JP2010250903A - 光記録媒体及び光記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多層であっても記録再生時にチルトマージンを広く取ることが可能な光記録媒体及びこの光記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】光記録媒体は、ガラス基板104と、このガラス基板104上に支持された、フォトンモードにより記録可能な情報記録層102を有し、この情報記録層102は、フォトンモードにより記録可能なホログラム記録膜である媒体膜112、116、122と、光学フィルムであって、レーザビームを照射する際の反射透過膜114、118が交互に積層して構成され、媒体膜112、116、122と反射透過膜114、118との屈折率差は、0.02以上0.40以下であり、反射透過膜114、118の透過率は97.5%以上とされていて、媒体膜112、116、122の厚さは、5μm以上60μm以下、反射透過膜114、118の厚さは8μm以上50μm以下とされている。
【選択図】図2
【解決手段】光記録媒体は、ガラス基板104と、このガラス基板104上に支持された、フォトンモードにより記録可能な情報記録層102を有し、この情報記録層102は、フォトンモードにより記録可能なホログラム記録膜である媒体膜112、116、122と、光学フィルムであって、レーザビームを照射する際の反射透過膜114、118が交互に積層して構成され、媒体膜112、116、122と反射透過膜114、118との屈折率差は、0.02以上0.40以下であり、反射透過膜114、118の透過率は97.5%以上とされていて、媒体膜112、116、122の厚さは、5μm以上60μm以下、反射透過膜114、118の厚さは8μm以上50μm以下とされている。
【選択図】図2
Description
この発明は、多層であっても記録再生時にチルトマージンを広く取ることが可能な光記録媒体及びこの光記録媒体の製造方法に関する。
特許文献1には、各層の厚みが十分に薄い上、厚み精度が高く、光記録層と非記録層の交互積層体を延伸処理する工程を含む方法で得られた多層構造体、多層構造体の製造方法、及び多層構造体を有する記録密度の高い多層光記録媒体が開示されている。
特許文献2には、感光材料を含む光記録層と感圧接着剤層とが積層されてなる感圧接着性シート、及び感圧接着性シートを用いて形成され、光記録層と感圧接着剤層とが交互に積層された多層光記録媒体が開示されている。
特許文献3には、光記録機能を有する高分子層と、スペーサ高分子層とが交互に積層されてなる高分子積層体が開示されている。
特許文献4には、2層以上の記録層の層間の一部あるいは全てに、記録光によって光情報が記録されない材料からなる非記録層が介在した光記録媒体が開示されている。
非特許文献1には、光重合反応性の光反応性成分を有するフォトポリマー材料に多層光記録を行う技術が開示されている。
特許文献1乃至4に記載の発明は、光記録媒体又は高分子積層体における記録再生時の層間でのクロストークの発生の防止を目的としている。
一方、ポリマー表面の改質や、有機無機ハイブリッド膜などへの利用として、ゾルゲル膜の利用が広がっている。なかでも、Tiアルコキシドは屈折率が高く、光学的に有利であり、また、触媒作用を持つことから表面改質に利用される。ZrアルコキシドもTiアルコキシドに次いで屈折率が高く、光学的に有利な材料である。
これらの金属アルコキシドにSiアルコキシドを混合させて、低温形成のゾルゲル膜を作製し利用することがマイクロリフレクター記録媒体において検討されている。しかし、図4に示すようなモノリシック(単層)構造であるため、デディケートサーボをとるために、チルトマージンが狭いという問題があった。
Appl.Opt.,35(1996)2466
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、特許文献1乃至4に記載のような多層光記録媒体であっても、記録再生時にチルトマージンを広く取ることができる光記録媒体及びこの光記録媒体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意研究の結果、多層記録を行う光記録媒体の作成時に、媒体膜を多層化し、各層間に光学上透明なフィルムを介し、各フィルムでフォーカスサーボを取ることにより、多層であっても記録再生時にチルトマージンを広く取ることが可能になることを見出した。
即ち、以下の実施例により上記課題を解決することができる。
(1)支持基材と、この支持基材上に支持された、フォトンモードにより記録可能な情報記録層を有する光記録媒体であって、前記情報記録層は、フォトンモードにより記録可能な媒体膜と、レーザビームを照射する際の反射基準面となる反射透過膜が交互に積層されてなることを特徴とする光記録媒体。
(2)前記媒体膜と前記反射透過膜との屈折率差は、0.02以上0.40以下であり、前記反射透過膜の透過率が97.5%以上とされていることを特徴とする(1)に記載の光記録媒体。
(3)前記媒体膜は、ホログラム記録膜であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光記録媒体。
(4)前記媒体膜の厚さは、5μm以上60μm以下であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の光記録媒体。
(5)前記反射透過膜は光学フィルムであり、該光学フィルムは可視光線透過率が95%以上とされていて、該光学フィルムの厚さは8μm以上50μm以下とされていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の光記録媒体。
(6)支持基材と、フォトンモードにより記録可能な情報記録層とを有する光記録媒体の製造方法であって、シート状に積層され、情報記録層を有する構造体をリング状に打ち抜く打抜工程と、打ち抜かれた前記構造体を支持基材に設置する設置工程を含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
(7)前記支持基材は、ポリカーボネート基板、ポリオレフィン基板及びガラス基板のいずれか1つからなることを特徴とする(6)に記載の光記録媒体の製造方法。
本発明によれば、多層であっても記録再生時にチルトマージンを広く取ることが可能な光記録媒体及びこの光記録媒体の製造方法を提供することができる。
以下、図1を参照して、本発明の実施例1に係る光記録媒体100について詳細に説明する。
光記録媒体100は、マイクロリフレクター記録媒体である。
UVカバー層101は、UV樹脂膜からなり、情報記録層102を外部の環境から保護するようにされている。
ガラス基板104は、情報記録層102を保持する支持基材であり、光が透過するようにされている。
ガラス基板104と情報記録層102側の界面にはダイクロイックミラー膜103が設けられている。
ダイクロイックミラー膜103は、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過するようにされている。
情報記録層102は、フォトンモードにより記録可能な媒体膜112、116、122と、レーザビームを照射する際の反射基準面となる反射透過膜114、118が交互に積層されている。ガラス基板104から順に、媒体膜112、反射透過膜114、媒体膜116、反射透過膜118、媒体膜122となるようにされている。
媒体膜112、116、122は、ホログラム記録膜であり、厚さは、5μm以上60μm以下とされている。
反射透過膜114、118は、ポリカーボネートの光学フィルムであり、厚さは8μm以上50μm以下とされている。
反射透過膜114、118の透過率は97.5%以上、特に、可視光線透過率は95%以上とされていて、媒体膜112、116、122と反射透過膜114、118との屈折率差は、0.02以上0.40以下とされている。
情報記録層102を図2に示す。図2(a)は傾斜していない場合、図2(b)は傾斜している場合であり、図中の三角形はレーザビームの焦点を、矢印はレーザビームの進行方向を示す。
図2に示されるように、媒体膜112に記録を行うときは、ガラス基板104を基準としてレーザビームのサーボを行ない、媒体膜116に記録を行うとき、また再生を行うときは、反射透過膜114のレーザビーム入射側の表面を基準としてレーザビームのサーボを行ない(図示しない)、媒体膜122に記録を行うときは、反射透過膜118のレーザビーム入射側の表面を基準としてレーザビームのサーボを行なうようにされている。
情報記録層102は、上記のような多層構造とされているため、反射透過膜114、118を基準としてレーザビームのサーボが可能となり、反射透過膜と媒体膜との距離が小さいため、図2(b)のように光記録媒体100が大きく傾いた場合でも再生信号が得られやすい。
なお、従来の光記録媒体の情報記録層を図4に示す。図4(a)は傾斜していない場合、図4(b)は傾斜している場合であり、図中の三角形はレーザビームの焦点を、矢印はレーザビームの進行方向を示す。
図4に示されるように、情報記録層に記録を行うとき、また再生を行うときは、常に基板を基準としてレーザビームのサーボを行うようにされている。このため、情報記録層の光入射側に近い部分では、基板と記録面との距離が大きくなり、図4(b)のように光記録媒体が傾いた場合に再生信号が得られにくい。
光記録媒体100は、以下の方法で作製した。
まず、テトラブトキシチタン〔Ti(OBu)4、 高純度化学製〕7.3gと、2−メチルペンタン−2,4−ジオール(東京化成製)5.04gをn−ブタノール溶媒2mL中で室温にて混合し、10分間撹拌し、Ti(OBu)4/2−メチルペンタン−2,4−ジオール=1/2(モル比)の反応液を得た。この反応液にジフェニルジメトキシシラン〔Ph2Si(OMe)2 信越化学製〕5.2gを加え、Ti/Si=1/1(モル比)の金属アルコキシド溶液とした。
次に、水0.4mL、2N塩酸水溶液0.16mL及び溶媒エタノール2mLからなる溶液を、金属アルコキシド溶液に撹拌しながら室温で滴下し、30分撹拌を続け、加水分解反応および縮合反応を行い、ゾル溶液を得た。
次に、光重合性化合物としてポリエチレングリコールモノアクリレート(共栄社化学製:130A)100重量部に、光重合開始剤としてIRG−907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)3重量部と、光増感剤として2,4−ジエチル−9H−チオキサンテン−9−オン 0.3重量部とを加え、光重合性化合物を含む混合物とした。
次に、不揮発分としてのマトリックス材料の割合が75重量部、光重合性化合物の割合が25重量部となるように、ゾル溶液と光重合性化合物の混合物とを室温にて混合し、遮光した状態で更に1時間、ゾル−ゲル反応を十分に進行させ、ホログラム記録材料溶液を得た。得られた溶液を遮光状態で、80℃で過熱濃縮し、塗布用の溶液とした。
この過熱濃縮液を、ポリカーボネートの光学フィルム(t=50um)上に、バーコーターを用いて塗布し、80℃オーブンで20時間乾燥後30umの記録膜を得た。
次に、得られた膜を打ち抜き、ガラス基板へ、UV硬化ではない接着層を介して記録膜を張り合わせ光記録媒体100を得た。
この光記録媒体100に反射型ホログラムを形成し、光記録媒体100全体を405nmのLEDでポストキュア(後露光)した後にUVカバー層をスピンコートで成膜した。
光記録媒体100は、図3に示す光記録媒体記録再生システム10によって、データ情報及びサーボ情報を記録、再生される。
光記録媒体記録再生システム10は、光記録媒体100と、光ヘッド装置(以下光ヘッド)14と、光ヘッド14からの信号に基づいて、再生(RF)信号や、トラッキングエラー(TE)信号、フォーカスエラー(FE)信号等を出力するRFアンプ40と、RFアンプ40の出力信号に基づいて、光ヘッド14を制御し、光ヘッド14を光記録媒体100の半径方向及び厚さ方向に駆動するためのスライドモータ15及び光記録媒体100を回転駆動するためのスピンドルモータ16を制御する制御装置50と、RFアンプ40からのRF信号より基本クロックを再生したりアドレスを判別したりする信号処理回路70と、システムコントローラ72及びD/Aコンバータ74とを備えて構成されている。
光ヘッド14は、図3に示されるように、信号記録再生用光学系20と、サーボ信号検出用光学系30と、アクチュエータ17とを備えている。
このアクチュエータ17には、信号記録再生用光学系20における記録再生用対物レンズ22、λ/4板29、フォーカスジャンプ用アクチュエータ59、及び、サーボ信号検出用光学系30におけるサーボ用対物レンズ32、λ/4板39が設けられ、又、記録再生用対物レンズ22は、光記録媒体100の情報記録層102の任意の深さ位置に合焦できるようにされている。
信号記録再生用光学系20は、記録再生用のレーザビームを出射するレーザダイオードからなるレーザ光源23と、このレーザ光源23から出射されたレーザビームのs偏光又はp偏光の一方を図3において横方向に反射する偏光ビームスプリッタ24と、この偏光ビームスプリッタ24を通ったレーザビームを光記録媒体100の情報記録層102の特定の深さ位置に合焦させる記録再生用対物レンズ22と、光記録媒体100からの、レーザビームの反射光が、記録再生用対物レンズ22を経て偏光ビームスプリッタ24を透過した後のレーザビームを受光する光検出器25と、を同一光軸OA2上に備えて構成されている。
光軸OA2上には、偏光ビームスプリッタ24と記録再生用対物レンズ22との間に、コリメートレンズ27、立上げミラー28及びλ/4板29がこの順で配置され、偏光ビームスプリッタ24と光検出器25との間に、センサレンズ21が配置されている。
センサレンズ21は、円柱レンズと球面レンズ(図示省略)から構成されていて、センサレンズ21を透過したレーザビームが略45°の方向に所定の非点収差が与えられるようになっている。この非点収差は、フォーカスエラー信号(FE信号)の検出に使用される。
アクチュエータ17は、例えばボイスコイルモータからなり、制御装置50からの信号に基づいてフォーカス動作、トラッキング動作、チルト動作を行なうように構成されている。
フォーカスジャンプ用アクチュエータ59は、制御装置50からの信号に基づいて、記録再生用対物レンズ22の深さ位置を調整するようにされている。
サーボ信号検出用光学系30は、信号記録再生用光学系20と同様の構成であって、同一の光軸OA3上に、偏光ビームスプリッタ34、コリメートレンズ37、立上げミラー38及びλ/4板39を、この順で備えている。また、光記録媒体100からの反射光が、偏光ビームスプリッタ34に戻ってこれを透過した後に、このレーザビームを受光する光検出器35と偏光ビームスプリッタ34との間に配置されたフィルター31とを備えている。
RFアンプ40は、エラー検出回路41、波形等化器42、整形器43から構成されていて、制御装置50は、制御回路51と、反射基準面判断回路58と、ドライバ61とから構成されている。
制御回路51は、フォーカス制御回路52、トラッキング制御回路53、チルト制御回路54、フォーカスジャンプ制御回路55、スライド制御回路56及びスピンドル制御回路57から構成されている。
反射基準面判断回路58は、フォーカス制御回路52、トラッキング制御回路53、チルト制御回路54及びフォーカスジャンプ制御回路55からの信号から、レーザビームをサーボする際の反射基準面を判断し、フォーカスドライバ62、トラッキングドライバ63、チルトドライバ64及びフォーカスジャンプドライバ65に信号を送信するようにされている。
また、ドライバ61は、フォーカスドライバ62、トラッキングドライバ63、チルトドライバ64、フォーカスジャンプドライバ65、スライドドライバ66及びスピンドルドライバ67から構成されている。
制御装置50は、上記構成によって、RFアンプ40からのフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号等に基づいて、光ヘッド14のフォーカスサーボ、トラッキングサーボ及びスライドサーボ等を行なうと共に、スピンドルモータ16の回転を制御するように構成されている。
また、信号処理回路70は、RFアンプ40からのRF信号に復調、誤り検出/訂正等の処理を施してデータを再生するデジタル信号処理を行ない、D/Aコンバータ74を介してデジタル信号であるデータをアナログ信号に変換してから出力端子(図示省略)に供給するようにされている。符号72はシステムコントローラを示す。
光記録媒体120は、実施例1の光記録媒体100と同様とされている。
光記録媒体120は、以下の方法で作製した。
実施例1と同様にして得られた記録媒体の加熱濃縮液を、ポリカーボネートの光学フィルム(t=50um)上に、バーコーターを用いて塗布し、80℃オーブンで20時間乾燥後30umの記録膜を得た。
次に、その記録膜へポリカーボネートの光学フィルム(t=50um)を圧着して得られた膜を、UV硬化ではない接着層を介して張り合わせてシート状に積層された構造体とし、この記録膜からなる情報記録層を有する構造体をリング状に打ち抜き、ガラス基板へ設置して光記録媒体120を得た。
この光記録媒体120へ反射型ホログラムを形成し、光記録媒体120全体を405nmのLEDでポストキュアした後に、UVカバー層をスピンコートで成膜した。
光記録媒体130は、実施例1の光記録媒体100と同様とされている。
光記録媒体130は、以下の方法で作製した。
実施例1と同様にして得られた記録媒体の加熱濃縮液を、ポリカーボネートの光学フィルム(t=50um)上に、バーコーターを用いて塗布し、80℃オーブンで20時間乾燥後30umの記録膜を得た。
次に、得られた膜を打ち抜き、記録膜上へポリカーボネートの光学フィルムが接するように2枚の膜を圧着させ、ガラス基板へ、UV硬化ではない接着層を介して記録膜を張り合わせ光記録媒体130を得た。
光記録媒体130へ反射型ホログラムを形成し、光記録媒体130全体を405nmのLEDでポストキュアした後に、UVカバー層をスピンコートで成膜した。
光記録媒体140は、実施例1の光記録媒体100と同様とされている。
光記録媒体140は、以下の方法で作製した。
実施例1と同様に得られた記録媒体の加熱濃縮液を、ポリカーボネートの光学フィルム(t=20um)上に、バーコーターを用いて塗布し、80℃オーブンで20時間乾燥後30umの記録膜を得た。
次に、得られた膜を打ち抜き、記録膜上へポリカーボネートの光学フィルムが接するように3枚の膜を圧着させ、ガラス基板へ、UV硬化ではない接着層を介して記録膜を張り合わせ光記録媒体140を得た。
この光記録媒体140へ反射型ホログラムを形成し、媒体全体を405nmのLEDでポストキュアした後に、UVカバー層をスピンコートで成膜した。
[比較例1]
実施例1と同様に得られた記録媒体の加熱濃縮液を、ポリカーボネートの光学フィルム(t=50um)上に、バーコーターを用いて塗布し、80℃オーブンで20時間乾燥後30umの記録膜を得、記録膜を更に重ね塗り、90umの記録膜を得た。得られた膜を打ち抜き、ガラス基板へ、UV硬化ではない接着層を介して記録膜を張り合わせ光記録媒体を得た。
実施例1と同様に得られた記録媒体の加熱濃縮液を、ポリカーボネートの光学フィルム(t=50um)上に、バーコーターを用いて塗布し、80℃オーブンで20時間乾燥後30umの記録膜を得、記録膜を更に重ね塗り、90umの記録膜を得た。得られた膜を打ち抜き、ガラス基板へ、UV硬化ではない接着層を介して記録膜を張り合わせ光記録媒体を得た。
この光記録媒体へ反射型ホログラムを形成し、媒体全体を405nmのLEDでポストキュアした後に、UVカバー層をスピンコートで成膜した。
比較例1の光記録媒体の情報記録層を図3に示す。図3(a)は傾斜していない場合、図3(b)は傾斜している場合であり、図中の三角形及び矢印は図2と同様である。
図3に示されるように、情報記録層に記録を行うときは、ガラス基板を基準としてレーザビームのサーボを行なうようにされている。従って、ガラス基板から遠い記録膜にレーザビームの焦点を合わすときの反射透過膜とレーザビームの焦点との距離が大きくなってしまう。また、情報記録層は、モノリシック構造とされているため、光記録媒体が大きく傾いた場合に、反射透過膜から離れた記録面での再生信号が得られ難い。
実施例1乃至4と比較例1の光記録媒体を、スタティックテスターを用いて再生したところ、各反射型ホログラムが確認された。
デディケートサーボを用いたダイナミックテスターにて再生すると、比較例1の光記録媒体では、サーボ面から離れた反射型ホログラムは再生され難くなった。サーボ面からの距離(μm)と光記録媒体の傾斜角度による再生信号の信号強度の低減割合を表1に示す。表2は、表1中の記号の意味を示す。
表1及び表2から、比較例1の光記録媒体では、サーボ面からの距離に比例して信号強度が低減していることが分かる。
なお、実施例1乃至4の光記録媒体の支持基材は、ガラス基板を用いているが、ポリカーボネート基板やポリオレフィン基板を用いてもよい。
また、実施例1乃至4の光記録媒体の媒体膜はホログラム記録膜以外の記録膜を用いてもよい。
本発明は、例えば、マイクロリフレクター記録媒体等の光記録媒体に利用することができる。
10…光記録再生システム
20…信号記録再生用光学系
30…サーボ信号検出用光学系
40…RFアンプ
50…制御装置
70…信号処理回路
100…光記録媒体
104…ガラス基板
112、116、122…媒体膜
114、118…反射透過膜
20…信号記録再生用光学系
30…サーボ信号検出用光学系
40…RFアンプ
50…制御装置
70…信号処理回路
100…光記録媒体
104…ガラス基板
112、116、122…媒体膜
114、118…反射透過膜
Claims (7)
- 支持基材と、この支持基材上に支持された、フォトンモードにより記録可能な情報記録層を有する光記録媒体であって、
前記情報記録層は、フォトンモードにより記録可能な媒体膜と、レーザビームを照射する際の反射基準面となる反射透過膜とが交互に積層されてなることを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1において、
前記媒体膜と前記反射透過膜との屈折率差は、0.02以上0.40以下であり、
前記反射透過膜の透過率が97.5%以上とされていることを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1又は2において、
前記媒体膜は、ホログラム記録膜であることを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記媒体膜の厚さは、5μm以上60μm以下であることを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記反射透過膜は光学フィルムであり、
該光学フィルムは可視光線透過率が95%以上とされていて、
該光学フィルムの厚さは8μm以上50μm以下とされていることを特徴とする光記録媒体。 - 支持基材と、フォトンモードにより記録可能な情報記録層とを有する光記録媒体の製造方法であって、
シート状に積層され、情報記録層を有する構造体をリング状に打ち抜く打抜工程と、
打ち抜かれた前記構造体を支持基材に設置する設置工程を含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 請求項6において、
前記支持基材は、ポリカーボネート基板、ポリオレフィン基板及びガラス基板のいずれか1つからなることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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