JP2010254686A - アレンドロン酸含有注射剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】希釈操作が必要なく、そのまま静脈投与することが可能な骨粗しょう症を治療又は予防するためのアレンドロン酸注射剤を提供する。
【解決手段】本発明は、アレンドロン酸200μg〜2000μgを、ヒトに対して2〜4週間に1回投与されるように用いられ、水溶液100mlあたりにアレンドロン酸を200μg〜2000μg及びクエン酸緩衝液を含み、pH 4.5〜7.5に調整された、プラスチックバッグに入った、ヒト血液と等張である、骨粗しょう症治療又は予防用注射剤である。
【選択図】なし

Description

本発明はアレンドロン酸含有注射剤に関し、より具体的にはアレンドロン酸含有水溶液をプラスチックバッグに充填した骨粗しょう症治療用又は予防用注射剤に関する。
アレンドロン酸は、骨粗しょう症や悪性腫瘍による高カルシウム血症等の治療薬として用いられている。
骨粗しょう症の治療薬としては、その剤形として、経口剤が開発されている。アレンドロン酸の経口投与においては、消化管障害の副作用を低減するために、服用後一定時間は横にならないことが必要とされているので、患者によっては寝たきり等の事情により、服用が困難な場合がある。また、経口剤の服用後は飲食を避ける必要があるなど、不便なことも多い。
一方で、非経口投与の場合におけるビスホスホネートの投与量について、特許文献1又は2に記載があるものの、有効性及び安全性の面からアレンドロン酸の骨粗しょう症の治療における最適な投与量や、非経口投与の製剤の具体的な形態については何ら記載がない。
注射剤は、経口剤等と異なり直接製剤が血中に投与されるので不溶性微粒子は極力少なくした方が良いが、アレンドロン酸は、ビスホスホネートの性質として一般的に知られているように金属イオンと不溶性の複合体を形成する性質を有しているため、単純に注射剤を調整することは難しい。特に、希釈不要な注射剤を調整することは困難である。
また、悪性腫瘍による高カルシウム血症に用いる治療薬として用いられる場合、治療上、高血清レベルのアレンドロン酸を比較的短期間に投与することが望ましいことから、非経口投与の静脈内注射用アレンドロン酸組成物が提案され(特許文献3)、実際にアンプル製剤が開発されている。アンプル製剤の場合、薬物を濃縮した状態にできるため、薬物を長期間にわたって安定に保存する上では優れた製剤であるが、使用時にアンプルをカットし、生理食塩液やブドウ糖注射液等で希釈し、点滴により投薬されるため、操作に時間がかかることや異物の混入の可能性、薬物の過剰投与の可能性といった問題がある。また、アンプル製剤の容器はガラスであるため、アンプルカット時のケガの発生や高生理活性物質の被爆や廃棄が容易でないといった問題がある。
特公平2−13645号公報 特表2007−505861号公報 特表平10−504574号公報
本発明の目的は、骨粗しょう症を治療又は予防するためのアレンドロン酸の非経口投与が可能な製剤、さらに、希釈操作が必要なく、そのまま静脈内投与することが可能なアレンドロン酸含有注射用組成物を提供することにある。
本発明者らは、このような目的を達成するために鋭意検討した結果、以下の発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下である。
(1)アレンドロン酸200μg〜2000μgを含有し、ヒトに対して2〜4週間に1回投与されるように用いられ、ヒト血液と等張である、希釈が不要な、骨粗しょう症治療又は予防用注射剤。
(2)ヒトに対して4週間に1回投与されるように用いられる、(1)に記載の骨粗しょう症治療又は予防用注射剤。
(3)アレンドロン酸が800〜1300μgであることを特徴とする、(2)に記載の注射剤。
(4)アレンドロン酸が800〜1000μgであることを特徴とする、(2)に記載の注射剤。
(5)アレンドロン酸が900μgであることを特徴とする、(2)に記載の注射剤。
(6)クエン酸緩衝液を含んだ水溶液で、pH4.5〜7.5に調整された、プラスチックバッグに入った、(1)〜(5)のいずれかに記載の骨粗しょう症治療又は予防用注射剤。
(7)クエン酸緩衝液として、クエン酸ナトリウムを50〜500mg及びクエン酸を10〜150mg含む、(6)に記載の注射剤。
(8)pH6である、(1)〜(7)のいずれかに記載の注射剤。
(9)プラスチックバッグが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンもしくはプロピレンを含有するポリオレフィン共重合体、又は少なくともこれらの一つを含有するポリオレフィンの混合物である、(1)〜(8)のいずれかに記載の注射剤。
(10)プラスチックバッグが、ポリプロピレンである、(9)に記載の注射剤。
(11)容量が50mlである、(1)〜(10)のいずれかに記載の注射剤。
(12)容量が100mlである、(1)〜(10)のいずれかに記載の注射剤。
(13)アレンドロン酸の濃度が2〜20μg/mlである注射液100mlを30分以上かけて静脈内投与することを特徴とする、(1)〜(12)のいずれかに記載の注射剤。
本発明の注射剤は、骨粗しょう症の治療又は予防に有効な量のアレンドロン酸を含有し、かつ、希釈操作が不要で直接投与可能な濃度に調製されたアレンドロン酸水溶液をプラスチックバッグに充填することにより、骨粗しょう症を治療又は予防するためのアレンドロン酸の非経口投与を可能とする製剤である。
また、本発明の注射剤は投与期間が4週間に1回で済むため、患者のQOL向上にも貢献する。
さらに、本発明の注射剤は、保存安定性や光安定性等に優れた、骨粗しょう症の治療又は予防剤を提供することができる。
また、本発明は注射剤であるので、経口による消化管障害を回避でき、錠剤投与によって消化管障害を呈するおそれのある患者にとっては待望の薬剤である。
上記課題を解決するために、非経口投与で希釈が不要な製剤として、注射剤が考えられるが、注射剤とするにはその組成や容器として様々なものが考えられる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、アレンドロン酸を含有する注射剤の組成や、その組成と容器の組み合わせによっては、注射剤として適当かつ充分な保存安定性などを確保でき、さらに錠剤に比べ、少量のアレンドロン酸の投与で長期間に1回の投与で治療効果を得られることが分かった。
[アレンドロン酸とその濃度]
従来の経口投与剤である、アレンドロン酸の骨粗しょう症治療薬は、1日1回投与する錠剤と1週間に1回投与する錠剤があるが、本発明では、患者の負担を減らし、QOLの向上に資するべく、2〜4週間に1回、好ましくは4週間に1回の投与で治療又は予防効果が得られる注射剤とすることを目指した。
従来の経口投与剤である、アレンドロン酸の骨粗しょう症治療薬は、1錠中にアレンドロン酸を、1日1回投与する場合は5mg、1週間に1回投与する場合は35mg含有している。この含量に基づいて、4週間に1回投与する場合を計算すると、1錠に140mg含有することになる。錠剤を注射剤にする場合は、その吸収のし易さから、低用量にできることは知られているが、本発明者らが検討したところ、1回の投与が100mlの場合、錠剤に比べて遥かに低用量の200μg〜2000μg含有すれば、治療又は予防効果が得られることが分かった。
実施例1に示すように、アレンドロン酸を900μg含有する注射剤を4週間に1回連続投与することによって、1日1回及び1週間に1回連続投与する錠剤と、骨粗しょう症の治療効果が同等以上であることを見出した。また、2週間に1回連続投与する場合には、アレンドロン酸を450μg含有する注射剤で、同様の効果を有することを見出した。ここで、アレンドロン酸900μgとは、アレンドロン酸として900μgを意味する。
なお、アレンドロン酸の注射剤であって、骨粗鬆症治療薬とは異なる用途である、悪性腫瘍による高カルシウム血症の治療薬として投与する場合は、アレンドロン酸を高濃度にする必要があって、1注射液中にアレンドロン酸を5mg又は10mg含有している。この場合、投与においては、少なくとも1週間投与間隔を置くことになっている。これは、本発明の骨粗しょう症治療剤又は予防剤とは、異なる組成及び処方となる。
アレンドロン酸は酸性薬物のために高濃度では組織刺激性があると考えられるので、本発明のアレンドロン酸濃度は、アレンドロン酸を希釈操作なしで直接投与しても組織刺激性が発現しない濃度としている。また、プラスチックバッグ中の薬液量としては、1回の投与で2〜4週間の持続的な治療効果が期待でき、かつ問題となる副作用が発現しない薬液量とする必要がある。本発明では、アレンドロン酸(アレンドロン酸として)の濃度として、2μg/mL〜20μg/mLの薬液をプラスチックバッグに50mL〜200mL充填することが好ましいことを見出した。薬液濃度が2μg/mL未満では、プラスチックバッグに充填する薬液量が多くなり、投薬時間が長くなるために患者のQOLが低下したり、輸送や保管における経済性の面で好ましくない。また、薬液濃度が20μg/mL以上では、組織刺激性等の副作用の発生する可能性が高くなり好ましくない。
本発明の注射剤において、アレンドロン酸は、水溶液100mlあたり、200μg〜2000μg含有する。すなわち濃度で、2〜20μg/mlである。本発明の投与間隔である、4週間に1回の投与態様では、好ましくは水溶液100mlあたり、アレンドロン酸を800〜1300μg、さらに好ましくは800μg〜1000μgであり、さらにより好ましくは、900μg含有する。なお、2週間に1回の場合は、水溶液100mlあたりアレンドロン酸を200〜600μg、さらに好ましくは300〜400μg、さらにより好ましくは450μg含有する。
本発明の注射剤の投与間隔は、4週間に1回が好ましい。4週間に1回の投与間隔とは、4週間に1回、連続して投与することをいう。1回投与した後の次の投与は4週間後が好ましいが、正確に4週間経過する必要はなく、およそ3日以内のずれで4週間後に投与しても良い。投与間隔は、4週間に1回の他、本発明のアレンドロン酸の用量を考慮すれば、2週間〜2月に1回で、骨粗しょう症の治療又は予防効果を発揮する投与が可能である。
本発明のアレンドロン酸は、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸が好ましい。
アレンドロン酸は、薬剤上許容可能な塩と誘導体も本発明で有用である。塩の非限定例としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラ−C1〜C30アルキル置換アンモニウム等からなる群の中から選択されるものが挙げられる。好ましい塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、又はアンモニウム塩である。誘導体の非限定例としてはエステル、水和物およびアミドからなる群から選択されるものが挙げられる。本発明のアレンドロン酸は、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸一ナトリウム三水和物として含有するのが好ましい。
本発明の注射剤は、アレンドロン酸の濃度2〜20μg/mlである注射液100mlを静脈に30分以上かけて投与することが好ましい。より好ましくは30分で投与する。あるいは、アレンドロン酸が6.7μg/分〜67μg/分の速度で投与されることが好ましい。アレンドロン酸の投薬速度が6.7μg/分未満の場合、投薬時間が長くなるために患者のQOLが低下するため、好ましくない。また、投与速度が、67μg/分を超えた場合、問題となる副作用が発現する可能性が高くなり、好ましくない。また、注射液100mlの静脈内投与は、注射液一般の実績の点から、30分以上が好ましい。
本発明の容量は、50mL〜200mLが好ましいが、特に100mlの容量であることが好ましい。
[緩衝剤]
本発明者らは、緩衝剤の種類を特定することで、アレンドロン酸の安定性や長期保存性などに優れた薬剤になることを見出した。
本発明の注射剤のpHは、薬液の長期保存性、光安定性又は薬液投与における痛みを緩和もしくは生じさせないために、pH4.5〜7.5に調整する。好ましくはpH4.5〜6.5が、より好ましくはpH5.5〜6.5が、特にpH6に調整することが好ましい。
pHをコントロールするために、pH調整剤や緩衝剤を添加することができる。pH調整剤や緩衝剤としては、上記範囲にpHをコントロールすることができ、薬物の安定性に影響を与えないものであれば良い。
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウムなどがあげられる。緩衝剤としては、クエン酸緩衝剤、例えばクエン酸/クエン酸ナトリウム;酢酸緩衝剤、例えば酢酸/酢酸ナトリウム;酒石酸緩衝剤、例えば酒石酸/酒石酸ナトリウムなどが用いられる。注射剤の緩衝剤としては、一般的にリン酸緩衝剤がよく用いられる。しかしながら、本発明者らは、実施例2で示すように、リン酸緩衝液とクエン酸緩衝液で比較したところ、クエン酸緩衝液に比べて、リン酸緩衝液では保存中に主薬のアレンドロン酸含量が低下することが分かった。そこで、本発明では、緩衝液としてクエン酸緩衝液を使用することが好ましい。
pH調整剤や緩衝剤の添加量は、pHを上記範囲にコントロールすることができる量であれば特に限定されないが、本発明の注射剤の安定性や安全性、有効性を損なわない範囲では少ない方が好ましい。クエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤を用いた場合、その緩衝剤は2mM〜24mMが好ましく、8mM〜10mMがより好ましい。特に10mMが好ましい。緩衝剤以外のpH調整剤は添加しないことが好ましい。
すなわち、クエン酸ナトリウム及びクエン酸は、100mlあたり、クエン酸ナトリウムを50〜500mg、クエン酸を10〜150mg含み、好ましくは、クエン酸ナトリウムを165〜266mg、クエン酸を20〜50mg含み、さらに好ましくはクエン酸ナトリウムを266mg、クエン酸を20mg含む。
[その他の組成]
本発明における、「ヒト血液と等張」とは、ヒトの血液と浸透圧がほぼ等しいことをいう。注射時の痛みの回避、あるいは血液障害などを回避する目的で、等張とするのが好ましい。浸透圧の調整には、医薬に用いる通常の等張化剤を利用できる。等張化剤としては、人体に対する安全性において問題となる作用を発現しないものであれば特に限定されないが、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖、果糖、グリセリンなどがあげられる。等張化剤としては、塩化ナトリウムが好ましい。また、添加量としては、浸透圧比が0.9〜1.1の範囲となるように添加することが好ましい。本発明では水溶液100mlあたりに、クエン酸緩衝剤の濃度が10mMの場合、塩化ナトリウムを700mg〜1000mg使用するのが好ましい。
本発明においては、ベンジルアルコール、リドカイン等の無痛化剤、エデト酸四ナトリウム、サリチル酸、安息香酸ナトリウム等の保存剤、ビタミン類などを必要に応じて添加することもできる。また、本発明の効果に影響の無い範囲で他の添加剤を添加してもよい。
[プラスチックバッグ]
本発明の注射剤は、プラスチックバッグが使用される。プラスチックバッグを使用することにより、希釈操作が必要なく、そのまま点滴投与することを可能とし、投薬が容易となる。その他の注射剤容器である、アンプルやバイアルに比べて、そのまま点滴投与できることによって、異物の混入や薬物の過剰投与の可能性を回避できること、アンプルカット時のケガの発生や高生理活性物質の被爆を回避できること、投与前の準備も容易であること、使用後の廃棄も容易であって、安全性が高い。
本発明における、「希釈が不要」とは、製剤を希釈せずに、そのまま投与可能なことを意味する。
本発明におけるプラスチックバッグの材質としては、柔軟性があり、安全性が高く、かつ内容物が外から確認できるものが好ましい。内容物が外から確認できると目視検査が可能であって、透明のもの、特に無色透明が好ましい。素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体、エチレン・水素添加スチレン・ブタジエン共重合体などのエチレン又はプロピレンを含有するポリオレフィン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリシクロオレフィン、ポリエステル、ナイロン又は少なくともこれらの一つを含有するポリオレフィンの混合物などをあげることができる。これらの中で、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体、エチレン・水素添加スチレン・ブタジエン共重合体などのエチレン又はプロピレンを含有するポリオレフィン共重合体、あるいは少なくともこれらの一つを含有するポリオレフィンの混合物が柔軟性、水蒸気透過性や経済性の点から好ましい。また、これらは、積層されて用いられてもよい。
実施例3では、本発明の処方において、容器の材質がポリプロピレンとポリエチレンの場合における、不溶性微粒子数を比較した。この結果によって、ポリプロピレンは、ポリエチレンに比べて光安定性に優れていることが分かった。よって、本発明のプラスチックバッグは、ポリプロピレンの材質が好ましい。
プラスチックバッグの強度は、保管時や輸送時の破損が生じない一方で、柔軟性があり、廃棄時に折りたたむことができれば特に限定されない。
本発明におけるプラスチックバッグの厚さは、柔軟性があり、廃棄時に折りたたむことができれば特に限定されない。
本発明におけるプラスチックバッグの形態や形状は、薬液量を50mL〜200mL含有することができ、かつ熱蒸気滅菌が可能であれば、特に限定されない。操作性の点からは、単室型のバッグがより好ましい。熱蒸気滅菌の条件としては、例えば、122℃、20分などが挙げられる。
また、本発明において、長期保存時における水分蒸散を抑制する目的で、薬液を充填したプラスチックバッグの外周に、プラスチックバッグより水分蒸散性の低いフィルムからなる二次包装を施しても良い。水分蒸散性の低いフィルムとは、例えば、アルミナ蒸着フィルム等が挙げられる。
本発明のアレンドロン酸含有注射剤の製造方法は特に限定はされず、既知の方法により製造することができる。例えば、アレンドロン酸水溶液をプラスチックバッグに充填し、密封した後、高圧蒸気滅菌により滅菌する方法やアレンドロン酸水溶液をろ過滅菌し、無菌的にプラスチックバッグに充填し、密封する方法等により製造することができる。
以下に、本発明の実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例によっていかなる意味においても制限するものではない。
[実施例1]
骨粗鬆症患者を対象に、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸一ナトリウム三水和物水溶液製剤を、2週又は4週に1回静脈内投与し、投与12週後の有効性及び安全性について、錠剤を対照として検討した。
(投与期間)12週間
(投与製剤)下記表1に示す。
Figure 2010254686
(投与方法)
製剤1〜3:100mlを30分かけて点滴静注
比較製剤1:経口で服用
(投与間隔)
製剤1:2週に1回
製剤2〜3:4週に1回
比較製剤1:1週に1回
(評価項目)
有効性:12週後の腰椎の骨密度(BMD)変化率
安全性:有害事情
(結果)
1) 有効性
投与12週後の腰椎BMD変化率を表2に示す。
Figure 2010254686
本発明の製剤(製剤1〜3)は、いずれも骨密度の増加が認められた。本発明の製剤(製剤1〜3)いずれも、従来技術である1回/1週のアレンドロン酸35mg錠剤と同程度以上の骨密度変化(増加)率(平均値)を示した。
以上より、本発明の製剤は骨密度増加に有効であり、従来技術である35mg錠剤/1週に対し同等以上の効果で、中でも、投与間隔と用量の観点から製剤2(1回/4週、900μg/1回)が最も好ましいと考えられた。
[実施例2]
4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸一ナトリウム三水和物のリン酸緩衝液製剤を比較製剤として調製し、本発明であるクエン酸緩衝液製剤と保存安定性を比較検討した。
(検討製剤)
検討製剤を表3に示す。
Figure 2010254686
(結果)
結果を表4に示す。
Figure 2010254686
クエン酸緩衝液では何れの処方においても含量の低下は見られず安定は良好であった。一方、リン酸緩衝液ではすべての処方で著しい含量低下が確認された。
[実施例3]
不溶性微粒子数における、容器材質及びアレンドロン酸濃度の影響を検討した。
(検討製剤)
検討製剤を表5に示す。
Figure 2010254686
(検討条件)
120万Luxの光を3ヶ月間照射後の不溶性微粒子数(粒子2μm以上)を測定した。
(結果)
結果を表6に示す。
Figure 2010254686
容器材質がポリエチレンでは、アレンドロン酸濃度が高い(1600μg/100ml程度)場合、不溶性微粒子数が高くなった。一方、容器材質がポリプロピレンの場合、アレンドロン酸濃度に関らず、不溶性微粒子数は低いレベルであった。
以上より、本発明の製剤において容器の材質は、不溶性微粒子数の観点からポリプロピレンが好ましいことがわかった。特に、アレンドロン酸の濃度が200μgより高い場合にその効果が認められ、好ましいことがわかった。

Claims (13)

  1. アレンドロン酸200μg〜2000μgを含有し、ヒトに対して2〜4週間に1回投与されるように用いられ、ヒト血液と等張である、希釈が不要な、骨粗しょう症治療又は予防用注射剤。
  2. ヒトに対して4週間に1回投与されるように用いられる、請求項1に記載の骨粗しょう症治療又は予防用注射剤。
  3. アレンドロン酸が800〜1300μgであることを特徴とする、請求項2に記載の注射剤。
  4. アレンドロン酸が800〜1000μgであることを特徴とする、請求項2に記載の注射剤。
  5. アレンドロン酸が900μgであることを特徴とする、請求項2に記載の注射剤。
  6. クエン酸緩衝液を含んだ水溶液で、pH4.5〜7.5に調整された、プラスチックバッグに入った、請求項1〜5のいずれかに記載の骨粗しょう症治療又は予防用注射剤。
  7. クエン酸緩衝液として、クエン酸ナトリウムを50〜500mg及びクエン酸を10〜150mg含む、請求項6に記載の注射剤。
  8. pH6である、請求項1〜7のいずれかに記載の注射剤。
  9. プラスチックバッグが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンもしくはプロピレンを含有するポリオレフィン共重合体、又は少なくともこれらの一つを含有するポリオレフィンの混合物である、請求項1〜8のいずれかに記載の注射剤。
  10. プラスチックバッグが、ポリプロピレンである、請求項9に記載の注射剤。
  11. 容量が50mlである、請求項1〜10のいずれかに記載の注射剤。
  12. 容量が100mlである、請求項1〜10のいずれかに記載の注射剤。
  13. アレンドロン酸の濃度が2〜20μg/mlである注射液100mlを30分以上かけて静脈内投与することを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の注射剤。
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