以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る遊技機を適用したパチンコ遊技機の一実施形態を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機100は、前面に遊技媒体としての遊技球が流下可能な遊技領域を有する前面枠101と本体枠(外枠)102とを備え、前面枠101は本体枠102にヒンジ103によって開閉回動可能に組み付けられている。前面枠101の内側には遊技盤105が配設され、該遊技盤105の前面にはこれを覆うカバーガラス(透明部材)115を備えたガラス枠104が取り付けられ、遊技盤105の前面とカバーガラスとの間に遊技媒体としての遊技球が流下可能な遊技領域が形成されている。遊技領域には、変動表示ゲームを実行するための表示装置が設けられている。
ガラス枠104のカバーガラスの周囲には、装飾光が発光される装飾装置106が設けられている。この装飾装置106は、内部にランプやLED等からなる発光装置を備えている。また、ガラス枠104の上方にも内部に発光装置を備えた照明ユニット107が設けられている。これらの発光装置が所定の態様に従って発光されることによって、遊技の演出効果を高める装飾発光や遊技状態を示す発光がなされる。
また、前面枠101の下部の開閉パネル108には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿109が、開閉パネル108の下方の固定パネル110には下皿111及び打球発射装置の操作部112等が設けられている。さらに、上皿109には、遊技者に対して遊技制御への介入を可能にさせるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン(操作手段)113が設けられている。
この実施形態の遊技装置にあっては、遊技者が上記操作部112を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿109から供給される遊技球を発射する。また、遊技者が演出ボタン113を操作することによって、センターケースにおいて表示装置の表示と連動して遊技者の操作を介入させた特殊遊技(遊技者参加型ゲーム)を実行することができるようになっている。
次に、遊技盤105について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態の遊技盤105の正面図である。
遊技盤105の表面には、ガイドレール55で囲まれた略円形状の遊技領域51が形成されている。遊技領域51には、ほぼ中央に表示装置58を備えたセンターケース300が配置されている。表示装置58はセンターケース300に設けられた凹部に、センターケース300の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース300は表示装置58の表示領域の周囲を囲い、表示装置58の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置58は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。表示画面は1つであるが、複数(例えば3つ)の変動表示領域を有するとみることができ、各変動表示領域には、識別情報として割り当てられた特別図柄が変動表示(可変表示)して特図変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当たり表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
センターケース300の左側方には、普通図柄始動ゲート53が設けられている。表示領域51の左下側および右下側には、それぞれ3つの一般入賞口32,33が配置されている。また、センターケース300の下方には、始動入賞口34を有する開閉可能な普通変動入賞装置35が配設されている。さらに、普通変動入賞装置35の下方には、表示装置58におけるゲーム結果に応じて遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)36が配設されている。また、遊技領域51の外側、遊技盤105の右下隅には特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームを実行する変動表示器37が設けられている。
本実施形態の遊技機100では、図示しない発射装置から遊技領域51に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域51内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域51を流下し、普通図柄始動ゲート53、一般入賞口32,33、始動入賞口34、又は特別変動入賞装置36に入賞するか、遊技領域51の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。
なお、始動入賞口34の状態には、普通変動入賞装置35の開閉によって、遊技球が入賞しやすい状態と遊技球が入賞しにくい状態とがある。通常、普通変動入賞装置35は閉状態であり、始動入賞口34は、遊技球が入賞しにくい状態にされている。普通図柄始動ゲート53を遊技球が通過することによって、普図変動表示ゲームが実行され、普図変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、普通変動入賞装置35が開状態に変換され、始動入賞口34は遊技球が入賞し易い状態となる。
始動入賞口34への遊技球の入賞は始動口スイッチ34a(図3参照)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された乱数値は、遊技制御装置200(図3参照)のRAM内の始動記憶領域に始動入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この始動入賞記憶の記憶数は、表示装置58の始動入賞記憶数表示部に表示される。遊技制御装置200は、始動入賞記憶に基づいて、変動表示器37にて特図変動表示ゲームを行う。また、この特図変動表示ゲームと並行して、演出制御装置130が、遊技制御装置200からのコマンドに基づいて、表示装置58にて飾り特図変動表示ゲーム(以下特に断らない限りこれを変動表示ゲームと称する)を行う。
具体的には、始動入賞口34に遊技球の入賞があると、表示装置58では、前述した数字等で構成される特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。つまり、表示装置58では、始動入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別変動表示ゲームが行われ、興趣向上のために多様な表示を演出する。
始動入賞口34への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当たり乱数値が当たり値であるとき)には飾り特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当たり状態となる。具体的には、表示装置58の特別図柄入賞記憶表示部では、当たり図柄である一桁の特別図柄で停止して、表示装置58は、三つの特別図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置36は、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れやすい開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置36を所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開かせて、この間に遊技者は多くの賞球を獲得することができるという特典が付与される。
特別変動入賞装置36への遊技球の入賞は、カウントスイッチ36a(図4参照)によって検出される。普通図柄始動ゲート53への遊技球の通過は、普図始動ゲートスイッチ53a(図3参照)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置200内の普図記憶領域に普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この普図入賞記憶の記憶数は、表示装置58の図示しない普図入賞記憶数表示部に表示される。
普図入賞記憶があると、遊技制御装置200は、普図入賞記憶に基づいて特図/普図変動表示部37で普図変動表示ゲームを開始する。すなわち、普通図柄始動ゲート53への通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普図乱数カウンタ値が当たり値であるときには)には、普図変動表示部37に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置35はソレノイドへの通電により、始動入賞口34への入口が所定の時間だけ大きく開放するように変換され、遊技球の始動入賞口34への入賞確率が高くされる。
このようにして、一般入賞口32,33、始動入賞口34、又は特別変動入賞装置36に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出制御装置120(図3参照)によって制御される球払出装置から、前面枠104の上皿109又は下皿111に排出される。
次に、上記のような構成を有する遊技機100の裏面に設けられる制御システムについて、図3を用いて説明する。図3に示すように、遊技機100の制御系は、表示装置58において行われる変動表示ゲームを統括的に制御する遊技制御手段としての遊技制御装置200と、この遊技制御装置200からの排出制御指令に基づいて球払出装置を制御して賞球等の排出を行う排出制御装置120と、遊技制御装置200からの演出制御指令に基づき表示装置58における変動表示ゲームの演出の制御を行う演出制御手段としての演出制御装置130とを備えている。
遊技制御装置200は、CPU231やROM232、RAM233などを有する遊技用ワンチップマイコン230を備えるとともに、入力インタフェース(入力I/F)241、出力インタフェース(出力I/F)242、外部通信端子243等により構成されている。
遊技用ワンチップマイコン230は、内部のCPU231が制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数や大当たりの図柄を決定するための大当たり図柄用乱数、変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数などの各種乱数値なども生成している。
遊技用ワンチップマイコン230の内部のRAM233には、遊技領域の入賞口や入賞装置に設けられた検出スイッチのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU231の作業領域等を備えている。遊技用ワンチップマイコン230の内部のROM233には、遊技上の制御プログラムや制御データが格納されている他、上述の各種乱数値に対応して、各特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための大当り判定値、大当りの図柄を決定するための大当り図柄判定値、変動パターンを決定するための変動パターン判定値などが記憶されている。また、普図変動表示ゲームの当たり判定値、普図変動表示ゲームの変動パターン(変動態様)も記憶されている。
また、入力インタフェース241には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動口スイッチ34a、普図始動ゲートスイッチ53a、カウントスイッチ36a、入賞口スイッチ32a,…、33a……、前面枠101の開放状態を検出する枠開放スイッチ114などが接続されている。そして、入力インタフェース241は、これらのスイッチから入力された各種信号を中継し、遊技用ワンチップマイコン230に対し供給する。
また、遊技用ワンチップマイコン230から出力される各種の制御信号や駆動信号は出力インタフェース242から、図示しない出力ポート及びドライバを介して、普通変動入賞装置35の開閉ソレノイド35a、特別変動入賞装置36の大入賞口開閉ソレノイド36a、特図/普図表示器37の駆動制御信号や遊技機外部の管理装置などへ情報を出力するための信号が外部情報端子60へ出力される。さらに、センターケース300に設けられる後述の遊技状態表示器343、払出制御装置120、演出制御装置130に対して遊技用ワンチップマイコン230から出力される信号も出力インタフェース242を介して出力される。243はテスト用の外部通信端子である。
演出制御装置130は、演算処理用CPU131、ROM132、RAM133等を備えるとともに、通信インタフェース(通信I/F)134、入出力インタフェース(入出力I/F)135を備えている。また、画像や映像データが記憶された画像ROM136、CPU131に代わって画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのGDP(Graphic Display Processor)137、音声データが記憶された音ROM、音の出力を制御する音LSIを備えている。
この演出制御装置130は、通信インタフェース134を介して遊技制御装置200から受信した各種信号や演出制御データ(各種コマンドなど)に基づいて遊技の演出の制御を行う。また、この実施形態では、センターケース300に設けられた演出ゲートスイッチ356からの信号が演出制御装置130に入力され、演出制御装置130はこの信号に基づいて表示装置58でのランクアップの演出制御を行うようになっている。
また、遊技制御装置200、排出制御装置120および演出制御装置130には、電源供給装置(図示略)から電力が供給されるようになっており、電源供給装置には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源が設けられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
さらに、CPU131から出力される各種の制御信号が入出力インタフェース135を介して図示しない出力ポート及びドライバへ供給され、スピーカ141や装飾装置106、センターケース300に設けられる状態報知ランプ357が点灯駆動される。また、センターケース300に設けられた演出ゲートスイッチ356や遊技機前面の演出ボタンスイッチ113aからの検出信号が入出力インタフェース135を介してCPU131へ入力されるようになっている。なお、演出制御装置130には、スピーカ141を駆動する音声の制御に関する制御信号をCPU131に代わって生成する音声合成LSIを設けても良い。
次に、センターケース300の実施例について、図4〜図6を用いて説明する。図4はセンターケース300の組立状態を示す斜視図、図5はセンターケース300を分解した状態を示す分解斜視図、図6はセンターケース300を垂直方向の面で切断して内部構造を示す正面断面図である。
本実施例のセンターケース300は、前方が開放された奥壁に表示装置58の表示面が臨む窓部311を有する凹室状の包囲枠体310と、包囲枠体310の内側左上隅から奥部にかけて蛇行するように配置される特別ワープ通路320と、包囲枠体310の内側左上隅から上端奥部に配置される装飾部材340と、包囲枠体310の内側下端奥部に前記特別ワープ通路320の出口と連続するように配置される第1ステージ部材350と、包囲枠体310の両側壁に沿って配置される一対の通常ワープ通路360A,360Bと、包囲枠体310の内側下端開口側に配設される第2ステージ部材370と、ビーム発射装置を模した補助演出部品380を備える。
上記包囲枠体310には、前部開口端に沿って遊技盤の表面に接合される取付けプレート312と、開口端の上側部分から両側部にかけて前方へ突出するように形成された鎧部材313と、上記特別ワープ通路320および通常ワープ通路360A,360Bの入り口が臨むように鎧部材313の対応する位置にそれぞれ形成された切り欠き314a,314b,314cとが設けられている。また、上記取付けプレート312には、上記特別ワープ通路320の入り口としての切り欠き314aに対応して、ワープ入り口があることを示す切り欠き316が形成されている。
上記特別ワープ通路320は、切り欠き314aに始端が位置し緩やかに傾斜して後方へ向かう導入通路部321と、該導入通路部321から包囲枠体の奥壁に沿って緩やかに傾斜して右方へ向かう冗長通路部322と、該冗長通路部322の右端から折り返して包囲枠体の奥壁に沿って緩やかに傾斜して左方へ向かう折返し通路部323と、該折返し通路部323の左端からほぼ垂直下方へ向かう垂直通路部324とからなる。
垂直通路部324の下端には、流入した遊技球を上記第1ステージ部材340に向けて流下させるワープ出口325が設けられている。また、特に限定されるものではないが、この実施例では、上記折返し通路部323は表示装置58の表示面の上部を横切るように配置されるため、各通路のうち少なくとも折返し通路部323は、透明部材で形成されて、表示装置(58)に表示される画面が見えなくならないようにされている。
装飾部材340は、上方から見たときにL字状をなすように形成され、短い部分341はその先端が上記特別ワープ通路320の入り口に位置し包囲枠体310の上壁と側壁との境界部分に沿って前方から後方へ向けて配置されている。また、装飾部材340は、短い部分341の内部にランプ343が内蔵されている。
そして、短い部分341の内蔵ランプ343は一定時間内に特別ワープ通路320に飛び込んだ遊技球の数が所定数以下の場合に点灯駆動される遊技状態表示器として機能する。特別ワープ通路320に遊技球が飛び込むと、後述のように演出ゲート356を通過して演出を変更する特別の権利が付与され遊技が面白くなるので、このランプ343の点灯により、特別ワープ通路320の入り口を狙って打球発射装置の操作部112を操作するように遊技者に促す効果がある。すなわち、遊技者に対して特定領域への遊技球の流入を期待感を持って注視させることができるとともに、特定領域へ遊技球させようと遊技に集中させることができ、興趣の高い遊技機を実現することができる。
第1ステージ部材350は、前壁351と、該前壁351の上部に形成され中央と左右両端が高く盛り上がった波状のステージ部352と、該ステージ部352の前端に沿って上方へ起立した起立壁353と、ステージ部352の中央に形成された球1つ通過可能な切り欠き部354と前壁351の中央に形成された開口部とを連通する特定領域としての連通路355と、該連通路355の途中に設けられ切り欠き部354より流入した遊技球を検出する演出タイミング検出用のゲートスイッチ356とを備える。
また、第1ステージ部材350は、前壁351の中央やや左より設けられた楕円形の収納凹部に内蔵され始動入賞記憶数が上限値に達している間点灯されるLEDからなる状態報知ランプとしてのオーバーフローランプ357と、該ランプの前方を覆う半透明のカバープレート358を備える。上記ステージ部352の中央部両側の最も低くなっている位置に対応して起立壁353には、切り欠き353a,353bが設けられており、特別ワープ通路320よりステージ部352上に誘導された遊技球はその大部分は中央の切り欠き部354へ流入するものの、一部は起立壁353に形成されている切り欠き353a,353bを通って前方の第2ステージ部材370上へ落下するように構成されている。このような構成により、特別ワープ通路320に飛び込んだ遊技球による演出ゲームの進行にランダム性を付与して遊技の興趣を高めることができる。
通常ワープ通路360A,360Bは、それぞれ逆L字状なすように形成され、上側の水平部361は包囲枠体310の側壁に沿って配置され、垂直部362は包囲枠体310の奥壁に沿って配置される。そして、水平部361の前端には外側を向くようにそれぞれワープ入り口363が形成され、垂直部362の下端には内側を向くようにそれぞれワープ出口364が形成されている。通常ワープ通路360A,360Bに流入した遊技球は、中央と左右両端が少し盛り上がった波状の第2ステージ部材370上へ流出するように誘導される。
次に、上記のように構成されたセンターケース300を用いた変動表示ゲームの制御の一例を説明する。
始動記憶が上限値に達するとオーバーフローランプ357が点灯される。この状態で、変動表示ゲームが実行されている間に、特別ワープ通路320に飛び込んだ遊技球が第1ステージ部350上に流出し中央の切り欠き部354より流入して演出ゲートスイッチ356によって検出されると、大当りを価値の高い状態に発展(ランクアップ)させる権利が付与され、表示装置58の画面上には図25(a)に示すように、プレミアチケットを表わすアイコンPTが出現する表示が行われる。なお、同一変動表示ゲーム中に複数の遊技球が演出ゲートスイッチにより検出されると、複数のチケットが付与され、その獲得チケットは画面に右下に累積的に表示される。
そして、このプレミアチケットが表示されると、その変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、実行中の変動表示ゲームが価値の低い大当り図柄(例えば、通常図柄)で停止表示し、その後ラウンド切替え時に図27(f)のようにチケットの消化で通常大当りから確変大当りに昇格したり、図27(h)のようにチケットの消化で10ラウンド大当りから15ラウンド大当たりに昇格するような演出を行う。
上記のような制御を行うことで、始動記憶が上限値に達しても遊技球が特定領域(演出ゲート)を通過するという所定の条件の成立でチケットを付与し、その後実行される変動表示ゲームおよび特別遊技状態で獲得したチケットに応じた演出を行うことにより、止め打ちが実行されがちな状況において、止め打ちを行わない方が有利であると遊技者に認識させることができ、それによって止め打ちの発生を極力防止することができるようになる。
なお、実際に上記のような利益を遊技者に与えると遊技場にとっては不利益になるので、始動入賞の際に抽出した乱数に対応した遊技価値のランクよりも低いランクの遊技価値を明示(報知)して、途中でチケットの消化によってもともと乱数によって予定されていたランクの遊技価値にランクアップしたように明示(報知)することで、見かけ上だけ遊技者が得をしたような演出を行うことにより遊技場にとっては実質的な不利益を被らないようにして、遊技機の稼働率を高めることができるようにすることが可能になる。
次に、遊技制御装置200によって行われる制御の具体的な手順について説明する。遊技制御装置200は、遊技に関する処理として、主に図7(A)に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われる図7(B)に示すタイマ割込み処理とを行う。
メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。図7(A)に示すように、メイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、電源投入時の初期化処理(ステップS101)を行い、そして、停電復旧処理(ステップS102)を行う。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、割込みタイマを起動する処理(ステップS103)を行って、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。次に、割込みを禁止する処理(ステップS104)を行い、大当たり判定用乱数などの乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS105)を行う。その後、割込みを許可する処理(ステップS106)を行う。
そして、RAM233の停電検査領域をチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS107)を行う。なお、停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断されたときに所定のチェックデータが設定されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。
停電が発生したか否かの判定(ステップS107)において、停電が発生していない場合(N=No)は、上述の割込みを禁止する処理(ステップS104)に戻り、以降、電源の遮断がなければ割込みを禁止する処理(ステップS4)から停電が発生したか否かの判定(ステップS107)を繰り返す。一方、停電が発生したか否かの判定(ステップS107)において、停電が発生した場合(Y=Yes)は、停電時処理(ステップS108)を行う。
この停電時処理(ステップS108)では、まず、割り込みを禁止する処理を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理を行い、停電検査領域をクリアする処理を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM233の電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM233へのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。
上記のように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAM233に記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。なお、停電発生の直後は、バックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
次に、CPU230によるタイマ割込み処理について説明する。図7(B)に示すように、タイマ割込み処理においては、まず、レジスタのデータを待避する処理(ステップS1)を行う。次に、各種センサ(普図始動ゲートスイッチ53a、カウントスイッチ36a、入賞口スイッチ32a,33a,…、センターケースの通過ゲートスイッチ326、演出ゲートスイッチ356、上皿の演出ボタンスイッチ113a、ガラス枠開放スイッチ114)からの入力を処理する入力処理と、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド36a、普電開閉ソレノイド35a、流下規制ソレノイド331)等のアクチュエータおよび特図/普図表示器37、センターケースの遊技状態表示器343、始動入賞記憶のオーバーフローランプ357の駆動制御を行うための出力の処理を行う出力処理(ステップS2)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置40等に出力するコマンド送信処理(ステップS3)、特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための大当たり判定用乱数等を更新する乱数更新処理1(ステップS4)を行う。続いて、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの当たり図柄を判定するための当り図柄等の初期値乱数の更新(ステップS5)、表示装置58において実行される飾り特図変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数等の更新(ステップS6)を行う。
続いて、始動口スイッチ34a、一般入賞口スイッチ32a,33a,カウントスイッチ36aから信号の入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)の監視を行う入賞口スイッチ監視処理(ステップS7)、検出信号の監視を行うエラー監視処理(ステップS8)を行う。
その後、始動入賞口スイッチと普図始動ゲートスイッチの検出信号に基づき特図/普図表示器37と表示装置58による特図変動表示ゲームに関する特図ゲーム処理(ステップS9)、普図変動表示ゲームに関する普図ゲーム処理(ステップS10)を行う。続いて、遊技機100に設けられ、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDに関する処理を行うセグメントLED編集処理(ステップS11)を行う。それから、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理を行う外部情報編集処理(ステップS12)、割込み終了宣言をする処理(ステップS13)を行った後、待避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS14)、割込みを許可する処理(ステップS15)を行い、タイマ割込み処理を終了する。
図8には、上記タイマ割込み処理中のステップS19で実行される特図ゲーム処理の手順が示されている。
特図ゲーム処理では、始動口監視処理S50を実行した後、特図ゲーム処理番号を取得(ステップS60)し、特図ゲーム分岐処理S70および特図変動制御処理S90を実行する。特図ゲーム分岐処理S70は処理番号に応じて処理を振り分ける処理であり、これについては図16を用いて後に説明する。特図変動制御処理S90は、特図/普図表示器37において行う特図変動ゲームを制御するための処理である。
次に、上記特図ゲーム処理中のステップS50で実行される始動口監視処理の具体的な手順の一例を、図9のフローチャートを用いて説明する。
この処理では、先ずセンターケース300の下方に中央に設けられている始動口34のスイッチ34aがオンしているか否かを判定する(ステップS51)。オンしていないと判定したときは、当該始動口監視処理を抜けて図8の特図ゲーム処理へ戻る。
一方、ステップS51で始動口スイッチ34aがオンしていると判定した場合には、次のステップS52へ進んでRAM233内から始動記憶数を取得し、ステップS53で始動記憶数が上限数(例えば4個)に達しているか否か判定する。ここで、上限数に達していなければ次のステップS54で始動記憶を更新(+1)し、大当り乱数や大当り停止図柄乱数、演出用乱数(変動パターン乱数)などの各種乱数値を、記憶領域の各始動記憶に対応する記憶領域に記憶する始動記憶処理(ステップS55)を実行してからステップS56へ移行する。
ステップS56では、演出制御装置130へ始動記憶数を知らせる記憶数コマンドを送信するようにセットしてから、事前判定処理(ステップS57)を実行する。また、ステップS53で始動記憶数が上限数に達していると判定した場合にはステップS58へジャンプして、演出制御装置130へオーバーフローを知らせるオーバーフローコマンドを送信するようにセットして、当該始動口監視処理を抜けて図8の特図ゲーム処理へ戻る。本実施例では、始動口が1つであるが、複数の始動口を有する遊技機においては、それぞれの始動口へ入賞した数を合計した数を記憶するように構成しても良い。
図10には、図9の始動口監視処理中のステップS57で実行される事前判定処理の詳しい手順が示されている。
この事前判定処理では、先ずステップS571でRAM内に格納されている始動記憶数を取得し、次のステップS572で始動記憶数に基づいて始動記憶領域にある最新の記憶領域を知りその領域から大当り乱数値を取得する。その後、現在の遊技状態が大当たりが発生し易い確率変動状態であるか通常の確率状態であるかを示す確率状態フラグを取得し、確率状態に応じた判定値(判定テーブル)を設定する(ステップS573,S574)。
続いて、この判定値を用いてステップS572で取得した乱数が大当りか否か判定する(ステップS575)。ここで、大当りでないと判定した場合には、次のステップS576で外れ時の事前判定テーブルを判定用のテーブルとして設定してからステップS578へ移行し、ステップS575で大当りと判定したときはステップS577で大当たり時の事前判定テーブルを判定用テーブルとして設定してステップS578へ移行する。
ここで、外れ時テーブルは図11(A)のように「リーチなし」の選択確率が比較的高く設定されているテーブルであり、大当たり時テーブルは図11(B)のように「リーチなし」がなく複数のリーチ変動の選択確率が設定されているテーブルである。なお、事前判定の段階で使用される図11の各テーブルにおける変動パターンは、大雑把に分けられた変動パターンであり、実際の変動開始時に使用される判定テーブルは変動パターンがさらに細かく分けられている。
ステップS578では、始動記憶数に基づいて始動記憶領域にある最新の記憶領域から演出用乱数値(変動パターン用乱数)を取得する。そして、取得した乱数とステップS576またはS577で設定されたテーブルとを使用して、変動パターン(の概要)を指定する先読み演出コマンドを決定してから、演出制御装置130へ先読み演出コマンドを送信するように設定して、当該事前判定処理から抜ける(ステップS579,S580)。
図12には、図8の特図ゲーム処理中のステップS70で実行される特図ゲーム分岐処理の手順が示されている。
特図ゲーム分岐処理は、図12に示されているように、制御処理を合理的に進行させるために設けた前述の処理番号を調べて、処理番号に応じて処理を振り分けるもので、処理番号が「0」のときは特図普段処理(ステップS71,S72)、処理番号が「1」のときは特図変動ゲームを開始させる特図変動開始処理(ステップS73,S74)をそれぞれ行う。なお、特図普段処理については図13のフローチャートを用いて後で説明する。
また、処理番号が「2」のときは変動中の図柄の更新や図柄を仮停止した後に再変動させるなどの制御を行う特図変動中処理(ステップS75,S76)、処理番号が「3」のときは特図変動ゲームにおいて最終的な図柄の停止タイミングを設定したりする特図表示中処理(ステップS77,S78)をそれぞれ行う。なお、停止図柄がはずれ図柄のときは、特図表示中処理の最後に処理番号が「0」に設定され、図12の特図ゲーム分岐処理から抜け出す。
さらに、処理番号が「4」のときは大当り発生時に効果音や照明ユニット107の発光駆動、所定のインターバル(例えば1秒)を挟んだ特別変動入賞装置36(大入賞口)の複数回の開放動作処理などを行うファンファーレ/インターバル処理(ステップS79,S80)、処理番号が「5」のときは大入賞口開放中処理(ステップS81,S82)、処理番号が「6」のときは特別変動入賞装置36内に入賞球が残っていないか判定する大入賞口残存球処理(ステップS83,S84)、処理番号が「7」のときは大入賞口ソレノイドやランプの点灯停止、効果音の発生停止、大当りフラグのクリア等を行う大当り終了処理(ステップS85,S86)をそれぞれ行う。
次に、図12の特図ゲーム分岐処理中のステップS72で実行される特図普段処理の具体的な手順の一例を、図13のフローチャートを用いて説明する。
特図普段処理では先ずRAM内の始動記憶すなわち始動入賞口31への始動入賞記憶が「1」以上あるか否か判定する(ステップS721)。始動記憶が「1」以上のときはステップS722へ進んで始動記憶領域の最先の記憶の大当り乱数値をRAMから読み出す(取得する)。また、現在の遊技状態が大当たりが発生し易い確率変動状態であるか通常の確率状態であるかを示す確率状態フラグを取得し、確率状態に応じた判定値(判定テーブル)を設定する(ステップS723,S724)。
続いて、この判定値を用いてステップS722で取得した乱数が大当り乱数か否か判定する(ステップS725)。ここで大当りと判定した場合には、次のステップS726で大当りを示すフラグをセットしてから、該当する記憶消化領域の最先の記憶の大当り図柄乱数を取得する(ステップS727)。その後、取得した大当り図柄乱数に基づいて停止図柄を設定する(ステップS728)。
そして、次のステップS729で停止図柄が確率変動に対応した図柄であるか否か判定して、確率変動図柄であったときはステップS730で確率状態フラグを設定してからステップS731へ移行し、確率変動図柄でなかったときはフラグを設定せずにステップS731へ移行する。一方、ステップS725で大当りでないと判定したときは、ステップS732でハズレ図柄を設定してからステップS731へ移行する。
また、ステップS721の判定で始動記憶が無かったときは、ステップS733へジャンプして客待ちデモ表示を行うことを示すフラグがセットされているか否か判定し、フラグがセットされているときは、何もせずにそのまま当該特図普段処理から抜ける。また、フラグがセットされていないときは、ステップS734で客待ちデモ表示フラグをセットしてから、演出制御装置130へ客待ちデモ表示を行うことを指令するコマンドを送信するように設定して、当該特図普段処理から抜ける(ステップS735)。
次に、上記特図普段処理に続いて、図12の特図ゲーム分岐処理中のステップS74で実行される特図変動開始処理の具体的な手順の一例を、図14のフローチャートを用いて説明する。
特図変動開始処理では、先ず大当りフラグがセットされているか否か判定する(ステップS741)。ここで、大当りフラグがセットされていないと判定したときは次のステップS742で変動パターン決定用のテーブルとして外れ時テーブルを設定してからステップS744へ移行し、ステップS741で大当りフラグがセットされていると判定したときはステップS743で変動パターン決定用のテーブルとして当たり時テーブルを設定してステップS744へ移行する。ここで使用されるテーブルは、前述したように、図11に示されているテーブルよりも変動パターンが細分化されているテーブルであり、当たり時テーブルは図11(A)と同様にノーマル変動の選択確率が比較的高く設定され、当たり時テーブルは図11(B)と同様にノーマル変動がなく複数のスペシャルリーチ変動の選択確率が設定される。
ステップS744では、RAM内の始動記憶領域にある最先記憶(記憶消化領域の始動記憶)の演出用乱数を取得し、次のステップS745で該演出用乱数に対応する変動パターンを判定テーブルを使用して選択し、選択した変動パターンを指定するコマンドを演出制御装置130へ送信するように設定を行う(ステップS746)。その後、停止図柄に対応する図柄指定コマンドを送信するように設定を行い(ステップS747)、始動入賞の記憶領域のシフト(ステップS748)、特図始動記憶数の減算(ステップS749)、記憶数の送信コマンドの設定(ステップS750)を行なって特図変動開始処理を終了する。なお、大当りの種類が複数ある場合には、ステップS747における図柄指定コマンドの設定では、「外れ」、「通常5R当たり」、「通常10R当たり」、「通常15R当たり」、「確変5R当たり」、「確変10R当たり」、「確変15R当たり」を識別できるコマンドを設定し送信するようにするのがよい。
次に、演出制御装置130による制御について説明する。
制御演出制御装置130による制御は、図15に示すように、すべて遊技制御装置200からのコマンドに従って実行するようになっており、演出制御装置130は、電源が投入されると内部を初期化した後にコマンド待ちになり、以後は受信したコマンドの種類に応じた処理を行なう。遊技制御装置200から演出制御装置130へ送られるコマンドには、電源投入コマンド、停電復旧コマンド、客待ちデモコマンド、変動パターンコマンド、先読み演出コマンド、特図保留数コマンド、ファンファーレコマンド、ラウンド数コマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンドなどがある。
制御演出制御装置130によって行われる制御処理は、遊技制御装置200と同様に、図16(A)に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われる図16(B)に示すタイマ割込み処理とに分けられる。
メイン処理では、図16(A)に示すように、電源投入時の初期化処理(ステップS21)、各種タイマを起動するタイマ起動処理(ステップS22)を行なった後、メインループ処理を行う。このループの処理では、割り込み処理で受信した遊技制御装置200からのメインコマンドを解析して確定させるメインコマンド解析処理(ステップS23)、変動表示ゲームの進行を制御するゲーム管理処理(ステップS24)、ゲームの進行に合わせた表示や客待ちデモ表示等を表示装置58において実行させるための表示制御を行う表示制御処理(ステップS25)、スピーカ141を駆動して大当りした際のファンファーレ等の効果音を発生させる音制御処理(ステップS26)、装飾装置106を所望のパターンで点灯駆動する装飾制御処理(ステップS27)、遊技制御装置200から枠開放検出や球排出異常等のエラーコマンドを受信したときに装飾装置106を点灯させるなどの異常時の処理を実行するエラー監視処理(ステップS28)、演出用の乱数等を更新する乱数更新処理(ステップS29)を繰り返し実行する。
図16(B)のタイマ割込み処理においては、タイマ更新処理(ステップS31)、演出ゲートスイッチ356、上皿の演出ボタンスイッチ113a等のセンサからの入力を処理する入力処理(ステップS32)と、状態報知ランプ(オーバーフローランプ)357等の駆動制御を行うための出力の処理を行う出力処理(ステップS33)、遊技制御装置200からのコマンドを受信するコマンド受信処理(ステップS34)を行う。
図17には、例えば図16(A)のメイン処理中のメインコマンド処理S23の中で実行される先読み演出制御処理の具体的な手順の一例が示されている。
この先読み演出制御処理では、受信したコマンドが記憶数コマンドであるか否か判定し、記憶数コマンドであったときはコマンドに応じてRAM133内に設けられている始動記憶数領域の記憶数を更新する(ステップS231,S232)。また、ステップS231で記憶数コマンドでないと判定したときはステップS233へジャンプする。ステップS233では、受信したコマンドが先読み演出コマンドであるか否か判定し、先読み演出コマンドであったときはさらにそのコマンドが例えばスペシャルリーチSP2のような所定のリーチを指示するコマンドであるか否かを判定する(ステップS234)。
スペシャルリーチSP2でないときはステップS235へ進んで、現在の始動記憶数に対応する記憶表示の変化フラグをセットする。この変化フラグがセットされることで、例えばメイン処理中の表示制御処理S25の中で対応する始動記憶表示の表示色を変更する等の処理を行わせることができる。ステップS234でスペシャルリーチSP2であると判定したときはステップS236へ移行して、始動記憶数が「2」よりも大きいか否か判定する。そして、「2」よりも大きいときはステップS237へ進んで連続予告フラグをセットする。一方、始動記憶数が「2」よりも小さいときは上記ステップS235へ移行して現在の始動記憶数に対応する記憶表示の変化フラグをセットする。なお、ステップS237で連続予告フラグをセットする。
次に、図16(A)のメイン処理中のステップS24で実行されるゲーム管理処理の具体的な手順の一例を、図18のフローチャートを用いて説明する。
この処理が開始されると、先ず制御処理を合理的に進行させるために設けた処理番号が「0」か否かを判定する(ステップS241)。処理番号を格納する領域は、RAM133内もしくはCPU131のレジスタに設けることができる。なお、処理番号のデフォルト値、すなわち図16(A)のメイン処理の初期化処理S21による初期化で設定される処理番号は「0」である。
ステップS241で処理番号が「0」でないと判定したときはステップS243へジャンプし、処理番号が「0」であると判定したときは変動開始処理S242を実行してからステップS243へ進む。ステップS243では、処理番号が「1」か否かを判定し、処理番号が「1」でないと判定したときはステップS245へジャンプし、処理番号が「1」であると判定したときは変動中処理S244を実行してからステップS245へ進む。
ステップS245では、処理番号が「2」か否かを判定し、「2」でないと判定したときはステップS247へジャンプし、処理番号が「2」であると判定したときは変図柄停止処理S246を実行してからステップS247へ進む。ステップS247では、処理番号が「3」か否かを判定し、「3」でないと判定したときはステップS249へジャンプし、処理番号が「3」であると判定したときはファンファーレ/インターバル処理S248を実行してからステップS249へ進む。
ステップS249では、処理番号が「4」か否かを判定し、「4」でないと判定したときはステップS251へジャンプし、処理番号が「4」であると判定したときは大入賞口開放中処理S250を実行してからステップS251へ進む。ステップS251では、処理番号が「5」か否かを判定し、「5」でないと判定したときはステップS253へジャンプし、処理番号が「5」であると判定したときは大入賞口残存球処理S252を実行してからステップS253へ進む。
ステップS253では、処理番号が「6」か否かを判定し、「6」でないと判定したときはステップS255へジャンプし、処理番号が「6」であると判定したときは大当り終了処理S254を実行してからステップS255へ進む。ステップS255では、権利状態制御処理を実行して当該ゲーム管理処理から抜けてメイン処理へ戻る。なお、本発明の特徴である変動表示ゲーム(大当りの場合)実行中に、遊技者に付与されたプレミアチケットによってゲームのランクアップを示す表示制御は、ステップS248のファンファーレ/インターバル処理からステップS252の大入賞口残存球処理まで(符号#Aの間)のどこかで実行すれば良い。
図19には、例えば図18のゲーム管理処理中のステップS242で実行される変動開始処理の具体的な手順の一例が示されている。
この変動開始処理では、先ずステップS421で変動開始の条件となるコマンド(変動パターンコマンドおよび停止図柄指定コマンド)を受信しているか否か判定し、受信していなければ何もしないで当該処理から抜け、受信していたときはステップS422へ進む。ステップS422では、受信した停止図柄指定コマンドに基づいて当該変動表示ゲームの結果が大当りか外れかを判定し、対応する選択テーブルを用いて変動パターンコマンドに応じた具体的な変動パターンを選択して設定する。次に、設定された変動パターンがリーチ変動かノーマル変動かを判定する(ステップS423)。そして、リーチ変動でないときはステップS425へジャンプし、リーチ変動であったときは次のステップS424で前述したチケットを獲得期間にあることを示す権利獲得期間フラグをセットしてステップS425へ進む。この権利獲得期間フラグは、後で説明する図23の権利状態制御処理の中でチケット獲得処理の際に参照される。
ステップS425では、ステップS422で設定された変動パターンに応じた変動時間を設定してから、価値付与情報としての停止図柄指定コマンドに応じて停止図柄を設定する(ステップS426)。その後、設定された図柄が大当り図柄か否か判定し、大当り図柄でないときはステップS429へジャンプし、大当り図柄であったときは次のステップS428で大当りフラグをセットしてステップS429へ進む。そして、ステップS429では、変動開始フラグをセットし、次のステップS430で処理番号を「1」に更新して当該変動開始処理から抜ける。
なお、本実施形態では、ステップS423において設定された変動パターンがリーチ変動かノーマル変動かを判定しているが、いわゆる連続予告の実行中か否かを判定し、連続予告の実行中であれば権利獲得期間フラグをセットするようにしても良い。これにより、チケットの出現によって遊技者は、実行している変動表示ゲームがリーチ変動であることあるいは連続予告中であることを知ることができるようになる。
また、権利獲得期間は、1回の変動期間に再抽選が行われない変動表示ゲーム(いわゆる仮停止、再変動を行うものも含む)にあっては変動開始時点から変動終了時点までとし、1回の変動期間に再抽選が行われる変動表示ゲームにあっては、図20に示すように、前期、中期、後期と分けた場合、変動図柄が仮停止して再抽選が開始される前の変動パターンの差し替えがきく前期と中期の間に設定されるように構成するのが望ましい。なお、ここで再抽選とは見かけ上(表示画面上)の再抽選であって、制御装置内部で実際に再抽選(乱数の再取得)が行われるわけではない。従って、制御装置にとっては、「再抽選」は「再変動」のことである。
図21には、図18のゲーム管理処理中のステップS244で実行される変動中処理の具体的な手順の一例が示されている。
この変動中処理においては、先ず再抽選変動を含む図柄の表示位置を変更する更新処理を行う(ステップS441)。次に、前記権利獲得期間の終了タイミングか否か判定(ステップS442)をして、終了タイミングでなければステップS449へジャンプし、残り変動時間が「0」でなければ当該変動中処理から抜ける。また、終了タイミングであれば、次のステップS443へ進んで権利獲得期間フラグをクリアしてから、大当りフラグがセットされているか否か判定する(ステップS444)。
ここで、大当りフラグがセットされていなければステップS449へジャンプし、大当りフラグがセットされていれば次のステップS445でランクアップカウンタの値が「0」よりも大きいか否か判定する。ランクアップカウンタは、図22のフローチャートのステップS560で、変動表示ゲーム中に演出ゲートを遊技球が通過したときにカウントアップされるカウンタである。このカウンタの値が1以上(この実施例では1または2)のときは、遊技者にプレミアチケットが与えられていることを意味している。
ステップS445でランクアップカウンタの値が「0」よりも大きくないと判定するとステップS449へジャンプし、ランクアップカウンタの値が「0」よりも大きいと判定すると次のステップS446で、図24に示すような再設定テーブルを参照して、価値付与情報としての抽選結果(通常5ラウンド当り等)と変動パターン、ランクアップカウンタの値(チケット枚数)に応じた設定用データを取得する。そして、この設定用データに基づいてメイン処理中の表示制御処理で変動表示を行うように内部の情報設定(ステップS447)を行なった後、図柄更新態様変更処理(ステップS448)を行なう。この図柄更新態様変更処理は、停止図柄に変更があった場合に、図柄の更新数や変動時間値(変動速度)等を調整して所定の時間内に変動表示ゲームが収まるようにする処理である。
その後、ステップS449で残り変動時間が「0」か否か判定し、「0」でなければ当該変動中処理から抜ける。また、残り変動時間が「0」のときは、次のステップS450で所定の停止図柄で図柄を停止させ、ゲーム結果を確定した後、処理番号を「2」に更新して当該変動中処理から抜ける。
図22には、図18のゲーム管理処理中のステップS255で実行される権利状態制御処理の具体的な手順の一例が示されている。
この権利状態制御処理においては、先ず変動開始フラグがセットされているか否か判定する(ステップS441)。ここで、変動開始フラグがセットされていなければステップS554へジャンプし、変動開始フラグがセットされていれば、次のステップS552でランクアップカウンタをクリア、さらにステップS553で変動開始フラグをクリアしてステップS554へ進む。ステップS552でランクアップカウンタをクリアするのは、ある変動表示ゲーム中に獲得したランクアップ権利(プレミアチケット)は、次の変動表示ゲームへ持ち越せないようにするためである。そもそもこの権利は、止め打ちを防止するために設けられたものであり、権利を持ち越せるとするとその効果が低減するためである。変動表示ゲームごとにランクアップ権利である検出記憶を消去することにより、遊技者による止め打ちをより効果的に抑制することができる。
ステップS554では、権利獲得期間フラグがセットされているか否か判定し、権利獲得期間フラグがセットされていれば次のステップS555で始動記憶数が上限値(例えば4個)か否か判定して、上限値であればランクアップ権利を獲得可能な状態であることを報知するために状態報知ランプ357をオンにセット(点灯)させる(ステップS556)。その後、ステップS557で、センターケース300のステージ中央に設けられている演出ゲートスイッチ356から検出信号が入力されたか否か判定する。
ここで、検出信号がなければステップS558〜S561を飛ばして当該権利状態制御処理を抜け、検出信号があると、次のステップS558でそのときのランクアップカウンタの値を取得して、その値が上限値(この実施例では「2」)に達しているか判定する(ステップS559)。そして、上限値に達していればステップS560〜S561を飛ばして当該権利状態制御処理を抜け、上限値に達していなければステップS560へ進んで、ランクアップカウンタの値を更新(+1)した後、ランクアップ権利を獲得したことを示す権利獲得表示フラグをセットして当該権利状態制御処理を抜ける(ステップS561)。
この権利獲得表示フラグは、例えば図16(A)のメイン処理中の表示制御処理S25の中で参照され、表示装置58の画面上にプレミアチケットを表わすアイコンなどを表示させるのに使用される。なお、このフローチャートのステップS557では、演出ゲートスイッチ356からの検出信号の有無を判定することで、変動ゲーム中に遊技球が演出ゲートを通過することをランクアップ権利の発生条件としているが、始動記憶がオーバーフローすなわち始動記憶数が上限値になっている状態でさらに始動入賞が発生した(遊技制御装置200からオーバーフローコマンドを受信した)ことをランクアップ権利の発生条件としてもよい。このようにしても、始動記憶数が上限値になった場合に遊技者が止め打ちをするのを抑制する効果が得られる。
また、図19のステップS424で権利獲得期間フラグをセットしてから、図22のステップS554で当該フラグがセットされているか否か判定して、フラグがセットされていると判定しさらにステップS555で始動記憶数が上限値であると判定されるとステップS556で状態報知ランプ357をオン(点灯)することで、権利獲得期間が開始したことを遊技者に認識させることができる。さらに、図21のステップS442で権利獲得期間終了タイミングになったと判定してステップS443で権利獲得期間フラグをクリアしてから、図22のステップS554で当該フラグがセットされているか否か判定して、フラグがセットされていないと判定するとステップS562で状態報知ランプ357をオフ(消灯)することで、権利獲得期間が終了したことを遊技者に認識させることができる。従って、図19の変動開始処理と図21の変動中処理と図22の権利状態制御処理とによって、特定領域への遊技球の流入を監視するための監視状態を遊技者に認識可能に発生させる監視状態発生手段が構成される。かかる監視状態発生手段を設けることによって、遊技者に対して特定領域への遊技球の流入を期待感を持って注視させることができることができるとともに、特定領域へ遊技球させようと遊技に集中させることができ、興趣の高い遊技機を実現することができる。
図23には、遊技者が獲得したランクアップ権利(プレミアチケット)に基づくランクアップ演出処理の手順の一例が示されている。
この処理では、先ずステップS571でランクアップカウンタの値が「0」か否かを判定し、「0」でなければランクアップのタイミングか否か判定する(ステップS572)。ここで、ランクアップタイミングとしては、特別遊技状態中のラウンド切替え時(特別変動入賞装置が一時閉鎖されるインターバル中)などが適している。そのため、このステップS572でランクアップタイミングであると判定すると、ステップS573へ進んで、ランクアップ演出を実行させるための設定を行う。この処理で設定された情報に基づいて、図16のフローチャートの中の表示制御処理S25で例えば図27に示すようなランクアップ演出が実行される。その後、ランクアップカウンタの値を減算(−1)してランクアップ演出処理から抜ける。
図24には、抽選結果である大当り(遊技価値)として、「通常5R当たり」、「通常10R当たり」、「通常15R当たり」、「確変5R当たり」、「確変10R当たり」、「確変15R当たり」の6種類が用意され、さらに変動パターンの種類として変動中に再抽選を含むものと含まないものとがある遊技機において、獲得したプレミアチケットの枚数(1枚または2枚)に応じて実行する大当りとなる変動表示ゲームの態様およびランクアップ演出態様の具体的な例を示す。なお、図24には示されていないが、この実施形態においては、抽選結果が外れの場合には、プレミアチケットを獲得したとしても図25(b)に示すように、外れ図柄で停止しそのときチケットのアイコンが消滅するような表示制御が行なわれる。
また、図26および図27には、本来の当りが「確変15R当たり」であって変動中に再抽選がある場合で所定の期間内にチケットを2枚獲得した場合のゲームの進行の様子を示す。この場合、変動表示ゲームでは、本来なら図26(b)の通常図柄での仮停止から図26(c)の再抽選表示が開始されて図26(d)の場面では確変図柄で15R大当りが発生すべきものが、本実施形態を適用した場合には、再抽選後に図26(d)に示されているように本来の「確変15R当たり」よりも価値の低い「通常10R当たり」を明示して変動表示ゲームを終了した後、特別遊技状態中の3ラウンド目のラウンド切替え時に、図27(e)のようにランクアップタイムを出現させ、プレミアチケットを1枚消化してあたかも「確変10R当たり」にランクアップしたかのような演出(図27f)を行う。さらに、その後、5ラウンド目のラウンド切替え時に、図27(g)のように再びランクアップタイムを出現させ、プレミアチケットをさらに1枚消化して「+5ラウンド」獲得して、あたかも「確変15R当たり」にランクアップしたかのような演出(図27h)を行う。
上記のように、本実施形態を適用して上記のような演出制御を行なうようにした場合には、様々に変形した変動表示ゲームおよび大当り中制御を行うことができ、遊技の興趣を高めることができるとともに、遊技者に対して特別停止態様の発生に対する期待感を抱かせることができる上、遊技者には止め打ちを行わないでプレミアチケットを獲得すべき打ち続けた方が有利であると認識させることができ、それによって止め打ちの発生を極力防止することができる。
また、再変動演出の実行前に明示される遊技価値として本来の決定遊技価値よりも遊技者にとって価値の低い遊技価値を表示してから本来の決定遊技価値へ変更することで、遊技場に対しては何ら不利益を与えることがないようにすることができ、遊技者及び遊技場の両方が満足感を得ることが可能な遊技機を実現することができる。さらに、複数のランクアップ権利としての検出記憶を記憶し、複数の検出記憶が記憶されている場合には、始動入賞に基づいて決定された決定遊技価値(例えば確変15R大当たり)とは異なる遊技価値(例えば遊技者にとって価値の低い通常10R大当たりや確変10R大当たり)を検出記憶の数だけ明示した後に決定遊技価値(遊技者にとって価値の高い確変15R大当たり)を明示することにより、1回の変動表示ゲームの結果として遊技者に付与される遊技価値が複数回変化(ランクアップ)することになるので、遊技者が抱く期待感をより一層高めることができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、あくまでも例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、大当りとして6種類があり変動パターンの種類として変動中に再抽選を含むものと含まないものとがある場合について説明したが、再抽選の有無の区別がないものや大当りの種類が6種類よりも少ない場合はもちろん6種類よりも多い場合にも適用することができる。また、遊技者が獲得できるランクアップ権利(プレミアチケット)は2つに限定されず3つ以上であっても良い。
なお、遊技者が獲得可能な検出記憶が多くなりすぎると、検出記憶に基づく演出が過度に行われてしまって演出効果が薄れてしまうが、検出記憶の数を制限することにより、演出効果が薄れるのを防止できるとともに、検出記憶の数が遊技価値の種類よりも多いと、検出記憶に基づく演出で価値の高い遊技価値への昇格演出が空振りとなることが発生するが、遊技価値の種類よりも少ない数を上限として検出記憶を記憶することで昇格演出が空振りとなるのを極力防止し、遊技者に不満感を与えるのを回避することが可能となる。
また、実施例では、獲得した権利の数を複数のチケットを表示することで示すようにしているが、チケットの色を例えばシルバーからゴールドに変えて示すようにしても良い。また、権利をチケット以外のアイコン(例えばメダル)であらわすようにしても良い。さらに、前記実施形態では、獲得したチケットの消化によって大当りのランクアップを行なっているが、獲得したチケットの消化によって変動表示ゲームのランクアップ例えばノーマルリーチからスペシャルのリーチへの格上げや再抽選なしの変動表示ゲームを再抽選ありの変動表示ゲームへの格上げを行うように構成しても良い。