JP2010247680A - 車両用エンジンアンダーカバー - Google Patents

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Abstract

【課題】吸音室の数を減らすことなく強度を高めることができるエンジンアンダーカバーの提供を目的とする。
【解決手段】上面11に隆起した中空の吸音室15が複数形成され、吸音室15間が凹部18になったブロー成形体からなる車両用エンジンアンダーカバー10において、隣り合う2つの吸音室15a,15a間の凹部18aに向けて、エンジンアンダーカバーの下面31から上方へ隆起した突部33を形成し、突部33の頂部34の大きさを凹部18a両側の2つの吸音室15a,15内にはみ出す大きさにすると共に、突部33と対向する凹部18aの底面19aの高さを、突部33と対向しない他の凹部18bの底面19bの高さよりも高くし、該高くした凹部18aの底面19aに突部の頂部34を溶着した。
【選択図】図3

Description

本発明は、中空の吸音室を有する車両用エンジンアンダーカバーに関する。
従来、図5に示すように、車両のエンジン81下方には、車両のエンジンによる騒音を低減するために板状のエンジンアンダーカバー70が設けられている。符号80はエンジンルーム、83はラジエーター、88はバンパーである。また、吸音性を高めるため、図6に示すように、上面に隆起した中空の吸音室77を複数形成したプラスチックのブロー成形体からなるエンジンアンダーカバー75が提案されている(例えば特許文献1)。さらに、ブロー成形体からなるエンジンアンダーカバーの強度を高めるため、図7に示すように、ブロー成形体からなるエンジンアンダーカバー90の下面91からリブ93を立設して、上面95の凹部97にリブ93の頂部94を接合することにより補強することが提案されている(特許文献2)。
前記リブ93を立設したエンジンアンダーカバー90は、前記下面91のリブ93による補強効果をさらに高めるために前記リブ93を大きくするのが好ましい。しかし、前記リブ93を大きくすると、前記リブ93の頂部94が接合される上面95の凹部97の面積も大きくなって、前記凹部97により区画される吸音室99の数が減ることになり、エンジンアンダーカバーの吸音性が低下する問題がある。加えて、前記エンジンアンダーカバーの下面91のリブ93を大きくすると、前記リブ93の裏側の窪み93aが大きくなり、車両の走行時に、エンジンアンダーカバーの下面に沿って流れる空気の抵抗がリブ93の裏側の窪み93aによって大きくなって車両の走行性に悪影響を与える問題が発生する。
特開2002−29330号公報 実開昭62−77052号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、第1には吸音室の数を減らすことなく強度を高めることができるエンジンアンダーカバーの提供を目的とし、第2には吸音室の数を減らすことなく強度を高めることに加え、車両走行時にエンジンアンダーカバーの下面に沿って流れる空気の抵抗増大を抑えることができるエンジンアンダーカバーの提供を目的とする。
請求項1の発明は、上面に隆起した中空の吸音室が複数形成され、前記吸音室間が凹部になったブロー成形体からなる車両用エンジンアンダーカバーにおいて、隣り合う2つの前記吸音室間の凹部に向けて、前記エンジンアンダーカバーの下面から上方へ隆起した突部を形成し、前記突部の頂部の大きさを前記凹部両側の吸音室内にはみ出す大きさにすると共に、前記突部と対向する前記凹部の底面の高さを、前記突部と対向しない他の凹部の底面の高さよりも高くし、前記高くした凹部の底面に前記突部の頂部を溶着したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記凹部両側の吸音室は、車両の幅方向に沿うエンジンアンダーカバーの幅方向に並ぶ吸音室であり、前記突部は、車両の前後方向に沿うエンジンアンダーカバーの前後方向に長いリブ形状からなることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、エンジンアンダーカバーの上面に形成されている隣り合う2つの吸音室間の凹部に向けて、エンジンアンダーカバーの下面から上方へ隆起させた突部の頂部を、前記凹部両側の吸音室内にはみ出す大きさにすると共に、前記突部と対向する前記凹部の底面の高さを、前記突部と対向しない他の吸音室間の凹部の底面の高さよりも高くし、前記高くした凹部の底面に前記突部の頂部を溶着した構成により、吸音室の数を減らすことなく、エンジンアンダーカバーの下面の突部を大きくすることができ、吸音性を低下させることなくエンジンアンダーカバーの強度を高めることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1による効果、すなわち、吸音室の数を減らすことなく、エンジンアンダーカバーの下面の突部を大きくすることができ、吸音性を低下させることなくエンジンアンダーカバーの強度を高めることができる効果に加え、前記突部が、前記エンジンアンダーカバーの前後方向に長いリブ形状からなるため、前記リブ形状の突部裏面の窪みが車両の前後方向に沿うものとなり、前記突部が大きくなっても、車両走行時にエンジンアンダーカバーの下面に沿って流れる空気の抵抗が、前記突部裏側の窪みで増大することを抑えることができる。
本発明の実施例に係るエンジンアンダーカバーの斜視図である。 図1の2−2断面図である。 図1の3−3断面図である。 図1における上面を一部切り欠いた斜視図である。 従来のエンジンアンダーカバーの使用状態を示す概略図である。 従来のブロー成形体からなるエンジンアンダーカバーの一例の断面図である。 従来のブロー成形体からなるエンジンアンダーカバーの他例の断面図である。
図1乃至図4に示す実施例のエンジンアンダーカバー10は、公知のブロー成形によって成形されたプラスチックのブロー成形体からなり、図5に示した従来のエンジンアンダーカバーと同様に車両のエンジン81下方に配設される。本実施例のエンジンアンダーカバー10は、中空板状体からなり、図5に示したエンジン81の下方からラジエーター83の下方を経てラジエーター83前方のバンパー88裏側に近接する大きさからなる。
前記エンジンアンダーカバー10の上面11には、上方へ隆起した複数の中空の吸音室15と取り付け用突部23が形成されている。
前記吸音室15は、前記エンジンアンダーカバー10の吸音性を高めるためのものであり、側面及び上面で構成される凸状の中空形状からなる。前記吸音室15は、吸音性を考慮して形状、大きさ及び数が決定されている。前記吸音室15は、車両の前後方向に沿うエンジンアンダーカバー10の前後方向Lに列状に並び、車両の幅方向に沿うエンジンアンダーカバー10の幅方向Wに並列に複数列設けられている。前記吸音室15間は凹部18となっている。
前記取り付け用突部23はエンジンアンダーカバー10を車両へ取り付ける際に利用されるものである。前記取り付け用突部23は上面に取り付け孔25が形成されている。
前記エンジンアンダーカバーの下面31には、複数箇所に上方へ隆起した突部33が形成されている。なお、図2は前記エンジンアンダーカバー10の幅方向Wに並ぶ吸音室15間の凹部18位置における断面図である。前記突部33は、前記エンジンアンダーカバー10の前後方向Lに長いリブ形状とされ、かつ前記エンジンカバー10の幅方向に並ぶ吸音室15a,15a間の凹部18aに向けて形成されている。前記突部33と対向する前記凹部18aの底面19aは、前記突部33と対向しない他の凹部18bの底面19bよりも高さが高く(すなわち凹部の深さが浅く)形成されている。また、前記突部33の頂部34は、前記凹部18aの両側の前記幅方向Wに並んで隣り合う2つの吸音室15a,15a内にはみ出し、かつ前記2つの吸音室15a,15aを塞がない大きさとされている。前記突部33の頂部34は、前記凹部18aの底面19aに溶着されている。
前記エンジンアンダーカバー10は、前記突部33と対向する凹部18aの底面19aの高さを、前記突部33と対向しない他の凹部18bの底面19bよりも高くすることにより、及び前記突部33の頂部34を前記凹部18aの両側の前記幅方向Wに隣り合う吸音室15a,15a内にはみ出させることで、前記吸音室15の数を減らすことなく前記下面31の突部33を大きくすることができ、吸音性を損なうことなくエンジンアンダーカバー10の強度を高めることができる。
さらに、前記エンジンアンダーカバー10は、前記突部33がエンジンアンダーカバー10の前後方向Lに長いリブ形状からなるため、前記突部33裏面の窪み35が車両の前後方向に沿うものとなり、前記突部33が大きくなっても、車両走行時にエンジンアンダーカバー10の下面に沿って流れる空気の抵抗が前記突部33裏側の窪み35によって増大することを抑えることができる。
10 エンジンアンダーカバー
11 エンジンアンダーカバーの上面
15 吸音室
15a 幅方向に隣り合う吸音室
18,18a,18b 吸音室間の凹部
19,19a,19b 凹部の底面
31 エンジンアンダーカバーの下面
33 突部
34 突部の頂部
35 突部裏面の窪み

Claims (2)

  1. 上面に隆起した中空の吸音室が複数形成され、前記吸音室間が凹部になったブロー成形体からなる車両用エンジンアンダーカバーにおいて、
    隣り合う2つの前記吸音室間の凹部に向けて、前記エンジンアンダーカバーの下面から上方へ隆起した突部を形成し、
    前記突部の頂部の大きさを前記凹部両側の吸音室内にはみ出す大きさにすると共に、前記突部と対向する前記凹部の底面の高さを、前記突部と対向しない他の凹部の底面の高さよりも高くし、前記高くした凹部の底面に前記突部の頂部を溶着したことを特徴とする車両用エンジンアンダーカバー。
  2. 前記凹部両側の吸音室は、車両の幅方向に沿うエンジンアンダーカバーの幅方向に隣り合う吸音室であり、前記突部は、車両の前後方向に沿うエンジンアンダーカバーの前後方向に長いリブ形状からなることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジンアンダーカバー。
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