JP2010257648A - 燃料電池モジュールの制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化されたアノード電極を迅速に還元させることができ、MEAの劣化を可及的に抑制することを可能にする。
【解決手段】制御プログラムは、制御装置に、燃料電池スタックの目標出力値Wt+1を設定する第1のステップと、前記燃料電池スタックの現在出力値Wtを検出する第2のステップと、前記目標出力値Wt+1と前記現在出力値Wtとを比較する第3のステップと、前記燃料電池スタックに前記目標出力値Wt+1に応じた燃料ガスの供給を行う第4のステップと、少なくとも前記燃料電池スタックの抵抗変化又は電圧変化のいずれかを検出する第5のステップと、少なくとも前記抵抗変化と予め設定された前記抵抗変化の設定値、又は前記電圧変化と予め設定された前記電圧変化の設定値とのいずれかを比較する第6のステップと、前記燃料電池スタックの前記現在出力値Wtを前記目標出力値Wt+1にする第7のステップとを実行させるためのプログラムである。
【選択図】図6

Description

本発明は、コンピュータによって、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を複数積層した燃料電池スタックを有する燃料電池モジュールを制御するための燃料電池モジュールの制御プログラムに関する。
通常、固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、固体電解質に酸化物イオン導電体、例えば、安定化ジルコニアを用いており、この固体電解質の両側にアノード電極及びカソード電極を配設した電解質・電極接合体(以下、MEAともいう)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持している。この燃料電池は、通常、電解質・電極接合体とセパレータとが所定数だけ積層された燃料電池スタックとして使用されている。
この種の燃料電池スタックでは、運転中に出力が変動される場合があり、この変動が繰り返されることによって、MEAが劣化し、燃料電池の耐久性が低下するおそれがある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池発電システムの運転方法が知られている。この特許文献1は、反応ガスの酸化・還元反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池に反応ガスを供給する反応ガス供給系と、前記燃料電池で発電された電気エネルギにより作動される電力負荷とを用意するステップと、前記燃料電池で発電された電気エネルギにより前記電力負荷を作動させる作動ステップとを実施する燃料電池発電システムの運転方法において、前記燃料電池の発電量を増加方向及び減少方向に変化させるとき、反応ガスの利用率を発電量変化前の利用率よりも減少させる利用率減少操作を実行することを特徴としている。
また、特許文献2に開示されている燃料電池システムが知られている。この特許文献2では、高温作動型燃料電池と、該燃料電池の運転状態を判定する燃料電池運転状態判定手段と、当該燃料電池からの出力を制御する出力制御手段と、燃料電池に燃料を供給する燃料供給系統に介装され、燃料供給量を制御する燃料供給量制御手段と、燃料電池に酸化剤を供給する酸化剤供給系統に介装され、酸化剤供給量を制御する酸化剤供給量制御手段と、燃料電池制御手段とを有し、該燃料電池制御手段は、燃料電池の出力と燃料供給量と酸化剤供給量と燃料電池の運転状態を示すパラメータとの特性が記憶されており、燃料電池の運転状態を示すパラメータ及び記憶されている前記特性に基づいて、前記出力制御手段、燃料供給量制御手段、酸化剤供給量制御手段の何れかを制御するように構成されていることを特徴としている。
特開2006−253034号公報 特開2006−032262号公報
燃料電池では、特に出力を下げた際に、酸化剤ガスや排ガスがMEAを回り込んで、アノード電極に接触し、このアノード電極を酸化させるおそれがある。このため、この状態で、出力を上げると、酸化によりMEAの発電面積が縮小されているため、前記MEAへの負荷が増大して該MEAが劣化してしまう。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2では、上記の酸化剤ガスの回り込みにより酸化されたアノード電極を迅速に還元させることができず、MEAの劣化を抑制することが困難になるという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、酸化されたアノード電極を迅速に還元させることができ、MEAの劣化を可及的に抑制することが可能な燃料電池モジュールの制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、コンピュータによって、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を複数積層した燃料電池スタックを有する燃料電池モジュールを制御するための燃料電池モジュールの制御プログラムに関するものである。
この制御プログラムは、燃料電池スタックの目標出力値を設定する第1のステップと、前記燃料電池スタックの現在出力値を検出する第2のステップと、前記目標出力値と前記現在出力値とを比較する第3のステップと、前記燃料電池スタックに前記目標出力値に応じた燃料ガスの供給を行う第4のステップと、少なくとも前記燃料電池スタックの抵抗変化又は電圧変化のいずれかを検出する第5のステップと、少なくとも前記抵抗変化と予め設定された前記抵抗変化の設定値、又は前記電圧変化と予め設定された前記電圧変化の設定値とのいずれかを比較する第6のステップと、前記燃料電池スタックの前記現在出力値を前記目標出力値にする第7のステップとを実行させている。
そして、この制御プログラムは、第3のステップの比較結果に基づいて、第4のステップ、第5のステップ及び第6のステップを実行させるとともに、前記第6のステップの比較結果に基づいて、第7のステップを実行させている。
また、この制御プログラムは、第3のステップで、目標出力値が現在出力値を超過していると判断された際、第4のステップ、第5のステップ及び第6のステップを実行させることが好ましい。すなわち、燃料電池スタックの目標出力値が、現在出力値を超過した際、前記目標出力値に応じた燃料ガスの供給を行った後、少なくとも抵抗変化と予め設定された抵抗変化の設定値又は電圧変化と予め設定された電圧変化の設定値とのいずれかが比較されている。
このため、特に酸化剤ガスや排ガスがアノード電極に回り込んで、前記アノード電極が酸化したときには、出力を増加させる前に、目標出力値に応じて供給された燃料ガスの中、出力として使用されない燃料ガスにより前記アノード電極を還元させることができる。
このように、燃料電池スタックの出力を増加させる前に、予め出力増加分の燃料ガスを供給することにより、アノード電極を還元させて前記アノード電極の発電面積を拡大させた後、出力を増加させている。従って、MEAへの負荷(高電流密度)が軽減され、前記MEAの劣化が良好に抑制される。
さらに、この制御プログラムは、第3のステップで、目標出力値が現在出力値以下であると判断された際、第1のステップに戻ることが好ましい。これにより、出力を増加させる必要がない場合には、アノード電極を還元して前記アノード電極の発電面積を拡大させるために燃料ガスが余分に供給されることがなく、前記燃料ガスの無駄が有効に削減される。
さらにまた、この制御プログラムは、第6のステップで、少なくとも抵抗変化が、予め設定された抵抗変化の設定値以下、又は電圧変化が、予め設定された電圧変化の設定値以下のいずれかであると判断された際、第7のステップを実行させることが好ましい。このため、アノード電極を還元させて前記アノード電極の発電面積を拡大させた後、出力を増加させており、MEAへの負荷(高電流密度)が軽減され、前記MEAの劣化が良好に抑制される。
また、この制御プログラムは、第6のステップで、少なくとも抵抗変化が、予め設定された抵抗変化の設定値超過、又は電圧変化が、予め設定された電圧変化の設定値超過のいずれかであると判断された際、第5のステップに戻ることが好ましい。従って、アノード電極が十分に還元されずに、前記アノード電極の発電面積が縮小された状態で、出力が増加されることがなく、MEAに負荷(高電流密度)がかかることを抑制することができる。
さらに、この制御プログラムは、第7のステップは、現在出力値から目標出力値に段階的又は連続的に変化させることが好ましい。これにより、燃料電池スタックの出力増加が容易且つ効率的に遂行される。
また、この制御プログラムは、第6のステップから第7のステップに移行する際に、前記第6のステップの比較結果に基づいて、現在出力値から目標出力値への変化時間を決定することが好ましい。このため、アノード電極の酸化状態に適した還元処理を行うことが可能になる。
さらにまた、本発明に係る制御プログラムは、燃料電池スタックの目標出力値を設定する第1のステップと、前記燃料電池スタックの現在出力値を検出する第2のステップと、前記目標出力値と前記現在出力値とを比較する第3のステップと、前記燃料電池スタックに前記目標出力値に応じた燃料ガスの供給を行う第4のステップと、少なくとも前記目標出力値と前記現在出力値の差、前記燃料電池スタックの温度、又は前記燃料電池スタックの定格未満の運転時間のいずれかを検出する第5のステップと、前記燃料電池スタックの前記現在出力値を前記目標出力値にする第6のステップとを実行させている。
そして、第3のステップの比較結果に基づいて、第4のステップ、第5のステップ及び第6のステップを実行させるとともに、前記第5のステップの検出結果に基づいて、前記第6のステップにおける現在出力値から目標出力値への変化時間を決定し、前記現在出力値から前記目標出力値に前記変化時間に沿って段階的又は連続的に変化させている。
また、この制御プログラムは、第3のステップで、目標出力値が現在出力値を超過していると判断された際、第4のステップ、第5のステップ及び第6のステップを実行させることが好ましい。
すなわち、燃料電池スタックの目標出力値が、現在出力値を超過した際、前記目標出力値に応じた燃料ガスの供給を行った後、少なくとも前記目標出力値と前記現在出力値の差、前記燃料電池スタックの温度又は前記燃料電池スタックの定格未満の運転時間のいずれかが検出されている。次いで、これらの検出結果に基づいて、出力の増加にかかる時間が決定され、燃料電池スタックの現在出力値が、目標出力値まで増加されている。
従って、特に酸化剤ガスや排ガスがアノード電極に回り込んで、前記アノード電極が酸化したときには、出力を増加させる前に、目標出力値に応じて供給された燃料ガスの中、出力として使用されない燃料ガスにより前記アノード電極を還元させることができる。
このように、燃料電池スタックの出力を増加させる前に、予め燃料ガスを供給することにより、アノード電極を還元させて前記アノード電極の発電面積を拡大させた後、出力を増加させている。これにより、MEAへの負荷(高電流密度)が軽減され、前記MEAの劣化が良好に抑制される。
さらに、この制御プログラムは、第3のステップで、目標出力値が現在出力値以下であると判断された際、第1のステップに戻ることが好ましい。このため、出力を増加させる必要がない場合には、アノード電極を還元して前記アノード電極の発電面積を拡大させるために、燃料ガスが余分に供給されることがなく、前記燃料ガスの無駄が有効に削減される。
さらにまた、燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であることが好ましい。従って、燃料電池は、発生する熱量の多い高温型燃料電池であり、燃料電池システムの耐久性及び寿命を一層向上させることができる。
また、固体酸化物形燃料電池は、電解質・電極接合体をセパレータで挟持する平板型固体酸化物形燃料電池であることが好ましい。これにより、特にシールレスタイプの燃料電池に良好に適用されるとともに、燃料電池システムの耐久性及び寿命を一層向上させることができる。
本発明によれば、燃料電池スタックの目標出力値と現在出力値との比較結果に基づいて、前記目標出力値に応じた燃料ガスの供給を行っている。次いで、少なくとも抵抗変化と予め設定された抵抗変化の設定値、又は電圧変化と予め設定された電圧変化の設定値とのいずれかが比較され、その比較結果に基づいて、現在出力値を目標出力値まで増加させている。
このため、特に酸化剤ガスや排ガスがアノード電極に回り込んで、前記アノード電極が酸化したときには、現在出力値を目標出力値に増加させる前に、前記目標出力値に応じて供給された燃料ガスの中、出力(電流)として使用されない燃料ガスにより前記アノード電極を還元させることができる。
このように、燃料電池スタックの出力を増加させる前に、予め燃料ガスを供給することにより、アノード電極を還元させて前記アノード電極の発電面積を拡大させた後、出力を増加させている。従って、MEAへの負荷(高電流密度)が軽減され、前記MEAの劣化が良好に抑制される。
また、本発明によれば、燃料電池スタックの目標出力値と現在出力値との比較結果に基づいて、前記目標出力値に応じた燃料ガスの供給を行っている。次いで、少なくとも目標出力値と現在出力値の差、燃料電池スタックの温度、又は前記燃料電池スタックの定格未満の運転時間のいずれかが検出され、これらの検出結果に基づいて、出力の増加にかかる時間が決定され、現在出力値を目標出力値まで増加させている。
このため、特に酸化剤ガスや排ガスがアノード電極に回り込んで、前記アノード電極が酸化したときには、現在出力値を目標出力値に増加させる前に、前記目標出力値に応じて供給された燃料ガスの中、出力(電流)として使用されない燃料ガスにより前記アノード電極を還元させることができる。
このように、燃料電池スタックの出力を増加させる前に、予め燃料ガスを供給することにより、アノード電極を還元させる時間を確保し、前記アノード電極の発電面積を拡大させた後、出力を増加させている。従って、MEAへの負荷(高電流密度)が軽減され、前記MEAの劣化が良好に抑制される。
本発明の第1の実施形態に係る制御プログラムが適用される燃料電池システムの機械系回路を示す概略構成説明図である。 前記燃料電池システムの回路図である。 前記燃料電池システムを構成する燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の断面説明図である。 前記制御プログラムを説明するフローチャートである。 前記制御プログラムにおける制御パターンの説明図である。 前記制御プログラムにおける抵抗変化の説明図である。 前記制御プログラムにおける別の制御パターンの説明図である。 前記制御プログラムにおけるさらに別の制御パターンの説明図である。 前記抵抗変化及び電圧変化と還元時間との関係説明図である。 前記制御プログラムにおける別のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る制御プログラムを説明するフローチャートである。 出力変更幅、スタック温度部分負荷運転時間と還元時間との関係説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る制御プログラムが適用される燃料電池システム10は、定置用の他、車載用等の種々の用途に用いられている。
燃料電池システム10は、燃料ガス(水素ガス)と酸化剤ガス(空気)との電気化学反応により発電する燃料電池モジュール(SOFCモジュール)12と、前記燃料電池モジュール12に原燃料(例えば、都市ガス)を供給する原燃料供給装置(燃料ガスポンプを含む)16と、前記燃料電池モジュール12に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置(空気ポンプを含む)18と、前記燃料電池モジュール12に水を供給する水供給装置(水ポンプを含む)20と、前記燃料電池モジュール12で発生した直流電力を要求仕様電力に変換する電力変換装置22と、前記燃料電池モジュール12を制御する制御プログラムが記録された制御装置(コンピュータ)24とを備える。
燃料電池モジュール12は、複数の固体酸化物形の燃料電池26が鉛直方向に積層される固体酸化物形の燃料電池スタック28を備える。図3及び図4に示すように、燃料電池26は、例えば、安定化ジルコニア等の酸化物イオン導電体で構成される電解質(電解質板)30の両面に、カソード電極32及びアノード電極34が設けられた電解質・電極接合体(MEA)36を備える。電解質・電極接合体36は、円板状に形成されるとともに、少なくとも外周端面部には、酸化剤ガス及び燃料ガスの進入や排出を阻止するためにバリアー層(図示せず)が設けられている。燃料電池26は、シールレスタイプの燃料電池を構成する。
燃料電池26は、各セパレータ38間に4個の電解質・電極接合体36が、このセパレータ38の中心部である燃料ガス供給連通孔40を中心に同心円上に配列される。セパレータ38は、例えば、ステンレス合金等の板金で構成される1枚の金属プレートやカーボンプレート等で構成される。
セパレータ38は、中央部に燃料ガス供給連通孔40を形成する燃料ガス供給部42を有する。この燃料ガス供給部42から外方に等角度間隔(90゜間隔)ずつ離間して放射状に延在する4本の第1橋架部44を介して比較的大径な挟持部46が一体的に設けられる。
各挟持部46は、電解質・電極接合体36と略同一寸法の円板形状に設定されており、互いに分離して構成される。挟持部46には、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給孔48が、例えば、前記挟持部46の中心又は中心に対して酸化剤ガスの流れ方向上流側に偏心した位置に設定される。
各挟持部46のアノード電極34に接触する面45aには、前記アノード電極34の電極面に沿って燃料ガスを供給するための燃料ガス通路50が形成される。面45aには、燃料ガス通路50を通って使用された燃料ガスを排出する燃料ガス排出通路52と、アノード電極34に接触するとともに、前記燃料ガスが燃料ガス供給孔48から前記燃料ガス排出通路52に直線状に流れることを阻止する迂回路形成用の円弧状壁部54とが設けられる。
面45aには、燃料ガス通路50側に突出してアノード電極34の外周縁部に接触する外縁周回用凸部56と、前記アノード電極34に接触する複数の突起部58とが設けられる。
各挟持部46のカソード電極32に接触する面45bは、略平坦面に形成されており、この面45bには、円板状のプレート60が、例えば、ろう付け、拡散接合やレーザ溶接等により固着される。このプレート60には、エッチング又は、プレス等により複数の突起部62が設けられる。挟持部46の面45b側には、突起部62によりカソード電極32の電極面に沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス通路64が形成されるとともに、前記突起部62は、集電部を構成する。
セパレータ38のカソード電極32に対向する面には、通路部材70が、例えば、ろう付け、拡散接合やレーザ溶接等により固着される。通路部材70は、平板状に構成されるとともに、中央部に燃料ガス供給連通孔40を形成する燃料ガス供給部72を備える。
燃料ガス供給部72から放射状に4本の第2橋架部74が延在するとともに、各第2橋架部74は、セパレータ38の第1橋架部44から挟持部46の面45bに燃料ガス供給孔48を覆って固着される。
燃料ガス供給部72から第2橋架部74には、燃料ガス供給連通孔40から燃料ガス供給孔48に連通する燃料ガス供給通路76が形成される。燃料ガス供給通路76は、例えば、エッチング又は、プレスにより形成される。
酸化剤ガス通路64は、電解質・電極接合体36の内側周端部と挟持部46の内側周端部との間から矢印B方向に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給連通孔78に連通する。この酸化剤ガス供給連通孔78は、各挟持部46の内方と第1橋架部44との間に位置して積層方向(矢印A方向)に延在している。
図5に示すように、各セパレータ38間には、燃料ガス供給連通孔40をシールするための絶縁シール80が設けられる。この絶縁シール80は、燃料ガス供給連通孔40を電解質・電極接合体36に対してシールする機能を有する。燃料電池26には、挟持部46の外方に位置して排ガス通路82が形成される。
図1に示すように、燃料電池スタック28の積層方向上端側(又は積層方向下端側)には、酸化剤ガスを前記燃料電池スタック28に供給する前に加熱する熱交換器86と、原燃料と水蒸気との混合燃料を生成するために、水を蒸発させる蒸発器88と、前記混合燃料を改質して改質ガスを生成する改質器90とが配設される。
燃料電池スタック28の積層方向下端側(又は積層方向上端側)には、前記燃料電池スタック28を構成する燃料電池26に積層方向(矢印A方向)に沿って締め付け荷重を付与するための荷重付与機構92が配設される(図2参照)。
改質器90は、都市ガス(原燃料)中に含まれるエタン(C26)、プロパン(C38)及びブタン(C410)等の高級炭化水素(C2+)を、主としてメタン(CH4)、水素、COを含む燃料ガスに水蒸気改質するための予備改質器であり、数百℃の作動温度に設定される。
燃料電池26は、作動温度が数百℃と高温であり、電解質・電極接合体36では、燃料ガス中のメタンが改質されて水素、COが得られ、この水素、COがアノード電極に供給される。
熱交換器86は、燃料電池スタック28から排出される使用済み反応ガス(以下、排ガスともいう)を流すための排ガス通路94と、被加熱流体である空気を排ガスと対向流に流すための空気通路96とを有する。空気通路96の上流側は、空気供給管98に連通するとともに、前記空気通路96の下流側は、燃料電池スタック28の酸化剤ガス供給連通孔78に連通する。
蒸発器88には、原燃料通路100と水通路102とが設けられる。原燃料通路100は、原燃料供給装置16に接続されるとともに、水通路102は、水供給装置20に接続される。酸化剤ガス供給装置18は、空気供給管98に接続される。
原燃料供給装置16、酸化剤ガス供給装置18及び水供給装置20は、制御装置24により制御されるとともに、前記制御装置24には、燃料ガスを検知する検知器106が電気的に接続される。電力変換装置22には、例えば、商用電源108(又は、負荷や2次電池等)が接続される(図2参照)。
図1及び図2に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池スタック28の温度を検出する温度センサ110、原燃料供給装置16から蒸発器88に供給される原燃料(燃料ガス)の流量を検出する第1流量センサ112a、及び酸化剤ガス供給装置18から熱交換器86に供給される空気(酸化剤ガス)の流量を検出する第2流量センサ112bを備える。温度センサ110、第1流量センサ112a及び第2流量センサ112bは、制御装置24に接続される。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、以下に説明する。
図1及び図2に示すように、原燃料供給装置16の駆動作用下に、原燃料通路100には、例えば、都市ガス(CH4、C26、C38、C410を含む)等の原燃料が供給される。一方、水供給装置20の駆動作用下に、水通路102には、水が供給されるとともに、空気供給管98には、酸化剤ガス供給装置18を介して酸化剤ガスである、例えば、空気が供給される。
蒸発器88では、原燃料に水蒸気が混在されて混合燃料が得られ、この混合燃料は、改質器90に供給される。混合燃料は、改質器90内で水蒸気改質され、C2+の炭化水素が除去(改質)されてメタンを主成分とする改質ガスが得られる。この改質ガスは、燃料電池スタック28の燃料ガス供給連通孔40に供給される。
一方、空気供給管98から熱交換器86に供給される空気は、この熱交換器86の空気通路96に沿って移動する際、排ガス通路94に沿って移動する後述する排ガスとの間で熱交換が行われ、所望の温度に予め加温されている。熱交換器86で加温された空気は、燃料電池スタック28の酸化剤ガス供給連通孔78に供給される。
図5に示すように、燃料ガスは、燃料電池スタック28の燃料ガス供給連通孔40に沿って積層方向(矢印A方向)に移動しながら、各燃料電池26に設けられる燃料ガス供給通路76に沿ってセパレータ38の面方向に移動する。
燃料ガスは、燃料ガス供給通路76から挟持部46に形成された燃料ガス供給孔48を通って燃料ガス通路50に導入される。燃料ガス供給孔48は、各電解質・電極接合体36のアノード電極34の略中心位置に設定されている。このため、燃料ガスは、燃料ガス供給孔48からアノード電極34の略中心に供給された後、燃料ガス通路50に沿って前記アノード電極34の外周部に向かって移動する。
一方、酸化剤ガス供給連通孔78に供給された空気は、電解質・電極接合体36の内側周端部と挟持部46の内側周端部との間から矢印B方向に流入し、酸化剤ガス通路64に送られる。酸化剤ガス通路64では、電解質・電極接合体36のカソード電極32の内側周端部(セパレータ38の中央部)側から外側周端部(セパレータ38の外側周端部側)に向かって空気が流動する。
従って、電解質・電極接合体36では、アノード電極34の電極面の中心側から周端部側に向かって燃料ガスが供給されるとともに、カソード電極32の電極面の一方向(矢印B方向)に向かって空気が供給される。その際、酸化物イオンが電解質30を通ってアノード電極34に移動し、化学反応により発電が行われる。
なお、各電解質・電極接合体36の外周部に排出される主に発電反応後の空気を含む排ガスは、オフガスとして排ガス通路94を介して燃料電池スタック28から排出される。
次いで、制御装置24によって、燃料電池モジュール12を制御するための第1の実施形態に係る制御プログラムについて、以下に説明する。
この制御プログラムは、制御装置24に、燃料電池スタック28の目標出力値Wt+1を設定する第1のステップと、前記燃料電池スタック28の現在出力値Wtを検出する第2のステップと、前記目標出力値Wt+1と前記現在出力値Wtとを比較する第3のステップと、前記燃料電池スタック28に前記目標出力値Wt+1に応じた燃料ガスの供給を行う第4のステップと、少なくとも前記燃料電池スタック28の抵抗変化又は電圧変化のいずれかを検出する第5のステップと、少なくとも前記抵抗変化と予め設定された前記抵抗変化の設定値、又は前記電圧変化と予め設定された前記電圧変化の設定値とのいずれかを比較する第6のステップと、前記燃料電池スタック28の前記現在出力値Wtを前記目標出力値Wt+1にする第7のステップとを実行させるためのプログラムである。
そして、第3のステップの比較結果に基づいて、第4のステップ、第5のステップ及び第6のステップを実行させるとともに、前記第6のステップの比較結果に基づいて、第7のステップを実行させている。なお、第1のステップと第2のステップとは、順序を逆に行ってもよい。
具体的に、図6に示すフローチャートに沿って、説明する。
燃料電池システム10では、制御装置24により燃料電池スタック28の目標出力値Wt+1(電圧×電流)が設定される(ステップS1)。
次に、制御装置24は、燃料電池スタック28が実際に出力する電圧及び電流から現在出力値Wtを検出する(ステップS2)。その際、図7に示すように、燃料電池スタック28が定格運転(出力100%)から定格未満(部分負荷)運転に移行すると、原燃料供給装置16から燃料電池スタック28に供給される燃料の供給量が減少されるとともに、燃料利用率Ufは、一定に維持されている。
さらに、ステップS3に進んで、目標出力値Wt+1と、現在出力値Wtとが比較される。目標出力値Wt+1が、現在出力値Wt以下であると判断されると(ステップS3中、NO)、ステップS1に戻される一方、前記目標出力値Wt+1が、前記現在出力値Wtを超過していると判断された際(ステップS3中、YES)、ステップS4に進む。
このステップS4では、目標出力値Wt+1に応じた燃料ガスが、燃料電池スタック28に供給される。このため、図7に示すように、燃料電池スタック28は、例えば、50%の部分負荷運転を行っている状態で、燃料ガス量は、目標出力値である定格運転(出力100%)に必要な量に増加されるため、燃料利用率Ufが低下する。従って、各電解質・電極接合体36には、アノード電極34に対して現在出力値Wtに必要な燃料ガス量以上の燃料ガス量が供給され、出力として使用されない燃料ガスは、アノード電極34を還元するために使用される。
制御装置24では、燃料電池スタック28の抵抗変化(Δ抵抗)又は電圧変化(Δ電圧)が検出される(ステップS5)。アノード電極34の還元中における抵抗変化は、図8に示される。すなわち、初期の抵抗変化に対して、還元時間が3分経過した際に、抵抗変化が略20%にまで減少し、さらに還元時間が30分経過した際には、抵抗変化が0となり、還元が終了している。
これにより、追従性を重視する際には、抵抗変化の設定値が、初期の抵抗変化の20%に設定される一方、耐久性を重視する際には、抵抗変化の設定値が0に設定される。なお、この間の任意の値を抵抗変化の設定値に設定することができる。
そこで、ステップS6において、実際に検出された抵抗変化と抵抗変化の設定値、又は実際に検出された電圧変化と電圧変化の設定値とが比較される。検出された抵抗変化が、抵抗変化の設定値を超過する、又は、検出された電圧変化が、電圧変化の設定値を超過すると判断されると(ステップS6中、NO)、ステップS5に戻る。
一方、検出された抵抗変化が、抵抗変化の設定値以下である、又は、検出された電圧変化が、電圧変化の設定値以下であると判断されると(ステップS6中、YES)、ステップS7に進む。このステップS7では、燃料電池スタック28の出力を目標出力値Wt+1に増加させる処理が実行される(図7中、プレ還元運転参照)。
ここで、燃料電池スタック28の出力を上げるパターンとしては、図7に示すように、ステップ状に、すなわち、段階的に変化させるパターンの他、図9に示すように、連続的(傾斜的)に出力を上げるパターン、又は、図10に示すように、一旦急激に出力を上げた後、徐々に目標出力値に連続的に上げていくパターンが採用される。
この場合、第1の実施形態では、燃料電池スタック28の目標出力値Wt+1と現在出力値Wtとの比較結果に基づいて、前記目標出力値Wt+1に応じた燃料ガスの供給を行っている。次いで、少なくとも抵抗変化と予め設定された抵抗変化の設定値、又は電圧変化と予め設定された電圧変化の設定値とのいずれかが比較され、その比較結果に基づいて、現在出力値Wtを目標出力値Wt+1まで増加させている。
このため、特に酸化剤ガスや排ガスがアノード電極34に回り込んで、前記アノード電極34が酸化したときには、現在出力値Wtを目標出力値Wt+1に増加させる前に、前記目標出力値Wt+1に応じて供給された燃料ガスの中、出力(電流)として使用されない燃料ガスにより前記アノード電極34を還元させることができる。
このように、燃料電池スタック28の出力を増加させる前に、予め燃料ガスを供給することにより、アノード電極34を還元させて前記アノード電極34の発電面積を拡大させた後、出力を増加させている。従って、電解質・電極接合体36への負荷(高電流密度)が軽減され、前記電解質・電極接合体36の劣化が良好に抑制されるという効果が得られる。
また、第1の実施形態では、第3のステップ(ステップS3)で、目標出力値Wt+1が現在出力値Wtを超過していると判断された際、第4のステップ(ステップS4)、第5のステップ(ステップS5)及び第6のステップ(ステップS6)のステップを実行させている。すなわち、燃料電池スタック28の目標出力値Wt+1が現在出力値Wtを超過した際(ステップS3中、YES)、前記目標出力値Wt+1に応じた燃料ガスの供給を行った後、検出された抵抗変化と抵抗変化の設定値、又は検出された電圧変化と電圧変化の設定値とが比較されている。
これにより、特に、酸化剤ガスや排ガスがアノード電極34に回り込んで前記アノード電極34が酸化したときには、燃料電池スタック28の出力を増加させる前に、目標出力値Wt+1に応じて供給される燃料ガスの中、出力として使用されない燃料ガスにより、前記アノード電極34を還元させることが可能になる。
このように、燃料電池スタック28の出力を増加させる前に、予め、出力増加分の燃料ガスを供給することにより、アノード電極34を還元させて前記アノード電極34の発電面積を拡大させた後、出力を増加させている。このため、電解質・電極接合体36への負荷(高電流密度)が軽減され、前記電解質・電極接合体36の劣化が良好に抑制される。
さらに、第3のステップ(ステップS3)で、目標出力値Wt+1が現在出力値Wt以下であると判断された際(ステップS3中、NO)、第1のステップに戻る。従って、出力を増加させる必要がない場合には、アノード電極34を還元して前記アノード電極34の発電面積を拡大させるために、燃料ガスが余分に供給されることがなく、前記燃料ガスの無駄が有効に削減される。
さらにまた、第6のステップ(ステップS6)で、抵抗変化が抵抗変化の設定値以下、又は電圧変化が電圧変化の設定値以下であると判断された際(ステップS6中、YES)、第7のステップ(ステップS7)が実行される。これにより、アノード電極34を還元させて前記アノード電極34の発電面積を拡大させた後、出力を増加させており、電解質・電極接合体36への負荷(高電流密度)が軽減され、前記電解質・電極接合体36の劣化が良好に抑制される。
また、第6のステップ(ステップS6)で、抵抗変化が抵抗変化の設定値超過、又は電圧変化が電圧変化の設定値超過であると判断された際(ステップS6)、第5のステップ(ステップS5)に戻る。このため、アノード電極34が十分に還元されずに、前記アノード電極34の発電面積が縮小された状態で、燃料電池スタック28の出力が増加されることがなく、電解質・電極接合体36に負荷(高電流密度)がかかることを抑制することができる。
さらに、第7のステップ(ステップS7)は、現在出力値Wtから目標出力値Wt+1に段階的又は連続的に変化させている(図7、図9及び図10参照)。従って、燃料電池スタック28の出力増加が容易且つ効率的に遂行される。
ところで、抵抗変化に代えて、電圧変化を採用する際にも、同様の電圧変化の設定値が予め設定される。その際、抵抗変化の大小及び電圧変化の大小による還元時間の関係は、図11に示されている。これにより、図12に示すように、ステップS5のステップが行われた後、抵抗変化の大小(又は電圧変化の大小)に基づいて、現在出力値Wtから目標出力値Wt+1への変化時間を決定するステップ(ステップS6a)を有することが可能である。その際、図7、図9及び図10に示す出力の増大方法の決定も行うことができる。このため、特にアノード電極34の酸化状態に応じて、良好且つ効率的な還元処理が遂行される。
次に、第2の実施形態に係る制御プログラムについて以下に説明する。
この制御プログラムは、制御装置24に、燃料電池スタック28の目標出力値Wt+1を設定する第1のステップと、前記燃料電池スタック28の現在出力値Wtを検出する第2のステップと、前記目標出力値Wt+1と前記現在出力値Wtとを比較する第3のステップと、前記燃料電池スタック28に前記目標出力値Wt+1に応じた燃料ガスの供給を行う第4のステップと、少なくとも前記目標出力値Wt+1と前記現在出力値Wtの差、前記燃料電池スタック28の温度、又は前記燃料電池スタック28の定格未満の運転時間のいずれかを検出する第5のステップと、前記燃料電池スタック28の前記現在出力値Wtを前記目標出力値Wt+1にする第6のステップとを実行させるためのプログラムである。
そして、第3のステップの比較結果に基づいて、第4のステップ、第5のステップ及び第6のステップを実行させるとともに、前記第5のステップの検出結果に基づいて、前記第6のステップにおける現在出力値Wtから目標出力値Wt+1への変化時間を決定し、前記現在出力値Wtから前記目標出力値Wt+1に前記変化時間に沿って段階的又は連続的に変化させている。
具体的に、図13に示すフローチャートに沿って、説明する。
燃料電池システム10では、第1の実施形態のステップS1〜ステップS4と同様に、ステップS11〜ステップS14が行われる。
さらに、燃料電池スタック28に目標出力値Wt+1に応じた燃料が供給された後(ステップS14)、ステップS15に進む。このステップS15では、目標出力値Wt+1と現在出力値Wtの差(変更幅)、燃料電池スタック28の温度又は前記燃料電池スタック28の定格未満(部分負荷状態)の運転時間の少なくとも1つ以上が検出される。
次いで、ステップS16では、出力変更幅、スタック温度又は部分負荷運転時間の少なくともいずれかに応じて、還元時間及び出力の増大パターン(図7、図9及び図10参照)が決定される。還元時間は、図14に示すように、出力変更幅の大小、スタック温度の高低及び部分負荷運転時間の長短によって、予め、設定されている。
そして、ステップS16において決定された還元時間及び出力の増大パターンに基づいて、燃料電池スタック28の現在出力値Wtを目標出力値Wt+1になるまで増加させる(ステップS17)。
この場合、第2の実施形態では、燃料電池スタック28の目標出力値Wt+1と現在出力値Wtとの比較結果に基づいて、前記目標出力値Wt+1に応じた燃料ガスの供給を行っている。次いで、少なくとも目標出力値Wt+1と現在出力値Wtの差、燃料電池スタック28の温度、又は前記燃料電池スタック28の定格未満の運転時間のいずれかが検出され、これらの検出結果に基づいて、出力の増加にかかる時間が決定され、現在出力値Wtを目標出力値Wt+1まで増加させている。
このため、特に酸化剤ガスや排ガスがアノード電極34に回り込んで、前記アノード電極34が酸化したときには、現在出力値Wtを目標出力値Wt+1に増加させる前に、前記目標出力値Wt+1に応じて供給された燃料ガスの中、出力(電流)として使用されない燃料ガスにより前記アノード電極34を還元させることができる。
このように、燃料電池スタック28の出力を増加させる前に、予め燃料ガスを供給することにより、アノード電極34を還元させる時間を確保し、前記アノード電極34の発電面積を拡大させた後、出力を増加させている。従って、電解質・電極接合体36への負荷(高電流密度)が軽減され、前記電解質・電極接合体36の劣化が良好に抑制されるという効果が得られる。
また、第3のステップ(ステップS13)で、目標出力値Wt+1が現在出力値Wtを超過していると判断された際(ステップS13中、YES)、第4のステップ(ステップS14)、第5のステップ(ステップS15)及び第6のステップ(ステップS16)が行われる。
すなわち、燃料電池スタック28の目標出力値Wt+1が、現在出力値Wtを超過した際、前記目標出力値Wt+1に応じた燃料ガスの供給を行った後、少なくとも前記目標出力値Wt+1と前記現在出力値Wtの差、前記燃料電池スタック28の温度、又は前記燃料電池スタック28の定格未満の運転時間のいずれかが検出されている。次いで、これらの検出結果に基づいて、燃料電池スタック28の出力の増加にかかる時間が決定され、燃料電池スタック28の現在出力値Wtが、目標出力値Wt+1まで増加されている。
このため、特に酸化剤ガスや排ガスがアノード電極34に回り込んで、前記アノード電極34が酸化したときには、燃料電池スタック28の出力を増加させる前に、目標出力値Wt+1に応じて供給された燃料ガスの中、出力として使用されない燃料ガスにより前記アノード電極34を還元させることが可能になる。
このように、燃料電池スタック28の出力を増加させる前に、予め燃料ガスを供給することにより、アノード電極34を還元させて前記アノード電極34の発電面積を拡大させた後、出力を増加させている。従って、電解質・電極接合体36への負荷(高電流密度)が軽減され、前記電解質・電極接合体36の劣化が良好に抑制される。
さらに、この制御プログラムは、第3のステップ(ステップS13)で、目標出力値Wt+1が現在出力値Wt以下であると判断された際(ステップS13中、NO)、第1のステップ(ステップS11)に戻る。これにより、出力を増加させる必要がない場合には、アノード電極34を還元して前記アノード電極34の発電面積を拡大させるために燃料ガスが余分に供給されることがなく、前記燃料ガスの無駄が有効に削減される。
10…燃料電池システム 12…燃料電池モジュール
16…原燃料供給装置 18…酸化剤ガス供給装置
20…水供給装置 22…電力変換装置
24…制御装置 26…燃料電池
28…燃料電池スタック 30…電解質
32…カソード電極 34…アノード電極
36…電解質・電極接合体 38…セパレータ
86…熱交換器 88…蒸発器
90…改質器

Claims (12)

  1. コンピュータによって、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を複数積層した燃料電池スタックを有する燃料電池モジュールを制御するための燃料電池モジュールの制御プログラムであって、
    前記燃料電池スタックの目標出力値を設定する第1のステップと、
    前記燃料電池スタックの現在出力値を検出する第2のステップと、
    前記目標出力値と前記現在出力値とを比較する第3のステップと、
    前記燃料電池スタックに前記目標出力値に応じた前記燃料ガスの供給を行う第4のステップと、
    少なくとも前記燃料電池スタックの抵抗変化又は電圧変化のいずれかを検出する第5のステップと、
    少なくとも前記抵抗変化と予め設定された前記抵抗変化の設定値、又は前記電圧変化と予め設定された前記電圧変化の設定値とのいずれかを比較する第6のステップと、
    前記燃料電池スタックの前記現在出力値を前記目標出力値にする第7のステップと、
    を実行させ、
    前記第3のステップの比較結果に基づいて、前記第4のステップ、前記第5のステップ及び前記第6のステップを実行させるとともに、
    前記第6のステップの比較結果に基づいて、前記第7のステップを実行させることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  2. 請求項1記載の制御プログラムにおいて、前記第3のステップで、前記目標出力値が前記現在出力値を超過していると判断された際、前記第4のステップ、前記第5のステップ及び前記第6のステップを実行させることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  3. 請求項1又は2記載の制御プログラムにおいて、前記第3のステップで、前記目標出力値が前記現在出力値以下であると判断された際、前記第1のステップに戻ることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御プログラムにおいて、前記第6のステップで、少なくとも前記抵抗変化が、予め設定された前記抵抗変化の設定値以下、又は前記電圧変化が、予め設定された前記電圧変化の設定値以下のいずれかであると判断された際、前記第7のステップを実行させることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御プログラムにおいて、前記第6のステップで、少なくとも前記抵抗変化が、予め設定された前記抵抗変化の設定値超過、又は前記電圧変化が、予め設定された前記電圧変化の設定値超過のいずれかであると判断された際、前記第5のステップに戻ることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御プログラムにおいて、前記第7のステップは、前記現在出力値から前記目標出力値に段階的又は連続的に変化させることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御プログラムにおいて、前記第6のステップから前記第7のステップに移行する際に、前記第6のステップの比較結果に基づいて、前記現在出力値から前記目標出力値への変化時間を決定することを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  8. コンピュータによって、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を複数積層した燃料電池スタックを有する燃料電池モジュールを制御するための燃料電池モジュールの制御プログラムであって、
    前記燃料電池スタックの目標出力値を設定する第1のステップと、
    前記燃料電池スタックの現在出力値を検出する第2のステップと、
    前記目標出力値と前記現在出力値とを比較する第3のステップと、
    前記燃料電池スタックに前記目標出力値に応じた前記燃料ガスの供給を行う第4のステップと、
    少なくとも前記目標出力値と前記現在出力値の差、前記燃料電池スタックの温度、又は前記燃料電池スタックの定格未満の運転時間のいずれかを検出する第5のステップと、
    前記燃料電池スタックの前記現在出力値を前記目標出力値にする第6のステップと、
    を実行させ、
    前記第3のステップの比較結果に基づいて、前記第4のステップ、前記第5のステップ及び前記第6のステップを実行させるとともに、
    前記第5のステップの検出結果に基づいて、前記第6のステップにおける前記現在出力値から前記目標出力値への変化時間を決定し、前記現在出力値から前記目標出力値に前記変化時間に沿って段階的又は連続的に変化させることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  9. 請求項8記載の制御プログラムにおいて、前記第3のステップで、前記目標出力値が前記現在出力値を超過していると判断された際、前記第4のステップ、前記第5のステップ及び前記第6のステップを実行させることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  10. 請求項8又は9記載の制御プログラムにおいて、前記第3のステップで、前記目標出力値が前記現在出力値以下であると判断された際、前記第1のステップに戻ることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の制御プログラムにおいて、前記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
  12. 請求項11記載の制御プログラムにおいて、前記固体酸化物形燃料電池は、電解質・電極接合体をセパレータで挟持する平板型固体酸化物形燃料電池であることを特徴とする燃料電池モジュールの制御プログラム。
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