JP2010248105A - ウイルス感染阻害用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然物由来の有効成分を利用するウイルス感染阻害用組成物であって、より効果が高いものを提供する。
【解決手段】ウイルス感染阻害用組成物の有効成分として、燕窩の酵素処理物と、フコイダンとを有効成分とを含有せしめる。また、そのウイルス感染阻害用組成物を口、鼻、のど、胃、気管支、又は肺に適用するための組成物として調製する。そのような組成物の形態としては、飴類、トローチ、ガム、スプレー、クリーム、ジェル、チョコレート、グミの形態であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ウイルス感染を阻害する効果が期待できる、ウイルス感染阻害用組成物に関するものである。
ウイルスは、病原体としてわれわれの生活に深い関わりをもっており、ヒトに感染するウイルスとして、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、EBウイルス、B型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス、日本脳炎ウイルス、エイズウイルス、サーズウイルス等の様々なウイルスが知られている。
例えば、インフルエンザは、主に鼻腔や口等から体内に侵入して気道内の粘膜に付着して感染する。インフルエンザに感染すると、高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、鼻汁等の症状を示し、更に、気管支炎、肺炎等を併発して重症化することも多い。また、インフルエンザは流行が始まると短期間に小児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込み、高齢者の死亡率が高くなる。
従来、インフルエンザの予防法としては、ワクチンを接種してインフルエンザウイルスへの抗体反応によってウイルス感染を防止する方法や、ウイルスが人体に入るのを防止するためにマスクを装着することが行われている。
しかしながら、ワクチン接種による予防法は、ウイルスの変異株に合わせたワクチンを短期間に大量生産することが困難であり、流行株の予測が外れた場合等には対応できないという問題がある。一方、マスクによる予防法は簡便ではあるものの、予防法としては十分満足できるものではない。
また、近年、インフルエンザ治療薬としてオセルタミビル(商品名「タミフル」中外製薬)等も用いられるようになっているが、症状出現後48時間以内に投与しなければ効果が期待できず、更に、副作用、耐性株の出現の危険性等の問題から使用上の制限が多い。そのため、天然物を原料とする、より安全性の高いウイルス予防・治療剤の開発が望まれている。
このような課題に対して、例えば、下記特許文献1には、燕窩抽出物を酵素処理して得られる燕窩の酵素処理物には、赤血球凝集阻害活性試験において、インフルエンザウイルスによる赤血球の凝集反応を抑制する作用効果のあることが記載されている。そして、これを飴類の形態で口腔やのどに適用することで、インフルエンザウイルス感染の予防の効果が期待できることが記載されている。
一方、下記特許文献2には、フコイダンを有効成分として含有して、ウィルス増殖阻害作用を有することを特徴とする、抗ウィルス組成物の発明が開示されている。
特開2006−115732号公報 特開2007−217410号公報
しかしながら、従来、天然物由来の有効成分を利用するウイルス感染阻害用組成物はその有効性が十分とはいえなかった。
したがって、本発明の目的は、天然物由来の有効成分を利用するウイルス感染阻害用組成物であって、より効果が高いものを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 燕窩の酵素処理物と、フコイダンとを有効成分として含有することを特徴とするウイルス感染阻害用組成物。
[2] 前記酵素処理物中の平均分子量が2,000〜7万である[1]記載のウイルス感染阻害用組成物。
[3] 前記フコイダンの平均分子量が1万〜10万である、[1]又は[2]記載のウイルス感染阻害用組成物。
[4] インフルエンザウイルスの感染阻害用である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載のウイルス感染阻害用組成物。
[5] 口、鼻、のど、胃、気管支、又は肺に適用するための組成物である、[4]記載のウイルス感染阻害用組成物。
[6] 飴類、トローチ、ガム、スプレー、クリーム、ジェル、チョコレート、グミの形態である、[5]記載のウイルス感染阻害用組成物。
本発明によれば、燕窩の酵素処理物とフコイダンとを、ウイルス感染阻害用組成物の有効成分として併用することにより、両者のウイルス感染阻害能を相乗的に高めることができる。特に細胞表面にウイルスが吸着するのを阻害する効果が高いので、口、鼻、のど、胃、気管支、又は肺に適用するための組成物にすると、有効成分が口腔や喉、鼻腔、胃、気管支等の粘膜に長く留まり、ウイルス進入の経路に直接作用させることができるので、より高いウイルス感染阻害効果が得られる。
インフルエンザウイルスによる赤血球凝集を阻害する活性を示す図表である。
本発明のウイルス感染阻害用組成物は、その有効成分の一つが燕窩の酵素処理物である。本発明でいう「燕窩」とは、燕窩そのものだけでなく、燕窩の水性溶媒抽出物も含む意味であり、「燕窩の酵素処理物」とは、燕窩そのものの酵素処理物だけでなく、燕窩の水性溶媒抽出物の酵素処理物も含む意味である。
燕窩は、アナツバメが自らの唾液を糸状にして作る巣であり、中国では古くから高級な食材として食されているほか、肺疾患、健胃、去痰、皮膚の若返り、滋養強壮等の漢方薬としても用いられている。また、その成分としては、タンパク質と糖質を多く含み、また、脂質はほとんど含まれていない。
一般に市販されている燕窩には、毛や糞等の汚れを取り除いて洗浄しただけのものから、燕窩のクズを集めて漂白と洗浄を繰り返して成形したものまで様々な種類があるが、本発明においては、前処理において過度の洗浄や漂白などが行われていない燕窩が好ましく用いられる。なお、燕窩そのものを用いる場合は、粉砕したものを用いることが好ましく、好ましくは粒径300μm以下、より好ましくは150μm以下の大きさに粉砕した燕窩を用いる。
また、燕窩の水性溶媒抽出物は、例えば以下のようにして調製することができる。すなわち、好ましくは粒径2mm以下、より好ましくは150μm以下の大きさに粉砕した燕窩に、その質量の10〜1000倍の水を加えて、1〜100℃、0.5〜48時間静置又は撹拌して抽出を行い、不溶物を除去するために濾過を行う。得られた濾液をそのまま、あるいは適宜、電気透析等による脱塩や、限外ろ過等による濃縮の処理を施してから、凍結乾燥又は噴霧乾燥して粉末化することができる。
そして、燕窩、あるいは燕窩の水性溶媒抽出物を酵素処理して燕窩を部分分解する。酵素処理を行わないと、実質的なウイルス感染の阻害効果がもたらされないので好ましくない。その酵素処理は、例えば以下のようにして、行うことができる。すなわち、上記と同様にして抽出した抽出液(濾過前の溶液)、あるいは前記抽出液を濾過した濾液を60〜130℃、5〜30分間加熱処理した後、溶液のpHを酵素の至適pHに調整して酵素を適量加え、酵素の至適温度で0.5〜24時間酵素処理を行い、反応液を加熱処理するなどして酵素を失活させる。この時、酵素処理物の平均分子量が好ましくは500〜20万、より好ましくは2000〜7万となるように酵素処理条件を設定する。また、上記酵素としては、プロテアーゼが好ましく、例えば一般に食品用の酵素として市販されているものを1種又は2種以上組合せて用いることができる。
次いで、反応液中の不溶物を除去するために濾過した後、得られた濾液を、そのまま、あるいは適宜、電気透析等による脱塩や、限外ろ過等による濃縮の処理を施してから、凍結乾燥又は噴霧乾燥して粉末化することができる。
本発明においては、燕窩の水性溶媒抽出物の酵素処理物が好ましく用いられる。なお、燕窩の水性溶媒抽出物の酵素処理物として、例えば、商品名「コロカリア」(コンビ株式会社製)等の市販のものを用いることもできる。
一方、本発明のウイルス感染阻害用組成物は、その有効成分のもう一つがフコイダンである。フコイダンはモズク、メカブ、ヒジキ、ワカメなどの渇藻類に含まれる硫酸化されたフコースを構成糖にもつ多糖の総称である。
本発明に用いられるフコイダンは、例えば、塩蔵保存されたオキナワモズク等を原料として、以下のようにして調製することができる。すなわち、好ましくは粒径80メッシュ以下の大きさに粉砕し、その質量の10〜1000倍の水性溶媒、好ましくは酸性の水性溶媒を加えて、静置又は撹拌して抽出を行う。抽出の際の温度、抽出pH、時間等の条件は、適宜選択することができるが、酸性の水性溶媒を用いて加熱抽出するのが効率的であり好ましい。また、抽出の際の温度、抽出pH、時間等の条件をコントロールすることで、得られるフコイダンを任意の分子量に調製することができる。この時、本発明に用いられるフコイダンの平均分子量は、好ましくは1万〜10万、より好ましくは1万〜3万となるように上記抽出条件を設定する。また、上記酸性の水性溶媒としては、塩酸の溶液が好ましい。
抽出後、固液分離し得られた濾液をそのまま、あるいは適宜、電気透析等による脱塩や、限外ろ過等による濃縮の処理を施してから、凍結乾燥又は噴霧乾燥して粉末化することができる。
なお、フコイダンとしては、例えば、商品名「オキナワモズクフコイダン」(株式会社サウスプロダクト社製)等の市販のものを用いることもできる。
本発明においては、上記に説明した燕窩の酵素処理物とフコイダンとを、ウイルス感染阻害用組成物の有効成分として併用する。その使用の形態としては、経口的に摂取して体の中から作用させるようにしてもよく、また、有効成分が口腔や喉、鼻腔、胃、気管支等の粘膜に長く留まるような、口、鼻、のど、胃、気管支、又は肺に適用するための組成物の形態にして、ウイルス進入の経路に直接作用させるようにしてもよい。特にインフルエンザウイルスの場合にはウイルス進入の経路に直接作用させる使用の形態が好ましい。
本発明のウイルス感染阻害用組成物の製剤的な形態としては、液剤、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、ゼリー状剤等を好ましく例示できるが、口、鼻、のど、気管支、又は肺に適用するための組成物の形態として、特に飴類、トローチ、ガム、スプレー、クリーム、ジェル、チョコレート、グミ等の形態を好ましく例示できる。これらの製法は常法に従えばよいが、燕窩の酵素処理物は熱に弱く、過度の熱履歴を受けるとそのウイルス感染阻害の活性が低下するので、加熱する工程をなくすか又はできるだけ少なくして調製することが好ましい。
本発明のウイルス感染阻害用組成物には、上記に説明した燕窩の酵素処理物とフコイダン以外にも、ビタミン・ミネラル類として、例えば、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウムなどを含有させてもよい。また、甘味類として、例えば、アスパルテーム、グリチルリチン等のノンカロリー甘味類などを含有させてもよい。また、免疫賦活剤として乳酸菌等を含有させてもよい。また、抗酸化剤として、ポリフェノール、アスタキサンチン、メロン抽出SODなどを含有させてもよい。また、抗花粉・アレルギー剤として、ラクトフェリン、プロポリスなどを含有させてもよい。
本発明のウイルス感染阻害用組成物の有効摂取・適用量は、通常、燕窩の酵素処理物換算で、成人1日当りおよそ0.5〜500 mgであり、フコイダン換算で、成人1日当りおよそ50〜500 mgである。
本発明のウイルス感染阻害用組成物において、燕窩の酵素処理物とフコイダンの含有量は、その使用の形態や製剤的な形態と、ウイルス感染阻害のための有効な摂取・適用量等を勘案して適宜定めればよく、特に制限されるものではないが、通常、固形分換算で燕窩の酵素処理物を0.02〜10質量%含有させることが好ましく、0.05〜1質量%含有させることがより好ましく、0.05〜0.5質量%含有させること最も好ましい。また、固形分換算でフコイダンを0.1〜10質量%含有させることが好ましく、0.3〜6質量%含有させることがより好ましく、0.3〜0.6質量%含有させること最も好ましい。
以下には、本発明のウイルス感染阻害用組成物を飴類又はトローチの形態とするための製造方法について説明する。なお、本発明において、「飴類」とは、ドロップ、タフィー、ブリットル、飴玉等のハードキャンデーやキャラメル等のソフトキャンデーを含む意味である。
i)ハードキャンデーの場合
まず、鍋や蒸発釜に、砂糖、水飴を水に加えて加熱・溶解し、水分が1〜2.5質量%になるまで煮詰めて飴生地を調製する。この時、鍋で煮詰めた場合は飴生地の温度が150〜165℃になり、蒸発釜で煮詰めた場合でも135℃以上になる。なお、砂糖や水飴等の配合割合は、製造しようとする飴の種類や煮詰め方法に応じて適宜調整すればよく、例えば、常圧で煮詰める場合(常圧法)は、質量比で砂糖80〜70、水飴20〜30であり、減圧下で煮詰める場合(真空法)は、質量比で砂糖65〜50、水飴35〜50である。
得られた飴生地を冷却して飴生地の温度が好ましくは115〜130℃になったときに、上記燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンを添加して均一に混合する。燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンを添加する際の飴生地の温度が高すぎると、燕窩の酵素処理物が過度の熱履歴を受けてウイルス感染阻害効果が低下してしまい、飴生地の温度が低過ぎると、燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンを飴生地と均一に混合できなくなるため好ましくない。
また、燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンは粉末状態で添加することが好ましく、その添加量は0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜1質量%がより好ましい。燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンの添加量が少な過ぎるとウイルス感染阻害効果が期待できず、添加量が多過ぎるとコストが高くなるため好ましくない。
なお、色素、香料、酸味料等の他の原料は、燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンと一緒に添加してもよく、別々に添加しても良い。
そして、飴生地が適当な硬さになるまで冷却した後、所定の形状に成型してから更に冷却することによりハードキャンデーを得ることができる。
ii)ソフトキャンデーの場合
まず、鍋や蒸発釜に、砂糖、水飴、練乳、バター等を加熱しながら混合して煮詰め、飴生地(I)を調製する。また、別の飴生地(II)に好ましくは110〜120℃で上記燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンを添加したものを調製しておく。なお、上記各原料の配合割合は、製造しようとする飴の種類や煮詰め方法に応じて適宜調整すればよい。
得られた飴生地(I)(飴生地の温度は110〜140℃)を冷却して飴生地の温度が好ましくは100〜130℃、より好ましくは105〜120℃になったときに、上記燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンを含む飴生地(II)を重ね合わせて、その後、通常の飴製造工程にてソフトキャンデーを得ることができる。
燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンは粉末状態で添加することが好ましく、その添加量はハードキャンデーの場合と同様である。また、色素、香料、酸味料等の他の原料は、燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンと一緒に添加してもよく、別々に添加しても良い。
そして、飴生地が適当な硬さになるまで冷却した後、所定の形状に成型してから更に冷却することによりソフトキャンデーを得ることができる。
iii)トローチの場合
まず流動層造粒装置に、一次混合原料として、上記燕窩の酵素処理物及び/又はフコイダンにブドウ糖、乳糖、水溶性食物繊維等を調合し、0.3質量%程度に調整したバインダ液を噴霧しながら好ましくは60℃以下で造粒する。一次混合原料には、付加価値を上げるためにコラーゲン、ラクトフェリン、プロポリス等を配合してもよい。一次原料の配合割合は製造しようとするトローチの種類に応じて適宜調整すればよい。次いで香料、付着防止剤を添加し、二次混合して任意の重量、形錠に打錠して、トローチを得ることができる。
上記のようにして得られた飴類やトローチは、燕窩の酵素処理物及びフコイダンが、その生理活性効果を損なうことなく配合されているので、これを口腔内で徐々に溶かしながら摂取することにより、有効成分が口腔内に長く留まるとともに口腔や喉の粘膜に有効成分を直接接触させることができる。これにより、より高いウイルス感染予防効果が期待できる。特にハードキャンデーやトローチは、口腔内での滞留時間が長いので効果的である。
上記の飴類やトローチに含有させる燕窩の酵素処理物は、好ましくは1個当り0.5〜500 mgであり、より好ましくは1個当り2.5〜20 mgである。また、上記の飴類に含有させるフコイダンは、好ましくは1個当り1〜500mgであり、より好ましくは1個当り2.5〜20 mgである。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<試験例1>[赤血球凝集阻害活性]
インフルエンザウイルスは細胞表面にあるシアル酸糖鎖への吸着を介して宿主細胞に感染するので、赤血球の表面にあるシアル酸糖鎖への吸着を介して引き起こされる赤血球凝集を阻害できるか否かを評価する、赤血球凝集阻害活性試験により、ある成分がインフルエンザウイルスの感染を阻害できるかどうかが評価できる。そこで、表1に示す試験液をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)にて調製し、これらの試験液について赤血球凝集阻害活性試験を行った。なお、試験に用いた燕窩の酵素処理物(タンパク質分解酵素処理物;平均分量:2000〜7万)は、コンビ株式会社より供給を受けた粉末状組成物(商品名「コロカリア」、コンビ株式会社製)を用いた。また、フコイダン(平均分量:1万〜3万)は、オキナワモズク由来のフコイダン粉末状組成物(商品名「オキナワモズクフコイダン」、株式会社サウスプロダクト社製)を用いた。
それぞれの試験液の50μlを、96穴丸底マイクロプレートに入れた。そして、インフルエンザウイルスA型(PR8株/H1N1)(107.5TCID50、入手元:信州大学大学院農学研究科)を0.1%BSA含有PBSで8倍希釈したウイルス溶液の50μlを、上試験液の50μlに添加して、室温で1時間反応させた。反応後、別の96穴丸底マイクロプレート上にとり、0.1%BSA含有PBSを希釈用溶液にして2倍づつの段階希釈列(最終溶液量50μl)を調製した。その段階希釈列に、0.5%鶏赤血球溶液(鶏の赤血球を0.1%BSA含有PBSに懸濁させたもの)の50μlを加えて混合し、室温で1時間放置した。そして、赤血球の凝集が見られた希釈倍数(HA価)を測定した。試験は3回行い、その平均値を求め、Student-t検定を用いて有意差を判定した。その結果を表2、図1に示す。
表2、図1に示すように、燕窩の酵素処理物には、インフルエンザウイルスによる赤血球凝集を阻害する効果が認められた。また、燕窩の酵素処理物とフコイダンとを併用すると、より顕著な阻害効果が認められた。一方、フコイダン単独では効果が認められなかった。したがって、燕窩の酵素処理物とフコイダンとを併用することによる顕著な阻害効果は、単純な相加的効果ではなく、何らかの作用機序により相乗的に両者の有効性が高められることによってもたらされたものであると考えられた。

Claims (6)

  1. 燕窩の酵素処理物と、フコイダンとを有効成分として含有することを特徴とするウイルス感染阻害用組成物。
  2. 前記酵素処理物の平均分子量が2,000〜7万である請求項1記載のウイルス感染阻害用組成物。
  3. 前記フコイダンの平均分子量が1万〜10万である、請求項1又は2記載のウイルス感染阻害用組成物。
  4. インフルエンザウイルスの感染阻害用である、請求項1〜3のいずれか1つに記載のウイルス感染阻害用組成物。
  5. 口、鼻、のど、胃、気管支、又は肺に適用するための組成物である、請求項4記載のウイルス感染阻害用組成物。
  6. 飴類、トローチ、ガム、スプレー、クリーム、ジェル、チョコレート、グミの形態である、請求項5記載のウイルス感染阻害用組成物。
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