JP2010255600A - 二段スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮時における冷媒の漏れを軽減し、効率の向上した二段スクリュー圧縮機を得る。
【解決手段】高段スクリューローター1aの圧縮溝に噛み合わされて従動する高段ゲートローター2a、この高段スクリューローター1aと高段ゲートローター2aおよび高段スクリューローター1aの外周を囲む高段スクリューボア3aとで高段圧縮機構が構成されている二段スクリュー圧縮機において、高段ケーシング7aに設けられたポート10より、冷却した潤滑油または冷媒を冷却材として注入し、高段スクリューボア3aの外壁を冷却することで、高段スクリューローター1aと高段スクリューボア3aの内壁との隙間を狭め、圧縮時における冷媒の漏れを軽減し、効率の向上した二段スクリュー圧縮機を得る。
【選択図】図1

Description

この発明は、冷媒を圧縮する二段スクリュー圧縮機に関するものである。
従来の二段スクリュー圧縮機においては、低段スクリューローターに対して一対の対向する低段ゲートローターを組み合わせると共に、高段スクリューローターに対して高段ゲートローターを一個のみ組み合わせることで、部品の共通化及び部品点数の低減を図り、ひいては加工性、組立て性、経済性の向上及びコンパクト化を図った装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−257578号公報(第5頁、第1図)
上述の二段スクリュー圧縮機においては、高段スクリューローターに対して高段ゲートローターを一個のみ組み合わせる場合、一対のゲートローターを有するものに比べ、スクリュー軸に曲げ荷重が作用して撓みが発生し易くなる。また、ケーシングのスクリューボアは吐出温度の影響を受け、熱膨張する。このため、スクリューローターとケーシングのスクリューボア内壁との隙間を決定する際、スクリュー軸の撓みとスクリューボアの熱膨張を考慮する必要がある。撓みの方向は圧縮部とは逆向きであり、スクリューボアの熱膨張の方向は半径方向であるため、圧縮部の高段スクリューローターと高段スクリューボア内壁との隙間が拡がり、冷媒が高段の吸込側に漏れることにより、効率が低下する問題があった。
この発明は上記のような課題を解決するために為されたものであり、圧縮時における冷媒の漏れを軽減し、効率の向上した二段スクリュー圧縮機を得ることを目的とする。
この発明に係る二段スクリュー圧縮機は、電動機と、この電動機によって回転駆動されるスクリュー軸と、このスクリュー軸の電動機側に取付けられ圧縮溝が刻まれた低段スクリューローターと、この低段スクリューローターに刻まれた圧縮溝に嵌合することで従動して回転運動する1対の低段ゲートローターと、前記低段スクリューローターを回転可能に囲む低段スクリューボアと、前記低段スクリューローターと前記一対の低段ゲートローターとを収納し、前記低段スクリューボアを構成要素の一部に含むとともに外部から冷媒ガスを吸入する低段ケーシングと、前記スクリュー軸の前記低段スクリューローターよりも先端側に取付けられ圧縮溝が刻まれた高段スクリューローターと、この高段スクリューローターに刻まれた圧縮溝に嵌合することで従動して回転運動する高段ゲートローターと、前記高段スクリューローターを回転可能に囲む高段スクリューボアと、前記高段スクリューローターと前記高段ゲートローターとを収納し、前記高段スクリューボアを構成要素として一部に含む高段ケーシングと、を備え、前記低段スクリューローターと前記低段ゲートローターの回転運動によって前記冷媒を圧縮する低段圧縮機構を構成し、この低段圧縮機構によって圧縮された冷媒を前記高段スクリューローターと前記高段ゲートローターの回転運動によってさらに圧縮して外部へ吐出する高段圧縮機構を構成し、前記高段ケーシングは外部から冷却材を吸入して前記高段スクリューボアの外壁を冷却するものである。
この発明によれば、高段スクリューボアの外壁を冷却材によって冷却することにより、高段スクリューボアの熱膨張を抑制することができる。これにより、高段スクリューローターと高段スクリューボアの内壁との隙間が縮小し、冷媒が高段の吸込側に漏れることを抑制でき、結果として、圧縮効率の向上が図れる。
この発明の実施の形態における二段スクリュー圧縮機の構成図である。 この発明の実施の形態における冷却された冷媒または潤滑油の注入位置を示す図である。 この発明の実施の形態におけるスクリューボアの熱膨張による位置の違いを示す図である。
実施の形態.
以下、この発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の実施形態における二段スクリュー圧縮機の圧縮機構造部の構成図である。図1に示すように、二段スクリュー圧縮機は、モーターケーシング7cに収容された電動機6と、この電動機6によって回転駆動されるスクリュー軸4と、このスクリュー軸4の電動機6側に取付けられ圧縮溝が刻まれている低段スクリューローター1bと、この低段スクリューローター1bに刻まれた圧縮溝に噛み合うことで従動して回転運動する1対の低段ゲートローター2b 2bと、前記低段スクリューローター1bを回転可能に囲む低段スクリューボア3bと、前記低段スクリューローター1bと前記一対の低段ゲートローター2b 2bとを収納し、前記低段スクリューボア3bを構成要素の一部に含むとともに外部から冷媒ガスを吸入する低段ケーシング7bと、前記スクリュー軸4の前記低段スクリューローター1bよりも先端側に取付けられ低段スクリューローター1bと同様の圧縮溝が刻まれた高段スクリューローター1aと、この高段スクリューローター1aに刻まれた圧縮溝に噛み合うことで従動して回転運動する高段ゲートローター2aと、前記高段スクリューローター2aを回転可能に囲む高段スクリューボア3aと、前記高段スクリューローター1aと前記高段ゲートローター2aとを収納し、前記高段スクリューボア3aを構成要素として一部に含む高段ケーシング7aとから構成されている。
また、低段スクリューローター1bと低段ゲートローター2bおよびスクリュー4の外周を囲む低段スクリューボア3bとから低段圧縮部が構成されている。
また、高段スクリューローター1aと高段ゲートローター2aおよびスクリュー4の外周を囲む高段スクリューボア3aとから高段圧縮部が構成されている。
低段圧縮部においては、低段スクリューローター1bに対して、低段ゲートローター2bを一対組み合わせるのに対し、高段圧縮部においては、高段スクリューローター1aに対して、高段ゲートローター2aを一個のみ組み合わせている。
また、この図1のスクリュー軸4は後述する電動機6の回転駆動力を高段スクリューローター1aと低段スクリューローター1bに伝達するためのものであり、軸受5はスクリュー軸4を支えるものであり、この軸受5はスクリュー軸4を半径方向に支持する高段側主軸受5a、スクリュー軸4を軸方向に支持する中間軸受5b、及びスクリュー軸4を半径方向に支持する低段側主軸受5cで構成されている。また、電動機6はこのスクリュー軸4に接続され、高段・低段の各機器を駆動するものである。ケーシング7は1から6まで等の各機器を収納するものである。また、前述したスクリューボア3はケーシングの一部である。ケーシング7は高段圧縮機構の各機器等を収納する高段ケーシング室7aと、この高段ケーシングに接続され、低段圧縮機構の各機器等を収納する低段ケーシング室7bと、この低段ケーシング室に接続され、電動機6を収納するモーターケーシング7cとで構成されている。冷媒ガス8は低段圧縮部にて圧縮された後、高段圧縮部においても圧縮され、高温高圧となり吐出するが、中間圧に維持された高段ケーシング室に冷却された冷媒または潤滑油9をポート10より注入することで、吐出ガス温度を低下させる。
図2は、この発明の実施の形態における冷却された冷媒または潤滑油の注入位置を示す図である。また、図3はこの発明の実施の形態におけるスクリューボアの熱膨張による位置の違いを示す図である。
次にこの実施の形態の動作について図1〜図3を用いて説明する。
スクリュー軸の軸径をほぼ同一とした際、ゲートローターが一対の場合と1個の場合とでは、1個の方が撓み易い。撓む方向は、非圧縮部側に撓むため、圧縮部とは逆向きである。また、高段スクリューボア3aは熱膨張し、熱膨張の方向は半径方向である。そのため、従来の高段圧縮部では、圧縮部にあたるスクリューとスクリューボア内壁との隙間はスクリュー軸の撓みとスクリューボアの熱膨張の分、拡がる。この現象に対し、図2に示すように、高段圧縮部11は圧縮による発熱のため高温となる。従って、この高段圧縮部11近傍の高段スクリューボア3aが熱膨張し易い。そこでこの高段圧縮部11近傍の高段スクリューボア3aの外壁を冷却するように構成する。これを実現するために、高段ゲートローター2aの、高段圧縮部11近傍の高段スクリューボア3aの外壁に対応する部分のポート10より冷却された冷媒または潤滑油9を冷却材として注入する。
次に効果について説明する。
高段圧縮部11近傍の高段スクリューボア3aの外壁を冷却することにより、高段スクリューボア3aの熱膨張を抑制することができ、図3に示すように、高段スクリューローター1aと高段スクリューボア3aの内壁との隙間が縮小する。このことにより、軸の撓みはあるものの、冷媒が低段側に漏れることを軽減でき、結果として、効率の向上が図れる。
1a 高段スクリューローター、1b 低段スクリューローター、2a 高段ゲートローター、2b 低段ゲートローター、3a 高段スクリューボア、3b 低段スクリューボア、4 スクリュー軸、5a 高段主軸受、5b 中間軸受、5c 低段主軸受、6 電動機、7a 高段ケーシング、7b 低段ケーシング、7c モーターケーシング、8 冷媒ガス、9 冷却材(冷却された潤滑油または冷媒)、10 ポート、11 高段圧縮部。

Claims (3)

  1. 電動機と、
    この電動機によって回転駆動されるスクリュー軸と、
    このスクリュー軸の電動機側に取付けられ圧縮溝が刻まれた低段スクリューローターと、
    この低段スクリューローターに刻まれた圧縮溝に嵌合することで従動して回転運動する1対の低段ゲートローターと、
    前記低段スクリューローターを回転可能に囲む低段スクリューボアと、
    前記低段スクリューローターと前記一対の低段ゲートローターとを収納し、前記低段スクリューボアを構成要素の一部に含むとともに外部から冷媒ガスを吸入する低段ケーシングと、
    前記スクリュー軸の前記低段スクリューローターよりも先端側に取付けられ圧縮溝が刻まれた高段スクリューローターと、
    この高段スクリューローターに刻まれた圧縮溝に嵌合することで従動して回転運動する高段ゲートローターと、
    前記高段スクリューローターを回転可能に囲む高段スクリューボアと、
    前記高段スクリューローターと前記高段ゲートローターとを収納し、前記高段スクリューボアを構成要素として一部に含む高段ケーシングと、を備え、
    前記低段スクリューローターと前記低段ゲートローターの回転運動によって前記冷媒を圧縮する低段圧縮機構を構成し、この低段圧縮機構によって圧縮された冷媒を前記高段スクリューローターと前記高段ゲートローターの回転運動によってさらに圧縮して外部へ吐出する高段圧縮機構を構成し、
    前記高段ケーシングは外部から冷却材を吸入して前記高段スクリューボアの外壁を冷却することを特徴とする二段スクリュー圧縮機。
  2. 前記冷却材は所定の温度以下の冷媒であることを特徴とする請求項1記載の二段スクリュー圧縮機。
  3. 前記冷却材は所定の温度以下の潤滑油であることを特徴とする請求項1記載の二段スクリュー圧縮機。
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