、可撓性を有する有機ELディスプレイ10を高い生産性で製造することができる。
また、剥離したガラス基板12を回収して洗浄することで再利用することができ、更なるコストの低減を図ることができる。
<第2実施形態>
図3及び図4は、本発明によるX線ディテクタの製造工程の一例を示している。ここでは、PETフィルム上に、InGaZnO系材料により形成される活性層(半導体層)26を有するTFTと、InGaZnO系材料によるフォトディテクタと、GOS(GdS:Tb)などのシンチレータとが積層された構成を有するX線フラットパネルディテクタ100を製造する場合について説明する。
−剥離層の形成−
まず、ガラス基板12上に、スピンコーティング、スプレーコーティングなどの公知の塗布方法を用いて剥離層14を形成する(図3(A))。例えば、250℃以上の温度に加温した際に発泡するマイクロカプセルを使用し、母材となる樹脂にはアクリル系樹脂を用いる。
−素子構造体の形成−
続いて剥離層14上にポリイミドを塗布し、220℃程度まで加熱して硬化させる。
次に、スパッタリング法にてSiを全面に形成した後、ゲート電極18となるMoを成膜してパターニングする。
その後、第1実施形態と同様にして、ゲート絶縁層(SiO)20、活性層(InGaZnO)26、保護層(Ga)、及びソース・ドレイン電極22,24を順次形成する。
次いで、スパッタリング法により全面にSiO絶縁層28を成膜する。さらに、SiO絶縁層28にフォトリソグラフィ法及びエッチング法によりソース電極22の取り出し用のスルーホール(不図示)を形成した後、Ti/Au電極40、InGaZnO光吸収層42、及びITO電極44をそれぞれ成膜してパターニングする(図3(B))。
次いで、接着剤等を介してシート状のシンチレータ46を貼り付け(図3(C))、さらに封止用フィルム48を貼り付ける。
−剥離−
次に、加熱温度を260℃に設定したホットプレート上にガラス基板12側を置き、剥離層14が250℃以上になるまで加熱する。ガラス基板12上の剥離層14の温度が250℃に達すると、剥離層14内のマイクロカプセル中の液状炭化水素が気化することでカプセル15が膨張し、ガラス基板12とポリイミド層16をそれぞれ押し合うことで、ガラス基板12からポリイミド層16とともに素子構造体21が剥がれて分離する(図4(A))。
剥離層14を介して素子構造体21をガラス基板12から剥離した後、ポリイミド層16側にガラス基板12の代わりに封止用のPETフィルム38を貼り付ける(図4(B))。
これにより、両面に封止機能を備えた樹脂フィルムが配置され、可撓性を有するX線フラットパネルディテクタ100が得られる(図4(C))。
本実施形態でも、高価な装置を必要とせずに短時間でガラス基板12から素子構造体21を剥離させることができるため、製造コストを低く抑えることができる。また、素子21が薬液等によってダメージを受けることは無く、可撓性を有し、信頼性の高いX線フラットパネルディテクタ100を高い生産性で製造することができる。
以上、有機ELディスプレイ及びX線ディテクタを製造する場合について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。製造する電子デバイスは目的に応じて選択すればよく、例えば電子ペーパーや液晶ディスプレイの製造にも本発明を好適に適用することができる。
また、製造する電子デバイスは必ずしもTFTを備える必要はなく、本発明はTFTを備えていない他の電子デバイスにも適用可能である。例えば、パッシブマトリックス方式のように、両面の樹脂フィルムにそれぞれ形成された電極(配線)が縦横に交差するように対向配置され、これらの電極間に有機EL素子や電子ペーパーで用いられる発色材料や表示材料を設けた電子デバイスとしてもよい。
また、X線ディテクタに関しても、X線を直接電荷に変換する直接変換方式でもよいし、X線を一度可視光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式でもよい。
10 有機ELディスプレイ
11 素子構造体
12 ガラス基板(支持基板)
14 剥離層
15 熱膨張性マイクロカプセル
16 絶縁バリア層(ポリイミド層/Si層)
18 ゲート電極
20 ゲート絶縁層
21 素子構造体
22 ソース電極
24 ドレイン電極
26 活性層
28 絶縁層
30 画素電極
32 有機EL層
34 共通電極(透明電極)
36 封止用フィルム(光取り出し側)
38 封止用フィルム
39 ローラ
40 Ti/Au電極
42 光吸収層
44 ITO電極
46 シンチレータ
48 封止用フィルム
100 X線フラットパネルディテクタ

Claims (6)

  1. 支持基板上に、特定の刺激によって発泡する発泡材を含む剥離層を形成する工程と、
    前記剥離層上に電子デバイスを構成する素子を含む構造体を形成する工程と、
    前記剥離層に前記特定の刺激を加えることにより該剥離層に含まれる前記発泡材を発泡させ、該剥離層を介して前記構造体を前記支持基板から剥離させる工程と、
    を有する電子デバイスの製造方法。
  2. 前記発泡材を発泡させる工程において、前記剥離層を加熱して前記発泡材を発泡させる請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  3. 前記発泡材が、熱膨張性マイクロカプセルである請求項1又は請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記熱膨張性マイクロカプセルが、光吸収剤を含む請求項3に記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 前記剥離層を、前記支持基板側から加熱する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記電子デバイスとして、有機ELディスプレイパネル、X線ディテクタ、又は電子ペーパーを製造する請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
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