JP2010251810A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】InAlGaN半導体を有する半導体発光素子の発光効率を向上する。
【解決手段】半導体発光素子1は、発光領域3と、第1のAlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)層5と、第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層7とを備える。この半導体発光素子1では、発光領域3は、III族窒化物半導体からなり、InAlGaN半導体層を含む。第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5は、例えばマグネシウム(Mg)といったp型ドーパントでドープされており、発光領域3上に設けられている。第2のAlX2Ga1−X2N半導体層7は、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5のp型ドーパント濃度より小さいp型ドーパント濃度を有する。第2のAlX2Ga1−X2N半導体層7は、発光領域3と第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5との間に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子に関する。
文献1(特開2001−237455号公報)には、紫外域の短波長域において発光するInAlGaN(窒化インジウムアルミニウムガリウム)半導体および該InAlGaN半導体を用いた紫外発光素子が記載されている。InAlGaN半導体を用いた半導体発光素子は、室温において紫外域の波長の光を発生できる。
文献2(特開2001−119068号公報)には、紫外線発光素子が記載されている。紫外線発光素子は、10ナノメートル以上の厚さのアンドープAlGaNクラッド層をアンドープAlGaN活性層とp型AlGaNクラッド層との間に設けている。これによって、活性層の電子がp型AlGaNクラッド層のマグネシウムアクセプタレベルに遷移することを防止している。この発明の目的によれば、このアンドープAlGaNクラッド層によって、活性層の発光波長で発光し、安価なサファイア基板を用いた発光素子が提供される。この紫外線発光素子では、活性層の電子がクラッド層のアクセプタレベルに遷移することを防ぐために、MgドープのAlGaNクラッド層を活性層からかなり離すことが必要であり、MgドープのAlGaNクラッド層と活性層との間にアンドープにすることは必須である。
特開2001−237455号公報 特開2001−119068号公報
InAlGaN半導体は、その構成元素の組成に応じてバンドギャップを幅広く変更することができる。InAlGaN半導体を発光領域に用いる半導体発光素子は、紫外波長からより波長が長い波長領域の光を発生することができる。この半導体発光素子において発光領域にキャリアを閉じ込めるために、電位障壁がInAlGaN半導体より高くできるAlGaN半導体層を用いてキャリアブロック層が形成される。
発明者らの実験によれば、発光領域に用いられるInAlGaN半導体層に隣接するp型半導体領域から該InAlGaN半導体層に拡散したp型ドーパントによって半導体発光素子の発光効率が低下していることが明らかになっている。
そこで、本発明は、上記の事項を鑑みて為されたものであり、InAlGaN半導体層を有する半導体発光素子の発光効率を向上すること、およびその半導体発光素子を製造する方法を提供することを目的としている。
本発明の一側面によれば、半導体発光素子を製造する方法は、(a)発光領域のためのアンドープInAlGaN半導体膜を形成する工程と、(b)前記InAlGaN半導体膜上にアンドープAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)膜を形成する工程と、(c)前記アンドープAlX2Ga1−X2N半導体膜上にp型AlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)膜および一または複数の窒化ガリウム系半導体膜を形成し、これによって前記p型AlX1Ga1−X1N半導体膜のp型ドーパントが前記アンドープAlX2Ga1−X2N半導体膜に拡散される工程とを備える。
p型AlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)膜の形成に先立って、アンドープInAlGaN半導体膜上にアンドープAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)膜を形成するので、p型AlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)膜から拡散して発光領域に到達するp型ドーパントの量を低減できる。
本発明の別の側面によれば、半導体発光素子は、(a)InAlGaN半導体層を含む発光領域と、(b)p型ドーパント添加の第1のAlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)層と、(c)前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層のアルミニウム組成より大きいアルミニウム組成を有する第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層とを備え、(d)前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層は、前記InAlGaN半導体層と前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層との間に設けられている。
AlGaN半導体ではアルミニウム組成が小さくなるにつれて、アクセプタレベルが浅くなり、p型ドーパントが活性化されやすくなる。一方、AlGaN半導体のアルミニウム組成を上げると、発光領域へのキャリアの閉じ込めを強くすることができる。これらの利点を得るために、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層と、この半導体層のアルミニウム組成より大きいアルミニウム組成を有する第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層を設けている。
本発明の更なる別の側面によれば、半導体発光素子は、(a)InAlGaN半導体層を含む発光領域と、(b)p型ドーパント添加の第1のAlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)層と、(c)前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層のp型ドーパント濃度より小さいp型ドーパント濃度を有する第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層とを備え、(d)前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層は、前記InAlGaN半導体層と前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層との間に設けられている。
この半導体発光素子によれば、InAlGaN半導体層と第1のAlX1Ga1−X1N半導体層との間に第2のAlX2Ga1−X2N半導体層を設けてInAlGaN半導体層を第1のAlGaN半導体層から離している。よって、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層のp型ドーパントは、製造工程中に加わる熱によって第1のAlX2Ga1−X2N半導体層から第2のAlX2Ga1−X2N半導体層へ拡散する。
本発明の半導体発光素子では、前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層と前記発光領域との間の前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層には、p型ドーパント濃度が3×1018cm−3以下である領域があり、該領域の厚さは、1ナノメートル以上である。
この厚さの値であれば、発光領域を第1のAlX1Ga1−X1N半導体層から十分に離して、発光領域のp型ドーパント濃度を低くすることができる。
また、本発明の半導体発光素子では、前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層のp型ドーパント濃度は前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層のp型ドーパント濃度より小さい。第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層をInAlGaN半導体層と第1のAlX1Ga1−X1N半導体層との間に設けているので、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層のp型ドーパントは、製造工程において第2のAlX2Ga1−X2N半導体層内を拡散する。
好適な実施例では、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層の厚さは、第2のAlX2Ga1−X2N半導体層の厚さより大きい。第1および第2のAlGaN半導体層によりキャリアの閉じ込めを実現すると共に、第1のAlGaN半導体層が低い抵抗を有することを実現している。
本発明の半導体発光素子では、前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層の厚さは5ナノメートル以上である。この厚さであれば、発光領域を第1のAlX1Ga1−X1N半導体層から十分に離すことができる。
この半導体発光素子の好適な実施例では、前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層と前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層との境界におけるp型ドーパント濃度は1×1019cm−3以上である。
本発明に係る上記のいくつか側面における半導体発光素子の好適な実施例では、前記発光領域と前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層との境界におけるp型ドーパント濃度は3×1018cm−3以下である。
また、好適な実施例では、前記第2のAlX1Ga1−X1N半導体層の厚さは、50ナノメートル以下である。この第2のAlX1Ga1−X1N半導体層によれば、発光領域へのキャリアの注入効率が、許容できる範囲内にある。
本発明の半導体発光素子では、前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層は、p型ドーパントのマグネシウムを含み、前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層は、マグネシウム濃度が1×1019cm−3より大きい領域を含む。
この半導体発光素子によれば、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層のマグネシウムドーパント濃度が低下することを防ぐことができる。
本発明の半導体発光素子では、前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層は、p型ドーパントのマグネシウムを含んでおり、前記発光領域と前記第2のAlX1Ga1−X1N半導体層との境界におけるマグネシウム濃度は、3×1018cm−3より小さい。
この第2のAlX1Ga1−X1N半導体層によれば、発光領域のp型ドーパント濃度が大きくなることを防ぐことができる。
本発明の半導体発光素子では、前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層の最大値のp型ドーパント濃度は、1×1020cm−3以上である。
この半導体発光素子によれば、低抵抗な第1のAlX1Ga1−X1N半導体層が提供される。また、第1のAlGaN半導体層に加えて第2のAlX2Ga1−X2N半導体層を設けたので、発光領域のp型ドーパント濃度が小さい。
本発明の半導体発光素子では、(e)III族窒化物から成る支持基体を更に備え、(f)前記発光領域、前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層、および前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層は、前記支持基体上に設けられている。
この半導体発光素子によれば、非発光中心として働く貫通転位の密度を低減できる。
本発明の半導体発光素子では、前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層は、アンドープ層として形成されることが好ましい。
この半導体発光素子によれば、発光領域上に低不純物の半導体領域を得ることができると共に、第2のAlGaN半導体層には第1のAlGaN半導体層からドーパントが拡散されて抵抗が小さく半導体領域を得る。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、発光効率を向上できInAlGaN半導体を有する半導体発光素子、およびその製造方法を提供できる。
図1は、本実施の形態に係る半導体発光素子を示す図面である。 図2(A)は、半導体発光素子の変形例を示す図面である。図2(B)は、p型ドーパントのプロファイルを模式的に示す図面である。 図3(A)は、半導体発光素子の変形例を示す図面である。図3(B)は、電位障壁を模式的に示す図面である。 図4は、この一実施例の発光ダイオードの発光特性を示すグラフである。 図5は、この一実施例の発光ダイオードの出力特性を示すグラフである。 図6は、発光ダイオードAの二次イオン質量分析(SIMS)を示すグラフである。 図7は、発光ダイオードBの二次イオン質量分析(SIMS)を示すグラフである。 図8は、これらの発光ダイオードの出力特性を示すグラフである。 図9は、発光ダイオードの光出力特性を示すグラフである。 図10(A)および図10(B)は、本実施の形態に係る半導体発光素子を製造するための工程を示す図面である。 図11(A)および図11(B)は、本実施の形態に係る半導体発光素子を製造するための工程を示す図面である。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の半導体発光素子およびその製造方法に係わる実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る半導体発光素子を示す図面である。図1に示された半導体発光素子は、発光ダイオードといった面発光素子に好適な構造である。
半導体発光素子1は、発光領域3と、第1のAlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)層5と、第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層7とを備える。この半導体発光素子1では、発光領域3は、III族窒化物半導体からなり、InAlGaN半導体層を含む。第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5は、例えばマグネシウム(Mg)といったp型ドーパントでドープされており、発光領域3上に設けられている。第2のAlX2Ga1−X2N半導体層7は、発光領域3と第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5との間に設けられている。第2のAlX2Ga1−X2N半導体層7は、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5のp型ドーパント濃度より小さいp型ドーパント濃度を有する。
半導体発光素子1によれば、第2のAlX2Ga1−X2N半導体層7は、発光領域3を第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5から離しているので、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5のp型ドーパントは、製造工程において第2のAlX2Ga1−X2N半導体層7内を拡散する。この第2のAlX2Ga1−X2N半導体層7のおかげで、製造工程中に第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5から発光領域3に到達するp型ドーパントは少なくできる。したがって、この半導体発光素子の発光効率が向上される。
InAlGaN半導体層の表面にはピットが存在する。該ピットは貫通転位の位置に形成される。このInAlGaN半導体層上に比較的高い濃度のp型ドーパントを含むAlGaN半導体層を堆積すると、p型ドーパントが、該ピットのためp型AlGaN半導体層から発光領域に拡散する。しかしながら、比較的高い濃度のp型ドーパントを含むAlGaN半導体層に替えて、相対的に低い濃度のAlGaN半導体層をInAlGaN半導体層上に設けることによって、InAlGaN半導体層に導入されるp型ドーパント数を小さくすることができる。また、発光領域上に低不純物の半導体領域を得ることができると共に、第2のAlGaN半導体層には第1のAlGaN半導体層からドーパントが拡散されて抵抗が小さい半導体領域を得る。
半導体発光素子1は、第3のAlX3Ga1−X3N半導体層(0≦X3≦1)9を含むことができる。第3のAlX2Ga1−X2N半導体層9には、シリコンといったn型ドーパントが添加されている。一実施例では、発光領域3は、第3のAlX2Ga1−X2N半導体層9上に形成されている。発光領域3は、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5と第3のAlX2Ga1−X2N半導体層9との間に設けられている。
第3のAlX2Ga1−X2N半導体層9は発光領域3に電子を供給し、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5は第2のAlX2Ga1−X2N半導体層5を介して発光領域3にホールを供給する。これらのキャリア(電子およびホール)が、2つのAlGaN半導体層の働きによって発光領域に閉じ込められ、発光領域における再結合により光が発生される。
半導体発光素子1は、支持基体11を含むことができる。支持基体11の主面上には、第1〜第3のAlGaN半導体層5、7、9および発光領域3が設けられている。好適な実施例では、支持基体11は、III族窒化物支持基体13であることができ、支持基体11は、このIII族窒化物支持基体13の主面13a上に設けられたバッファ層15を含むことができる。III族窒化物支持基体13は、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、或いは二硼化ジルコニウム(ZrB)等から成ることができる。
好適な実施例では、支持基体11は窒化ガリウムから成ることが好ましい。この支持基体によれば、非発光中心として働き発光領域の表面に形成される貫通転位の密度を低減できる。
半導体発光素子1は、コンタクト層17を含むことができる。コンタクト層17は、第1のAlGaN半導体層5上に設けられる。半導体発光素子1は、さらに、III族窒化物支持基体13の裏面13b上に設けられたカソード電極21と、コンタクト層17上に設けられたアノード電極23とを含むことができる。
図2(A)は、半導体発光素子の変形例を示す図面である。図2(B)は、p型ドーパントのプロファイルを模式的に示す図面である。半導体発光素子1aは、発光領域3に替えて発光領域3aを有する。発光領域3aは、一又は複数の井戸層(例えば井戸層25a、25b、25c)および複数のバリア層(例えばバリア層27a、27b、27c。27d)を有している。井戸層25a〜25cおよびバリア層27a〜27dは、交互に配列されている。バリア層27a〜27dは、井戸層25a〜25cに対する電位障壁を提供する。発光層3aは、2つのAlGaN半導体領域に挟まれており、これらの2つのAlGaN半導体層は、それぞれ、バリア層27aおよび27eに対する電位障壁を提供する。発光領域3aは、多重量子井戸(MQW)構造を有するが、引き続く説明は単一量子井戸(SQW)構造にも同様に当てはまる。
図2(B)を参照すると、p型ドーパントの濃度が位置の関数として示されている。引き続く説明では、p型ドーパントとしてマグネシウムを含むAlGaN層を参照しながらp型ドーパントプロファイルの説明を行う。プロファイルP1で示されるマグネシウムドーパント濃度は、第1のAlGaN半導体層5から発光領域3aに向かって単調に減少している
好適な実施例では、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5は、マグネシウム濃度が1×1019cm−3(矢印N1)より大きい。この半導体発光素子1aによれば、マグネシウム原子の一部が第1のAlGaN半導体層5から第2のAlGaN半導体層7へ拡散しても、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層の抵抗が上昇することを防ぐことができる。
また、好適な実施例では、半導体発光素子1aでは、発光領域3aと第2のAlGaN半導体層7との境界(矢印J1)におけるマグネシウム濃度は、3×1018cm−3(矢印N2)より小さい。この第2のAlGaN半導体層7によれば、発光領域3aのp型ドーパント濃度が大きくなることを防ぐことができる。
さらに、好適な実施例では、半導体発光素子1aでは、第1のAlGaN半導体層5と第2のAlGaN半導体層7との境界(矢印J2)におけるマグネシウム濃度は、1×1019cm−3(矢印N3)より大きい。この第1のAlGaN半導体層7によれば、発光効率が低下するほどに発光領域3aのマグネシウムドーパント濃度が大きくなることを防ぐことができる。
加えて、好適な実施例では、半導体発光素子1aでは、第1のAlGaN半導体層5は、マグネシウム濃度の最大値が1×1020cm−3(矢印N4)以上である。この半導体発光素子1aによれば、低抵抗な第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5が提供される。
第1のAlX1Ga1−X1N半導体層5と発光領域3aとの間には、p型ドーパント濃度は3×1018cm−3以下である領域があり、該領域の厚さDは1ナノメートル以上である。この範囲の厚さであれば、発光領域を第1のAlX1Ga1−X1N半導体層から十分に離して、発光領域のp型ドーパント濃度を低くすることができる。
好適な実施例では、実質的に発光に寄与する発光領域3aは、マグネシウム濃度が1×1017cm−3以下である領域を含む。
半導体発光素子1aでは、好適な実施例では、第2のAlGaN半導体層7の厚さは1ナノメートル以上である。この厚さであれば、発光領域3aを第1のAlGaN半導体層5から十分に離すことができる。また、発光領域3aに隣接する層状のAlGaN半導体領域は、マグネシウム濃度が1×1017cm−3以下であることが好ましい。これによって、発光領域3aのマグネシウム濃度を十分に小さくすることができる。
好適な実施例では、第2のAlX1Ga1−X1N半導体層7の厚さは、50ナノメートル以下である。この第2のAlX1Ga1−X1N半導体層7によれば、発光領域3aへのキャリアの注入効率が許容できる範囲内にある。
第2のAlGaN半導体層はアンドープ半導体層として形成されるので、第2のAlGaN半導体層と発光領域との境界におけるp型ドーパント濃度は、第3のAlGaN半導体層と発光領域との境界におけるn型ドーパント濃度より小さくできる。
図3(A)は、半導体発光素子の変形例を示す図面である。図3(B)は、電位障壁を模式的に示す図面である。
半導体発光素子1bは、発光領域3bと、第1のAlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)層31と、第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層33とを備える。この半導体発光素子1bでは、発光領域3bは、III族窒化物半導体からなり、InAlGaN半導体層を含む。第2のAlX2Ga1−X2N半導体層33は、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層31のp型ドーパント濃度より小さいp型ドーパント濃度を有する。第2のAlX2Ga1−X2N半導体層33は、発光領域3bと第1のAlX1Ga1−X1N半導体層31との間に設けられている。
第2のAlX2Ga1−X2N半導体層33をInAlGaN半導体層と第1のAlX1Ga1−X1N半導体層31との間に設けているので、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層31のp型ドーパントは、製造工程において第2のAlX2Ga1−X2N半導体層33内を拡散する。この第2のAlX2Ga1−X2N半導体層33のおかげで、製造工程中に第1のAlX1Ga1−X1N半導体層31から発光領域3bに到達するp型ドーパントは少なくできる。したがって、この半導体発光素子1bの発光効率が向上される。
AlGaN半導体のアルミニウム組成を上げると、InAlGaN半導体層を有する発光領域へのキャリアの閉じ込めを強くできる。AlGaN半導体ではアルミニウム組成が大きくなるにつれて、アクセプタレベルが深くなり、p型ドーパントの活性化率が低下する。半導体発光素子1bでは、第2のAlX2Ga1−X2N半導体層33のアルミニウム組成は、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層31のアルミニウム組成より大きい。第1のAlX1Ga1−X1N半導体層31のp型ドーパントは、第2のAlX2Ga1−X2N半導体層33に比べて、容易に活性化する。また、発光領域3bに対する第2のAlX2Ga1−X2N半導体層33の電子障壁は、第1のAlX1Ga1−X1N半導体層31に比べて大きいので、これらのAlGaN半導体層は全体としてキャリアの閉じ込め性に優れている。好適な実施例では、第2のAlX2Ga1−X2N半導体層33の厚さは、5ナノメートル以上である。この厚さであれば、発光領域3bを第1のAlGaN半導体層31から十分に離すことができると共にキャリアの閉じ込め性を向上できる。また、好適な実施例では、第2のAlX1Ga1−X1N半導体層33の厚さは、50ナノメートル以下である。第2のAlX1Ga1−X1N半導体層33によれば、発光領域3bへのキャリアの注入効率が許容できる範囲内にある。
発光領域3bは、一又は複数の井戸層(例えば井戸層35a、35b、35c)および複数のバリア層(例えばバリア層37a、37b、37c、37d)を有している。井戸層35a〜35cおよびバリア層37a〜37dは、交互に配列されている。図3(B)に示されるように、発光層3bは、2つのAlGaN半導体領域に挟まれており、第2のAlGaN半導体層33は、第1のAlGaN半導体層32の電位障壁B2より大きな電位障壁B1をバリア層37aに対して提供する。第3のAlGaN半導体層9は、バリア層37dに対する電位障壁B3を提供する。バリア層37a〜37dは、井戸層35a〜35cに対する電位障壁B4を提供する。
発光領域3aおよび3bの好適な実施例としては、InY1AlZ1Ga1−Y1―Z1N井戸層において、0<Y1<0.2および0<Z1<0.5であり、InY2AlZ2Ga1−Y2―Z2N障壁層において、0≦Y2<0.2および0≦Z2<0.5である。InY1AlZ1Ga1−Y1―Z1N半導体のバンドギャップは、InY2AlZ2Ga1−Y2―Z2N半導体のバンドギャップより小さい。
半導体発光素子の好適な実施例として、発光ダイオードAを下記に示す。
コンタクト層17:MgドープGaN半導体
50ナノメートル
第1のAlGaN半導体層5:MgドープAl0.18Ga0.82N半導体
50ナノメートル
第2のAlGaN半導体層33:Al0.27Ga0.73N半導体(アンドープ半導体層として形成された)
20ナノメートル
発光領域3b
井戸層35a〜35c:InAlGaN半導体
15ナノメートル
バリア層37a〜37d:InAlGaN半導体
3ナノメートル
第3のAlGaN半導体層9:SiドープAl0.18Ga0.82N半導体
0.2マイクロメートル
バッファ層15:SiドープGaN半導体
0.1マイクロメートル
支持基体13:GaN基板
となる。
図4は、この一実施例の発光ダイオードの発光特性を示すグラフである。横軸は波長をナノメートル単位で示し、縦軸は相対発光強度を示す。この発光特性は、100ミリアンペアの電流が連続的に通電された発光ダイオードからの光スペクトルであり、InAlGaN半導体のバンド端発光である。紫外域にあり、ピーク波長は359ナノメートルである。半値幅は16.9ナノメートルである。
図5は、この一実施例の発光ダイオードの出力特性を示すグラフである。横軸は印加電流をミリアンペア単位で示し、縦軸は発光強度をミリワット単位で示す。300ミリアンペア程度まで、発光パワーは印加電流の増加に応じて単調に増加しており、印加電流値にほぼ正比例している。
第2のAlGaN半導体層の働きを示すために、下記の構造の発光ダイオードBを作成している。
コンタクト層:MgドープGaN半導体
50ナノメートル
第1のAlGaN半導体層5:MgドープAl0.18Ga0.82N半導体
50ナノメートル
第2のAlGaN半導体層:MgドープAl0.27Ga0.73N半導体
20ナノメートル
発光領域
井戸層:InAlGaN半導体
15ナノメートル
バリア層:InAlGaN半導体
3ナノメートル
第3のAlGaN半導体層:SiドープAl0.18Ga0.82N半導体
0.2マイクロメートル
バッファ層:SiドープGaN半導体
0.1マイクロメートル
支持基体:n型GaN基板
となる。
図6は、発光ダイオードAの二次イオン質量分析(SIMS)を示すグラフである。図7は、発光ダイオードBの二次イオン質量分析(SIMS)を示すグラフである。図6および図7において、ラインAl、In、Ga、Mgは、それぞれ、アルミニウム、インジウム、ガリウム、マグネシウムドーパントのプロファイルを示す。また、図6および図7の横軸は発光ダイオードの表面からの深さを示している。各グラフの原点から横軸の正の方向に、順に、コンタクト層、第1のAlGaN半導体層、第2のAlGaN半導体層、InAlGaN半導体の発光領域(3つの井戸層および4つのバリア層)、第3のAlGaN半導体層、バッファ層、GaN基板が配置されている。図6および図7の縦軸は主要なエレメント(Al、In、Ga、Mg)の濃度(或いは毎秒当たりのカウント数)を示す。
図6を参照すると、ラインMgは、下記のことを示している:マグネシウムドーパントは、第1のAlGaN層において1×1020cm−3を越えており、第1のAlGaN層と第2のAlGaN層を越えると急激に少なくなっており、第2のAlGaN層と発光領域との境界において十分に小さい値、例えば1×1018cm−3である。
図6において、領域S1はコンタクト層であり、領域S2は第1のAlGaN層であり、領域S3は第2のAlGaN層であり、領域S4は発光領域であり、領域S5は第3のAlGaN層である。
図7を参照すると、ラインMgは、下記のことを示している:マグネシウムドーパントは、第1のAlGaN層において1×1019cm−3を越えており、第2のAlGaN層において緩やかに減少しており、第2のAlGaN層と発光領域との境界においてもある程度の値、例えば3×1018cm−3であり、発光領域において緩やかに減少して十分に小さい値(1017cm−3程度)になる。
図7において、領域T1はコンタクト層であり、領域T2は第1のAlGaN層であり、領域T3は第2のAlGaN層であり、領域T4は発光領域であり、領域T5は第3のAlGaN層である。
図8は、これらの発光ダイオードの出力特性を示すグラフである。特性線Cは発光ダイオードAの特性を示しており、特性線Cは発光ダイオードBの特性を示している。この出力特性は、印加電流300ミリアンペアまでの範囲において発光ダイオードの特性が発光ダイオードBの特性に比べて約2倍優れていることを示している。
第2のAlGaN半導体層は、発光ダイオードBにおいてはMgドープされており、発光ダイオードAにおいてはアンドープ層として形成されている。したがって、図8に示された2つの特性線の差は、アンドープ半導体層として形成された第2のAlGaN半導体層によって生じている。
図9は、発光ダイオードの光出力特性を示すグラフである。ラインC18、C24、C27は、それぞれ、アルミニウムの組成(X)0.18、0.24、0.27の第2のAlGa1−XN半導体層を有する発光ダイオードの特性を示している。図9に示されるように、第2のAlGaN半導体層のアルミニウム組成が増加すると、光出力特性も向上する。Al組成27%で最大になり、更にアルミニウム組成が27%を越えると、発光特性は低下する。
変形例の半導体発光素子1bについて、AlGaN層および発光領域におけるp型ドーパントは、図2(B)のプロファイルと同一または類似の分布であることができるけれども、半導体発光素子1bにおけるp型ドーパント分布は、これに限定されるものではない。
InAlGaN半導体層を含む発光領域のためのAlGa1−XNクラッド層としてAl組成は、0.1<Xであることが好適であり、またX≦0.3であることが好適である。
以上説明したように、本実施の形態の半導体発光素子によれば、InAlGaN半導体を有する半導体発光素子の発光効率を向上することができる。
(第2の実施の形態)
図10(A)、図10(B)、図11(A)および図11(B)は、本実施の形態に係る半導体発光素子を製造するための工程を示す図面である。
まず、図10(A)に示されるように、n型GaN半導体単結晶基板といった基板41を準備する。引き続いて、有機金属気相成長装置を用いて基板41上に複数のIII族窒化物の半導体膜を形成する。
図10(A)に示されるように、有機金属気相成長装置43のサセプタ43a上に基板41を置く。成長温度を調整した後に、有機金属気相成長装置43内の真空排気されたチャンバに原料ガスを供給して基板41上に膜を形成する。原料ガスを例示すれば、ガリウムソースとしてトリメチルガリウムを用い、アルミニウムソースとしてトリメチルアルミニウムを用い、インジウムソースとしてトリメチルインジウムアダクトを用い、窒素ソースとしてアンモニアを用い、シリコンソースとしてテトラエチルシランを用い、マグネシウムソースとしてビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウムを用いる。
成長温度を摂氏1050度に設定する。テトラエチルシラン、トリメチルガリウムおよびアンモニアをチャンバに供給して、基板41上にn型GaN膜45を堆積する。n型GaN膜45はバッファ層として働き、その厚さは、例えば0.1マイクロメートルであり、そのドーパント濃度は、2×1018cm−3程度である。
引き続き、温度を変更することなく、トリメチルアルミニウム、テトラエチルシラン、トリメチルガリウムおよびアンモニアをチャンバに供給して、GaN膜45上にn型AlGaN膜47を堆積する。n型AlGaN膜47はn型ホールブロック層として働き、その厚さは、例えば0.2マイクロメートルであり、その組成はAl0.18Ga0.82Nであり、そのドーパント濃度は、2×1018cm−3程度である。
その後に、図10(B)に示されたように、発光領域49をn型AlGaN膜47上に形成する。発光領域49は、アンドープInAlGaN半導体膜を含む。成長温度を摂氏830度に設定する。トリメチルアルミニウム、トリメチルインジウムアダクト、トリメチルガリウムおよびアンモニアをチャンバに供給して、n型AlGaN膜47上にIn0.05Al0.25Ga0.70N膜を堆積する。この組成は、ラザフォード後方散乱(RBS)法を用いて測定される。このInAlGaN膜はバリア層として働いており、その厚さは、例えば15ナノメートルである。
次いで、トリメチルアルミニウム、トリメチルインジウムアダクト、トリメチルガリウムおよびアンモニアをチャンバに供給して、n型AlGaN膜47上にIn0.05Al0.20Ga0.75N膜を堆積する。このInAlGaN膜は井戸膜として働き、その厚さは、例えば3ナノメートルである。続けて、トリメチルアルミニウム、トリメチルインジウムアダクト、トリメチルガリウムおよびアンモニアをチャンバに供給して、n型AlGaN膜47上にIn0.05Al0.25Ga0.70N膜を堆積する。このInAlGaN膜はバリア膜として働き、その厚さは、例えば15ナノメートルである。この井戸層およびバリア層の堆積を所望の回数、例えば3回繰り返す。この繰り返し堆積により、多重量子構造を有する発光領域が形成された。
InAlGaNバリア膜の堆積条件を例示すれば、
アンモニア:毎分2リットル
トリメチルガリウム:毎分1.5マイクロモル
トリメチルアルミニウム:毎分0.65マイクロモル
トリメチルインジウムアダクト:毎分30マイクロモル
である。
InAlGaN井戸膜の堆積条件を例示すれば、
アンモニア:毎分2リットル
トリメチルガリウム:毎分1.5マイクロモル
トリメチルアルミニウム:毎分0.52マイクロモル
トリメチルインジウムアダクト:毎分53マイクロモル
である。
図11(A)において、成長温度を摂氏1050度に設定する。InAlGaN半導体膜を含む発光領域49上にアンドープAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)膜を形成する。例えば、トリメチルガリウムおよびアンモニアをチャンバに供給して、発光領域49上にアンドープAlGaN膜51を堆積する。このAlGaN膜51は電子ブロック層として働き、その厚さは、例えば20ナノメートルであり、その組成はAl0.27Ga0.73Nである。
引き続き、温度を変更することなく、アンドープAlGaN半導体膜51上にp型AlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)膜53および一または複数の窒化ガリウム系半導体膜、例えばコンタクト膜55を形成する。これらの半導体膜の堆積中に、AlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)膜53中のp型ドーパントがアンドープAlGaN半導体膜51に拡散されるけれども、アンドープAlGaN半導体膜51のおかげで発光領域49に到達するp型ドーパントは十分に少ない。このため、発光領域49の大部分はp型ドーパントでドープされておらず、実質的にアンドープである半導体領域である。
p型AlGaN半導体膜53を形成するために、例えば、トリメチルアルミニウム、ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム、トリメチルガリウムおよびアンモニアをチャンバに供給して、アンドープAlGaN半導体膜51上にp型AlGaN膜53を堆積する。p型AlGaN膜53は電子ブロック層として働くことができ、その厚さは、例えば50ナノメートルであり、その組成はAl0.18Ga0.82Nであり、そのドーパント濃度は、2×1020cm−3程度である。
ついで、p型GaN半導体膜55を形成するために、例えば、ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム、トリメチルガリウムおよびアンモニアをチャンバに供給して、p型AlGaN半導体膜53上にp型GaN膜55を堆積する。p型GaN膜55はp型コンタクト層として働き、その厚さは、例えば50ナノメートルであり、そのドーパント濃度は、2×1020cm−3程度である。
これらの工程により、基板41上に複数の窒化ガリウム系半導体膜が堆積され、基板生産物が得られる。この後に、p型コンタクト膜55上に半透明電極(アノード電極)を形成し、基板41の裏面の電極(カソード電極)を形成する。
以上説明したように、InAlGaN半導体を有する半導体発光素子を製造する方法が提供された。
AlGaN半導体およびGaN半導体の成膜温度は、InAlGaN半導体の好適な成膜温度に比べて高いので、AlGaN半導体層およびGaN半導体層にはピットが発生することが少ない。しかしながら、InAlGaN半導体層には、AlGaN半導体層およびGaN半導体層に比べて、多くのピットが形成される。ピットが多いInAlGaN半導体層では、p型ドーパントMgが拡散しやすく、このため、発光効率が低下する。しかしながら、以上説明したような半導体発光素子では、p型ドーパントMgの作用が低減される。つまり、InAlGaN半導体の好適な成膜温度は、AlGaN半導体およびGaN半導体の成膜温度に比べて低いので、AlGaN半導体層およびGaN半導体層に比べてInAlGaN半導体層にはピットが発生しやすい。InAlGaN半導体層を含む半導体発光素子では、InAlGaN半導体層に含まれるp型ドーパントMgの量を減らすことによって発光効率の低下を小さくすると共に、InAlGaN半導体層の隣にあるAlGaN半導体層をMgでドープすることによって抵抗を下げ発光効率の低下を小さくしている。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。例えば、本実施の形態は、発光ダイオードといった面発光半導体素子を説明しているけれども、本発明をレーザダイオードに使用可能であることを当業者は認識できる。これ故に、本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。また、支持基体は、サファイア基板を用いることができる。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
1、1a、1b…半導体発光素子、3、3a、3b…発光領域、5…第1のAlX1Ga1−X1N半導体層、7…第2のAlX2Ga1−X2N半導体層、9…第3のAlX3Ga1−X3N半導体層、11…支持基体、13…III族窒化物支持基体、15…バッファ層、17…コンタクト層、21…カソード電極、23…アノード電極

Claims (10)

  1. InAlGaN半導体層を含む発光領域と、
    p型ドーパント添加の第1のAlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)層と、
    前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層のアルミニウム組成より大きいアルミニウム組成を有する第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層と
    を備え、
    前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層は、前記InAlGaN半導体層と前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層との間に設けられており、
    前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層のp型ドーパント濃度は前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層のp型ドーパント濃度より小さい、半導体発光素子。
  2. 前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層の厚さは、5ナノメートル以上である、請求項1に記載された半導体発光素子。
  3. InAlGaN半導体層を含む発光領域と、
    p型ドーパント添加の第1のAlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)層と、
    前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層のp型ドーパント濃度より小さいp型ドーパント濃度を有する第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層と
    を備え、
    前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)層は、前記InAlGaN半導体層と前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層との間に設けられた、半導体発光素子。
  4. 前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層と前記発光領域との間の前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層には、p型ドーパント濃度が3×1018cm−3以下である領域があり、
    該領域の厚さは、1ナノメートル以上である、請求項3に記載された半導体発光素子。
  5. 前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層は、p型ドーパントのマグネシウムを含み、
    前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層は、マグネシウム濃度が1×1019cm−3より大きい領域を含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された半導体発光素子。
  6. 前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層は、p型ドーパントのマグネシウムを含んでおり、
    前記発光領域と前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層との境界におけるマグネシウム濃度は、3×1018cm−3より小さい、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された半導体発光素子。
  7. 前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層のp型ドーパント濃度の最大値は、1×1020cm−3以上であり、
    前記発光領域と前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層との境界におけるp型ドーパント濃度は3×1018cm−3以下である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された半導体発光素子。
  8. III族窒化物から成る支持基体を更に備え、
    前記発光領域、前記第1のAlX1Ga1−X1N半導体層、および前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層は、前記支持基体上に設けられている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載された半導体発光素子。
  9. 前記第2のAlX2Ga1−X2N半導体層は、アンドープ層として形成される、請求項1から請求項8にいずれか一項に記載された半導体発光素子。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載された半導体発光素子を製造する方法であって、
    発光領域のためのアンドープInAlGaN半導体膜を形成する工程と、
    前記InAlGaN半導体膜上にアンドープAlX2Ga1−X2N半導体(0≦X2≦1)膜を形成する工程と、
    前記アンドープAlX2Ga1−X2N半導体膜上にp型AlX1Ga1−X1N半導体(0≦X1≦1)膜および一または複数の窒化ガリウム系半導体膜を形成し、これによって前記p型AlX1Ga1−X1N半導体膜のp型ドーパントが前記アンドープAlX2Ga1−X2N半導体膜に拡散される工程と
    を備える、方法。
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JP2017085006A (ja) * 2015-10-29 2017-05-18 富士通株式会社 化合物半導体装置及びその製造方法

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