JP2010255181A - 組合せ鋼矢板および該組合せ鋼矢板を用いた鋼矢板壁 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼矢板と補剛用の鋼材を重ね梁式に組合せ、たわみ挙動がほぼ一致するようにすることで、溶接加工、形状測定、矯正作業、加工管理等に費やす手間、コストをなくしつつ、保管、運搬効率にも優れる組合せ鋼矢板および鋼矢板壁を提供する。
【解決手段】ハット型鋼矢板2のウェブ部の内側にH形鋼3を配置し、長手方向に所定間隔をおいて取り付けたボルト6による引張接合で接合することで、ハット型鋼矢板2とH形鋼3のたわみ挙動がほぼ一致するようにする。ハット型鋼矢板2は、幅方向両端の継手4,5の係合により、断面における凹凸が同じ向きになるように接続する。ボルト引張接合については、ハット型鋼矢板2とH形鋼3のボルト孔の全部または一部を長孔7とし、上下方向の相対的なずれを許容する。ハット型鋼矢板2とH形鋼3の接合は、施工現場において行うことができ、別々に運搬してきたものを、現場で接合し、一体として打設する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋼矢板の片面にその長手方向に延びるH形鋼などの形鋼を配置してなる組合せ鋼矢板およびその組合せ鋼矢板を用いて構築される鋼矢板壁の構造に関するものであり、土留め壁や遮水壁等(地中連続壁等を含む)に適用される。
従来、土留め壁や遮水壁等を構成するU型鋼矢板、直線型鋼矢板、ハット型鋼矢板等の鋼矢板の片面に、補剛材としてH形鋼その他の形鋼を取り付けたものが知られている。
そのような技術として、例えば特許文献1には、図7(a)、(b)に示されるように、鋼矢板の表裏面の片面に加工治具を設け、補剛材としてH形鋼等の形鋼を嵌合できるようにしたものが記載されている。
この場合、鋼矢板と補剛材を現場で別々に打設し、一体化することができる。
また、特許文献2には、図8(a)、(b)に示されるように、両端部に継手を有する鋼矢板と、補剛材としてのH形鋼あるいはT形鋼とからなる地中連続壁用鋼材であって、鋼矢板のウェブ部と、H形鋼あるいはT形鋼のフランジ部とが長手方向に沿って重なっており、その重なっている部分の長手方向の一端のみが拘束されているものが記載されている。
この場合、長手方向の一端のみをコーピング、溶接、ボルト、ドリルねじで拘束する構造であるため、溶接以外の拘束方法では鋼矢板の矯正を行う必要がなく、溶接による拘束方法においても鋼矢板の変形量を従来よりも抑えることができ、必ずしも地中連続壁用鋼材を工場で製作する必要もなく、鋼矢板とH形鋼等の補剛材を個別に搬送した後、現地サイトもしくはその近傍サイトにおいて組立て加工を行うことができるといった利点が述べられている。
また、特許文献3には、図9(a)、(b)に示されるように、熱間圧延加工により製造されるハット形鋼矢板のウェブ部の内側に一方のフランジ部が固定されたH形鋼を備え、そのH形鋼における固定された側のフランジ部の幅がハット形鋼矢板のウェブ部の幅以下である地中連続壁体用鋼製部材が記載されている。
なお、ハット形鋼矢板のウェブ部とH形鋼のフランジ部は、溶接、接着、ボルト、リベット、ビス、鋲の何れかの固定手段により固定することができる旨が記載されている。
特開2008−267069号公報 特開2005−299202号公報 特開2008−175029号公報
特許文献1記載の発明では、H形鋼等の補剛材と鋼矢板を分けて打設する必要があり、その分、施工効率が落ちるという問題がある。
また、鋼矢板の片面に設けた治具に、H形鋼等のフランジを嵌合する構造であるためH
形鋼等の補剛材と鋼矢板のたわみ挙動が同じでなければならない。そのため、鋼矢板側(図7中上側)から土圧を受ける構造でしか使えない。
特許文献2記載の発明では、鋼矢板と、補剛材としてのH形鋼あるいはT形鋼とが長手方向の一端のみでの固定であるため、地盤内でバラバラになってしまう可能性がある。なお、特許文献2には、地盤が固い場合は底部を仮付け固定するとの記載もあるが、両端を固定した場合には、長手方向の変形が拘束されて座屈の危険性がある。
特許文献3記載の発明では、H形鋼を内側に配置するのであれば、H形鋼の幅は鋼矢板のウェブ幅より小さくなければならず、H形鋼のサイズが限定される。あるいは図8(b)のように両端のフランジの長さが異なる特殊な形状のH形鋼を用いる必要がある。
本発明は、上述のような従来技術における課題の解決を図ったものであり、鋼矢板と補剛用の鋼材を重ね梁式に組み合せるに当たり、補剛用の鋼材側から土圧を受ける場合においても、鋼矢板と補剛用の鋼材のたわみ挙動がほぼ一致するようにすることで、溶接加工、形状測定、矯正作業、加工管理等に費やす手間、コストをなくしつつ、保管、運搬効率にも優れる組合せ鋼矢板および鋼矢板壁を提供することを目的としている。
本願の請求項1に係る組合せ鋼矢板は、鋼矢板の片面に、該鋼矢板の長手方向に延びる補剛用の形鋼を配置してなる組合せ鋼矢板において、前記鋼矢板と前記形鋼を長手方向の複数個所に設けたボルトによる引張接合で接合し、前記鋼矢板と前記形鋼のたわみ挙動がほぼ一致するようにしたことを特徴とするものである。
ボルトの本数は、補剛用の形鋼側から土圧を受ける場合において、鋼矢板と前記形鋼のたわみ挙動をほぼ一致させるのに必要な数とする。補剛用の形鋼がH形鋼の場合、通常、フランジのウェブを挟む両側にそれぞれ所定間隔で1列または複数列配することになる。
必要数のボルトの引張接合により、補剛用の形鋼側から土圧を受ける場合においても、補剛用の形鋼に比べ曲げ剛性の小さい鋼矢板の変形のみ大きくなるといったことがなくなり、両者のたわみ挙動を一致させることができる。
鋼矢板は、U型鋼矢板、直線型鋼矢板、ハット型鋼矢板等、必ずしも限定されないが、組合せ鋼矢板を接続して構築される土留め壁等の壁厚との関係では、後述するハット型鋼矢板が望ましい。
補剛用の形鋼としては、断面剛性やコストとの関係で効率の良いH形鋼を用いるのが一般的であるが、必ずしもH形鋼に限定する必要はない。請求項2は、請求項1に係る組合せ鋼矢板において、形鋼がH形鋼である場合を限定したものである。
請求項3は、請求項1または2に係る組合せ鋼矢板において、前記鋼矢板と前記形鋼の引張接合における長手方向の複数個所に設けたボルトの引張力の合計の引張力Xが、次式(1)の条件を満たすことを特徴とするものである。
X≧{(l−a)・I1−a・I2}・p/(I1+I2) …(1)
ただし、
l:前記鋼矢板の幅、
a:前記形鋼の幅、
1:前記鋼矢板の断面2次モーメント、
2:前記形鋼の断面2次モーメント、
p:前記形鋼側から作用する土圧
上記の式(1)は、後に説明するように、ボルトの引張接合により、鋼矢板と補剛材としての形鋼のたわみ挙動がほぼ一致するための条件を表したものである。
請求項4は、請求項1、2または3に係る組合せ鋼矢板において、前記引張接合による複数の接合位置のうちの全部または一部の接合位置について、前記鋼矢板と前記形鋼の少なくとも一方のボルト孔が長孔またはバカ孔であり、前記鋼矢板と前記形鋼を接合するボルトの前記鋼矢板または形鋼の長手方向へのずれを許容する構造としてあることを特徴とするものである。
長孔またはバカ孔と接合ボルトの組み合わせにより、長手方向へのずれを許容することで、ボルトに無理なせん断力が加わらないようにしつつ、鋼矢板と補剛材としての形鋼のたわみ挙動をほぼ一致させることができる。
請求項5は、請求項1、2、3または4に係る組合せ鋼矢板において、前記鋼矢板が幅方向両端に形成された継手の係合により、長手方向と直角な断面における凹凸が同じ向きになるように接続されるハット形鋼矢板である場合を限定したものである。
ハット型鋼矢板は、その幅方向両端に形成された継手の係合により、長手方向と直角な断面における凹凸が同じ向きになるように接続することができる。また、本発明ではもともと鋼矢板と形鋼が、物理的には完全に一体化されていないため、鋼矢板に対する形鋼の取付け面、取付け位置の違いによる断面剛性への影響は小さいので、ハット型鋼矢板の凹部に取り付けることで、コンパクトになり鋼矢板壁の壁厚を抑えることができるとともに、組み合わせた状態で打設するのに適している。
請求項6は、請求項1、2、3、4または5に係る組合せ鋼矢板において、前記鋼矢板を前記形鋼との間にスペーサーとしての鋼材を介在させて接合してあることを特徴とするものである。
鋼矢板がハット型鋼矢板やU型鋼矢板の場合、形鋼をその凹部の内側に配置するのであれば、H形鋼の幅は鋼矢板のウェブ幅より小さくなければならず、H形鋼のサイズが限定される。
ハット型鋼矢板やU型鋼矢板の凹部は、通常、外側(開放される側)に向かって間隔が広がっているため、その場合に、鋼矢板を形鋼との間にスペーサーとしての鋼材を介在させれば、H形鋼のサイズの制限が緩和される。
スペーサーとしての鋼材としては、鋼板の他、広いスペーサー間隔が必要な場合には、溝形鋼、角形鋼などを使用することもできるが、鋼矢板と形鋼の寸法関係によって最低限必要なスペーサー間隔が決まる。また、例えば鋼板を2枚以上重ねるなどして、スペーサー間隔を調整することもできる。
請求項7に係る鋼矢板壁は、複数の鋼矢板を、鋼矢板の両端に設けた継手を介して接続してなる鋼矢板壁であって、前記鋼矢板の少なくとも一部に、請求項1〜6の何れかに記載の組合せ鋼矢板を用いたことを特徴とするものである。
必ずしも全ての鋼矢板が組合せ鋼矢板である必要はなく、形鋼を取り付けない通常の鋼矢板と本発明の組合せ鋼矢板を鋼矢板壁が必要とする強度に応じて、適宜、混在させて配置することもできる。
請求項8は、請求項7に係る組合せ鋼矢板において、前記組合せ鋼矢板を構成する前記形鋼が、土圧を受ける側または土圧の大きい側に配置されていることを限定したものである。
鋼矢板側から土圧を受ける場合には、鋼矢板と補剛用の形鋼のたわみ挙動を一致させるためにボルト引張接合を行わなくても、たわみ挙動をほぼ一致させることができるが、本発明のようにボルト引張接合により接合することで、補剛用の形鋼側から土圧を受ける場合においても、両者のたわみ挙動を一致させることができる。
本発明の組合せ鋼矢板は、鋼矢板と補剛用の形鋼を一体化したものではなく、重ね梁式に組み合せたものであり、鋼矢板と補剛用の形鋼がボルトの引張接合により接合され、補剛用の形鋼側から土圧を受ける場合においても、両者のたわみ挙動をほぼ一致させることができる。
補剛用の形鋼を全長にわたって溶接した構造に比べて断面剛性は劣るものの、溶接加工、形状測定、矯正作業、加工管理に費やす手間、コストが少ない。
鋼矢板と補剛用の形鋼は、別々に運搬して、現場で組み合わせて一緒に打設することができ、保管、運搬効率に優れる。また、特許文献1記載の発明のように、鋼矢板と補剛用の形鋼を分けて打設する必要がなく、施工効率が落ちるという問題がない。
本発明の組合せ鋼矢板を用い他鋼矢板壁の土圧との関係を示したものであり、(a)は土圧が鋼矢板側から作用する場合の平面図、(b)は土圧が補剛用の形鋼側から作用する場合の平面図である。 引張接合における必要条件を導くための説明図である。 本発明の組合せ鋼矢板の一実施形態を示したもので、(a)は平面図、(b)は立面図、(c)は変形例の立面図である。 たわみ挙動に関する説明図であり、(a)が従来の組合せ鋼矢板の場合、(b)が本発明の組合せ鋼矢板の場合である。 本発明の鋼矢板壁の他の実施形態を示す図である。 本発明の鋼矢板壁のさらに他の実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は立面図である。 (a)、(b)は、特許文献1記載の発明の概要を示す平面図である。 (a)、(b)は、特許文献2記載の発明の概要を示す斜視図である。 (a)、(b)は、特許文献3記載の発明の概要を示す平面図である。
以下、本発明の具体的な実施の形態について説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図3は、本発明の組合せ鋼矢板1の一実施形態を示したもので、(a)は平面図、(b)は立面図、(c)は変形例の立面図である。
鋼矢板としてのハット型鋼矢板2のウェブ部の内側に、補剛材としてのH形鋼3を配置し、H形鋼3の一方のフランジ部をハット型鋼矢板2のウェブ部に、長手方向に所定間隔で配置したボルト6で引張接合してある。
ハット型鋼矢板2は、幅方向両端に形成された継手4,5の係合により、断面における
凹凸が同じ向きになるように接続することができるようになっている。
引張接合のためのボルト孔については、ハット型鋼矢板2とH形鋼3の少なくとも一方のボルト孔を長孔7またはバカ孔とすることで、図3(b)、(c)の上下方向の相対的なずれを許容している。
なお、ハット型鋼矢板2とH形鋼3の接合は、施工現場において行うことができ、別々に運搬してきたものを、現場で接合し、打設は一体として行うことができる。
また、図3(a)の例では補剛材としてのH形鋼3が鋼矢板2の長手方向に連続しているのに対し、図3(b)の例では複数のH形鋼3を鋼矢板2の長手方向に断続的に配置し、それぞれのH形鋼3のフランジ部を所定間隔をおいて配置されるボルトにより引張接合するようにしている。
図4は、従来の組合せ鋼矢板の場合(図4(a))と、図3で説明した本発明の組合せ鋼矢板の場合(図4(b))について、たわみ挙動を比較した説明図である。
図4(a)の従来の組合せ鋼矢板41の場合、鋼矢板42と補剛材43が全長にわたって溶接されるなどして一体化されているため、鋼矢板42と補剛材43でたわみ挙動が異なり、場合によっては座屈の恐れがある。
これに対し、図4(b)の組合せ鋼矢板31の場合、鋼矢板32と補剛材33を長手方向に所定間隔をおいて配したボルト6で引張接合していることと、ボルトが貫通する長孔により接の長手方向の相対的なずれを許容していることで、鋼矢板32側からの土圧等に対してはたわみ挙動をほぼ一致させることができる。
図1は、本発明の組合せ鋼矢板を用い他鋼矢板壁の土圧との関係を示したものである。
図1(a)のように鋼矢板2側から土圧を受ける場合には、鋼矢板2と補剛用のH形鋼3のたわみ挙動を一致させるために引張接合を行わなくても、たわみ挙動をほぼ一致させることができるが、図1(b)のようにH形鋼3側から土圧を受ける場合には、通常の接合では鋼矢板2の変形が大きくなりたわみ挙動が一致せず、重ね梁とみることはできなくなる。
これに対し、本発明のようにボルト引張接合により接合することで、H形鋼3側から土圧を受ける場合においても、両者のたわみ挙動を一致させることができる。
次に、図2を用いて、引張接合で鋼矢板とH形鋼のたわみ挙動を一致させるための条件である前述の式(1)
X≧{(l−a)・I1−a・I2}・p/(I1+I2) …(1)
の誘導について説明する。
図2(a)のように、H形鋼側から土圧を受ける場合に、上下に分割して考えると、図2(b)のように表すことができる。
図2において、
l:前記鋼矢板の幅、
a:前記形鋼の幅、
1:前記鋼矢板の断面2次モーメント、
2:前記形鋼の断面2次モーメント、
p:前記形鋼側から作用する土圧
とする。
ボルトの合計の引張力をX、鋼矢板の変位をδ1、H形鋼の変位をδ2とする。
このとき、
Figure 2010255181
この場合、剛性の大きいH形鋼が鋼矢板に引っ張られることで変形が同じになる必要があり、δ1≧δ2で考えると、
Figure 2010255181

となる。
したがって、H形鋼側から土圧を受ける場合に、ボルト引張接合で鋼矢板とH形鋼のたわみ挙動を一致させるための条件は、
Figure 2010255181

となる。
次に、式(1)における右辺を接合力αとした、数値シミュレーションの一例を挙げると、以下のようになる。
対象としては、有効幅900mmの大断面・薄肉構造で施工性に優れたハット型鋼矢板900(例えば、「平成17年度における国土交通省の「公共事業コスト構造改革」実施状況について」、〔平成21年3月17日検索〕、インターネット<URL:http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/13/131016_.html>参照)と、細幅系のH形鋼であるH−600×200の組合せ鋼矢板を考える。
N値15の砂地盤の主働土圧を考えると、
主働土圧係数
kacosδ=0.2911
壁高5.0m(残留水位は壁高の半分)で考えると、前面地盤面の主働土圧+残留水圧は、
p=pa+pw=(w+γh1+γ´h2)×kacosδ+γwh
=(10+18×2.5+9×2.5)×0.2911+10×2.5=47.56kN/m2
H−600×200の場合、α=0.6
X=0.6×47.56=28.536kN/m
M−22のボルトの場合、
A=380.13mm2
許容応力度140N/mm2の場合、1本あたり受け持てる力は53.22kN、
53.22/28.536=1.86m、
つまり、1.8mに1本ボルトが必要となる計算になる。
図5は、図1(b)の鋼矢板壁の他の実施形態を示したもので、図1(b)のように鋼矢板壁Aを組合せ鋼矢板1だけで構築する代わりに、一部に通常のハット型鋼矢板2単体を組み合わせた場合である。
図5の場合も、大きい土圧がH形鋼3側に作用することを前提としている。
図6は、スペーサー11としての鋼材を介在させた場合の実施形態を示したもので、(a)は平面図、(b)は立面図である。
鋼矢板としてのハット型鋼矢板2やH形鋼3は、規格化されたものが大量生産されており、鋼矢板壁の設計条件に合わせようとすると、設計上適当な断面を有するH形鋼3のフランジが寸法的にハット型鋼矢板2のウェブ部に納まらない場合がある。
それに対し、例えば図6のようにスペーサー11として鋼板等を介在させることで、H形鋼3のフランジをハット型鋼矢板2の内側に納めた状態で接合することができる。この場合も鋼矢板2とH形鋼3を長手方向の複数個所に設けたボルトによる引張接合で接合し、鋼矢板2とH形鋼3のたわみ挙動がほぼ一致するようにすることは、図3等の実施形態の場合と同様である。
本発明の組合せ鋼矢板および鋼矢板壁は、組合せ鋼矢板が鋼矢板と補剛用の鋼材を重ね梁式に組み合せたものであり、土留め壁等に適用した場合において、たわみ挙動をほぼ一致させて、溶接加工、形状測定、矯正作業、加工管理等に費やす手間、コストを低減し、また保管、運搬効率にも優れる。
A…鋼矢板壁、
1…組合せ鋼矢板、2…ハット型鋼矢板、3…H形鋼、4…継手、5…継手、6…ボルト、7…長孔、11…スペーサー

Claims (8)

  1. 鋼矢板の片面に、該鋼矢板の長手方向に延びる補剛用の形鋼を配置してなる組合せ鋼矢板において、前記鋼矢板と前記形鋼を長手方向の複数個所に設けたボルトによる引張接合で接合し、前記鋼矢板と前記形鋼のたわみ挙動がほぼ一致するようにしたことを特徴とする組合せ鋼矢板。
  2. 前記形鋼がH形鋼であることを特徴とする請求項1記載の組合せ鋼矢板。
  3. 前記鋼矢板と前記形鋼の引張接合における長手方向の複数個所に設けたボルトの引張力の合計の引張力Xが、次式(1)の条件を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の組合せ鋼矢板。
    X≧{(l−a)・I1−a・I2}・p/(I1+I2) …(1)
    ただし、
    l:前記鋼矢板の幅、
    a:前記形鋼の幅、
    1:前記鋼矢板の断面2次モーメント、
    2:前記形鋼の断面2次モーメント、
    p:前記形鋼側から作用する土圧
  4. 前記引張接合による複数の接合位置のうちの全部または一部の接合位置について、前記鋼矢板と前記形鋼の少なくとも一方のボルト孔が長孔またはバカ孔であり、前記鋼矢板と前記形鋼を接合するボルトの前記鋼矢板または形鋼の長手方向へのずれを許容する構造としてあることを特徴とする請求項1、2または3記載の組合せ鋼矢板。
  5. 前記鋼矢板が幅方向両端に形成された継手の係合により、長手方向と直角な断面における凹凸が同じ向きになるように接続されるハット形鋼矢板であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の組合せ鋼矢板。
  6. 前記鋼矢板を前記形鋼との間にスペーサーとしての鋼材を介在させて接合してあることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の組合せ鋼矢板。
  7. 複数の鋼矢板を、鋼矢板の両端に設けた継手を介して接続してなる鋼矢板壁であって、前記鋼矢板の少なくとも一部に、請求項1〜6の何れかに記載の組合せ鋼矢板を用いたことを特徴とする鋼矢板壁。
  8. 前記組合せ鋼矢板を構成する前記形鋼が、土圧を受ける側または土圧の大きい側に配置されていることを特徴とする請求項7記載の鋼矢板壁。
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