JP2010248768A - 道路トンネル換気制御装置及び道路トンネル換気制御方法 - Google Patents

道路トンネル換気制御装置及び道路トンネル換気制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】対面通行型トンネルまたは一方通行型トンネルにおいて、火災発生地点からの煙の拡散効果を短時間で確実に抑えることができ、より安全なトンネル環境を維持できるようにする。
【解決手段】トンネル本線上で、火災発生時にトンネル内の風速を低風速化する低風速化演算部と、トンネル本線において、施工後の換気システムの性能評価を行うための性能評価手段と、を備える。この低風速化演算部は、火災発生地点から両坑口に設置された風向風速計の内、どちらを使用するかを判定する制御判定手段と、風向、風速からジェットファンの運転台数及び回転方向を設定するための演算手段からなるジェットファン運転台数・回転方向設定手段とを含み、これら両坑口に設置された風向風速計とトンネル内に設置されたジェットファンを用いて、火災発生地点の風速を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも1つのジェットファンを有する道路トンネルの換気を制御する道路トンネル換気制御装置及びその方法に関し、特に火災時にトンネル内の風速を低風速化する換気制御装置とその方法に関する。
従来、道路トンネルでは立坑する際に、ダクト内の送排風機、集塵機、ジェットファン等の換気設備がトンネルの規模に応じて設置されている。
万一、火災等の非常事態が発生したときは、一方通行型トンネルではこれらの換気設備を運転することにより、火災による煙を車両の進行方向に流し、トンネル外に排出することでトンネル内の安全を確保している。
また、対面通行型トンネルでは、車両の進行方向が車線によって異なり、一方向に煙を流すことは難しい。このため、換気設備を全て停止することにより、換気設備がトンネル内の風速に与える影響を最小限とすることが必要である。
火災発生時のトンネル内の交通量を考慮して風速制御する方法は、従来から提案されている(特許文献1参照)。火災検知器からの火災発生を知ると、火災発生の上流側の交通量(侵入車両)は増加し、火災発生の下流側の車両が避難するので車両台数は減少する。この特許文献1に記載の技術は、このように時々刻々変化する交通量(交通換気力)を所定時間ごとに演算し、フィードバック制御によりジェットファンの運転台数を変更して、トンネル内の風速制御を行うものである。
また、道路トンネルなどの各種トンネルに設置された換気装置の換気性能をシミュレーションする換気試験方法であって、火災等で発生する煙などの温度変化を伴うガス流体の換気性能をシミュレーションする技術も提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2に記載の技術は、模範拡散実験と圧力バランス計算とを併用することで、模型を利用した実験によりガス流体の拡散状況を把握し、排気流路の圧力損失を計算により反映させ、ガス流体の換気性能を正確にシミュレーションするものである。
また、対面通行のトンネル内で、火災発生時に、煙の拡散を防ぎ人の避難を助けるために、速やかにトンネル内の風速の零化を行う方法も提案されている(特許文献3、4参照)。例えば、特許文献3の技術では、現状の風速とは逆に、ジェットファンを順次逆転運転を行い、風速が零(m/s)になったところで、自然換気力と交通換気力を打ち消すファン台数を残し、その他のファンを停止にしてトンネル内の風速を零(m/s)付近になるように制御している。
特開平6−119007号公報 特開2003−232549号公報 特開平9−268899号公報 特開2000−303799号公報
特許文献3、4に記載の技術では、火災発生時に行うトンネル内の風速の零化は、フィードバック制御を用いて行っている。しかし、トンネル延長が10kmに及ぶような長大トンネルの場合、ジェットファンの運転効果が坑口付近の風向風速計に現れるまでに一定の時間を要する。このため、上述の従来技術では、制御遅れが発生し、風速のハンチングが発生してしまうという問題があった。なお、ここで風速のハンチングとは、ジェットファンによる昇圧力が過剰になり、風向きが逆になることを意味する。
従来の道路トンネルでは、通常は入口から出口までの距離も短く、またトンネル形態も一方通行型のトンネルが一般的なので、このような一方通行型トンネルまたは入口から出口までの距離が短いトンネルにおいては、上述した従来の手法による換気制御を行っても問題がなかった。
しかし、近年、道路トンネルの入口から出口までの距離が長いものが多くなっており、また、コスト面からも対面通行型の長大化したトンネルが増えている。このような長大化したトンネルに対しては、上述した特許文献1〜4に記載される従来の手法をそのまま適用したのでは有効な換気制御を行うことは困難であった。
そこで本発明の目的は、上記長大化したトンネルに対する従来技術の問題を解消し、火災による煙の拡散を最小限に抑えて、トンネル内の安全性を確保することができる運用を実現するための道路トンネル換気制御装置及びその換気制御方法を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の道路トンネル換気制御装置は、対面通行型または一方通行型のトンネル本線の内部に、少なくとも1個のジェットファンを設けるとともに、トンネル本線内の両坑口に少なくとも1個の風向風速計を有している。そして、この道路トンネル換気制御装置は、火災発生時にトンネル内の風速を低風速化する低風速化演算部と、トンネル本線において、施工後の換気システムの性能評価を行うための性能評価手段を備えている。ここで換気システムとは制御装置とジェットファンを含めたものをいう。
特に、低風速化演算部は、火災発生地点を特定する火災発生地点設定手段と、火災発生地点から両坑口に設置された風向風速計の内、どちらを使用するかを判定する制御判定手段と、風向、風速からジェットファンの運転台数及び回転方向を設定するための演算手段からなるジェットファン運転台数・回転方向設定手段と、から構成される。また、システム性能を把握するために、シミュレーション演算手段を備えている。
火災発生地点設定手段は、トンネル内の防災区画と呼ばれるトンネル入口から出口までを25m〜50m間隔で細分化した区画を換気火災区画へ変換し、この換気火災区画単位で火災発生地点を設定するようにしている。また、火災発生地点設定手段は、この火災発生地点設定手段で得られる換気火災区画とトンネル内の風速分布の関係から、トンネル内に設置された風向風速計の内、どの風向風速計を用いるかを判定し、その判定結果を制御判定手段に通知する。
また、本発明に用いられる風向風速計のうち、対象となる風向風速計が故障していた場合には、別の風向風速計の値と公知の論理式を用いて、火点位置での風速を推定することもできる。
また、制御判定手段は、火災発生直後か火災制御中かで異なる演算手段を選択するようにしている。そして、この制御判定手段は、火災発生直後、トンネル内の風速が後述する規定値以上の場合には、火災発生から風速が規定値未満となるまで昇圧する初期制御を行い、規定値未満となった段階で昇圧効果を緩和する昇圧抑制制御を行うようにする。ここで「昇圧する初期制御」とは、火災発生地点の風速を規定値まで下げる制御を意味し、「昇圧抑制制御」とは、更に、火災発生地点の風速変化の傾きを緩やかにすることを意味する。この昇圧抑制制御により、風速の抑制効果が少しずつ緩やかになるので、火災発生地点の風速が零(m/s)近傍となったところで、その風速に応じてフィードバック制御を選択するようにしている。
また、制御判定手段は、火災発生直後に、既にトンネル内の風速が規定値未満の場合であれば、フィードバック演算を必ず選択するように制御する。そして、制御判定手段が火災制御中でフィードバック演算を選択した後に、トンネル内の風速がハンチングを起こし、再びトンネル内の風速が規定値以上となった場合でも、引き続きフィードバック演算を選択するようにする。
更に、制御判定手段は、演算手段を変更することにより、トンネル内の風速がハンチングすることを防止するため、風速の効果待ち時間(ジェットファンの昇圧効果が風速に現れるまでの時間)をユーザーが任意に設定できるようにしている。
また、ジェットファン運転台数・回転方向設定手段は、火災発生直後、トンネル内の風速が規定値以上の場合、その初期制御において、運転可能なジェットファンを全台、風速抑制方向に運転するようにする。これにより、低風速化への時間的制約がある場合にも、風速抑制効果が有効となる。
しかし、上述した運転により、風速が規定値未満となるまでに昇圧効果が過大となり、風向が逆向きとなる懸念がある。このため、風速が規定値未満となって、効果待ち時間経過後の昇圧効果を緩和する必要がある場合には、火災発生直後の風向・風速を考慮して、ジェットファンの運転台数を減ずるようにする。
また、火災発生直後の風向・風速は、交通量(大型車台数・小型車台数)のピストン効果及び、換気設備の運転の影響が反映された値となっている。したがって、火災発生前の風向風速計の値から交通量を推定し、交通量、車速、火災発生直後の風向・風速を入力として公知の理論式(フィードフォワード)要素を用いて昇圧効果を緩めた場合の風速遷移を推定して、ジェットファン台数を設定するようにしている。この制御が上述した「昇圧抑制制御」である。
このように、昇圧抑制制御後には、風速の遷移は次第に緩やかとなり零(m/s)近傍となるが、この零(m/s)近傍の風速を維持するために、風速フィードバック演算を行っている。つまり、風速の時間的変化が増加傾向にあり、ジェットファンの運転台数を増やす必要がある場合は、1台ずつ増加させる。また、ジェットファンが動作した後で、昇圧効果が風速計に現れるまでに多少の時間を要するため、風速フィードバック演算の周期は秒単位ではなく分単位としている。
一方、上述の風速フィードバック演算において、演算周期を分単位にすることにより、ジェットファンの運転台数を操作できない時間が長くなる懸念もある。そこで、火災発生前の風向と逆向きになった場合、制御周期に関らず、割込み制御を行い、ジェットファンを停止するようにしている。
また、風速フィードバック演算実行後、自然風等の影響により、風速が規定値以上となった場合でも、初期制御は行わず、フィードバック演算にて風速を零(m/s)近傍に近づけるようにする。ここで、道路トンネル換気制御装置の性能とは、規定時間内にトンネル内の風速を零(m/s)近傍に近づける速さである。設計段階でも、交通流、換気設備の動作を考慮したシミュレーションによる検討を行っているが、現地試験時と同条件でのシミュレーションは行っていない。このため、現地試験時の換気設備システムの評価を行うため、シミュレーションとの比較検討が必要になる。そこで、本発明の好ましい形態では、シミュレーションを行うための入力条件(交通量・風速)をユーザーが任意に変更できる機能を備えている。
また、上記性能評価手段はシミュレーションを行った結果を自動的にグラフ出力する手段を備えている。そして、シミュレーション結果と現地試験結果の低風速化までの時間を比較し、現地試験が優れている結果であれば、設計段階で検討していた種々の条件において、性能を満足することが立証できる。
本発明によれば、対面通行型トンネルまたは一方通行型トンネルにおいて、火災発生地点からの煙の拡散効果を短時間で確実に抑えることが可能となり、より安全なトンネル環境を維持できる効果を奏する。
本発明の実施の形態例の説明で用いる、道路トンネルと道路トンネル換気制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態例の説明で用いる、火災発生地点の風速分布図である。 本発明の実施の形態例の説明で用いる、初期制御演算部の内部構成図である。 本発明の実施の形態例の説明で用いる、昇圧抑制制御演算部で使用するジェットファン台数の風速遷移図である。 本発明の実施の形態例の説明で用いる、風速フィードバック制御演算部の処理構成図である。
以下、図1〜図5を参照して、本発明の実施の形態例(以下、「本例」ということもある)としての道路トンネル換気制御装置とその制御方法について説明する。
図1は、本例の道路トンネル換気制御装置を、道路トンネルに適用した場合の説明図である。対象となる道路トンネルの交通形態は、対面通行型の縦流トンネルであり、トンネルの両坑口に風向風速計1、2が配置されている。また、換気設備は12台のジェットファン3(A〜M)と、4台の排風機4と、5箇所の排気口5(5a〜5e)を備えている。
排気口5は全てが開放されるのではなく、上り線/下り線の交通量に応じて、開放する排気口5(5a〜5e)を選択している。火災発生時は、排風機を停止させるため、火災を認知した時点で全ての排気口が閉状態となることを前提として、以下説明する。
また、道路トンネル換気制御装置6は、低風速化を行うための低風速化演算部7と性能検証のためのシミュレーション部8で構成されている。そして、低風速化演算部7は、後述する火災発生地点設定手段9と、制御判定手段10と、ジェットファンの運転台数・回転方向設定手段11とを備えている。この低速化演算部7は、排風機4及びジェットファン3に対して各種の動作指令を与える中枢機能の役割を果たす部分である。また、シミュレーション部8は、シミュレーション入力値設定手段12を備えている。
本例の換気設備運転状態では、排気口5cを開けてトンネル内の汚染物質を排気しているものとし、ジェットファン3は全台が停止しているとする。また、風向風速計1、2の値は車両の流入によるピストン効果と排風機4の運転効果で規定値以上の風速が吹いているものとする。
図2は、本例の説明で用いる火災発生地点の風速分布図を示したものである。図2に示すように、対面通行型の縦流トンネルにおける風速分布は、排風機4を運転している場合、排気口5cの位置を境界として、左側で一様な風速、右側で一様な風速になる。
現在、火災が図2で示す位置で発生している場合、この火災発生地点は風速13に属することとなる。よって、図1で示す火災発生地点設定手段9は風向風速計1を使用することを制御判定手段10に通知する。
そして、火災発生を認知した制御判定手段8は、火災発生時の風速を規定値16以上と判定し、ジェットファンの運転台数・回転方向設定手段11内の後述する初期制御演算部17(図3参照)を選択する。
図3は、ジェットファンの運転台数・回転方向設定手段11における初期制御演算部17の構成と動作を説明するための図である。
図3に示すように、選択された初期制御演算部17は、換気火災区画取得手段18と、ジェットファンの起動可否判定手段19と、ジェットファンの故障有無判定手段20を備えている。そして、初期制御演算部17の換気火災区画取得手段18は、図2に示す火災発生地点から換気火災区画を取得する。この換気火災区画毎に起動させるジェットファン3と起動させないジェットファン3とが設定されることになる。
すなわち、ジェットファン3の起動可否判定手段19は、この取得した換気火災区画からどのジェットファン3を起動させるかどうか、その起動の可否を判定する。図1に示す道路トンネル換気制御装置6は、換気火災区画毎にどのジェットファン3を起動し、どのジェットファン3を起動させないかを予め設定したデータベース21を持っている。
そして、ジェットファン3の起動可否判定手段19は、このデータベース21に蓄積されているデータに基づいて、起動させるジェットファン3を決定する。
例えば、図3の例では、火災発生現場に対応する換気火災区画を「換気火災区画1」であると想定して、換気火災区画1のデータを用いて、ジェットファン3の起動可否の判定を行うようにしている。つまり、ジェットファン3のうち、A、Bの2台を起動不可に設定し、それ以外の10台のジェットファン3(C〜M)を起動可とするように決定している。
更に、ジェットファンの故障有無判定手段20は、ジェットファン3の故障の有無を判定し、運転可能なジェットファン3の号機にて風速を抑制する方向にジェットファン3を運転する。ここで、ジェットファン3が、火災発生前に風速を抑制する方向とは逆向きに運転されていた場合には、火災発生とほぼ同時に運転方向を切り替える。この際、人命優先の観点から機械的な保護は無視して運転方向を切り替えるようにする。
また、トンネル内の風速が、図2に示す風速規定値16以下になると、「効果待ち時間」経過後に、制御判定手段10は、ジェットファン3の運転台数・回転方向設定手段11内の、不図示の昇圧抑制制御演算部を選択する。ここで、「効果待ち時間」とは、ジェットファン3の運転開始から風向風速計1、2にその運転の効果が現れるまでの時間であり、通常は30秒〜1分程度になる。続いて、選択された昇圧抑制制御演算部は、火災発生時の風向風速計1、2の値から交通量を推定する。そして、推定した交通量と現状のジェットファン3の運転状態を入力とした場合の風速遷移を、予め設定している換気制御装置内のデータと照合する。ここで、「予め設定している換気制御装置内のデータ」とは、推定した交通量とジェットファン運転状態から、何台停止したら理想的な抑制効果となるのかを予めシミュレートした結果である。そして、このシミュレート結果と実結果に基づいてジェットファン3の停止台数を更に絞り込む決定を行うことになる。
図4は、上記照合の結果に基づいて、ジェットファン3の運転台数・回転方向設定手段11内の昇圧抑制制御演算部が、昇圧抑制制御時にジェットファン3の起動を停止させる3パターンの風速遷移図を示したものである。
図4に示した3パターンの内容は、初期制御時の10台運転から更に2台減らした8台運転パターン22と、10台運転から更に4台減らした6台運転パターン23と、10台運転から更に5台減らした5台運転パターン24を例として記載している。パターン22では、停止するジェットファン3が少ないため、規定時間内に低風速化が可能となるが、風速の減少の傾きが大きいので、風向が逆向きとなる懸念がある。また、パターン24では、規定時間内の低風速化は困難となる(図4参照)。
道路トンネル換気制御装置に実装するジェットファン3の停止台数データは、風速零(m/s)化を実現するための規定時間25(風速規定値(m/s)となる時間から風速零(m/s)になるまでの時間)から若干の時間的余裕を考慮して、4台運転パターン23を選定しておく。
図4で説明したように、初期制御後の昇圧抑制制御では、風速の抑制効果が穏やかになるので、零(m/s)近傍となった時点で、図1に示す制御判定手段10は、図5で後述する風速フィードバック制御演算部26を選択する。
図5は、風速フィードバック制御演算部26の構成とその処理を説明するための図である。選択された風速フィードバック制御演算部26は、例えばサンプリング周期10秒で前回サンプリングした風速27と今回サンプリングした風速28を入力とし、これらの2入力に基づいて風速時間的変化算出手段29を用いて、風速の時間的変化を算出する。そして、得られた風速の時間的変化と今回サンプリングした風速から、ジェットファン台数演算手段30を用いてジェットファンの運転台数を決定する。
なお、上述したように、ジェットファン3の運転開始から風向風速計1、2に効果が現れるまでは多少の時間がかかる(これが上述した「効果待ち時間」である)ため、風速フィードバック制御の周期は、本例では1分程度とする。
ジェットファン台数演算手段30によって、運転するジェットファン3の台数が決定されると、次に、制御周期該当判定手段31によって、運転指令の出力可否を判定する。また、風速抑制効果が過大となり、風向が逆向きとなった場合、制御周期に関係なく、抑制方向に動作中のジェットファンは全台停止する割込み制御32を行うようにする。
そして、風速抑制方向に動作中のジェットファン3がない場合(全台停止)は、ジェットファン3を風速抑制方向とは反対方向に動作させる。このようなジェットファン3の制御を火災が鎮火するまで行い、風速を零近傍で安定化させるようにする。
また、前述の道路トンネル換気制御装置6の性能を評価するための手段として、図1に示すシミュレーション部8が使用される。現地試験時は交通量がないことや自然風が時間によって異なることから、シミュレーション入力設定手段12では、現地試験時と同条件の入力を行い、シミュレーション結果を自動グラフ出力する。そして、シミュレーション入力設定手段12で出力した自動グラフと現地試験結果とを、風速規定値以下となるまでの時間で比較し、現地試験結果の方が速い結果となれば、低風速化性能を満足することを証明できる。
以上、本発明の実施形態例である道路トンネル換気制御装置に関して、対面通行型トンネルにおける火災発生地点の低風速化及び性能評価について説明したが、本発明は上述した形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形例、応用例を含むことができる。
1、2・・・風向風速計、3・・・ジェットファン、4・・・排風機、5a〜5e・・・排気口ダンパ、6・・・道路トンネル換気制御装置、7・・・低風速化演算部、8・・・シミュレーション部、9・・・火災発生地点設定手段、10・・・制御判定手段、11・・・ジェットファン運転台数・回転方向設定手段、12・・・シミュレーション入力値設定手段、13・・・風向風速計1の風速、14・・・風向風速計2の風速、15・・・火災発生地点の風速、16・・・風速規定値、17・・・初期制御演算部、18・・・換気火災区画取得手段、19・・・換気火災区画によるジェットファン起動可否判定手段、20・・・ジェットファンの故障有無判定手段、21・・・換気火災区画毎のジェットファン起動定義データ、22・・・ジェットファン6台運転時の風速遷移、23・・・ジェットファン4台運転時の風速遷移、24・・・ジェットファン3台運転時の風速遷移、25・・・風速零(m/s)に到達するまでの規定時間、26・・・風速フィードバック制御演算部、27・・・前回サンプリングした風速(10秒前)、28・・・今回サンプリングした風速(現在)、29・・・風速時間的変化算出手段、30・・・ジェットファン台数演算手段、31・・・制御周期該当判定手段、32・・・割込み制御手段(全台停止)

Claims (12)

  1. 対面通行型または一方通行型のトンネル本線の内部に、少なくとも1個のジェットファンを設け、前記トンネル本線内の両坑口に少なくとも1個の風向風速計を有する道路トンネルを換気制御する道路トンネル換気制御装置において、
    前記トンネル本線上で、火災発生時にトンネル内の風速を低風速化する低風速化演算部と、
    前記トンネル本線において、施工後の換気システムの性能評価を行うための性能評価手段と、を備え、
    前記低風速化演算部は、
    火災発生地点から両坑口に設置された風向風速計の内、どちらを使用するかを判定する制御判定手段と、
    風向、風速からジェットファンの運転台数及び回転方向を設定するための演算手段からなるジェットファン運転台数・回転方向設定手段と、
    から構成されることを特徴とする道路トンネル換気制御装置。
  2. 前記ジェットファン運転台数・回転方向設定手段は、
    火災発生直後に前記ジェットファンの運転台数と回転方向を設定する初期制御部と、
    初期制御開始後、昇圧効果により風速が規定値未満となった場合、ジェットファンの昇圧効果を緩和する昇圧抑制制御部と、
    さらに前記風速が零(m/s)近傍となった場合、前記風速の時間的変化を算出して、前記風速の時間的変化が一定となるように制御する風速フィードバック制御演算部と、
    から構成されることを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御装置。
  3. 前記ジェットファンの運転台数・回転方向設定手段は、
    火災発生地点近傍のジェットファンを除く、複数のジェットファンを制御して低風速化を行う演算手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の道路トンネル換気制御装置。
  4. 前記ジェットファンの運転台数・回転方向設定手段は、初期制御演算部を有しており、該初期制御演算部は、
    火災発生から規定時間内に低風速化を実現するために、運転可能な前記ジェットファンを風速抑制方向に全台運転する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の道路トンネル換気制御装置。
  5. 前記ジェットファン運転台数・回転方向設定手段は、火災発生後の昇圧抑制制御において、初期制御での昇圧効果を緩和するため、火災発生前の風向風速計の値と道路トンネル換気制御装置内で保持するシミュレーション結果との照合結果から、前記ジェットファンの運転の可否を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の道路トンネル換気制御装置。
  6. 前記ジェットファン運転台数・回転方向設定手段は、前記初期制御から前記昇圧抑制制御に遷移するタイミングを、前記ジェットファンの運転効果が前記風向風速計に現れるまでの効果待ち時間を考慮して、ユーザーが任意に設定する、
    ことを可能とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の道路トンネル換気制御装置。
  7. 前記ジェットファン運転台数・回転方向設定手段は、火災発生後のフィードバック制御において、現状の風向風速、風速の時間的変化、現状のジェットファン運転台数・回転方向を入力とし、次回制御周期のジェットファン運転台数・方向を設定する演算手段を、
    備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の道路トンネル換気制御装置。
  8. 前記フィードバック制御において、ジェットファンの運転が抑制方向に過大となり、火災発生前の風向と逆向きとなった場合、前記抑制方向に動作中のジェットファンを全台停止する割込み制御機能を備えたことを特徴とする請求項7に記載の道路トンネル換気制御装置。
  9. 前記低風速化演算手段の性能を評価するための前記性能評価手段は、ユーザーによる任意の条件設定または現地試験時と同条件でシミュレーションを行うため、シミュレーション入力設定手段を含むシミュレーション部から構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の道路トンネル換気制御装置。
  10. 対面通行型または一方通行型のトンネル本線の内部で、火災が発生したときに、トンネル内の風速を低風速化するステップと、
    前記トンネル本線において、施工後の換気システムの性能評価を行うステップと、
    火災発生地点から両坑口に設置された2つの風向風速計の内、どちらを使用するかを判定するステップと、
    前記火災発生直後に、初期制御部によりジェットファンの運転台数と回転方向を設定するとともに、その後の風向、風速からジェットファンの運転台数及び回転方向を更に絞り込むステップと、
    初期制御開始後、昇圧効果により風速が規定値未満となった場合、ジェットファンの昇圧効果を緩和するステップと、
    さらに風速が零(m/s)近傍となった場合、風速の時間的変化を算出して、風速の時間的変化が一定となるように風速フィードバック制御演算部により制御するステップと、
    を含む道路トンネルの換気制御方法。
  11. さらに、火災発生後の昇圧抑制制御において、初期制御での昇圧効果を緩和するため、火災発生前の風向風速計の値と道路トンネル換気制御装置内で保持するシミュレーション結果との照合結果から、前記ジェットファンの運転の可否を判定するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の道路トンネルの換気制御方法。
  12. さらに、前記フィードバック制御において、ジェットファンの運転が抑制方向に過大となり、火災発生前の風向と逆向きとなった場合、前記抑制方向に動作中のジェットファンを全台停止する割込み制御を行うステップを含む、ことを特徴とする請求項10または12に記載の道路トンネルの換気制御方法。
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