JP2023178173A - Iii族窒化物半導体の製造方法 - Google Patents

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Koji Okuno
浩一 五所野尾
Koichi Goshonoo
昌輝 大矢
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Abstract

【課題】InGaNで赤色発光を実現するためにはIn組成を40%程度とする必要がある。しかし、In組成が高い場合に高品質なInGaNを得ることが困難であった。本発明の目的は、In組成が35%以上のIII族窒化物半導体の品質を高めることである。
【解決手段】In組成が35%以上のIII族窒化物半導体をMOCVD法によって形成するIII族窒化物半導体の製造方法であって、成長温度を550~700℃、成長速度を0.8nm/min以下とし、In固相比/In気相比が0.75~1となるようにしてIII族窒化物半導体を形成する、III族窒化物半導体の製造方法である。
【選択図】図22

Description

本発明は、III族窒化物半導体の製造方法に関するものである。
近年、ディスプレイの高精細化が求められており、1ピクセルを1~100μmオーダーの微細なLEDとするマイクロLEDディスプレイが注目されている。フルカラーとする方式は各種知られているが、たとえば青、緑、赤の各色を発光する3つの活性層を同一基板上に順に積層する方式が知られている。
特開平6-209122号公報
InGaNで赤色発光を実現するためにはIn組成を40%程度とする必要がある。しかし、特許文献1の方法ではIn組成が高い場合に高品質なInGaNを得ることが困難であった。
そこで本発明の目的は、In組成が35%以上のIII族窒化物半導体の品質を高めることである。
本発明の一態様は、In組成が35%以上のIII族窒化物半導体をMOCVD法によって形成するIII族窒化物半導体の製造方法であって、
成長温度を550~700℃、成長速度を0.8nm/min以下とし、In固相比/In気相比が0.75~1となるようにして前記III族窒化物半導体を形成する、III族窒化物半導体の製造方法にある。
本発明の一態様によれば、In組成が35%以上のIII族窒化物半導体の品質を向上させることができる。
第1実施形態の発光素子の構成を示した図。 変形例の発光素子の構成を示した図。 変形例の発光素子の構成を示した図。 第1実施形態の発光素子の等価回路を示した図。 第1実施形態の発光素子の製造工程を示した図。 第1実施形態の発光素子の製造工程を示した図。 第1実施形態の発光素子の製造工程を示した図。 第1実施形態の発光素子の製造工程を示した図。 第2実施形態の発光素子の構成を示した図。 第3実施形態の発光素子の構成を示した図。 実験例1の発光素子の構成を示した図。 第3活性層18の表面を撮影したAFM像。 駆動電流と外部量子効率の関係を示したグラフ。 発光スペクトルを示したグラフ。 発光スペクトルを示したグラフ。 発光スペクトルを示したグラフ。 発光スペクトルを示したグラフ。 第3活性層18の表面を撮影したAFM像。 駆動電流と外部量子効率の関係を示したグラフ。 第4実施形態における発光素子の構成を示した図。 第4実施形態における発光素子の等価回路を示した図。 第5実施形態における発光素子の構成を示した図。 成長速度を変化させたときの量子井戸構造層518Cの井戸層表面のAFM像。 In固相比/In気相比を変化させたときの量子井戸構造層518Cの井戸層表面のAFM像。 アンモニアの分圧を変化させたときの量子井戸構造層518Cの井戸層表面のAFM像。
III族窒化物半導体の製造方法は、In組成が35%以上のIII族窒化物半導体をMOCVD法によって形成するIII族窒化物半導体の製造方法であって、成長温度を550~700℃、成長速度を0.8nm/min以下とし、In固相比/In気相比が0.75~1となるようにしてIII族窒化物半導体を形成する。
また、N原料ガスの分圧を0.15~0.2atmとしてもよい。また、VIII比を30000~80000としてもよい。また、In気相比を40%以上としてもよい。また、Ga原料ガスの分圧を1×10-6~3×10-6atm、In原料ガスの分圧を1×10-6~3×10-6atmとしてもよい。
また、発光素子の製造方法は、黄色から赤色の発光色の量子井戸構造層を有するIII族窒化物半導体からなる発光素子の製造方法であって、量子井戸構造層の井戸層を上記のIII族窒化物半導体の製造方法によって形成するものである。
また、量子井戸構造であって、発光しないように井戸層の厚さを調整し、その井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長が青色である第1歪緩和層を形成する第1歪緩和層形成工程と、量子井戸構造であって、発光しないように井戸層の厚さを調整し、その井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長が緑色である第2歪緩和層を形成する第2歪緩和層形成工程と、前記第2歪緩和層上に前記量子井戸構造層を形成する量子井戸構造層形成工程と、を有していてもよい。
また、前記量子井戸構造層の井戸層の成長温度を前記第1歪緩和層および前記第2歪緩和層の成長温度よりも低くしてもよい。また、前記第2歪緩和層の成長温度を前記第1歪緩和層の成長温度よりも低くしてもよい。
また、前記量子井戸構造層の井戸層の成長速度を前記第1歪緩和層および前記第2歪緩和層の成長速度よりも遅くしてもよい。また、前記第2歪緩和層の成長速度を前記第1歪緩和層の成長速度よりも遅くしてもよい。
また、前記量子井戸構造層の井戸層形成時のIn気相比を前記第1歪緩和層および前記第2歪緩和層形成時のIn気相比よりも小さくしてもよい。
前記量子井戸構造層の前記井戸層の形成後に積層する前記量子井戸構造層の障壁層の成長速度は、前記井戸層の成長温度以上にしてもよい。また、前記量子井戸構造層の前記井戸層の形成後に積層する前記量子井戸構造層の障壁層の成長温度は、前記井戸層の成長温度と同温にしてもよい。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の発光素子の構成を示した図である。第1実施形態の発光素子は青、緑、赤のそれぞれを発光可能である。また、第1実施形態の発光素子は、基板の裏面側から光を取り出すフリップチップ型であり、図示しない実装基板にフェイスダウンで実装されている。なお、第1実施形態は1ピクセルが1チップの構造であるが、モノリシック型であってもよい。つまり、第1実施形態の素子構造が同一基板上にマトリクス状に配列されたマイクロLEDディスプレイ素子としてもよい。
第1実施形態の発光素子は、図1に示すように、基板10と、n層11と、ESD層12と、下地層13と、第1活性層14と、第1中間層15と、第2活性層16と、第2中間層17と、第3活性層18と、保護層19と、再成長層20A~20Cと、電子ブロック層21A~21Cと、p層22A~22Cと、n電極23と、p電極24A~24Cと、を有している。
基板10は、III族窒化物半導体を成長させる成長基板である。たとえば、サファイア、Si、GaNなどである。
n層11は、低温バッファ層や高温バッファ層(図示しない)を介して基板10上に設けられたn型の半導体である。ただし、バッファ層は必要に応じて設ければよく、基板がGaNである場合などにはバッファ層を設けなくともよい。n層11は、たとえばn-GaN、n-AlGaNなどである。Si濃度は、たとえば1×1018~100×1018cm-3である。
ESD層12は、n層11上に設けられた半導体層であり、静電耐圧向上のために設ける層である。ESD層12は必要に応じて設ければよく、省略してよい。ESD層12は、たとえば、ノンドープまたは低濃度にSiがドープされたGaN、InGaN、またはAlGaNである。
下地層13は、ESD層12上に設けられた超格子構造の半導体層であり、下地層13上に形成される半導体層の格子歪みを緩和するための層である。下地層13も必要に応じて設ければよく、省略してもよい。下地層13は、組成の異なるIII族窒化物半導体薄膜(たとえばGaN、InGaN、AlGaNのうち2つ)を交互に積層させたものであり、ペア数はたとえば3~30である。ノンドープでもよいし、Siを1×1017~100×1017cm-3程度ドープしてもよい。また、歪を緩和できるのでれば超格子構造である必要はない。第1活性層14とのヘテロ界面で格子定数差が小さくなるような材料であればよく、たとえば、InGaN層、AlInN層、AlGaIn層であってもよい。
第1活性層14は、下地層13上に設けられたSQWまたはMQW構造の発光層である。発光波長は青色であり、430~480nmである。第1活性層14はAlGaNからなる障壁層とInGaNからなる井戸層を交互に1~7ペア積層させた構造である。より好ましくは1~5ペア、さらに好ましくは1~3ペアである。
第1中間層15は、第1活性層14上に設けられた半導体層であり、第1活性層14と第2活性層16の間に位置している。第1中間層15は、第1活性層14からの発光と第2活性層16からの発光とを個別に制御可能とするために設ける層である。また、後述の第2溝31を形成する際に第1活性層14をエッチングダメージから保護する役割も有する。
第1中間層15の材料は、Inを含むIII族窒化物半導体であり、たとえばInGaNとするのがよい。Inによるサーファクタント効果によって第1中間層15表面の荒れを抑制し、表面平坦性を向上させることができる。また、格子歪みを緩和させることができる。第1中間層15のIn組成(III族窒化物半導体のIII族金属全体に占めるInのモル比)は、第1活性層14および第2活性層16から発光した光を吸収しないバンドギャップとなるように設定されていればよい。好ましいIn組成は、10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である。In組成が10%よりも大きいと、第1中間層15の表面が荒れる原因となる。Inは0%よりも大きければ任意であり、ドープレベル(混晶を形成しないレベル)でもよい。たとえばIn濃度が1×1014cm-3以上1×1022cm-3以下のGaNである。
また、第1中間層15には不純物がドープされていてもよい。好ましくはn型不純物である。たとえば、Si濃度が1×1017~1000×1017cm-3、好ましくは10×1017~100×1017cm-3、さらに好ましくは20×1017~80×1017cm-3であってもよい。
第1中間層15の厚さは、20~150nmとすることが好ましい。150nmよりも厚いと、第1中間層15の表面が荒れる原因となり得る。また、20nmよりも薄いと、後述の第2溝31を形成する際に第2溝31の深さを第1中間層15内とする制御が難しくなる可能性がある。より好ましくは30~100nm、さらに好ましくは50~80nmである。
第2活性層16は、第1中間層15上に設けられたSQWまたはMQW構造の発光層である。発光波長は緑色であり、510~570nmである。第2活性層16はGaNからなる障壁層とInGaNからなる井戸層を交互に1~7ペア積層させた構造である。より好ましくは1~5ペア、さらに好ましくは1~3ペアである。また、第1活性層14のペア数と等しいか少ないことが好ましく、少ないことがより好ましい。
第2中間層17は、第2活性層16上に設けられた半導体層であり、第2活性層16と第3活性層18の間に位置している。第2中間層17は、第1中間層15と同様の理由により設けられたものであり、第2活性層16からの発光と第3活性層18からの発光とを個別に制御可能とするために設ける層である。また、後述の第3溝32を形成する際に第2活性層16をエッチングダメージから保護する役割も有する。
第2中間層17の材料は、第1中間層15と同様である。第1中間層15と第2中間層17を同一材料としてもよい。また、第2中間層17にも第1中間層15と同様に不純物がドープされていてもよい。また、第2中間層17の厚さも第1中間層15と同様であり、第1中間層15と第2中間層17の厚さを同一としてもよい。ただし、第1中間層15よりも薄くし、In組成も第1中間層15より大きくすることが好ましい。緑色発光の第2活性層16は、青色発光の第1活性層14よりも熱ダメージを受けやすく、界面での歪みの影響が大きくなるためである。
第3活性層18は、第2中間層17上に設けられたSQWまたはMQW構造の発光層である。発光波長は赤色であり、590~700nmである。第3活性層18はInGaNからなる障壁層とInGaNからなる井戸層を交互に1~7ペア積層させた構造である。より好ましくは1~5ペア、さらに好ましくは1~3ペアである。また、第2活性層16のペア数と等しいか少ないことが好ましく、少ないことがより好ましい。
保護層19は、第3活性層18上に設けられた半導体層である。保護層19は、活性層を保護するとともに、電子ブロック層としても機能する層である。保護層19は、第3活性層18の井戸層よりもバンドギャップの広い材料であればよく、AlGaN、GaN、InGaNなどである。保護層19の厚さは、2.5~50nmが好ましく、より好ましくは5~25nmである。保護層19に不純物をドープしてもよく、Mgをドープしてもよい。その場合、Mg濃度は1×1018~1000×1018cm-3とするのがよい。
保護層19の一部領域はエッチングされて溝が設けられ、保護層19から第2中間層17に達する第3溝32、第1中間層15に達する第2溝31、n層11に達する第1溝30が設けられている。
再成長層20A~20Cは、保護層19上、第3溝32底面に露出する第2中間層17上、第2溝31底面に露出する第1中間層15上にそれぞれ設けられている。再成長層20A~20Cの構成は保護層19と同様である。
電子ブロック層21A~21Cは、再成長層20A~20C上にそれぞれ設けられた半導体層であり、n層11から注入された電子を第1活性層14、第2活性層16、第3活性層18に効率よく閉じ込めるためにブロックする層である。電子ブロック層はGaNやAlGaNの単層でもよいし、AlGaN、GaN、InGaNのうち2以上を積層させた構造や、組成比のみ替えて積層させた構造であってもよい。また、超格子構造としてもよい。電子ブロック層21A~21Cの厚さは、5~50nmが好ましく、より好ましくは5~25nmである。電子ブロック層21A~21CのMg濃度は1×1019~100×1019cm-3とするのがよい。
p層22A~22Cは、電子ブロック層21A~21C上にそれぞれ設けられた半導体層であり、電子ブロック層21側から順に第1層、第2層で構成されている。第1層は、p-GaN、p-InGaNが好ましい。第1層の厚さは10~500nmが好ましく、より好ましくは10~200nm、さらに好ましくは10~100nmである。第1層のMg濃度は1×1019~100×1019cm-3とするのがよい。第2層は、p-GaN、p-InGaNが好ましい。第2層の厚さは2~50nmが好ましく、より好ましくは4~20nm、さらに好ましくは6~10nmである。第2層のMg濃度は1×1020~100×1020cm-3とするのがよい。
なお、第1実施形態では、再成長層20A~20C、電子ブロック層21A~21C、p層22A~22Cはそれぞれ分離して設けられているが、一続きにしてもよい(図2参照)。この場合、第3溝32の側面や第2溝31の側面にも再成長層、電子ブロック層、p層が形成されることとなるが、素子の動作にはほとんど影響しない。その理由は次の通りである。p電極24A、p電極24B、p電極24Cがそれぞれ空間的に十分に分離されていれば、p電極24A、p電極24B、p電極24Cの間をつなぐp層の抵抗が非常に高いために電流はほとんど流れない。加えて、ホールは移動度が低いため、電極と接触している領域から正孔は横方向に広がらず、電極直下のpnジャンクションを縦方向へ支配的に流れる。そのため再成長層20A~20C、電子ブロック層21A~21C、p層22A~22Cが一続きであっても素子の動作に影響がないのである。すなわち、p電極24Aに電流を流した場合、p電極24Aの直下に電流が流れ、その結果p電極24A直下の活性層が発光し、p電極24B、24C直下の活性層に電流が流れて発光することはほとんどないのである。
また、図3のように、第3溝32の側面や第2溝31の側面に絶縁膜27を設けてもよい。この絶縁膜27は、再成長層20A~20C、電子ブロック層21A~21C、p層22A~22Cを選択成長させる際のマスクを残したものである。
n電極23は、第1溝30の底面に露出するn層11上に設けられた電極である。基板10が導電性材料である場合には、第1溝30を設けずに基板10裏面にn電極23を設けてもよい。n電極23の材料は、たとえばTi/Alである。
p電極24A~24Cは、p層22A~22C上にそれぞれ設けられた電極である。p電極24A~24Cの材料は、たとえばAg、Ni/Au、Co/Au、ITO、などである。
第1実施形態の発光素子の動作について説明する。第1実施形態の発光素子では、p電極24Aとn電極23の間に電圧を印加することで第3活性層18から赤色の光を発光させることができ、p電極24Bとn電極23の間に電圧を印加することで第2活性層16から緑色の光を発光させることができ、p電極24Cとn電極23の間に電圧を印加することで第1活性層14から青色の光を発光させることができる。また、青色、緑色、赤色のうち2以上を同時に発光させることもできる。このように、第1実施形態の発光素子では、電圧を印加する電極の選択によって青、緑、赤の発光を制御することができ、ディスプレイの1ピクセルとして利用することができる。
図4に第1実施形態の発光素子の等価回路を示す。図4に示すように、第1実施形態の発光素子は、青色、緑色、赤色のLEDが1素子内に形成された構造であり、1素子でフルカラーの発光を実現することができる。そのため、青色、緑色、赤色のLEDを個別に準備してそれらを同一基板に配列させて1ピクセルのフルカラーの発光素子を作製するよりも、1素子のサイズを非常に小さくすることが可能である。さらに、第1実施形態の構造であれば、青色、緑色、赤色のLEDを個別に準備して配列する工程を省くことができ、製造コストも大幅に低減でき、非常に低コストのフルカラー発光素子、およびそれを応用した発光ディスプレイを実現することができる。
ここで、第1実施形態では、第1中間層15、第2中間層17がInを含むため、Inのサーファクタント効果によって第1中間層15、第2中間層17の表面平坦性を向上させることができ、第2活性層16や第3活性層18の表面平坦性も向上させることができる。また、下地層13と第1活性層14との格子定数差によって生じる格子歪みも緩和させることができる。その結果、第1実施形態の発光素子によれば発光効率を向上させることができる。
次に、第1実施形態の発光素子の製造工程について、図を参照に説明する。
まず、基板10を用意し、水素や窒素、必要に応じてアンモニアを加えて、基板の熱処理を行う。
次に、基板10上にバッファ層を形成し、バッファ層上にn層11、ESD層12、下地層13、第1活性層14、第1中間層15、第2活性層16、第2中間層17、第3活性層18、保護層19を順に形成する(図5参照)。各層の好ましい成長温度は次の通りである。
第1活性層14の成長温度は、700~950℃が好ましい。結晶品質を向上でき、発光効率を高めることができる。第1活性層14は井戸層と障壁層で構成されるが、井戸層と障壁層は同じ温度で形成してもよいし、上記温度範囲内で異なる温度としてもよい。異なる温度とする場合は、井戸層の成長温度を障壁層の成長温度よりも低いことが好ましい。
第1中間層15の成長温度は、700~1000℃が好ましい。第1活性層14への熱ダメージを抑制するためである。また、700℃よりも低いと貫通転位に起因したピットや点欠陥が生じやすくなってしまう。より好ましくは800~950℃、さらに好ましくは850~950℃である。
第2活性層16の成長温度は、650~950℃が好ましい。結晶品質を向上でき、発光効率を高めることができる。第2活性層16は井戸層と障壁層で構成されるが、井戸層と障壁層は同じ温度で形成してもよいし、上記温度範囲内で異なる温度としてもよい。異なる温度とする場合は、井戸層の成長温度を障壁層の成長温度よりも低くすることが好ましい。また、第2活性層16の成長温度は、第1活性層14の成長温度よりも低いことが好ましい。
第2中間層17の成長温度は、第1中間層15の成長温度と同様の範囲が好ましい。ただし、第2中間層17の成長温度は、第1中間層15の成長温度よりも低くすることが好ましい。緑色発光の第2活性層16は、青色発光の第1活性層14よりも熱ダメージを受けやすく、界面での歪みの影響が大きくなるためである。
第3活性層18の成長温度は、500~950℃が好ましい。結晶品質を向上でき、発光効率を高めることができる。第3活性層18は井戸層と障壁層で構成されるが、井戸層と障壁層は同じ温度で形成してもよいし、上記温度範囲内で異なる温度としてもよい。異なる温度とする場合は、井戸層の成長温度を障壁層の成長温度よりも低くすることが好ましい。また、第3活性層18の成長温度は、第2活性層16の成長温度よりも低いことが好ましい。
保護層19の成長温度は、500~950℃が好ましい。第1活性層14、第2活性層16、第3活性層18への熱ダメージを抑制するためである。保護層19の結晶性向上のためには成長温度が高い方が好ましく、より好ましくは600~900℃、さらに好ましくは700~900℃である。
次に、保護層19表面の一部領域を第2中間層17に達するまでドライエッチングして第3溝32を形成し、第1中間層15に達するまでドライエッチングして第2溝31を形成する(図6参照)。第3溝32、第2溝31は、第2中間層17、第1中間層15の中間の厚さまでエッチングすることが好ましい。
次に、保護層19上、第3溝32によって露出した第2中間層17上、および第2溝31によって露出した第1中間層15上に、再成長層20A~20Cを形成する。成長温度は保護層19と同様である。ここで、再成長層20A~20Cは図2のように一続きとなるように形成してもよい。また、図3のように第3溝32や第2溝31の側面に絶縁膜27を形成し、これをマスクとして再成長層20A~20Cを選択成長させることで、再成長層20A~20Cがそれぞれ分離して形成されるようにしてもよい。
次に、再成長層20A~20C上に電子ブロック層21A~21Cを形成する。電子ブロック層21A~21Cの成長温度は、750~1000℃が好ましい。第1活性層14、第2活性層16、第3活性層18への熱ダメージを抑制するためである。より好ましくは750~950℃、さらに好ましくは800~900℃である。
次に、電子ブロック層21A~21C上にp層22A~22Cを形成する(図7参照)。p層22A~22Cの成長温度は、650~1000℃が好ましい。より好ましくは700~950℃、さらに好ましくは750~900℃である。
次に、p層22C表面の一部領域をn層11に達するまでドライエッチングして第1溝30を形成する(図8参照)。そして、第1溝30の底面に露出するn層11上にn電極23を形成し、p層22A~22C上にp電極24A~24Cを形成する。以上によって第1実施形態の発光素子が製造される。
(第2実施形態)
第2実施形態の発光素子は、図9に示すように、第1実施形態の発光素子において、第1中間層15、第2中間層17を、第1中間層215、第2中間層217に置き換えたものである。
第1中間層215は、第1活性層14側から順にノンドープ層215A、n型層215Bを積層させた構造である。ノンドープ層215A、n型層215Bは不純物を除いて同一材料からなり、GaNまたはInGaNである。第1実施形態の第1中間層15と同様の材料が好ましい。ノンドープ層215Aはノンドープであり、n型層215BはSiドープである。n型層215BのSi濃度は、1×1017~1000×1017cm-3とすることが好ましい。第1中間層215の厚さは、第1中間層15と同様とすることが好ましい。すなわち、20~150nmとすることが好ましい。また、ノンドープ層215Aの厚さは、10nm以上とすることが好ましい。エッチング深さの制御性および第1活性層14へのエッチングダメージを回避するためである。また、n型層215Bの厚さは、10nm以上とすることが好ましい。各活性層の発光特性を独立に制御するためである。n型層215BはSiを変調ドープしてもよく、n型層215Bの一部領域にノンドープの領域があってもよい。
第2中間層217は、第2活性層16側から順にノンドープ層217A、n型層217Bを積層させた構造である。ノンドープ層217A、n型層217Bは、ノンドープ層215A、n型層215Bと同様の構造である。つまり、ノンドープ層217A、n型層217Bは不純物を除いて同一材料であり、GaNまたはInGaNである。また、ノンドープ層217Aはノンドープ、n型層217BはSiドープである。ただし、第1中間層215よりも薄くし、In組成も第1中間層215より大きくすることが好ましい。第2中間層17の場合と同様の理由である。つまり、緑色発光の第2活性層16は、青色発光の第1活性層14よりも熱ダメージを受けやすく、界面での歪みの影響が大きくなるためである。
第3溝32は、第2中間層217のノンドープ層217Aに達する深さとなっている。このように、p電極24B下において第2中間層17のn型層217Bを除去することで第2活性層16上にn型層が位置しないようにし、第2活性層16が発光するようにしている。また、第2溝31は、第1中間層215のノンドープ層215Aに達する深さとなっている。これも同様の理由であり、p電極24C下において第1中間層15のn型層215Bを除去することで第1活性層14上にn型層が位置しないようにし、第1活性層14が発光するようにしている。
ここで、pn接合間距離について説明する。pn接合間距離は、ゼロバイアス時に空乏化している膜厚に相当する。LEDにおいては高濃度のアクセプタ不純物を持つp層と、高濃度のドナー不純物を持つn層とに挟まれたノンドープもしくは低ドープの活性層の総膜厚に相当する。
第1中間層215、第2中間層217をノンドープとする場合、pn接合間距離(空乏層の厚さ)は、p電極24A下の領域においてはアクセプタ不純物を高ドープされた電子ブロック層21Aからドナー不純物を高ドープされたn層11までの距離、すなわち、第1活性層14、第2活性層16、第3活性層18と、第1中間層15、第2中間層17を含む膜厚に相当する。また、p電極24B下においてはアクセプタ不純物を高ドープされた電子ブロック層21Bからn層11までの距離、すなわち、第1活性層14、第2活性層16と、第1中間層15と、第2中間層17の一部を含む膜厚に相当する。また、p電極24C下においてはアクセプタ不純物を高ドープされた電子ブロック層21Cからn層11までの距離、すなわち、第1活性層14と、第1中間層15の一部を含む膜厚に相当する。
そのため、これら3つの場合でそれぞれpn接合間距離が異なり、駆動電圧や電流注入効率、逆方向電流が異なってしまう。また、p電極24Aに電圧を印加して第3活性層18を発光させたい場合に、電子と正孔のキャリアがすべての活性層に供給されてしまい、第2活性層16や第1活性層14からも発光してしまう可能性がある。同様に、p電極24Bに電圧を印加して第2活性層16を発光させたい場合に第1活性層14からも発光してしまう可能性がある。
第2実施形態では、このような問題を中間層の構造で解決している。つまり、第2実施形態では、第1中間層15をノンドープ層215A、ドナー不純物が高濃度にドープされたn型層215Bの2層とし、第2中間層17をノンドープ層217A、ドナー不純物が高濃度にドープされたn型層217Bの2層とし、n型層215B、217BにSiをドープしてn型としている。
そのため、pn接合間距離は、p電極24A下の領域においては電子ブロック層21Aから第2中間層217のn型層217Bまでの距離、p電極24B下の領域においては電子ブロック層21Bから第1中間層215のn型層215Bまでの距離、p電極24C下の領域においては電子ブロック層21Cからn層11までの距離となる。すなわち、すべての電極下におけるpn接合間距離は、複数の活性層を含まず、1つの活性層と中間層のうちノンドープ層とを含む総膜厚に相当することとなる。ここで、第1中間層215のノンドープ層215A、第2中間層17のノンドープ層217Aの厚さを適切に制御することで、これら3つの場合でpn接合間距離を等しくすることができる。その結果、これら3つの場合で駆動電圧や電流注入効率、逆方向電流のばらつきを抑えることができ、均一な制御が可能となる。さらに、これら3つの場合でpn接合間には第1活性層14、第2活性層16、第3活性層18がそれぞれ1つしか含まれず、中間層のn型層が正孔にとって障壁層となるため、正孔が中間層のn型層を超えて下部の活性層へ注入され難くなる。その結果、pn接合間に位置する発光させたい活性層以外が発光してしまうことを抑制できる。
(第3実施形態)
第3実施形態の発光素子は、図10に示すように、第1実施形態の発光素子において、第2活性層16、第3活性層18を、第2活性層316、第3活性層318に置き換えたものである。
第2活性層316は、歪緩和層316AとSQWまたはMQWの量子井戸構造層(発光層)316Bを順に積層させた構造である。量子井戸構造層316Bについては第1実施形態の第2活性層16と同様の構造である。
歪緩和層316Aは、障壁層と井戸層を順に積層させたSQW構造であり、発光しないように井戸層の厚さを薄く調整した量子井戸構造である。たとえば井戸層の厚さを1nm以下とすることで発光しないようにすることができる。障壁層はAlGaN、井戸層はInGaNである。歪緩和層316Aの井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長は、量子井戸構造層316Bの発光波長よりも短ければよく、たとえば第2活性層16の発光波長が500~560nmであれば400~460nmである。好ましくは量子井戸構造層316Bの発光波長よりも40~100nm短くする。この場合、歪緩和層316Aの成長温度は、700~800℃である。
歪緩和層316Aの井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長は、第1活性層14の発光波長と等しくしてもよい。この場合、第1活性層14と同様の成長温度で成長させてもよい。
歪緩和層316Aの井戸層におけるバンド端エネルギーの制御は、井戸層の厚さで制御することができる。すなわち、歪緩和層316Aの井戸層の厚さを十分に薄くすることで井戸内のサブバンドのエネルギーが上昇しバンド端エネルギーが大きくなる。これにより、量子井戸構造層316Bの発光波長よりも短くしてもよい。成長温度は任意であるが、量子井戸構造層316Bと同様の成長温度で成長させてもよい。さらに、歪緩和層316Aの井戸層の膜厚を薄くすると、サブバンドがさらに上昇し、障壁層とのエネルギー差が小さくなる。すなわち、障壁層のバンド端エネルギーに近くなる。その結果、歪緩和層316Aの井戸層におけるキャリアの閉じ込めがされ難くなり、発光しにくくなることから、量子井戸構造層316Bの障壁層の一部として機能するとともに、歪緩和の効果も同時に得られる。このように、量子井戸構造層316Bの井戸層よりもキャリア閉じ込めの悪い井戸層を持つ歪緩和層316Aを形成することで、発光しない歪緩和層316Aを形成することができる。
要するに、歪緩和層316A全体の実効的な格子定数が、第1中間層15の格子定数と量子井戸構造層316Bの格子定数の間となるように歪緩和層316Aの材料や層構成が設定され、かつ、歪緩和層316Aが発光しないように井戸層の厚さが設定されていればよい。
歪緩和層316Aは障壁層と井戸層を2ペア以上積層させたMQW構造としてもよいが、第2活性層316が厚くなるのでSQW構造とすることが好ましい。
以上のように歪緩和層316Aを設けることで、その上に積層される量子井戸構造層316Bの歪を緩和させることができ、量子井戸構造層316Bの井戸層の結晶品質を向上させることができる。
第2活性層316の厚さに対する第1活性層14の厚さの比が30%以下となるように設定することが好ましい。より効率的に量子井戸構造層316Bの歪を緩和させることができるとともに、pn接合間距離が各p電極24A~24C下で一定となり、各p電極24A~24C下でのデバイス特性を均一にできる。
第3活性層318は、第1歪緩和層318Aと、第2歪緩和層318Bと、SQWまたはMQWの量子井戸構造層318Cを順に積層させた構造である。量子井戸構造層318Cについては第1実施形態の第3活性層18と同様の構造である。
第1歪緩和層318Aは、第2活性層316の歪緩和層316Aと同様の構造である。第1歪緩和層318Aの井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長は、量子井戸構造層316Bの発光波長よりも短ければよく、たとえば400~460nmである。
第2歪緩和層318Bは、第2歪緩和層318Bの井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長が量子井戸構造層318Cの発光波長よりも短く、第1歪緩和層318Aの井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長よりも長い。たとえば、510~570nmである。それ以外は第1歪緩和層318Aと同様である。
第1歪緩和層318Aの井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長と第2歪緩和層318Bの井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長の差、および第2歪緩和層318Bの井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長と量子井戸構造層318Cの発光波長の差は、40~100nmとすることが好ましい。
第3活性層318の厚さに対する第1活性層14の厚さの比や、第3活性層318の厚さに対する第2活性層316の厚さの比は、30%以下となるように設定することが好ましい。より効率的に量子井戸構造層318Cの歪を緩和させることができるとともに、pn接合間距離が各p電極24A~24C下で一定となり、各p電極24A~24C下でのデバイス特性を均一にできる。
このように第1歪緩和層318A、第2歪緩和層318Bを設けることで、段階的に歪を緩和させることができ、その上に積層される量子井戸構造層318Cの歪を効果的に緩和させることができる。その結果、量子井戸構造層318Cの井戸層の品質を向上させることができる。
なお、第3活性層318では第1歪緩和層318A、第2歪緩和層318Bによって2段階に歪を緩和させているが、歪緩和層を3つ以上設けて3段階以上に歪を緩和させてもよい。また、第2活性層316においても、歪緩和層316Aを複数にして段階的に歪を緩和させてもよい。
また、第1活性層14においても、同様にして歪緩和層を設けてよい。この場合、歪緩和層の成長温度は、たとえば、800~900℃である。
(他の変形例)
本実施形態の発光素子は、第1活性層14、第2活性層16、第3活性層18の3つの活性層を有するものであったが、発光波長が互いに異なる2以上の活性層を有する構造であれば本発明は適用できる。また、発光色も青、緑、赤に限らず、異なる発光波長であれば任意である。
本実施形態の発光素子は、PWM回路によりPWM駆動して発光を制御することが好ましい。パルス幅とパルス周期によって光強度を容易に制御でき、駆動電流の違いによる波長シフトも抑制できる。
(実験結果)
次に、本実施形態に関する実験結果について説明する。
(実験1)
第1実施形態の発光素子から第2中間層17と第3活性層18を省き、さらに再成長層20B、電子ブロック層21B、p層22B、p電極24Bを省き、第1中間層15に替えて第2実施形態の第1中間層215とし、第2活性層16に替えて第3実施形態の第2活性層316とした発光素子を作製した(図11参照、以下実験例1の発光素子とする)。第1中間層215はIn組成が5%のInGaNとした。第2活性層316の歪緩和層316Aにおける井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長は、第1活性層14の発光波長と同様にし、SQW構造とした。
図12は、実験例1の発光素子の第2活性層316の表面を撮影したAFM像である。図12中、上段は10μm角の範囲、下段は2μm角の範囲を示している。比較のため、第1中間層215をGaNとし、それ以外は実験例2と同様とした場合(実験例2)も示す。図12のように、実験例1では、実験例2に比べてピットの密度が低くかった。また、表面平坦性RMSは、10μm角の範囲では、実験例1が0.88nm、実験例2が2.6nm、2μm角の範囲では、実験例1が0.78nm、実験例2が3.1nmであり、いずれの場合も実験例1の方が実験例2に比べて小さかった。この結果、第1中間層215中のInがサーファクタントとして作用し、第1中間層215の表面平坦性が改善したことで、その上の第2活性層316の表面平坦性、結晶品質も向上したことがわかる。
図9は、実験例1と実験例2の発光素子について、駆動電流と外部量子効率の関係を示したグラフである。外部量子効率は、p電極24Bに電圧を印加して第2活性層316を発光させた場合である。図9のように、実験例1は実験例2に比べて外部量子効率が高かった。このことから、第2活性層316の結晶品質が向上したことで外部量子効率が向上したことがわかる。
(実験2)
第1活性層14の発光波長を430nm、第2活性層16の発光波長を520nm、第3活性層18の発光波長を630nmとした第1実施形態の発光素子(図1に示す発光素子、以下、実験例3の発光素子)について、p電極24Aに電流を注入し、その発光スペクトルを測定した。n型層215B、n型層217BのSi濃度は、1×1018cm-3、2×1018cm-3、3×1018cm-3の3パターンとした。また、比較のためn型層215B、n型層217Bをノンドープに替えた場合も発光スペクトルを測定した。
図14~17は、発光スペクトルを示したグラフであり、図14はSi濃度が3×1018cm-3、図15は2×1018cm-3、図16は1×1018cm-3、図17はノンドープである。図17のように、ノンドープの場合、第3活性層18の赤色発光だけでなく、第1活性層14の青色発光も生じており、赤色発光は弱く、青色発光が強いことがわかった。一方、図14~16のように、Siドープの場合、赤色発光も青色発光と同程度かそれ以上に強くなり、Si濃度が高いほど青色発光の強度が低下した。第2活性層16の青色発光の強度が低下する代わりに緑色発光も若干現れているが、図14のようにSi濃度が十分に高くなれば緑色発光の強度も低下した。この結果、第1中間層15、第2中間層17にSiドープのn型層215B、n型層217Bを導入することで、発光させたい活性層である第3活性層18以外の活性層(第1活性層14、第2活性層16)からの発光を抑制できることがわかった。
(実験3)
図18は、実験例2と実験例4の発光素子の量子井戸構造層316Cの表面を撮影したAFM像である。実験例4は、実験例2において第2活性層316に歪緩和層316Aを設けなかった場合である。図16中、上段は10μm角の範囲、下段は2μm角の範囲を示している。図18のように、表面平坦性RMSは、10μm角の範囲では、実験例2が2.6nm、実験例4が3.8nm、2μm角の範囲では、実験例2が3.1nm、実験例4が3.3nmであり、いずれの場合も実験例2の方が実験例4に比べて小さかった。すなわち、表面平坦性が改善していた。この結果、第2活性層316に歪緩和層316Aを導入したことで、その上の量子井戸構造層316Bの歪が緩和し、表面平坦性や結晶品質が向上したことがわかる。
図19は、実験例2と実験例4の発光素子について、駆動電流と外部量子効率の関係を示したグラフである。外部量子効率は、p電極24Aに電圧を印加して第2活性層316を発光させた場合である。図19のように、実験例2は実験例4に比べて外部量子効率が高かった。このことから、第2活性層316の歪が緩和し、表面平坦性や結晶品質が向上したことで外部量子効率が向上したことがわかる。
(第4実施形態)
図20は、第4実施形態における発光素子の構成を示した図であり、基板主面に垂直な面での断面図である。第4実施形態における発光素子は、図20に示すように、第1実施形態の発光素子における構成の一部を次のように変更したものである。第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図20のように、第1中間層15、第2中間層17に替えて、第1中間層415、第2中間層417を設けている。また、保護層19、再成長層20A~20C、電子ブロック層21A~21C、p層22A~22Cを省き、第3活性層18上に電子ブロック層421A、p層422を設け、p層422上にp電極24Aを設けている。つまり、第4実施形態の発光素子には再成長層は存在していない。また、第2溝31底面に露出する第1中間層415上に第1電極424B、第3溝32底面に露出する第2中間層417上に第2電極424Cを設けている。また、第2活性層16と第2中間層17の間、および第1活性層14と第1中間層15の間に電子ブロック層421B、421Cをそれぞれ挿入している。
電子ブロック層421Cは、第1活性層14上に設けられたp型の層であり、第1活性層14と第1中間層15の間に位置している。電子ブロック層421Cは、再成長層ではなく、第1活性層14上に連続的に成長させている点を除いて、電子ブロック層21A~21Cと同様である。
第1中間層415は、第1活性層14側から順に、第1層415A、第2層415B、第3層415C、第4層415Dを順に積層させた構造であり、第2溝31の底面に第4層415Dが露出している。第2層415B、第3層415Cはトンネル接合構造を形成している。このように、第1中間層415は、第1実施形態の第1中間層15と同様の機能に加えて、トンネル接合の機能を有している。
第1層415Aは、電子ブロック層421C上に設けられた半導体層である。第1活性層14を効率的に発光させるためには、第1活性層14をp型の層とn型の層で挟むことが好ましく、そのp型のコンタクト層として第1層415Aを設けている。
第1層415Aの材料は、第1実施形態における第1中間層15と不純物を除いて同様である。すなわち、Inを含むIII族窒化物半導体であり、たとえばInGaNとするのがよい。Inによるサーファクタント効果によって第1中間層415表面の荒れを抑制し、表面平坦性を向上させることができる。また、格子歪みを緩和させることができる。第1中間層415のIn組成は、第1活性層14、第2活性層16、および第3活性層18から発光した光を吸収しないバンドギャップとなるように設定されていればよい。
第1層415Aの好ましいIn組成は、10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である。In組成が10%よりも大きいと、第1中間層415の表面が荒れる原因となる。Inは0%よりも大きければ任意であり、ドープレベル(混晶を形成しないレベル)でもよい。たとえばIn濃度が1×1014cm-3以上1×1022cm-3以下のGaNである。
第1層415Aはp型不純物であるMgがドープされたp型半導体である。たとえば、Mg濃度が1×1018~1×1020cm-3、好ましくは5×1018~1×1020cm-3、さらに好ましくは1×1019~1×1020cm-3であってもよい。ノンドープでもよいが、上記のようにMgがドープされていることが好ましい。第1層415Aは、厚さ方向においてIn組成に傾斜を設ける分極ドープを用いてもよい。この場合はノンドープでもよい。また、第1層415Aの下層である電子ブロック層421CからのMg拡散によって第3層415CにMgがドープされてもよい。この場合、電子ブロック層421CのMg濃度は1×1019~1×1021cm-3の範囲がよい。
第1層415Aの厚さは、10~300nmとすることが好ましい。300nmよりも厚いと、第1中間層415の表面が荒れる原因となり得る。また、10nmよりも薄いと、第1活性層14の発光効率を十分に高めることができない可能性がある。より好ましくは20~200nm、さらに好ましくは30~100nmである。
第2層415Bは、第1層415A上に設けられた半導体層である。第2層415Bと第3層415Cの積層によりトンネル接合構造を形成する。
第2層415Bの材料は、第1層415Aと不純物を除いて同様である。第2層415BのIn組成は第1層415Aや第4層415DのIn組成とは異なっていてもよく、その場合、第1層415Aや第4層415DのIn組成よりも高い方が好ましい。トンネル接合構造によるトンネル確率をより高めることができる。第2層415Bの好ましいIn組成の範囲は、第1層415Aと同様である。
第2層415Bはp型不純物であるMgがドープされたp型半導体である。Mg濃度は、1×1020~1×1021cm-3である。第2層415BのMg濃度は第1層415AのMg濃度よりも高い。
第2層415Bの厚さは、5~50nmである。この範囲であれば、トンネル接合構造のトンネル確率を十分に高めることができる。より好ましくは5~35nm、さらに好ましくは5~20nmである。また、第2層415Bの厚さは、第1層415Aよりも薄いことが好ましい。
第3層415Cは、第2層415B上に設けられた半導体層である。第2層415Bと第3層415Cとの積層によりトンネル接合構造を形成する。このトンネル接合構造によってn型の第3層415Cからp型の第2層415Bへトンネル効果によって電流が流れるようにし、ホールが第1活性層14に供給されるようにしている。
第3層415Cの材料は、第1層415Aと不純物を除いて同様である。第3層415CのIn組成は第1層415Aや第4層415DのIn組成とは異なっていてもよく、その場合、第1層415Aや第4層415DのIn組成よりも高い方が好ましい。トンネル接合構造によるトンネル確率をより高めることができる。また、第3層415CのIn組成は、第2層415BのIn組成と異なっていてもよい。その場合、第3層415CのIn組成は、第2層415BのIn組成よりも低いことが好ましい。第3層415Cの好ましいIn組成の範囲は、第1層415Aと同様である。
第3層415Cはn型不純物であるSiがドープされたn型半導体である。Si濃度は、1×1020~1×1021cm-3である。
第2層415Bと第3層415Cとの接合界面付近には、SiとMgが共ドープされた層が、意図的、もしくは自然形成的に存在していてもよい。Mgはメモリー効果により炉内に残留しやすいので、第3層415Cや第4層415DにMgがドープされていてもよい。ただし、第3層415C、第4層415DのMg濃度はそれぞれのSi濃度よりも低くなるようにする必要がある。
第3層415Cの厚さは、1~30nmである。この範囲であれば、トンネル接合構造のトンネル確率を十分に高めることができる。より好ましくは2~25nm、さらに好ましくは5~20nmである。また、第3層415Cの厚さは、第4層415Dよりも薄いことが好ましい。
上述のように、トンネル接合構造を形成する第2層415B、第3層415Cは、Inを含むのでバンドギャップが小さくなり、トンネル確率が高くなる。なお、第2層415Bと第3層415Cの間でトンネル接合する範囲で、第2層415Bと第3層415Cの間にさらに層を設けてもよい。たとえば、第2層415BのMgが第3層415Cに拡散するのを抑制するための緩衝層を設けてもよい。
第4層415Dは、第3層415C上に設けられた半導体層である。第2活性層16を効率的に発光させるためには、第2活性層16をp型の層とn型の層で挟むことが好ましく、そのn型のコンタクト層として第4層415Dを設けている。また、第2溝31を形成する際に第3層415Cに達して露出してしまわないようにする層である。
第4層415Dの材料は、第1実施形態における第1中間層15と不純物を除いて同様である。In組成は第1層415Aと異なっていてもよい。
第4層415Dはn型不純物であるSiがドープされたn型半導体である。たとえば、Si濃度が1×1017~1×1020cm-3、好ましくは1×1018~1×1019cm-3、さらに好ましくは2×1018~8×1018cm-3であってもよい。第3層415CのSi濃度は第4層415Dの不純物濃度よりも高い。
第4層415Dの厚さは、10~500nmとすることが好ましい。500nmよりも厚いと、第1中間層415の表面が荒れる原因となり得る。また、10nmよりも薄いと、第2活性層16の発光効率を十分に高めることができない可能性がある。また、第2溝31を形成する際に第2溝31の深さを第4層415D内とする制御が難しくなる可能性がある。より好ましくは10~200nm、さらに好ましくは10~100nmである。第4層415Dの厚さは、第1層415Aの厚さと異なっていてもよい。
電子ブロック層421Bは、第2活性層16上に設けられたp型の層であり、第2活性層16と第2中間層17の間に位置している。電子ブロック層421Bは、再成長層ではなく、第2活性層16上に連続的に成長させている点を除いて、電子ブロック層21A~21Cと同様である。
第2中間層417は、第2活性層16側から順に、第1層417A、第2層417B、第3層417C、第4層417Dを積層させた構造であり、第3溝32の底面に第4層417Dが露出している。第2層417B、第3層417Cはトンネル接合構造を形成している。このように、第2中間層417は、第1実施形態の第2中間層17と同様の機能に加えて、トンネル接合の機能を有している。
第1層417A、第2層417B、第3層417C、第4層417Dは、それぞれ第1中間層415の第1層415A、第2層415B、第3層415C、第4層415Dと同様である。第2層417B、第3層417Cの積層によってトンネル接合構造を形成し、n型の第3層417Cからp型の第2層417Bへトンネル効果によって電流が流れるようにし、ホールが第2活性層16に供給されるようにしている。
第1中間層415、第2中間層417はすべての層がInGaNで構成されているため、実施形態1の第1中間層15、第2中間層17と同様の効果が得られる。つまり、表面平坦性を向上させることができ、格子歪みを緩和させることができる。
第1中間層415の平均In組成と第2中間層417の平均In組成は異なっていてもよい。第2中間層417の平均In組成は第1中間層415の平均In組成よりも高いことが好ましい。
電子ブロック層421Aは、第3活性層18上に設けられたp型の層である。電子ブロック層421Aは、再成長層ではなく第3活性層18上に連続的に成長させている点を除いて、電子ブロック層21A~21Cと同様である。
p層422は、電子ブロック層421A上に設けられた層である。p層422は、再成長層ではなく電子ブロック層421A上に連続的に成長させている点を除いて、p層22Aと同様である。
p層422に替えて、第2層415Bと第3層415C、あるいは第2層417Bと第3層417Cのようなトンネル接合構造としてもよい。この場合、p電極24Aに替えてnコンタクトの材料を用いた電極とすることができ、第1電極424B、第2電極424Cと同一材料とすることができる。そのため、同一工程ですべての電極を形成することができる。
第1電極424Bは、第3溝32の底面に露出する第2中間層417の第4層417D上に設けられている。また、第2電極424Cは、第2溝31の底面に露出する第1中間層415の第4層415D上に設けられている。第1電極424B、第2電極424Cはアノード電極とカソード電極を兼ねている。第1電極424B、第2電極424Cはn型のInGaNにオーミックコンタクトできる材料であればよく、たとえばTi/Alを用いることができる。n電極23と同一材料でもよい。
なお、第4実施形態の発光素子において、第2活性層16、第3活性層18を、第3実施形態の第2活性層316、第3活性層318にそれぞれ置き換えてもよい。その場合、第2活性層316の歪緩和層316Aは、第1中間層415から量子井戸構造層316BへのMg拡散に対する緩衝層として機能する。また、第3活性層318の第1歪緩和層318A、第2歪緩和層318Bは、第2中間層417から量子井戸構造層318CへのMg拡散に対する緩衝層として機能する。そのため、発光効率の低下を抑制することができる。
その他第1~3実施形態で述べた各種変形は第4実施形態においても適用できる。たとえば、第1実施形態と第4実施形態を次のように組み合わせてもよい。第4実施形態において、第2中間層417はそのままトンネル接合構造を有したものとし、第1中間層415は第1実施形態の第1中間層15に替え第1実施形態と同様に再成長層20C、電子ブロック層21C、p層22Cを設けた構成としてもよい。
このような構成は次のような利点がある。青色発光の第1活性層14は発光効率が高く再成長による発光効率の低下が起きてもさほど支障はない。一方で緑色発光の第2活性層16は発光効率が低く再成長による発光効率の低下は可能な限り避けたい。そこで、青色発光の素子領域は第1実施形態のように溝形成と再成長で形成し、緑色発光の素子領域は第4実施形態のようにトンネル接合構造を利用して形成すれば、青、緑、赤の発光効率のばらつきを小さくすることができる。
第4実施形態の発光素子の動作について説明する。第4実施形態の発光素子では、p電極24Aと第1電極424Bの間に電圧を印加することで第3活性層18から赤色の光を発光させることができる。また、第1電極424Bと第2電極424Cの間に電圧を印加することで第2活性層16から緑色の光を発光させることができる。また、第2電極424Cとn電極23の間に電圧を印加することで第1活性層14から青色の光を発光させることができる。
また、青色、緑色、赤色のうち2以上を同時に発光させることもできる。具体的には以下のように電圧を印加する。青色、緑色、赤色のすべてを発光させる場合には、p電極24Aとn電極23の間に電圧を印加する。緑色と赤色を同時に発光させる場合には、p電極24Aと第2電極424Cの間に電圧を印加する。青色と緑色を同時に発光させる場合には、第1電極424Bとn電極23の間に電圧を印加する。青色と赤色を同時に発光させる場合には、p電極24Aと第1電極424Bの間、および第2電極424Cとn電極23との間に電圧を印加する。
このように、第4実施形態の発光素子では、電圧を印加する電極の選択によって青、緑、赤の発光を制御することができ、ディスプレイの1ピクセルとして利用することができる。
図21に第4実施形態の発光素子の等価回路を示す。第4実施形態の発光素子は、赤色LED、第1のトンネルジャンクション(逆順のトンネルダイオード)、緑色LED、第2のトンネルジャンクション、青色LEDを縦列接続し、赤色LEDと第1のトンネルジャンクションの接続部、および緑色LEDと第2のトンネルジャンクションの接続部から電極を引き出した構成と等価である。第4実施形態の発光素子もまた、第1実施形態の発光素子と同様に、青色、緑色、赤色のLEDが1素子内に形成された構造であり、1素子でフルカラーの発光を実現することができる。
次に、第4実施形態の発光素子の製造工程について説明する。
まず、第1実施形態と同様に、基板10を用意し熱処理を行う。その後、基板10上に、バッファ層、n層11、ESD層12、下地層13、第1活性層14、電子ブロック層421C、第1中間層415、第2活性層16、電子ブロック層421B、第2中間層417、第3活性層18、電子ブロック層421A、p層422をMOCVD法によって順に形成する。
ここで、第1中間層415、第2中間層417の成長温度は、第1実施形態の第1中間層15、第2中間層17と同様の範囲である。第2中間層417の成長温度は、第1中間層415の成長温度よりも低くすることが好ましい。緑色発光の第2活性層16は、青色発光の第1活性層14よりも熱ダメージを受けやすく、界面での歪みの影響が大きくなるためである。
また、第1中間層415の形成において、第2層415B、第3層415Cの成長温度は、第1層415A、第4層415Dの成長温度よりも低くすることが好ましい。結晶性を高め、トンネル接合におけるトンネル効果をより高めるためである。また、第2中間層417の形成においても、第2層417B、第3層417Cの成長温度を第1層417A、第4層417Dの成長温度よりも低くすることが好ましい。
次に、p層422表面の一部領域を第2中間層417の第4層417Dに達するまでドライエッチングして第3溝32を形成し、第1中間層415の第4層415Dに達するまでドライエッチングして第2溝31を形成し、n層11に達するまでドライエッチングして第1溝30を形成する。
次に、第1溝30の底面に露出するn層11上にn電極23を形成し、p層422上にp電極24A、第3溝32の底面に第1電極424B、第2溝31の底面に第2電極424Cを形成する。第1電極424B、第2電極424Cをn電極23と同一材料とする場合には、n電極23と同一工程で同時に形成することができる。以上によって第4実施形態の発光素子が製造される。
以上、第4実施形態における発光素子は、第1中間層415および第2中間層417にトンネル接合構造を設けることで、電子ブロック層やp層の再成長層を設ける必要がなくなっている。再成長界面には、エッチングダメージ、大気暴露による不純物汚染、再成長による熱ダメージが生じるため、pn間に再成長界面が存在すると、デバイス特性を悪化させる可能性がある。しかし第4実施形態の発光素子には再成長層がなく、pn間に再成長界面が存在しないため、このような問題は生じない。
第1~4実施形態では、第3活性層18および第3活性層318の量子井戸構造層318Cにおける井戸層としてInGaNを用いているが、Eu(ユウロピウム)ドープのIII族窒化物半導体、特にGaNを用いることもできる。この場合も赤色発光させることができ、発光波長はおよそ620nmである。EuドープGaNを用いる場合、活性層の歪緩和が必要なくなるので、第3活性層318のような第1歪緩和層318Aや第2歪緩和層318Bは設けなくともよい。井戸層にEuドープGaNを用いる場合、障壁層はたとえばAlGaNである。
同様に、Pr(プラセオジウム)ドープのIII族窒化物半導体、特にGaNを用いてもよい。赤色発光材料として用いることができる。
また、第2活性層16および第2活性層316の量子井戸構造層316Bにおける井戸層として、Tb(テルビウム)ドープのIII族窒化物半導体、特にGaNを用いることもできる。この場合も緑色発光させることができる。
また、第1活性層14における井戸層として、Tm(ツリウム)ドープのIII族窒化物半導体、特にGaNを用いることもできる。この場合も青色発光させることができる。
(第5実施形態)
図22は、第5実施形態における発光素子の構成を示した図であり、基板主面に垂直な面での断面図である。第5実施形態における発光素子は、黄色から赤色の発光色であり、図22に示すように、基板510と、n層511と、下地層513と、活性層518と、電子ブロック層521と、p層522と、n電極523と、p電極524と、を有している。
基板510、n層511、下地層513は、第1実施形態における基板10、n層11、下地層13とそれぞれ同様である。また、n層511と下地層513の間にESD層12を設けてもよい。
下地層513は、超格子構造層と高濃度n型GaN層の積層とすることが好ましい。超格子構造層は、n型InGaNとn型GaNを交互に積層させたものが好ましく、ペア数はたとえば3~30である。Si濃度はたとえば1×1017~1×1019cm-3である。超格子構造層上の高濃度n型GaN層のSi濃度は、1×1018~1×1019cm-3とするのが好ましい。また、高濃度n型GaN層は活性層518と接することが好ましい。
活性層518は、下地層513上に設けられた層である。活性層518は、第1歪緩和層518Aと、第2歪緩和層518Bと、SQWまたはMQWの量子井戸構造層518Cを順に積層させた構造である。
第1歪緩和層518A、第2歪緩和層518Bは、第3実施形態の第3活性層318における第1歪緩和層318A、第2歪緩和層318Bとそれぞれ同様である。第3実施形態と同様に、第1歪緩和層518A、第2歪緩和層518Bを設けることで、段階的に歪を緩和させることができ、その上に積層される量子井戸構造層518Cの歪を効果的に緩和させることができる。その結果、量子井戸構造層518Cの井戸層の品質を向上させることができる。第1歪緩和層518A、第2歪緩和層518Bは、SQWとすることが好ましい。
第3実施形態における第1歪緩和層318A、第2歪緩和層318Bの各種変形例は、第1歪緩和層518A、第2歪緩和層518Bに対しても同様に適用できる。
量子井戸構造層518Cは、第2歪緩和層518B上に設けられたSQWまたはMQW構造の発光層である。発光波長は黄色から赤色であり、たとえば560~700nmである。第3活性層18はInGaNからなる井戸層と井戸層よりもIn組成の低いInGaNからなる障壁層を交互に1~7ペア積層させた構造である。より好ましくは1~5ペア、さらに好ましくは1~3ペアである。また、第2活性層16のペア数と等しいか少ないことが好ましく、少ないことがより好ましい。最も好ましいのはSQWとすることである。量子井戸構造層518Cの井戸層は、In組成が35%以上のInGaNである。
電子ブロック層521は、活性層518上に設けられた層である。電子ブロック層521は、第4実施形態の電子ブロック層421Aと同様である。
p層522は、電子ブロック層521上に設けられた層である。p層522は、第4実施形態のp層422と同様である。
p層522の一部はエッチングされてn層11に達する溝が設けられ、その溝の底面に露出するn層11上にn電極523が設けられている。n電極523の材料はn電極23と同様である。また、p電極524はp層522上に設けられている。p電極524の材料はp電極24A~24Cと同様である。
次に、第5実施形態の発光素子の製造工程について説明する。
まず、第1実施形態と同様に、基板10を用意し熱処理を行う。その後、基板10上に、バッファ層、n層11、下地層13、活性層518、電子ブロック層521、p層522をMOCVD法によって順に形成する。量子井戸構造層518Cの形成方法については後で詳細に説明する。なお、MOCVD法において用いる原料ガスはたとえば以下の通りである。Ga原料ガスにはTMG(トリメチルガリウム)やTEG(トリエチルガリウム)、In原料ガスにはTMI(トリメチルインジウム)、Al原料ガスにはTMA(トリメチルアルミニウム)、N原料ガスにはアンモニア、Siドーパントガスにはシラン、Mgドーパントガスにはビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム、キャリアガスには水素や窒素を用いる。
電子ブロック層521、p層522の成長温度は、935℃以下とすることが好ましい。活性層518への熱ダメージを抑制し、発光効率の低下を抑制するためである。成長温度の下限はたとえば600℃である。より好ましくは650~900℃である。また、p層522の成長温度は電子ブロック層521の成長温度よりも高くすることが好ましい。
次に、p層522の所定領域をドライエッチングしてn層11に達する溝を形成し、溝の底面にn電極523、p層522上にp電極524を形成する。以上によって第5実施形態における発光素子が製造される。
次に、量子井戸構造層518Cの形成方法について詳細に説明する。量子井戸構造層518Cの井戸層は、In組成が35%以上のInGaNであり、高品質な結晶を得ることが困難であった。発明者らは高品質なIn組成35%以上のInGaNを得るべく鋭意研究開発を進めたところ、高品質なInGaNが得られる方法を見出した。以下にその方法を説明する。
量子井戸構造層518Cの成長温度は、700℃以下とする。成長温度の下限はたとえば550℃である。成長温度をInNの分解温度(630℃)近傍とすることで、InNの分解、再蒸発を抑制することができ、高いIn組成のInGaN(特にIn組成35%以上)を形成することができる。好ましくは650℃以下であり、より好ましくは610~650℃、さらに好ましくは620~640℃、最も好ましくは625~635℃である。
量子井戸構造層518Cの成長速度は、0.8nm/min以下とする。低い成長温度における原料原子のマイグレーション不足による表面荒れや、異常成長、ドロップレットを抑制するためである。ドロップレットは、結晶表面にInの塊が形成されたものである。好ましくは0.75nm/min以下、より好ましくは0.7nm/min以下、さらに好ましくは0.5nm/min以下である。成長速度の下限は特に限定しないが、あまり成長速度が遅いと量子井戸構造層518Cの形成に時間がかかってしまうので、0.05nm/min以上が好ましい。
In固相比/In気相比は、0.75~1とする。ここでIn気相比は、InGaNを形成する際の原料ガスにおけるIII族金属全体に占めるInのモル比である。また、In固相比は、形成されるInGaN結晶におけるIII族金属全体に占めるInのモル比である。In固相比/In気相比は、成長温度、In気相比、VIII比などによって制御することができる。In固相比/In気相比をこのような範囲とすることで、InGaNの異常成長やドロップレットを抑制することができる。より好ましいIn固相比/In気相比は、0.85~1、さらに好ましくは0.9~1である。
成長温度、成長速度、In固相比/In気相比を上記範囲とすることで、In組成が35%以上のInGaNであっても、高品質な結晶を得ることができる。上記のように成長温度を700℃以下と低くしているため、アンモニアの分解効率が低くなり、原料原子のマイグレーションが生じにくく、高品質なInGaNが得られにくくなっているが、成長速度を上記範囲とすることでそのような問題を解消することができ、高品質なInGaNを得ることができる。
In気相比は、40%以上とすることが好ましい。In固相比/In気相比を上記範囲に制御することが容易となり、InGaNの異常成長やドロップレットを抑制することができる。また、In気相比は、55%以下とすることが好ましい。
Ga原料ガスの分圧は1×10-6~3×10-6atm、In原料ガスの分圧は1×10-6~3×10-6atmとすることが好ましい。InGaNの異常成長を抑制し、成長速度を安定させるためである。Ga原料ガスは、たとえばTMG(トリメチルガリウム)やTEG(トリエチルガリウム)であり、In原料ガスは、たとえばTMI(トリメチルインジウム)である。
量子井戸構造層518Cの障壁層の成長速度は、量子井戸構造層518Cの井戸層の成長速度と同等もしくは速い方がよい。また、量子井戸構造層518Cの障壁層の成長温度は、量子井戸構造層518Cの井戸層の成長温度と同等もしくは高い方がよい。高くする場合は、井戸層の成長温度と同温で2~20nmの第1の障壁層を形成してから、温度を高くして第2の障壁層を積層するとよい。こうすることで高In組成の井戸層が昇温中に熱分解することを防止することができる。第1の障壁層、第2の障壁層は、井戸層よりもIn組成が低いInGaNでもよい。もちろん、GaN、AlGaN、AlGaInNでもよく、それらの組み合わせでもよい。
N原料ガスの分圧は、0.15~0.2atmとすることが好ましい。アンモニアの分解によって発生するHによるInNの分解や再蒸発を抑制することができ、InGaNの品質を高めることができる。なお、キャリアガスの窒素はN原料ガスではない。
VIII比(III金属原料ガスに対するアンモニアのモル比)は、30000~80000とすることが好ましい。この範囲であれば、InGaNの品質を高めることができる。
量子井戸構造層518Cの成長温度は、第1歪緩和層518Aおよび第2歪緩和層518Bの成長温度よりも低くすることが好ましい。第1歪緩和層518A、第2歪緩和層518Bへの熱ダメージを抑制するためである。また、第2歪緩和層518Bの成長温度は、第1歪緩和層518Aの成長温度よりも低くすることが好ましい。
量子井戸構造層518Cの成長速度は、第1歪緩和層518Aおよび第2歪緩和層518Bの成長速度よりも遅くすることが好ましい。量子井戸構造層518Cをより高品質に形成することができる。また、第2歪緩和層518Bの成長速度は、第1歪緩和層518Aの成長速度よりも遅くすることが好ましい。
量子井戸構造層518C形成時のIn気相比は、第1歪緩和層518Aおよび第2歪緩和層518B形成時のIn気相比よりも小さいことが好ましい。量子井戸構造層518Cをより高品質に形成することができる。
以上、第5実施形態によれば、In組成35%以上のInGaNについて高品質な結晶を得ることができ、特に、In組成40%以上の赤色発光材料となるInGaNを形成することができる。そのため、量子井戸構造層518C中の井戸層を高品質に形成することができ、発光効率の高い赤色発光のIII族窒化物半導体からなる発光素子を実現することができる。
(第5実施形態の変形形態)
第5実施形態における発光素子の活性層518は、第1~4実施形態における発光素子の第3活性層18、318としても用いることができる。
また、第5実施形態におけるInGaNの形成方法は、発光素子だけでなく、太陽電池や光触媒などのInGaNにも利用することができる。
また、第5実施形態によれば、In組成35%以上のInGaNだけでなく、In組成35%以上のIII族窒化物半導体について品質を高めることができる。たとえば、In組成が35%以上のAlGaInNについても品質を高めることができる。
次に、第5実施形態に関する実験結果について説明する。
(実験4)
成長速度を変化させて量子井戸構造層518Cを形成した。成長温度は637℃、In気相比は、47.5%、アンモニア流量は27slm、とした。また、VIII比は48000、27000、20000とし、成長速度をそれぞれ0.48nm/min、0.72nm/min、0.96nm/minとした。また、In固相比はそれぞれ42.0%、40.0%、41.0%となり、In固相比/In気相比はそれぞれ88.4%、84.2%、86.3%であった。
図23は、成長速度を変化させたときの量子井戸構造層518Cの井戸層表面のAFM像である。実際の井戸層と同じ膜厚2~3nmを有するInGaN層の表面である。図23(a)は成長速度0.48nm/min、(b)は0.72nm/min、(c)は0.96nm/minの場合である。
図23(a)のように、成長速度0.48nm/minの場合は井戸層表面にドロップレットはあまり見られず、ドロップレットの密度は1×10cm-2、ドロップレットの直径はおよそ30nmであった。
また、図23(b)のように、成長速度0.72nm/minの場合、井戸層表面には成長速度0.48nm/minの場合よりも多くのドロップレットが見られ、ドロップレットの密度は1×10cm-2、ドロップレットの直径はおよそ30nmであった。
また、図23(c)のように、成長速度0.96nm/minの場合、井戸層表面には成長速度0.72nm/minの場合よりもさらに多くのドロップレットが見られ、そのサイズも大きく、ドロップレットの密度は4×10cm-2、ドロップレットの直径はおよそ50nmであった。
この結果から、ドロップレット低減のためにはInGaNの成長速度は0.75nm/min以下が好ましく、0.5nm/minがより好ましいことが分かった。
(実験5)
In固相比/In気相比を変化させて量子井戸構造層518Cを形成した。成長温度は637℃、成長速度は、0.48nm/min、アンモニア流量は27slm、とした。また、VIII比は40000、40000、48000、51000とし、In気相比はそれぞれ57%、52.5%、47,5%、45%とした。In固相比はいずれも42.0%となり、In固相比/In気相比はそれぞれ73.7%、80.0%、88.4%、93.3%であった。
図24は、In固相比/In気相比を変化させたときの量子井戸構造層518Cの井戸層表面のAFM像である。図24(a)はIn固相比/In気相比73.7%、(b)は80.0%、(c)は88.4%、(d)は93.3%の場合である。
図24(a)のように、In固相比/In気相比が73.7%の場合、井戸層表面にはドロップレットが多く見られ、そのサイズも大きく、ドロップレットの密度は7.5×10cm-2、ドロップレットの直径はおよそ130nmであった。
また図24(b)のように、In固相比/In気相比が80.0%の場合、井戸層表面には73.7%の場合よりもドロップレットが少なく、大きさも小さかった。ドロップレットの密度は5.0×10cm-2、ドロップレットの直径はおよそ80nmであった。
また図24(c)のように、In固相比/In気相比が88.4%の場合、井戸層表面には80.0%の場合よりもさらにドロップレットが少なく、大きさも小さかった。ドロップレットの密度は1.0×10cm-2、ドロップレットの直径はおよそ30nmであった。
また図24(d)のように、In固相比/In気相比が93.3%の場合、井戸層表面にはドロップレットが見られなかった。
この結果から、In固相比/In気相比は0.75以上が好ましく、0.85以上がより好ましく、0.9以上がさらに好ましいことが分かった。
(実験6)
アンモニアの分圧を変化させて量子井戸構造層518Cを形成した。成長温度は637℃、とした。また、キャリアガス(窒素)の流量を142slm、130slm、110slmの三段階とし、それぞれに対しアンモニアの流量を15slm、27slm、47slmとして、アンモニアの分圧を0.096atm、0.172atm、0.299atmとした。また、VIII比はそれぞれに対し27000、48000、85000とし、In気相比はいずれも47.5%とした。成長速度はいずれの場合も0.48nm/minとなり、In固相比はそれぞれ40%、42%、40%、In固相比/In気相比はそれぞれ84.2%、88.4%、84.2%となった。
図25は、アンモニアの分圧を変化させたときの量子井戸構造層518Cの井戸層表面のAFM像である。図25(a)はアンモニアの分圧0.096atm、(b)は0.172atm、(c)は0.299atmの場合である。
図25(a)のように、アンモニアの分圧が0.096atmの場合、井戸層表面にはドロップレットが見られた。ドロップレットの密度は5.0×10cm-2、ドロップレットの直径はおよそ50nmであった。
また図25(b)のように、アンモニアの分圧が0.172atmの場合、井戸層表面にはドロップレットが見られたが、アンモニアの分圧が0.096atmの場合よりも少なく、大きさも小さかった。ドロップレットの密度は1.0×10cm-2、ドロップレットの直径はおよそ30nmであった。
また図25(c)のように、アンモニアの分圧が0.299atmの場合、井戸層表面にはアンモニアの分圧が0.172atmの場合よりも多くのドロップレットが見られ、大きさも大きかった。ドロップレットの密度は5.0×10cm-2、ドロップレットの直径はおよそ50nmであった。
この結果から、アンモニアの分圧は、0.15~0.2atmが好ましいことが分かった。また、VIII比は、30000~80000が好ましいことが分かった。
本発明の発光素子は、フルカラーディスプレイなどに適用することができる。
10:基板
11:n層
12:ESD層
13:下地層
14:第1活性層
15、215、415:第1中間層
16、316:第2活性層
17、217,417:第2中間層
18、318:第3活性層
19:保護層
20A~20C:再成長層
21A~21C、421A~C、521:電子ブロック層
22A~22C、522:p層
23:n電極
24A~24C:p電極
215A、217A:ノンドープ層
215B、217B:n型層
316A:歪緩和層
316B、318C、518C:量子井戸構造層
318A、518A:第1歪緩和層
318B、518B:第2歪緩和層
518:活性層

Claims (14)

  1. In組成が35%以上のIII族窒化物半導体をMOCVD法によって形成するIII族窒化物半導体の製造方法であって、
    成長温度を550~700℃、成長速度を0.8nm/min以下とし、In固相比/In気相比が0.75~1となるようにして前記III族窒化物半導体を形成する、III族窒化物半導体の製造方法。
  2. N原料ガスの分圧を0.15~0.2atmとする、請求項1に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  3. VIII比を30000~80000とする、請求項1に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  4. In気相比を40%以上とする、請求項1に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  5. Ga原料ガスの分圧を1×10-6~3×10-6atm、In原料ガスの分圧を1×10-6~3×10-6atmとする、請求項1に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  6. 黄色から赤色の発光色の量子井戸構造層を有するIII族窒化物半導体からなる発光素子の製造方法であって、
    前記量子井戸構造層における井戸層を請求項1~5のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体の製造方法によって形成する、発光素子の製造方法。
  7. 量子井戸構造であって、発光しないように井戸層の厚さを調整し、その井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長が青色である第1歪緩和層を形成する第1歪緩和層形成工程と、
    量子井戸構造であって、発光しないように井戸層の厚さを調整し、その井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長が緑色である第2歪緩和層を形成する第2歪緩和層形成工程と、
    前記第2歪緩和層上に前記量子井戸構造層を形成する量子井戸構造層形成工程と、を有する、請求項6に記載の発光素子の製造方法。
  8. 前記量子井戸構造層の前記井戸層の成長温度を前記第1歪緩和層および前記第2歪緩和層の成長温度よりも低くする、請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  9. 前記第2歪緩和層の成長温度を前記第1歪緩和層の成長温度よりも低くする、請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  10. 前記量子井戸構造層の前記井戸層の成長速度を前記第1歪緩和層および前記第2歪緩和層の成長速度よりも遅くする、請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  11. 前記第2歪緩和層の成長速度を前記第1歪緩和層の成長速度よりも遅くする、請求項10に記載の発光素子の製造方法。
  12. 前記量子井戸構造層の前記井戸層形成時のIn気相比を前記第1歪緩和層および前記第2歪緩和層形成時のIn気相比よりも小さくする、請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  13. 前記量子井戸構造層の前記井戸層の形成後に積層する前記量子井戸構造層の障壁層の成長速度は、前記井戸層の成長温度以上にする、請求項6に記載の発光素子の製造方法。
  14. 前記量子井戸構造層の前記井戸層の形成後に積層する前記量子井戸構造層の障壁層の成長温度は、前記井戸層の成長温度と同温にする、請求項6に記載の発光素子の製造方法。
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