JP2010248526A - エチレン系ワックスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分子量分布の狭いエチレン系ワックスを効率よく製造する方法の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される第4族遷移金属化合物、前記第4族遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物、および(C)有機アルミニウム化合物を含むオレフィン重合用触媒の存在下にエチレンを重合させる、極限粘度が0.60dl/g以下のエチレン系ワックスの製造方法。
Figure 2010248526

【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン系ワックスの製造方法に関し、さらに詳しくは分子量分布の狭いエチレン系ワックスを高い生産性で製造するエチレン系ワックスの製造方法に関するものである。
ポリエチレンワックスなどのオレフィン系低分子量重合体は、たとえば顔料分散剤、樹脂加工助剤、印刷インキ用添加剤、塗料用添加剤、ゴム加工助剤、繊維処理剤などの用途に用いられている。また、オレフィン系低分子量重合体は、トナー用離型剤にも用いられている。近年、省エネルギー化の観点から低温定着トナーが求められており、低温での離型性のよいワックス、すなわち同一組成、同一分子量であっても、融点の低いワックスの出現が望まれている。
ところでこのようなオレフィン系低分子量重合体を製造する方法としては、従来から工業的には通常チタン系触媒が使用されている。しかし、この触媒系では触媒単位量当たりの低分子量重合体の収量は大きく、高活性であるという利点はあるが、重合系内の気相の水素分圧を大きく維持することが必要であり、その結果、アルカンの副生が多いという欠点があった。さらには、得られた低分子量重合体の分子量分布が広く、とくに分子量が1000以下の低分子量重合体においては、ベタつきが大きいために、低分子量部を除去しなければ上記の用途には使用することが困難であった。
これらの欠点を改善する方法として、特許文献1にはバナジウム系触媒による低分子量重合体を製造する方法が提案されている。この公報にはチタン系触媒に比べ、低水素分圧下で分子量分布の狭い低分子量重合体を製造できることが記載されているが、分子量分布などが必ずしも充分ではなかった。また、本願出願人は、特許文献2において、(A)
周期律表の第4族、第5族及び第6族よりなる群から選ばれた遷移金属の化合物、(B)
アルミノオキサンからなるメタロセン系触媒の存在下に、エチレンを重合させるかまた
はエチレンをα−オレフィンとを重合させるエチレン系ワックスの製造方法を提案している。この方法によると、分子量分布の狭いエチレン系ワックスを製造することが可能であるが、さらに生産性に優れたエチレン系ワックスの製造方法が望まれている。
さらに、特許文献3、特許文献4などには、メタロセンとアルミノキサンとからなるメタロセン系触媒を用いてエチレン系ワックスを製造することが記載されているが、これらの方法も生産性が必ずしも充分ではない。重合温度を高くすると、重合熱の除熱が容易になり、生産性を向上させることができるが、触媒単位重量当りの低分子量重合体の収量が低下するという問題があった。
本出願人は、既に特許文献5において、(A)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む第IVB族遷移金属化合物と、(B)前記(A)と反応してイオン対を形成する化合物と、(C)有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重合用触媒の存在下にエチレンを(共)重合させるエチレン系ワックスの製造方法を提案している。この方法によると、分子量分布の狭いエチレン系ワックスを高い生産効率で製造することが可能であるが、さらに生産性と品質に優れたエチレン系ワックスの製造方法が望まれている。
特開昭59−210905号公報 特開昭60−78462号公報 特開平1−203410号公報 特開平6−49129号公報 特開平8−239414号公報
本発明は、分子量分布の狭いエチレン系ワックスを効率よく製造する方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記のような従来技術における問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定の炭化水素基またはジエン含有遷移金属化合物の存在下にエチレンを単独重合させるか、あるいはエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとを共重合させると、高い生産性で分子量分布の狭いエチレン系ワックスが得られることを見出した。また、100℃以上の温度で上記の(共)重合を行うとさらに高い生産性で分子量分布が狭く、融点や極限粘度が低いエチレン系ワックスが得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
(A)下記一般式(1)で表される第4族遷移金属化合物、
(B)前記第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および
(C)有機アルミニウム化合物
を含むオレフィン重合用触媒の存在下にエチレンを単独重合させるか、あるいはエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとを共重合させて、極限粘度[η]が0.60dl/g以下であるエチレン(共)重合体を形成させることを特徴とするエチレン系ワックスの製造方法に関する。
Figure 2010248526
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく
、R1からR14までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、MはTi、
ZrまたはHfであり、Yは第14族原子であり、Qはハロゲン、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子、および孤立電子対で配位可能な中性配位子からなる群から同一または異なる組合せで選ばれ、nは2〜4の整数、jは1〜4の整数である。)
本発明では、前記のエチレン単独重合体やエチレン共重合体を形成する際の重合または共重合における重合温度が100℃以上であることが好ましい。また、この重合または共重合における平均滞留時間は1時間以下であることが好ましい。本発明では、特に前記重合または共重合における重合温度が100℃以上であり、且つ平均滞留時間が1時間以下で
あることが好ましい。
本発明は、分子量分布が狭いエチレン系ワックスを高い生産効率で製造することができる。また、重合温度を100℃以上にすると、分子量分布が狭く、融点が低いエチレン系ワックスを高い生産効率で製造することができる。さらに、除熱装置を小型化することができ、設備費を削減できるとともに、滞留時間を短くすることができる。
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒の調製工程を示す概念図である。
以下、本発明に係るエチレン系ワックスの製造方法について具体的に説明する。なお、本明細書において「重合」という語は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられることがある。
まず、本発明で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する各成分について説明する。
(A)第4族遷移金属化合物
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する成分のうち、(A)第4族遷移金属化合物は下記一般式(1)で表される。
Figure 2010248526
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく
、R1からR14までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、MはTi、
ZrまたはHfであり、Yは第14族原子であり、Qはハロゲン、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子、および孤立電子対で配位可能な中性配位子からなる群から同一または異なる組合せで選ばれ、nは2〜4の整数、jは1〜4の整数である。
上記一般式(1)において、炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアルキルアリール基であり、1つ以上の環構造を含んでいてもよい。その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−
エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル、2−フェニルエチル、1−テトラヒドロナフチル、1−メチル−1−テトラヒドロナフチル、フェニル、ナフチル、トリル等が挙げられる。
上記一般式(1)において、ケイ素含有炭化水素基としては、好ましくはケイ素数1〜4、炭素数3〜20のアルキルまたはアリールシリル基であり、その具体例としては、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。
本発明において、上記一般式(1)のR1からR14は水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化
水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。
上記一般式(1)のシクロペンタジエニル環上のR1からR14までの隣接した置換基は、
互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(1)のMは、周期律表第4族元素、すなわちジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
Yは第14族原子であり、好ましくは炭素原子または珪素原子である。nは2〜4の整数であり、好ましくは2または3、特に好ましくは2である。Qはハロゲン、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子からなる群から同一または異なる組み合わせで選ばれる。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル等が挙げられる。炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエンの具体例としては、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トラ
ンス−η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス
−η4−3−メチル−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−2,4−
ヘキサジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ペンタジエン、s−シス
−またはs−トランス−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、s−シス−また
はs−トランス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン等が挙
げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1、2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。jが2以上の整数である場合は、複数のQは同一でも異なっていてもよい。
以下に、上記一般式(1)で表される第4族遷移金属化合物の具体例を示すが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。一般式(1)に示す第4族遷移金属化合物のMQj(金属部分)を除いたリガンド構造を、表記上、Cp(シクロペンタジエ
ニル環部分)、Bridge(架橋部分)、Flu(フルオレニル環部分)の3つに分け、それぞれの部分構造の具体例を、及びそれらの組み合わせによるリガンド構造の具体例
を以下に示す。尚、CpおよびBridgeの具体例において、黒丸(●)で示した点は、それぞれBridgeおよびCpとの結合点を表す。
Figure 2010248526
Figure 2010248526
Figure 2010248526
Figure 2010248526
Figure 2010248526
Figure 2010248526
Figure 2010248526
Figure 2010248526
上記の表に従えば、No. 2のリガンド構造はa1−b1−c2の組み合わせを意味し
、金属部分のMQjがZrCl2の場合は、下記メタロセン化合物(化12)を例示したことになる。
Figure 2010248526
上記一般式(I)におけるMQjの具体例としては、ZrCl2、ZrBr2、ZrMe2、ZrEt2、Zr(n−Pr)2、ZrMeEt、ZrClMe、ZrBrMe、Zr(s−trans−η4−1,3−butadiene)、Zr(s−trans−η4−1,4−Ph2−1,3−butadiene)、Zr(s−trans−η4−3−Me−1,3−pentadiene)、Zr(s−trans−η4−1,4−(CH2Ph)2−1,3−butadiene)、Zr(s−trans−η4−2,4−hexadiene)、Zr(s−trans−η4−1,3−pentadiene)、Zr(s−
trans−η4−1,4−(p−tol)2−1,3−butadiene)、Zr(s−trans−η4−1,4−(SiMe32−1,3−butadiene)、Zr(
s−cis−η4−1,3−butadiene)、Zr(s−cis−η4−1,4−Ph2−1,3−butadiene)、Zr(s−cis−η4−3−Me−1,3−pentadiene)、Zr(s−cis−η4−1,4−(CH2Ph)2−1,3−bu
tadiene)、Zr(s−cis−η4−2,4−hexadiene)、Zr(s
−cis−η4−1,3−pentadiene)、Zr(s−cis−η4−1,4−(p−tol)2−1,3−butadiene)、Zr(s−cis−η4−1,4−(SiMe32−1,3−butadiene)、Zr(OTs)2、Zr(OMs)2、Zr(OTf)2など、およびこれら遷移金属を、ジルコニウムからチタンまたはハフニウム
に替えたものなどを挙げることができる。
(B)前記第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
前記した第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。
具体的には、ルイス酸としては、BR3 (Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される化合物が挙げられ、たとえば トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フル
オロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロン、トリメチルボロン、トリイソブチルボロンなどが挙げられる。
イオン性化合物としては、たとえば下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010248526
式中、Re+としては、H+、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニ
ウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。Rf〜Riは、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記カルベニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンなどの三置換カルベニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n−プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
上記のうち、Reとしては、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好まし
く、特にトリフェニルカルベニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
カルベニウム塩として具体的には、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4−メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができる。
アンモニウム塩としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩などを挙げることができる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス
(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムなどが挙げられる。
N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、たとえばN,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、 N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート、 N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジ
トリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、 N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、 N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェ
ニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、たとえばジ(1−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
さらに、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、あるいは下記式(3)または(4)で表されるボレート化合物、または下記式(5)で表される活性水素を含むボレート化合物、または下記式(6)で表されるシリル基を含むボレート化合物などを挙げることもできる。
Figure 2010248526
(式中、Etはエチル基を示す。)
Figure 2010248526
活性水素を含むボレート化合物:
[B− Qn(Gq(T−H)r)z]-+ …(5)
ここで、Bはホウ素を表す。Gは多結合性ヒドロカーボンラジカルを表し、好ましい多結合性ヒドロカーボンとしては炭素数1〜20を含むアルキレン、アリレン、エチレン、アルカリレンラジカルであり、Gの好ましい例としては、フェニレン、ビスフェニレン、ナフタレン、メチレン、エチレン、プロピレン、1,4−ブタジエン、p−フェニレンメチレンがあげられる。多結合性ラジカルGはr+1の結合、すなわち一つの結合はボレートアニオンと結合し、Gのその他の結合rは(T−H)基と結合する。A+はカチオンであ
る。
上記一般式中のTはO、S、NRj、またはPRjを表し、Rjはヒドロカルバニルラジ
カル、トリヒドロカルバニルシリルラジカル、トリヒドロカルバニルゲルマニウムラジカル、またはハイドライドを表す。qは1以上の整数で好ましくは1である。T−Hグループとしては、−OH、−SH、−NRH、または−PRjHが挙げられ、ここでRjは炭素数1〜18好ましくは炭素数1〜10のヒドロカルビニルラジカルまたは水素である。好ましいRjグループはアルキル、シクロアルキル、アリル、アリルアルキルまたは炭素数
1〜18を有するアルキルアリルである。−OH、−SH、−NRjHまたは−PRjHは、例えば、−C(O)−OH、−C(S)−SH−C(O)−NRjH、及びC(O)−
PRjHでもかまわない。最も好ましい活性水素を有する基は−OH基である。Qは、ハ
イドライド、ジヒドロカルビルアミド、好ましくはジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビルオキシド、アルコキシド、アリルオキシド、ハイドロカルビル、置換ハイドロカルビルラジカルなどである。ここでn+zは4である。
上記一般式(5)の[B−Qn(Gq(T−H)r)z]として、例えば、トリフェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、ジフェニルージ(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリフェニル(2,4−ジヒドロキシフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス〔3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(2−ヒドロキシエチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシブチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシシクロヘキシル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)〔4−(4−ヒドロキシフェニル)フェニル〕ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)ボレートなどが挙げられ、最も好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドキシフェニル)ボレートである。さらに上記ボレート化合物の−OH基を−NHRj(ここで、Rjはメチル、エチル、t−ブチル)で置換したものも好ましい。
ボレート化合物の対カチオンであるA+としては、カルボニウムカチオン、トロピルリ
ウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。またそれ自信が還元されやすい金属の陽イオンや有機金属の陽イオンも挙げられる。これらカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムイオン、ジフェニルカルボニウムイオン、シクロヘプタトリニウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリオクチルアンモニウム、N,N−ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、2,4,6−ペンタメチルアンモニウム、N,N−ジメチルフェニルアンモニウム、ジ−(i−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリホスホニウム、トリジメチルフェニルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルオキソニウムイオン、トリエチルオキソニウムイオン、ピリニウム、銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオン、パラ
ジュウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオンなどが挙げられる。なかでも特にアンモニウムイオンが好ましい。
シリル基を含むボレート化合物:
[B−Qn(Gq(SiRklm)r)z]-+ …(6)
ここで、Bはホウ素を表す。Gは多結合性ヒドロカーボンラジカルを表し、好ましい多結合性ヒドロカーボンとしては炭素数1〜20を含むアルキレン、アリレン、エチレン、アルカリレンラジカルであり、Gの好ましい例としては、フェニレン、ビスフェニレン、ナフタレン、メチレン、エチレン、プロピレン、1,4−ブタジエン、p−フェニレンメチレンがあげられる。多結合性ラジカルGはr+1の結合、すなわち一つの結合はボレートアニオンと結合し、Gのその他の結合rは(SiRklm)基と結合する。A+はカチオンである。
上記一般式中のRk、Rl、Rmはヒドロカルバニルラジカル、トリヒドロカルバニルシ
リルラジカル、トリヒドロカルバニルゲルマニウムラジカル、水素ラジカル、アルコキシラジカル、ヒドロキシラジカルまたはハロゲン化合物ラジカル、を表す。Rk、Rl、Rm
は同一でも独立でも良い。Qは、ハイドライド、ジヒドロカルビルアミド、好ましくはジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビルオキシド、アルコキシド、アリルオキシド、ハイドロカルビル、置換ハイドロカルビルラジカルなどであり、さらに好ましくはペンタフルオロベンジルラジカルである。ここでn+zは4である。
上記一般式(6)中の[B−Qn(Gq(SiRklm)r)z]-として、例えば、トリフェニル(4−ジメチルクロロシリルフェニル)ボレート、ジフェニルージ(4−ジメチルクロロシリルフェニル)ボレート、トリフェニル(4−ジメチルメトキシシリルフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)(4−トリエトキシシリルフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ジメチルクロロシリルフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ジメチルメトキシシリルフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−トリメトキシシリルフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(6−ジメチルクロロシリル−2ナフチル)ボレートなどが挙げられる。
ボレート化合物の対カチオンであるA+ 上記式(5)中の A+と同じものが挙げられる。
ボラン化合物として具体的には、たとえばデカボラン(14)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
カルボラン化合物として具体的には、たとえば4−カルバノナボラン(14)、1,3−ジカルバノナボラン(13)、6,9−ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン(13)、2,7−ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(
n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(14)、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7−カルバウンデカボレート(13)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
尚、上記のような第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B)は、2種以上混合して用いることができる。
(C)有機アルミニウム化合物
オレフィン重合用触媒を形成する(C)有機アルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(7)で表される有機アルミニウム化合物、下記一般式(8)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、または有機アルミニウムオキシ化合物などを挙げることができる。
a m Al(ORbnpq …(7)
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
2 AlRa 4 …(8)
(式中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
上記一般式(7)で表される有機アルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(9)、(10)、(11)、または(12)で表される化合物などを例示できる。
a m Al(ORb3-m …(9)
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数である。)Ra m AlX3-m …(10)
(式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)
a m AlH3-m …(11)
(式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である。)
a m Al(ORbnq …(12)
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である。)
上記一般式(9)、(10)、(11)、または(12)で表されるアルミニウム化合物として、より具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリ tert−ブチルアルミニウム、トリ2−メ
チルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;一般式(i−C49x Aly(C510z (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるイソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;一般式Ra 2.5 Al(ORb0.5 などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのアルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのア
ルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
また、上記一般式(7)で表される化合物に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、
(C252 AlN(C25 )Al(C252
などを挙げることができる。
上記一般式(8)で表される化合物としては、例えば、LiAl(C254、Li
Al(C7154 などを挙げることができる。
また重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、たとえばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組み合わせ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組み合わせなどを使用することもできる。
これらのうち、有機アルミニウム化合物が好ましい。
上記一般式(7)で表される有機アルミニウム化合物、または上記一般式(8)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、上記一般式(9)で表される有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。なお、トリメチルアルミニウムから調製されるアルミノキサンは、メチルアルミノキサンあるいはMAOと呼ばれ、特によく用いられる化合物である。
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性または難溶性である。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(13)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
Figure 2010248526
(式中、Rcは炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。Rdは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。)
上記一般式(13)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(14)で表されるアルキルボロン酸と有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
cB(OH)2 …(14)
(式中、Rcは前記と同じ基を示す。)
上記一般式(14)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、
上記一般式(7)または(8)で表される有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
図1に本発明で用いられるオレフィン重合用触媒の調製工程を示す。本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、上記のような第4族遷移金属化合物(A)、前記第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B)、また、場合によっては有機アルミニウム化合物(C)とから形成される。このようなオレフィン重合用触媒は、高い重合活性で分子量分布の狭いエチレン(共)重合体を製造することができる。また、重合活性が高いため滞留時間を短くすることができる。
本発明では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下にエチレンを単独重合させるか、あるいはエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとを共重合させて低分子量エチレン(共)重合体であるエチレン系ワックスを製造する。
ここで炭素原子数が3以上のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素原子数が3〜20のα−オレフィンを挙げることができる。これらの炭素原子数が3以上のオレフィンは2種以上用いることもできる。
重合反応における重合原料オレフィン中のエチレン含有量は、通常60〜100モル%、好ましくは70〜100モル%の範囲であり、炭素原子数が3以上のオレフィンの含有量は、通常0〜40モル%、好ましくは0〜30モル%の範囲である。
本発明では、重合反応は炭化水素媒体中で実施される。このような炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分などを挙げることができる。さらに、重合に用いるオレフィンを用いることもできる。
本発明では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に重合を行うが、この際には、上記第4族遷移金属化合物(A)は、重合反応系内の遷移金属原子の濃度として通常、10-8〜10-2グラム原子/リットル、好ましくは10-7〜10-3グラム原子/リットルの範囲の量で用いられる。
前記第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B)は、第4族遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子1モルに対して、通常、約1〜50モル、好ましくは1〜20モルとなるような量で用いられる。
また、場合によって用いられる、有機アルミニウム化合物(C)は、第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B)1モルに対して、通常、約1〜5
00モル、好ましくは約1〜300モルとなるような量で用いられる。
本発明では、エチレンの重合、またはエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとの共重合は、通常100℃以上、好ましくは100〜250℃、より好ましくは120〜250℃、特に好ましくは130〜200℃の範囲で行われる。重合温度を上記のような範囲内にすると、重合系の除熱が容易であり、除熱装置を小型化することができる。また、同一の除熱装置では、除熱効率が上がるので生産性を向上させることができる。さらに、高温で重合を行うためポリマー濃度を高くしても、溶液粘度があまり高くならず攪拌動力も低減でき、高濃度で重合することができるため生産性が向上する。
通常エチレンを(共)重合する場合には、重合温度を安定させるために溶媒などを循環して除熱が行われている。ここで用いられる除熱装置では、一般に除熱量が同じであれは重合温度が高い程伝熱面積を小さくすることができ、その効果は、冷却媒体等の条件の選択によって変化するが、たとえば冷却水を用いて単純な向流型の熱交換器を用いたときに、重合温度が100℃である場合には、重合温度が70℃である場合に比べて、必要伝熱面積を約2分の1にすることも可能となる。このように重合温度を高くすると、必要伝熱面積を小さくすることができ、除熱装置を小型化することができるため、設備費を削減することができる。
平均滞留時間(重合時間)は、1時間以下、好ましくは40分以下、より好ましくは30分以下、好ましくは5〜20分である。重合圧力は、通常大気圧〜100kg/cm2 、好ましくは大気圧〜50kg/cm2 、より好ましくは大気圧〜40kg/cm2 の範囲である。
得られるエチレン系ワックスの分子量は、重合反応系に供給する水素量および/または重合温度により調節することができる。重合反応系に供給される水素量は、エチレンに対する水素のモル比として、通常0.01〜2、好ましくは0.05〜1の範囲である。
本発明では、重合反応が終了した重合反応混合物を、常法によって処理することによりエチレン系ワックスが得られる。このようにして得られるエチレン系ワックスは、エチレンの単独重合体、またはエチレンとオレフィンとの共重合体であり、その135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.60dl/g以下である。好ましくは、0.40dl/g以下、より好ましくは0.005〜0.40dl/g、さらに好ましくは0.005〜0.35dl/g、特に好ましくは0.01〜0.30dl/gの範囲である。この、エチレン系ワックス中の、エチレン成分単位の含有率は、80〜100モル%、好ましくは85〜100モル%の範囲であり、炭素原子数が3以上のオレフィン成分単位の含有率は、0〜20モル%、好ましくは0〜15モル%の範囲である。
また、エチレン系ワックスのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した分子量分布(Mw/Mn)は、通常3以下、好ましくは2.5以下であり、融点は、132℃以下である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、系内の温度を145℃に昇温した後、水素を0.3MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保
ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.00005ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.05dl/gのエチレン重合体20.0gを得た。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、系内の温度を145℃に昇温した後、水素を0.2MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.00005ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.11dl/gのエチレン重合体32.0gを得た。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、系内の温度を145℃に昇温した後、水素を1.0MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(3,6−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.0001ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.04dl/gのエチレン重合体11.0gを得た。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、系内の温度を145℃に昇温した後、水素を0.2MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(3,6−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.00005ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.22dl/gのエチレン重合体16.1gを得た。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、系内の温度を145℃に昇温した後、水素を1.3MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレンビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロライド0.0002ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.04dl/gのエチレン重合体12.7gを得た。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、続けて、プロピレン100gを装入した。系内の温度を145℃に昇温した後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.0002ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.56dl/gのエチレン重合体23.6gを得た。結果を表2に示す。
〔実施例6〕
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、続けて、プロピレン80gを装入した。系内の温度を145℃に昇温した後、水素を0.1MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.0002ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.18dl/gのエチレン重合体28.8gを得た。結果を表2に示す。
Figure 2010248526
Figure 2010248526

Claims (2)

  1. (A)下記一般式(1)で表される第4族遷移金属化合物、
    (B)前記第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および
    (C)有機アルミニウム化合物
    を含むオレフィン重合用触媒の存在下に、100〜250℃の重合温度で、エチレンを単独重合させるか、あるいはエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとを共重合させて、極限粘度[η]が0.40dl/g以下であるエチレン(共)重合体を形成させることを特徴とするエチレン系ワックスの製造方法。
    Figure 2010248526
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく
    、R1からR4は全て水素であり、R5からR14までの隣接した置換基は互いに結合して環
    を形成してもよく、MはTi、ZrまたはHfであり、Yは第14族原子であり、Qはハロゲン、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子、および孤立電子対で配位可能な中性配位子からなる群から同一または異なる組合せで選ばれ、nは2〜4の整数、jは1〜4の整数である。)
  2. エチレンの単独重合、あるいはエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとを共重合する際の平均滞留時間が1時間以下である請求項1に記載のエチレン系ワックスの製造方法。
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