JP2010249296A - 吸振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な吸振動効果を得ることができる吸振器を提供する。
【解決手段】吸振器100は、収容室102が形成されたダンパ本体部110を備え、収容室102は、回転中心線O1方向の長さが振子部111の中心線方向の長さよりも広い幅広領域と、幅広領域よりも回転中心線O1方向の長さが狭く、振子部111が通過可能な幅狭領域140,141とを含み、収容室102内のうち、振子運動する振子部111が転動する転動領域200は、幅狭領域140,141および幅狭領域140,141を通るように配置される。
【選択図】図3
【解決手段】吸振器100は、収容室102が形成されたダンパ本体部110を備え、収容室102は、回転中心線O1方向の長さが振子部111の中心線方向の長さよりも広い幅広領域と、幅広領域よりも回転中心線O1方向の長さが狭く、振子部111が通過可能な幅狭領域140,141とを含み、収容室102内のうち、振子運動する振子部111が転動する転動領域200は、幅狭領域140,141および幅狭領域140,141を通るように配置される。
【選択図】図3
Description
本発明は、吸振器に関し、特に、車両に搭載される吸振器に関する。
従来から車両に搭載され、エンジンが駆動することによって生じる振動を低減する機構として、ダイナミックダンパ等の吸振器が従来から各種提案されている。
たとえば、特開2000−283235号公報に記載された振動減衰装置は、回転軸心を中心に回転可能な基体と、この基体に配置された少なくとも1つの偏位質量体とを備えている。
特開平11−325182号公報に記載された振動低減ダンパは、回転軸に固着されたケーシングと、該ケーシングの内部に複数設けられた減衰室と、該減衰室内に転動可能に収容された球体とを備えている。そして、球体が減衰室内を転動することで、振動を減衰させる。
実開平7−38787号公報に記載されたフライホイールは、フライホイール本体を含み、このフライホイール本体には、振子室が形成されている。この振子室には、円筒コロ状の質量体が収容されている。
特開平6−294446号公報に記載されたフライホイールは、フライホイール本体を含み、このフライホイール本体には、転動室が形成されており、この転動室内にはダンパマスが収容されている。
上記特開2000−283235号公報に記載された振動減衰装置においては、偏位質量体が転動する過程において、偏位質量体が基体の内側面と接触する場合がある。
具体的には、偏位質量体が所定の位置から変位して、回転軸心方向に配列する偏位質量体の側面と、回転軸心方向に配列する基体の内側面とが接触する場合がある。このように、偏位質量体が基体に接触することで、偏位質量体が転動し難くなり、所望の減衰効果を得難くなる。
このような問題は、特開平11−325182号公報に記載された振動低減ダンパ等においても同様に起こりえる問題である。
このような問題を解決する手段としては、偏位質量体が転動する転動室内に環状の溝部を形成すると共に、偏位質量体の外周面に溝部に嵌りこむ環状凸部を形成する手法が考えられる。
この吸振器によれば、偏位質量体の姿勢が崩れることを抑制することができ、偏位質量体と基体の内周面とが接触することを抑制することができる。
しかし、この手法によれば、偏位質量体の環状凸部と基体の環状溝とが常に接触することになり、偏位質量体が良好に振子運動し難くなり、十分な吸振効果を得難くなっている。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、十分な吸振動効果を得ることができる吸振器を提供することである。
本発明に係る吸振器は、回転中心線を中心に回転可能に設けられた回転軸に装着されると共に、回転中心線が延びる方向から視たときに回転軸から離れた位置に収容室が形成された本体部と、収容室内に収容され、収容室内を振子運動するように、収容室の内周面上を転動することで、回転軸の振動を減衰する振子部とを備える。
そして、収容室は、回転中心線の延びる方向の長さが振子部の回転中心線の延びる方向の長さよりも広い幅広領域と、幅広領域よりも回転中心線の延びる方向の長さが狭く、振子部が通過可能な幅狭領域とを含み、収容室内のうち、振子運動する振子部が転動する転動領域は、幅広領域および幅狭領域を通るように配置される。
好ましくは、転動面は、本体部の外周面に近接する底部を含み、底部から離れるにつれて、本体部の外周面から離れるように湾曲させられ、振子部の振子運動方向における転動領域の中央部は底部上に位置させられる。そして、上記幅広領域は、転動領域のうち、振子部の振子運動方向の中央部を含むように配置され、幅狭領域は、幅広領域と振子部の振子運動方向に隣り合うように配置される。
好ましくは、上記幅狭領域は、収容室の内周面に沿って延びる溝部とされ、幅狭領域の深さは底部から離れるにしたがって、深くなるように形成される。好ましくは、上記幅狭領域は、幅広領域の両側に設けられる。
好ましくは、上記収容室は、回転中心線方向に配列する第1内側面と第2内側面とを含み、本体部は、第1内側面を規定する第1側壁部と、第2内側面を規定する第2側壁部とを含む。そして、上記幅狭領域は、第1側壁部に形成され、第2側壁部に向けて張り出す第1張出部と、第2側壁部に形成され、第1側壁部に向けて張り出す第2張出部とによって規定される。
好ましくは、上記収容室は、回転中心線方向に配列する第1内側面と第2内側面とを含み、本体部は、第1内側面を規定する第1側壁部と、第2内側面を規定する第2側壁部とを含む。そして、上記幅狭領域は、第1側壁部に回転可能に設けられた第1回転体と、第2側壁部に回転可能に設けられた第2回転体とによって規定される。好ましくは、上記第1回転体および第2回転体は、球体状に形成される。
本発明に係る吸振器によれば、十分な吸振効果を得ることができる。
本実施の形態に係る吸振器100について、図1から図9を用いて説明する。
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る吸振器100の側断面図であり、図2は、図1のII−II線における断面図である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る吸振器100の側断面図であり、図2は、図1のII−II線における断面図である。
この図1に示すように、吸振器100は、回転中心線O1を中心に回転可能に設けられた回転軸101に装着され、内部に収容室(収容部)102が形成されたダンパ本体部(本体部)110と、収容室102内に収容され、仮想中心線O2を中心に転動可能に設けられた振子部111とを備えている。図2に示すように、回転中心線O1が延びる方向からダンパ本体部110を平面視すると、収容室102は、回転軸101から径方向に間隔をあけた位置に形成されている。収容室102の内周面102aは、仮想中心線O2を中心とする円筒面とされている。
ダンパ本体部110は円板状に形成されており、ダンパ本体部110の外周面は、回転中心線O1を中心とする仮想円上を延びている。
収容室102の内周面102aの曲率半径は、ダンパ本体部110の外周面の曲率半径よりも小さく、収容室102は、回転中心線O1を中心とする仮想円上に複数配列している。
ダンパ本体部110には、回転軸101を挿入する挿入孔112が形成されており、ダンパ本体部110は、回転軸101に固定されている。
図1に示すように、ダンパ本体部110は、挿入孔112および凹部114が形成された環状部材113と、環状部材113に固定され、凹部114の開口部を閉塞する環状の蓋部材115とを備えている。そして、蓋部材115が凹部114の開口部を閉塞することで、上記収容室102が規定されている。
図3は、収容室102および振子部111を示す模式図である。図1に示す回転軸101に捩れ振動等が加えられると、各振子部111は、仮想中心線O2を中心(支点)として、振子運動をするように、収容室102内を転動する。この際、振子部111には、遠心力が加えられているため、振子部111は収容室102の内周面のうち、仮想中心線O2より外周側に位置する部分を転動する。すなわち、振子部111は、内周面102aを規定するダンパ本体部110の内壁面のうち、回転軸101と対向する転動面102bを転動する。
このように、振子部111が収容室102内を振子運動するように転動することで、ダンパ本体部110には振子部111から荷重が加えられる。ダンパ本体部110に加えられる荷重のベクトルは、回転軸101に加えられた振動のトルクと反対方向になる。
ここで、回転中心線O1と仮想中心線O2との間の距離をRとし、各振子部111の重心Gとし、重心Gと仮想中心線O2との間の距離をrとし、回転軸101の角速度をωとすると、振子部111の固有振動数fは、下記式(1)により求められる。
f≒(R×ω2/r)1/2・・・(1)
そして、回転軸101に加えられる捩れのn次成分の振動を低減するには、距離Rおよび距離rが下記式(2)を満たすように設定する。
そして、回転軸101に加えられる捩れのn次成分の振動を低減するには、距離Rおよび距離rが下記式(2)を満たすように設定する。
n=(R/r)1/2・・・(2)
このように、Rおよびrが設定された吸振器100によれば、特定次数の捩れ振動を低減させることができる。
このように、Rおよびrが設定された吸振器100によれば、特定次数の捩れ振動を低減させることができる。
図3に示すように、回転軸101に加えられた振動を低減するように、振子部111が振子運動する際には、振子部111は、内周面102aのうち、回転軸101と対向する転動面102b上を転動する。内周面102aは、上記のように円筒状に形成されているため、転動面102bは、内周面102aのうち、仮想中心線O2よりもダンパ本体部110の外周側に位置している。なお、本実施の形態においては、内周面102aは、円筒状に形成されているが、内周面102aの形状としては円筒面形状に限られない。内周面102aのうち、振子部111が転動する転動面102bが仮想中心線O2を中心とする円弧面であればよい。
そして、振子部111が振子運動する際には、振子部111は、転動面102b上であって、図3の一点鎖線で囲まれる揺動領域200で往復運動する。そして、図3中に示された振子部111aは、揺動領域200のうち、振子運動方向の中央部に位置するときの振子部111を示す。振子部111bおよび振子部111cは、揺動領域200の端部に位置するときの振子部111を示す。なお、振子部111aは、最も径方向外方側に位置し、振子部111b,111cは、最も径方向内方側に位置する。
転動面102bのうち、回転中心線O1から最も離れた底部120は、ダンパ本体部110の外周面に最も近接している。
そして、転動面102bは、底部120から離れるにつれて、ダンパ本体部110の外周面から離れるように湾曲している。
このため、振子運動する際に、揺動領域200のうち、振子部111の振子運動方向の中央部は、底部120上に位置し、振子部111aは底部120上に位置している。
図4は、収容室102および振子部111を示す斜視図である。図4に示すように、収容室102内には、回転中心線O1の延びる方向の長さが長い幅広領域142と、回転中心線O1の延びる方向の長さが短い幅狭領域140,141とが規定されている。
そして、幅広領域142の回転中心線O1が延びる方向の長さt2は、振子部111の回転中心線O1が延びる方向の長さt1よりも長く、幅狭領域140,141の回転中心線O1が延びる方向の長さt3は、幅広領域142の回転中心線O1が延びる方向の長さt2よりも短く、振子部111の回転中心線O1が延びる方向の長さt1よりも長くなっている。
図3に示すように、揺動領域200は、幅狭領域140、幅狭領域141および幅広領域142を通るように配置されている。
このため、振子部111が振子運動する際に、振子部111は、幅狭領域140を通ると共に幅狭領域141および幅広領域142を通る。
幅広領域142の回転中心線O1が延びる方向の長さt2は、振子部111の長さt1よりも長くなるように形成されているため、振子部111が幅広領域142を通過する際には、回転中心線O1が延びる方向に配列する収容室102の内側面と、振子部111とが接触することが抑制されている。
そして、たとえば、振子部111の回転中心線が、仮想中心線O2と平行とならず、振子部111が傾斜した姿勢で、振子部111が幅狭領域140,141に入り込むと、回転中心線O1が延びる方向に配列する振子部111の外側面が、幅狭領域140,141を規定する収容室102の内側面と接触する。
このように、振子部111が収容室102の内周面と接触することで、振子部111の回転中心線が、仮想中心線O2と平行となり、振子部111の姿勢が矯正される。
このように、幅広領域142と、幅狭領域140,141とを揺動領域200に位置させることで、振子運動を行う振子部111の姿勢を矯正することができると共に、振子運動を行う振子部111に加えられる摩擦を抑制することができる。これに伴い、振子部111が回転軸101に加えられた捩れ振動等を低減する際に、振子部111が良好に振子運動することになる。
転動面102bの底部120は、ダンパ本体部110の外周面に最も近接しているため、振子運動を行う振子部111は、底部120を中心に揺動する。そして、揺動領域200のうち、振子部111の振子運動方向の中央部に位置する部分は、底部120上に位置する。幅広領域142は、底部120上に位置しており、回転中心線O1が延びる方向から平面視すると、幅広領域142の幅は、振子部111の直径Wよりも広い。幅狭領域140および幅狭領域141は、幅広領域142の両側に位置している。
振子部111が振子運動する過程において、振子部111が底部120を通過するときが最も速度が速くなり、その後、振子部111の速度は遅くなる。
そして、振子部111が揺動領域200の端部に位置する際には、振子部111の速度は、最も遅くなる。
ここで、幅広領域142は、揺動領域200のうち、振子運度方向の中央部を含むように設けられているため、振子部111は速度の速いときに、収容室102の内側面と接触することが抑制されている。特に、幅広領域142の幅は、振子部111の直径よりも広いため、振子部111が高速で移動する区間において、振子部111に大きな摩擦力が加えられることが抑制されている。
その一方で、幅狭領域140および幅狭領域141は、揺動領域200のうち、振子運動方向の端部を含むように設けられている。このため、振子部111は、速度が遅いときに収容室102の側面と接触し、振子部111の姿勢が矯正される。
このように、振子部111の速度が遅いときに振子部111の姿勢を矯正することで、収容室102を規定するダンパ本体部110の内壁面から振子部111に加えられる外力を小さく抑えることができる。
図5は、図3に示すV−V線における断面図であり、図6は、図3に示すVI−VI線における断面図である。
この図5および図6に示すように、回転中心線O1が延びる方向に配列する収容室102の一方の内側面は、環状部材(第2側壁部)113によって規定されており、収容室102の他方の内側面は、蓋部材(第1側壁部)115によって規定されている。
図4から図6に示すように、環状部材113には、蓋部材115に向けて張り出す張出部131および張出部133が形成されている。蓋部材115には、環状部材113に向けて張り出す張出部130および張出部132が形成されている。
張出部130および張出部131は、互いに回転中心線O1が延びる方向に対向すると共に、互いに回転中心線O1が延びる方向に間隔をあけて設けられている。幅狭領域140は、張出部130および張出部131間に規定されている。張出部132および張出部133は、互いに回転中心線O1が延びる方向に対向すると共に、互いに回転中心線O1が延びる方向に間隔をあけて設けられている。そして、幅狭領域141は、張出部132と張出部133との間に規定されている。
幅狭領域140と、幅広領域142との境界部分は、張出部130の端面135と、張出部131の端面136とによって規定されており、幅狭領域141と幅広領域142との境界は、張出部132の端面137と、張出部133の端面138とによって規定されている。
そして、本実施の形態においては、幅狭領域140および幅狭領域141は、転動面102bに沿って延びる溝部とされている。
ここで、幅狭領域140の回転中心線O1が延びる方向の中央部と、幅狭領域141の回転中心線O1が延びる方向の中央部とは、互いに回転中心線O1および仮想中心線O2に垂直な同一仮想平面上に位置している。そして、幅狭領域140および幅狭領域141の回転中心線O1が延びる方向の中央部を通る仮想平面は、幅広領域142の回転中心線O1が延びる方向の中央部を通る。
このため、幅狭領域140または幅狭領域141の一方に入り込み、その後、振子部111が幅広領域142に戻る際には、振子部111は、幅広領域142の回転中心線O1が延びる方向の中央部を通る。そして、幅狭領域140および幅狭領域141の他方に入り込む。
幅狭領域140,141の深さDは、底部120に最も近接する部分から離れるにつれて、深くなるように形成されている。このため、振子部111が幅狭領域140,141内に入り込むに従って、振子部111がダンパ本体部110の内壁面と接触する面積が大きくなり、振子部111の姿勢がより正確に矯正される。
そして、底部120から離れるにつれて、振子部111の速度は遅くなるため、底部120から大きく離れた位置で、振子部111とダンパ本体部110との接触面積が大きくなったとしても、振子部111に大きな外力が加えられることが抑制され、振子部111の振子運動に大きな影響が生じることが抑制されている。なお、幅狭領域140の深さは、端面135,136に垂直な方向における端面135と転動面102bとの間の距離とする。
図7は、張出部131〜133の変形例を示す断面図であり、上記図5に対応する断面図である。
この図7に示す例においては、幅狭領域140の開口部を規定する張出部130の端面135および張出部131の端面136は、湾曲面状に形成されている。
具体的には、端面136および端面135の回転中心線O1が延びる方向の間隔が、幅狭領域140の開口部側から幅狭領域140の深さ方向に向うにしたがって、短くなるように形成されている。
これにより、振子部111が幅狭領域140内に入り込み始める際に、振子部111が端面135または端面136と接触したとしても、端面135または端面136の表面に沿って振子部111が変位して、振子部111が幅狭領域140に案内される。
同様に、張出部132の端面137および張出部133の端面138も、湾曲面状に形成されており、幅狭領域141の開口部側から幅狭領域141の深さ方向に向うにしたがって、端面137と端面138との回転中心線O1が延びる方向の間隔が狭くなるように形成されている。
これにより、振子部111の振子運動する位置が、幅狭領域140、幅広領域142および幅広領域142の回転中心線O1が延びる方向の中央部からずれたとしても、振子部111を幅狭領域140または幅広領域142内に案内することができる。
これにより、振子部111の回転中心線O1が延びる方向の位置を矯正することができ、振子部111が幅広領域142において、収容室102の内側面と接触することを抑制することができる。
(実施の形態2)
図8および図9を用いて、本発明の実施の形態2に係る吸振器100について説明する。なお、図8および図9に示す構成のうち、上記図1から図7に示された構成と同一または相等する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図8および図9を用いて、本発明の実施の形態2に係る吸振器100について説明する。なお、図8および図9に示す構成のうち、上記図1から図7に示された構成と同一または相等する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図8は、本実施の形態2に係る吸振器100のうち、収容室102および振子部111を示す断面図であり、図9は、図8に示すIX−IX線における断面図である。
この図8および図9に示すように、蓋部材115には、回転可能(自転可能)とされた球体(第1回転体)150および球体151が設けられている。
さらに、環状部材113には、回転可能(自転可能)とされた球体(第2回転体)151,153が設けられている。
球体150と、球体151との回転中心線O1が延びる方向の間隔は、幅広領域142における収容室102の回転中心線O1が延びる方向の長さよりも狭くなっている。同様に、球体152と球体153との回転中心線O1が延びる方向の間隔は、幅広領域142における収容室102の回転中心線O1が延びる方向の長さよりも狭くなっている。
球体150と球体151との間の間隔と、球体152と球体153との間の間隔とは、いずれも、振子部111の回転中心線O1が延びる方向の長さよりも広くなっており、振子部111は、球体150と球体151との隙間および球体152と球体153との隙間を通ることができる。
そして、球体150と球体151との間に幅狭領域140が規定されており、球体152と球体153との間に幅狭領域141が規定されている。
図8に示すように、球体150と球体151は、揺動領域200内に位置しており、球体152と球体153とは、揺動領域200内に位置している。
球体150,151は、振子運動方向における揺動領域200の中央部から、振子運動方向に離れた位置に設けられており、球体152,153は、揺動領域200の上記中央部に対して球体150,151と反対側に設けられている。そして、幅広領域142は、揺動領域200の上記中央部を含むように配置されている。
図9において、蓋部材115のうち、収容室102の内側面を規定する部分には、球体150,152の一部が収容される保持溝部156,158が形成されている。保持溝部156,158の内周面は、球面状に形成されている。
各保持溝部156,158の開口部の周囲には、環状の保持部160,162が設けられている。
この保持部160,162は、保持溝部156,157内に収容された球体150,152のうち、保持溝部156,157から張り出す部分を保持し、球体150,152が保持溝部156,157から脱落することを抑制している。なお、球体150,152の一部は、環状に形成された保持部160,162の穴部から外方に張り出している。
環状部材113のうち、収容室102の内側面を規定する部分には、球体151,153の一部を受け入れ保持溝部157,159が形成されている。そして、保持溝部157,159の開口縁部の周囲にも、環状に形成された保持部161,163が装着されており、球体151,153が保持されている。そして、各球体150〜153は、保持溝部156〜159内で自転可能に設けられている。
振子部111が、球体150と球体151との間に入り込み、振子部111の側面が球体150,151と接触すると、振子部111の姿勢が矯正される。
さらに、振子部111の側面と接触した球体150,151は、振子部111から加えられる外力によって回転する。これにより、球体150,151と振子部111との間に大きな摩擦力が生じることが抑制されている。
このため、球体150,151から振子部111に加える外力が低減されており、振子部111の振子運動への影響が低減されている。
さらに、振子部111が幅狭領域140内に入り込む際に、球体150,151と接触したとしても、球体150,151の表面は球面状とされているので、振子部111は、球体150,151の表面に沿って、幅狭領域140内に向けて案内される。
さらに、球体150,151は、自転可能に設けられているため、振子部111が球体150,151と接触したとしても、球体150,151が自転することで、振子部111から加えられた外力を受け流すと共に、球体150,151から振子部111に加えられる反力も低減される。
このように、球体150,151が振子部111と接触することで、振子部111の振子運動に与える影響を低く抑えることができ、吸振器100に加えられた振動を良好に低減させることができる。なお、球体152および球体153も、球体150および球体151と同様に形成されており、振子部111が幅狭領域141内に入り込むことで、振子部111の姿勢が矯正される。さらに、幅狭領域141内に振子部111が入り込む際に、振子部111に大きな外力が加えられることが抑制されている。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。さらに、上記数値などは、例示であり、上記数値および範囲にかぎられない。
本発明は、吸振器に適用することができ、特に、車両に搭載される吸振器に好適である。
100 吸振器、101 回転軸、102a 内周面、102 収容室、102b 転動面、110 ダンパ本体部、111 振子部、112 挿入孔、113 環状部材、114 凹部、115 蓋部材、120 底部、130 張出部、135,136 端面、140,141 幅狭領域、142 幅広領域、150,151 球体。
Claims (7)
- 回転中心線を中心に回転可能に設けられた回転軸に装着されると共に、前記回転中心線が延びる方向から視たときに前記回転軸から離れた位置に収容室が形成された本体部と、
前記収容室内に収容され、前記収容室内を振子運動するように、前記収容室の内周面上を転動することで、前記回転軸の振動を減衰する振子部とを備え、
前記収容室は、前記回転中心線の延びる方向の長さが前記振子部の前記回転中心線の延びる方向の長さよりも広い幅広領域と、前記幅広領域よりも前記回転中心線の延びる方向の長さが狭く、前記振子部が通過可能な幅狭領域とを含み、
前記収容室内のうち、振子運動する前記振子部が転動する転動領域は、前記幅広領域および前記幅狭領域を通るように配置された、吸振器。 - 前記転動面は、前記本体部の外周面に近接する底部を含み、前記底部から離れるにつれて、前記本体部の外周面から離れるように湾曲させられ、
前記振子部の振子運動方向における前記転動領域の中央部は前記底部上に位置させられ、
前記幅広領域は、前記転動領域のうち、前記振子部の振子運動方向の中央部を含むように配置され、
前記幅狭領域は、前記幅広領域と前記振子部の振子運動方向に隣り合うように配置された、請求項1に記載の吸振器。 - 前記幅狭領域は、前記収容室の内周面に沿って延びる溝部とされ、前記幅狭領域の深さは前記底部から離れるにしたがって、深くなるように形成された、請求項2に記載の吸振器。
- 前記幅狭領域は、前記幅広領域の両側に設けられた、請求項2または請求項3に記載の吸振器。
- 前記収容室は、前記回転中心線の延びる方向に配列する第1内側面と第2内側面とを含み、
前記本体部は、前記第1内側面を規定する第1側壁部と、前記第2内側面を規定する第2側壁部とを含み、
前記幅狭領域は、前記第1側壁部に形成され、前記第2側壁部に向けて張り出す第1張出部と、前記第2側壁部に形成され、前記第1側壁部に向けて張り出す第2張出部とによって規定された、請求項1から請求項4のいずれかに記載の吸振器。 - 前記収容室は、前記回転中心線の延びる方向に配列する第1内側面と第2内側面とを含み、
前記本体部は、前記第1内側面を規定する第1側壁部と、前記第2内側面を規定する第2側壁部とを含み、
前記幅狭領域は、前記第1側壁部に回転可能に設けられた第1回転体と、前記第2側壁部に回転可能に設けられた第2回転体とによって規定された、請求項1または請求項2に記載の吸振器。 - 前記第1回転体および前記第2回転体は、球体状に形成された、請求項6に記載の吸振器。
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JP2009102181A JP2010249296A (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | 吸振器 |
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JP2009102181A Withdrawn JP2010249296A (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | 吸振器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5348319B2 (ja) * | 2011-03-11 | 2013-11-20 | トヨタ自動車株式会社 | 振動減衰装置 |
WO2017043316A1 (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 株式会社エクセディ | トルク変動抑制装置、トルクコンバータ、及び動力伝達装置 |
-
2009
- 2009-04-20 JP JP2009102181A patent/JP2010249296A/ja not_active Withdrawn
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