JP2010257603A - 発光装置及びこの発光装置を用いた表示装置 - Google Patents

発光装置及びこの発光装置を用いた表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のような大型の実装基板を用いることなく、少数の発光素子を利用してローカルディミング動作方式を行うことができる発光装置を提供する。
【解決手段】本発明の発光装置1は、発光面4Aを有し、発光面4Aを複数に分割した領域4a〜4dの領域毎に輝度を調整可能なものであって、それぞれ独立に駆動可能な複数の発光素子を有し、前記複数の発光素子からの光を出射する光源であるLDチップ2と、それぞれが前記複数の発光素子の少なくとも1つに結合され、かつその結合された少なくとも1つの発光素子からの光を伝送する複数のファイバ導波部3a〜3dと、それぞれが前記領域毎に設置され、対応するファイバ導波部を介して伝送された前記光を取り込み、取り込んだ光を出射する複数の微小波長変換部材5a〜5dとを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置及びこの発光装置を用いた表示装置に関し、特に発光面を構成する複数の領域毎に輝度及び色度を調整可能な発光装置及びこの発光装置を用いた表示装置に関する。
近年、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)等の固体発光素子からの出射光を用いる面照明装置が液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)のバックライト装置(BLU:Back-Light Unit)等として採用され始めている。現行のバックライト装置の多くは、LEDではなく、水銀を使用する冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)が用いられている。LEDを光源として用いる面照明装置は、LEDの効率向上による省エネルギ性、水銀等を含まない環境調和性、長寿命性、軽薄短小性の優位性があるので、バックライト装置として有効である。
液晶ディスプレイのバックライト装置では、複数の発光素子からの光を面状発光に変換する方式として、サイドに設置した一次元LEDアレイ(すなわちリニアアレイ)から導光板に入光させる導光板方式(サイドライト方式ともいう)か、もしくは二次元アレイ状(すなわちマトリックス状)に並べた複数のLEDの上方に拡散板を設置して光を拡散させる直下方式が主流であった(例えば、特許文献1参照)。
図7は、導光板方式の面照明装置の例を示す斜視図であり、図8は、直下方式の面照明装置の例を示す斜視図であり、図9は、冷陰極管を用いた直下方式の面照明装置の例を示す斜視図である。
図7に示す導光板方式の面照明装置100は、2つの側面部に、複数のLEDパッケージ101からなるLEDアレイ102を夫々設け、これら2つのLEDアレイ102の間には導光板103と拡散板やレンズシートなどを含む光学シート104とを設置して構成されている。図7において、各側面部に配置されたLEDアレイ102から出射された光は、導光板103に導入され、導光板103内で反射を繰り返して導光板103の面全体に拡がって、光学シート104を介して面発光が得られる。
図8に示す直下方式の面照明装置200は、複数のLEDパッケージ101を二次元アレイ状(すなわちマトリックス状)に並べて構成した二次元LEDアレイ105の上方に、光学シート104を設置して構成している。図8において、底面の基板上に設置された二次元LEDアレイ105から出射された光が、光学シート104を介して放射されることにより面発光が得られる。
また、図9に示す冷陰極管を用いた直下方式の面照明装置300は、複数の長尺な冷陰極管106を横に並べて構成した冷陰極管アレイ107の上方に、光学シート104を設置して構成している。図9において、底面に設置された冷陰極管アレイ107から出射された光が、光学シート104を介して放射されることにより面発光が得られる。
小型の液晶ディスプレイでは、LED数が少なくて済むため、前記導光板方式が主流である。また、大面積のTV用液晶ディスプレイでは、直下方式が主流である。
直下方式は、ローカルディミング(local dimming)方式の採用が容易であるため、画質と省エネが重視されるTV用液晶ディスプレイのバックライト装置に適している。ローカルディミング方式とは、液晶ディスプレイに入力される映像信号に合わせて、バックライト装置の発光面の輝度を局所的に変調できる方式である。つまり、映像の中の暗い局所においては、それに合わせてバックライト装置の対応する局所も暗くし、明るい局所は明るくするように動作する。
従来のバックライト装置は、全点灯方式であり、常に全面にわたって一定の輝度で明るく点灯していたため、消費電力が大きかった。一方、上述のローカルディミング方式は、暗い映像部分については暗くするので、その分、消費電力を下げることができる利点がある。
また、液晶ディスプレイは、液晶自体の透過率が大きいため、全点灯すると、バックライト装置の光が黒信号でも透過してしまい、映像のコントラストが低くなってしまう。一方、ローカルディミング方式は、暗い映像部分については暗くするので、その分、コントラストも向上する利点がある。
図10はこのようなローカルディミング方式を説明する図である。
図10において、バックライト装置が、例えば対角52インチのTV用液晶ディスプレイのバックライト装置1000であるとすると、このバックライト装置1000の面は、16×32=512の領域1001、1002、…1512に分割される。
分割された各領域が個別に制御可能な局所に相当するローカル領域であり、各領域1001、1002、…1512には、4個のLEDが実装されている。つまり、バックライト装置1000全体におけるLEDの総数は、4×512=2048個である。この領域毎の4個のLEDを映像に合わせて制御することによりローカルディミングが行われる。
このようなローカルディミング方式には、RGB色信号に合わせてRGB−LEDを夫々制御するカラーローカルディミング方式もある。その場合は、さらに消費電力が下がり画質も向上する利点がある。
このカラーローカルディミング方式におけるLEDの構成を説明すると、図10に示すように、1つのLEDパッケージ101の中にRGB夫々の色のLEDチップ101a、101b、101cが実装されている、いわゆる“Three-in-one”のLEDパッケージ101が用いられている。RGB方式の場合は、使用されるLEDチップの数は、2048×3=6144個となる。
このように、直下方式のバックライト装置は、膨大な数のLEDチップを必要とするので、実装が煩雑で手間もかかるとともに、コストが高くなってしまう問題がある。
さらに、画質を上げるために領域の分割数を増やすと、その分、LED数が増加する。つまり、ローカルディミング方式は、領域1つに対してLEDが少なくとも1つ必要であるので、領域数が増えれば、LED数も増加する。
また、このようなローカルディミング方式に限らず、液晶モジュールを用いずにLEDだけで映像ディスプレイを構成しようとすると、フルハイビジョンでは200万画素以上であり、個別半導体であるLEDを用いる映像ディスプレイの実現には、さらに困難が伴う。しかし、LED映像ディスプレイは実現できれば、上述したように、液晶ディスプレイよりも消費電力とコントラストの点で優位性が高い。
また、直下方式は、発光面全域にわたって配線等のための実装基板が必要であり、発光面の面積が大きくなるほど装置全体が重くなりコストも高くなってしまう。また、発光装置全体を薄くすることも困難である。
また、ローカルディミング方式は、導光板方式又は冷陰極管方式では領域を構成できない。そのため、これら導光板方式又は冷陰極管方式はローカルディミング方式への適用が困難である。従って、ローカルディミング方式は、前記したような直下型方式に限られているのが現状である。
特開2005−316337号公報
従来のLEDを用いたバックライト装置等の発光装置では、消費電力とコントラストの点で優位性が高い直下方式のローカルディミング方式が有効であるが、膨大な数の発光素子(LED)を基板上に実装する手間が掛かるので、コストが高くなってしまうといった問題があった。
また、上述したように、直下方式のローカルディミング方式の場合、面内全域に対応する実装基板が必要となるため、重量が増大し、コストも高くなってしまうといった問題もあった。
従って、直下方式で、重量及びコストをより低減した発光装置、及びこの発光装置を用いた映像ディスプレイ等の表示装置を実現することが困難であった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、従来のような大型の実装基板を用いることなくローカルディミング動作方式を行うことができる発光装置及びこの発光装置を用いた表示装置を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、発光面を有し、前記発光面を複数に分割した領域(area)の領域毎に輝度もしくは色度を調整可能な発光装置であって、独立に駆動可能な複数の発光素子(light emitting element)を有し、前記複数の発光素子をモノリシックに集積した光源(monolithically integrated light source)と、
前記分割したそれぞれの領域に前記集積光源(said integrated light source)のそれぞれの発光素子の光出力を配分する複数の光学伝送路(light transmission line)と
を具備したことを特徴とする。
本発明の表示装置は、入力される映像信号に基づいて映像を表示する表示装置であって、前記発明の発光装置をバックライト装置として備え、入力される映像信号に対応して、前記領域毎に光の輝度もしくは色度が調整されることを特徴とする。
本発明の発光装置及びこの発光装置を用いた表示装置によれば、従来のような大型の実装基板を用いることなくローカルディミング動作方式を行うことができるため、重量及びコストを大幅に低減することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を説明するための図。 図1の発光装置の光源としてのLDチップの構成を説明するための斜視図。 本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の一部破断した斜視図。 本発明の第2の実施の形態に係る発光装置の一部破断した斜視図。 本発明の第3の実施の形態に係る発光装置の一部破断した斜視図 本発明の第4の実施の形態に係る発光装置のLDチップを示す斜視図。 従来の導光板方式の面照明装置の例を示す斜視図。 従来の直下方式の面照明装置の例を示す斜視図。 従来の冷陰極管を用いた直下方式の面照明装置の例を示す斜視図。 ローカルディミング方式を説明する説明図。 従来の光源としてのLEDチップの構成及び配光特性説明する図。 従来の光源としてのLDチップの構成を示す斜視図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を説明するための図である。図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の一部破断した斜視図である。図1(b)は、図1(a)のA−A線に沿った断面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の光源としてのレーザダイオード(LD:Laser Diode)チップの構成を説明するための斜視図である。
図1の発光装置1は、平面状の発光面(planar illuminant surface)4Aを有している。発光面4Aは、複数の領域に分割されており、図1では、4つの領域4a、4b、4c、4dだけを示している。従って、以下の説明では、説明を簡単にするために、その4つの領域4a〜4dについての発光について説明する。
発光装置1は、光源2と、伝送路としての導波部(waveguide)3と、バックライト装置本体4と、光学部材としての複数の微小波長変換部材5とを有して構成される。
光源2は、発光装置1のバックライト装置本体4の側面に近接した位置、あるいはこのバックライト装置本体4の側面から離間する位置に配置されている。
発光装置1のバックライト装置本体4は、薄い箱状の外形の筺体である。拡散板(diffusion plate)4Bから構成される光学シートが微小波長変換部材5に対向して設けられており、拡散板4Bの上面の発光面4Aを介して光が拡散放射されることによって面発光する。
光源2は、複数の(ここでは4つの)、半導体レーザ共振器(semiconductor laser cavity or diode laser cavity)有する集積型レーザダイオードチップであり、各共振器(cavity)から光を出射する。具体的には、光源2は、互いに独立に駆動可能な複数の半導体レーザ共振器(semiconductor laser cavity or diode laser cavity)7a〜7dを集積して構成された集積光源であり、それぞれのレーザ共振器は狭角配光特性を有する光を出射する。
ここで、従来のLEDチップとLDチップとの構成及び光学特性等の違いについて図11、図12を用いて説明する。
図11(a)は、従来の光源としてのLEDチップの構成を示す斜視図である。図11(b)は、図11(a)のLEDチップの配光特性を示す図である。図12は、従来の光源としてのLDチップの構成を示す斜視図である。
図11のLEDチップ101Aは、一般に面発光型のLEDチップであり、LEDチップ101Aの略表面全体から光を出射する。このLEDチップ101Aは、発光する活性層120と、この活性層120を上下方向から挟むように積層されるp型クラッド層121、n型クラッド層122と、ボンディングパット90と、金ワイヤ90Aとを有して構成されている。LEDチップ101Aは、この金ワイヤ90Aを介して給電を行うようになっている。
このLEDチップ101Aにおける配光特性は、図11(b)に示すように、基本的にLambertian分布(ランベルトの余弦則、完全拡散面)の配光特性を有し、その半値全角は120゜となっている。
このような1つのLEDチップ101Aを独立駆動可能な複数の領域に分けると、独立駆動のための分離電極や、ボンディングパット等の電極スペースが追加で必要になる。さらに、指向性の悪いLambertian分布の配光出力を、導波路や導光体に領域別に結合させて、バックライト装置の所定位置に伝送させることも困難である。
これに対して、図12のLDチップ201は、端面放射型であり、数ミクロン幅で導波路メサストライプ224Aを形成する。つまり、前側劈開端面(front cleaved facet)201Aと後側劈開端面(rear cleaved facet)201Bをミラー反射面とするストライプ状光共振器(optical cavity stripe)224を形成することになる。
このLDチップ201の層構造は、発光する活性層(active layer)220と、この活性層220を上下方向から挟むように積層されるp型クラッド層(cladding layer)221、n型クラッド層222と、絶縁膜223とで構成されている。
このようなLDチップ201では、ストライプ状光共振器224の活性層20のみに給電される。この場合、絶縁膜223が設けられているので、活性層220以外に電流が流れない。この給電により、ストライプ状光共振器24の活性層220のみに利得(gain)が生じ、レーザ発振する。
また、LDチップ201の幅は、例えば300μm程度に構成され、ストライプ状光共振器224以外の部分は、発光に寄与しない。また、このようなLDチップ201において、前側端面201Aからの光出力は、その半値全角が、活性層220の面に対して平行な水平方向で10°程度、また活性層220の面に対して垂直な垂直方向で30°程度の配光特性を有している。従って、LDチップ201は、図11に示すLEDチップ101Aよりも極めて狭い配光特性を有している。
本実施の形態に係る発光装置1は、このような狭角配光特性を有するLDチップを光源2として用いている。
次に、本実施の形態の発光装置1の光源として用いられるLDチップ2の構成について図2を用いて説明する。
図2に示すように、光源を構成するLDチップ2は、例えば405nmの青紫の光で発振するInGaN(インジウム・ガリウム・ナイトライド)系LDチップとして構成される。
このLDチップ2は、発光する活性層20と、この活性層20を上下方向から挟むように積層されるp型クラッド層21、n型クラッド層22と、複数の絶縁膜23とで形成される。ただし、前記ストライプ状光共振器224(図12参照)と略同様の複数のレーザ共振器7と、反射膜8と、複数のボンディングパット9と、複数の金ワイヤ9Aとを有して構成されている。複数のレーザ共振器7は、ここでは、4つのレーザ共振器7a、7b、7c、7dである。すなわち、本実施の形態のLDチップ2は、合計4つの発光素子を含む。LDチップ2の幅は、例えば400μmとなるように構成されている。また、各レーザ共振器7a〜7dの間隔は、例えば100μmとなるように構成されている。
このように、LDチップ2の幅、及び各レーザ共振器7a〜7dの間隔は、各レーザ共振器7a〜7dを独立に駆動変調するのに必要なボンディングパット9及び金ワイヤ9Aを設置することが可能な範囲に収まる。しかし、LDチップ2の幅、及び各レーザ共振器7a〜7dの間隔は、これに限定されることはなく、必要に応じて変更しても良い。
反射膜8は、LDチップ2の後側端面2Bにコーティングして設けられている。この反射膜8は、発振した光を反射することにより前側端面2Aから効率良く出射する特性を有している高反射率の多層膜材料(multi-layered material)からなる。
LDチップ2の前側端面2Aには、上述したように4つのレーザ共振器7a〜7dが配置されている。これら4つのレーザ共振器7a〜7dには、それぞれ導波部3のファイバ導波部3a〜3dのそれぞれの一方の端部が結合されている。このファイバ導波部3a〜3dは、レーザ共振器7a〜7dからの光を、後述するバックライト装置本体4の各領域4a〜4bにそれぞれ配置された微小波長変換部材5a〜5d(図1(a)参照)へと伝送する。
バックライト装置本体4は、図1(a)に示すように、発光面4Aを複数に分割した複数の領域を有している。上述したように、図1(a)では、その内の4つの領域、ここでは、4つの領域4a〜4dが示されている。この4つの領域4a〜4dには、それぞれ光学部材としての微小波長変換部材5a〜5dが設置されている。
4つの領域4a〜4dには、前記ファイバ導波部3a〜3dの一方の端部がそれぞれ配設されている。各ファイバ導波部3a〜3dの他方の端部である先端部が、図1(b)に示すように、各領域4a〜4dの微小波長変換部材5a〜5dの設置位置に対応して、固定されている。かかる構成にすることで、図1(b)において矢印で示したように、レーザ共振器7からの光を各領域4a〜4dの微小波長変換部材5に導くことができる。
これら微小波長変換部材5a〜5dは、各領域4a〜4dにおけるファイバ導波部3a〜3dの先端からの405nmの青紫光出力を、バックライト装置に適した色度/色温度を有する白色光に変換するため蛍光体がブレンドされて構成されている。
従って、このような構成によれば、4つのレーザ共振器7a〜7dを有するInGaN系の一つのLDチップ2で、バックライト装置本体4の4つの領域4a〜4dに光を伝送することができ、それぞれ独立に変調駆動することによって、ローカルディミング動作の実現が可能となる。
なお、図1(a)に示すように、LDチップ2を駆動させる駆動部10と、レーザ共振器7の光出力を検出する検出部11と、この検出部11の検出結果に基づいて駆動部10を制御することでLDチップ2に流れる電流を調整してLDチップ2の光出力を制御する制御部12とを含むようにして発光装置1を構成しても良い。
なお、発光素子であるレーザ共振器7a〜7dのそれぞれは、本実施の形態のようにストライプ状の導波部(waveguide)をベースにしたものが一般的であるが、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)のように、チップ面に垂直に構成されたものであっても良い。また、発光素子は、レーザ発振していなくても、導波路型の共振器で弱い光増幅を行うエッジエミッション型LED(EE-LED)であっても良い。
また、本実施の形態において、レーザ(Laser:Light Amplification by Stimulated Emission Radiation)という用語は、光の発振の有無に拘わらず、誘導放出による光増幅を意味するものである。よって、発振前の前記VCSELについても、RC−LED(Resonant-Cavity LED)と呼ばれることもあり、同様の理由でレーザ共振器に含まれる。
次に、このような構成の発光装置1の動作を説明する。図1に示す発光装置1は、1つのLDチップ2で、バックライト装置本体4の4つの領域4a〜4dに光を伝送することができ、それぞれ独立に変調駆動することによって、図10により説明したローカルディミング方式と略同様のローカルディミング動作が可能となる。
すなわち、このバックライト装置本体4を用いて表示装置を構成した場合に、この表示装置に入力される映像信号の内、暗い映像部分については暗くするので、その分、消費電力を下げ、また、コントラストも向上できる。
また、図1に示す発光装置1は、直下方式においてローカルディミング動作を実行するのに必要な従来のような実装基板が不要となり、また、1つのLDチップ2が複数の共振器を含むようにしたので、使用する発光素子の数を少なくすることができる。
また、発光面の側面に近接して光源を配置してもよいし、発光面から離れた位置に配置することもできるので、設計の自由度が高まる。また、ファイバ端が微小であるため、配光を広げるレンズも小さくできる。したがって、従来の直下方式のバックライト装置に比べて表示装置自体の薄型化にも寄与できる。
図3は、図1に示した本実施の形態に係る発光装置の全体を説明するための一部破断した斜視図である。
図3に示すように、発光面4Aの全体が複数に分割され、分割された各領域に対応して、上述した光源2及びファイバ導波部3が複数設けられている。なお、図3は、説明を簡単にするために、横方向に一列に並んだ複数の領域だけを示している。
すなわち、発光装置1は、複数の光源として任意の数のLDチップ2、2a、2b、…、2’を設けて構成される。なお、説明の便宜上符号「2’」を用いるが、図示省略する。
そして、発光面4Aの各領域に各レーザ共振器からの光が導光される。
従って、本実施の形態によれば、導光板方式のように、ディスプレイの表示面直下には光学素子だけを配置し、LD等の発光素子を側面部にまとめることができる新しいローカルディミング方式の発光装置が提供される。さらに、大型の実装基板が不要なため、重量及びコストを大幅に低減することが可能となる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置の一部破断した斜視図である。なお、図4は、第1の実施の形態の装置と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第2の実施の形態の発光装置1Aは、例えば対角52インチのTV用液晶ディスプレイに対応するローカルディミング方式のバックライト装置(図10参照)として構成するための改良がなされている。
具体的には、図4に示すように、発光装置1Aは、発光面の領域が512分割されるローカルディミング方式のバックライト装置を構成するために、LDチップ2に16個のレーザ共振器7a〜7pを有するLDチップ2を、複数設けて構成する。
すなわち、任意の数(以下、本実施形態では一例として32個の場合を説明する。)のLDチップ2、2a、…、2’(説明の便宜上符号「2’」を用いるが、図示省略する。)のそれぞれに、16個のレーザ共振器7a〜7pを設けて構成することで、1つのLDチップ(モノリシック集積光源)が、横32×縦16=512分割であるローカルディミング方式のバックライト装置の縦方向全ての領域に対応することができる。そして、バックライト装置の横方向全ての領域に対応するため、そのようなLDチップを32個横方向に設けて構成すれば、発光面の全体について前記ローカルディミング方式が可能なバックライト装置として構成できる。
これら複数のLDチップ2a、2b、…、2’は、アレイ基板19上に設置される。このアレイ基板19は、バックライト装置本体4の一つの側面部に配置される。
また、この複数のLDチップ2、2a、…、2’に合わせて、バックライト装置本体4の発光面4Aにおいて、夫々16個ずつの領域1001〜1016、1017〜1032等が、バックライト装置本体4の縦方向に配置される。この場合、各領域には、第1の実施の形態と同様に微小波長変換部材5がそれぞれ設置される。
また、LDチップ2、2a、2b、…、2’と各領域1001〜1512との結合、すなわち、各LDチップの16個のレーザ共振器7a〜7pと各領域1001〜1512とは、複数のファイバ導波部3a〜3pによって形成されるファイバ束30によって夫々光学的に結合される(optically coupled)。
この場合、ファイバ束30のファイバ導波部の一本ずつは、例えばそれぞれの領域1001、1002、…、1016の位置で出力光を上方に出射できるようになっている(図1(b)参照)。
このようなLDチップとファイバ束30との組が、バックライト装置本体4の横方向に32列並設されており、このため、横32×縦16=512の領域1001〜1512に光を伝送することができる。また、このような発光装置1Aはそれぞれ独立に変調駆動することによって、ローカルディミング動作の実現が可能となる。
従って、本実施の形態の発光装置1Aにおいては、バックライト装置本体4の発光面4A直下に自発光素子はなく、電気系統と放熱系統は全てバックライト装置本体4の外周部等に収納できる。
また、各LDチップ2、2a、2b、…、2’の横幅は、第1の実施の形態に比べて広くはなるものの、アレイ基板19上に設置されるLDチップ2、2a、2b、…、2’は、32個で済むので、図10に示す直下方式のローカルディミング動作が可能なバックライト装置1000よりも、大幅にコストを下げることができる。
さらに、本実施の形態の発光装置1Aは、複数の発光素子を外周部に収納できるとともに、使用する発光素子の数を減らすことが可能である。また、第1の実施の形態と同様に、実装基板が不要で、且つ発光面4Aの直下に光学素子等を配置するのみで構成できるので、バックライト装置の薄型化にも大きく寄与し、そのため、このバックライト装置を搭載する表示装置自体の薄型化にも寄与できる。
なお、本実施の形態においては、図4に示すように、LDチップ2、2a、…、2’を駆動させる駆動部10と、LDチップ2、2a、2b、…、2’のそれぞれのレーザ共振器7a〜7pの光出力を検出する光検出部としての検出部11と、この検出部11の検出結果に基づいて駆動部10を制御することでLDチップ2、2a、2b、…、2’に流れる電流を調整してLDチップ2、2a、…、2’の光出力を制御する制御部12とを設けて発光装置1Aを有するように構成してもよい。
この場合、検出部11の検出結果は、制御部12によってモニタされ、そのモニタ結果に基づき駆動部10に駆動信号を送出することによって、発光素子の経時劣化や温度変化に起因する特性のバラツキを考慮した調整制御が可能である。
具体的な構成としては、各LDチップ2、2a、…、2’の後ろ側には、光検出部としてのフォトダイオード40、40a、…、40’が設置されており、16個のレーザ共振器7a〜7pからの出力を一括して検出してモニタすることができる。
各LDチップ2、2a、…2’において、一個のレーザ共振器の出力のみを検出しモニタするときには、制御部12によって瞬間的に他のレーザ共振器をオフするように制御される。レーザ素子は人間の眼の応答速度よりはるかに速いため、映像信号を変調する合間のタイミングで16個のレーザ共振器7a〜7p毎の出力を検出しモニタすることができる。
また、一個のフォトダイオード40で16個のレーザ共振器7a〜7pを検出してモニタすることができるので、フォトダイオード40の数も32個で構成でき、安価となる。
また、本実施の形態の発光装置1Aは、上記したような構成により、各LDチップ2、2a、…、2’のレーザ共振器7a〜7pをLDチップ2の端から順番に点灯し、横方向の同じ列の領域を縦方向に順次点灯していくスキャン方式の点灯を行うことができる。このスキャン方式の点灯制御は、制御部12(図1参照)によって行われる。
この場合、各LDチップ2、2a、…、2’のレーザ共振器7a〜7pは、時間的には各瞬間では一個ずつしか動作しないので、16個のレーザ共振器7a〜7pを全て動作させた場合と比べて発熱量を大幅に抑えることができる。この他に、本実施の形態の発光装置1Bは、黒挿入など、様々な変調を自在に行うことも可能である。
従って、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得る他に、簡単な構成で且つ低コストで、例えば512領域からなる多数の分割領域からなる発光面を有するローカルディミング方式のバックライト装置として構成することが可能となる。
なお、本実施の形態では、発光装置1Aは、一例として512領域に分割されるローカルディミング方式のバックライト装置として構成するために、LDチップの数や大きさ、レーザ共振器の数、分割領域の数、及び微小波長変換部材の形態や数を具体的に説明したが、本発明はかかる特定の形態に限定されるものではなく、必要に応じた領域に合わせて前記数値を設定し構成すれば良い。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る発光装置の一部破断した斜視図である。なお、本形態において第1の実施の形態の装置と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第3の実施の形態の発光装置1Bは、蛍光体等の波長変換を伴わないRGBタイプのLDチップ2A1、2A2、2A3を用いて構成される。つまり、これらのLDチップ2A1、2A2、2A3は、光の三原色であるR、G、Bのそれぞれの波長で発振する複数のレーザ共振器70a〜70dをそれぞれ有して構成される。そのため、本形態の発光装置1Bにおいては前述した形態における微小波長変換部材を用いる必要がない。
なお、本実施の形態では、1つのLDチップに4個のレーザ共振器70a〜70dを設けた構成について説明したが、これに限定されるものではなく、4個以上のレーザ共振器を設けて構成しても良い。
LDチップ2A1の構成について説明すると、例えば赤色の光を出射するLDチップ2A1において、レーザ共振器70aに結合したファイバ導波部3aは、領域4aの出光部72aに光を伝送する。レーザ共振器70bに結合したファイバ導波部3bは、領域4bの出光部72bに光を伝送する。レーザ共振器70cに結合したファイバ導波部3cは、領域4cの出光部72cに光を伝送する。レーザ共振器70dに結合したファイバ導波部3dは、領域4dの出光部72dに光を伝送する。このように各レーザ共振器70a〜70dに結合するファイバ導波部3a〜3dは、各領域4a〜4bに光を配分するようになっている。
緑色の光を出射するLDチップ2A2、Bの光を出射するLDチップ2A3においても、LDチップ2A1と同様に、各レーザ共振器70a〜70dにそれぞれ結合されるファイバ導波部3a〜3dによって、各領域4a〜4bに光が配分される。
つまり、ファイバ導波部3a〜3dの結合した光出力は、RGBの各色の光を一箇所の領域にまとめる形で、各領域4a〜4dに配分される。
すなわち、上記構成により、発光装置1Bは、各領域5a〜5bでRGBの映像信号に応じて、RGBの光出力を混ぜて混色ができるので、カラーローカルディミング動作を行うことができる。
従って、第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られる他に、従来の直下方式であるカラーローカルディミング方式のように、膨大なLEDチップを必要とせず、また、実装基板を設けることなく、LDチップを用いたカラーローディングディミング方式の発光装置1Bを実現することが可能となる。
なお、本実施の形態において、3つのLDチップ2A1、2A2、2A3、3つのレーザ共振器70a〜70d、及び4つの領域4a〜4dを設けて構成したが、これに限定されるものではなく、図3に示すように必要に応じてそれぞれ増やして構成しても良い。
なお、上述した本実施の形態の発光装置は、バックライト装置として利用されるものを例として説明したが、液晶モジュール等を用いない表示装置そのものとしても利用可能であり、その場合は、各発光素子には、映像信号等に応じた駆動信号が供給される。
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る発光装置のLDチップを示す斜視図である。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態の装置と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第4の実施の形態の発光装置1において、光源であるLDチップ2Xは、複数のレーザ共振器7a、7a1,7b、7b1の内、少なくとも1つが、故障の時のバックアップ、又は特別に高い輝度が必要である時のブースタとして用いるように構成される。
図6に示すように、LDチップ2Xには、2本のファイバ導波部3a、3bのそれぞれの一方の端部が結合される。
このLDチップ2Xは、4つのレーザ共振器7a、7a1、7b、7b1を有しているが、その中の2本、例えばレーザ共振器7aとレーザ共振器7a1の間隔と、レーザ共振器7bとレーザ共振器7b1の間隔を、それぞれ20μmの間隔までに近づけて配置することで、2つのレーザ共振器がひとつのまとまりとして形成されている。また、その他の間隔、つまり、レーザ共振器7a1と、レーザ共振器7bとの間隔2Yは、100μmとしている。
このような構成によれば、ひとまとめにした2本のレーザ共振器7a、7a1と、レーザ共振器7b、7b1のそれぞれの光出力を、共通のファイバ導波部3aと3bにそれぞれ結合することができる。
レーザ素子自体は寿命もあり、ESD静電気放電(Electrostatic Discharge)などにより故障する虞もある。しかし、本実施の形態の発光装置1では、片方のレーザ共振器7a1,7b1は、通常は使わずに予備として利用することが可能である。
このような発光装置1を表示装置のバックライト装置として構成した場合、入力される映像によっては、場所によって明るさを強調したい場合がある。このような場合には、本実施の形態では予備の輝度ブースタとして利用することが可能である。
なお、本実施の形態では、2つのレーザ共振器7a1、7b1を、他のレーザ共振器7a、7bにそれぞれ近接して構成したが、より近接させることで、レーザ共振器の数を増やして構成しても良い。この場合、近接してレーザ共振器の数を増やすことは、LDチップ2X内のマスクパターンだけを変更することで対応が可能であり、また、LDチップ2Xの表面積も増えないため、LDチップ自体のコスト上昇には影響しないといった利点がある。
従って、第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られる他に、LDチップ2Xの複数のレーザ共振器7a、7a1,7b、7B1の内、少なくとも1つが、故障の時のバックアップ、又は特別に高い輝度が必要である時のブースタとして用いることができ、機能性の高い発光装置の実現が可能となる。
以上のように、本発明の上述した第1〜第4の実施の形態においては、表示装置の液晶ディスプレイに用いられるローカルディミング方式のバックライト装置あるいは表示装置として構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で他の面照明装置としての応用も可能である。すなわち、上述した各実施の形態の発光装置は、液晶ディスプレイのバックライト装置への応用ではなく、発光装置自体を表示装置として構成したり、面照明装置として応用することも可能である。
以上の実施の形態に記載した発明は、その実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、前記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、本発明は、実施例として本明細書で説明した各形態における構成要素の特定の組合せに限らず、本発明が解決しようとする課題に照らして構成要件を付加、削除または転換など適宜行うことも可能である。
1…発光装置、
2…光源(集積LDチップ)、
2A…前側端面、
2B…後側端面、
3、3a〜3d…ファイバ導波部、
4…バックライト装置本体、
4A…発光面、
4a〜4d…領域、
5、5a〜5d…微小波長変換部材(光学部材)、
7、7a-7d…レーザ共振器、
8…反射膜、
20…活性層
21…p型クラッド層
22…n型クラッド層
23…絶縁膜
9…ボンディングパット、
9A…金ワイヤ、
10…駆動部、
11…検出部、
12…制御部、
40…フォトダイオード(光検出部)。

Claims (10)

  1. 発光面を有し、前記発光面を複数に分割した領域の領域毎に輝度もしくは色度を調整可能な発光装置であって、
    独立に駆動可能な複数の発光素子を有し、前記複数の発光素子をモノリシックに集積した光源と、
    前記分割したそれぞれの領域に前記集積光源のそれぞれの発光素子の光出力を配分する複数の光学伝送路と、
    を具備したことを特徴とする発光装置。
  2. 前記分割したそれぞれの領域に対応する前記集積光源のそれぞれの発光素子の光出力を配分する複数の光学伝送路の前記それぞれの領域に出力する出力端に波長変換材料を具備したことを特徴とする発光装置。
  3. 前記発光素子が半導体レーザ共振器により構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記発光素子がエッジエミッション型LEDにより構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置。
  5. 前記発光面は平面に形成され、前記集積光源は、前記発光面の側面に近接した位置、又は前記発光面から離間した位置に設置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 各伝送路に2以上の発光素子が結合されており、前記各伝送路において結合されている前記集積光源の複数の発光素子の少なくとも1つは、故障の時のバックアップ、または特別に高い輝度が必要である時のブースタとして用いられるものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記複数の発光素子の光出力を検出する少なくとも1つの光検出部と、
    この光検出部の検出結果に基づいて前記発光素子に流れる電流を調整して、前記発光素子の光出力を制御する制御部とを有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記光源の複数の発光素子は、それぞれ少なくとも光の3原色に相当する波長を有し独立に変調可能なレーザ共振器を含み、このレーザ共振器の3原色の出力が各領域に伝送されることで混色されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  9. 入力される映像信号に基づいて映像を表示する表示装置であって、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の発光装置をバックライト装置として備え、入力される映像信号に対応して、前記領域毎に光の輝度が調整されることを特徴とする表示装置。
  10. 入力される映像信号に基づいて映像を表示する表示装置であって、
    請求項8に記載の発光装置と、
    映像信号に応答して各色のレーザ共振器を前記領域毎に独立制御する制御部とを有することを特徴とする表示装置。
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