JP2010249260A - クラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ機構の入力軸回転数および出力軸回転数の回転数差の絶対値が大きい場合における係合ショックの低減と、上記回転数差の絶対値が小さい場合におけるクラッチペダルの操作フィーリングの向上とを両立可能なクラッチ装置を提供する。
【解決手段】駆動源からの駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ機構部10を流体圧により係合・解放させるように構成されたクラッチ装置には、クラッチ機構部10の係合動作の際にクラッチ機構部10側からオイルを戻すクラッチ復路73Bの開度Sを、クラッチ機構部10の入力軸回転数NAおよび出力軸回転数NBの回転数差ΔNに基づいて変更する可変オリフィス75が設けられている。クラッチ復路73Bの開度Sは、上記回転数差ΔNの絶対値が大きい場合には、小さい場合に比べて小さく設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動源からの駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ機構を流体圧により係合・解放させるように構成されたクラッチ装置に関する。
マニュアルトランスミッション(手動式変速機)が搭載された自動車においては、自動車を発進させる場合や、変速機の変速段を切り換える場合には、クラッチペダルの踏み込み操作によってクラッチ機構の係合・解放を行い、エンジンと変速機との間のトルクの伝達を行っている。このようなクラッチ機構の係合・解放は、流体圧(例えば油圧)により行われる。具体的には、クラッチペダルの踏み込み操作量(ペダルストローク)によって、クラッチマスタシリンダで発生する油圧が変化し、これにともなって、クラッチ機構のクラッチ係合力(クラッチ伝達容量)が変化する。
クラッチ機構は、例えば乾式単板クラッチとして構成され、具体的には、フライホイール、クラッチディスク、プレッシャプレート、クラッチスプリング、レリーズフォークなどを備えた構成となっている。フライホイールは、エンジン出力軸(クランクシャフト)の端部に取り付けられている。クラッチディスクは、変速機入力軸に一体回転可能に連結され、フライホイールとプレッシャプレートとの間に挟み込まれるように配設されている。プレッシャプレートは、クラッチスプリングによって、クラッチディスクをフライホイールに押付ける側へと付勢されている。そして、その付勢力により、プレッシャプレートとクラッチディスクとを係合させるクラッチ係合力が発生されるようになっている。また、プレッシャプレートは、レリーズフォークによって、クラッチスプリングの付勢力に抗してクラッチディスクから離間される側へと変位されるようになっている。レリーズフォークは、機械的なリンク機構や油圧回路などを介して伝達されたクラッチペダルの踏み込み操作力によって作動されるようになっている。
ところで、急発進時等に、運転者がクラッチペダルから足を離したりして、その踏み込み操作を急に解除すると、クラッチ機構の係合が急激に行われる。しかし、このような急係合が起きると、変速機などの車両のトルク伝達系(駆動系)に入力されるトルクが過大になり、これにともなう係合ショックが大きくなり、クラッチ機構や変速機構の劣化を招いてしまう。
従来では、例えば、ストロークセンサなどを用いてクラッチ機構の横ずらし判定を行うことによって、クラッチマスタシリンダ側へオイルを戻す油路(クラッチ復路)を絞り、駆動系への入力トルクの低減を図るようにしている。また、従来では、クラッチペダルの戻り速度を制御してクラッチ機構の急係合の回避する技術として、例えば、特許文献1〜3に記載された技術が提案されている。
特開平5−1727号公報 特開平6−159391号公報 実開平5−35453号公報
ところで、変速時等に、クラッチ機構の入力軸回転数および出力軸回転数の回転数差の絶対値が大きくなると、係合時のショックが大きくなることが懸念される。したがって、クラッチ機構の入力軸回転数および出力軸回転数の回転数差の絶対値が大きい場合、クラッチ機構の急係合を回避して、係合ショックの低減を図ることが好ましい。しかし、クラッチ機構の横ずらし判定に遅れが発生すると、この遅れにともなってクラッチ復路も遅れて絞られるため、駆動系入力トルクの低減効果が得られにくくなる可能性がある。また、ストロークセンサが別途必要になる。
一方、上記回転数差の絶対値が小さい場合にも、上述した大きい場合と同様に、クラッチ復路を絞る構成では、例えば車速が高い通常走行時などに、クラッチペダルの操作フィーリングが悪化し、運転者に違和感を与えることが懸念される。
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、クラッチ機構の入力軸回転数および出力軸回転数の回転数差の絶対値が大きい場合における係合ショックの低減と、上記回転数差の絶対値が小さい場合におけるクラッチペダルの操作フィーリングの向上とを両立可能なクラッチ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、クラッチ装置であって、駆動源からの駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ機構を流体圧により係合・解放させるように構成されている。そして、上記クラッチ機構の係合動作の際にクラッチ機構側から動作流体を戻す戻し流路(クラッチ復路)の流路面積を、上記クラッチ機構の入力軸回転数および出力軸回転数の回転数差の絶対値が大きい場合には、小さい場合に比べて小さくする流路面積変更手段を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、クラッチ機構の係合動作の際には、クラッチ復路を通じて動作流体がクラッチ機構側から戻される。この際、クラッチ機構の入力軸回転数および出力軸回転数の回転数差の絶対値が大きい場合には、小さい場合に比べ、クラッチ復路の流路面積が小さく設定されるので、クラッチ機構の係合動作時の動作流体の戻し流量が小さくなり、クラッチ機構の係合速度が小さくなる。したがって、変速時等にクラッチ機構が完全解放状態から直ちに完全係合状態になるのではなく、クラッチ復路の絞り作用(オリフィス作用)によって、クラッチ機構の係合動作を緩やかに行わせることができる。これにより、上記回転数差が大きい場合において、変速機などの車両のトルク伝達系(駆動系)に入力されるトルクを低減して係合ショックを確実に低減することができる。
一方、上記回転数差の絶対値が小さい場合には、大きい場合に比べ、クラッチ復路の流路面積が大きく設定されるので、クラッチ機構の係合動作時の動作流体の戻し流量が大きくなり、クラッチ機構の係合速度が大きくなる。したがって、例えば車速が高い通常走行時などに、クラッチ機構の係合動作に必要な動作流体の戻し流量を確保することができ、クラッチ機構の係合動作を速やかに行わせることができる。これにより、上記回転数差が小さい場合において、クラッチ復路を絞ることによるクラッチペダルの操作フィーリングの悪化を抑制でき、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
本発明において、上記回転数差の絶対値が大きいか否かを判定する閾値が、変速機のギヤ段が高いほど小さく設定されることが好ましい。このように、ギヤ段が高いほど、上記回転数差の絶対値が大きいか否かを判定する閾値を大きくするのは、同じ回転数差の場合、ギヤ段が高くなるほど、クラッチ機構の係合動作にともなう係合ショックが小さくなるからである。
本発明において、上記回転数差の絶対値が大きい場合には、この回転数差の絶対値に応じて上記戻し流路の流路面積(クラッチ復路)を小さくすることが好ましい。この場合、クラッチ復路の開度を連続的に変更してもよいし、段階的に変更してもよい。クラッチ復路の開度を連続的に変更する場合には、きめ細やかで精度よい制御が可能となり、クラッチ復路の開度を段階的に変更する場合には、その制御が簡単なもので済む。
本発明において、変速機のギヤ段が中立段である場合には、上記流路面積変更手段による上記戻し流路の流路面積を小さくする制御を行わないことが好ましい。具体的には、上記変速機のギヤ段が中立段である場合、上記戻し流路の流路面積が最大に設定される。こうすれば、停止時や、高速段側でのダウンシフト(例えば、6速から5速への変速)時などに、クラッチ機構の係合動作を素早く完了させたいといった要求を満足させることができる。
本発明によれば、クラッチ機構の入力軸回転数および出力軸回転数の回転数差の絶対値が大きい場合における駆動系入力トルクの低減と、上記回転数差の絶対値が小さい場合におけるクラッチペダルの操作フィーリングの向上との両立を図ることができる。
実施形態に係るクラッチ装置の概略構成を示す図である。 図1のクラッチ装置で行われるクラッチ復路の開度の可変制御の手順を示すフローチャートである。 図2のクラッチ復路の開度の可変制御の際に参照されるマップの一例を示す図である。
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施形態に係るクラッチ装置は、図1に示すように、クラッチ1と、このクラッチ1の動作を制御する制御部100とを備えている。
−クラッチ1の概略構成−
まず、クラッチ1の概略構成について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、クラッチ1は、クラッチ機構部10と、クラッチペダル30と、クラッチマスタシリンダ40と、クラッチレリーズシリンダ60と、流量可変装置70とを備えている。
クラッチ機構部10は、図1に示すように、駆動源であるエンジンの出力軸(クランクシャフト)11と、変速機(手動変速機)の変速機入力軸(インプットシャフト)12との間に介在するように設けられ、クランクシャフト11からインプットシャフト12への駆動力を伝達・遮断したり、その駆動力の伝達を変更する。ここでは、クラッチ機構部10は、乾式単板式の摩擦クラッチとして構成されている。なお、クラッチ機構部10の構成として、それ以外の構成を採用してもよい。
具体的に、クラッチ機構部10の入力軸であるクランクシャフト11には、フライホイール14とクラッチカバー15とが一体回転可能に取り付けられている。一方、クラッチ機構部10の出力軸であるインプットシャフト12には、クラッチディスク17がスプライン結合されている。このため、クラッチディスク17は、インプットシャフト12と一体回転しつつ、軸方向(図1の左右方向)に沿ってスライド可能となっている。クラッチディスク17とクラッチカバー15との間には、プレッシャプレート18が配設されている。このプレッシャプレート18は、ダイヤフラムスプリング20の外端部に当接され、このダイヤフラムスプリング20によってフライホイール14側へ付勢されている。
また、インプットシャフト12には、レリーズベアリング21が軸方向に沿ってスライド可能に装着されている。このレリーズベアリング21の近傍には、レリーズフォーク22が軸23により回動可能に支持されており、その一端部(図1の下端部)がレリーズベアリング21に当接している。そして、レリーズフォーク22の他端部(図1の上端部)には、クラッチレリーズシリンダ60のロッド63の一端部(図1の右端部)が連結されている。そして、レリーズフォーク22が作動されることによって、クラッチ機構部10の係合・解放動作が行われるようになっている。
クラッチペダル30は、ペダルレバー31の下端部に踏み込み部であるペダル部32が一体形成されて構成されている。そして、車室内とエンジンルーム内とを区画するダッシュパネルに取り付けられた図示しないクラッチペダルブラケットによってペダルレバー31の上端近傍位置が水平軸回りに回動自在に支持されている。ペダルレバー31には、図示しないペダルリターンスプリングによって手前側(運転者側)に向かう回動方向への付勢力が付与されている。このペダルリターンスプリングの付勢力に抗して運転者がペダル部32の踏み込み操作を行うことにより、クラッチ機構部10の解放動作が行われるようになっている。また、運転者がペダル部32の踏み込み操作を解除することにより、クラッチ機構部10の係合動作が行われるようになっている。
クラッチマスタシリンダ40は、シリンダボディ41の内部にピストン42などが組み込まれた構成となっている。そして、ピストン42には、ロッド43の一端部(図1の右端部)が連結されており、このロッド43の他端部(図1の左端部)がペダルレバー31の中間部に接続されている。シリンダボディ41の上部には、このシリンダボディ41内へ動作流体であるクラッチフルード(オイル)を供給するリザーブタンク44が設けられている。
クラッチマスタシリンダ40は、運転者によるクラッチペダル30の踏み込み操作による操作力を受けることで、シリンダボディ41内でピストンが移動することにより油圧を発生するようになっている。このとき、運転者の踏み込み操作力がペダルレバー31の中間部からロッド43に伝達されてシリンダボディ41内で油圧が発生する。クラッチマスタシリンダ40で発生する油圧は、シリンダボディ41内のピストンのストローク位置に応じて変更されるようになっている。
クラッチマスタシリンダ40によって発生する油圧は、油圧配管50内のオイルによってクラッチレリーズシリンダ60へ伝達される。油圧配管50の中途部には、流量可変装置70が配設されている。つまり、流量可変装置70が油圧の伝達経路(流体経路)の途中に介在されている。
流量可変装置70は、クラッチ機構部10の係合動作の際に、クラッチレリーズシリンダ60からクラッチマスタシリンダ40へ戻されるオイルの流量(オイル戻し流量)を変更するために油圧配管50の途中に設けられている。
流量可変装置70内には、クラッチマスタシリンダ40側から延びる油圧配管50と接続される共通油路71と、クラッチレリーズシリンダ60側から延びる油圧配管50と接続される共通油路72と、これら2つの共通油路71,72の間に介在される2つの分岐油路73A,73Bとが設けられている。つまり、流量可変装置70において、クラッチマスタシリンダ40側の共通油路71が、2系統の油路73A,73Bに分岐され、これら2系統の油路73A,73Bが、再びクラッチレリーズシリンダ60側の共通油路72に合流されている。
共通油路71,72は、クラッチ機構部10の解放動作の際に、クラッチマスタシリンダ40からクラッチレリーズシリンダ60へオイルを送る油路としても、クラッチ機構部10の係合動作の際に、クラッチレリーズシリンダ60からクラッチマスタシリンダ40へオイルを送る油路としても用いられる。
これに対し、分岐油路73Aには、逆止弁74Aが設けられており、この逆止弁74Aによって、クラッチマスタシリンダ40からクラッチレリーズシリンダ60へのオイル送りが許容される一方、クラッチレリーズシリンダ60からクラッチマスタシリンダ40へのオイル戻しが阻止されるようになっている。したがって、分岐油路73Aは、オイル送り専用の油路となっている。
また、分岐油路73Bには、逆止弁74Bが設けられており、この逆止弁74Bによって、クラッチレリーズシリンダ60からクラッチマスタシリンダ40へのオイル戻しが許容される一方、クラッチマスタシリンダ40からクラッチレリーズシリンダ60へのオイル送りが阻止されるようになっている。したがって、分岐油路73Bは、オイル戻し専用の油路となっている。
このため、流量可変装置70では、クラッチ機構部10の解放動作の際には、共通油路71→分岐油路73A→共通油路72を通ってオイルが送られる。これに対し、クラッチ機構部10の係合動作の際には、共通油路72→分岐油路73B→共通油路71を通ってオイルが戻される。
そして、2つの分岐油路73A,73Bのうち、オイル戻し油路である分岐油路73Bには、この分岐油路(以下では、「クラッチ復路」ともいう。)73Bを絞るための可変オリフィス75が設けられている。このオリフィス75は、クラッチ機構部10の係合動作の際にクラッチ機構部10側からオイルを戻すクラッチ復路73Bの開度(流路面積)Sを、車両の状態に基づいて設定する流路面積変更手段として設けられている。可変オリフィス75は、クラッチ復路73Bの開度Sをリニアソレノイドバルブ76によって変化させる構成となっている。リニアソレノイドバルブ76による開度調整により、クラッチ復路73Bの絞り度合いが変化すると、クラッチ復路73Bの流路抵抗(流通抵抗)が変化し、クラッチ機構部10の係合動作時のオイル戻し流量が変更される。この場合、クラッチ復路73Bの開度Sが大きいほど(クラッチ復路73Bの絞り度合いが小さいほど)、クラッチ復路73Bの流路抵抗が小さくなり、クラッチ機構部10の係合動作時のオイル戻し流量が大きくなる。クラッチ機構部10の係合動作時のクラッチ復路73Bの開度Sを変更する制御の詳細については後述する。
リニアソレノイドバルブ76による開度調整は、例えば、リニアソレノイドバルブ76に通電する電流値(指示電流値)を制御することによって行うことが可能である。例えば、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を小さくするほど、クラッチ復路73Bの開度Sが大きくなるように、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を設定することが可能である。
一方、オイル送り油路である分岐油路73Aには、そのような可変オリフィスは設けられていない。このため、クラッチ機構部10の解放動作時のオイル送り流量は変更されない。
クラッチレリーズシリンダ60は、上述のクラッチマスタシリンダ40と同様に、シリンダボディ61の内部にピストン62などが組み込まれた構成となっている。そして、ピストン62には、ロッド63の他端部(図1の左端部)が連結されている。ピストン62のストローク位置は、このピストン62が受ける油圧に応じて変更されるようになっている。
クラッチ1では、クラッチレリーズシリンダ60内の油圧に応じてレリーズフォーク22が作動されることによって、クラッチ機構部10の係合・解放動作が行われるようになっている。この場合、クラッチペダル30の踏み込み操作量に応じてクラッチ機構部10のクラッチ係合力(クラッチ伝達容量)が変更されるようになっている。
具体的には、クラッチペダル30の踏み込み操作量が大きくなり、クラッチマスタシリンダ40からクラッチレリーズシリンダ60へオイルが供給されて、クラッチレリーズシリンダ60内の油圧が高まると、ピストン62およびロッド63が図1中右方へ移動され、ロッド63と連結されたレリーズフォーク22が回動されて、レリーズベアリング21がフライホイール14側へ押される。さらに、同方向へのレリーズベアリング21の移動により、ダイヤフラムスプリング20の内端部が同方向へ弾性変形する。これにともない、ダイヤフラムスプリング20におけるプレッシャプレート18への付勢力が弱まる。このため、プレッシャプレート18、クラッチディスク17、および、フライホイール14が滑りながら係合された半クラッチ状態となる。そしてさらに、付勢力が弱まると、プレッシャプレート18、クラッチディスク17、および、フライホイール14が離間されて、クラッチ機構部10が解放状態になる。そして、エンジンから変速機への動力伝達が遮断される。この場合、クラッチペダル30の踏み込み操作量が所定量を超えると、クラッチ機構部10が完全に切り離される完全解放状態(クラッチ伝達容量が0パーセントの状態)になる。
一方、クラッチペダル30の踏み込み操作量が小さくなり、クラッチレリーズシリンダ60からクラッチマスタシリンダ40へ戻されて、クラッチレリーズシリンダ60内の油圧が低くなると、ピストン62およびロッド63は図1中左方へ移動される。これにより、レリーズフォーク22が回動させられ、レリーズベアリング21がフライホイール14から離間される側へ移動される。これにともない、ダイヤフラムスプリング20の外端部によるプレッシャプレート18への付勢力が緩やかに増大する。このとき、プレッシャプレート18とクラッチディスク17との間、および、クラッチディスク17とフライホイール14との間でそれぞれ摩擦力、すなわちクラッチ係合力が発生する。このクラッチ係合力が大きくなると、クラッチ機構部10が係合され、プレッシャプレート18、クラッチディスク17、および、フライホイール14が一体となって回転する。そして、エンジンと変速機とが直結される。この場合、クラッチペダル30の踏み込み操作量が所定量を下回ると、クラッチ機構が完全に係合される完全係合状態(クラッチ伝達容量が100パーセントの状態)になる。
−制御部100−
クラッチ機構部10の係合動作の際、クラッチレリーズシリンダ60からクラッチマスタシリンダ40へのオイル戻し流量は、制御部100によって制御される。制御部100は、図1に示すように、クラッチECU110と、車両の状態を検出する各種センサとを備えている。
クラッチECU110は、マイクロコンピュータを中心として構成されており、中央処理装置(CPU)が、読み出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラム、初期データ、制御マップ等にしたがって演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
クラッチECU110には、流量可変装置70の可変オリフィス75のリニアソレノイドバルブ76が信号線を介して接続されている。クラッチECU110は、可変オリフィス75(リニアソレノイドバルブ76)を制御してクラッチ復路73Bの開度(流路面積)Sを変更する制御を行う。
各種センサには、少なくとも入力軸回転数センサ111、出力軸回転数センサ112、シフトポジションセンサ113が含まれる。これらの各種センサは、信号線を介してクラッチECU110に接続されている。入力軸回転数センサ111により、クラッチ機構部10の入力軸回転数NA、つまり、エンジンのクランクシャフト11の回転数が検出される。出力軸回転数センサ112により、クラッチ機構部10の出力軸回転数NB、つまり、変速機のインプットシャフト12の回転数が検出される。シフトポジションセンサ113により、変速機のギヤ段(変速段)の切り替え操作を行うシフトレバーのレバー位置が検出される。変速機のギヤ段としては、1速〜6速の前進段、後進段(R)、中立段(N)などがある。
−実施形態の特徴部分−
この実施形態の特徴部分は、上記構成のクラッチ装置において、クラッチ機構部10の係合動作の際に、クラッチ機構部10の入力軸回転数NAおよび出力軸回転数NBの回転数差ΔN(=NA−NB)に基づいてクラッチ復路73Bの開度(流路面積)Sを制御する点にある。詳細には、クラッチ機構部10の係合動作の際、上記回転数差ΔNの絶対値が大きい場合には、小さい場合に比べ、クラッチ復路73Bの開度Sを小さく設定することを特徴としている。
以下、クラッチ装置において行われるクラッチ復路73Bの開度Sの変更制御の詳細について、図2のフローチャートを参照して説明する。この図2に示すルーチンは、クラッチ機構部10の係合動作の際、クラッチECU110において一定周期ごとに繰り返し実行される。
まず、ステップST11において、クラッチECU110は、入力軸回転数センサ111、出力軸回転数センサ112、および、シフトポジションセンサ113の検出値を取り込む。
次に、ステップST12において、クラッチECU110は、シフトポジションセンサ113の検出値に基づいて、変速機のギヤ段が中立段(N)以外であるか否かを判定する。このステップST12の判定を行うのは、次の理由による。停止時や、高速段側でのダウンシフト(例えば、6速から5速への変速)時などには、クラッチ機構部10の係合動作を素早く完了させたいという要求がある。しかし、ギヤ段が中立段の場合に、後述するステップST15の制御を行うと、クラッチ機構部10の係合動作が緩慢になる可能性がある。このため、ギヤ段が中立段の場合には、ステップST15の制御ではなく、ステップST16の制御を行うことで、クラッチ機構部10の係合動作が緩慢になることを回避するようにしている。
上記ステップST12の判定結果が否定判定である場合、ステップST16に移行する。一方、上記ステップST12の判定結果が肯定判定である場合、ステップST13において、クラッチECU110は、入力軸回転数センサ111および出力軸回転数センサ112の検出値に基づいて、クラッチ機構部10の入力軸回転数NAおよび出力軸回転数NBの回転数差ΔNが、所定の閾値N1(N1>0)よりも大きいか否かを判定する。
上記ステップST13の判定結果が肯定判定である場合(ΔN>N1)、ステップST15に移行する。一方、上記ステップST13の判定結果が否定判定である場合(ΔN≦N1)、ステップST14において、クラッチECU110は、上記回転数差ΔNが、所定の閾値N2(N2<0)よりも小さいか否かを判定する。
上記ステップST14の判定結果が肯定判定である場合(ΔN<N2)、ステップST15に移行する。一方、上記ステップST14の判定結果が否定判定である場合(ΔN≧N2)、ステップST16に移行する。このように、上記ステップST13,14のいずれか一方の判定結果が肯定判定の場合(ΔN>N1またはΔN<N2)、つまり、上記回転数差ΔNの絶対値が大きい場合、ステップST15に移行し、上記ステップST13,14のいずれの判定結果も否定判定の場合(N2≦ΔN≦N1)、つまり、上記回転数差ΔNの絶対値が小さい場合、ステップST16に移行する。
上記回転数差ΔNの閾値N1,N2は、流量可変装置70のクラッチ復路73Bの開度Sが最大値(図3ではSmax)のとき、クラッチ機構部10の係合動作にともなう係合ショックを許容範囲内に抑制可能な値に設定される。閾値N1,N2は、変速機のギヤ段ごとに予め設定され、クラッチECU110のROMに記憶されている。ここで、変速機のギヤ段が高いほど、閾値N1,N2を大きく設定することが好ましい。また、同じギヤ段の場合、閾値N1を閾値N2よりも大きく設定することが好ましい。
ギヤ段が高いほど、閾値N1,N2を大きくするのは、同じ回転数差ΔNの場合、ギヤ段が高くなるほど、クラッチ機構部10の係合動作にともなう係合ショックが小さくなるからである。また、閾値N1を閾値N2よりも大きくするのは、フリクション(引きずり)の影響を考慮しているからである。例えば、ダウンシフト時のように、クラッチ機構部10の入力軸回転数NAが出力軸回転数NBよりも小さい場合には、エンジン回転数が上昇しようとするが、フリクションの作用によりエンジン回転数が押し上げられる。つまり、フリクション分のトルクが必要になる分、係合ショックが大きくなる。このため、上記回転数差ΔNが負の場合の閾値N2を、回転数差ΔNが正の場合の閾値N1よりも大きくしている。
ステップST15においては、クラッチECU110は、後述するステップST16の場合に比べ、流量可変装置70のクラッチ復路73Bの開度Sを小さく設定するように、可変オリフィス75を制御する。具体的には、可変オリフィス75によりクラッチ復路73Bを絞るように、リニアソレノイドバルブ76に通電する電流値(指示電流値)を制御する。
この実施形態では、クラッチECU110は、クラッチ機構部10の係合動作の際、図3に例示するようなマップを参照して流量可変装置70のクラッチ復路73Bの開度Sを設定する。図3は、変速機のあるギヤ段(例えば、前進2段)において、クラッチ復路73Bの開度Sと、車両の前後Gレベル(前後方向加速度)との関係を、複数の回転数差ΔNについて示している。このマップは、予め実験・計算等を行うことにより経験的に求められるもので、変速機のギヤ段ごとにクラッチECU110のROMに記憶されている。図3では、上記回転数差ΔNが、±1000,±2000,±3000[rpm]であるときの関係を代表して示している。図3では、上記回転数差ΔNが、1000,2000,3000[rpm]であるときの関係を曲線C11,C12,C13で示し、上記回転数差ΔNが、−1000,−2000,−3000[rpm]であるときの関係を曲線C21,C22,C23で示している。
図3の車両の前後Gレベルは、クラッチ機構部10の係合動作にともなう係合ショックの大きさに関連づけられる量であり、車両の前後Gレベルが大きくなるほど、クラッチ機構部10の係合動作にともなう係合ショックが大きくなることを表す。また、図3のクラッチ復路73Bの開度Sが大きくなるほど、クラッチ機構部10の係合動作時のオイル戻し流量が大きくなり、また、クラッチ機構部10の係合速度が大きくなる。
図3において、横軸に平行な直線L1は、クラッチ機構部10の係合動作にともなう係合ショックを許容範囲内に抑制可能な車両の前後Gレベルの上限値Gthを示している。上述した回転数差ΔNの閾値N1,N2は、クラッチ復路73Bの開度Sが最大値Smaxである場合に、車両の前後Gレベルが上記上限値Gthとなるときの回転数差に対応している。
この実施形態では、上記回転数差ΔNが大きいほど、クラッチ復路73Bの開度Sが小さくなるように、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を制御して可変オリフィス75を制御している。例えば、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を大きくするほど、クラッチ復路73Bの開度Sが小さくなるように、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を設定することが可能である。また、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を連続的に変化させることで、クラッチ復路73Bの開度Sを連続的に調整することが可能である。
図3に示す例では、上記回転数差ΔNが、2000[rpm]であるとき、クラッチ復路73Bの開度Sは、最大値Smaxよりも小さい開度Saに設定される(Sa<Smax)。また、上記回転数差ΔNが、3000[rpm]であるとき、クラッチ復路73Bの開度Sは、上記開度Saよりも小さい開度Sbに設定される(Sb<Sa)。開度Sa,Sbは、直線L1と曲線C12,C13とが交わる点P12,P13におけるクラッチ復路73Bの開度Sの値であり、車両の前後Gレベルが上記上限値Gthとなるときのクラッチ復路73Bの開度Sの値である。なお、クラッチ機構部10の係合動作時のクラッチ復路73Bの開度Sは、車両の前後Gレベルが上記上限値Gth以下となるような値であれば、上記開度Sa,Sb以外であってもよい。
このように、上記回転数差ΔNが、2000[rpm]であるとき、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を大きくして、クラッチ復路73Bを車両の前後Gレベルが上記上限値Gthとなる開度Saまで絞る。これにより、クラッチ復路73Bの流路抵抗が増大し、クラッチ機構部10の係合動作時のオイル戻し流量が低下する。これにともない、クラッチ機構部10の係合速度が小さくなる。
また、上記回転数差ΔNが、3000[rpm]であるとき、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値をさらに大きくして、クラッチ復路73Bを車両の前後Gレベルが上記上限値Gthとなる開度Sbまで絞る。これにより、クラッチ復路73Bの流路抵抗がさらに増大し、クラッチ機構部10の係合動作時のオイル戻し流量がさらに低下する。これにともない、クラッチ機構部10の係合速度がさらに小さくなる。
図3において、上記回転数差ΔNが、−2000[rpm]であるとき、クラッチ復路73Bの開度Sは、最大値Smaxよりも小さい開度Scに設定される(Sc<Smax)。また、上記回転数差ΔNが、−3000[rpm]であるとき、クラッチ復路73Bの開度Sは、上記開度Scよりも小さい開度Sdに設定される(Sd<Sc)。開度Sc,Sdは、直線L1と曲線C22,C23とが交わる点P22,P23におけるクラッチ復路73Bの開度Sの値であり、車両の前後Gレベルが上記上限値Gthとなるときのクラッチ復路73Bの開度Sの値である。なお、クラッチ機構部10の係合動作時のクラッチ復路73Bの開度Sは、車両の前後Gレベルが上記上限値Gth以下となるような値であれば、上記開度Sc,Sd以外であってもよい。
このように、上記回転数差ΔNが、−2000[rpm]であるとき、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を大きくして、クラッチ復路73Bを車両の前後Gレベルが上記上限値Gthとなる開度Scまで絞る。これにより、クラッチ復路73Bの流路抵抗が増大し、クラッチ機構部10の係合動作時のオイル戻し流量が低下する。これにともない、クラッチ機構部10の係合速度が小さくなる。
また、上記回転数差ΔNが、−3000[rpm]であるとき、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値をさらに大きくして、クラッチ復路73Bを車両の前後Gレベルが上記上限値Gthとなる開度Sdまで絞る。これにより、クラッチ復路73Bの流路抵抗がさらに増大し、クラッチ機構部10の係合動作時のオイル戻し流量がさらに低下する。これにともない、クラッチ機構部10の係合速度がさらに小さくなる。
なお、上記回転数差ΔNが、2000,3000[rpm]以外のときには、上記回転数差ΔNが、2000,3000[rpm]であるときの開度Sa,Sbを用いて補間計算をすることで、クラッチ機構部10の係合動作時のクラッチ復路73Bの開度Sを設定することが可能である。また、上記回転数差ΔNが、−2000,−3000[rpm]以外のときには、上記回転数差ΔNが、−2000,−3000[rpm]であるときの開度Sc,Sdを用いて補間計算をすることで、クラッチ機構部10の係合動作時のクラッチ復路73Bの開度Sを設定することが可能である。つまり、上記回転数差ΔNが、クラッチ復路73Bの開度Sと車両の前後Gレベルとの関係がマップ上にある代表的な回転数差以外の値であるときには、補間処理によってクラッチ機構部10の係合動作時のクラッチ復路73Bの開度Sを算出することが可能である。このような補間処理を行うことで、クラッチ機構部10の係合動作時のクラッチ復路73Bの開度Sを連続的に調整することが可能である。
ステップST16においては、クラッチECU110は、流量可変装置70のクラッチ復路73Bの開度Sを最大値(図3のSmax)に設定するように、可変オリフィス75を制御する。つまり、可変オリフィス75によりクラッチ復路73Bを絞らないように、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を設定する。例えば、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を「0」に設定することで、クラッチ復路73Bの開度Sを最大値Smaxに設定することが可能である。これにより、クラッチ機構部10の係合動作時のオイル戻し流量が最大となり、クラッチ機構部10の係合速度が最大となる。
以上のようなクラッチ復路73Bの開度Sの変更制御を行うクラッチ装置によれば、次のような作用効果が得られる。
クラッチ機構部10の入力軸回転数NAおよび出力軸回転数NBの回転数差ΔNの絶対値が大きい場合には、小さい場合に比べ、クラッチ復路73Bの開度Sが小さく設定されるので(ステップST15)、クラッチ機構部10の係合動作時のオイル戻し流量が小さくなり、クラッチ機構部10の係合速度が小さくなる。したがって、変速時等にクラッチ機構部10が完全解放状態から直ちに完全係合状態になるのではなく、クラッチ復路73Bの絞り作用(オリフィス作用)によって、クラッチ機構部10の係合動作を緩やかに行わせることができる。これにより、上記回転数差ΔNが大きい場合において、駆動系に入力されるトルクを低減して係合ショックを確実に低減することができる。
一方、上記回転数差ΔNの絶対値が小さい場合、および、変速機のギヤ段が中立段である場合には、クラッチ復路73Bの開度Sが最大に設定されるので(ステップST16)、クラッチ機構部10の係合動作時のオイル戻し流量が大きくなり、クラッチ機構部10の係合速度が大きくなる。したがって、例えば車速が高い通常走行時などに、クラッチ機構部10の係合動作に必要なオイル戻し流量を確保することができ、クラッチ機構部10の係合動作を速やかに行わせることができる。これにより、上記回転数差ΔNが小さい場合において、クラッチ復路73Bを絞ることによるクラッチペダル30の操作フィーリングの悪化を抑制でき、運転者に違和感を与えることを抑制できる。また、変速機のギヤ段が中立段である場合において、上述したようなクラッチ機構部10の係合動作を素早く完了させたいといった要求を満足させることができる。
−他の実施形態−
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態は一例であり、さまざまに変形することが可能である。
(1)クラッチ機構部10の係合動作の際、上記回転数差ΔNの絶対値が大きい場合、クラッチ復路73Bの開度Sを連続的に変更してもよいし、段階的に変更してもよい。クラッチ復路73Bの開度Sを連続的に変更する場合には、きめ細やかで精度よい制御が可能となり、クラッチ復路73Bの開度Sを段階的に変更する場合には、その制御が簡単なもので済む。クラッチ復路73Bの開度Sを連続的に変更するには、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を連続的に変化させればよい。クラッチ復路73Bの開度Sを段階的に変更するには、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を段階的に変化させればよい。
リニアソレノイドバルブ76によりクラッチ復路73Bの開度Sを段階的に変更する場合、例えば、図3に示す最大値Smaxおよび開度Sdの2段階に変更することが可能である。具体的に、上記回転数差ΔNの絶対値が大きい場合には(ΔN>N1またはΔN<N2)、可変オリフィス75によりクラッチ復路73Bを絞りその開度をSdに設定するように、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を制御する。上記回転数差ΔNの絶対値が小さい場合には(N2≦ΔN≦N1)、可変オリフィス75によりクラッチ復路73Bを絞らずその開度をSmaxに設定するように、リニアソレノイドバルブ76の指示電流値を制御する。
また、クラッチ復路73Bの開度Sを段階的に変更する場合、流量可変装置70の可変オリフィス75にON−OFFソレノイドバルブを設けてクラッチ復路73Bの開度Sを変更する構成としてもよい。ON−OFFソレノイドバルブによるクラッチ復路73Bの開度Sの調整は、ON−OFFソレノイドバルブへの通電のON/OFF切り替えを制御することによって行うことが可能である。例えば、ON−OFFソレノイドバルブへの通電ONのとき、クラッチ復路73Bを絞り、通電OFFのとき、クラッチ復路73Bを絞らない構成とすることが可能である。可変オリフィス75には、単一のON−OFFソレノイドバルブを設けてもよいし、複数のON−OFFソレノイドバルブを設けてもよい。単一のON−OFFソレノイドバルブを設ける場合、クラッチ復路73Bの開度Sを2段階に変更することが可能である。複数のON−OFFソレノイドバルブを設ける場合、クラッチ復路73Bの開度Sを3段階以上に変更することが可能である。
単一のON−OFFソレノイドバルブによって、クラッチ復路73Bの開度Sを、例えば、図3に示す最大値Smaxおよび開度Sdの2段階に変更することが可能である。この場合、通電ONによりクラッチ復路73Bを開度Sdに絞るようなON−OFFソレノイドバルブを用いればよい。そして、上記回転数差ΔNの絶対値が大きい場合には(ΔN>N1またはΔN<N2)、ON−OFFソレノイドバルブへの通電をONとし、上記回転数差ΔNの絶対値が小さい場合には(N2≦ΔN≦N1)、ON−OFFソレノイドバルブへの通電をOFFとすればよい。こうすれば、上記回転数差ΔNの絶対値が大きい場合には、その回転数差ΔNの大小に関係なく、クラッチ復路73Bを開度Sdが一定の開度に設定される。
(2)クラッチ機構部10の係合動作の際、流量可変装置70のクラッチ復路73Bの開度Sを設定する際に参照されるマップ(図3)は一例であり、それ以外のマップを参照してもよい。例えば、上記回転数差ΔNとクラッチ復路73Bの開度Sとをパラメータとするマップを参照して流量可変装置70のクラッチ復路73Bの開度Sを設定してもよい。また、マップ以外の関係(例えばテーブルなど)を用いて、流量可変装置70のクラッチ復路73Bの開度Sを設定する構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、流量可変装置が油圧配管50の中間部に設けられた場合、つまり、流量可変装置がクラッチ機構部10への油圧経路の途中に設けられている場合について説明したが、流量可変装置の配置箇所はそれ以外であってもよい。例えば、流量可変装置をクラッチマスタシリンダ40またはクラッチレリーズシリンダ60に一体的に設ける構成としてもよい。
(4)クラッチとして、クラッチレリーズシリンダを備えない構成を採用してもよい。また、クラッチのクラッチレリーズシリンダとして、レリーズフォークを介さずに直接クラッチカバーを動かすダイレクトシリンダタイプのものを採用してもよい。また、クラッチは、2つのクラッチ機構が並設されたいわゆるダブルクラッチであってもよい。
本発明は、駆動源からの駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ機構を流体圧により係合・解放させるように構成されたクラッチ装置に利用することが可能である。
1 クラッチ
10 クラッチ機構部
70 流量可変装置
73B クラッチ復路
75 可変オリフィス
100 制御部
110 クラッチECU
111 入力軸回転数センサ
112 出力軸回転数センサ
113 シフトポジションセンサ

Claims (5)

  1. 駆動源からの駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ機構を流体圧により係合・解放させるように構成されたクラッチ装置において、
    上記クラッチ機構の係合動作の際にクラッチ機構側から動作流体を戻す戻し流路の流路面積を、上記クラッチ機構の入力軸回転数および出力軸回転数の回転数差の絶対値が大きい場合には、小さい場合に比べて小さくする流路面積変更手段を備えることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 請求項1に記載のクラッチ装置において、
    上記回転数差の絶対値が大きいか否かを判定する閾値が、変速機のギヤ段が高いほど小さく設定されることを特徴とするクラッチ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のクラッチ装置において、
    上記回転数差の絶対値が大きい場合には、この回転数差の絶対値に応じて上記戻し流路の流路面積を小さくすることを特徴とするクラッチ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のクラッチ装置において、
    変速機のギヤ段が中立段である場合には、上記流路面積変更手段による上記戻し流路の流路面積を小さくする制御を行わないことを特徴とするクラッチ装置。
  5. 請求項4に記載のクラッチ装置において、
    上記変速機のギヤ段が中立段である場合には、上記戻し流路の流路面積が最大に設定されることを特徴とするクラッチ装置。
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