JP2010247849A - プラスチックボトル - Google Patents

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Abstract

【課題】ボトル本体の底面の変形を抑制すると共に、生産性の更なる向上を可能としたプラスチックボトルを提供する。
【解決手段】ブロー成形によりボトル本体2が成形されてなるプラスチックボトルであって、ボトル本体2が、底面3aの中央部を底上げした底上げ部8と、底上げ部8の周囲を囲む脚部9と、底上げ部8から当該ボトル本体2の内側に向かって隆起してなるリブ部10とを有し、リブ部10が、ボトル本体2のパーティングラインPLに対して直交する方向に延長されて脚部9に至ると共に、その延長方向と直交する方向に複数並んで設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラスチックボトルの改良に関する。
プラスチックボトルは、例えば、シャンプーやリンス、ボディーソープ、台所洗剤、液体衣料洗剤、柔軟剤などの液体製品を収容するボトル容器として利用されており、日用雑貨製品や飲料向け、食品向けなどの液体製品に広く用いられている。
プラスチックボトルは、一般に合成樹脂材料をブロー成形することによりボトル本体が成形され、このボトル本体にキャップを被せたものからなる。具体的に、このプラスチックボトルのボトル本体の製造には、パリソンと呼ばれる筒状の成形材料を溶融状態とし、金型に入れ、内部に空気を吹き込んで膨らませると同時に冷却して成形する方法が用いられる。
ところで、内容量の大きなプラスチックボトル(例えば内容量が2〜6L)は、ボトル本体の横断面形状がオーバル状のものが多く、また、ハンドリングの点から取手が必要となるため、ダイレクトブロー成形によって製造されるのが一般的である。
しかしながら、上述した大容量のプラスチックボトルでは、その内容液の自重によりボトル本体の底面に変形(膨らみ)が生じると、店頭などに陳列した際に、正立安定性が低下したり、外観の見映えが悪くなったりするため、それらを防ぐ必要がある。
従来のプラスチックボトルでは、上述したボトル本体の底面の変形を防ぐために、樹脂量を増やしボトル本体を肉厚に形成したり、樹脂材料に高剛性なものを使用したりして、ボトル本体の剛性を高めて底面の変形を防ぐことが行われている。しかしながら、このような対策では、生産コストの増加を招くことになる。
一方、従来のプラスチックボトルでは、その正立安定性を良くするため、ボトル本体の底面の中央部を底上げしたり、さらに、この底上げ部分に複数のリブを設けたりすることによって、ボトル本体の底面の剛性を確保することが行われている(例えば、特許文献1,2を参照。)。
しかしながら、このようなボトル本体の底面形状が複雑になるに従って、ブロー成形後にパーティングラインに沿って分割される金型からボトル本体を取り出す際に、このボトル本体の離型性が悪くなるといった新たな問題が生じることになる。特に、ボトル本体の底面における底上げ寸法を大きく設計しようとすると、そのような傾向がより顕著なものとなる。一方、このような問題に対応するため、金型の構造を複雑なものとすると、生産コストの上昇を招くことになる。
特開平1−99949号公報 特開平6−247433号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、ボトル本体を肉厚に形成したり、剛性の高い高価な樹脂材料を用いたりすることなく、ボトル本体の底面の変形を抑制すると共に、ブロー成形後にパーティングラインに沿って分割される金型からのボトル本体の離型性を良くすることによって、生産性の更なる向上を可能としたプラスチックボトルを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ブロー成形によりボトル本体が成形されてなるプラスチックボトルであって、ボトル本体が、底面の中央部を底上げした底上げ部と、底上げ部の周囲を囲む脚部と、底上げ部から当該ボトル本体の内側に向かって隆起してなるリブ部とを有し、リブ部が、ボトル本体のパーティングラインに対して直交する方向に延長されて脚部に至ると共に、その延長方向と直交する方向に複数並んで設けられていることを特徴とするプラスチックボトルである。
また、請求項2に係る発明は、底上げ部が、リブ部の間で平坦面を形成していることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトルである。
また、請求項3に係る発明は、リブ部が、パーティングラインから脚部に向かって漸次幅が大きくなる形状を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチックボトルである。
以上のように、本発明に係るプラスチックボトルでは、ボトル本体の底上げ部からボトル本体の内側に向かって隆起してなるリブ部が、ボトル本体のパーティングラインに対して直交する方向に延長されて脚部に至ると共に、その延長方向と直交する方向に複数並んで設けられていることによって、ボトル本体を肉厚に形成したり、剛性の高い高価な樹脂材料を用いたりすることなく、ボトル本体の底面の剛性を十分に確保しながら、ボトル本体の底面の変形を抑制することが可能である。また、このプラスチックボトルでは、ボトル本体の底面をこのような形状とすることで、ブロー成形後にパーティングラインに沿って分割される金型からのボトル本体の離型性を良好なものとし、生産性の更なる向上を図ることが可能である。
図1は、本発明を適用したプラスチックボトルの一例を示す斜視図である。 図2は、ボトル本体の底面形状の一例を示し、(a)は、ボトル本体を底面側から見た斜視図、(b)は、ボトル本体の底面図、(c)は、線分X−X’によるボトル本体の底部における断面図である。 図3は、ボトル本体の底面形状の他例を示し、(a)は、ボトル本体を底面側から見た斜視図、(b)は、ボトル本体の底面図、(c)は、線分X−X’によるボトル本体の底部における断面図である。 図4は、ボトル本体の底面形状の他例を示し、(a)は、ボトル本体を底面側から見た斜視図、(b)は、ボトル本体の底面図、(c)は、線分X−X’によるボトル本体の底部における断面図である。 図5は、ボトル本体の底面形状の他例を示し、(a)は、ボトル本体を底面側から見た斜視図、(b)は、ボトル本体の底面図、(c)は、線分X−X’によるボトル本体の底部における断面図である。
以下、本発明を適用したプラスチックボトルについて、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本発明を適用したプラスチックボトル1は、ボトル本体2を備え、このボトル本体2は、底部3と、底部3の外周から筒状に起立した胴部4と、胴部4の上端において漸次縮径された肩部5と、肩部5の上端から筒状に起立した口頸部6を有し、この口頸部6にキャップ(図示せず。)が装着される構造となっている。また、このボトル本体2には、使用時に持ち易く且つ注出操作をし易くするための把手部7が設けられている。
このようなボトル本体2は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂材料からなる。また、このボトル本体2の製造には、例えばダイレクトブロー成形や2軸延伸ブロー成形などのように、パリソンと呼ばれる筒状の成形材料を溶融状態とし、金型に入れ、内部に空気を吹き込んで膨らませると同時に冷却して成形する方法が用いられる。
なお、ボトル本体2に装着されるキャップは、その形態について特に限定されるものではなく、図示を省略するものの、上述したボトル本体2の口頸部6に螺合により着脱自在に装着されるカバーキャップの他にも、例えば、ボトル本体2から注出された内容液を計り取る計量キャップを備えたものなどであってもよい。
また、このプラスチックボトル1に収容される液体(内容液)としては、例えば、シャンプーやリンス、ボディーソープ、台所洗剤、液体衣料洗剤、柔軟剤などの液体製品を挙げることができる。
本発明を適用したプラスチックボトル1は、ボトル本体2の外観形状について特に限定されないものの、ボトル本体2の底部3において、例えば図2(a)〜(c)に示すような底面形状を有することを特徴としている。
具体的に、このボトル本体2は、その底部3に、底面3aの中央部を底上げした底上げ部8と、底上げ部8の周囲を囲むリング状の脚部9と、底上げ部8から当該ボトル本体2の内側に向かって隆起してなるライン状のリブ部10とを有している。
また、リブ部10は、ボトル本体2のパーティングラインPLに対して直交する方向に延長されて脚部9に至ると共に、その延長方向と直交する方向に複数(本実施形態では5つ)並んで設けられている。さらに、各リブ部10は、パーティングラインPLから脚部9に向かって漸次幅が大きくなるように、その中心線Sに対して所定の角度θだけ傾斜した形状を有している。
なお、パーティングラインPLとは、ブロー成形時に金型の分割線に沿ってボトル本体2の表面に形成される線状痕のことである。このボトル本体2の表面には、略楕円形状を有する底面3aを長軸方向に沿って二等分するパーティングラインPLが形成されている。
また、ボトル本体2の底部3では、脚部9の内側にある底上げ部8が、各リブ部10の間で平坦面8aを形成している。一方、各リブ部10は、これら平坦面8aの各間からボトル本体2の内側(上方)に向かって略円弧状に凸となる形状を有している。
以上のような構造を有するプラスチックボトル1では、ボトル本体2の底上げ部8からボトル本体2の内側に向かって隆起してなるリブ部10が、ボトル本体2のパーティングラインPLに対して直交する方向に延長されて脚部9に至ると共に、その延長方向と直交する方向に複数並んで設けられている。これにより、ボトル本体2を肉厚に形成したり、剛性の高い高価な樹脂材料を用いたりすることなく、このボトル本体2の底部3の剛性を十分に確保しながら、ボトル本体2の底部3の変形を抑制することが可能である。
また、このプラスチックボトル1では、複数のリブ部10がパーティングラインPLから脚部9に向かって漸次幅が大きくなる形状を有することで、ボトル本体2の底部3における剛性を更に高めることが可能である。さらに、このプラスチックボトル1では、底上げ部8がリブ部10の間で平坦面8aを形成することによっても、ボトル本体2の底部3における剛性を高めることが可能である。
また、このプラスチックボトル1では、ボトル本体2の底部3をこのような底面形状とすることで、ブロー成形後にパーティングラインPLに沿って分割される金型からのボトル本体2の離型性を良好なものとし、生産性の更なる向上を図ることが可能である。
すなわち、このプラスチックボトル1の底面3aにおいて、複数のリブ部10は、パーティングラインPLから脚部9に向かって漸次幅が大きくなる形状を有している。さらに、底上げ部8は、リブ部10の間で平坦面8aを形成している。このような底面形状を有する場合、ブロー成形後に一対の金型をパーティングラインPLに対して直交する方向に離型させることによって、ボトル本体2の底上げ部8から無理抜きによって金型を容易に離脱させることが可能である。したがって、本発明では、金型の構造を複雑なものとすることなく、ボトル本体2を容易に製造することが可能である。
なお、本発明では、上記ボトル本体2の底面形状に必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。なお、以下の説明では、上記ボトル本体2と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
具体的に、ボトル本体2の底面3aに形成されるリブ部10の数については、適宜変更して実施することが可能である。例えば、図3(a)〜(c)に示すボトル本体2Aの底面形状は、このボトル本体2Aの底面3aに7つのリブ部10が形成された構成を有し、図4(a)〜(c)に示すボトル本体2Bの底面形状は、このボトル本体2Bの底面3aに3つのリブ部10が形成された構成を有している。何れの場合も、上記ボトル本体2と同様に、ボトル本体2A,2Bを肉厚に形成したり、剛性の高い高価な樹脂材料を用いたりすることなく、このボトル本体2A,2Bの底部3の剛性を十分に高めることが可能である。
また、本発明を適用したプラスチックボトル1では、例えば図5(a)〜(c)に示すボトル本体2Cのように、底面3aに少なくとも上記リブ部10が形成された構成であればよく、場合によって上記平坦面8aの代わりに、各リブ部10の間にボトル本体2の外側(下方)に向かって略円弧状に凸となるリブ部11が形成された構成とすることも可能である。すなわち、このボトル本体2Cの底面形状は、リブ部10,11が交互に並んで形成された構成を有している。この場合も、ボトル本体2Cを肉厚に形成したり、剛性の高い高価な樹脂材料を用いたりすることなく、このボトル本体2Cの底部3の剛性を十分に高めることが可能である。
一方、上記ボトル本体2,2A,2Bの底面形状のように、各リブ部10の間に上記平坦面8aを設けた場合には、このボトル本体2,2A,2Bの底部3の剛性を十分に確保するのに、上記ボトル本体2Cの場合よりも、上記リブ部10の数を減らすことが可能である。したがって、この場合には、金型の構造を単純化して、ボトル本体2,2A,2Bの製造をより容易なものとすることが可能である。
1…プラスチックボトル 2,2A,2B,2C…ボトル本体 3…底部 3a…底面 4…胴部 5…肩部 6…口頸部 7…把手部 8…底上げ部 8a…平坦面 9…脚部 10…リブ部 11…リブ部

Claims (3)

  1. ブロー成形によりボトル本体が成形されてなるプラスチックボトルであって、
    前記ボトル本体は、底面の中央部を底上げした底上げ部と、前記底上げ部の周囲を囲む脚部と、前記底上げ部から当該ボトル本体の内側に向かって隆起してなるリブ部とを有し、
    前記リブ部は、前記ボトル本体のパーティングラインに対して直交する方向に延長されて前記脚部に至ると共に、その延長方向と直交する方向に複数並んで設けられていることを特徴とするプラスチックボトル。
  2. 前記底上げ部は、前記リブ部の間で平坦面を形成していることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトル。
  3. 前記リブ部は、前記パーティングラインから前記脚部に向かって漸次幅が大きくなる形状を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチックボトル。
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