JP2010254338A - コイルの結束方法およびコイルの結束システム - Google Patents

Abstract

【課題】薄鋼鈑など長尺の板状部材を巻き取ったコイルをコイル払出し装置とコイル結束機を用いて結束する方法および当該コイルの結束方法に必要なコイルの結束システムを提供する。
【解決手段】コイル払出し装置のクレードルロール上に載置したコイル１を、コイル結束機１４で結束する際、前記コイル結束機１４は前記コイル１が前記クレドール上に載置される前は、前記コイル１と干渉しないように退避し、前記コイル１が前記クレードルロール上に載置された後は、帯状バンド１２が前記コイル１の全外周を巻き回すように、前記コイル結束機１４の左右のシュータ８ａ，８ｂを前記コイル１の外周面と前記クレードルロールの溝部との間で形成される空隙内で結合させ、前記シュータ８ａ，８ｂ内に帯状バンド１２を走行させてコイル１の結束を行う。
【選択図】図１

Description

本発明は、薄鋼鈑など長尺の板状部材を巻き取ったコイルをコイル払い出し装置とコイル結束機を用いて結束する方法および当該コイルの結束方法に必要なコイルの結束システムに関する。

薄鋼鈑など長尺の板状部材を巻き取ったコイルを結束する場合、コイル払出し装置とコイル結束機を組み合わせて結束作業を行う。コイル払出し装置は、クレードルロールに載置したコイル製品の尾端をカットする等、コイルの回転及びコイル外径外巻きの展開、払出しを目的とする（例えば、特許文献１）。 コイルはコイル払い出し装置において必要な処理が施された後、帯状バンドで結束されて次工程へ搬送される。

コイル払い出し装置において、コイルの結束を人手で行う場合は、ロール上にコイルを積載した状態で、コイルバンド結束面とロール面で押疵が入らないようロール面の中央に溝部が設けられたクレードルロール（例えば、特許文献２、３）を用い、この溝部に人手でバンドを通過させて結束工具でコイルを結束していた。

一方、作業の効率化のためコイルの自動結束を行う場合は、自動結束機（例えば、特許文献４）を自動結束機専用コイルスキッドポジションに配置し、クレードルロール上のコイルを前記コイルスキッドポジションまで移送して、自動結束を行う。

図６に、クレードルロールを用いたコイル払出し装置の一例を示す。コイルカー６でクレードルロール２上に載置されたコイル１は、モータ３によるクレードルロール２の回転とともに、外巻き４を払出す。コイル払出し装置の下流側にはピンチロール７を配置し、外巻き４を次工程へ移送する。

図７は、自動結束機専用コイルスキッドポジションでの結束機の作動を説明する図である。ウォーキングビームやコイルカー６で移送されたコイル１は、コイルスキッド９上に載置された後に、シュータ８の内部を通過する帯状バンド１２で結束される。シュータ８はコイル１を跨ぐように構成され、その下端部は、コイルスキッド９内を挿通し、シュータ移動シリンダー１１で水平方向に移動する左右一対のシュータ移動部１０ａ，１０ｂで構成される。コイル結束を行う場合は、左右一対のシュータ移動部１０ａ，１０ｂを嵌合させた状態で、帯状バンド１２をシュータ内部に挿通させる。

第２８３３９５６号公報 特開２００２−１４３０号公報 特開２００７−１３０６４８号公報

しかしながら、コイル払出し装置と自動結束機専用コイルスキッドポジションとは、天井クレーンを用いてコイル荷卸および吊出しを行う際の干渉を避けるため離れて配置されるのが一般的である。この場合は、ウォーキングビームや、コイルカー等のコイル移送設備が必要となり、工場の設備配置に制約を生じさせ、設備費及び基礎費が高価になる問題があった。

そこで、本発明は、クレードルロール上でコイル自動結束が可能なコイルの結束方法およびコイルの結束システムを提供することを目的とする。

本発明は上記課題を下記の手段で達成する。
１．コイル払出し装置のクレードルロール上に載置したコイルを、コイル結束機で結束するコイルの結束方法であって、前記コイル結束機は前記コイルが前記クレードルロール上に載置される前は、前記コイルと干渉しないように退避し、前記コイルが前記クレードルロール上に載置された後は、帯状バンドが前記コイルの全外周を巻き回すように、前記コイル結束機の左右のシュータを前記コイルの外周面と前記クレードルロールの溝部との間で形成される空隙内で結合させ、前記シュータ内に帯状バンドを走行させてコイルの結束を行うことを特徴とするコイルの結束方法。
２．コイル払出し装置とコイル結束機を備えたコイルの結束システムであって、前記コイル払出し装置は、コイルを載置する一対のクレードルロールを有し、前記クレードルロールは、その外周面に円周方向に一定の深さを有する溝部を備え、前記コイル結束機は、前記一対のクレードルロール上に載置されたコイルの上方となる位置を支点とし、コイルを帯状バンドで結束する際は、コイルの外周にループを形成する左右一対の腕状のシュータを有し、前記クレードルロールの溝部は、前記左右一対のシュータが前記溝部内を挿通して嵌合可能な幅と深さを有していることを特徴とする、コイル払出し装置とコイル結束機を備えたコイルの結束システム。
３．前記コイル結束機は、進出退避機構に支持され、前記進出退避機構は、コイル結束時、コイル払出し装置のクレードルロールにコイルが載置できるように前記コイル結束機を退避させ、前記コイルが前記クレードルロール上に載置された後は、左右一対の腕状のシュータの支点が当該コイルの上方で、且つ、前記左右のシュータが、当該コイルの下方となる、クレードルロールの溝部内で嵌合可能な位置まで前記コイル結束機を進出させることを特徴とする２記載のコイルの結束システム。

本発明に係るコイルの結束システムを用いたコイルの結束方法によれば、比較的安価な設備構成で安定したコイルの自動結束が可能で、産業上極めて有用である。

コイル払出し装置のクレードルロールとコイル結束機の主要部を説明する図。 図１のＡ−Ａ断面を示す図。 コイル尾端処理（リコイリングライン）の入側に、コイル払出し装置を支持する進出退出機構を配置した図。 コイル結束機を、進出退出機構に取り付けた場合の概略構成を示す図。 コイル結束機を支持する進出退避機構の動作を説明する模式図。 従来技術に係るクレードルロールを用いたコイル払出し装置の一例を示す図。 従来技術に係る自動結束機専用コイルスキッドポジションでの結束機の作動を説明する図。

本発明においては、コイル結束機でコイル払出し装置のクレードルロール上に載置したコイルを結束する際、コイルがクレードルロール上に載置される前は、コイルの載置動作と干渉しないようにコイル結束機を退避させておく。コイルがクレードルロール上に載置された後は、帯状バンドがコイルの全外周を巻き回すように、コイル結束機の左右のシュータ（バンド走行部と称する場合もある）をコイルの外周面と前記クレードルロールの溝部との間で形成される空隙内で結合させ、前記シュータ内に帯状バンドを走行させてコイルの結束を行うことを特徴とする。以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。

図１は、本発明に係るコイルの結束方法に用いて好適な、コイル払出し装置のクレードルロールとコイル結束機１４の主要部を説明する、コイル１の側面から見た模式図を示し、図２は図１のＡ−Ａ断面図を示す。

クレードルロール２のロール軸方向で中央部となる外周面に円周方向に一定の深さを有する溝部２３を設け、コイル１の重量は、クレードルロール２の溝部２３を挟む両側部２２ａ，２２ｂで支持する。

溝部２３は、コイル１の外周面からロール内径２１までの距離を深さとし、当該深さと溝部２３の幅で形成される空間内にシュータ移動部１０ａ（１０ｂ）が挿通して、コイル１の下方で結合して噛み合い部６を形成することが可能な断面寸法で、且つ、溝部２３の深さや幅はロール強度が低下しないように選定する。図２に示す例では、深さを１００ｍｍ、幅を１５０ｍｍ程度として形成した。

また、クレードルロール２へのシュータ移動部１０ａ（１０ｂ）の進入高さが最小となりかつコイル１と接触しないようにシュータ移動部１０ａ（１０ｂ）は噛み合い部６が最も下方となるように下勾配に傾斜させることが望ましい。

シュータ移動部１０ａと１０ｂが噛み合った後、結束バンド１２がコイル１の上方となるシュータ８ａ，８ｂのいずれかの開口部、図１ではシュータ８ｂから、シュータ内に送り込まれて、シュータ移動部１０ｂ、噛み合い部６、シュータ移動部１０ａ，シュータ８ａを経て、コイル１の外周を一巡し、コイル１を結束する。

本発明によれば、溝部の断面寸法が最適化されるので、シュータ移動部１０ａ，１０ｂが、コイル１の下面及びロール面２１に干渉せず、バンド結束が可能になった。

図４に、上述したコイル結束に係わる主要部を備えたコイル結束機１４を、進出退出機構３０に取り付けた場合の概略構成を示す。進出退出機構３０は、基盤３４上に直立させた、２本の昇降ガイド３３の間に、シュータ８ａ，８ｂの支点部（蝶番部）（図では省略）を取り付けたヘッド３１を、コイル１の径に応じて、昇降させるヘッド昇降用エアシリンダ３２を備えている。

コイル結束機１４を支持する進出退出機構３０は、コイル尾端処理（リコイリングライン）の出側のロール搬送装置７に隣接して配置される。ロール搬送装置７は板状薄板をコイル結束機１４に通板させるための通板テーブル１３を備える。通板テーブル１３は、コイル結束機１４と干渉しないように油圧シリンダで開閉可能な折畳式とした。

図５は、コイル結束機１４を支持する進出退避機構３０の動作を説明する模式図である。進出退避機構３０は、コイル結束時、コイル払出し装置のクレードルロール２にコイル１が載置できるようにコイル結束機１４と共に進出退避駆動モータ３５によりチェーン３７を介して進出退避自走車輪３６を駆動して基盤３４上を移動することで退避し、コイル１がクレードルロール２に載置された後は、左右一対の腕状のシュータ８の支点が当該コイル１の上方で、且つ、前記左右のシュータ８が、当該コイル１の下方となる、クレードルロール２の溝部内で嵌合可能な位置まで進出する。

図３に、コイル尾端処理（リコイリングライン）の入側に、払出し装置１４を支持する進出退出機構３０を配置した場合を示す。

本発明によれば、コイル結束機のシュータが、クレードルロールに接触せずにクレードルロール中央溝部の通過スペースを走行できるようになったので、安定した自動結束が可能となった。

また、自動結束前・後には自動結束機本体がクレードルロール上から退避できる構造としたから、天井クレーンでのクレードルロールへの荷卸、吊出しが安定して可能となり、大掛かりなウォーキングビームやコイルカー等のコイル移送設備が不要となる。

１ コイル
２ クレードルロール
３ モータ
４ 板状薄板
５ 通板テーブル
６ 噛み合い部
７ ロール搬送装置
８ａ、８ｂ シュータ
１０ａ、１０ｂ シュータ移動部
１２ 結束バンド
１３ 通板テーブル
１４ コイル結束機
２１ ロール内径
２２ａ，２２ｂ 両側部
２３ 溝部
３０ 進出退出機構
３１ ヘッド
３２ ヘッド昇降用エアシリンダ
３３ 昇降ガイド
３４ 基盤
３５ 進出退避駆動モータ
３６ 進出退避自走車輪
３７ チェーン

Claims (3)

1. コイル払出し装置のクレードルロール上に載置したコイルを、コイル結束機で結束するコイルの結束方法であって、前記コイル結束機は前記コイルが前記クレードルロール上に載置される前は、前記コイルと干渉しないように退避し、前記コイルが前記クレードルロール上に載置された後は、帯状バンドが前記コイルの全外周を巻き回すように、前記コイル結束機の左右のシュータを前記コイルの外周面と前記クレードルロールの溝部との間で形成される空隙内で結合させ、前記シュータ内に帯状バンドを走行させてコイルの結束を行うことを特徴とするコイルの結束方法。
2. コイル払出し装置とコイル結束機を備えたコイルの結束システムであって、
   前記コイル払出し装置は、コイルを載置する一対のクレードルロールを有し、前記クレードルロールは、その外周面に円周方向に一定の深さを有する溝部を備え、前記コイル結束機は、前記一対のクレードルロール上に載置されたコイルの上方となる位置を支点とし、コイルを帯状バンドで結束する際は、コイルの外周にループを形成する左右一対の腕状のシュータを有し、前記クレードルロールの溝部は、前記左右一対のシュータが前記溝部内を挿通して嵌合可能な幅と深さを有していることを特徴とする、コイル払出し装置とコイル結束機を備えたコイルの結束システム。
3. 前記コイル結束機は、進出退避機構に支持され、前記進出退避機構は、コイル結束時、コイル払出し装置のクレードルロール上にコイルが載置できるように前記コイル結束機を退避させ、前記コイルが前記クレードルロール上に載置された後は、左右一対の腕状のシュータの支点が当該コイルの上方で、且つ、前記左右のシュータが、当該コイルの下方となる、クレードルロールの溝部内で嵌合可能な位置まで前記コイル結束機を進出させることを特徴とする請求項２記載のコイルの結束システム。

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