JP2010249121A - 空気圧モータ - Google Patents

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Nobutaka Ota
信隆 大田
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Abstract

【課題】従来の回転式流体機械は上部ハウジングには外側シリンダ室の吐出口と内側シリンダ室の吐出口が設けられていて、これらの吐出口には吐出弁が装着されており、有効であるが空気圧モータの場合は通路の流体抵抗を増大するのみでなく流路を遮断されるので、通路面積を大きくとり、シリンダ内の空気圧の降下を防がなければならない。
【解決手段】主軸3端に偏心ピン31を設け、回転ピストンの中心穴24に前記偏心ピンを嵌合させシリンダ1の内筒10が回転ピストンの外径21と気密に接触し、シリンダの外筒11が回転ピストンの内径22と気密に接触し、前記シリンダの内筒と外筒を半径方向につなぐ仕切板を設け回転ピストンに設けたスリット25に前記仕切板が遊合し該仕切板をはさんで回転ピストンの一方の室内に、給気口13を設け他方の室内に排気口14を設け、配分板12に回転ピストンの端面23が気密に接触しながら回転する。
【選択図】図1

Description

本発明はコンプレッサで得られた圧縮空気の圧力を機械的な回転力に変換する装置に関するものである。
偏心回転運動により、環状ピストンとシリンダ室の容積変化によって冷媒を圧縮する圧縮機がある。たとえば特許文献1によると、図6及び図7に示すように環状のシリンダ室(C1、C2)を有するシリンダ(21)と、該シリンダ(21)に対して偏心してシリンダ室(C1、C2)に収納され、シリンダ室(C1、C2)を外側シリンダ室(C1)と内側シリンダ室(C2)とに区画する環状ピストン(22)と上記シリンダ室(C1、C2)に配置され、各シリンダ室(C1、C2)を第1室(C1−Hp、C2−Hp)と第二室(C1−Lp、C2−Lp)とに区画するブレード(23)とを有し、シリンダ(21)と環状ピストン(22)とが相対的に偏心回転運動をする偏心回転形ピストン機構(20)と、該偏心回転形ピストン機構(20)を収納するケーシング(10)とを備えた回転式流体機械を前提としている。
そして、この回転式流体機械は、上記ブレード(23)がシリンダ(21)に設けられるとともに、上記環状ピストン(22)とブレード(23)とを相互に可動に連結する連結部材(27)を備え、上記連結部材(27)は、環状ピストン(22)に対する第1摺動面(P1)と、ブレード(23)に対する第2摺動面(P2)とを備えていることを特徴としている。
上部ハウジング(16)には吐出口(45,46)が形成されている。これらの吐出口(45,46)はそれぞれ、上部ハウジング(16)をその軸方向に貫通している。吐出口(45)の下端は外側シリンダ室(C1)の高圧室(C1−Hp)に臨むように開口し、吐出口(46)の下端は内側シリンダ室(C2)の高圧室(C2−Hp)に臨むように開口している。一方、これらの吐出口(45,46)の上端は、該吐出口(45,46)を開閉する吐出弁(リード弁)(47,48)を介して吐出空間(49)に連通している。
特開2005−330962号公報 特開2006−170213号公報 特開2008−115812号公報
背景技術として提出されたのは冷媒を圧縮する圧縮機である。本発明は空気圧を回転力に変換するモータ(原動機)で作用・効果において特許文献1とは正逆の関係にある。上記特許文献1にはブレード(23)と環状ピストン(22)とを連結部材(揺動ブッシュ)(27)によって相互に可動に連結することにより、連結箇所において部材同士の面接触の構成を実現したものである。そのために高圧室(C1−Hp)と高圧室(C2−Hp)の流通が阻止される。もし流体の流通が可能ならば吐出口が(45、46)というように2箇所に設ける必要がない。
特許文献1によれば上部ハウジング(16)には外側シリンダ室(C1)の吐出口(45)と内側シリンダ室(C2)の吐出口(46)が設けられていて、吐出口(45)には吐出弁(47)が、吐出口(46)には吐出弁(48)が装着されている。これは圧縮機の場合は流体の逆止めに効果があり、有効であるが空気圧モータの場合は通路の流体抵抗を増大するので、通路面積を大きくとりシリンダ内の空気圧の降下を防がなければならない。
この発明に係わる空気圧モータは主軸(3)端に偏心ピン(31)を設け、回転ピストン(2)の中心穴(24)に前記偏心ピン(31)を嵌合させシリンダ(1)の内筒(10)が回転ピストン(2)の外径(21)と気密に接触し、シリンダ(1)の外筒(11)が回転ピストン(2)の内径(22)と気密に接触し、前記シリンダ(1)の内筒(10)と外筒(11)を半径方向につなぐ仕切板(18)を設け回転ピストン(2)に設けたスリット(25)に前記仕切板(18)が遊合し該仕切板(18)をはさんで回転ピストン(2)の一方の室内に給気口(13)を設け他方の室内に排気口(14)を設け、配分板、(12)に回転ピストン(2)の端面(23)が気密に接触しながら回転する。(図10参照)配分板(12)のノック(17)がシリンダ(1)のノック穴(19)にはまり配分板(12)は固定される。
図3に示すように給気側と通じる連通口(15)も、排気側に通じる連通口(16)も十分な通過面積があり、給気口(13)から回転ピストン(2)に至るまで圧縮空気の運動は阻害される抵抗もなく、専ら回転トルクの変換に費やされる。また排気の通路も同様に阻害される抵抗がない。
シールド板(4)の内径は回転ピストン(2)の外径にはまり合う。偏心ピン(31)が描く半径が偏心量(片側)であり、シールド板(4)の外径はシリンダ内筒(10)を常時密閉した状態に保ちシリンダ(1)の圧縮空気は該シールド板(4)によって密封されている。シリンダ(1)内で回転ピストン(2)が空気圧により偏心回転運動をして主軸(3)に回転力を伝えることになる。シールド板(4)及び回転ピストン(2)は空気圧を受けカバー(8)に押し付けられて、その間に大きな摩擦抵抗が生じ、回転力にブレーキがかかる。
シールド板(4)及び回転ピストン(2)の裏面に空気溜(26)(42)を設け流通口(27)(42)より圧縮空気を導入する。これにより、力のバランスが保たれ摩擦力が消える。
図2は本発明の構成部品を縦断面に切断して見取図にしたものである。シリンダ(1)に付属している仕切板(18)の外形は図1のABCDで区切った矩形に相当する。
AB=CDである。回転ピストンスリット(25)の切り込み深さと仕切板(18)のABの長さが等しい。回転ピストン(2)の底部の厚さとシールド板(4)の厚さは等しい。
シールド板(4)の圧力面(空気溜の裏側)と回転ピストン(2)底部面(空気溜の裏側)は主軸1回転中仕切板(18)のBC面と滑りあい交互に接触し圧力を保持している。
図5は停止しているシリンダ内筒(10)の周りを回転ピストン(2)が転動しつつ1回転する状態を左側上部の0°を始点とし30°間隔に右端下部の330°に至るまでを図にしたものである。給気口(13)から供給された圧縮空気は連通口(15)を経て回転ピストン(2)内面に圧力を及ぼす。その力の合力は偏心ピン(31)を水平、左へ向かう力として作用する。回転ピストン(2)は偏心ピン(31)を中心とし、Pなる矢印の方向に回転する。
圧縮空気の膨張はシリンダ外筒(11)と回転ピストン内径(22)の接触点及びシリンダ内筒(10)と回転ピストン外径(21)の接触点でシールされる。
始動時、仕切板(18)と回転ピストンスリット(25)と回転中心を結ぶ線の角度は同じくなっているが、回転するにつれて両者の交差角Aが15°を超えることもある。スリント(25)幅は仕切板(18)の厚さよりも1/cosA倍増えることになり、その寸法を基準にスリット幅がきまる。いずれにしても仕切板(18)とスリット(25)の間には隙間ができる。
シリンダ(1)内で回転ピストン(2)がすべての位置において圧力側でシールされるのは前述のとおりである。すなわち、シリンダ外筒(11)と回転ピストン内径(22)の接触点とシリンダ外筒(10)と回転ピストン外径(21)の接触点の2点である。図5で見るようにすべての角度で圧力側は排気側とは完全に断絶されている。仕切板(18)とスリット(25)の隙間は流通可能で何ら差し支えない。
請求項2の発明は図8及び図9に示すように主軸(3)の軸端に軸線と平行でかつ偏心した軸(32)を設け、この軸(32)と回転自在に回転ピストン(2)の軸受(28)が嵌合される。回転ピストン(2)の幅広な軸受(28)から延長された外径(21)及び内径(22)がシリンダ(1)の内筒(10)及び外筒(11)と主軸(3)と偏心した軸(32)の偏心回転運動により請求項1と同じ動作を行うが、偏心軸の構造上、小型化が可能になる。軸受(28)は図上ニードル軸受で表しているが、これに限るものではない。
回転ピストン外径(21)にはまり合うシールド板(4)はシリンダ内筒(10)を覆い回転ピストン(2)とともに回転中、気密を保つが両者とも作動中に空気圧を受け、カバー(8)との間に強い摩擦抵抗を生じ、そのため回転ピストン(2)とシールド板(4)に室(26)(41)を設け流通口(27)(42)から空気圧を導入し、シールド板(4)の摩擦抵抗が軽減した。このため本発明が機械的に高効率を得るようになった。
本発明の縦断面図 本発明の縦断面透視図 配分板の平面図 配分板の断面図 角度毎の回転状態図 回転式流体機械(縦断面図) 回転式流体機械(横断面図) 本発明の縦断面図 本発明の縦断面透視図 本発明の横断面図(X−X断面)
以下図面にもとづき本発明の実施例を空気圧モータについて説明する。図5は本発明の空気圧モータを回転軸に対して垂直方向からみた回転ピストン(2)の動作を説明する図であり、左上方の図を0°とし30°とびに360°回転したときの夫々の角度における回転ピストン(2)の状態を示したものである。
始発点である0°の図中、給気口(13)より圧縮空気が流入すると回転ピストン内径(22)とシリンダ外筒(11)と仕切板(18)で囲まれた容積が膨張する。その結果、回転ピストン(2)が左方に押され、右図の30°に示す位置に移動する。
0°のとき回転ピストン内径(22)とシリンダ外筒(11)の接触点は図中、下方、垂直の位置にあった。この接触点の位置は右図の30°に移るとシリンダ外筒(11)の中心を基準にして回転ピストン(2)は原位置より左へ30°の位置に移る。又シリンダ内筒(10)と回転ピストン外径(21)の接触点も0°のときの位置から右図30°の図に移ったときには原位置から左周りに30°移動する。今述べたこれらの接触点において作動空気圧は実用上シールされる。 実用上というのはモータの作動中、若干の漏れはあるが、それによる空気圧の降下がないということである。
図1に配分板(12)の取付位置がしめされ、その詳細は図3及び図4にしめされている。給気口(13)から供給される圧縮空気は配分板(12)の穴(15)を経て作動部に導入される。圧縮空気は穴(15)の形状に従って給気口(13)よりも広い面積に広がり吐き出される。回転ピストン端面(23)と配分板(12)の面は常に気密を保ちながら接触し滑動しており、給気口(13)から供給された圧縮空気は穴(15)と回転ピストン内径(22)で仕切られる範囲に圧力が及ぶことになる。配分板ノック(17)は回転ピストン(2)とのつれ回りを防止するため、シリンダノック穴(19)に嵌合している。排気口(14)を含む回転ピストン内径(22)とシリンダ外筒(11)と仕切板(18)で囲まれる部屋が、図5の原位置0°から30°に角度が変わるまで収縮して排気口(14)から空気が排出される。配分板(12)の穴(16)は給気口側の穴(15)と同様の用途で排気口(14)側に設けられる。図5で回転ピストン(2)が30°の位置にあるとき、排気側で回転ピストン(21)のスリット部がシリンダ内筒(10)から次第に離れてゆき、シリンダ外筒(11)と回転ピストン(22)で囲む部屋とつながる。
以上、原位置から左方向に30°回転したときの状況である。さらに圧縮空気を送り続けるとどの角度でも略均一なトルクを発生して、回転ピストンスリット(25)が仕切板(18)と滑合しながら、かつ回転ピストン(2)はシリンダ内筒(10)とシリンダ外筒(11)を転動して主軸偏心ピン(31)にトルクを伝達する。
以上は軸直角断面からみた実施例の説明であるが、この実施例を縦断面について説明する。
図1において仕切板(18)の長さABは回転ピストンスリット(25)の切り込み長さに相当する。回転ピストン(2)は円環部と円板部に分けられるが、前記スリット(25)切り込み長さは前記回転ピストンの円環部の長さであり、回転ピストン(2)の全長は{円環部の長さ+円板部の厚み}である。
今、仮にシリンダ内筒(10)の長さを回転ピストン(2)の全長に等しく
{AB+回転ピストン(2)円板部の厚み}
にとるとシリンダ内筒には{シリンダ内筒(10)直径×円板部の厚み}から{回転ピストン(2)円板部×厚み}を差し引いた容積が空間として残る。この空間には仕切板(18)の影響が及ばず仕切ができないところであり、圧縮空気の給気口(13)からの空気圧がそのまま排気口(14)に逃れてしまい仕事をしない。
回転ピストン(2)が回転偏心運動をするためには、図1のシリンダ内筒(10)の外側にシールド板(4)を設け前記空間
{シリンダ内筒(10)直径×円板部の厚み}−{回転ピストン(2)円板部直径×円板部の厚み}をシールド板(4)で埋めて、シールド板(4)は回転ピストン(2)の偏心回転に追随して常に空気圧の漏洩をふせぐ役目を担う。
シールド板(4)とカバー(8)との接触面には空気溜の室(41)を設け流通口(42)を設けている。また回転ピストン(2)とカバー(8)との接触面には空気溜の室(26)を設け流通口(27)を設けている。作動空気圧によりシールド板(4)はカバー(8)に押し付けられ両者間に摩擦抵抗を生じ回転力にブレーキがかかる。同様に回転ピストン(2)とカバー(8)との間にも摩擦抵抗を生じ回転力にブレーキがかかる。
室(26)、室(41)に入った空気圧でシールド板(4)及び回転ピストン(2)はカバー(8)との摩擦抵抗を軽微なものにすることができる。
(1)シリンダ
(10) シリンダ内筒
(11) シリンダ外筒
(12) 配分板
(13) 給気口
(14) 排気口
(15) 連通口
(16) 連通口
(17) ノック
(18) 仕切板
(19) ノック穴
(2)回転ピストン
(21) 回転ピストン外径
(22) 回転ピストン内径
(23) 回転ピストン端面
(24) 回転ピストン中心穴
(25) 回転ピストンスリット
(26) 回転ピストン室
(27) 回転ピストン流通口
(28) 軸受
(3)主軸
(31) 偏心ピン
(32) 軸
(4)シールド板
(41) シールド板室
(42) シールド板流通口
(8)カバー

Claims (2)

  1. 主軸(3)端に偏心ピン(31)を設け回転ピストン(2)の中心穴(24)に前記偏心ピン(31)を嵌合させ、シリンダ(1)の内筒(10)が回転ピストン(2)の外径(21)と気密に接触しシリンダ(1)の外筒(11)が回転ピストン(2)の内径(22)と気密に接触し、前記シリンダ(1)の内筒(10)と外筒(11)を半径方向につなぐ仕切板(18)を設け、回転ピストン(2)に設けたスリット(25)に前記仕切板(18)が遊合し該仕切板(18)をはさんで回転ピストン(2)の一方の室内に給気口(13)を設け、他方の室内に排気口(14)を設け、回転ピストン(2)の外径(21)にはまり合うシールド板(4)はシリンダ(1)の内筒(10)を覆い、回転ピストン(2)とともに回転中の気密を保つが、両者とも作動中に空気圧を受けカバー(8)との間に強い摩擦抵抗を生じるので、室(26)(41)を設け流通口(27)(42)により空気圧でバランスさせることを特徴とする空気圧モータ。
  2. 主軸(3)端に偏心させた軸(32)を設け回転ピストン(2)の軸受(24)と前記軸(32)を回転自在に嵌合させ、シリンダ(1)の内筒(10)が回転ピストン(2)の外径(21)と気密に接触しシリンダ(1)の外筒(11)が回転ピストン(2)の内径(22)と気密に接触し、前記シリンダ(1)の内筒(10)と外筒(11)を半径方向につなぐ仕切板(18)を設け、回転ピストン(2)に設けたスリット(25)に前記仕切板(18)が遊合し該仕切板(18)をはさんで回転ピストン(2)の一方の室内に給気口(13)を設け、他方の室内に排気口(14)を設け、回転ピストン(2)の外径(21)にはまり合うシールド板(4)はシリンダ(1)の内筒(10)を覆い、回転ピストン(2)とともに回転中の気密を保つが、両者とも作動中に空気圧を受けカバー(8)との間に強い摩擦抵抗を生じるので、室(26)(41)を設け流通口(27)(42)により空気圧でバランスさせることを特徴とする空気圧モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107667574B (zh) * 2015-05-22 2019-09-10 大陆-特韦斯贸易合伙股份公司及两合公司 用于保护电子系统不受干扰辐射危害的装置

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