JP2010253596A - チャッキング装置、チャッキング方法、搬送装置、及び搬送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保持対象物を載置する区画に対して、保持対象物を載置又は取り上げる際の、当該区画に対する保持対象物の位置決めの許容誤差を大きくすることができるチャッキング装置、チャッキング方法、搬送装置、及び搬送方法を提供する。
【解決手段】チャッキング装置は、旋回流発生室と、旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面と、を有し、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、旋回流発生室の端から側方の吸引保持面上に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持パットを備え、吸引保持パットによって保持対象物をチャッキングするチャッキング装置であって、第一の吸引保持面を備える第一の吸引保持パットと、第二の吸引保持面を備え、第二の吸引保持面の面方向が、第一の吸引保持面の面方向と交差する方向である第二の吸引保持パットと、を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、チャッキング対象物をチャッキングするチャッキング装置及びチャッキング方法、搬送対象物をチャッキングして搬送する搬送装置、及び搬送方法に関する。
従来から、半導体装置や振動子のような微細な素子は、一枚のマザー基板上に多数の素子を形成することで、効率良く製造されている。半導体装置を形成するためのシリコンや、振動子を形成するための水晶のような脆い材料で形成された薄いマザー基板は、破損し易いため、扱うことが困難である。しかも、素子を形成する面には触れることが好ましくないため、扱うために接触することができる部分は、マザー基板の一部分に限られている。しかし、一枚のマザー基板に多数の素子を精度良く形成するためには、マザー基板を精度良く位置決めすることが必要である。破損し難くすると共に直接接触することを少なくすることで扱い易くするために、マザー基板がほとんど隙間なく嵌合できる治具に当該マザー基板を固定して、当該治具を取扱うことが行われている。マザー基板の治具へのセットは、繊細な扱いが必要であることから、手作業によることが多かった。しかし、手作業では、作業時間の短縮が困難であるという課題があった。作業者に起因する様々なばらつきによって、手作業におけるワークの破損の発生率が必ずしも一定水準に保たれないという課題もあった。
脆いワークを破損することなく治具にセットするために、ベルヌーイの定理による吸引力を利用して吸引し、噴出する圧縮気体の圧力によって非接触状態を維持する非接触の吸引保持端末を利用したチャッキング方法を用いることが考えられる。
特許文献1には、空気の旋回流が発生する旋回室と、旋回室に連通するとともに被搬送物に対向する対向面と、を設けることによって、非接触で被搬送物を吸着する無接触搬送装置が開示されている。特許文献2には、旋回室の形状を工夫することによって、エア供給量に対するワークの保持範囲を拡大させ、ワークを確実且つ安定的に保持して移送することが可能な非接触搬送装置が開示されている。
特開平11−254369号公報 特開2008−87910号公報
しかしながら、ワークがほとんど隙間なく嵌合できる治具にワークを嵌入するためには、治具に対してワークを精度よく位置決めする必要がある。特許文献1や特許文献2に記載されたような装置では、吸着面に沿う方向の固定力はほとんどないため、搬送装置の保持端末の治具に対する位置精度が充分であっても、保持されたワークの位置はずれている可能性が高いという課題があった。ワークと治具との位置ずれがある場合には、ワークにおける保持装置などが接触することが好ましくない面が治具に当接する可能性がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるチャッキング装置は、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記吸引保持面上に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持パットを備え、前記吸引保持パットによって前記保持対象物をチャッキングするチャッキング装置であって、第一の吸引保持面を備える第一の吸引保持パットと、第二の吸引保持面を備え、前記第二の吸引保持面の面方向が、前記第一の吸引保持面の面方向と交差する方向である第二の吸引保持パットと、を備えることを特徴とする。
本適用例のチャッキング装置によれば、第一の吸引保持面の面方向と第二の吸引保持面の面方向とが、互いに異なっている。第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面に吸引保持された保持対象物の被吸引保持面の部分は、第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面に略平行になるため、保持対象物の被吸引保持面における第一の吸引保持面に対向する部分と、第二の吸引保持面に対向する部分と、で面の方向が互いに異なっている。このことによって、第一の吸引保持面及び第二の吸引保持面に吸引保持された保持対象物の被吸引保持面(保持対象物)が湾曲する。被吸引保持面が湾曲していない保持対象物に比べて、被吸引保持面が湾曲した保持対象物は、湾曲していない被吸引保持面の面方向における寸法を小さくすることができる。保持対象物の寸法が小さくなることで、保持対象物を載置する区画の大きさと保持対象物の大きさとの差が大きくなるため、保持対象物を載置する区画に対する保持対象物の位置決めの許容誤差を大きくすることができる。
[適用例2]上記適用例にかかるチャッキング装置は、前記第一の吸引保持面の面方向と前記第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度を変更可能に、前記第一の吸引保持パット又は前記第二の吸引保持パットの少なくとも一方を支持するパット支持手段をさらに備えることが好ましい。
このチャッキング装置によれば、パット支持手段によって、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度を変更することができる。
略平坦な被吸引保持面を有する保持対象物を吸引保持する際は、複数の吸引保持面の面方向が揃っていた方が、吸引保持し易いため、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とは同じ方向であることが好ましい。保持対象物を載置する区画に対して保持対象物を位置決めする際は、保持対象物を湾曲させて小さくすることが好ましいため、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とは方向が異なることが好ましい。パット支持手段によって、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度を変更することで、それぞれの場合に適した第一の吸引保持面の面方向と第二の吸引保持面の面方向との交差角度を実現することができる。
[適用例3]上記適用例にかかるチャッキング装置は、前記第一の吸引保持面と前記第二の吸引保持面とは、それぞれの面の面方向が、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットによって吸引保持された前記保持対象物が、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となる形状に変形する方向であることが好ましい。
このチャッキング装置によれば、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに吸引保持された保持対象物は、吸引保持された時点で、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となっている。
一般的に、チャッキング装置によるチャッキングは、置かれている保持対象物を重力に抗して持ち上げる操作である。第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となっている保持対象物は、重心位置が最も下になる位置が安定した位置であるため、重力に抗して持ち上げられた保持対象物は、重力によって当該位置に位置させられる。これにより、チャッキング装置に対する保持対象物の位置を一定の位置にすることができる。
[適用例4]本適用例にかかるチャッキング方法は、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した第一の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第一の吸引保持面上に流出する気体とにより、保持対象物の部分を非接触で吸引保持する第一の吸引保持パットと、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口しており、前記第一の吸引保持面の面方向とは面方向が異なる第二の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第二の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記保持対象物の部分を非接触で吸引保持する第二の吸引保持パットと、を用いて板状の前記保持対象物を吸引保持する吸引保持工程を有することを特徴とする。
本適用例のチャッキング方法によれば、吸引保持工程において、保持対象物は、面方向が互いに異なっている第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面を有する第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットによって吸引保持される。第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面に吸引保持された保持対象物の被吸引保持面の部分は、第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面に略平行になるため、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットによって吸引保持された保持対象物の被吸引保持面における第一の吸引保持面に対向する部分と、第二の吸引保持面に対向する部分と、で面の方向が互いに異なっている。このことによって、第一の吸引保持面及び第二の吸引保持面に吸引保持された保持対象物の被吸引保持面(保持対象物)が湾曲する。被吸引保持面が湾曲していない保持対象物に比べて、被吸引保持面が湾曲した保持対象物は、湾曲していない被吸引保持面の面方向における寸法を小さくすることができる。保持対象物の寸法が小さくなることで、保持対象物を載置する区画の大きさと保持対象物の大きさとの差が大きくなるため、保持対象物を載置する区画に対する保持対象物の位置決めの許容誤差を大きくすることができる。
[適用例5]本適用例にかかるチャッキング方法は、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した第一の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第一の吸引保持面上に流出する気体とにより、保持対象物の部分を非接触で吸引保持する第一の吸引保持パットと、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口している第二の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第二の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記保持対象物の部分を非接触で吸引保持する第二の吸引保持パットと、を用いて板状の前記保持対象物を吸引保持する吸引保持工程と、前記第一の吸引保持面の面方向又は前記第二の吸引保持面の面方向の少なくとも一方を変えることによって、前記第一の吸引保持面の面方向と、前記第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度を変更する面方向変更工程と、を有することを特徴とする。
本適用例のチャッキング方法によれば、面方向変更工程によって、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度を変更することができる。
略平坦な被吸引保持面を有する保持対象物に対して吸引保持工程を実施する際は、複数の吸引保持面の面方向が揃っていた方が、吸引保持し易いため、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とは同じ方向であることが好ましい。一方、保持対象物を載置する区画に対して保持対象物を位置決めする際は、保持対象物を湾曲させて小さくすることが好ましいため、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とは方向が異なることが好ましい。面方向変更工程において、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度を変更することで、それぞれの場合に適した第一の吸引保持面の面方向と第二の吸引保持面の面方向との交差角度を実現することができる。
[適用例6]本適用例にかかる搬送装置は、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記吸引保持面上に流出する気体とにより、搬送対象物を非接触で吸引保持する吸引保持パットを備え、前記吸引保持パットによって前記搬送対象物をチャッキングするチャッキング装置を備える搬送装置であって、第一の吸引保持面を備える第一の吸引保持パットと、第二の吸引保持面を備え、前記第二の吸引保持面の面方向が、前記第一の吸引保持面の面方向と交差する方向である第二の吸引保持パットと、を備えることを特徴とする。
本適用例の搬送装置によれば、第一の吸引保持面の面方向と第二の吸引保持面の面方向とが、互いに異なっている。第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面に吸引保持された搬送対象物の被吸引保持面の部分は、第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面に略平行になると安定するため、搬送対象物の被吸引保持面における第一の吸引保持面に対向する部分と、第二の吸引保持面に対向する部分と、で面の方向が互いに異なっている。これにより、第一の吸引保持面及び第二の吸引保持面に吸引保持された搬送対象物の被吸引保持面(搬送対象物)が湾曲する。被吸引保持面が湾曲していない搬送対象物に比べて、被吸引保持面が湾曲した搬送対象物は、湾曲していない被吸引保持面の面方向における寸法を小さくすることができる。搬送対象物の寸法が小さくなることで、搬送対象物を載置する区画の大きさと搬送対象物の大きさとの差が大きくなるため、搬送対象物を載置する区画に対する搬送対象物の位置決めの許容誤差を大きくすることができる。
[適用例7]上記適用例にかかる搬送装置は、前記第一の吸引保持面の面方向と、前記第二の吸引保持面の面方向との交差角度を変更可能に、前記第一の吸引保持パット又は前記第二の吸引保持パットの少なくとも一方を支持するパット支持手段をさらに備えることが好ましい。
この搬送装置によれば、パット支持手段によって、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度を変更することができる。
略平坦な被吸引保持面を有する搬送対象物を吸引保持する際は、複数の吸引保持面の面方向が揃っていた方が、吸引保持し易いため、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とは同じ方向であることが好ましい。搬送対象物を載置する区画に対して搬送対象物を位置決めする際は、搬送対象物を湾曲させて小さくすることが好ましいため、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とは方向が異なることが好ましい。パット支持手段によって、第一の吸引保持面の面方向と、第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度を変更することで、それぞれの場合に適した第一の吸引保持面の面方向と第二の吸引保持面の面方向との交差角度を実現することができる。
[適用例8]上記適用例にかかる搬送装置は、前記第一の吸引保持面と前記第二の吸引保持面とは、それぞれの面の面方向が、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットによって吸引保持された前記搬送対象物が、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となる形状に変形する方向であることが好ましい。
この搬送装置によれば、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに吸引保持された搬送対象物は、吸引保持された時点で、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となっている。
一般的に、搬送装置による搬送は、最初に、チャッキング装置によって置かれている搬送対象物を重力に抗して持ち上げる操作を実施する。第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに吸引保持されて、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となっている搬送対象物は、重心位置が最も下になる位置が安定した位置であるため、重力に抗して持ち上げられた搬送対象物は、重力によって当該位置に位置させられる。これにより、チャッキング装置に対する搬送対象物の位置を一定の位置にすることができる。
[適用例9]本適用例にかかる搬送方法は、第一の位置に在る板状の搬送対象物を搬送して第二の位置に着座させる搬送方法であって、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した第一の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第一の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記搬送対象物の部分を非接触で吸引保持する第一の吸引保持パットと、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口しており、前記第一の吸引保持面の面方向とは面方向が異なる第二の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第二の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記搬送対象物の部分を非接触で吸引保持する第二の吸引保持パットと、を用いて、前記第一の位置に在る前記搬送対象物を吸引保持することによって、板状の前記搬送対象物を変形させて吸引保持する保持工程と、吸引保持された前記搬送対象物が前記第二の位置に臨む位置に、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットを移動させる移動工程と、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットによる吸引保持を解除して、前記搬送対象物を前記第二の位置に着座させる着座工程と、を有することを特徴とする。
本適用例の搬送方法によれば、保持工程において、搬送対象物は、面方向が互いに異なっている第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面を有する第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットによって吸引保持される。第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面に吸引保持された搬送対象物の被吸引保持面の部分は、第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面に略平行になるため、吸引保持された搬送対象物の被吸引保持面における第一の吸引保持面に対向する部分と、第二の吸引保持面に対向する部分と、で面の方向が互いに異なっている。このことによって、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットによって吸引保持された搬送対象物の被吸引保持面(搬送対象物)が湾曲する。被吸引保持面が湾曲していない搬送対象物に比べて、被吸引保持面が湾曲した搬送対象物は、湾曲していない被吸引保持面の面方向における寸法を小さくすることができる。搬送対象物の寸法が小さくなることで、第二の位置における搬送対象物を着座させる区画の大きさと搬送対象物の大きさとの差が大きくなるため、搬送対象物を着座させる区画に対する搬送対象物の位置決めの許容誤差を大きくすることができる。
[適用例10]上記適用例にかかる搬送方法は、前記保持工程では、前記搬送対象物を、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向する側が凸となる形状に変形させることが好ましい。
この搬送方法によれば、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに吸引保持された搬送対象物は、吸引保持された時点で、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに対向する側が凸となっている。搬送対象物が第一の位置から離脱される際は、搬送対象物は第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットの側に移動するため、搬送対象物の端の方が、中央部分に対して離脱方向の後ろ側となる。これにより、搬送対象物の端が第一の位置の区画壁などに接触しても、接触したことによる移動を妨げる方向の力の発生を抑制することができる。
[適用例11]上記適用例にかかる搬送方法は、前記保持工程では、前記搬送対象物を、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となる形状に変形させることが好ましい。
この搬送方法によれば、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに吸引保持された搬送対象物は、吸引保持された時点で、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となっている。
着座工程を実施する前に、第二の位置における搬送対象物を着座させる面に略垂直な方向において、搬送対象物を第二の位置に接近させる際は、搬送対象物は第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットとは反対側に移動するため、搬送対象物の端の方が、中央部分に対して接近方向の後ろ側となる。これにより、搬送対象物の端が第二の位置の区画壁などに接触しても、接触したことによる移動を妨げる方向の力の発生を抑制することができる。
[適用例12]本適用例にかかる搬送方法は、第一の位置に在る板状の搬送対象物を搬送して第二の位置に着座させる搬送方法であって、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した第一の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第一の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記搬送対象物の部分を非接触で吸引保持する第一の吸引保持パットと、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口している第二の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第二の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記搬送対象物の部分を非接触で吸引保持する第二の吸引保持パットと、を用いて、前記第一の位置に在る前記搬送対象物を吸引保持する吸引保持工程と、前記第一の吸引保持面の面方向又は前記第二の吸引保持面の面方向の少なくとも一方を変えることによって、前記第一の吸引保持面及び前記第二の吸引保持面に吸引保持された前記搬送対象物を湾曲させる湾曲工程と、吸引保持された前記搬送対象物が前記第二の位置に臨む位置に、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットを移動させる移動工程と、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットによる吸引保持を解除して、前記搬送対象物を前記第二の位置に着座させる着座工程と、を有することを特徴とする。
本適用例の搬送方法によれば、湾曲工程によって、第一の吸引保持面の面方向又は第二の吸引保持面の面方向の少なくとも一方が変えられることで、第一の吸引保持面の面方向と第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度が変えられる。第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面に吸引保持された搬送対象物の被吸引保持面の部分は、第一の吸引保持面又は第二の吸引保持面に略平行になる。このため、搬送対象物は、吸引保持された搬送対象物の被吸引保持面における第一の吸引保持面に対向する部分と、第二の吸引保持面に対向する部分と、で面の方向が互いに異なる状態に湾曲させられる。被吸引保持面が湾曲していない搬送対象物に比べて、被吸引保持面が湾曲した搬送対象物は、湾曲していない被吸引保持面の面方向における寸法を小さくすることができる。搬送対象物の寸法が小さくなることで、第二の位置における搬送対象物を着座させる区画の大きさと搬送対象物の大きさとの差が大きくなるため、搬送対象物を着座させる区画に対する搬送対象物の位置決めの許容誤差を大きくすることができる。
[適用例13]上記適用例にかかる搬送方法は、前記移動工程が、前記第一の位置に在る前記搬送対象物を前記第一の位置から離脱させる離脱工程を含み、前記湾曲工程は、前記離脱工程に先立って、前記搬送対象物を、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向する側が凸となる形状に変形させる工程であることが好ましい。
この搬送方法によれば、湾曲工程は、離脱工程に先立って実施され、湾曲工程を実施することによって搬送対象物は、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに対向する側が凸となる形状に変形させられる。離脱工程が実施される際は、搬送対象物は第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットの側に移動するため、搬送対象物の端の方が、中央部分に対して離脱方向の後ろ側となる。これにより、搬送対象物の端が第一の位置の区画壁などに接触しても、接触したことによる移動を妨げる方向の力の発生を抑制することができる。
[適用例14]上記適用例にかかる搬送方法は、前記着座工程が、前記搬送対象物を前記第二の位置に接近させる接近工程を含み、前記湾曲工程は、前記接近工程に先立って、前記搬送対象物を、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となる形状に変形させる工程であることが好ましい。
この搬送方法によれば、湾曲工程は、接近工程に先立って実施され、湾曲工程を実施することによって搬送対象物は、第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となる形状に変形させられる。接近工程を実施する際は、搬送対象物は第一の吸引保持パット及び第二の吸引保持パットとは反対側に移動するため、搬送対象物の端の方が、中央部分に対して接近方向の後ろ側となる。これにより、搬送対象物の端が第二の位置の区画壁などに接触しても、接触したことによる移動を妨げる方向の力の発生を抑制することができる。
(a)は、SAW共振片の一例を示す平面図。(b)は、複数のSAWパターンが形成された共振片ウェハーの平面図。 給除材装置の概略構成を示す外観斜視図。 吸引パットの構造を示す斜視図。 ヘッドケースの構成を示す平面図。 (a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す部分断面を含む側面図。(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図。 吸引保持ハンドの全体構成を示す分解斜視図。 吸引保持ハンドが共振片ウェハーを吸引保持する状態を示す説明図。 (a)は、ヘッドケースの構成を示す平面図。(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す断面図。(c)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図。 吸引保持ヘッドの側面図。 共振片ウェハーの搬送工程の各工程を示すフローチャート。 共振片ウェハーの搬送工程の各工程における吸引保持ヘッドと共振片ウェハーとの位置関係を示す説明図。 (a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す側面図。(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図。(c)は、共振片ウェハーを吸引保持する状態を示す説明図。
以下、チャッキング装置、チャッキング方法、搬送装置、及び搬送方法の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する図面では、構成部材をわかり易く表示するために、部材又は部分の縦横の縮尺や部分ごとの縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
(第一の実施形態)
最初に、チャッキング装置、チャッキング方法、搬送装置、及び搬送方法の一実施形態である第一の実施形態について、説明する。本実施形態は、搬送装置の一例である、給除材装置を例にして説明する。本実施形態の給除材装置は、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子の製造工程において、SAW共振片を構成する複数のSAWパターンが区画形成された共振片ウェハーを取り扱う給除材装置である。
<共振片ウェハー>
最初に、給除材装置10(図2参照)が扱う搬送対象物又は保持対象物の一例である、共振片ウェハー1Aについて、図1を参照して説明する。共振片ウェハー1Aは、圧電体ウェハーにSAW共振片1が区画形成されたものであり、SAW共振片1は、SAW共振子を構成する主要要素である。図1(a)は、SAW共振片の一例を示す平面図である。図1(b)は、複数のSAWパターンが形成された共振片ウェハーの平面図である。
SAW共振子は、ハウジングにSAW共振片1を封入し、接着剤で接着し、ボンディングワイヤによってSAW共振片1とハウジング端子とを導通させて形成される。
図1(a)に示したように、SAW共振片1は、水晶、リチウムタンクレート、リチウムニオブベートなどの圧電体を矩形にカットしたものを基体(チップ)として構成されている。本実施形態の圧電体のチップ3は、平らな略長方形にカットされており、その表面(主面)3aの中央に、1組の電極4a及び電極4bからなる交叉指電極(IDT:Inter Digital Transducer)4が形成されている。IDT4の長手方向の両側には、格子状の反射器6が、それぞれ形成されている。チップ3の長手方向の縁に沿って、IDT4を形成する電極4a又は電極4bとそれぞれ繋がった導通用のボンディングランド5a及びボンディングランド5bが、形成されている。ボンディングランド5a及びボンディングランド5bは、電極4a及び電極4bと同じ素材を用いて形成されており、このボンディングランド5a及びボンディングランド5bにワイヤーボンディングすることによって電気的な接続が得られる。交叉指電極4と、反射器6と、ボンディングランド5a及びボンディングランド5bと、の組をSAWパターン2と表記する。
図1(a)に破線で示した領域7a及び領域7bは、陽極酸化レジスト膜を形成する領域である。陽極酸化膜は、電極の表面を陽極酸化することによって、酸化膜を電極の表面に形成し、SAW共振片の特性にほとんど影響を与えることなく、電極を保護することで、電極に異物が付着することによるトラブルを防止するものである。陽極酸化レジスト膜は、ボンディングランド5a及びボンディングランド5bに陽極酸化膜が形成されないようにするためのレジスト膜である。
図1(b)に示すように、共振片ウェハー1Aは、圧電体のウェハー3Aに複数のSAWパターン2が形成されている。共振片ウェハー1Aは、複数のSAWパターン2が形成された状態で陽極酸化が行われる。なお、本実施形態では、共振片ウェハー1Aは、陽極酸化が行われる前も、陽極酸化が行われた後も、共振片ウェハー1Aと表記する。陽極酸化を実施する装置に共振片ウェハー1Aを給材したり、陽極酸化膜が形成された共振片ウェハー1Aを除材したりする際は、SAWパターン2が形成された面や、陽極酸化膜の面を保持することで共振片ウェハー1Aを保持するため、SAWパターン2や陽極酸化膜に影響を与えない保持方法を用いることが必要である。
<給除材装置>
次に、給除材装置10について、図2を参照して説明する。図2は、給除材装置の概略構成を示す外観斜視図である。
図2に示すように、給除材装置10は、吸引保持ハンド20と、給除材腕31と機台38とを備えるロボット機構30と、給除材装置制御部39とを備えている。
給除材腕31は、腕部32aと、腕部32bと、腕関節部33と、ハンド保持機構34と、腕軸部36とを備えている。腕部32aの一端と腕部32bの一端とは、腕関節部33で接続されている。腕部32bの腕関節部33に接続された一端の反対側の一端は、腕軸部36に接続されている。腕軸部36は、腕部32bを腕軸部36の回動軸を中心に回動可能に支持している。腕部32bは、腕部32aを、腕関節部33を介して、腕関節部33の回動軸を中心に回動可能に支持している。腕部32aと腕部32bとは、腕関節部33において互いのなす角度を調整可能である。即ち、給除材腕31は、腕関節部33において屈伸可能である。腕軸部36の回動軸の軸方向と、腕関節部33の回動軸の軸方向とは、互いに略平行である。機台38は、内蔵する摺動支持機構(図示省略)を介して、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動自在に、且つ精密に位置決め固定可能に支持している。
腕部32aの腕関節部33に接続された一端の反対側の一端には、ハンド保持機構34が固定されている。ハンド保持機構34には、吸引保持ハンド20が固定されている。ハンド保持機構34は、腕軸部36の回動軸の軸方向及び腕関節部33の回動軸の軸方向と同じ軸方向の回動軸を有し、腕部32aに対して、当該回動軸を中心に吸引保持ハンド20を回動可能に支持している。
吸引保持ハンド20は、後述する吸引パット21(図3参照)を6個備えており、吸引保持ハンド20の吸引保持面は、6個の吸引パット21が備える6個の吸引保持面182(図3参照)で構成されている。後述するが、吸引保持ハンド20の吸引保持面の中央部分は、ハンド保持機構34の回動軸と略垂直であり、ハンド保持機構34によって吸引保持ハンド20を回動させることで、ハンド保持機構34の回動軸に垂直な平面方向における吸引保持面の方向を変えることができる。
給除材装置制御部39は、情報入出力装置(図示省略)を介して予め入力された制御プログラムに基づいて、給除材装置10の各部の動作を統括制御する。
次に、給除材装置10によってワークを搬送する際の給除材装置10の動作について説明する。
最初に、腕軸部36によって、給除材腕31を回動させて任意の方向に向け、腕関節部33において給除材腕31を屈伸させることによって、吸引保持ハンド20を任意の位置、例えば、ワークを吸引保持可能な位置に位置させる。次に、機台38の摺動支持機構によって、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動させることによって、吸引保持ハンド20の吸引保持面をワークを吸引保持可能な距離まで接近させ、当該位置でワークを吸引保持する。次に、機台38の摺動支持機構によって腕軸部36を摺動させて、吸引保持ハンド20を腕軸部36の軸方向に移動させることによって、ワークを持ち上げる。
次に、腕軸部36によって、給除材腕31を回動させて、給除材腕31をワークを着座させる方向に向け、腕関節部33において給除材腕31を屈伸させることによって、ワークを吸引保持した吸引保持ハンド20を、ワークが着座位置に臨む位置に位置させる。次に、機台38の摺動支持機構によって、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動させることによって、吸引保持ハンド20が吸引保持したワークを着座面に着座させることが可能な距離まで接近させ、当該位置でワークの吸引保持を解除し、ワークを着座面に落下させる。給除材装置10によって搬送される共振片ウェハー1Aなどのワークが、保持対象物又は搬送対象物に相当する。
<吸引パット>
次に、吸引保持ハンド20が備える吸引パット21について、図3を参照して説明する。吸引パット21は、ベルヌーイの定理を応用して、吸引保持する部材を吸引すると共に、流出する気体によって部材に押し力を加えることによって、部材と吸引パットとの非接触状態を維持して、非接触で部材を保持するものである。図3は、吸引パットの構造を示す斜視図である。
図3に示すように、吸引パット21は、旋回流発生室181と、吸引保持面182と、一対の気体噴出流路183,183と、一対のチャンバ流路185,185と、を備えている。旋回流発生室181は、円柱状の凹部である。吸引保持面182は、吸引パット21における旋回流発生室181が開口する端面であり、旋回流発生室181の開口側端に連なり、吸引保持された状態の被吸引部材が臨む面である。気体噴出流路183は、一端が旋回流発生室181の内周面184に開口しており、旋回流発生室181に圧縮空気を噴出させて、旋回流発生室181に旋回流を発生させる。チャンバ流路185は、各気体噴出流路183の上流端に連通し、吸引気体供給部90(図6参照)からの圧縮空気を供給する。吸引気体供給部90から供給された圧縮空気は、一対のチャンバ流路185に同時に流入し、それぞれ気体噴出流路183を通って旋回流発生室181に噴出される。
吸引パット21の外形は、略円形の吸引保持面182を端面とする略円筒形状であり、円筒の途中から吸引保持面182の反対側の端面までは、一部が切り欠かれた形状をしている。切り欠かれた部分は、平坦な面であって、互いに平行な一対の面186,186で構成されている。チャンバ流路185の気体噴出流路183に連通する側の反対側は、面186に開口している。
旋回流発生室181は、その内周面184の一端が閉塞された円柱状に形成されており、旋回流発生室181の閉塞側には、一対の気体噴出流路183が形成されている。旋回流発生室181に流入した圧縮空気は、その内周面184に沿うように流れ、強い旋回流となってやがて開放端から側方に流出する。旋回流の中心部には、ベルヌーイの定理に従って負圧が生じ、この負圧により共振片ウェハー1Aなどを吸引する。
吸引保持面182は、旋回流発生室181の開口側端に連なり、旋回流の旋回軸に対して略直交する形状に形成されている。旋回流発生室181で発生した旋回流は、旋回流発生室181の開放端に達すると、その遠心力により吸引保持面182に沿って内周側から外周側に向って渦流となって流れ出す。旋回流発生室181から流出して、吸引保持面182上を流れ出す空気により、共振片ウェハー1Aなどと吸引保持面182との間隙が維持される。吸引パット21が、吸引保持パットに相当する。
図3に示した吸引パット21では、旋回流発生室181に発生する旋回流は、吸引保持面182側から見て、時計まわりに旋回する。気体噴出流路183の位置を、旋回流発生室181の中心軸を含む面に関して面対称の位置にすると、旋回流発生室181に発生する旋回流は、吸引保持面182側から見て、反時計まわりに旋回する。本実施形態では、旋回方向に関わらず、いずれの旋回方向の旋回流を発生するものも、吸引パット21と表記する。
なお、吸引パット21の形状は、旋回流発生室181の開口端が徐々に広がるようにベルマウス形状としてもよいし、吸引保持面182に渦流を維持する渦形の溝を形成するようにしてもよい。
<ヘッドケース>
次に、吸引パット21が固定されており、吸引保持ヘッド25(図6参照)を構成するヘッドケース51について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、ヘッドケースの構成を示す平面図である。図5は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す図である。図5(a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す部分断面を含む側面図であり、図5(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図である。
図4及び図5に示すように、ヘッドケース51は、6個の吸引パット21を下方に突出させて保持している。ヘッドケース51には、6個の固定装着穴が、2行3列のマトリクス状に配設されている。固定装着穴は、上述した吸引パット21の一対の面186,186と隙間なく嵌合できる平坦面を備えている。各吸引パット21は、面186が形成された部分が固定装着穴に嵌合されて、接着固定されている。1列に並ぶ2個の吸引パット21は、それぞれの吸引保持面182が同一平面内に位置するように保持されている。1行に並ぶ3個の吸引パット21は、それぞれの吸引保持面182が互いに異なる方向を向いている。
3個の中央に位置する吸引保持面182は、吸引保持ハンド20がハンド保持機構34を介してロボット機構30に取り付けられた状態で、略水平(鉛直方向に垂直)になっている。3個の両側に位置する2個の吸引保持面182は、それぞれ中央側と反対側に向くように傾いている。中央の吸引保持面182の面方向に対する、両側の吸引保持面182の面方向との傾き角θは、例えば2°である。
3個の吸引保持面182の中のいずれかの吸引保持面182が、第一の吸引保持面に相当し、当該吸引保持面182を有する吸引パット21が、第一の吸引保持パットに相当する。第一の吸引保持面に相当する吸引保持面182とは異なる吸引保持面182が、第二の吸引保持面に相当し、当該吸引保持面182を有する吸引パット21が、第二の吸引保持パットに相当する。
吸引パット21で発生する旋回流の旋回方向は、一方の1行に配列された3個の吸引パット21の両側に位置する2個の吸引パット21及び他方の1行の中央に位置する吸引パット21が時計まわりに旋回する旋回流を発生し、一方の1行に配列された3個の吸引パット21の中央に位置する1個の吸引パット21及び他方の1行の両側に位置する2個の吸引パット21が反時計まわりに旋回する旋回流を発生するように、6個の吸引パット21が配置されている。
ヘッドケース51に固定された6個の吸引パット21の6個の吸引保持面182が構成する面を、吸引保持面182Aと表記する。
図4に示すように、ヘッドケース51に形成された圧空溝88は、主圧空溝84と、主圧空溝84から分岐して各吸引パット21に向って伸びる副圧空溝85と、から構成されている。
主圧空溝84は、主圧空溝室84aと、導入圧空溝室84bとで構成されている。主圧空溝室84aは、3列の吸引パット21の列間に、それぞれ1個ずつ形成されている。2個の主圧空溝室84aは、それぞれ吸引パット21の列方向に延在している。導入圧空溝室84bは、両端が2個の主圧空溝室84aの略中央にそれぞれ連接されており、2個の主圧空溝室84a間を連結する空間である。蓋ケース52(図6参照)がヘッドケース51に取り付けられた状態で、蓋ケース52の吸引気体孔54が、導入圧空溝室84bの略中央に臨んで開口している。
副圧空溝85は、長い長尺副圧空溝85aと、短い短尺副圧空溝85bと、連結副圧空溝85cと、で構成されている。長尺副圧空溝85aは、主圧空溝室84aから、1行に配列された3個の吸引パット21の一方の端に位置する吸引パット21に向って垂直に分岐した長い副圧空溝85である。短尺副圧空溝85bは、主圧空溝室84aから、長尺副圧空溝85aと同様に分岐した短い副圧空溝85である。1個の長尺副圧空溝85aと1個の短尺副圧空溝85bが、1個の吸引パット21を挟んで配設されており、ヘッドケース51には、1個の長尺副圧空溝85aと1個の短尺副圧空溝85bとからなる組が4組形成されている。連結副圧空溝85cは、2個の主圧空溝室84aを連結する状態に形成されており、1行に配列された3個の吸引パット21の中央にそれぞれ位置する吸引パット21を挟む位置に、配設されている副圧空溝85である。
吸引パット21がヘッドケース51に取り付けられた状態で、吸引パット21の面186が、長尺副圧空溝85a、短尺副圧空溝85b、及び連結副圧空溝85cに臨んでおり、長尺副圧空溝85a、短尺副圧空溝85b、及び連結副圧空溝85cは、面186に開口しているチャンバ流路185にそれぞれ連通している。後述する吸引気体供給部90(図6参照)から供給される圧縮空気が、蓋ケース52の吸引気体孔54から流入し、主圧空溝84及び各副圧空溝85を介して、各吸引パット21のチャンバ流路185に流入する。チャンバ流路185に流入した圧縮空気は、気体噴出流路183から旋回流発生室181に噴出され、図5に示した矢印aのように旋回する旋回流が発生する。蓋ケース52は、ヘッドケース51の周縁に形成された突設枠部87の内側に嵌合することで、ヘッドケース51に対して位置決めされる。
<吸引保持ハンド>
次に、吸引保持ハンド20の全体構成について、図6を参照して説明する。図6は、吸引保持ハンドの全体構成を示す分解斜視図である。吸引保持ハンド20が、チャッキング装置に相当する。
図6に示すように、吸引保持ハンド20は、共振片ウェハー1Aなどのワークを吸引保持する複数(図示のものは、6個)の吸引パット21と、吸引パット21を保持するパットホルダー23と、パットホルダー23を支持する装置取付部24と、を備えている。また、吸引保持ハンド20は、非接触保持用の空気を供給する吸引気体供給部90と、吸引気体供給部90を制御すると共に給除材装置制御部39とリンクする吸引保持制御部91と、を備えている。
パットホルダー23は、上述したヘッドケース51を有する吸引保持ヘッド25と、吸引保持ヘッド25を垂設支持するワークガイド26と、ワークガイド26を垂設支持するジョイント部材27と、を同軸上に重ねる状態に構成されている。
吸引保持ヘッド25は、ヘッドケース51と蓋ケース52とを備え、蓋ケース52がヘッドケース51の周縁に形成された突設枠部87の内側に嵌合して、隙間なく固定されている。蓋ケース52がヘッドケース51に固定されることで、ヘッドケース51に形成された主圧空溝84及び各副圧空溝85が、蓋ケース52に形成された吸引気体孔54、及び吸引パット21に形成されたチャンバ流路185に連通する気体流路となっている。
吸引気体供給部90は、吸引気体供給源92と、吸引給気管93aと、吸引流量調整弁95と、吸引給気管93bとを備えている。吸引気体供給源92は、例えば圧空ポンプのような、圧縮空気を送出する装置である。吸引流量調整弁95は、圧縮空気の流路と、流路の中間に形成されており、当該流路の開閉及び圧縮空気の流量の調整が可能な弁部とを備えている。吸引気体供給源92には、吸引給気管93aの一端が接続されている。吸引給気管93aのもう一方の端には吸引流量調整弁95の流路の一方が接続されている。吸引給気管93aが接続された流路と弁部によって連通又は遮断されるもう一方の流路には、吸引給気管93bの一端が接続されている。吸引給気管93bのもう一端は、パットホルダー23のジョイント部材27に形成された吸引給気流路74に接続されている。
吸引流量調整弁95の開閉駆動源は、吸引保持制御部91と電気的に接続されており、吸引保持制御部91は、給除材装置制御部39と電気的に接続されている。吸引保持制御部91は、給除材装置制御部39からの制御信号に従って、吸引流量調整弁95の弁部の開閉駆動源を制御して吸引流量調整弁95による吸引用気体の供給、遮断、及び供給量の調整を実施する。
吸引保持ハンド20の装置取付部24は、略円筒形状に形成され、上半部の内部には太径の取付孔41が、下半部の内部には細径の装着孔42がそれぞれ形成されている。取付孔41と装着孔42とは同軸上に配設されている。取付孔41は、吸引保持ハンド20をロボット機構30のハンド保持機構34に取り付けるための部位として機能する。装着孔42には、ジョイント部材27の装着部72が差し込まれて、パットホルダー23が、装置取付部24に装着される。
ハンド保持機構34と装置取付部24とは、取付孔41に嵌入したハンド保持機構34の部分を、上ネジ孔43に螺合した止めネジで固定することによって、互いに固定される。装置取付部24とジョイント部材27とは、装着孔42に嵌入したジョイント部材27の装着部72を、下ネジ孔44に螺合した止めネジで固定することによって、互いに固定される。
パットホルダー23のジョイント部材27は、装着部72及び垂設部71を備えている。略角柱形状を有する垂設部71の一端の頂面に、垂設部71の略角柱形状の中心と中心軸が略一致する円柱形状の装着部72が立設されている。略円柱形状の装着部72の側面の一部が切り欠かれて、上述した下ネジ孔44に螺合した止めネジが突き当てられる平坦部72aが形成されている。装着部72を装置取付部24の装着孔42に嵌合し、止めネジを下ネジ孔44に螺合することにより、ジョイント部材27が装置取付部24に装着される。垂設部71の装着部72が突設された端面の反対側の端面には、略方形の角を面取りした形状の台座79が突設されている。この台座79にワークガイド26に窪入形成された着座部(凹部)が嵌合して、位置決め固定される。
垂設部71の内部には、吸引給気流路74が形成されている。吸引給気流路74は、吸引給気管93bが接続されると共に、吸引パット21の旋回流発生室181に連なる略「L」字状の流路である。吸引給気流路74は、横流路75と、縦流路76とを有している。横流路75は、略角柱形状の垂設部71の側面に開口し、当該側面に略垂直に形成されており、当該開口に、継手を介して吸引給気管93bが接続されている。縦流路76は、一端が台座79の面の略中心位置に開口し、当該面に略垂直に形成されている。当該開口は、台座79に嵌合したワークガイド26の吸引気体孔64に接続されている。横流路75及び縦流路76における開口端と反対側の端は、互いに接合して、略「L」字状の吸引給気流路74を形成している。
ワークガイド26は、略方形の厚板の4角が面取りされた形状に形成されたガイド本体61と、一つの対角に位置する面取り部の両側においてガイド本体61の板面に立設された、4個のガイド突起62と、が一体に形成されている。
ガイド本体61におけるガイド突起62が立設された面の反対側の面には、垂設部71の台座79が嵌入する着座部が窪入形成されている。垂設部71(ジョイント部材27)の端面に形成された台座79が着座部に係合して固定されることで、ワークガイド26が、垂設部71に懸吊支持されている。
ガイド本体61は、略方形の板の4角が面取りされた形状を有しており、面取りされた角の一つにおいて、面取りの両側の各辺の端に、それぞれガイド突起62が立設されている。2個のガイド突起62の内側(ガイド本体61の中央側)のガイド面は、ガイド本体61の面に平行な方向において、互いに略直交する方向を向いている。ガイド本体61上に位置したワークは、それぞれのガイド突起62に当接することで、2方向への移動を規制される。
2個のガイド突起62が形成されている角部と対角の位置の角部には、ガイド本体61の中心に関して2個のガイド突起62と略点対称の位置に、他の2個のガイド突起62が立設されている。ガイド本体61上に位置したワークは、それぞれのガイド突起62に当接することで、反対側のガイド突起62に当接することで移動を規制される方向と反対側の2方向への移動を規制される。
4個のガイド突起62の位置を変えることによって、異なる大きさや平面形状のワークに対応することができる。
上述した吸引保持ヘッド25は、ワークガイド26に垂設支持されている。吸引保持ヘッド25がワークガイド26に垂設支持されている状態で、ワークガイド26の略中央に形成された吸引気体孔64は、蓋ケース52の略中央に形成された吸引気体孔54と連通している。
吸引気体供給源92から送出された圧縮空気は、吸引給気管93aと、吸引流量調整弁95と、吸引給気管93bと、吸引給気流路74と、ワークガイド26の吸引気体孔64と、蓋ケース52の吸引気体孔54と、ヘッドケース51に形成された圧空溝88と、を通過して、吸引パット21に供給される。吸引パット21に供給された圧縮空気は、チャンバ流路185から流入し、気体噴出流路183を通って、旋回流発生室181に供給される。
吸引保持ハンド20が、チャッキング装置に相当する。
<吸引保持>
次に、給除材装置10の吸引保持ハンド20によって、共振片ウェハー1Aを吸引保持(チャッキング)する状態について、図7を参照して説明する。図7は、吸引保持ハンドが共振片ウェハーを吸引保持する状態を示す説明図である。
最初に、図7(a)に示すように、吸引保持ハンド20の吸引パット21を、共振片ウェハー1Aに接近させる。共振片ウェハー1Aに吸引保持ハンド20の吸引パット21を接近させた状態で、吸引気体供給部90から吸引パット21に圧縮空気を供給することによって、図7(b)に示すように、共振片ウェハー1Aが吸引パット21に吸引保持されることで、吸引保持ハンド20に吸引保持される。
上述したように、1行に並ぶ3個の吸引保持面182の中で中央に位置する吸引保持面182は、吸引保持ハンド20がハンド保持機構34を介してロボット機構30に取り付けられた状態で、略水平(鉛直方向に垂直)になっている。3個の両側に位置する2個の吸引保持面182は、それぞれ中央側と反対側に向くように傾いている。3個の吸引保持面182に吸引保持されている共振片ウェハー1Aの被吸引保持面において、それぞれの吸引保持面182に対向する部分には、対向する吸引保持面182に開口する旋回流発生室181に吸引されて、対向する吸引保持面182に略平行になるような力が作用する。共振片ウェハー1Aの厚さは例えば50μm程度であり、大きな曲率半径であれば、割れなどを発生させることなく湾教させることが可能である。面方向が互いに異なる3個の吸引保持面182に吸引保持された共振片ウェハー1Aは、湾曲して吸引保持されている。
3個の吸引保持面182における、両側の吸引保持面182の面方向の傾き、開口している旋回流発生室181の中心間距離、旋回流発生室181の開口径、及び吸引保持面182の相対高さを適当に選ぶことによって、吸引保持された共振片ウェハー1Aを一定の曲率の円弧状に湾曲させることができる。例えば、面方向の傾きを2°、旋回流発生室181の中心間距離を24mmとすると、吸引保持された共振片ウェハー1Aの曲率半径は、概ね688mmとなる。例えば、面方向の傾きを4°、旋回流発生室181の中心間距離を24mmとすると、吸引保持された共振片ウェハー1Aの曲率半径は、概ね388mmとなる。
吸引パット21に吸引保持された共振片ウェハー1Aは、吸引パット21からは吸引保持面182に平行な方向の拘束力はほとんど受けないため、吸引保持面182に平行な方向への移動は自在である。共振片ウェハー1Aが円弧状に湾曲した場合も、吸引保持面182に対する共振片ウェハー1Aの相対位置が変わっても共振片ウェハー1Aの湾曲形状は変わらないため、湾曲した円弧の周方向においては、共振片ウェハー1Aが平坦な場合と同様に、移動は自在である。吸引保持ハンド20に吸引保持されて円弧状に湾曲させられた共振片ウェハー1Aは、重心位置が最も重力加速度方向の下側になる位置に移動して安定する。共振片ウェハー1Aは均一な板厚であるため、図7(b)に示すように、共振片ウェハー1Aは、共振片ウェハー1Aの中央が中央の吸引パット21の旋回流発生室181の中心に略一致する位置に位置して安定する。
図7(b)にLと表記した共振片ウェハー1Aの長さを70mmと仮定すると、面方向の傾きが2°であって、吸引保持された共振片ウェハー1Aの曲率半径が概ね688mmの場合、図7(b)にRLと表記した円弧状の共振片ウェハー1Aの幅は、概ね69.96mmとなる。面方向の傾きが4°であって、吸引保持された共振片ウェハー1Aの曲率半径が概ね344mmの場合、図7(b)にRLと表記した円弧状の共振片ウェハー1Aの幅は、概ね69.84mmとなる。
図7(c)に示した加工用パレット101に形成された幅が70mmのウェハー受102に、長さ70mmの共振片ウェハー1Aを挿入する場合でも、共振片ウェハー1Aを湾曲させることによって、図7(b)にdLと表記した余裕分が片側にdL/2ずつある。この余裕によって、共振片ウェハー1Aを、ウェハー受102の側壁に触れることなくウェハー受102の底に置くことができる。共振片ウェハー1Aの吸引保持状態を解除して共振片ウェハー1Aをウェハー受102の底に置くと、図7(c)に二点鎖線で示したように、共振片ウェハー1Aは平坦に戻って、長さが70mmに戻るため、幅が70mmのウェハー受102に位置決めされると共に、略固定される。
以下、第一の実施形態の効果を記載する。第一の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)吸引保持ハンド20は、吸引パット21と、吸引パット21に非接触保持用の圧縮空気を供給する吸引気体供給部90とを備えている。これにより、吸引保持ハンド20を用いて、共振片ウェハー1Aなどのワークを非接触で吸引保持することができる。
(2)吸引保持ハンド20に吸引保持された共振片ウェハー1Aは、湾曲している。共振片ウェハー1Aが湾曲することで、共振片ウェハー1Aが平坦な状態の場合に比べて、端から端までの距離を小さくすることができる。
(3)吸引保持ハンド20に吸引保持された共振片ウェハー1Aは、下側に凸となる形状に湾曲している。これにより、吸引保持ハンド20に吸引保持された共振片ウェハー1Aを下側に移動する際に、共振片ウェハー1Aの端面が壁などに接触することで下側への移動が阻害されることを抑制することができる。
(4)吸引保持ハンド20に吸引保持された共振片ウェハー1Aは、下側に凸であって、一定の曲率半径の円弧形状に湾曲している。これにより、共振片ウェハー1Aは、共振片ウェハー1Aが平坦であって、平坦な吸引保持面に吸引保持された場合と同様に、円弧に沿う方向に容易に移動することができる。吸引保持ハンド20に吸引保持されて円弧状に湾曲させられた共振片ウェハー1Aは、重心位置が最も重力加速度方向の下側になる位置に移動して安定するため、吸引保持ハンド20に対する共振片ウェハー1Aの位置を、略同一の位置にすることができる。
(第二の実施形態)
次に、チャッキング装置、チャッキング方法、搬送装置、及び搬送方法の一実施形態である第二の実施形態について図面を参照して、説明する。本実施形態も、搬送装置の一例である、給除材装置を例にして説明する。本実施形態の給除材装置も、SAW共振子の製造工程などにおいて、SAW共振片などを構成する複数のSAWパターンが区画形成された共振片ウェハーを取り扱う給除材装置である。共振片ウェハーの構成は、第一の実施形態で説明した共振片ウェハー1Aの構成と、基本的な構成は同一のものである。給除材装置の構成も、第一の実施形態で説明した給除材装置10の構成と、基本的な構成は同一のものである。第一の実施形態で説明した給除材装置10とは異なる吸引保持ハンドの吸引保持ヘッドの構成について説明する。
<ヘッドケース>
最初に、吸引保持ヘッド225(図9参照)を構成するヘッドケース251について、図8を参照して説明する。ヘッドケース251は、第一の実施形態出説明した吸引保持ヘッド25のヘッドケース51と同様に吸引パット21が取り付けられている。図8は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す図である。図8(a)は、ヘッドケースの構成を示す平面図であり、図8(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す断面図であり、図8(c)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図である。
図8に示すように、ヘッドケース251は、2個の吸引パット21を下方に突出させて保持している。ヘッドケース251には、2個の固定装着穴が、略長方形形状を有するヘッドケース251の長辺方向に並んで、短辺方向の略中央に形成されている。固定装着穴は、上述した吸引パット21の一対の面186,186と隙間なく嵌合できる平坦面を備えている。各吸引パット21は、面186が形成された部分が固定装着穴に嵌合されて、接着固定されている。1列に並ぶ2個の吸引パット21は、それぞれの吸引保持面182が同一平面内に位置するように保持されている。
吸引パット21で発生する旋回流の旋回方向は、一方の吸引パット21が時計まわりに旋回する旋回流を発生し、もう一方の吸引パット21が反時計まわりに旋回する旋回流を発生するように、2個の吸引パット21が配置されている。
2個の吸引パット21の2個の吸引保持面182が構成する面を吸引保持面182Bと表記する。
図8(a)に示すように、ヘッドケース251に形成された圧空溝288は、主圧空溝284と、主圧空溝284から各吸引パット21に向って略垂直に分岐した副圧空溝285と、で構成されている。
主圧空溝284は、接続圧空溝284aと、導入圧空溝284bとで構成されている。接続圧空溝284aは、略長方形形状を有するヘッドケース251の長辺方向に延在し、ヘッドケース251の短辺方向において2個の吸引パット21を間隔を隔てて挟む位置に形成されている。導入圧空溝284bは、両端がそれぞれ2個の接続圧空溝284aの略中央に接続されて、ヘッドケース251の短辺方向に延在しており、2個の接続圧空溝284aの間を連結する空間である。蓋ケース252がヘッドケース251に取り付けられた状態で、蓋ケース252の吸引気体孔254が、導入圧空溝284bの略中央に臨んで開口している。
副圧空溝285は、4個形成されており、両端がそれぞれ接続圧空溝284aに接続されて、ヘッドケース251の短辺方向に延在している。2個の副圧空溝285が、一個の固定装着穴の両側にそれぞれ1個ずつ配設されており、ヘッドケース251に取り付けられた1個の吸引パット21の面186が副圧空溝285の空間に臨んでいる。吸引パット21の面186に開口しているチャンバ流路185は、副圧空溝285に連通している。
吸引気体供給部90(図6参照)から供給される圧縮空気が、蓋ケース252の吸引気体孔254から流入し、主圧空溝284及び各副圧空溝285を介して、各吸引パット21に流入する。吸引パット21に流入した圧縮空気は、旋回流発生室181に噴出され、図8(b)に示した矢印aのように旋回する旋回流が発生する。蓋ケース252は、ヘッドケース251の周縁に形成された突設枠部287の内側に嵌合することで、ヘッドケース251に対して位置決めされる。蓋ケース252は、図示省略した固定部材によって、ヘッドケース251に密着して固定されており、蓋ケース252がヘッドケース251に密着固定されることで、主圧空溝284及び副圧空溝285が外部と隔絶されている。
<吸引保持ヘッド>
次に、吸引保持ヘッド225について、図9を参照して説明する。図9は、吸引保持ヘッドの側面図である。図9(a)は、吸引保持ヘッドの吸引保持面が平坦になっている状態の側面図であり、図9(b)は、吸引保持ヘッドの吸引保持面が中央部凹形状になっている状態の側面図であり、図9(c)は、吸引保持ヘッドの吸引保持面が中央部凸形状になっている状態の側面図である。
図9に示すように、吸引保持ヘッド225は、吸引パット21と、ヘッドケース251と、連結部材256と、支持部材261と、搖動支持部材260と、吸引気体管264と、ケース保持枠253と、を備えている。
吸引保持ヘッド225は、3個のヘッドケース251を備えている。上述したように、ヘッドケース251にはそれぞれ2個の吸引パット21が保持されており、吸引保持ヘッド225は、6個の吸引パット21を備えている。3個のヘッドケース251は、長辺方向が互いに略平行になる状態で並んでいる。これにより、6個の吸引パット21は、2行3列のマトリクス状に配設されている。6個の吸引パット21が備える6個の吸引保持面182で構成される吸引保持面を、吸引保持面182Cと表記する。
連結部材256は、連結副部材256a及び連結副部材256bを有している。3個のヘッドケース251における中央のヘッドケース251の長辺の2面には、連結副部材256a又は連結副部材256bが、それぞれの固定端においてそれぞれ固定されている。3個のヘッドケース251における両側のヘッドケース251の長辺の2面における中央のヘッドケース251に対向する面には、連結副部材256a又は連結副部材256bが、それぞれの固定端においてそれぞれ固定されている。連結副部材256aと連結副部材256bとは互いに搖動自在に連結されている。これにより、3個のヘッドケース251における両側のヘッドケース251は、中央のヘッドケース251に対して搖動可能に支持されている。
支持部材261は、4個(図9では2個のみ表示)備えられており、それぞれ一端が、ケース保持枠253に固定されている。支持部材261のもう一端は、中央のヘッドケース251に固定された蓋ケース252に固定されており、中央のヘッドケース251は、蓋ケース252を介して、4個の支持部材261によって、ケース保持枠253に固定されている。
吸引気体管264は、蛇腹状の伸縮及び湾曲が可能な管であり、吸引気体孔が形成されている。吸引気体管264は、3個備えられており、それぞれ一端が、3個のヘッドケース251のそれぞれに固定された蓋ケース252に固定されることで、吸引気体管264の吸引気体孔が蓋ケース252の吸引気体孔254に接続されている。吸引気体管264の他の一端は、それぞれケース保持枠253に固定されており、それぞれの吸引気体孔が、ケース保持枠253に形成されたそれぞれの吸引気体孔に接続されている。
搖動支持部材260は、搖動接続台257と、搖動軸受258bと、搖動軸258aと、搖動接続部材259と、を備えている。
搖動接続部材259は、3個のヘッドケース251における両側のヘッドケース251のそれぞれに固定された蓋ケース252に、連結副部材256a又は連結副部材256bが固定された側から遠い方の端近くにおいて固定されている。
搖動軸258aは、一端が、搖動接続部材259に搖動自在に接続されている。搖動軸258aのもう一端側は、搖動軸受258bに、搖動軸258aの軸方向において摺動自在であって、固定可能に勘入している。
搖動軸受258bは、図示省略した軸駆動源を備え、当該軸駆動源によって、搖動軸258aの軸方向において、搖動軸258aを摺動自在であって、固定可能に支持している。搖動軸受258bは、搖動接続台257に搖動自在に支持されている。
搖動接続台257は、固定端においてケース保持枠253の側面に固定されている。搖動接続台257に搖動自在に支持されている搖動軸受258bは、搖動接続台257を介して、ケース保持枠253に搖動自在に支持されている。
ケース保持枠253は、外面の一面に、図示省略した着座部が窪入形成されている。当該着座部に垂設部71(ジョイント部材27)の端面に形成された台座79が係合して固定されることで、ケース保持枠253が、垂設部71に懸吊支持されている。着座部の略中央には、吸引気体孔が開口しており、台座79の面の略中心位置に開口した吸引給気流路74と接続されている。吸引気体孔はケース保持枠253の内部で3本の吸引気体孔に分岐して、分岐したそれぞれの吸引気体孔は、吸引気体管264の吸引気体孔に接続されている。
吸引気体供給源92から送出された圧縮空気は、吸引給気管93aと、吸引流量調整弁95と、吸引給気管93bと、吸引給気流路74と、ケース保持枠253の吸引気体孔と、吸引気体管264の吸引気体孔と、蓋ケース252の吸引気体孔254と、ヘッドケース251に形成された圧空溝288と、を通過して、吸引パット21に供給される。吸引パット21に供給された圧縮空気は、チャンバ流路185から流入し、気体噴出流路183を通って旋回流発生室181に供給される。
搖動軸受258bの軸駆動源が搖動軸受258bに対して搖動軸258aを摺動させると、搖動接続部材259が搖動接続台257から離接する方向に移動する。搖動接続部材259が蓋ケース252を介して固定されたヘッドケース251は、中央のヘッドケース251と、連結部材256を介して揺動自在に接続されているため、ヘッドケース251は揺動可能であって、搖動接続部材259は搖動接続台257から離接する方向に移動可能である。また、搖動接続部材259は蓋ケース252に固定されており、搖動接続台257はケース保持枠253に固定されているが、搖動軸258aは搖動接続部材259に搖動自在に接続されており、搖動軸受258bは搖動接続台257に搖動自在に支持されている。このため、搖動軸258a及び搖動軸受258bの軸方向は、蓋ケース252又はケース保持枠253に対して可変である。搖動軸258a及び搖動軸受258bの軸方向と、ヘッドケース251又はケース保持枠253との交差する角度が可変であることで、ヘッドケース251に固定された搖動接続部材259と、ケース保持枠253に固定された搖動接続台257とを結ぶ長さを変えることが可能である。
吸引気体管264は、蛇腹状の伸縮及び湾曲が可能な管であるため、ヘッドケース251の揺動に対応して吸引気体管264が伸縮及び湾曲することで、吸引気体管264の吸引気体孔と、ケース保持枠253の吸引気体孔及び蓋ケース252の吸引気体孔254との接続が維持される。
連結部材256、及び搖動支持部材260が、パット支持手段に相当する。吸引保持面182Cを構成する2行3列の吸引保持面182の、1行における3個の吸引保持面182の中のいずれかの吸引保持面182が、第一の吸引保持面に相当し、当該吸引保持面182を有する吸引パット21が、第一の吸引保持パットに相当する。第一の吸引保持面に相当する吸引保持面182とは異なる吸引保持面182が、第二の吸引保持面に相当し、当該吸引保持面182を有する吸引パット21が、第二の吸引保持パットに相当する。
搖動軸受258bの軸駆動源が搖動軸受258bに対して搖動軸258aを繰り出すと、搖動接続部材259が搖動接続台257から離れる方向に移動する。ヘッドケース251は、搖動接続部材259が固定された側がケース保持枠253から離れる方向に傾いて、図9(b)に示したように、吸引保持面182Cは、中央部が吸引パット21側に凸となる形状になる。
搖動軸受258bの軸駆動源が搖動軸受258bに対して搖動軸258aを繰り込むと、搖動接続部材259が搖動接続台257に接近する方向に移動する。ヘッドケース251は、搖動接続部材259が固定された側がケース保持枠253に接近する方向に傾いて、図9(c)に示したように、吸引保持面182Cは、中央部が吸引パット21側に凹となる形状になる。
<搬送>
次に、吸引保持ヘッド225を備えた吸引保持ハンドを備える給除材装置を用いて、吸引保持ヘッド225によって、第一パレット201に置かれた共振片ウェハー1Aを吸引保持し、第二パレット205に着座させて整列させる搬送整列工程について、図10及び図11を参照して説明する。図10は、共振片ウェハーの搬送工程の各工程を示すフローチャートである。図11は、共振片ウェハーの搬送工程の各工程における吸引保持ヘッドと共振片ウェハーとの位置関係を示す説明図である。
最初に、図10のステップS1では、図11(a)に示すように、吸引保持ヘッド225の吸引保持面182Cを、第一パレット201の保持領域202に保持された共振片ウェハー1Aを吸引保持可能な吸引位置に位置させる。保持領域202の内壁間の寸法は、共振片ウェハー1Aが隙間なく嵌合する寸法に形成されており、共振片ウェハー1Aは、両端が保持領域202の内壁に当接する状態で保持されている。第一パレット201の保持領域202が、第一の位置に相当する。
次に、図10のステップS2では、吸引気体供給部90から吸引保持ヘッド225の吸引パット21に圧縮空気を供給して、吸引保持ヘッド225によって共振片ウェハー1Aを吸引保持する。
次に、図10のステップS3では、図11(b)に示すように、両側のヘッドケース251(吸引保持面182)の傾きを変更する。両側のヘッドケース251の傾きを、吸引保持面182が中央側に傾くように変更することで、吸引保持ヘッド225に吸引保持された共振片ウェハー1Aを、上側凸(吸引保持ヘッド225に面する側が凸)に湾曲させる。共振片ウェハー1Aが湾曲することで、共振片ウェハー1Aの両端間が僅かに小さくなり、保持領域202から抜き上げ易くなる。共振片ウェハー1Aの両端が保持領域202の内壁に強く当接している場合には、共振片ウェハー1Aが平坦な状態で保持領域202から抜き上げることは困難な場合があるが、そのような場合でも、共振片ウェハー1Aを湾曲させることで、容易に抜き上げることができる。上側に凸に湾曲させることで、上側に移動させることがより容易になる。
次に、図10のステップS4では、ロボット機構30などによって、共振片ウェハー1Aを吸引保持した吸引保持ヘッド225を移動させて、共振片ウェハー1Aを吸引保持した吸引保持ヘッド225が第二パレット205における所定の着座領域206に臨む位置に、移動させる。着座領域206の内壁間の寸法は、保持領域202と同様に、共振片ウェハー1Aが隙間なく嵌合する寸法に形成されており、共振片ウェハー1Aは、両端が着座領域206の内壁に当接する状態で着座して位置決めされる。
次に、図10のステップS5では、図11(c)に示すように、吸引保持ヘッド225に吸引保持された共振片ウェハー1Aを、着座領域206に遊嵌させる。詳細には、両側のヘッドケース251(吸引保持面182)の傾きを変更する。両側のヘッドケース251の傾きを、吸引保持面182が外側(中央側の反対側)に傾くように変更することで、吸引保持ヘッド225に吸引保持された共振片ウェハー1Aを、上側凹(吸引保持ヘッド225に面する側が凹)に湾曲させる。共振片ウェハー1Aが平坦な状態では、共振片ウェハー1Aの両端が着座領域206の内壁に当接するが、共振片ウェハー1Aを湾曲させることで、共振片ウェハー1Aの両端間が僅かに小さくなり、着座領域206の内壁間に遊嵌させることが可能となる。上側に凹、すなわち、下側に凸に湾曲させることで、着座領域206に向かって下側に移動させることがより容易になる。
次に、図10のステップS6では、吸引気体供給部90からの吸引パット21に対する圧縮空気の供給を停止することによって吸引保持状態を解除する。吸引保持状態を解除することで、図11(c)に二点鎖線で示したように、共振片ウェハー1Aを第二パレット205の着座領域206に着座させる。第二パレット205における所定の着座領域206が第二の位置に相当する。
ステップS6を実施して、1個の共振片ウェハー1Aを第一パレット201の保持領域202から搬送して、第二パレット205の着座領域206に着座させる工程を終了する。この工程を繰り返すことによって、第一パレット201に載せられた共振片ウェハー1Aを搬送して、第二パレット205の着座領域206に位置精度よく着座させて整列させる。
以下、第二の実施形態の効果を記載する。第二の実施形態によれば、第一の実施形態の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(1)吸引保持ヘッド225が備える3個のヘッドケース251における両側のヘッドケース251は、一方の長辺側を、連結部材256を介して、中央のヘッドケース251に対して搖動可能に支持されている。また、もう一方の長辺側を、搖動支持部材260を介して、ケース保持枠253に対して離接自在且つ固定可能に支持されている。これにより、ヘッドケース251の傾き、すなわち、ヘッドケース251に固定された吸引パット21の吸引保持面182の傾きを変更することができる。吸引保持面182の傾きを変更することで、吸引保持面182Cに吸引保持された共振片ウェハー1Aの湾曲形状を変えることができる。
吸引保持する際は、平らな共振片ウェハー1Aに対応して、吸引保持面182Cを略平坦にすることで、吸引保持面182Cが湾曲している場合に比べて、平らな共振片ウェハー1Aを吸引保持しやすくすることができる。
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
(変形例1)前記実施形態においては、吸引保持ハンド20の吸引保持ヘッド25や吸引保持ヘッド225は6個の吸引パット21を備えていたが、チャッキング装置(給印保持ヘッド)が備える吸引パットは、6個に限らない。吸引保持する保持対象物又は搬送対象物の大きさや重量に対応した適切な吸引保持力を実現できると共に、保持対象物又は搬送対象物を湾曲させることができれば、チャッキング装置が備える吸引パットは、いくつであってもよい。保持対象物又は搬送対象物を湾曲させるためには、吸引パットは2個以上であればよい。
(変形例2)前記第一の実施形態においては、ヘッドケース51に固定された6個の吸引パット21が有する6個の吸引保持面182は、2行3列のマトリクス状に配設されていた。1行に配列された吸引保持面182においいて、3個の中央に位置する吸引保持面182は、吸引保持ハンド20がハンド保持機構34を介してロボット機構30に取り付けられた状態で、略水平(鉛直方向に垂直)になっており、3個の両側に位置する2個の吸引保持面182は、それぞれ中央側と反対側に向くように傾いていた。しかし、両側に位置する吸引保持面182が、それぞれ中央側と反対側に向くように傾いていることは必須ではない。両側に位置する吸引保持面182が、それぞれ中央側に向くように傾いていてもよい。
固定されて両側に位置する吸引パット21の吸引保持面182が、それぞれ中央側に向くように傾いているヘッドケース351及びヘッドケース351を備える吸引保持ヘッド325について、図12を参照して説明する。図12は、吸引保持ヘッドの概要を示す説明図である。図12(a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す側面図であり、図12(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図であり、図12(c)は、共振片ウェハーを吸引保持する状態を示す説明図である。
図12に示すように、ヘッドケース351は、6個の吸引パット21を下方に突出させて保持している。ヘッドケース351には、6個の固定装着穴が、2行3列のマトリクス状に配設されている。固定装着穴は、上述したヘッドケース51又はヘッドケース251における固定装着穴と同様の構成を有し、吸引パット21がそれぞれの固定装着穴に固定されている。1列に並ぶ2個の吸引パット21は、それぞれの吸引保持面182が同一平面内に位置するように保持されている。1行に並ぶ3個の吸引パット21は、それぞれの吸引保持面182が互いに異なる方向を向いている。
6個の吸引パット21の6個の吸引保持面182が構成する面を吸引保持面182Dと表記する。
3個の中央に位置する吸引保持面182は、吸引保持ヘッド325を備える吸引保持ハンドがハンド保持機構34などを介してロボット機構30などに取り付けられた状態で、略水平(鉛直方向に垂直)になっている。3個の両側に位置する2個の吸引保持面182は、それぞれ中央側に向くように傾いている。中央の吸引保持面182の面方向に対する、両側の吸引保持面182の面方向との傾き角は、例えば4°である。
ヘッドケース351に形成された圧空溝は、上述したヘッドケース51に形成された圧空溝88と略同様である。吸引パット21で発生する旋回流の旋回方向は、一方の1行に配列された3個の吸引パット21の両側に位置する2個の吸引パット21及び他方の1行の中央に位置する吸引パット21が時計まわりに旋回する旋回流を発生し、一方の1行に配列された3個の吸引パット21の中央に位置する1個の吸引パット21及び他方の1行の両側に位置する2個の吸引パット21が反時計まわりに旋回する旋回流を発生するように、6個の吸引パット21が配置されている。
図12(c)に示すように、共振片ウェハー1Aが、吸引パット21に吸引保持されることによって、吸引保持ヘッド325に吸引保持される。
上述したように、1行に並ぶ3個の吸引保持面182の中で中央に位置する吸引保持面182は、吸引保持ヘッド325を備える吸引保持ハンドが例えばハンド保持機構34を介して例えばロボット機構30に取り付けられた状態で、略水平(鉛直方向に垂直)になっている。3個の両側に位置する2個の吸引保持面182は、それぞれ中央側に向くように傾いている。3個の吸引保持面182に吸引保持されている共振片ウェハー1Aの被吸引保持面において、それぞれの吸引保持面182に対向する部分には、対向する吸引保持面182に開口する旋回流発生室181に吸引されて、対向する吸引保持面182に略平行になるような力が作用する。これにより、面方向が互いに異なる3個の吸引保持面182に吸引保持された共振片ウェハー1Aは、湾曲して吸引保持されている。
共振片ウェハー1Aが湾曲して吸引保持されていることで、上述した実施形態と同様に、湾曲した共振片ウェハー1Aの幅を、略平坦な状態の共振片ウェハー1Aの幅に比べて、小さくすることができる。
吸引保持面182Dに吸引保持された共振片ウェハー1Aは、吸引保持面182D側が凸となる形状に、湾曲している。上側に凸に湾曲させることで、上述した第二の実施形態で保持領域202から共振片ウェハー1Aを抜き上げる場合のように、狭い場所において共振片ウェハー1Aを上側に移動させることがより容易になる。
3個の吸引保持面182における、両側の吸引保持面182の面方向の傾き、開口している旋回流発生室181の中心間距離、旋回流発生室181の開口径、及び吸引保持面182の相対高さを適当に選ぶことによって、吸引保持された共振片ウェハー1Aを、互いに異なる曲率を有する複数の曲面からなる曲面に湾曲させることができる。
吸引パット21に吸引保持された共振片ウェハー1Aは、吸引パット21からは吸引保持面182に平行な方向の拘束力はほとんど受けないため、吸引保持面182に平行な方向への移動は自在である。共振片ウェハー1Aが、互いに異なる曲率を有する複数の曲面からなる曲面に湾曲させられた場合には、吸引保持面182の面方向において、吸引保持面182に対する共振片ウェハー1Aの相対位置が変わると共振片ウェハー1Aの湾曲形状が変わる。このため、相対位置を変えるためには、湾曲形状を変えるためのエネルギーが必要であり、当該エネルギーが、吸引保持面182に対する共振片ウェハー1Aの相対位置移動に対する抗力となる。これにより、吸引保持された共振片ウェハー1Aを、吸引保持面182に略平行な方向において、動き難くすることができる。
吸引保持面182Dを構成する2行3列の吸引保持面182の、1行における3個の吸引保持面182の中のいずれかの吸引保持面182が、第一の吸引保持面に相当し、当該吸引保持面182を有する吸引パット21が、第一の吸引保持パットに相当する。第一の吸引保持面に相当する吸引保持面182とは異なる吸引保持面182が、第二の吸引保持面に相当し、当該吸引保持面182を有する吸引パット21が、第二の吸引保持パットに相当する。
(変形例3)前記実施形態においては、保持対象物又は搬送対象物として、複数のSAWパターン2が形成された共振片ウェハー1Aを例に説明したが、保持対象物及び搬送対象物は、振動子を形成するための素材に限らない。保持する際に非接触で保持することが好ましい部材であって、非接触で保持する対象物であれば、上述したチャッキング装置、チャッキング方法、搬送装置、又は搬送方法を用いて好適にチャッキング及び搬送を実施することができる。
(変形例4)前記実施形態においては、保持対象物又は搬送対象物としての共振片ウェハー1Aは略方形状であったが、保持対象物及び搬送対象物が略方形であることは必須ではない。保持対象物及び搬送対象物の形状は、その重量に対応できる吸引力を印加することが可能な被吸引保持面を有する形状であれば、どのような形状であってもよい。
(変形例5)前記実施形態においては、吸引パット21に供給される気体は空気であったが、吸引保持のための気体は空気に限らない。上述したチャッキング装置、チャッキング方法、搬送装置、及び搬送方法は、チャッキング装置を駆動することが可能であれば、どのような気体を用いる場合でも適用することができる。例えば、腐蝕防止などのために不活性ガスを充満させたような環境においても、当該不活性ガスを吸引パット21に供給される気体として用いて、上述したチャッキング装置、チャッキング方法、搬送装置、及び搬送方法を適用することができる。
(変形例6)前記実施形態においては、吸引気体供給部90は、吸引気体供給源92と、圧縮空気の流路を開閉する吸引流量調整弁95とを備えていたが、流路を開閉したり気体の流量を調整したりする装置を設けることは必須ではない。吸引用の気体の供給及び停止の操作や供給量の調整は、吸引用気体の供給源において実施する構成であってもよい。
(変形例7)前記実施形態においては、チャッキング装置を備える搬送装置としての給除材装置10は、吸引保持ハンド20と、給除材腕31と機台38とを備えるロボット機構30と、給除材装置制御部39とを備えていた。しかし、搬送装置が給除材腕31や機台38のような、吸引保持ハンド20などを保持すると共に移動させる装置を備えることは必須ではない。例えば、吸引保持ハンド20を簡単な支持部材で支持し、当該支持部材を手作業で移動させるような装置であってもよい。
1…SAW共振片、1A…共振片ウェハー、10…給除材装置、20…吸引保持ハンド、21…吸引パット、25…吸引保持ヘッド、30…ロボット機構、39…給除材装置制御部、51…ヘッドケース、52…蓋ケース、54…吸引気体孔、74…吸引給気流路、88…圧空溝、90…吸引気体供給部、181…旋回流発生室、182…吸引保持面、182A,182B,182C,182D…吸引保持面、201…第一パレット、202…保持領域、205…第二パレット、206…着座領域、225…吸引保持ヘッド、251…ヘッドケース、252…蓋ケース、253…ケース保持枠、256…連結部材、257…搖動接続台、258a…搖動軸、258b…搖動軸受、259…搖動接続部材、260…搖動支持部材、261…支持部材、264…吸引気体管、288…圧空溝、325…吸引保持ヘッド、351…ヘッドケース。

Claims (14)

  1. 旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記吸引保持面上に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持パットを備え、前記吸引保持パットによって前記保持対象物をチャッキングするチャッキング装置であって、
    第一の吸引保持面を備える第一の吸引保持パットと、
    第二の吸引保持面を備え、前記第二の吸引保持面の面方向が、前記第一の吸引保持面の面方向と交差する方向である第二の吸引保持パットと、を備えることを特徴とするチャッキング装置。
  2. 前記第一の吸引保持面の面方向と前記第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度を変更可能に、前記第一の吸引保持パット又は前記第二の吸引保持パットの少なくとも一方を支持するパット支持手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のチャッキング装置。
  3. 前記第一の吸引保持面と前記第二の吸引保持面とは、それぞれの面の面方向が、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットによって吸引保持された前記保持対象物が、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となる形状に変形する方向であることを特徴とする、請求項1に記載のチャッキング装置。
  4. 旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した第一の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第一の吸引保持面上に流出する気体とにより、保持対象物の部分を非接触で吸引保持する第一の吸引保持パットと、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口しており、前記第一の吸引保持面の面方向とは面方向が異なる第二の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第二の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記保持対象物の部分を非接触で吸引保持する第二の吸引保持パットと、を用いて板状の前記保持対象物を吸引保持する吸引保持工程を有することを特徴とするチャッキング方法。
  5. 旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した第一の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第一の吸引保持面上に流出する気体とにより、保持対象物の部分を非接触で吸引保持する第一の吸引保持パットと、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口している第二の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第二の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記保持対象物の部分を非接触で吸引保持する第二の吸引保持パットと、を用いて板状の前記保持対象物を吸引保持する吸引保持工程と、
    前記第一の吸引保持面の面方向又は前記第二の吸引保持面の面方向の少なくとも一方を変えることによって、前記第一の吸引保持面の面方向と、前記第二の吸引保持面の面方向とが交差する角度を変更する面方向変更工程と、を有することを特徴とするチャッキング方法。
  6. 旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記吸引保持面上に流出する気体とにより、搬送対象物を非接触で吸引保持する吸引保持パットを備え、前記吸引保持パットによって前記搬送対象物をチャッキングするチャッキング装置を備える搬送装置であって、
    第一の吸引保持面を備える第一の吸引保持パットと、
    第二の吸引保持面を備え、前記第二の吸引保持面の面方向が、前記第一の吸引保持面の面方向と交差する方向である第二の吸引保持パットと、を備えることを特徴とする搬送装置。
  7. 前記第一の吸引保持面の面方向と、前記第二の吸引保持面の面方向との交差角度を変更可能に、前記第一の吸引保持パット又は前記第二の吸引保持パットの少なくとも一方を支持するパット支持手段をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載の搬送装置。
  8. 前記第一の吸引保持面と前記第二の吸引保持面とは、それぞれの面の面方向が、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットによって吸引保持された前記搬送対象物が、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となる形状に変形する方向であることを特徴とする、請求項6に記載の搬送装置。
  9. 第一の位置に在る板状の搬送対象物を搬送して第二の位置に着座させる搬送方法であって、
    旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した第一の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第一の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記搬送対象物の部分を非接触で吸引保持する第一の吸引保持パットと、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口しており、前記第一の吸引保持面の面方向とは面方向が異なる第二の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第二の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記搬送対象物の部分を非接触で吸引保持する第二の吸引保持パットと、を用いて、前記第一の位置に在る前記搬送対象物を吸引保持することによって、板状の前記搬送対象物を変形させて吸引保持する保持工程と、
    吸引保持された前記搬送対象物が前記第二の位置に臨む位置に、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットを移動させる移動工程と、
    前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットによる吸引保持を解除して、前記搬送対象物を前記第二の位置に着座させる着座工程と、を有することを特徴とする搬送方法。
  10. 前記保持工程では、前記搬送対象物を、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向する側が凸となる形状に変形させることを特徴とする、請求項9に記載の搬送方法。
  11. 前記保持工程では、前記搬送対象物を、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となる形状に変形させることを特徴とする、請求項9に記載の搬送方法。
  12. 第一の位置に在る板状の搬送対象物を搬送して第二の位置に着座させる搬送方法であって、
    旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した第一の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第一の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記搬送対象物の部分を非接触で吸引保持する第一の吸引保持パットと、旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口している第二の吸引保持面と、を有し、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方の前記第二の吸引保持面上に流出する気体とにより、前記搬送対象物の部分を非接触で吸引保持する第二の吸引保持パットと、を用いて、前記第一の位置に在る前記搬送対象物を吸引保持する吸引保持工程と、
    前記第一の吸引保持面の面方向又は前記第二の吸引保持面の面方向の少なくとも一方を変えることによって、前記第一の吸引保持面及び前記第二の吸引保持面に吸引保持された前記搬送対象物を湾曲させる湾曲工程と、
    吸引保持された前記搬送対象物が前記第二の位置に臨む位置に、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットを移動させる移動工程と、
    前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットによる吸引保持を解除して、前記搬送対象物を前記第二の位置に着座させる着座工程と、を有することを特徴とする搬送方法。
  13. 前記移動工程は、前記第一の位置に在る前記搬送対象物を前記第一の位置から離脱させる離脱工程を含み、
    前記湾曲工程は、前記離脱工程に先立って、前記搬送対象物を、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向する側が凸となる形状に変形させる工程であることを特徴とする、請求項12に記載の搬送方法。
  14. 前記着座工程は、前記搬送対象物を前記第二の位置に接近させる接近工程を含み、
    前記湾曲工程は、前記接近工程に先立って、前記搬送対象物を、前記第一の吸引保持パット及び前記第二の吸引保持パットに対向しない側が凸となる形状に変形させる工程であることを特徴とする、請求項12に記載の搬送方法。
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