JP5811404B2 - セトロンを頬側経粘膜投与するための処方物(formulation) - Google Patents

セトロンを頬側経粘膜投与するための処方物(formulation) Download PDF

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Description

本発明は、セトロン族の1以上の有効成分を瞬時に頬側経粘膜全身投与するための処方物に関する。
発明はまた、強い吐き気や嘔吐症候群の治療および予防、ならびに、消化管を機能不全にする痙攣(disabling spasms)の問題の治療および予防を目的とした、当該処方物の製剤方法および用法に関する。
セトロンは、ガン療法に関連する吐き気および嘔吐症候群の予防または治療に主に用いられる医薬有効成分である。これらは、分子量の小さい、強力な脂肪親和性の制吐作用分子であり、中枢神経系レベルで、5−ヒドロキシトリプタミン−3(5-HT3)受容体(セロトニン受容体の亜型)における受容体拮抗薬として働く。
最もよく知られたセトロンとして、オンダンセトロン、トロピセトロン、グラニセトロンがあり、それぞれ「Zophren(登録商標)」、「Navoban(登録商標)」、「Kytril(登録商標)」の商品名で市場に出ている。また、これらほど知られてはいないが、他にも、以下のような分子がある。すなわち、ドラセトロンおよびイタセトロン(これらは適応症が類似している)、アロセトロン、アザセトロン、ベネセトロン、クリアンセトロン、ラモセトロン、そしてザトセトロンであり、これらは、その承認情報(Notice-of-compliance)によれば、適応症として、過敏性腸症候群の治療を対象としている。
セトロンに制吐作用があることは証明済みであるが、ガンに対する化学療法または理学的治療の実施に関連し、強い吐き気や嘔吐症候群を予防または治療する目的でセトロンを投与すると、多くの問題に直面する。
セトロンの投与方法として最も迅速かつ効果的なのは、静脈内輸液によるものである。しかしながら、このやり方で投与する場合、専任の人員を当てて専用の装置を使用する必要がある。これはコスト高であり、専用の装置の使用は患者への負担も大きい。特に化学療法で実施する場合、患者はすでに非常に多くの輸液治療を受けているからである。
そこで、患者の静脈を保護すると共に薬剤の摂取を容易にし、更にコストを下げるためには、静脈ルートを避けて経口でセトロンを投与することが好ましい。
経口投与の形として最もよく知られたものは、錠剤による腸内投与であるが、このやり方での投与は、セトロンの投与には適していない。
対象となる患者は、いかなる薬物でも経口での摂取には非常に敏感で、直ちに拒絶反応を起こす場合も多い。つまり、経口投与される制吐剤自体が、その治療目的である症候群を引き起こすことがある。
この問題は別として、投与されるセトロン系が適正に摂取されるとしても、摂取から作用を発揮し始めるまで1〜3時間の遅延があり、こうした遅延は、苦しんでいる患者の期待を裏切るものである。
セトロンが消化管や胃に導入されると、脂肪親和性セトロン分子には、いわゆる「消化管ファーストパス(digestive first pass)」効果が生じる。これは、胃の環境や腸管生理における変化に関連した劣化や損失を指す。その後、さらに、いわゆる「肝臓ファーストパス(hepatic first pass)」効果の影響を受ける。この作用により、セトロンには多少とも激しい代謝および/または効能低下が生じ、数多くの代謝物質が形成されるが、その大部分は不活性および/または毒性のもので、副作用を生じる。
従って、有効成分のうち実際に生体にとって利用可能な量は少ない。すなわち、残余部分だけが実際に中枢神経系に分配されて脳内の5−HT3受容体に到達し、期待した薬理学的効果を発揮するのであり、その割合は、考えうる最善の状況においても、投与量の60%を上回ることはない。
よって、いくつか大きな問題があることは明らかである。
第1の問題は、すでに重い吐き気反射(nausea reflexes)で身体が弱り、横たわっている患者に組成物を吸収させなければならない、ということである。一旦嚥下された投薬が拒絶されてはならず、有効成分は、患者の消化管に問題があっても、充分に吸収されるようにしなければならない。
第2の問題は、充分な量のセトロンを患者に投与することであり、その際には、人物の体重や、生体組織内での有効成分の希薄と分散とを考慮し、実際に脳内の5−HT3受容体に達して効果を発揮する有効部分の量が大きくなるようにする。
更に、もう1つの問題は、セトロン分子が作用し始め、患者がその効果を実感するまでの待ち時間であり、これは、生体組織内での代謝および拡散に起因する。
以上の通り、消化管経由でセトロンを投与することは適切でない。
他に可能なセトロン投与の方法として知られているのは、例えば、経皮投与であり、これは一般的に、ゲル型半固体システム(gel-type semi-solid system)やリザーバ型固体システム(reservoir-type solid system)の補助を伴う形で行われる。例えば、米国特許出願第2007/0225379号の実施の形態においては、グラニセトロン型またはオンダンセトロン型のJゲルおよびKゲル、そして、それらを皮膚から投与することが記載されている。しかし、それらはシステムが複雑であり、長期の投与を目的としている。従って、治療に要する量の有効成分を短時間で血液中に入れることはできず、吐き気および/または嘔吐症候群を即時に治療することを目的とした用途には適さない。
最後に、舌下粘膜、頬粘膜、歯茎の粘膜、舌粘膜、口蓋粘膜、または口腔粘膜を介した受動通過(passive passage)によって薬を投与できる経口/舌下ルートも存在する。薬は舌下静脈に入って全身の静脈循環系に分配されるため、消化管に達するまでの時間や肝臓代謝までの時間が短くなる。しかし、セトロン分子は全て脂肪親和性であり、従って、相容れない頬粘膜の水環境および親水性環境では実質的に不溶性であるため、このルートが使用できるかどうかは明らかでない。
国際特許第2008/079295号および第2005/032520号には、スプレーの形で投与される経口/舌下処方物が記述されている。しかし、これらにおける組成物は、特性として、投与精度、吸収効率、投与された量の生体利用度の点で不充分である。また、これらに記されたのは、複数成分の組み合せを含む複雑な液体処方物である。複雑になるのは、オンダンセトロン塩を可溶化および安定させること、そして、特定のサイズの粒子をスプレーで分配できるよう非常に特別な粘性状態を作り出すこと、を目的としているからである。しかし、投与時の口腔内での分配状態はやはり、拡散していて不均一である。そして、スプレーで放出された粒子は、受け止められると直ちに、口腔内で反射的かつ無意識に生成される唾液と混合する。通常、この混合物は患者によって機械的に飲み込まれてしまい、有効成分が頬粘膜を通って静脈循環系に入る機会はない。国際特許第2008/079295号に示された生体利用度曲線は、投与量の損失を示している。ここに記述された方法によってスプレーで投与されるセトロン分子のうち、頬側経粘膜ルートによって吸収されるのは一部のみであり、大部分は消化管を通して吸収される。従って、投与された有効成分のうち、経粘膜ルートを通って直接利用される部分の割合は非常に小さく、決して20%を超えることはない(国際特許第2008/079295号の第30ページに示す実施例6を参照)。やはり、効能については、静脈ルートで得られるものに遠く及ばない。
米国特許出願公開第2007/0225379号明細書 国際公開第2008/079295号 国際公開第2005/032520号
以上のことから、製造および使用が簡単であると共にコストも低く、速やかに利用できる一方で侵襲性は特に強くはない、そして、生体利用可能な量のセトロンの迅速かつ完全な投与を可能とすることで、強い吐き気や嘔吐症候群、ならびに、消化管を機能不全にする痙攣の問題を素早く効果的に治療することができる、というガレン処方物(galenic formulation)が必要とされている。
本発明は、上記の必要に応じるために、非常に特別なガレン処方物を提供する。これは、水溶液の形を取り、セトロン族から選択された、吐き気抑制、制吐、または消化管痙攣抑制の効果を有する1以上の有効成分の経粘膜投与を保証するものであって、セトロン族から選ばれた、塩基形または塩形の1以上の有効成分と、前記活性成分が完全に溶解し安定した状態で存在する、アルコール度数を30度以上に設定した、水とエタノールとから成る水性アルコール溶液と、オプションとしてpH調整剤と、から成る。
この処方物のpHは5.0〜9.0の範囲にある。
本発明はまた、上記処方物の調剤方法を提案し、更には、強い吐き気および/または嘔吐症候群の治療または予防、そして、消化管を機能不全にする痙攣の問題の治療および予防を目的とした、当該処方物の用法を提案する。
既存の処方物と比較した場合、本発明の処方物は、製造および使用が非常に簡単であり、セトロン型の治療用製剤を短時間で完全に経粘膜通過させることができる、という効果を有する。セトロン分子の唾液による希薄および嚥下が抑制され、セトロン分子はほぼ瞬時に脈管系に送られ、中枢神経系の受容体の中枢に投与量の全てが分配される。投与されるセトロンの量は、既存の処方物において導入する必要がある量よりも小さい。
他の特徴および効果については、後述する本発明の詳細な説明に見られる。
本発明の第1の形態の様態は、セトロン族の吐き気抑制有効成分、制吐有効成分および/または抗消化管痙攣有効成分を1以上、頬側経粘膜投与するための処方物である。当該処方物は、5.0〜9.0の範囲のpHを有する溶液であって、
・塩基形(base form)および/または塩形(salt form)の、セトロン族の1以上の有効成分と、
・水およびエタノールから成り、アルコール度数を30度以上に設定した、水性アルコール溶液と、
・オプションのpH調整剤と、から成る。
有効成分は、2mL未満の量の水性アルコール溶液中に、完全に溶解して安定した状態で存在している。そのため、前記有効成分は口腔粘膜を経て速やかに吸収される。
「経粘膜ルート」という表現は、溶解し安定した状態で存在する脂肪親和性または両親媒性の分子が、舌粘膜、舌下粘膜、歯茎の粘膜、口蓋粘膜、頬粘膜または口腔の他の粘膜を通過する受動経路(passive passage)を指す。
また、「完全に溶解して安定した状態」との表現は、溶媒中の有効成分が弱イオン化された分子の状態になっている溶液状態を指し、この溶液状態では、不都合なタイミングでの再結晶が生じる可能性はない。こうした、「完全に溶解して安定した状態」は、本発明の処方物の使用時に観察される。観察は、得られた溶液の視覚的外観の評価(透明度の測定)によって、その次に濾過残留物(結晶出現の有無)のレベルで行う。そして、最終的には、温度および相対湿度を様々に変化させながら中期的および長期的な安定性追跡テストを行う。
「X度にアルコール度数を設定した水性アルコール溶液」という表現は、Xに等しいアルコール度数を示す溶液を指す。そして、Xは、水性アルコール溶液に含まれる純粋(100度)アルコールの量と溶液全体の量との比率に当たる。水性アルコール溶液のアルコール度数は、水溶液の形成に用いられるアルコールの度数や水溶液の水/アルコール比率に応じて変化する。例えば、アルコールが100度で、水/アルコール比率が50/50の場合、それは、50度にアルコール度数を設定した水性アルコール溶液となる。
pH調整剤とは、1以上の有効成分の物理化学的な特徴を損なうことのない、何らかの酸剤(acid agent)または塩基剤(base agent)のことである。
pH調整剤は、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウム、1ナトリウムリン酸塩または2ナトリウムリン酸塩、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)から、そして、塩化水素剤、硫酸剤、リン酸剤、クエン酸剤、リンゴ酸剤、乳酸剤、コハク酸剤および/または酪酸剤から選択するのが好ましい。
セトロン族から選択された有効成分は、塩基形および/または塩形で存在する。
有効成分が塩基形でのみ存在する場合、本発明の処方物には、酸性pH調整剤を含ませることが好ましい。
有効成分が塩形でのみ存在する場合、本発明の処方物には、塩基性pH調整剤を含ませることが好ましい。
有効成分が塩基形と塩形との両方で存在する場合(例えば、琥珀酸、クロルハイドレート(chlorhydrate)、または硫酸塩の形である場合)、塩基と塩との間の分配勾配(distribution gradient)は、例えば投与量がそうであるように、各有効成分およびその塩の特定の物理化学的特徴(すなわち溶液量に対する有効成分の濃度)に応じて、その場その場で決まる。
好適な実施の形態における有効成分は、塩基形で存在している。塩基形のセトロンは塩形のセトロンよりも分子量が小さく、本発明の処方物では、より簡単に溶け、より簡単に安定すると共に、経粘膜通過を速めるのに適している。
有効成分は、オンダンセトロン、トロピセトロン、グラニセトロン、ドラセトロン、イタセトロン、アロセトロン、アザセトロン、ベネセトロン、クリアンセトロン、ラモセトロン、ザトセトロンの中から選べばよい。ただし、オンダンセトロン、グラニセトロン、またはトロピセトロンを有効成分とするのが好ましい。更に好ましい有効成分は、塩基形のオンダンセトロンである。
本発明の処方物は、体積で30%〜95%のアルコールを含み、水の割合が5〜70%の範囲である、という水性アルコール溶液の形とするのが好ましい。更には、本発明の処方物は、体積で40%〜85%のエタノールを含み、水の割合が15〜60%の範囲である、という水性アルコール溶液の形とするのがいっそう好ましい。
この水性アルコール溶液のアルコール度数は、少なくとも30度であり、30度から70度の範囲が好ましい。さらに、40度から70度の範囲であればより好ましく、理想的なのは約50度である。
水性アルコール溶液は本発明の処方物で使用する唯一の溶媒である、とするのが効果的である。
さらに、水性アルコール溶液中のエタノールは、希釈剤として働くだけでなく、経粘膜吸収の加速を促進する働きもする、吸収速度はアルコール度数が高くなるのにつれて上昇する。ただし、本処方物のアルコール度数は、70度を上回ってはならない。度数が高くなれば、粘膜の火傷の問題があって、口腔使用する製薬組成物と組み合わせることができなくなる。
一例として、エタノール中のオンダンセトロンの溶解係数を、約50度のエタノール0.75ミリリットル(mL)に対し2ミリグラム(mg)のオンダンセトロンという率とすると、前記有効成分を完全に溶解させることができる。この係数は、使用する水/エタノールの比率とアルコール度数とに応じて調節すればよい。
本発明の処方物のpHは、5.0〜9.0の範囲であり、5.5〜7.5の範囲とするのが好ましい。こうしたpH値であれば、溶液の吸収を最大にするのに都合がよい。
本発明の処方物であれば、有効成分は投与から6秒以内で口腔粘膜を受動通過することができる。このように吸収時間が非常に短いため、口腔環境内で溶液や有効成分が停滞する事態を防止することができる。さらに、溶液や有効成分が唾液と混合する不都合な事態も防止できる。こうした混合は品質低下の原因となりやすく、1または複数の有効成分の溶解の連続性や安定性を損なってしまう。さらに、このように遅延が短いことで、溶液やそこに含まれる有効成分が反射的に嚥下されてしまう事態も防止できる。
溶液中に溶解した状態で存在する本発明の有効成分は、粘膜を介して外(external)上皮性膜に達する。この膜はホスホ脂質構造から成り、完全に溶解して安定した状態で存在する脂肪親和性分子は選択的親和性によって受動吸収される。有効成分が上皮性膜に達するのは、前記膜を挟んで反対側に向かおうとする浸透圧または引圧の力による。ここには、溶解した有効成分の濃度と関連するアルコール溶液の濃度とが共に関与する。活性(activity)および浸透圧の強さは、吸収促進剤として働くアルコールの度数に応じて大きくなる。特にオンダンセトロンの場合、本発明では、適切なアルコール度数は40〜70度の範囲であり、45〜60度の範囲が好ましい。これによって、確実に、オンダンセトロンの溶解および安定に関して最善の係数が実現および設定されるのと同時に、4〜6秒の範囲内でオンダンセトロンが経粘膜通過するよう促進することができる。1つの特に適切な実施の形態は、2または4mgのオンダンセトロンに対し、約50度のアルコールを含む水性アルコール溶液が0.75mLというものである。
口の粘膜は、微小血管の密度が非常に高い擬スポンジ配列を有し、その結果、上皮膜の脂肪親和性の孔を通過する分子は、アルコール溶媒の分子であれ溶解した有効成分の分子であれ、直ちに微小血液循環系に捕らえられ集められて、舌下静脈から頸静脈、そして心臓へと向かう。この現象はアルコールの存在によって加速される。アルコールは血管拡張を引き起こし、局所的に粘膜の微小血管の流量を大きくする。
こうして、アルコールによって局所的に循環流量が大きくなるため、上皮膜を挟んだ両側で均衡状態が生じることは決してない。吸収すべき分子がなくなってメカニズムが解消するまで、口の中の濃度の方が高い状態が続く。
よって、本発明の有効成分と、それが溶解したアルコールとは残らず粘膜を通過し、これは、他の全ての「舌下」と呼ばれる形式と明らかな対照をなす。
このように、本発明のガレン処方物を使用すれば、所定量のセトロンを受動投与するにあたって、セトロンは粘膜上に置かれると直ちに吸収され、さらに、静脈ルートによって瞬時に分配されるため、薬理学的作用に関して遅延が生じることがなく、作用前に消化管および肝臓の経路に有害な影響が生じることもない。よって、本発明のガレン処方物によれば、組織は急速かつ完全にセトロン分子を吸収することができ、これにより、生体の中心循環系にセトロン分子を分配することが可能となり、「フラッシュ(flash)」型の急速な薬理学的反応が生じる。
例えば、0.75mLの50度エタノール溶液に溶解した2mgの塩基形オンダンセトロンから製造した本発明のガレン処方物では、受動的かつほぼ瞬時に充分に有効な量のオンダンセトロンを投与することができる。この2mgという量は、通常の形で経口投与された投与量のうち生体利用される部分の理論上の最大値(普通に経口投与される場合は最高で投与量の40〜50%)と一致する。本発明の処方物の場合、局所的な経粘膜ルートを介して、投与された量が残らず生体利用可能となる。
また、アルコール度数を30度以上に設定した本発明の水性アルコール溶液には、脂肪親和性のセトロン分子でも溶解させることができる効果があり、それによって、セトロン分子の経粘膜自然吸収が可能となると共に、抗菌保存剤を入れなくとも、医薬処方物を微生物汚染から守ることができる。
すなわち、本発明の水性アルコール溶液には、以下に示す四重の効果がある。
・セトロン族から選択された、低分子量の脂肪親和性分子の有効成分を溶かす溶媒として働く;
・分子状態で脂肪親和性膜に与えられた当該溶解有効成分の経粘膜通過を促進する;
・アルコール度数によって粘膜吸収の速度が倍に向上するが、それは、1つは浸透効果によってであり、もう1つは、微小血管の反射的な拡張を生じさせて局所的に微小循環流速を加速させることによる;
・それ自体の安定剤であり、そのため、従来のような添加物を使用しなくともよい。
また、本発明には、製造が非常に簡単で、ガレン安定性(galenic stability)も非常に優れている、という効果がある。すなわち、極めて単純化された水/エタノール溶液であるため、有効成分の溶解が保証されると共に、従来の薬剤には通常使用されている補形剤(防腐剤など)が不要となる。唯一の添加剤として、溶液のpHを5.0から9.0の範囲に収まるように調節するpH調整剤があるが、これはオプションである。
従って、本発明によれば、製造コストを下げることができると共に、有効成分と補形剤との間の付耐性や相互作用に関連したリスクも小さくすることができる。
また、別の効果として、本発明のガレン処方物では、薬力学作用の遅延が既存のセトロン系薬物に比べて非常に短い。既存の薬物は吸収が非常に遅く、薬物の摂取から制吐、吐き気抑制または痙攣抑制の薬理学的効果が現れ始めるまでに45分から2時間の範囲の遅延が生じる。
薬理学的送達がほぼ瞬間的に行われるため、患者自身が組成物を投与しても、その有効性は、セトロンを循環系へ瞬時静脈注射した場合に等しく、この種の投与に関連した問題(特に、院内感染のリスク)も生じない。
こうした形での投与は、セトロン系を投与する既存の方法と比較して、簡単である点および非外傷性投与が可能である点においてだけでなく、単位量や治療コストの点でもはるかに優れている。投与量/効果の比率に関しては、少なくとも40%〜50%高まる。よって、本発明の処方物では、投与量が40%〜50%以上少なく、しかも、治療効果は遅延なしで得られる。セトロン分子は、大きな障害に直面することなく、頸動脈経由で短時間のうちに中枢神経系の目標の5−HT3受容体に分配され、到達までの時間は数秒である。また、投与する必要のある基本量は小さくなるが、それでも、所望の薬理学的活性を働かせるのに必要な生体利用可能量に匹敵する。従って、本発明の処方物に含まれる有効成分の量は、従来投与されている量よりも小さい。もちろん、この量は、投与されるセトロンや求められる効果によって変わってくる。0.5mL〜2mLの範囲の水性アルコール溶液量に対し、有効成分は2mg〜8mgの範囲とするのが好ましい。
その上、口腔粘膜の総吸収面積は極めて大きい(絨毛状襞組織の特性として面積が大きくなる)。そのため、本発明のガレン処方物は、投与にあたって、嚥下されてしまったり本来と異なるルートに進んだりする、という問題が生じるリスクがない。また、極めて迅速な経粘膜通過が可能になることから、投与された有効成分が唾液に溶解したり、嚥下されたりする事態を防止できる。そして、スプレー、遅効性錠剤、高分子膜、またはカプセルという形を取る既存の「舌下」処方物のいくつかでは、様々な成分や補形剤のために粘膜が不安定になるという問題が起こりうるが、本発明の処方物には、こうした不安定化の問題が生じないという効果もある。さらに、本発明の処方物は、摂取薬物が嘔吐によって拒絶される事態を完全に回避できるため、強い吐き気や嘔吐症候群に苦しむ患者に特に適している。
さらに、アルコールの影響は問題にならない。例えば、50度のエタノール水性アルコール溶液0.75mLであれば、アルコール血中濃度は、公認のWidmarkの基本式によれば、血液1リットルあたり0.005gを下回る値にしかならない。これは、血液1リットルにつき0.5gと定めたフランスの法定許容量の100分の1である。さらに、アルコール溶液の当初の肺通過で、蒸気の形を取るエタノールをほぼ残らず除去することができる。エタノールが生体に分配される前に、呼吸ルートを通して抽出されたり、発散したりするからである。こうして、アルコールベクター(vector)は、呼吸組織でほぼ完全に除去される。
本発明の第2の様態は、処方物の調剤方法に関する。
本発明の特に適当なガレン処方物の製造方法は、以下のステップから成る:
・アルコールと精製水とを混合し、得られた混合物に、セトロン族から選択した1以上の有効成分を加える;
・均一な懸濁液が得られるまで調剤物を撹拌する;
・オプションとして、5.0〜9.0の範囲の所望のpHが得られるまで、徐々にpH調整剤を加える;
・有効成分が完全に溶解するまで撹拌を続ける;
・必要であれば、所望の量になるまで水を補う;
・濾過する。
また、好適な実施形における調剤方法は、以下のステップから成る:
・アルコールと精製水とを混合し、得られた混合物に、塩基形または塩形のオンダンセトロルを加える;
・均一な懸濁液が得られるまで、好ましくは10〜60分間、調剤物を撹拌する;
・オプションとして、5.0〜9.0の範囲の所望のpHが得られるまで、徐々にpH調整剤を加える;
・有効成分が完全に溶解するまで、好ましくは5〜30分間、撹拌を続ける;
・必要であれば、所望の量になるまで水を補う;
・濾過する。
また、第1の変形例における本発明の製剤方法は、以下のステップから成る:
・エタノールと水とを混合し、得られた混合物に、セトロン族から選択した有効成分を塩基形で加える;
・均一な懸濁液が得られるまで、好ましくは10〜60分間、調剤物を撹拌する;
・オプションとして、5.0〜9.0の範囲の所望のpHが得られるまで、徐々にpH調整剤を加える;
・有効成分が完全に溶解するまで、好ましくは5〜30分間、撹拌を続ける;
・必要であれば、所望の量になるまで水を補う;
・5マイクロメートル(μm)フィルタを使用して調剤物を濾過し、濾過後の調剤物を1回分のビンに分けて詰める。
また、第2の変形例における本発明の方法は、以下のステップから成る:
・エタノールと水とを混合し、得られた混合物に、セトロン族から選択した有効成分を塩形で加える;
・均一な懸濁液が得られるまで、好ましくは10〜60分間、調剤物を撹拌する;
・オプションとして、6.0〜8.0の範囲(好ましくは7.0近く)のpHが得られるまで、徐々に基本pH調整剤を加える;
・有効成分が完全に溶解するまで、好ましくは5〜30分間、撹拌を続ける;
・必要であれば、所望の量になるまで水を補う;
・5μmフィルタを使用して調剤物を濾過し、濾過後の調剤物を1回分のビンに分けて詰める。
また、別の変形例における本発明の方法は、以下のステップから成る:
・エタノールと水とを混合し、得られた混合物に、セトロン族から選択した有効成分を塩形で加える;
・均一な懸濁液が得られるまで、そして、有効成分が完全に溶解するまで、好ましくは10〜60分間、調剤物を撹拌する;
・必要であれば、所望の量になるまで水を補う;
・5μmフィルタを使用して調剤物を濾過し、濾過後の調剤物を1回分のビンに分けて詰める。
本発明によれば、セトロン(特にオンダンセトロン)を、少量かつ効果的に、短時間で全身投与する目的に使用することができる。
具体的には、本発明の処方物は、特にガン治療に関連して、強い吐き気および/または嘔吐症候群の治療および/または予防を目的とした薬剤の製造に用いることができる。こうした薬剤には、非常に短い時間内に、従来よりも遥かに少ない量で、治療的制吐効果を発揮する。
また、本発明の処方物は、消化管の痙攣の治療および/または予防を目的とした薬物療法の確立に用いることができる。
また、本発明の処方物は、液体体積が非常に小さいため、投与が非常に簡単である。患者は容易に、口の中の所定位置、口や歯茎、または舌の下にある特定の狭い粘膜領域に直接接触するように処方物を塗布することができる。
本発明の最後の様態として、本処方物は特別な工業包装を必要とするが、これは、安全、簡単かつ人間工学的に使用できるようにすること、そして、有効成分が空気との接触によって劣化するのを防止することを目的としている。
1つの特定の実施の形態として、不透明なガラスや可撓性の金属プラスチックまたはプラスチックの包装を用いるものがある。当該包装については、小型なものとし、窒素などの不活性気体の中で充填するのが好ましい。不活性気体中で充填するのは、組成物の安定性を保つため、そして、酸素や放射を通さないようにするためである。こうした包装により、本発明の有効成分が水性アルコール溶液に溶解し、溶解した有効成分が長期間安定状態に保たれることが保証される。
こうした形の包装については、望ましくは、本発明の溶液を付着させる位置を、適切な面積の粘膜と接触するよう厳密に決められるように、カニューレを設けるのが好ましい。
患者が快適に使用できるように、また、搬送が容易になるように、当該包装については、専用の密封包装を用いるのが好ましい。更には、本発明のガレン処方物は、有効成分を適正な量で提供するのに適した、0.5mL〜2mLを1回分とする包装に入れるのが好ましい。
こうした包装は、運搬が簡単である点、そして、1日のどの時点でもガレン処方物を簡単に使用できる点で効果的である。
以下、本発明のセトロン処方物の複数の例について述べるが、その量は、0.75mLまたは1.00mL、アルコールは約50度であり、わずか数分の遅延で中枢神経系レベルに効果的作用を生じるものとなっている。
処方物1:2mgのオンダンセトロン、0.75mLの50度のアルコール
・塩基形のオンダンセトロン(有効成分):2.0mg
・95度のエチルアルコール(希釈剤兼吸収促進剤):0.375mL
・精製水(希釈剤):qsp 0.75mL
・塩化水素酸(pH調整剤):qsp pH 6.0
この第1の処方物の例は、下記の方法を用いて、1000回分の量(すなわち0.75リットル(L))をひとまとめに作られる。
95% V/Vのエタノール0.375Lと精製水0.150Lとをステンレス鋼タンクに入れる。
塩基形のオンダンセトロン2グラム(g)を水性アルコール溶液に入れる。
螺旋撹拌器を用い、調剤物を20〜40分の間撹拌して、均一な懸濁液を得る。
その後、6に近い(±1)pHが得られるまで、塩化水素酸を順次加えていく。
オンダンセトロンが完全に溶解するまで撹拌を続ける。
溶液が0.75リットルの体積になるまで精製水を補い、さらに、均一性を保証するために、調剤物を10〜30分間撹拌する。
5μmの孔を有するポリプロピレンまたは類似のフィルタを用いて調剤物を濾過し、濾過後の調剤物を0.75mLの1回分のビンに分けて詰める。
処方物2:4mgのオンダンセトロン、0.75mLの50度のアルコール
・塩基形のオンダンセトロン(有効成分):4.0mg
・95度のエチルアルコール(希釈剤兼吸収促進剤):0.375mL
・精製水(希釈剤):qsp 0.75mL
・塩化水素酸(pH調整剤):qsp pH 6.0
この第2の処方物の例は、下記の方法を用いて、1000回分の量(すなわち0.75リットル)をひとまとめに作られる。
95% V/Vのエタノール0.375Lと精製水0.150Lとをステンレス鋼タンクに入れる。
塩基形のオンダンセトロン4gを水性アルコール溶液に入れる。
螺旋撹拌器を用い、調剤物を20〜40分の間撹拌して、均一な懸濁液を得る。
その後、6に近い(±1)pHが得られるまで、塩化水素酸を順次加えていく。
オンダンセトロンが完全に溶解するまで撹拌を続ける。
溶液が0.75リットルの体積になるまで精製水を補い、さらに、均一性を保証するために、調剤物を10〜30分間撹拌する。
5μmの孔を有するポリプロピレンまたは類似のフィルタを用いて調剤物を濾過し、濾過後の調剤物を0.75mLの1回分のビンに分けて詰める。
処方物3:4mgのオンダンセトロン、1.0mLの50度のアルコール)
・塩基形(有効成分)でオンダンセトロン:2.0mg
・HCIオンダンセトロン(有効成分):2.0mg
・95度のエチルアルコール(希釈剤兼吸収促進剤):0.5mL
・精製水(希釈剤):qsp 1.0mL
この処方物の例は、下記の方法を用いて、1000回分(すなわち1リットル)をひとまとめに作られる。
95% V/Vのエタノール0.5リットルと精製水0.5Lとをステンレス鋼タンクに入れる。
塩基形のオンダンセトロン2gとHCIオンダンセトロン2gとを水性アルコール溶液に入れる。
螺旋撹拌器を用い、調剤物を20〜40分の間撹拌して、オンダンセトロンを完全に溶解させると共に、その均一な懸濁液を得る。
5μmの孔を有するポリプロピレンまたは類似のフィルタを用いて調剤物を濾過し、濾過後の調剤物を1.0mLの1回分のビンに分けて詰める。
処方物4:3mgのグラニセトロン、1.0mLの50度のアルコール
・HCI グラニセトロン(有効成分):3.0mg
・95度のエチルアルコール(希釈剤兼吸収促進剤):0.5mL
・精製水(希釈剤):qsp 1.0mL
・NaOH(pH調整剤):qsp pH7.5
この処方物の例は、下記の方法を用いて、1000回分の量(すなわち1.0リットル)をひとまとめに作られる。
95% V/Vのエタノール0.500Lと精製水0.350Lとをステンレス鋼タンクに入れる。
3gのHCIグラニセトロンを水性アルコール溶液に入れる。
螺旋撹拌器を用い、均一な懸濁液が得られるまで、調剤物を20〜40分の間撹拌する。
その後、7.5に近い(±1)pHが得られるまで、塩化水素酸を順次加えていく。
完全に溶解するまで撹拌を続ける。
溶液が1.0リットルの体積になるまで精製水を補い、さらに、均一性を保証するために、調剤物を10〜30分間撹拌する。
5μmのポリプロピレンまたは類似のフィルタを用いて調剤物を濾過し、濾過後の調剤物を1.0mLの1回分のビンに分けて詰める。
なお、本発明が、上に示し、説明した実施例に限定されないことは、言うまでもなく明らかであり、それどころか、本発明はこれらの全ての実施例の変形例も範囲に含んでいる。

Claims (12)

  1. 1以上の有効成分を頬側経粘膜投与するための処方物であって、
    5.0〜9.0の範囲のpHを有する溶液であり、
    セトロン族から選択され、吐き気抑制、制吐、または消化管痙攣抑制の効果を有する、塩基形または塩形の1以上の有効成分と、
    水とエタノールのみから成る、アルコール度数を30度以上70度以下に設定された水性アルコール溶液とから成り、
    前記有効成分が水性アルコール溶液に完全に溶解し安定した状態で存在し、
    0.5mLから2mLの範囲の水性アルコール溶液に対して2mgから8mgの範囲で前記有効成分を含み、
    前記水性アルコール溶液は、当該処方物で使用する唯一の溶媒であり、
    前記有効成分は、カニューレを用いて頬側粘膜に投与され、歯茎及び頬の粘膜を通過する
    ことを特徴とする処方物。
  2. さらに、pH調整剤が添加されることによってpHが5.0〜9.0の範囲に調整されている
    ことを特徴とする請求項1記載の処方物。
  3. pH調整剤は、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウム、1ナトリウムリン酸塩または2ナトリウムリン酸塩、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれるか、または、硫酸剤、コハク酸剤、酪酸剤、リン酸剤、クエン酸剤、リンゴ酸剤または乳酸剤から選ばれること、
    を特徴とする請求項2に記載の処方物。
  4. 有効成分は塩基形であり、pH調整剤が酸剤であること、
    を特徴とする請求項2または3に記載の処方物。
  5. 有効成分が塩形であり、pH調整剤が塩基剤であること、
    を特徴とする請求項2または3に記載の処方物。
  6. 有効成分が、塩基形で存在し、さらに、コハク酸塩、クロルハイドレートまたは硫酸の形で存在すること、
    を特徴とする請求項2または3に記載の処方物。
  7. pHが5.5から7.5の範囲にあること、
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の処方物。
  8. 水性アルコール溶液は、体積で、30%から95%の範囲のアルコールと5%から70%の範囲の水とを含むこと、
    を特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の処方物。
  9. 有効成分は、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、ドラセトロン、イタセトロン、アザセトロン、ベネセトロン、クリアンセトロン、ラモセトロンまたはザトセトロンであること、
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の処方物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の処方物を調剤する処方物調剤方法であって、
    アルコールと精製水とを混合し、得られた混合物に、セトロン族から選択した有効成分を加える処理と;
    有効成分が完全に溶解して均一な懸濁液が得られるまで調剤物を撹拌する処理と;
    濾過処理と、
    を有することを特徴とする処方物調剤方法。
  11. エタノールと精製水とを混合し、得られた混合物に、オンダンセトロンを塩基形または塩形で加える処理と;
    均一な懸濁液が得られるまで、10〜60分間、調剤物を撹拌する処理と;
    有効成分が完全に溶解するまで、5〜30分間、継続して撹拌する処理と;
    濾過処理と、を有すること、
    を特徴とする請求項10に記載の処方物調剤方法。
  12. 調剤物を撹拌する処理を行いながら、
    5.0〜9.0の範囲の所望のpHが得られるまで、徐々にpH調整剤を加える処理を行うこと、
    を特徴とする請求項10または11に記載の処方物調剤方法。
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